(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
プルシアンブルー(またはフェロシアニド)は、かなり以前から染料として使用されてきた物質であって、IAEAまたはFDAは、プルシアンブルーが
137Csに対する吸着率が非常に高く、且つ、毒性がないので、プルシアンブルーを摂取することにより、体内
137Csを除去することができると報告した。このようにプルシアンブルーを放射性セシウム吸着剤として使用することは、かなり以前から知られており、関連技術は、プルシアンブルーをどんな担体に担持するかによって変わる。最近、磁性ナノ粒子にプルシアンブルーを結合した吸着剤を利用して
137Csを回収する技術が開発され、ナノ繊維にプルシアンブルーを担持して
137Csを吸着する技術が開発された。これらの技術は、プルシアンブルーをどのように担持し、どんな形態で製造するかによって左右される。
【0003】
すなわち、現在までのプルシアンブルー関連技術は、1)担持技術、2)担体の種類、3)これを利用した
137Cs吸着および回収に焦点を合わせただけであり、
137Csに吸着したプルシアンブルーの活用に対する研究はなかった。
【0004】
なお、光触媒技術としては、光触媒が光を吸収してヒドロキシラジカルのような強力な酸化剤を発生させることにより、多様な難分解性有機汚染物質を光分解させる技術がある。この際、使用可能な光触媒は、TiO
2、ZnO、WO
3、SnO
2のような半導体酸化物がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、プルシアンブルーを利用した放射性セシウム吸着剤について研究したところ、プルシアンブルーの性能を向上させるために活性化した光触媒粒子を採用する場合、放射性セシウムを効果的/選択的に除去することができることを確認し、本発明を完成した。
【0016】
放射性セシウム吸着剤
本発明は、光触媒粒子と、プルシアンブルーとを含み、前記プルシアンブルーの鉄(III)イオン(ferric ion)は、前記光触媒粒子の活性化により鉄(II)イオン(ferrous ion)に還元されることを特徴とする放射性セシウム吸着剤に関する。
【0017】
すなわち、本発明による放射性セシウム吸着剤は、光触媒粒子およびプルシアンブルーは、単純混合された状態で含むこともでき、光触媒粒子上にプルシアンブルーがコートまたは担持された状態で含むこともできる。
【0018】
前記光触媒粒子が活性化しない状態で、放射性セシウム吸着剤は、放射性セシウム吸着用前駆体として作用することもできるが、プルシアンブルーが放射性セシウムと混合して一次的に放射性セシウムを吸着することもできる。なお、前記光触媒粒子が活性化した状態で、放射性セシウム吸着剤は、プルシアンブルーの鉄(III)イオンが鉄(II)イオンに還元されて、放射性セシウムと混合して2次的に放射性セシウムを吸着することもできる。
【0019】
まず、本発明による放射性セシウム吸着剤は、光触媒粒子を含むが、従来、プルシアンブルーと混合されるか、またはこれを担持するための担体として、磁性ナノ粒子またはナノ繊維を活用した研究はあったが、光触媒粒子を活用した研究は一度もなかった。
【0020】
前記光触媒粒子は、TiO
2、ZnO、WO
3、SnO
2、CdSおよびFe
2O
3よりなる群から選択された一つ以上を含む粒子であってもよく、その中でも、TiO
2が光化学反応促進効率が最も優れているので、前記光触媒粒子としてTiO
2粒子を使用することが最も好ましいが、これに限らない。なお、SiO
2粒子は、酸化物の形態にもかかわらず、光触媒粒子として認められないので排除される。また、前記光触媒粒子は、5nm〜100nmの直径を有することが好ましいが、これに限らない。
【0021】
また、前記光触媒粒子は、前記光触媒粒子を活性化させることができる波長を含むUV領域により活性化して光化学反応を促進させる物質を言うものであって、前記活性化した光触媒粒子は、水と反応してOHラジカルおよび水素イオンを形成して、後述するプルシアンブルーの鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元させることができる。この際、前記光触媒粒子を活性化させることができる波長は、300nm超過であることが好ましく、300nm超過〜500nm以下の波長範囲であることがより好ましいが、これに限らない。この際、300nm以下の波長範囲では、非常に短い波長に起因して必要とするエネルギーが非常に大きくなる問題点があり、500nm超過の波長範囲では、光触媒粒子を活性化させないという問題点がある。
【0022】
具体的に、本発明では、光触媒粒子としてTiO
2粒子を使用した。TiO
2粒子のバンドギャップは、3.0〜3.2eVであるので、このバンドギャップを克服するためには、300nm超過の波長範囲、好ましくは、380nm〜420nmの波長範囲、より好ましくは、390nm〜410nmの波長範囲を含むUV領域により活性化させる必要がある。これにより、活性化したTiO
2粒子は、光化学反応を促進させることができる。
【0023】
より具体的に、本発明においてTiO
2粒子の活性化反応メカニズムおよび活性化したTiO
2粒子の光化学反応促進メカニズムは、以下の(1)〜(3)に示された通りである:
【0024】
TiO
2+hv(λ>300nm)→e
−+h
+(1)
h
++H
2O→OH+H
+(2)
e
−+(−[Fe(III)−CN−Fe(II)]−)→(−[Fe(II)−CN−Fe(II)]−)(3)
【0025】
次に、本発明による放射性セシウム吸着剤は、プルシアンブルーを含み、前記プルシアンブルーは、前記光触媒粒子と単純混合した状態であってもよく、前記光触媒粒子上にコートまたは担持された状態であってもよい。
【0026】
前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンは、前記光触媒粒子の活性化により鉄(II)イオンに還元されることを特徴とする。
【0027】
前記プルシアンブルーは、Fe
7(CN)
18で表される濃厚な青色を示す物質をいう。また、前記プルシアンブルーは、鉄(III)イオンを含むことができ、下記化学式1で表される化合物を含むことができる:
【0029】
この際、プルシアンブルーは、フェロシアン化塩(フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウムなど)溶液に塩化鉄を加えて製造され得、キレート剤のうち一つであって、放射性元素のうち一つである
137Csに汚染されたとき、応急薬品として使用でき、プルシアンブルーを投与すると、
137Csの生物学的半減期を110日から30日に短縮させることができる。前記プルシアンブルーは、多様な放射性物質のうち放射性セシウムに対する選択度が高いだけでなく、放射性セシウムに対する吸着率(除去率)に優れている。
【0030】
前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンは、前記光触媒粒子の活性化(具体的に、前記光触媒粒子を活性化させることができる波長を含むUV領域)により鉄(II)イオンに還元されることを特徴とするところ、プルシアンブルーの性能をさらに向上させたことを特徴とする。これに対するメカニズムは、
図1に示された通りである。
【0031】
前記光触媒粒子を活性化させることができる波長を含むUV領域は、300nm超過であることが好ましく、300nm超過〜500nm以下の波長範囲であることがより好ましいが、これに限らない。この際、前記UV領域は、外部UVを10分〜10時間の間照射することにより形成されるものであり、外部UVの時間当たりの総照射量は、300mJ/cm
2〜5,000mJ/cm
2であってもよい。
【0032】
また、前記外部UV照射は、pH2〜pH10で行われ得、pH値が高くなるほど試料の表面電荷が負電荷を呈するので、放射性セシウムをさらに効果的/選択的に除去することができる。
【0033】
また、前記外部UV照射は、窒素の雰囲気下で行われることが好ましいが、これに限らない。なお、外部UV照射が酸素の雰囲気下で行われる場合には、前記光触媒の活性化により前記プルシアンブルーの鉄(III)イオン(ferric ion)が還元される代わりに、酸素が還元されるので、プルシアンブルーの性能を向上させないという問題点がある。
【0034】
なお、前記放射性セシウム吸着剤は、光触媒粒子の形態によってパウダー、ビーズ、繊維またはメンブレイン形態のように多様な形態で製作され得、特に、前記放射性セシウム吸着剤が繊維またはメンブレイン形態で製作される場合、放射性セシウムを吸着および除去した後、容易に回収することができるという利点を有する。
【0035】
放射性セシウムの除去方法
本発明は、(a)光触媒粒子およびプルシアンブルーを含む組成物を製造する段階と、(b)前記(a)の段階で製造された組成物および放射性セシウムを混合した前駆体溶液を製造する段階と、(c)前記(b)の段階で製造された前駆体溶液で前記光触媒粒子を活性化させることにより、前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元させる段階とを含む放射性セシウムの除去方法を提供する。
【0036】
図2は、本発明の一具現例による放射性セシウムの除去方法を概略的に示す図である。
図2に示されたように、光触媒粒子およびプルシアンブルーを含む組成物に放射性セシウムを混合して、一次的に放射性セシウムを吸着することができる。次に、前記光触媒粒子を活性化させることにより、前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元させることもでき、このような還元過程で2次的に放射性セシウムを吸着することができる。
【0037】
まず、本発明による放射性セシウムの除去方法は、光触媒粒子およびプルシアンブルーを含む組成物を製造する段階[(a)の段階]を含む。
【0038】
前記光触媒粒子および前記プルシアンブルーについては、前述した通りであるので、重複説明を省略することとする。
【0039】
前記組成物は、前記光触媒粒子および前記プルシアンブルーを混合することにより製造できるが、前記光触媒粒子および前記プルシアンブルーの重量比は、1:10〜10:1であることが好ましいが、これに限らない。この際、前記プルシアンブルーの含量が非常に低い場合には、放射性セシウムの効果的な吸着および除去が行われないという問題点があり、前記プルシアンブルーの含量が非常に高い場合には、UV領域による光触媒粒子の活性化効果を期待しにくいという問題点がある。
【0040】
次に、本発明による放射性セシウムの除去方法は、前記(a)段階で製造された組成物および放射性セシウムを混合した前駆体溶液を製造する段階[(b)の段階]を含む。これにより、一次的に放射性セシウムを吸着することができる。
【0041】
前記前駆体溶液内の光触媒粒子およびプルシアンブルーの総濃度は、2g/L〜20g/Lであることが好ましく、5g/L〜20g/Lであることが好ましいが、これに限らない。この際、前駆体溶液内の光触媒粒子およびプルシアンブルーの総濃度が高いほど、UV領域による放射性セシウムをさらに効果的に除去できるという利点を有する。
【0042】
次に、本発明による放射性セシウムの除去方法は、前記(b)段階で製造された前駆体溶液で前記光触媒粒子を活性化させることにより、前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンを鉄(II)イオンに還元させる段階[(c)の段階]を含む。これにより、2次的に放射性セシウムを吸着することができる。
【0043】
前記光触媒粒子を活性化させることができる波長を含むUV領域は、300nm超過であることが好ましく、300nm超過〜500nm以下の波長範囲であることがより好ましいが、これに限らない。この際、前記UV領域は、外部UVを10分〜10時間の間照射することにより形成されるものであり、外部UVの時間当たりの総照射量は、300mJ/cm
2〜5,000mJ/cm
2であってもよい。
【0044】
また、前記外部UV照射は、pH2〜pH10で行われ得、pH値が高くなるほど試料の表面電荷が負電荷を呈するので、放射性セシウムをさらに効果的/選択的に除去することができる。
【0045】
また、前記外部UV照射は、窒素の雰囲気下で行われることが好ましいが、これに限らない。なお、外部UV照射が酸素の雰囲気下で行われる場合には、前記光触媒の活性化により前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンが還元される代わりに、酸素が還元されるので、プルシアンブルーの性能を向上させないという問題点がある。
【0046】
したがって、本発明による放射性セシウム吸着剤は、光触媒粒子と、プルシアンブルーとを含み、前記プルシアンブルーの鉄(III)イオンは、前記光触媒粒子の活性化により鉄(II)イオンに還元されることを特徴とするところ、プルシアンブルーの性能を向上させて、放射性セシウムを効果的/選択的に除去することができる。
【0047】
特に、前記光触媒粒子の活性化のための外部UV照射条件を最適化することにより、プルシアンブルーの性能をさらに向上させて、放射性セシウムをさらに効果的/選択的に除去することができる。
【0048】
本発明によれば、放射線防護の側面および環境保護の側面で危険な物質として扱われる放射性セシウムを効果的に除去しつつ、2次的な廃棄物の量を大幅低減することができて、原子力施設の除染または事故時に有用に活用できるものと期待される。
【0049】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
【0050】
[実施例]
実施例1
光触媒粒子として、TiO
2粉末(Sigma−Aldrich社)1gおよびプルシアンブルー(CAS NUMBER:14038−43−8;Sigma−Aldrich社)1gを混合した後、混合物を水に添加して、25℃で2時間の間追加混合した。その後、0.45μmのフィルターに通過させた後、80℃のオーブンで乾燥した試料を製造した。次に、試料およびCsを混合して、0.5g/L〜10g/Lの試料および40μM〜55μMのCsを含む前駆体水溶液を製造した。
【0051】
比較例1
TiO
2粉末の代わりにSiO
2粉末(Sigma−Aldrich社)を使用したことを除いて、実施例1と同じ方法でCsを除去した。
【0052】
実験例1:前駆体水溶液内試料の濃度によるCs除去(または吸着)程度
実施例1によるCs除去において、前駆体水溶液内試料の濃度によるCs除去(または吸着)程度を観察するための実験を行い、その結果は、
図3(a)〜(b)に示した。
【0053】
図3(a)は、実施例1によるCs除去において、前駆体水溶液内試料の濃度別に、時間[90分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるCs濃度変化を観察した結果を示すグラフである。
【0054】
図3(a)に示されたように、前駆体水溶液内試料の濃度が0.5g/L〜1g/Lである場合、Cs除去程度が非常に僅かな水準であることが確認されるが、前駆体水溶液内試料の濃度が2g/L以上である場合、前駆体水溶液内試料の濃度が高くなるにつれてCs除去程度が向上することが確認される。特に、外部UV照射時間が経過するにつれて、Cs除去程度が顕著に向上することが確認される。
【0055】
図3(b)は、実施例1によるCs除去において、前駆体水溶液内試料の濃度別に、外部UV非照射によるCs吸着濃度と6時間の間外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)によるCs吸着濃度を比較した結果を示すグラフである。
【0056】
図3(b)に示されたように、前駆体水溶液内試料の濃度が0.5g/L〜1g/Lである場合、外部UV非照射および外部UV照射によるCs吸着程度がいずれも非常に僅かな水準であることが確認されるが、前駆体水溶液内試料の濃度が2g/L以上である場合、前駆体水溶液内試料の濃度が高くなるにつれてCs吸着程度が向上することが確認される。特に、前駆体水溶液内試料の濃度が5g/L以上である場合、外部UV照射の場合、外部UV非照射に比べて、Cs吸着程度が顕著に向上することが確認される。
【0057】
実験例2:pH条件によるCs除去程度
実施例1および比較例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、pH条件によるCs除去程度を観察するための実験を行い、その結果は、
図4および
図5(a)〜(b)に示した。
【0058】
図4は、実施例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、pH条件別に、時間[90分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるCs濃度変化を観察した結果を示すグラフである。
【0059】
図4に示されたように、pH条件に関係なく、外部UV照射によるCs除去程度がいずれも優れていることが確認される。この際、pH3の場合、外部UV非照射によるCs除去程度は、非常に僅かな水準であるが、外部UV照射によるCs除去程度は、最も優れていることが確認される。
【0060】
図5(a)は、実施例1および比較例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、時間[90分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるpH変化を観察した結果を示すグラフである。
【0061】
図5(a)に示されたように、実施例1の場合、比較例1に比べて、外部UV非照射によるpH変化は、非常に僅かであるが、外部UV照射時間が経過するにつれて、pHは、次第に低くなることが確認される。これは、外部UV照射によって、光触媒粒子に該当するTiO
2は活性化して水素イオンを形成するが、光触媒粒子に該当しないSiO
2は活性化しない結果によるものと認められる。
【0062】
図5(b)は、実施例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、前駆体水溶液内試料の濃度別に、時間[90分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるpH変化を観察した結果を示すグラフである。
【0063】
図5(b)に示されたように、前駆体水溶液内試料の濃度に関係なく、外部UV非照射によるpH変化は、非常に僅かであるが、外部UV照射時間が経過するにつれて、pHは、次第に低くなることが確認される。これは、外部UV照射によって、光触媒粒子に該当するTiO
2は活性化して水素イオンを形成するが、光触媒粒子に該当しないSiO
2は活性化しない結果によるものと認められる。
【0064】
実験例3:競争イオンの種類によるCs除去程度
実施例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、競争イオンの種類によるCs除去程度を観察するための実験を行い、その結果は、
図6に示した。
【0065】
図6は、実施例1によるCs除去において、競争イオン(Mg
2+、Ca
2+、K
+、Na
+)の種類によって、時間[90分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるCs濃度変化を観察した結果を示すグラフである。
【0066】
図6に示されたように、競争イオンの種類に関係なく、外部UV非照射によるCs除去程度の差は、非常に僅かであるが、外部UV照射時間が経過するにつれて、Cs除去程度が顕著に向上することが確認されるところ、Cs除去に高い選択性を有することが確認される。
【0067】
実験例4:雰囲気条件によるCs除去程度
実施例1によるCs除去において、雰囲気条件によるCs除去程度を観察するための実験を行い、その結果は、
図7(a)〜(b)に示した。
【0068】
図7(a)は、実施例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、雰囲気(空気、窒素、酸素)条件別に、外部UV非照射によるCs吸着濃度と3時間の間外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)によるCs吸着濃度を比較した結果を示すグラフである。
【0069】
図7(a)に示されたように、雰囲気条件に関係なく、外部UV非照射によるCs吸着濃度は、いずれも僅かな水準であることが確認されるが、窒素の雰囲気下で外部UV照射によるCs吸着濃度が顕著に向上するが、酸素の雰囲気下で外部UV照射によるCs吸着濃度はかえって低下することが確認される。
【0070】
図7(b)は、実施例1によるCs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、窒素の雰囲気下で3時間の間外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)(4回反復実験)によるCs濃度変化を観察した結果を示すグラフである。
【0071】
図7(b)に示されたように、4回反復実験の結果を見ても、窒素の雰囲気下で外部UV照射によるCs除去程度がいずれも優れていることが確認される。
【0072】
実験例5:光触媒粒子適用の有無によるCsおよび137Cs除去程度
実施例1および比較例1によるCsおよび
137Cs除去において、光触媒粒子適用の有無によるCsおよび
137Cs除去程度を観察するための実験を行い、その結果は、
図8(a)〜(b)に示した。
【0073】
図8(a)および(b)は、実施例1および比較例1によるCsおよび
137Cs除去(前駆体水溶液内試料の濃度=5g/L)において、時間[60分間外部UV非照射後、外部UV照射(時間当たりの総照射量=3,000mJ/cm
2)]によるCsおよび
137Cs濃度変化を観察した結果を示すグラフである。
【0074】
図8(a)および(b)に示されたように、実施例1の場合、比較例1と外部UV非照射によるCsおよび
137Cs除去程度は、類似した水準であったが、外部UV照射時間が経過するにつれて、Csおよび
137Cs除去程度が顕著に向上することが確認される。これは、外部UV照射によって、光触媒粒子に該当するTiO
2は活性化して水素イオンを形成するが、光触媒粒子に該当しないSiO
2は活性化しない結果によるものと認められる。
【0075】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることを理解することがむできる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。