特許第6697445号(P6697445)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6697445自己発泡性ホットメルト接着剤組成物並びにその作製方法及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6697445
(24)【登録日】2020年4月28日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】自己発泡性ホットメルト接着剤組成物並びにその作製方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20200511BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20200511BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
   C09J201/00
   C09K3/00 111B
   C09J11/06
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-508691(P2017-508691)
(86)(22)【出願日】2015年8月17日
(65)【公表番号】特表2017-532394(P2017-532394A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】US2015045566
(87)【国際公開番号】WO2016028708
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】62/038,321
(32)【優先日】2014年8月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517099096
【氏名又は名称】フォーマティック, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】スタンプハウザー, ウィリアム シー.
【審査官】 柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0159531(US,A1)
【文献】 特開平05−017730(JP,A)
【文献】 特開平08−067861(JP,A)
【文献】 特開昭53−017645(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0112710(US,A1)
【文献】 特開2013−169703(JP,A)
【文献】 米国特許第04059714(US,A)
【文献】 特開2009−160571(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02045020(EP,A1)
【文献】 特開昭52−066545(JP,A)
【文献】 特開昭57−031973(JP,A)
【文献】 特開昭58−174478(JP,A)
【文献】 米国特許第04555284(US,A)
【文献】 Unifoam Az: "UNIFOAM AZ Facilitating chemicals on a higher level", 2012.03.01, retrieved on 2017.12.13, retrieved from the Internet, URL;http://seaconcorp.com/wp-content/uploads/2014/06/SCO-22123-Otsuka-UnifoamAZ-Catalog.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/00
C09K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を作製する方法であって、
化学発泡剤を担体中に、回転数が500rpm以上の剪断混合により分散して、化学発泡剤の凝集体を崩壊し、濃縮物を作製することと、
前記濃縮物をベースホットメルト接着剤組成物に、当該ベースホットメルト接着剤組成物の溶融温度より高く、前記化学発泡剤の分解温度未満の温度で剪断混合して、混合物を作製することと、
前記混合物を冷却して自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を得ることと、
からなり、
前記化学発泡剤は、平均粒径が3〜100ミクロンの範囲の粉末状であり、
前記担体が、(1)前記ベースホットメルト接着剤組成物と相溶性の液体であるか、または(2)前記ベースホットメルト接着剤組成物の溶融低粘度成分である、方法。
【請求項2】
前記ベースホットメルト接着剤組成物の溶融温度より高く、前記化学発泡剤の分解温度未満の温度が、前記化学発泡剤の分解温度(゜F)の5〜10%低い温度である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミド、オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記化学発泡剤が、アゾジカルボンアミドである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記液体が、鉱油、ナフテン系油及び/又は可塑化剤からなる、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記化学発泡剤が、約5重量%〜70重量%の量で前記濃縮物に存在している、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記化学発泡剤が、約0.1重量%〜約8重量%の量で前記自己発泡性ホットメルト接着剤組成物に存在している、請求項1記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、自己発泡性ホットメルト接着剤組成物並びにその作製方法及び使用方法に関する。さらに特には、本発明は自己発泡性熱可塑性ホットメルト組成物、自己発泡性熱可塑性ホットメルト組成物の製造方法、自己発泡性熱可塑性ホットメルト組成物を活性化するための処理装置、並びに自己発泡性熱可塑性ホットメルト組成物を用いて1以上の基材を粘着的に接着する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡接着剤は、そのマトリックスに渡って分布する独立ガス気泡を有する。発泡性ホットメルト接着剤の使用は多くの利点があり、例えば、低減された接着剤消費量で等接着性能を得ることができること、接着剤オープンタイムが長いこと、接着剤等体積当たりのBTU含量が低いこと、接着当たりの量が少ないためコストが低減されること、また低エネルギー消費であること、などがある。様々な発泡ホットメルト組成物及びその作製方法が開示されており、例えば、米国特許第4,200,207号明細書、同第4,059,714号明細書、同第4,059,466号明細書、同第4,555,284号明細書、及び国際公開第WO2013/078446号明細書などが含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,200,207号明細書
【特許文献2】米国特許第4,059,714号明細書
【特許文献3】米国特許第4,059,466号明細書
【特許文献4】米国特許第4,555,284号明細書
【特許文献5】国際公開第2013/078446号パンフレット
【0004】
ホットメルトフォームを製造する周知の方法としては、昇圧下、例えば300psi以上で、不活性ガスを秤量し溶融ホットメルトへ混合することがある。ガスは加圧下、ホットメルトに溶解する一方、加圧分配装置から標準大気圧下に溶融材料を分注するとフォームを作り出す。残念ながら、この機械的方法では、一貫して均一なフォーム密度とならない。
【0005】
米国特許第4,059,714号明細書は、米国特許第4,200,207号明細書に開示されているポンプを用いることを教示する。このポンプは2つのステージを有し、ガスは第2ステージに供給されてホットメルトと混合され、加圧され、最終的に大気圧に分注すると発泡したホットメルトを作る。実際には、ポンプの第2ステージでキャビテーションが生じ、ポンプが急速に摩耗することが知られている。ポンプが摩耗すると、フォームの品質と密度とが下がり、それゆえ頻繁に費用の掛かるポンプの補修や取り替えが必要となる。この方法は、ポンプの第2ステージに未分注ホットメルトが戻るという循環ループを必要とする。循環は、高価で取り扱いにくい加熱された戻りホースで達成される。ポンプの第2ステージに戻されている材料は、不均一フォーム密度の原因に寄与する。
【0006】
米国特許第4,059,466号明細書は、発泡ホットメルトの利益について詳述している。この特許の請求項は、「固体熱可塑性接着剤と発泡剤とを加熱し」、当該材料を加圧し、発泡剤の分解温度に加熱し、それから標準大気圧に溶融ホットメルトを分注することでホットメルトが膨張し独立気泡フォームとなることによる熱可塑性接着剤を用いた接着方法を定義している。この方法は工業には用いられておらず、いくつかの技術的障壁のために商業的に容認されていない。当該障壁は以下の通りである。
a)固体熱可塑性樹脂粒状物と発泡剤粉末とが極めて異なる粒径のまま存在する。これらの成分が混合されると、粉末状発泡剤がホットメルト粒状物にランダムに分配される。従ってホットメルトのある部分は発泡剤が存在せず、一方、他の部分には高濃度で発泡剤が存在する状態となる。発泡剤が不均一に分配することでフォーム密度が極めて変化しやすくなり、結果として商業的に認められないこととなる。ホットメルトの高濃度に発泡剤を含む部分はフォームが壊れるまでの大きな体積に膨張し、また押し出し物において空隙や孔隙も生じる。同様に、ホットメルトの発泡剤を含まない部分は全く発泡しない。
b)発泡剤粉末は重力で沈降し、加熱されているタンク床材やタンク壁と直接接触する。この発泡剤粉末のいくらかは、粒状ホットメルトが溶融する前に分解する。これにより商業利用では許容されない不均一なフォームを生じることとなる。
c)米国特許第4,059,466号明細書はホットメルト・発泡剤粉末混合物に対して、250°F(121℃)の溶融温度を開示する。これは、ホットメルト接着剤の高速自動塗布を行うには非現実的な低温である。250°F(121℃)では、ほとんどのホットメルトの溶融速度は自動製造ラインに要求される速度未満である。
d)ホットメルト塗布装置は、概して製造ラインの人員に利用しやすくされている。それは共有箇所で、これらの個人が装置、温度と圧力設定を変化させる。この特許で明記されている発泡剤は350°F(177℃)以上の温度で分解しガスを発生し始める。図1(ジオクチルフタレート中のアゾジカルボンアミド(CELOGEN AZ−130)の分解速度を示す公的に入手可能なグラフ)に示されているように、分解速度はある温度における時間(time−at−temperature)の関数である。この特許に開示されている方法は、溶融ホットメルト・発泡剤混合物の積算熱履歴をモニタすることは行っていない。したがって、積算熱履歴が分解点に到達した際に、大気圧に開放された溶融タンク内でホットメルトフォームが生じるであろう。溶融タンクでフォーム膨張が生じると、フォームはタンクから溢れ、危険な可燃物の存在する周辺エリアを汚染し、電子制御を焼やす。
【0007】
米国特許第4,059,466号明細書はホットメルトフォームの製造方法も開示し、先ず固体ホットメルト粒状物と発泡剤粉末ブレンドをブレンドが溶融状態になるが発泡剤の分解温度未満(T−1)である温度まで加熱し、それから当該溶融組成物を熱源を通ってポンプで押し出し加圧して、その温度を発泡剤の分解温度(T−2)まで昇温し、それから当該組成物をホットメルトフォームに膨張する大気圧に分注する。この特許は約375°F(約191℃)の接着剤塗布温度を具体的に挙げており、これは100%の発泡剤が分解するのに要する温度未満である。375°F(191℃)においては、発生するガスの量は材料がその温度に保持される時間の長さに依存する。したがって、フォーム密度は材料消費率の変化に伴い変化する。
【0008】
化学発泡剤は高温で分解しガスを発生する。分解速度は時間及び温度の関数である。温度が上昇するにしたがい、発泡剤を活性化し分解するのに要する時間の長さは短くなる(例えば、図1参照)。
【0009】
図1は、383°F(195℃)以下の温度では、その温度で30分経過後ですら全てのアゾジカルボンアミドが分解しないことを明らかにするものである。温度が392°F(200℃)以上となっても、より低い温度で分解するアゾジカルボンアミドの量は変化するであろう。したがって、生成したガス体積から得られるフォーム密度は、392°F(200℃)未満の任意の温度に材料が保持される時間の長さに依存する。
【0010】
自動ホットメルト塗布においては、単位時間当たりのホットメルト消費量は、製造ラインのスピードが変わったりアイドルタイムの間、しばしば変化し、例えば、分注ノズルの変更、ライン故障の修理、昼食時間、あるいは材料消費速度を妨げる何らかの状況においてしばしば変化する。
【0011】
ホットメルト消費におけるこうした変動性のため、392°F(200℃)未満の任意の分解温度によって、発泡剤分解や発生ガス量が一貫性が無く変化しやすい状態となるであろう。ひいては、製造されるホットメルトフォームの密度の変動性に影響する。変化しやすいフォーム密度は自動ホットメルト製造ラインでは許容されない。なぜなら、変化しやすい付着接着剤量は、接着不良やセット時間の変動(早すぎるあるいは遅すぎる)、また接着表面積の変動などを引き起こすこととなるからである。
【0012】
また375°F(191℃)以上では、ホットメルトは、熱劣化、物性の損失、また接着能の低下にさらされる。さらに、そのような高温では、ほとんどのホットメルトは粘度が低すぎる状態となり、気泡の合体、気泡の破壊、フォーム収縮により許容されるフォームの形成がサポートされない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発泡剤の完全な分解を達成するのに要する高温時に生じるであろう自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の熱劣化を避けるため、ホットメルトを冷却する必要がある。ホットメルトを発泡剤の分解温度未満で2つの条件での冷却が必要である。
【0014】
第1の条件は、発泡剤の分解温度にホットメルト・発泡剤混合物の温度を上げるために利用される加熱装置に適用される。ホットメルトは、もし製造ライン停止によりホットメルト消費が鈍化あるいは停止すると起こる延長された時間だけ発泡剤分解温度に保持されると、劣化し始める。これが起きると、ホットメルトの温度は積極的に下げなければならない。
【0015】
その条件下でホットメルト温度を発泡剤の分解温度未満に低下させるべき第2の条件は、接着する基材上に分注する前であることである。ホットメルト付着温度は、気泡の合体、気泡の破壊及びフォーム収縮を防止するに十分低くなければならない。ホットメルト付着温度は、固化し接着を形成(セット時間)に要する時間を減らすことが可能なように、分注される接着剤のBTU含量を下げるようさらに低下させてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願発明は、簡易で、費用効果のある自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を製造する方法並びに、その製造及び分注装置と方法を提供する。ある実施形態において、本願発明は、溶融ホットメルトを加熱及び/又は冷却する二重能力を備えた装置を提供する。それはホットメルトと発泡剤との溶融混合物を発泡剤の分解温度まで上げる機能を有し、また必要に応じて、ホットメルトの温度を下げて熱劣化を回避し最適ホットメルト分注温度を提供するように機能する。
【0017】
本発明のある実施形態において、微粉末化した発泡剤粒子の表面を、ホットメルト材料に混合する前に被覆する。当該被覆はホットメルトと化学的に相溶性である液体である。液体被覆によりミクロサイズとした発泡剤粒子の凝集を防止し、製造時の溶融ホットメルト中への均一分布を助ける。したがって、ある実施形態において、本発明は、発泡剤の分解温度未満の温度で任意のホットメルト組成物の1以上の低粘度成分で微粉末化発泡剤粒子を表面被膜して濃縮物を形成することと、その後、当該発泡剤濃縮物をその製造中に溶融ホットメルトと混合することとを含む。
【0018】
本発明の他の局面は、使用時に自己発泡性溶融ホットメルト・発泡剤混合物の温度及び熱履歴を監視し制御し、溶融ホットメルトの溶融温度及び熱履歴を、ポンプで押し出しし、加圧し、発泡剤の分解する第2温度に加熱する以前に発泡剤の分解未満に維持する。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、溶融ホットメルト・発泡剤混合物(T−1)を発泡剤の分解温度(T−2)に加熱し、その後、ガス含有ホットメルトを発泡剤の分解温度未満の温度(T−3)に冷却し、そしてその後、当該ガス含有ホットメルトを、それが膨張してフォームとなる大気圧に分注する、という能力を備えた単一の装置を提供することである。
【0020】
本願発明はまた、自己発泡性ホットメルト接着剤材料の調整、及び膨張して発泡ホットメルト接着剤となるホットメルトの活性化及び分注方法に関連する。自己発泡性ホットメルトは、先ず微粉末化発泡剤粉末を任意のホットメルト組成物の液状成分または低粘度溶融成分で高剪断混合を利用することで被覆することによりこの濃縮物を調整する、ことにより作製される。当該発泡剤濃縮物はその後、溶融ホットメルトに発泡剤の分解温度未満の温度で、最終発泡剤濃度が0.1〜8.0パーセントとなるように混合される。この発泡剤分散濃縮物は、その製造中に発泡剤の分解温度未満のブレンド温度でホットメルトに混合される。濃縮微粉末分散物としての発泡剤を組成物成分の1つと混合することで、ホットメルト中に発泡剤粒子が、確実に均一に分布する。この方法は、通常のホットメルト製造方法時には発泡剤粉末を溶融ホットメルト成分に直接混合する場合に必要であったであろう、熱曝露と処理時間を生み出す剪断混合が極めて少なくてすむ。さらにまた、高剪断混合で生じうる発泡剤の早期分解を回避する。
【0021】
本発明の前記及び他の特徴は以降により詳細に説明され、詳細に説明する以下の説明は本発明の実施形態を示すものであるが、これらは本発明の原理を採用しうる様々な方法のいくらかを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
添付の図面を参照すると、以下の通りである。
図1図1は、ジオクチルフタレート中のアゾジカルボンアミド(CELOGEN AZ−130)の分解速度を示すグラフ図(従来技術、公的に入手可能)であり、分解速度はある温度における時間(time−at−temperature)の関数として示される。
図2図2は、本発明に係るホットメルト組成物を積極的に加熱/冷却する例示的装置の概略斜視図である。
図3図3は、図2に示したものと同様の装置の側断面図であって、マニホールドが取り付けられている図である。
図4図4図2及び3の装置が直列にされたものを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る自己発泡性ホットメルト接着剤組成物は、ベースホットメルト接着剤組成物と1以上の化学発泡剤の混合物からなる。用語「ベースホットメルト接着剤組成物」は、それに化学発泡剤(複数の場合を含む)が添加されるべきホットメルト組成物のことである。好ましくは、化学発泡剤は混合物の約0.1重量%〜8.0重量%の濃度で存在する。さらに好ましくは、化学発泡剤は混合物の1重量%〜2重量%の間で存在する。
【0024】
本発明において用いられる、ここで最も好ましい化学発泡剤は、アゾジカルボンアミドである。しかし、他の化学発泡剤を用いても良く、例えば、オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、トルエンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、p−トルエンスルホニルセミカルバジド(TSS)、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムが挙げられる。
【0025】
化学発泡剤は、商業的には3〜100ミクロン(即ち、本発明に用いる好ましい範囲)の範囲の粒径の粉末状で供給されている。これらの粒子はしばしば、塊状や凝集状に合着しており、これは自己発泡性ホットメルトと混合する前に、ホットメルトフォームのフォーム破壊、空隙、また不均一密度を防止するために壊しておかなければならない。したがって、発泡剤粒子は担体に被覆されて分散されていなければならず、ここで担体は任意のホットメルトと相溶性のある液体または任意のホットメルト組成物の低粘度、好ましくは1,000センチポアズ未満の溶融成分でありうる。当該発泡剤は、ブレンド全体の5重量%〜70重量%を構成し、好ましくは、分散濃縮物の25%〜50%である。分散濃縮物は、好ましくは、液体をコールズ分散機(Cowels Disperser)の様な市販の高速撹拌機を用いて、最低でも500rpm、または好ましくは3,200rpmで撹拌しながら、ゆっくりと発泡剤粉末を液相材料に移行させて調整する。発泡剤凝集体を崩壊するのに要する時間は特定の発泡剤と全体分散物の割合としての濃度とに依存する。市販の粉末度計測器を用いて、分散物を十分にブレンドする時期を決めても良い。粉末度計測器を用いると、分散物の平均粒径が発泡剤供給者によって特定される粒径と同じであることが分かるであろう。
【0026】
発泡剤で微粉末分散物を作り出すのに用い得る相溶性液体の幾つかは、鉱油、ナフテン系油及び可塑化剤を含む。発泡剤分散物を調整するのに用いられる低粘度溶融ホットメルト成分の幾つかは、ワックス及び粘着剤を含む。理想的には、最終品の分散物の粘度が100〜3,000センチポアズ、好ましくは1,000センチポアズ未満の粘度範囲である。任意のホットメルトの溶融低粘度成分で作られる分散物もまた、溶融状態で、100〜3,000センチポアズ、好ましくは1,000センチポアズ未満の粘度を有するであろう。
【0027】
発泡剤と担体との分散濃縮物は、従来のホットメルト接着剤の製造において用いられる通常の混合/ブレンド処理において、ベースホットメルト接着剤組成物が溶融状態の時に、これに混合される。分散混合の処理時のホットメルトの温度は、特定の発泡剤の分解温度より低くなければならない。もし、発泡剤分散濃縮物が、発泡剤の分解温度近傍あるいはこれを超えた温度でホットメルトバッチに混合されると、予想し得ない量のガスが発生し、ホットメルト混合容器中でいくらか発泡が引き起こされるであろう。これにより、製造バッチ全体を損なう可能性がある。
【0028】
通常のホットメルトを製造する際に用いられる混合手法では熱が発生する場合があり、よって発泡剤分散物を混合するに際しては、発泡剤の分解温度よりも5%から10%低いホットメルト温度を保持することが好ましい。例えば、アゾジカルボンアミド(AZ−130)は約338°F(約170℃)で分解し始める。したがって、それが混合されるベースホットメルトバッチの温度は約320°F(約160℃)を超えるべきではない。発泡剤のベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)は302°F(150℃)で分解し始める。したがって、OBSH発泡剤分散物を混合する際、ベースホットメルトバッチの温度は280°F(138℃)を超えるべきではない。
【0029】
上記の通り、混合を高剪断で行う事で、確実に化学発泡剤をベースホットメルト接着剤組成物へ均一分配できる。一旦、十分な混合が行われれば、材料は冷却され(積極的あるいは受動的に)、最終使用のために処理される(例えば、従来知られているように、ペレット化したり、ドラム缶などの適切な容器に収める)。この材料は以降、「自己発泡性ホットメルト接着剤組成物」及び/又は「発泡剤・ホットメルト混合物」と称することがある。
【0030】
ホットメルト産業においては、熱劣化及びそれによる物性の低下は、ホットメルト接着剤を溶解して塗布する方法における大きな問題点であることがよく知られている。ホットメルト装置とホースの側壁に沿った層流の結果、分子鎖の切断が進行する。温度が上昇、典型的にはほとんどのホットメルトについて約350°F(約177℃)を超えるにつれ、熱劣化過程が時間と共に開始し、加速される。この現象は特に、ホットメルト混合物に含まれている発泡剤を分解するのに要するより高い温度にホットメルト・発泡剤混合物を加熱した際に、増幅される。したがって、発泡剤を分解するのに用いられる熱交換装置において可能性のあるホットメルトの熱劣化の進行を取り除くために、材料フローが停止した時にはいつでも当該熱交換機をより低い温度に積極的に冷却する必要がある。
【0031】
図2は本願発明の実施形態を示すものであり、それはホットメルト接着剤組成物を積極的に加熱又は冷却しうる装置10である。装置10は、以下「熱交換機」と称する場合があるが、溶融状態であるが不活性状態のホットメルトをメルトケトル(図示せず)のような供給源から供給するホットメルトホース20に接続されている。溶融ホットメルトは注入口30から装置10に入り、熱移行コイル40を通過する。ホットメルトは熱移行コイル40内でその活性化温度(すなわち、化学発泡剤が完全にガスに分解する温度)に加熱される。化学発泡剤の分解により、ホットメルト材料は熱移行コイル40内で加圧される。一旦活性化されると、活性化ホットメルト材料は排出口50から、本発明に係る他の装置10’(例えば、図4に示すような)や、マニホールド(例えば図3に示すような)、又は直接ホットメルト分配装置に流出していく。
【0032】
熱移行コイル40は本体60内に収められており、本体60は任意の適切な材料で製造されうるが、好ましくはアルミニウム製である。本体60はまたヒータ70を収容し、ヒータ70は熱を供給して熱移行コイル40内でホットメルト材料を加熱する。ヒータ70はコントローラ80で制御されており、コントローラ80は、センサ90から受け取る情報又はデータに基づきヒータ70の電源を投入し、また遮断する。
【0033】
本体60はまた、冷却コイル100を収容する。冷却コイル100は、冷却ライン110により冷却注入口120を経て供給される冷却空気又は水(あるいは他の流動可能冷却材料)を受け取る。冷却材料の流れはソレノイド130によって制御され、ソレノイド130はコントローラ80と通信している。温度が本体60内で高すぎると判断されると、ソレノイド130が開き、冷却材料源(図示せず)からの冷却材料が、ソレノイド、冷却ライン110及び冷却注入口120を経て冷却材料供給ライン140から流され、冷却コイル100に流入して、熱移行コイル40内の材料を冷却する。
【0034】
それゆえ、図2に示された装置10を用いるために、発泡剤分解温度未満の温度T−1の溶融ホットメルト・発泡剤混合物がホットメルトホース20を経て加圧下、注入口30にポンプ押し出しされ、その後、熱移行コイル40を流れてから排出口50を経て排出するようにされている。熱移行コイル40は本体60に含まれており、その熱移行コイル40内の溶融材料は、ヒータ70によって発泡剤の分解温度、T−2まで加熱される。ここで、ヒータ70はセンサ90から受けた温度データに応じてコントローラ80で制御される。分解温度T−2で放出したガスを含有するホットメルトは排出口50で装置を出て行く。コントローラ80は、センサ90によって測定されたような温度変化率を検出するソフトウェアアルゴリズムを利用して、熱移行コイル40に入り出て行く材料フローをモニタする。材料フローが、ホットメルトの熱劣化を引き起こすとして知られる所定のプログラムパラメータより長く停止していると、温度コントローラ80はヒータ70への電力を停止し、ソレノイド130への電力を供給し、冷却空気または水が、本体60内の熱移行コイル40中の材料温度を下げる冷却コイル100内を流れるようにする。この冷却モードは、予め決められた冷却温度になるまで継続される。温度センサ90が材料フローが再開したことを検出すると、ソレノイド130への電力供給が停止され、冷却モードが停止し、ヒータ70が点けられ、装置を加熱モードに戻す。
【0035】
技術的に、発泡ホットメルト接着剤は、取り込まれたガス気泡が熱損失速度を遅くする絶縁体として機能するため、未発泡ホットメルト接着剤と同じくらいに早くは固化あるいは「セット」しないことが知られている。したがって、ホットメルトの加熱と冷却双方の能力がある熱交換機のさらなる利点としては、活性化したホットメルト材料を任意のより低い温度に冷却するのに利用でき、よってそのBTU含量を減少し、それゆえ分注した接着剤のセット時間を望みに合わせて短くすることが出来ることである。
【0036】
図3は装置10’を示し、これは分注又は付着前に活性化したホットメルト(例えば、図2による装置から受け取ったようなもの)を冷却するように作動する点を除き、図2に示されたものと同様である。図3を参照してみると、温度T−2において取り込まれたガスを含む圧力下のホットメルトが、ホース20(好ましくは加熱されている)を経て、注入口30から受け取られ、排出口50から排出されるまで熱交換コイル40内を流れる。この場合も先と同様に、熱交換コイル40は本体60に収容されている。ヒータ70は、材料に熱を供給する必要がある場合に存在する。しかし、装置10’は特に、冷却コイル100を通って冷却材料を供給して活性化したホットメルト材料の温度を最終的に望まれるホットメルト付着温度に下げるように構成されている。センサ90はコントローラ80と通信して、本体60に入る材料の温度を測定する。もし注入口30に導入された又はその近傍のホットメルト材料温度が所望のホットメルト付着温度よりも高い場合、センサ90はコントローラ80と通信し、コントローラ80はヒータ70の電源を停止しソレノイド130の電源を入れて応答し、所望のホットメルト付着温度が達成されるまで冷却空気または水が冷却コイル100内を流される。任意に、マニホールド150が排出口50に接続される。マニホールド150は所定の分注温度(T−3)で活性化されているホットメルト材料を、マニホールド150と流体連結している複数のディスペンサーに供給する。
【0037】
本願発明はまた、大気圧に開放されているホットメルトタンク又は容器内で発泡剤分解温度未満の温度で溶解するように加熱される発泡剤・ホットメルト混合物の温度及び積算熱履歴を制御しモニタする方法にも関する。図1に示すように、アゾジカルボンアミドは、338°F(170℃)でちょうど5分以内に分解を開始する。大気圧に開放されている容器内での発泡剤分解は、発熱かつ自己加速的である。一旦分解が開始すると、ホットメルト・発泡剤混合物は発泡膨張開始とホットメルト容器又はタンクからのあふれだしの可能性を有し、よって周囲領域を汚染する。これが生じると、工業的環境では許容されない火傷の危険性と維持管理の恐ろしい出来事をもたらす。もし開放容器において溶融状態とされているホットメルト・発泡剤混合物の積算熱履歴がモニタされず制御されなければ、発泡剤の早期分解とフォームのあふれだしが引き起こされ易いこととなる。
【0038】
本発明は、溶融容器内に位置するセンサによって提供される温度入力を伴う電子制御アルゴリズムを提供する。具体的なアルゴリズムは、モニタされている特定の発泡剤混合物の具体的な分解特性に基づく。アゾジカルボンアミド(CELOGEN AZ−130)の具体的な場合には、ある適切な制御アルゴリズムプログラムは以下の通りである:
・ホットメルト温度が325°F(163℃) − 特に動作しない;
・10分間より長い間、ホットメルト温度が330°F(166℃)以上 − システム警告が始動される――もしシステム警告の10分以内に修正動作がとられない場合、材料温度が325°F(163℃)に下がるまでタンクヒータが自動的に停止;
・5分間より長い間、ホットメルト温度が340°F(171℃)以上 − システム警告が始動される――もしシステム警告の3分以内に修正動作がとられない場合、材料温度が325°F(163℃)に下がるまでタンクヒータが自動的に停止;そして
・ホットメルト温度が345°F(174℃)以上 − 速やかにシステム警告が始動され、30分間または材料温度が325°F(163℃)以下に下がるまでタンクヒータが停止。
【0039】
具体的な時間と温度は、利用される材料の組成、必要とされる動作以前の遅延時間などに基づき調整しうることが理解されよう。記述された故障状態の全てにおいて、ヒータは、溶融ホットメルト・発泡剤混合物が冷却されて、用いられている具体的な発泡剤の分解時間−温度プロフィール未満の所定の温度になった後にのみ、電源オン状態に戻される。
【0040】
自動生産ラインは、信頼性のある接着剤による接着を確実にするため、定常的かつ均一な接着剤ビーズ寸法及び接着対象である基材に塗布される接着剤体積としなければならない。ホットメルト・発泡剤混合物を用いてホットメルトフォームを作り出す時、接着剤を基材に分注する前に100%全ての発泡剤が分解することは必須である。不完全あるいは変わりやすい発泡剤分解となると、自動製造ラインでは許容されない一定とならないフォーム密度となってしまう。
【0041】
図1に示すように、アゾジカルボンアミドは、完全に分解するには、大気圧で11分の間に392°F(200℃)以上の温度に達していなければならない。アゾジカルボンアミドの分解速度は、もし分解が油圧閉鎖されたシステム中で起これば、加速される。なお、油圧閉鎖されたシステムにおいては、発熱反応で発生した圧力と熱とが反応速度に加担する。しかし、図1に示すような完全な分解を達成するのに要する温度は変化無しである。
【0042】
熱可塑性ホットメルトは、高温に長時間に亘り曝露されると、その物性が劣化し失われることが知られている。したがって、所定量のホットメルトを発泡剤分解温度で保持する時間の長さを制限することで熱劣化を回避する必要がある。発泡剤の完全な分解を行うのに必要な高温は、またホットメルトの熱劣化をそのうち引き起こす温度でもある。
【0043】
自動製造におけるホットメルト消費速度は変化し、時として予期し得ない時間間隔の間、例えば、生産ラインが故障した場合、または昼食休憩シフトによる変更時、夜間の運転停止などの間、停止する。ホットメルト消費が停止する場合、ホットメルト・発泡剤混合物の温度を分解(T−2)に高めるために用いられる装置内に存在する材料は、材料の加熱を中断し冷却し始める能力を備えて、ホットメルト消費の変化に応じて熱分解を回避すべきである。この手順はまた、炭化した物の肉盛り、即ち分解ホットメルトが材料フロー路の壁面に肉盛りすることを防止する。経時で炭化した物は盛り上がり、材料フローを制限する。炭化物粒子はまた壊れて外れ、分注ノズルを閉塞する。
【0044】
そのような熱劣化の可能性を取り除き、また溶解ガスを含むホットメルトを分注する前にT−2温度を下げる能力を提供するために、本願発明は、それを流れるホットメルトを加熱又は冷却する二重能力を備える装置を利用する。それは図4に示すように、直列に連結し得る。
【0045】
図4を参照すると、発泡剤の分解温度未満(T−1)の溶融ホットメルトをポンプで第1装置10に押し出し、ここでそれは発泡剤の分解温度(T−2)に加熱される。通常の製造においては加熱されたホットメルト材料を継続的に第1装置10から流出させて第2装置10’に流入させ、ここでガス含有ホットメルトを発泡剤分解温度未満の温度(T−3)に冷却する。しかし、もしホットメルト材料フローがライン故障や他の原因で停止する場合には、第1装置10のヒータを停止し、冷却空気または水を導入して停滞するガス含有ホットメルトをより低い温度に冷却する。これによりホットメルトの劣化を防止する。コントローラは、後述するように、運転停止期間中は、第2装置10’における適切な温度調整を行う。通常の製造が再開しホットメルト材料が再び流れ始めると、コントローラは装置10,10’をその通常製造状態に戻す。
【0046】
したがって、第1装置10は、連続フロー生産においては、それを流れるホットメルト材料を分解温度(T−2)に加熱するように構成されているが、製造フローが停止する場合には冷却モードに入るであろう。直列の第2装置10’は、通常の連続フロー製造の間は、それを通って流れる材料を分解温度(T−2)からより低い分注温度(T−3)に冷却するであろうが、製造が再開し新たに加熱された材料が第2装置10’を流れるまでは、ヒータの電源を入れシステム中の材料の温度(T−3)を維持するであろう。もし製造が停止するならば、第2装置10’における冷却はそれから停止しなければならず、加熱は維持温度(T−3)へと開始されなければならない。そうしなければ第2装置10’内の材料は固化するであろう。この状況は昼食休憩時などのライン停止時にも起こりうる。直列の2つの装置を用いることで、より高いスルーアウトが為し得、一方で製造時の中断もなし得る。
【実施例】
【0047】
以下の実施例は本発明を例示する目的のみであって、請求項を制限するようには解釈すべきではない。
【0048】
実施例A−1 発泡剤分散濃縮物の作製−液体
カルメットカルソール(Calumet Calsol)550(インディアナ州インディアナポリスのCalumet Speciality Products LLCより供給される水素処理ナフテン石油)と混合して、濃度30%のアゾジカルボンアミド(CELOGEN AZ−130、コネチカット州ダンブリーのGalata Chemicalより入手の平均粒径10ミクロン)を、室温にて高速ブレンダーを用いて8分間3,200rpmで調整した。得られた分散物は1,200センチポアズの粘度を有していた。
【0049】
実施例A−2 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の作製
実施例A−1にて作製された発泡剤分散濃縮物を、H.B.Fullerより得たメタロセンベースホットメルト接着剤組成物に300°F(149℃)で添加し混合した。なお、当該温度はベースホットメルト接着剤組成物の溶融温度よりも高いが、アゾジカルボンアミドの分解温度未満である。ベースホットメルト接着剤組成物の正確な組成は製造者の独占所有物であり、出願人は知らない。「レットダウン」レート又は混合物の最終の発泡剤濃度は、1.25重量%であった。12クオート(11.4リットル)の混合容器中で、2−1/2インチ螺旋混合ヘッドを備えた1馬力のドリルを用いて800rpmで5分間、混合した。得られた材料を、約8インチ×4インチ×3インチ(約20cm×10cm×8cm)の寸法の焦げ付き防止加工の型に注ぎ、冷却し再固化して、自己発泡性ホットメルト接着剤組成物とした。
【0050】
実施例A−3 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の活性化と使用
実施例A−3からの自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を、LTI Dynatecホットメルトタンク内で320°F(160℃)で溶解した。一旦溶解してから、図2,3に示されているような熱交換機に400psiでポンプ押し出しして、その温度を410°F(210℃)に昇温し、これにより全てのアゾジカルボンアミドを分解した。次いで、冷却装置にポンプ押し出しし、その温度を350°F(177℃)に下げ、大気圧中に分注することで、発泡剤無しの同一のホットメルトの嵩密度より50%低い嵩密度のホットメルトフォームを製造した。分注したホットメルトフォームは以下の基材の組み合わせ(及び同士)を結合するのに用いた:ボール紙、シリアル箱カートン、ろ紙、飲料カートンストック、及びクレーコートクラフト紙。接着基材に対する室温引裂試験では、接着剤と接触している全ての表面で繊維の引き裂きが100%であることが明らかになった。
【0051】
実施例B−1 発泡剤分散濃縮物の作製―固体
溶融ワックス(CALUMET FR−6513)(200°F(93℃))中で、濃度30重量%のアゾジカルボンアミド(GALATA CHEMICAL ACTAFOAM 130)を、高速ブレンダーを用いて4分間3,200rpmで調整した。得られた発泡剤濃縮物は室温に冷却して、固化した。
【0052】
実施例B−2 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の作製
実施例B−1にて作製した分散濃縮物を、実施例A−2で用いたものと同じメタロセン系ホットメルトの溶融成分中に、アゾジカルボンアミドの「レットダウン」最終濃度が1.35重量%で、溶融混合した。実施例A−2で用いたものと同じ処理条件及び装置を用いた。
【0053】
実施例B−3 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の活性化と使用
実施例B−2で調整された自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を、LTI Dynatecホットメルトタンク内で溶解し、実施例A−3と同じ方法で処理した。得られたフォーム嵩密度は、発泡剤無しの同一のホットメルトの嵩密度より50%低いものであった。分注したホットメルトフォームは以下の基材の組み合わせ(及び同士)を結合するのに用いた:ボール紙、シリアル箱カートン、ろ紙、飲料カートンストック、及びクレーコートクラフト紙。接着基材に対する室温引裂試験では、接着剤と接触している全ての表面で繊維の引き裂きが100%であることが明らかになった。
【0054】
実施例C−1 発泡剤分散濃縮物の作製―液体
中量級の市販の鉱油に混合して、濃度50%のアゾジカルボンアミド(GALATA CHEMICAL ACTAFOAM AZ−130)を、室温でHobart遊星ミキサーで10分間240rpmで調整した。得られた分散濃縮物はアップルソースのようなレオロジーの粘着性のペーストであった。
【0055】
実施例C−2 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の作製
実施例C−1にて作製された分散濃縮物を、Bostik55−606感圧ホットメルト接着剤に、アゾジカルボンアミドの「レットダウン」濃度が1.5重量%で、溶融混合した。用いた混合条件と装置は、実施例A−2及びB−2と同様であった。溶融材料は、固形鋳型ブロック内で室温に冷却した。
【0056】
実施例C−3 自己発泡性ホットメルト接着剤組成物の活性化と使用
実施例C−2で製造された自己発泡性ホットメルト接着剤組成物を、HMT(ミシガン州ロチェスターのホット・メルト・テクノロジーズ)ホットメルトタンク内で加熱して、310°F(154℃)の溶融温度に加熱した。混合物はポンプ押し出しし450psiで加圧して熱交換機を通して、温度を400°F(204℃)に昇温し、また発泡剤を完全に分解して、ホットメルトで窒素ガス溶液を製造した。このホットメルトガス溶液は350°F(177℃)で12フィートホットメルトホースを通してポンプ押し出しし、材料を350°F(177℃)に冷却した。大気圧中に分注することで、感圧接着剤は、発泡剤無しの同一のホットメルトより50%低い嵩密度のフォームを製造した。材料は実施例A−3及びB−3と同じ基材を接着するのに用いられた。接着基材に対する室温引裂試験では、接着剤と接触している全ての表面で繊維の引き裂きが100%であることが明らかになった。
【0057】
さらなる利点や変形は、当業者が容易に考えるであろう。したがって、より広範な局面における本発明はここに示され記述された特定の詳細な説明や例示的実施例に限定されない。よって、添付の請求の範囲及びその等価物によって定義される本発明の一般概念の要旨又は範囲から離れることなく、様々な変形を行いうる。
図1
図2
図3
図4