(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の注射器組立体において、前記プランジャの一端部が内部嵌合部を画定し、前記第1のポートキャップが前記内部嵌合部の外側で前記プランジャの一端部に結合するように構成されていることを特徴とする注射器組立体。
請求項1に記載の注射器組立体において、前記バリヤ材は、前記第2のポートキャップ内のスポンジ型アプリケータ材料及び/又は洗浄液を包囲する、ことを特徴とする注射器組立体。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の1つの特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すデバイスの概略的な分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4に示す位置に対して再位置決めした後の
図1に示すデバイスの概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6に示すデバイスの概略的な分解斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6に示すデバイスの概略的な横断面図である。
【
図10】
図10は、
図6に示すデバイスの好適なパッケージコンセプトの斜視図である。
【
図11】
図11は、
図6に示すデバイスのマルチパックのパッケージコンセプトである。
【
図12】
図12は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な分解斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な分解斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な分解斜視図である。
【
図17】
図17は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す斜視図である。
【
図18】
図18は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図19】
図19は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図20】
図20は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図21】
図21は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図22】
図22は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図24】
図24は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図25】
図25は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図26】
図26は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図27】
図27は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図28】
図28は、本発明の別の特徴によるデバイスを示す概略的な斜視図である。
【
図29】
図29は、本発明の1つの特徴によるパッケージコンセプトの概略的な斜視図である。
【
図32】
図32は、本発明の1つの特徴による構成要素のセットを示す概略的な斜視図である。
【
図34】
図34は、本発明の1つの特徴によるパッケージコンセプトを示す概略的な分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概して、本発明は血管内ラインポートを洗浄及び/又はアクセスするデバイス及び手順を包含する。特定の用途において、本発明のデバイスは、血管内ラインポートの外面をクリーニングし、続いてポート自体をクリーニングし、そして特定の場合には血管内ラインをクリーニングするために用いることができる。
【0016】
別の用途において、本発明のデバイスは、血管内に薬剤を投与するために利用できる。これらの用途の最中に、本発明によるデバイスは、典型的には、血管内に薬剤を投与するためのデバイスの利用に先立って、ポートの外面を洗浄するのに利用できる。別の用途では、本発明のデバイスは、個人から血液サンプルを採取する作業中に利用できる。本発明によるデバイスは、典型的には、デバイスを利用してポートから血液のサンプルを引き出す前に、ポートの外面を洗浄するのに利用される。本発明はまた、このようなポートの洗浄剤投与及び血液サンプリング技術の手順も含んでいる。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、本デバイスは2つの構成要素を有する。
図1〜
図5を参照して2つの構成要素デバイスの例について説明する。
【0018】
最初に
図1を参照すると、ポートアクセスデバイス10は、デバイスの第1の端部14に第1の構成要素12を、またデバイスの第2の端部18に第2の構成要素16を有している。第2の構成要素16は、第1の構成要素から第2の構成要素を外すのに役立つタブ20又はその他の拡張機能を備えることができる。第1の構成要素12は、折畳み可能なハウジングであれば良いチャンバハウジング22を備えている。第1の構成要素12は、また拡張部24を有することができる。
【0019】
図2を参照すると、描かれたデバイス10は、コネクタ部24内に挿入できる第2の部分16を備えることができる。しかしながら、本発明は第2の部分16が拡張部24に嵌合する又は拡張部24を覆う別の構成も考えられることは理解されるべきであろう。また折畳み可能なハウジング22の形状及び寸法は一例であり、代わりの形状、サイズ及び構成も考えられることは理解されるべきであろう。
【0020】
図3を参照すると、
図1及び
図2に示すデバイスが分解斜視図で示されている。図示したように、デバイス10のチャンバハウジング22は、チャンバ23を収容できる。コネクタ24はセパレータ25を有することができ、セパレータ25はそこを貫通する開口29を備えている。コネクタ24はさらにディスペンサ26を受ける受けポート30を有することができ、ディスペンサ26はバルブ部分28を有することができる。第2の構成要素16は、容器21を有することができる。
【0021】
次に
図4を参照すると、受けポート30内に着座したバルブ28を備えたディスペンサ26が示されている。図示したように、このようなバルブ機構は"閉じた"位置にあり、チャンバ23の内容物はコネクタ24へ流れるのを阻止される。次に
図5を参照すると、ハウジングの頂面における下降圧力のような折畳み可能なハウジング22における力の作用は、例示したようにバルブデバイス28を受けポート30から変位させるのに利用できる。このような変位によって、チャンバ23の内容物をコネクタ部24へ通すことができる。
【0022】
図4に示すように、第2の構成要素16はアプリケータ材料32を収容できる。このようなアプリケータ材料は、例えばスポンジ又はスポンジ状材料であれば良い。スポンジ状材料の例として、ポリエチレンフェルトスポンジ、ポリエチレン発泡スポンジ、プラスチック発泡スポンジ、シリコン発泡スポンジ、及びフェルトやその他の吸収性材料のようなその他のスポンジ状材料が含まれ得るがそれらに限定されない。
【0023】
デバイス10がポートの洗浄用途に利用されることになる場合に、第2の構成要素16の容器21には典型的には洗浄剤が収容される。洗浄剤はポートの外面を洗浄する消毒剤であれば良い。薬剤は、特定の洗浄剤や消毒剤に限定されず、例えばアルコール、好ましくは約5%〜約99%アルコールからなるアルコール溶液が含有し得る。特定の用途においては、アルコール溶液は25%〜90%アルコールを含有する。スポンジ状アプリケータ材料は、洗浄剤を含有させる際に利用でき、血管内ポートの外面に薬剤を施す際にさらに役立ち得る。第2の構成要素16は、デバイス10に取外し可能に装着される。ポートを洗浄するために、取外し可能な構成要素16は第1の構成要素12から外され、そして血管内ラインポートの外部を洗浄するためポート外面と接触するのに利用される。
【0024】
ポートの外部の洗浄後、洗浄/消毒用途において血管内ポートの内部洗浄のために利用できるデバイスの第1の構成要素は、洗浄すべきポートに可逆的に装着され得る。チャンバ容積は例えば3.5mlまでであれば良いが、好ましい容積範囲は約1〜約3mlであれば良い。しかしながら、より小さな容積又はより大きな容積に対しては代わりのチャンバ寸法が考えられる。チャンバは、チャンバの総容積に対して適切な校正マーク(校正目盛)を備えることができる。例えば、3.5mlの流体容積チャンバでは、1ml毎、0.5ml毎、0.1ml毎等の容量マークが設けられ得る。特定の実施形態では、コネクタ部はLEUR−LOK(登録商標)(Becton,Dickinson and Company Corp.,Franklin Lakes NJ)型ポートに接続するためのLEUR−LOK(登録商標)嵌合部(図示せず)を備えることができる。洗浄剤はチャンバ23内に設けられ、抗生物質又は代わりの適当な消毒剤であれば良い。好適な薬剤は、第2の構成要素の容器21に関して上述したようなアルコール又はアルコール溶液であれば良い。洗浄用途では、チャンバ22は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/又はクエン酸ナトリウム、過酸化水素、及びその他の防腐剤又は抗菌性構成要素を含む化学薬剤を代わりに又は追加で収容できる。
【0025】
ラインポートに接続すると、外部圧力は、例えばハウジングにおける内向きのスクィージング、ピンチング又はプッシングによってディスペンサ26を変位させ、それにより受けポート30からバルブ28を開放、即ち変位させることにより折畳み可能なハウジング22に印加され得る。連続したスクィージング、即ち外力は、チャンバ23の内容物を、コネクタ24を通って接続ポート内へ押し出す又は放出するのに利用できる。チャンバ23の容積に依存して、注入した洗浄液は血管内ライン自体内へ延在し得る。チャンバ23の内容物を押し出した後、デバイスの構成要素12はポートから外されて(例えば)血管内へ流体を供給できるようにする。このような供給が洗浄時に直ちに実行されない場合には、洗浄デバイスの構成要素12は、血管内の供給が望ましいような時までポートに保持され得る。
【0026】
別の特徴においては、上述のデバイス及び手順は、血管内での血栓症を最少化又は阻止し或いは存在する血餅を溶かす抗凝血剤を投与するのに利用できる。この特徴においては、抗菌剤よりはむしろ、或いは抗菌剤の他に、チャンバ23は適当な抗凝固剤や血栓溶解剤を収容できる。利用できる抗凝血剤の例としては、EDTA、クエン酸ナトリウム、ヘパリン及びヘパリン誘導体のような抗凝固剤、並びに組織プラスミノーゲン活性化因子のような抗血栓剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。脂肪蓄積が問題である場合、適当な分散剤、即ち脂肪分解剤が、単独か或いは抗菌剤及び/又は抗凝血剤と組み合わせて投与できる。任意のこのような薬剤の注入は、洗浄剤に関して上述した類似の方法で達成できる。これらの用途は、以下に例示し説明する実施形態を用いても行われ得る。
【0027】
本発明によるデバイスの代替実施形態は、
図6〜
図11を参照して例示し説明する。
図6を参照すると、別の例のポートアクセスデバイス40が例示されており、このポートアクセスデバイス40は、注射器のような第1の構成要素42と第2の構成要素44とを備えている。
図7を参照すると、注射器のような第1の構成要素42はプランジャ46を含んでいる。
図8にはポートアクセスデバイスを分解斜視図で示す。第1の構成要素42は注射筒状のハウジング48を備え、このハウジング48は第1の端部50と第2の端部52とを有し、第2の端部52には内部チャンバ54が設けられている。チャンバ54は好ましくは1ml〜約3.5mlの液量を有し得る。ハウジング48は、上述の実施形態に関して説明してきたような適切な校正マークを備えることができる。
【0028】
プランジャ46は、シール57を備えるステム部56を有し得る。プランジャ46は、ハウジング48の第2の端部52に挿入できる。プランジャの大口径ボディには、第2のシール59が設けられる。シール59は、好ましくはプランジャとデバイスチャンバ内面との間にシールを形成するように設けられている。シール59は、好ましくは弾性シールであって、この弾性シールはピストン(好ましくは成型された硬質プラスチック材料であれば良い)上にオーバーモールドされる。しかしながら、本発明では代替のシール材及び非オーバーモールド技術の使用も考えられる。
【0029】
シール57は、単一シール又はシールのセットであれば良く、そして例えば2つのOリングのセット、単一ブロードオーバーモールド弾性Oリング又はスリーブ、或いはピストンステムと一体にモールドした硬質プラスチックシールであれば良い。シール57を設けることにより、デバイスチャンバへの流体の望ましくない又は意図しない逆流を有利に抑制又は阻止でき、それによりデバイス及び/又はデバイスの内容物の汚染リスクを低減することができる。代わりに図示した形態に関して、単一シールは、デバイスチャンバの内壁とピストンの大径部との間のシールを形成するベース部、及びピストンの小径部の壁(図示せず)を覆うスリーブ部を形成するようにオーバーモールドされ得る。
【0030】
第2の構成要素44は、ハウジング60と内部容器62とを有する取外し可能なキャップ部である。容器62は、アプリケータ材料64を収容できる。アプリケータ材料は、例えば、上述の実施形態に関して記載した材料の任意の材料であれば良い。さらに、アプリケータ材料は、アプリケータ材料と洗浄すべき機器の種々の凹形状及び/又は凸形状との間の面接触を容易にするように形成され得る。第2の構成要素44は、上述で挙げたような洗浄剤をさらに加えてに収容できる。第2の構成要素44は、好ましくは、洗浄剤がポートの外面に施され得るように血管内ポートにフィットさせることができる。このようなクリーニングは好ましくは、チャンバ54の内容物(例えば、抗凝血剤、抗菌剤或いはその他の洗浄剤)をポート内に投与する前に行われ得る。しかしながら、本発明では、取外し可能なキャップ部を利用してポートの投与後洗浄が考えられる。
【0031】
次に、
図9を参照すると、未使用な形態の実施デバイス40が断面図で示されている。利用に際し、第2の構成要素44はポートの外面を洗浄するため外して利用できる。続いて、第2の構成要素の第1の端部50はポートに装着され、チャンバ54の内容物は、プランジャ46に力の作用によりポート内へ投与され得る。代わりに、チャンバ54は空にされるか又は例えば抗凝血剤を収容するようにされ得、そしてデバイス40のプランジャ46は順方向位置を占めることができる。したがってデバイス40は、デバイスの第1の端部50をポートに取り付け、そしてポートを介してチャンバ54内に流体を引き込むようにプランジャ46を位置決めし直すことによって個人から血液サンプルを採取及び/又は検査するような用途に利用できる。
【0032】
図10を参照すると、アクセスデバイス40の構成要素を提供、保存及び/又は廃棄するためのパッケージ70が例示されている。このようなパッケージは、蓋72とトレイ部74を備えている。トレイ部74は空洞部76を備え、空洞部76には、デバイスを位置決め/保持ししかもデバイスの一体性を維持し、またデバイスチャンバに対してプランジャを適切に位置決めするのに役立つ保持部78が成形されている。このようなパッケージは密封でき、デバイス40に対して無菌環境を作るのに利用できる。
図11に示すように、個々の包装ユニット70の連続体71は、連続する追加ユニットの無菌状態を維持しながらユニットを個々に取外しできるように個々に密封したユニットを提供することができる。
【0033】
図12及び
図13を参照して別の代替実施形態について説明する。この実施形態において、第1の構成要素42aは直前の実施形態と同じである。しかしながら、
図12を参照すると、第2の構成要素44aは"デュアルキャップ"システムからなっている。キャップハウジング60aは、容器部62及び第2のキャップ伸長部65を備え、キャップ伸長部65は第2の容器66を収容している。容器62は、上述のスポンジ状材料のようなアプリケータ材料64を収容できる。同様に容器66もスポンジ又はその他のアプリケータ材料67を収容できる。容器62は、さらに上述したような洗浄剤を収容できる。
【0034】
容器66は、好ましくは、洗浄キャップ62に収容した洗浄液と組成が異なる1つ又は複数の殺菌剤を収容できる。キャップ部65内の例としての薬剤組成は、約3%〜約11%のH
2O
2を含むことができる。薬剤の付加的な構成成分は例えばエタノール(約25%〜約60%)、クエン酸ナトリウム(約1%〜約4%)、EDTA、過酢酸(約1%未満又は約1%)、及び/又はカルバミド過酸化物(約11%未満又は約11%)を含むことができる。好ましくは、pHは約5〜10であり、そしてNaOH又はその他の適当な基剤/酸を用いて生理的pH及び殺生活性に基づいて必要な約pH7.4に調整され得る。EDTAの存在は、Mn錯体によって例えばバシラス胞子に対して殺胞子活性をもたらし、しかもH
2O
2を安定化させるのにさらなる助けとなる。また、対応する効果を備えた多様な他の金属イオンの錯化又は、キレート化も考えられる。溶液におけるH
2O
2の組合せにより、相乗効果及び/又は相加作用が達成できる。本発明では、開示したものに対して代替えのキレート剤及びpH安定剤の使用も想定される。
【0035】
ある場合には、過酸化物含有量の少ない同様な溶液は、第1の容器62内に収容しても良く、そして特定の場合には第1の構成要素のチャンバ内に与えられ得ることに注目すべきである。
【0036】
図13を参照すると、使用前の未使用なデバイスが示されている。ポート洗浄の用途では、第2の構成要素44aはデバイスから取外され、一部分60aはポートをカバーするのに用いられ、それによりポートは容器62の内容物と接触する。アプリケータ材料64は、洗浄剤をポートの外面に施すのに役に立つ。チャンバ54の内容物が投与される際には、構成要素44aはポートから取外され、そして第1の構成要素がポートに装着される。プランジャ46を押し込むことにより、チャンバ54の内容物はポート内に注入される。その後、注射器構成要素はポートから外される。取外し可能なシール68は、第2のキャップ部65から外すことができる。キャップ部65は、容器66の内容物がポートと接触するようにポート上に配置できる。その後、第2の構成要素44は、ポートから取外し可能であり、或いはさらなるポートアクセス又は操作が望まれるまで、ポートに保持することが可能である。さらに、破断可能なジョイント(図示せず)又は44aの2つの部分の間に接着層が形成でき、それにより2つの溶液を分離した状態としながら、それら溶液を互いに解放してそれら溶液を個々の洗浄ステップで利用するための準備手段を設けるようにしている。
【0037】
図14を参照すると、代替実施形態が示され、ポートアクセスデバイス40bは、第1の構成要素42bと、第2の構成要素44bと、第3の構成要素45bとからなり、第2の構成要素44b及び第3の構成要素45bは独立して取外し可能なキャップである。図示したように、これらのキャップは、デバイスの両端部に最初に配置され、そしてサイズの異なるものである。しかしながら、デバイスにおけるキャップの別の相対サイズ及び位置決めも考えられる。例えば、第1の構成要素44b及び第2の構成要素45bは、チャンバハウジング48bのウイング伸長部51、53の上側又は下側に配置することができる。
【0038】
例示した形態の場合、大きなキャップ(第1の構成要素44b)はデバイスから取外すことができ、上述したものと同様な方法で外部ポートを洗浄するために利用することができる。第2の小さなキャップ(第3の構成要素45b)は、チャンバ内容物の投与後、デバイスから取外すことができ、そして、続くポートアクセスが上述のように望まれるまで、ポートを保護するポートキャップとして引き続き利用することができる。第3の構成要素45bは任意ではあるが、上述のようにアプリケータ材料82及び/又は洗浄剤又は殺菌剤を収容できる。
【0039】
別の2つのキャップ形態では、小さな内部キャップに対して外側の大きなキャップを備えたデバイスが設けられ、第1のキャップは第2のキャップから取外し可能であり、第1及び第2のキャップの一方は、ポートキャップとして用いるために構成される。
【0040】
図14に示すデバイスにおいては、第2の構成要素44bのキャップハウジング60b及び第3の構成要素45bのキャップハウジング80は色違いのものである。このように、キャップは、ポート又は血管内ラインの状態を使用者又はその他の個人に伝えるためにカラーコード化(或いはその他のコード化)することができる。例えば、緑色のような第1のカラーは、適切な滅菌済みポートを知らせるのに、デバイス使用後にポートに保持されるキャップハウジング80のすべて又は一部に利用できる。
図14の吸収性材料64及び
図15の82cは、より完全な取り付けのため、したがってより完全な洗浄のために中央貫通孔を備えて示されていることも注目されるべきである。その他のこのような洗浄力を高める形状も考えられる。キャップハウジング60bは、実行されるべき洗浄又はその他の処置がまだ完了していないことを示す第2のカラー(例えば黄色又は赤色)とすることができる。したがって、キャップは、正確な使い分けを助け、且つ無菌状態及び適切な記録保持を維持するのに役に立つ付加的な安全対策として用いることができる。例えば、キャップは、視覚モニタリングを可能にし、また病院薬局及び/又は中央検査ソフトウェアによって追跡できる。
【0041】
適切な洗浄及び無菌状態の維持に応じた視覚検査に加えて、バーコード、無線IDタグ(RFID)及び/又はデバイスと組み合わせたその他の薬局調剤室又は在庫管理システムを用いて独立した検査/コンプライアンスシステムを提供できる。
【0042】
次に
図15を参照すると、付加的な代替実施形態が示されており、このような実施形態では、従来型の注射器及びプランジャ構造を使用でき、また本発明によるキャップを使用できる。したがって、第1の構成要素42cは注射器ハウジング48cを有し、第1の端部50に嵌合するLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を備えることができる。プランジャ46cは、ハウジング48cの第2の端部52内に挿入し、且つチャンバ54cの壁とシールを形成するように構成した従来型のピストンシール57cを備えることができる。第2の構成要素44cはハウジング60cを備え、ハウジング60cは例えば内部受けポートを備えることができ、内部受けポートは、LEUR−LOK(登録商標)嵌合部に対して内部に嵌合するか、又は第1の構成要素のハウジング48cの第1の端部50におけるLEUR−LOK(登録商標)嵌合部上に嵌合してLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を覆う。また、第3の構成要素45cもハウジング80cを備えることができ、ハウジング80cは、LEUR−LOK(登録商標)嵌合部に対して内部に嵌合するか、又は洗浄されることになるポートの形式に基づいてLEUR−LOK(登録商標)嵌合部(又は代わりの形式の嵌合部を備え得る)上に嵌合してLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を覆う内部受けポートを備えるように構成される。
【0043】
図16には、
図15に示すデバイスを断面図で示す。LEUR−LOK(登録商標)型の嵌合部を覆う模範型のキャップハウジングが示されている。例えば第3の構成要素45cはハウジング80cを備え、ハウジング80cの一部はLEUR−LOK(登録商標)型の嵌合部内に嵌合し、それによりこのような嵌合部を覆う。これに対して、第2の構成要素44cはハウジング60cを備え、ハウジング60cは、LEUR−LOK(登録商標)型の嵌合部上にねじ込むようにねじが設けられている。例示したものは、単に例示目的のためであり、各又は両キャップは、ねじ付き形態又はスナップ留め形態であれば良いことが理解されるべきである。キャップハウジング60c、80cは、さらに上述のようにカラーコード化可能である。
【0044】
本発明はまた、ポート洗浄デバイス(図示せず)の遠端(無投与)に設けたデュアルキャップシステムも意図している。このデュアルキャップシステムにおいては、第1の"緑色"キャップは、両デバイスに可逆的に接合でき、しかも第2の"黄色"キャップに対して積層する関係で前後に接合できる。2つのキャップの各々は、例えばLEUR−LOK(登録商標)型の嵌合キャップ、摩擦嵌合キャップ等であれば良い。緑色キャップは、上述の殺菌剤組成物を収容できる。この形態では、黄色キャップはデバイスの投与側端と接触しないので、黄色キャップは、例えば前に述べた洗浄剤組成物或いは緑色キャップに収容したような殺菌剤組成物を収容できる。
【0045】
キャップ用に利用可能な材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又は共重合体材料を包含するが、それらに限定されない。さらに、キャップは、好ましくは貯蔵中や輸送中等に過酸化水素の保全性を維持するためUV保護性である材料、又は薬剤を備えることができる。パッケージも、過酸化物の分解を抑制するようにUV保護材料を収容し得る。
【0046】
上述のように、本発明のデバイスは、血管内カテーテル又は血管内ポートを通して個人から血液を回収するのに利用できる。特定の用途では、本デバイスは直接、血液を検査する目的のために用いることができる。デバイスチャンバは好ましくは、上述のように適切な校正目盛を備えて1〜3mlの範囲のチャンバサイズを有することができる。全血液が望まれる場合には、回収する特定目的に依存して、血液は、空のチャンバを備えたデバイスか又はEDTAのような抗凝固剤、クエン酸ナトリウム又は(上述のような)代わりの凝固剤を収容しているデバイス内に採取することができる。血液及び抗凝固剤を収容しているデバイスは、直接、血液検査機器において用いることができ、或いは血液は検査用の別のデバイスへ移送することができる。
【0047】
血清が望まれる場合の用途では、全血液をデバイスチャンバ内に採取することができ、凝固後、血液サンプルを収容しているデバイスは、赤血球から血清を分離するように回転させられ得る。デバイスチャンバ内に抗凝固剤が存在する場合には、血漿を分離するためにさらなる分離が行われ得る。また、サンプルをデバイスチャンバ内へ採取した後、デバイスには、MILLIPORE(登録商標)(Millipore Corp., Bedford MA)フィルタのようなフィルタを装着しても良い。このような技術により、赤血球、白血球及び血小板を濾過することができ、フィルタ内に血球を保持しながらチャンバから血漿を流れさせる。抗凝固剤は任意ではあるが、行われるべき検査やその他の処理(即ち、完全な血球数、CBC、血小板数、網状赤血球数、T及びBリンパ球定量及び化学)に基づいて、望まれる場合には血球又は血漿を移動させるためにチャンバ内に設けられ得る。
【0048】
個人からチャンバ内へ血液サンプルを採取中に、粒子を濾過するのに適当なフィルタも用いることができる。
【0049】
図17〜
図19を参照すると、投与中又は投与のために使用され得る別の実施形態が示されている。具体的な実施例に従って、この組立体は、LEUR−LOK(登録商標)ポートのようなアクセスポートを介して溶液を供給するのに用いられ得る。
【0050】
したがって、注射器シリンダ174は、第1の端部172にLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を備えても良い。プランジャ176は、シリンダ174の第2の端部に挿入してシリンダの壁とシールを形成するように構成した従来型のピストンシール177から別の端部170まで延在し得る。したがって、シリンダ174は、プランジャ176を受けるように構成した開口から第1の端部172まで延在することができ、第1の端部172は、針及び/又は医療用チューブと結合するように構成されている。キャップ180は、例えば内部受けポートを備え得るハウジングを有することができる。内部受けポートは、LEUR−LOK(登録商標)嵌合部に対して内部に嵌合するか又は第1の端部172におけるLEUR−LOK(登録商標)嵌合部上に嵌合してLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を覆う。キャップ160は、LEUR−LOK(登録商標)嵌合部に対して内部に嵌合するか又は洗浄されることになるポートの形式に基づいてLEUR−LOK(登録商標)嵌合部(又は代わりの形式の嵌合部を備え得る)上に嵌合してLEUR−LOK(登録商標)嵌合部を覆う内部受けポートを備えるように構成され得る。幾つかの実施形態では、付属器171は端部170の一部であるか又は端部170から延在することができ、そしてオスのLEUR−LOK(登録商標)嵌合部として構成され、またキャップ160はそれに結合するように構成される。したがって、本発明のキャップは、例えば端部172及び/又は付属器171のような組立体に結合するように構成され得る。キャップ180、160は上述のようにカラー付けすることができ、緑色キャップは160であり、また黄色キャップは180である。
【0051】
図18及び
図19を参照すると、
図17の組立体が別の形態で示されている。例えば、
図17の組立体は、シリンダの一部から端部172へ延在するバリヤ部材178を備えることができる。このバリヤ材は、例えば使用していない時にシリンダ174の内容物を密封し得る。
図18及び
図19を参照すると、バリヤ材178は、キャップ180の少なくとも一部を囲むように延在し得る。このバリヤ材は、例えば薄い高分子シート材のような半透明で破砕可能な材料を含むことができるが、このような材料に限定されない。
【0052】
図20〜
図28を参照すると、本発明はまた、投与デバイスの遠端部に配置したデュアルキャップシステムを意図している。このデュアルキャップシステムにおいて、第1の"緑色"キャップ160は、第2の"黄色"キャップ180に対して前後逆に積層する関係で、デバイスとも可逆的に接合できる。2つのキャップの各々は、例えばLEUR−LOK(登録商標)型の嵌合キャップ、摩擦嵌合キャップ等であれば良い。緑色キャップは、上述の殺菌剤組成物を収容できる。この形態では、黄色キャップはデバイスの投与側端と接触しないので、黄色キャップは、例えば前に述べた洗浄剤組成物或いは緑色キャップに収容したような殺菌剤組成物を収容できる。
【0053】
図20及び
図21に示す別の実施形態では、例えば、キャップ180、160は背中合わせに取外し可能に結合でき、キャップ180は解放可能にシールされ、またキャップ160はプランジャ176に結合される。
図21を参照すると、バリヤ材184における両キャップの密封も意図される。これらの両図面を参照すると、アプリケータ及び/又は溶液を備え得る或いは備え得ない付加的なキャップ182が設けられ得る。
【0054】
図22及び
図23を参照すると、別の実施形態によれば、キャップ160、180は、例えば面と向かって整列されれば良く、両キャップは例えば解放可能なシールを分担するか又は個々の解放可能なシールを備える。ピストン176はハウジング190を備えて構成され、ハウジング190はキャップ160及び/又は180の一方、両方或いは各キャップの一部を収容するように構成される。さらに、バリヤ材192は、キャップ160及び180の両方の何れかの任意の部分を包囲するように設けられれば良い。図示した実施形態では、キャップ160はハウジング190内に略全体があり、一方、キャップ180はバリヤ材180内に存在している。この実施形態では、バリヤ材192は、例えばピストン176に解放可能に取り付けられる堅固なカバーとして構成され得る。この実施形態のさらに別の図は、
図24に示され、図示しているデバイスは、青色キャップ182及び例えば端部172と青色キャップ182との両方を包囲するバリヤ材178を備えている。
【0055】
本発明の別の実施形態によれば、ハウジング250を備えたプランジャを有する注射器が示されている。ハウジング250は、図示したキャップ180、160のような少なくとも2つのキャップを受け及び/又は収容するように構成することができる。具体的な実施例によれば、これらのキャップは、それぞれ黄色及び緑色キャップであることができる。これらのキャップは、図示したように前後形態でハウジング250内に配置することができ、解放可能なシールは他のキャップと独立している。これらキャップの1つ以上は、プランジャ軸の近端部においてハウジング250に設けることができ、そしてハウジングは、プランジャの基部に或いはキャップチャンバに対してサイドアクセス入口上に空洞を形成するように密封される。ハウジングは、例えばヒンジを介してプランジャに装着され得るカバーにより密封され得る。このカバーはまた、例えば高分子フォイルシール又はスナップフィットとして解放可能に装着され得る。
【0056】
図25〜
図28を参照すると、黄色キャップ180aとしての付加的なキャップがデバイスに設けられ得る。異なる構成では、端部172及びキャップ180aのすべて、或いはキャップ180aの少なくとも一部を包囲するバリヤ材178が設けられ得る。
図28を参照すると、デバイスは例えば青色キャップ182を備えて構成することができる。スポンジ及び洗浄/消毒液を含むことのできるキャップ182は、注射器の先端に配置することができる。バリヤ性高分子のようなバリヤ材は、キャップ及び注射器遠端の両方或いは注射器全体をカバーでき、微粒子及び微生物汚染を阻止し、且つ最終的な滅菌後、無菌環境を維持する。その他の構成によれば、端部172は、キャップ内の流体と混合するのを阻止するように端部172上に高分子/金属フォイルシールのようなバリヤ材を備えて構成しても良く、このバリヤ材は、IVライン又は注射器からオスルアー又はスリップフィット(滑合)コネクタを保護するのに用いられ得る。
【0057】
上述のすべてのデバイスは、洗浄目的、投与目的或いは採血/検査目的のために使用できることが理解されるべきである。その方法は上述したように用いた特定のデバイスに基づいたバリエーションと同様である。
【0058】
デバイスのパッケージング例を
図29〜
図31に示す。パッケージ100は、
図29に示すように、蓋部102とパッケージトレイ104とを備えることができる。
図30及び
図31を参照すると、パッケージトレイ104は、本発明に従ってデバイス40cの形状に合わせて一体成型した保持機能を有する成型トレイであれば良い。好ましくは、成型機能は、輸送や貯蔵等で非装着位置におけるデバイスの形状に一致している。したがって、トレイ104は、1つ以上の一体成型した保持機能部106、107、108、109を備えることができる。トレイ104はまた、一体成型した受け台110を備え、受け台110は、
図30に示すように、デバイス40cを直立位置で受けるように構成できる。このような受け台は、投与手順中又は使用後にデバイス40cを挿入して保持できる。トレイ104はまたデバイスの処理目的で用いることもできる。
【0059】
本発明によるデバイスキャップは、血管内、腹膜透析、尿ポート及びカテーテル等のような別のアクセスカテーテル及びポートの洗浄及び保護のためにデバイスと別個に利用することができる。したがって、キャップは独立して対に(2つの異なるサイズの各々、カラー等、1つ以上のカラーのグループ又は容積において)パッケージ化できる。
図32及び
図33には、2つのキャップパッケージシステム115の例が示され、この2つのキャップパッケージシステム115は、例えば黄色キャップであり且つ好ましくはLEUR−LOK(登録商標)型キャップであれば良い第1のキャップ117及び例えば緑色キャップであり、且つまたLEUR−LOK(登録商標)型キャップであれば良い第2のキャップ118を備えている。パッケージシステム115は、パッケージトレイ120を有することができ、そして
図33に示すように、一体成型した適当な受けポート/受けリング122、124を備えることができる。追加の又は少数のキャップが一緒にパッケージされることになる場合、トレイ120は、キャップを受け且つ可逆的に保持するため適切な数の受けポートを備えることができる。キャップのサイズ(直径)が異なる場合、ポートも好ましくは異なるサイズのものであれば良い。キャップは、パッケージ当たり1つの緑色キャップ及び4つの黄色キャップ、或いは様々なキャップの数及びサイズに対応した数及びサイズのパッケージポートで利用される特定の手順に依存して任意の他の適切な数のようなグルーブに設けられ得ることが理解されるべきである。
【0060】
次に
図34を参照すると、代わりのパッケージシステム130が例示されている。パッケージシステム130は蓋132及びトレイ130を有し、このトレイはキャップ117、118を受けるのに一体式の受けポート136、138を備えている。上述のように、用いられるべきキャップの数及びサイズに基づいて代わりの数及びサイズの受けポートを設けることができる。
【0061】
キャップが大きく設けられる場合には、このようなキャップは個々にパッケージしても良く、そして個々にシートに又は一片上に設けても良い。キャップは代わりにカテーテル又はライン/インポートデバイスに設けることができる。このようなキャップは、パッケージの開封後に及び/又はデバイスを使用しながら、ポート洗浄及び/又は保護のために用いられるべきポートカテーテル又はラインにルーズに又は取り付けられる一般的なパッケージに含まれ得る。幾つかの場合には、キャップ(複数)は、カテーテルデバイスを包囲する大きなパッケージ内に含まれた1つ以上のサブパッケージに包装することができる。