(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、前記流体源に接続された制御部を含み、前記制御部は、前記第1フローチャネルから子宮腔への流れを0ml/分〜750ml/分の流量で選択的に制御するように適合される、請求項2に記載のシステム。
前記制御部は、前記作動チャネルを通過する前記子宮腔からの流れを0ml/分〜750ml/分の任意の流量で選択的に制御するように適合される、請求項3に記載のシステム。
前記基端側シールは、前記組織切除プローブが前記作動チャンネル内に配置されているときに前記細長いシャフトアセンブリを延ばしてそれに影響を及ぼすように構成される、請求項11に記載のシステム。
前記使い捨てアダプタは、前記本体の基端部に着脱式に結合されたときに前記使い捨てアダプタと前記本体の間に配置されるOリングを含む、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、子宮鏡検査法のために使用される内視鏡50を含むアセンブリを内視鏡の作動チャネル102内に延びている電気外科組織切除デバイス100とともに示す。内視鏡または子宮鏡50は、5mm〜7mmの直径を有する長尺状のシャフト105に結合されたハンドル104を有する。作動チャネル102は丸形であってもD字形であっても任意の他の適切な形状であってもよい。内視鏡シャフト105は更に、光学チャネル106と、流体流入源120または任意選択的に負圧源125(
図1〜2)に結合するように構成されているバルブコネクタ110a、110bに連通する1つまたは複数の流体流入/流出チャネル108a、108b(
図3)と、を備えて構成されている。流体流入源120は、流体容器128と、子宮鏡50を通じて子宮腔内に流体を圧送するポンプ機構130と、を含む、当技術分野で公知の流体管理システム126(
図2)の構成要素である。
図2に見られるように、流体管理システム126は、組織切除デバイス100に結合された負圧源125(手術室壁の吸引源を含みうる)を更に含む。内視鏡のハンドル104は、ビデオスコープカメラ135が作動的に結合されうる光学部(optics)を備えた角度をなした伸長部132を含む。光源136が、また、子宮鏡50のハンドル上の光結合部138に結合されている。子宮鏡の作動チャネル102は、例えば、類線維腫組織を治療および除去するための組織切除および摘出デバイス100の挿入および操作用に構成されている。一実施形態においては、子宮鏡シャフト105は21cmの軸方向長さを有し、0°範囲、または15°〜30°範囲を含みうる。
【0016】
更に
図1を参照すると、組織切除デバイス100は、子宮鏡内の作動チャネル102を貫通するように構成された非常に長尺状のシャフトアセンブリ140を有する。組織切除デバイス100のハンドル142は、デバイスの電気外科作動端部145を操作するように適応されている。使用時、ハンドル142は、例えば、作動端部145を標的とする類線維腫またはポリープ組織を切除するように方向付けるために回転可能にかつ軸方向に操作される。組織切除デバイス100は、そのハンドル142に結合された、標的組織の電気外科切除を可能にする下位システムを有する。以下に詳細に記載するように、高周波発生器すなわちRF源150および制御部155は作動端部145によって担持された少なくとも1つのRF電極に接続されている。
図1に示す一実施形態においては、電気ケーブル156と負圧源125とがハンドル142のコネクタ158とコネクタ159とに作動的に結合されている。電気ケーブルはRF源150を電気外科作動端部145に接続している。負圧源125は組織摘出デバイス100のシャフトアセンブリ140内の組織摘出チャネル160に連通している(
図4)。
【0017】
図1は、膨張流体(distending fluid)が子宮腔から漏れるのを防止すべく、子宮鏡ハンドル104によって担持された、作動チャネル102内の組織切除デバイス100のシャフト140を封止するための可撓性シール164を担持するシールハウジング162を更に示す。
【0018】
図1に示すような一実施形態においては、以下に記載するように、組織切除デバイス100のハンドル142は、電気外科作動端部145の切除構成要素を往復動するかそうでなければ動作するためのモータ駆動部165を含む。ハンドル142は、任意選択的に、デバイスを作動するための1つまたは複数のアクチュエータボタン166を含む。別の実施形態においては、デバイスを動作するために足踏みスイッチが使用される。一実施形態においては、システムは、複数の往復動速度、例えば、1Hz、2Hz、3Hz、4Hzおよび8Hz以下を提供するためのスイッチまたは制御機構を含む。更に、システムは往復動スリーブを非伸長位置および伸長位置において動作および係止するための機構を含む。更に、システムは1回の往復動行程を作動するための機構を含む。
【0019】
図1および
図4を参照すると、電気外科組織切除デバイスは、そのような管状切除デバイスの技術において公知のように、中に通路または内腔172を備えた外側または第1外部スリーブ170を含む、長手方向の軸線168を中心として延びる長尺状のシャフトアセンブリ140を有しており、通路または内腔172は、組織を切除するために内腔172内において往復動しうる(および任意選択的に回転または振動する)第2または内部スリーブ175を収容する。一実施形態においては、外部スリーブ170の組織受入窓176は10mm〜30mmの範囲の軸方向長さを有し、外部スリーブ170の周りにスリーブの軸線168に対して約45°〜210°の半径方向角度で延びる。以下に詳細に記載するように、外部スリーブ170および内部スリーブ175は、薄肉ステンレス鋼材料を含むことができ、また、反対極性の電極として機能することが可能である。
図6A〜8は、外部スリーブ170および内部スリーブ175によって担持された、スリーブの特定部分間に不要な電流が流れることを制限、制御および/または防止するための絶縁層を示す。一実施形態においては、ステンレス鋼外部スリーブ170は、3.6322mm(0.143’’)の外径、3.3782mm(0.133’’)の内径および内部絶縁層(以下に記載される)を有する。スリーブは3.175mm(0.125’’)の公称内径を有する。この実施形態においては、ステンレス鋼内部スリーブ175は3.048mm(0.120’’)の外径、2.8448mm(0.112’’)の内径を有する。外部絶縁層を備えた内部スリーブ175は内腔172内において往復動するために約3.1242mm(0.123’’)〜3.1496mm(0.124’’)の公称外径を有する。他の実施形態においては、外部およびまたは内部スリーブは金属、プラスチック、セラミックまたはそれらの組み合わせで作製されうる。スリーブの断面は丸形、楕円形または任意の他の適切な形状であってよい。
【0020】
図4に見られるように、内部スリーブ175の先端部177は、周囲にプラズマを発生させることができる先端側切除電極端(distal electrode edge)180を備えた第1極性電極を含む。電極端180は、また、組織切除時においては活性電極とされるが、それはその際の電極端180が反対極性または戻り電極よりも大幅に小さな表面積を有することによる。
図4の一実施形態においては、外部スリーブ170の露出した表面は第2極性電極185を含む。第2極性電極185は、したがって、戻り電極とされるが、それは、使用時、そのような電極表面が活性電極端180の機能的に露出した表面積と比較して大幅に大きな表面積を有することによる。
【0021】
本発明の一態様においては、内部スリーブすなわち切除スリーブ175は、組織体積を迅速に電気外科的に切除し、その後、切除した組織片を非常に長尺状の内腔160を通して詰まることなく一貫して摘出するように適合されている、第1および第2内部直径を有する内部組織摘出内腔160を有する。ここで
図5および
図6Aを参照すると、内部スリーブ175が、ハンドル142(
図1)からスリーブ175の先端領域192まで延びる第1直径部190Aを有し、組織摘出内腔が、電極端180を提供する電極スリーブ要素195によって画定されるBで示される縮径を有するより小さな第2直径内腔190Bへ移行するのが分かる。減少断面内腔190Bの軸方向長さCは約2mm〜20mmの範囲とされる。一実施形態においては、第1直径Aは2.8448mm(0.112’’)であり、第2縮径Bは2.54mm(0.100’’)である。
図5に示すように、内部スリーブ175は電気的に導電性のステンレス鋼であってもよい。縮径電極部はまた、溶接部196(
図6A)によって所定の位置に溶接されたステンレス鋼電極スリーブ要素195を含む。別の実施形態においては、電極および縮径電極スリーブ要素195は、内部スリーブ175の先端部198にプレス嵌めされうるタングステンチューブを含む。
図5および
図6Aは、それぞれ第1および第2スリーブ170、175によって担持された接続(interfacing)絶縁体層202、204を更に示す。
図6Aでは、外部スリーブ170はPFAまたは以下に記載する別の材料などの薄肉絶縁材料200で裏張りされている。同様に、内部スリーブ175は外部絶縁層202を有する。これらコーティング材料は内部スリーブ175の往復動中における摩擦を低減するために潤滑性および電気絶縁であってもよい。
【0022】
上記した絶縁層200および絶縁層202は潤滑性、疎水性または親水性高分子材料を含む。例えば、材料には、PFA、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)、ポリエチレン、ポリアミド、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、ETFE、PVDF、ポリ塩化ビニルまたはシリコーンなどの生体適合性材料を含むことができる。
【0023】
ここで
図6Bを参照すると、内部スリーブ175の別の変形形態がプラズマ電極端180により切除されている組織体積とともに概略図で示される。この実施形態においては、この開示の他の実施形態と同様に、RF源は当技術分野で公知のように電極スリーブ195の電極端180の周囲においてプラズマを生成するために選択した動作パラメータにおいて動作する。したがって、電極端180において発生したプラズマは、組織220内の経路Pを切除および除去することができ、類線維腫組織および他の異常子宮組織を切除するのに好適である。
図6Bでは、内部スリーブ175の先端部は、電極スリーブ195の先端端部180に隣接しているセラミックカラー222を含む。セラミックカラー222は、先端電極端180の周囲にプラズマ形成を制限するように機能するとともに、更に、プラズマが、動作中、内部スリーブ175上の高分子絶縁層202に接触し、損傷させることを防止するように機能する。本発明の一態様においては、電極端180のプラズマにより形成された組織220内の経路Pは、Wで示される除去幅を有する経路Pを提供する。そのような経路幅Wは組織の気化によりかなり広い。この経路P内の組織の除去および気化は、種々の先行技術のデバイスのように同様の組織を鋭利な刃先で切る結果とは大幅に異なる。鋭利な刃先は組織を(焼灼なしで)分離することができるが、機械的力を組織に印加し、組織の大きな断面スラグ(cross section slug)を切ることを防止する。対照的に、電極端180のプラズマは、組織に大きな力を印加することなく組織内の経路Pを気化することができ、したがって、より大きな断面またはスラグの組織片を切除する。更に、プラズマアブレーション効果により、組織摘出内腔190B内に受容される組織片225の断面が低減される。
図6Bは、内腔190Bに入る、組織の気化により内腔よりも小さな断面を有する組織片225を示す。更に、組織225の断面は、それがより大きな断面の内腔190Aに入る際に、組織片225の周りに更に広い自由空間196を有することとなる。したがって、プラズマ電極端180による組織の切除は、組織摘出内腔160のより小さな断面(190B)からより大きな断面(190A)への内腔の移行とともに、連続的に切除した組織片225が内腔に詰まる可能性を大幅に低減または除外できる。そのような小さな直径の組織摘出内腔を有する先行技術の機械的切断デバイスは、一般に、組織の詰まりに関する課題を有する。
【0024】
本発明の別の態様においては、組織摘出内腔160の基端部(
図1および
図4を参照)に結合された負圧源125もまた、摘出内腔160内の組織片225を基端方向にデバイスのハンドル142外部の採集リザーバ(不図示)まで吸引および移動するのを支援できる。
【0025】
図7A〜7Bは、
図6Bの切除スリーブ175の内腔直径の変化を示す。
図8は、前に記載した管状電極要素195(
図5および
図6A)とは対照的に、一部管状の電極切除要素195’で構成された切除スリーブ175’の一変形形態の先端部を示す。
図9A〜9Bは、再度、
図8の切除スリーブ175’の減少断面領域190B’と増加断面領域190A’との間における組織摘出内腔の断面の変化を示す。したがって、機能性は切除電極要素195’が管状であっても一部管状であっても同じままである。
図8では、スリーブ175の周りの一部のみに延びて切除電極要素195’の半径方向角度と協働する、一変形形態におけるセラミックカラー222’が示される。更に、
図8の変形形態は、セラミックカラー222’が絶縁層202よりも大きな外径を有することを示す。したがって、セラミックカラー222’の短い軸方向長さが外部スリーブ170の内腔172の内部表面周囲の接続絶縁層200に対して接続および摺動することから、摩擦が低減される。
【0026】
概して、本発明の一態様は、軸線を有する第1同軸スリーブおよび第2同軸スリーブを含む組織切除および摘出デバイス(
図10A〜11C)を含み、第2(内部)スリーブ175はその中に軸方向に延びる組織摘出内腔を有し、第2スリーブ175は組織を切除するために軸方向非伸長位置と伸長位置との間において第1スリーブ170の組織受入窓176に対して移動可能であり、組織摘出内腔160は第1断面および第2断面を有する。第2スリーブ175は、第1スリーブ170の組織受入窓176内に配置される組織を切除するためのプラズマ電極端180として構成された先端部を有する。更に、第2スリーブの先端部、特に、電極端180は組織内のかなり広い経路のプラズマアブレーション用に構成されている。概して、組織摘出デバイスは、内腔160の中間部および基端部の断面よりも小さな減少断面を有する先端部部分を有する組織摘出内腔160を備えて構成されている。
【0027】
本発明の一態様においては、
図7A〜7Bおよび
図9A〜9Bを参照すると、組織摘出内腔160は、プラズマチップまたは電極端180に近接する内腔領域190Aにおいて減少断面積を有する。この減少断面は、組織摘出内腔の中間部および基端部190Bの断面積の95%、90%、85%または80%未満であり、また、組織摘出内腔の軸方向長さは、少なくとも10cm、20cm、30cmまたは40cmである。子宮鏡検査類線維腫切除および摘出用の組織切除デバイス100の一実施形態(
図1)においては、組織切除デバイスのシャフトアセンブリ140は長さ35cmである。
【0028】
図10A〜10Cは、往復動切除スリーブまたは内部スリーブ175を備えた組織切除デバイス100の作動端部145を外部スリーブ170の組織受入窓176に対する3つの異なる軸方向位置において示す。
図10Aでは、切除スリーブ175は、スリーブ175がその基端側の動きの限界(proximal limit of motion)にあり、伸長位置に先端側に前進し、それによって、窓176内に配置されたおよび/または吸引された組織を電気外科的に切除する準備ができている縮退または非伸長位置において示される。
図10Bは、組織受入窓176に対して部分的に前進したまたは中間位置まで先端側に移動および前進した内部スリーブ175を示す。
図10Cは、その動きの先端側の限界まで完全に前進および伸長した内部スリーブ175を示し、プラズマアブレーション電極180は、組織受入窓176の先端部226を越えて伸長しており、このとき、切除される組織片225が組織体積220から切除され、減少断面内腔領域190A内に捕捉される。
【0029】
ここで
図10A〜10C、
図11A〜11Cおよび
図12A〜12Cを参照すると、本発明の別の態様は、複数の要素およびプロセスによって提供された、組織片225(
図12A)を内部スリーブ175の内腔160内において基端方向に「変位」および移動し、故に、組織が内部スリーブ175の内腔に詰まらないことを確実にするための「組織変位」機構を含む。
図10Aおよび
図11A〜11Cの拡大図で示されるように、1つの組織変位機構は、外部スリーブ170に固定的に取り付けられた先端チップ232から基端側に延びる突出要素230を含む。突出要素230は、外部スリーブ170と先端チップ232とによって画定される先端側チャンバ240の中心軸線168に沿って基端側に延びる。
図11Aに示される一実施形態においては、第1の機能的な態様におけるシャフト状突出要素230は、内部スリーブ175がその完全に前進したまたは伸長位置に移動する際、捕捉された組織片225を内部スリーブ175の小断面内腔190B(
図12A)から基端側に押すように機能する機械的プッシャを含む。
【0030】
第2の機能的な態様においては、スリーブ170の先端部内のチャンバ240は、作動空間からの特定量の生理食塩水膨張流体244(
図12A)を捕捉するように構成されており、作動端部145の既存のRF電極は、更に切除され、内部スリーブ175の内腔160(
図12Bおよび
図12C)内に配置された組織片225に対して基端側に誘導される力を発生させるために、捕捉流体244を急激に気化させるように構成されている。これら機能的な要素およびプロセス(組織変位機構)の双方は、チャンバ240内の液体の急激な気化によって捕捉された組織片225にかなりの機械的力を印加することができ、かつ、組織片225を組織摘出内腔160内において基端方向に移動するように機能できる。複数の機能的な要素とプロセスとを組み合わせて使用することにより、組織摘出内腔160に組織が詰まる可能性を事実上排除できることが判明している。
【0031】
更に具体的には、
図12A〜12Cは、組織変位機構と、後に続くチャンバ240内に捕捉された流体の爆発的な気化の機能的な態様を示す。
図12Aでは、往復動内部スリーブ175は中間位置において示され、先端側に前進しており、切除電極端180のプラズマが内部スリーブ175の内腔160内に配置された組織片225を切除している。
図12A〜12Cでは、組織受入窓176に対する内部スリーブ175の往復動および軸方向可動域に対応する第1および第2電気外科モードにおいて、システムが動作するのが分かる。本明細書では、用語「電気外科モード」は、2つの反対極性の電極のうちどちらの電極が「活性電極」として機能するか、また、どちらの電極が「戻り電極」として機能するかを意味する。用語「活性電極」および「戻り電極」は、当技術分野の慣習に従い使用され、活性電極は戻り電極よりも小さな表面積を有するため、RFエネルギ密度をそのような活性電極の周りに集束させる。
図10A〜11Cの作動端部145においては、切除電極要素195およびその電極端180は、組織切除のため電極の周りにエネルギを集束させてプラズマを発生させるために活性電極を含んでいなければならない。組織を切除するために
図12A〜12Bに示される行程X全体にわたり、そのような電極端180の高強度の励起プラズマが必要である。第1モードは、内部スリーブ175が組織受入窓176を横切る際に、内部スリーブ175の移動の軸方向長さにわたって生じる。その際、外部スリーブ170の全外部表面は、符号185で示される戻り電極を含む。第1RFモードの電界EFは全般的に
図12Aに示される。
【0032】
図12Bは、内部スリーブ175の先端側への前進または伸長が組織受入窓176を完全に横切る(
図12A)瞬間を示す。この時点において、電極スリーブ195およびその電極端180は、外部スリーブ170と先端チップ232とによって画定されるほぼ絶縁された壁のチャンバ240内に閉じ込められている。この瞬間、システムは、第1RFモードにおいて上記したものから、電界EFが切り換わる第2のRFモードに移るように構成されている。
図12Bに見られるように、この第2モードにおいては、チャンバ240に接続する先端チップ232の限定された内部表面積250(
図12C)は活性電極として機能し、チャンバ240に露出する内部スリーブ175の先端部部分は戻り電極としての機能を果たす。このモードでは、非常に高いエネルギ密度が表面250の周りに発生し、そのような閉じ込められた電界EFがチャンバ240内の捕捉流体244を急激かつ瞬時に気化させる。水蒸気の膨張は劇的なものとなるため、組織片を組織摘出内腔160内において基端方向に移動させるための巨大な機械的力および流体圧力を組織片225に印加することができる。
図12Cは、チャンバ240内に捕捉された膨張流体244のそのような急激なまたは膨張的な気化を示し、内部スリーブ175の内腔160内において基端方向に排出される組織片225を更に示す。
【0033】
図14は、内部スリーブ175の伸長可動域における活性電極および戻り電極の相対表面積を示し、再度、非絶縁先端部表面250の表面積が戻り電極を含む電極スリーブの表面255と比較すると小さいことを示す。
【0034】
更に
図12A〜12Cを参照すると、RF源150および制御部155における単一の電力設定が、(i)第1モードにおいて組織を切除するため電極スリーブ195の電極端180にプラズマを生成する、および(ii)第2モードにおいて捕捉された膨張流体244を急激に気化させる、の両方のために構成されることが判明している。更に、システムは、0.5サイクル毎秒〜8または10サイクル毎秒の範囲の適切な往復動速度における自動的なRFモード切換によって機能できることが判明している。ベンチテストでは、上記した組織切除デバイスは、組織片225が組織摘出内腔160に詰まる可能性なく組織を4グラム/分〜8グラム/分の速度で切除および摘出することができることが判明している。これら実施形態においては、負圧源125はまた、組織摘出のために力を印加するにあたり支援すべく組織摘出内腔160に接続されている。
【0035】
特に興味深いことには、スリーブ170と先端チップ232とによって画定される流体捕捉チャンバ240は、切除した組織片225への排出力の印加を最適化するために、選択した容量、露出電極表面積、長さおよび幾何学的形状を有するように設計可能である。一実施形態においては、約0.040mLの捕捉流体体積であれば、チャンバの直径は3.175mmであり、突出要素230を考慮に入れた長さは5.0mmである。他の変形形態においては、捕捉流体体積は0.004mL〜0.080mLの範囲であってもよい。
【0036】
1つの例においては、瞬間気化の100%変換効率とともに0.040mLの捕捉液体量を有するチャンバ240が、液体を室温から水蒸気になるまで加熱するには、103ジュールを必要とする。動作時、ジュールはW*sであり、システムは3Hzで往復動するため、水蒸気への完全な瞬間的変換のために必要な電力は約311Wである。対応する1700倍の理論上の膨張が相転移において生じ、瞬時に172,369KPa(25,000psi)(101.353KPax1700(14.7psix1700))までになりうるが、効率の損失および非瞬間膨張(non−instantaneous expansion)により実際の圧力はそれよりもかなり小さい。いずれにしても、圧力は相当なものであり、捕捉された組織片225にかなりの排出力を印加することができる。
【0037】
図12Aを参照すると、内部チャンバ240は、約0.004mL〜0.01mLの範囲の液体量を捕捉するために、約0.5mm〜10mmの軸方向長さを有する。
図12Aでは、チャンバ240の内壁が絶縁体層200を有するため、電極表面積250のチャンバ240への露出を制限すると理解される。一実施形態においては、先端チップ232はステンレス鋼であり、外部スリーブ170に溶接されている。柱要素248はチップ232に溶接されるか、その特徴部として機械加工される。この実施形態における突出要素230は非導電セラミックである。
【0038】
図13は、溝付きであってもよく、一実施形態においては、その表面に3つの溝要素260と3つの対応する軸方向溝262とを有するセラミック突出要素230の断面を示す。例えば2つから約20までの任意の数の溝、チャネル等が可能である。溝付き設計により突出要素230の基端部において組織片225を押すために利用可能な断面積が増加する一方で、同時に、3つの溝262により、溝262に露出した組織に衝突させるために基端側に誘導される水蒸気の噴射を可能にする。一実施形態においては、突出要素230の軸方向長さD(
図12A)は電極スリーブ要素195の減少断面領域190Bから組織を完全に押し出すように構成されている。別の実施形態においては、チャンバ240の容積は、急激に気化した場合に、少なくとも、デバイス内の摘出チャネル160の全長の10%、通常、摘出チャネル160の少なくとも20%、しばしば摘出チャネル160の少なくとも40%、時として摘出チャネル160の少なくとも60%、他のときには摘出チャネル160の少なくとも80%、および時として摘出チャネル160の少なくとも100%によって画定される容量まで膨張しかつ占有するのに十分な気体(水蒸気)量を提供する液体を捕捉するように構成されている。
【0039】
図12A〜12Cから理解されるように、内部スリーブ175が基端方向にまたはその非伸長位置に向かって移動する際に、作動空間内の膨張流体244によりチャンバ240内の捕捉された流体が補充される。したがって、内部スリーブ175が、再度、組織を切除するために先端方向に移動すると、内部チャンバ240に流体244が充填され、流体244は、その後再度閉じ込められ、その後、内部スリーブ175が組織受入窓176を閉じると上述のような急激な気化のために利用可能となる。別の実施形態においては、流体を直接内部チャンバ240内に引き込むために、一方向弁が先端チップ232内に設けられるため流体が窓176内を移動する必要はない。
【0040】
別の実施形態においては、RF源150および制御部155は、(i)電極端180によるプラズマ切除のために、および(ii)チャンバ240内の捕捉流体を急激に気化させるために、最適なエネルギを提供すべく
図12A〜12Cにおける行程Xおよび行程Y時において、エネルギ送達パラメータを調整するようにプログラムされる。
【0041】
RF源は捕捉流体体積の急激な気化を引き起こすのに好適であるが、超音波トランスデューサ、HIFU、レーザまたは光エネルギ源、マイクロ波または抵抗熱源などの任意の他のエネルギ源を使用することができ、また、そのような他のエネルギ源は本発明の範囲内にある。
【0042】
図15は、子宮鏡検査法における使用のために構成されている内視鏡300と、内視鏡300の作動チャネルを通して導入するように構成されているRF組織切除デバイス305とを含む、
図1のものに類似する類線維腫除去システムの側面図である。
【0043】
図15では、切除デバイスが内部および外部スリーブ170および175を有し、内部スリーブ175がハンドル308内のモータ306によって窓176に対して軸方向に往復動することが分かる。内部スリーブ175内の組織摘出チャネル160は、簡単連結取付具(quick−connect fitting)310と連通しているハンドル308を貫通している。可撓性摘出管(不図示)に結合された負圧源を取付具310に連結することができ、それによって、切除された組織および流体を採集リザーバ(
図1を参照)に運ぶ。モータ306は電源312および制御部315に延びる電気ケーブル311に結合されている。
【0044】
図15および
図16では、これらの図の内視鏡300が、(i)内視鏡が作動チャネル320の異なる湾曲した構成を有し、切除ツールシャフトの、チャネル内における摺動に対する所定の抵抗を提供する、および(ii)内視鏡が以下に記載する目的のために簡単連結取付具324を担持する異なる種類の使い捨てアダプタ構成要素322を有する、という点で異なるということ以外においては、内視鏡300は
図1および
図3の内視鏡に類似していることが分かる。
【0045】
更に具体的には、
図15〜16は、内視鏡300が伸長部分またはシャフト部分328に結合された金属のハンドルまたは本体325を有することを示す。長尺状のシャフト328は、5mm〜10mmの範囲の、および一実施形態においては6.2mmの直径を有する。内視鏡シャフト328は、15〜35cmの軸方向長さを有することが可能である。内視鏡300は、0°範囲、または15°〜30°範囲であってもよい。
【0046】
図3の内視鏡において示すように、内視鏡シャフト328は、光学チャネル106、第1フローチャネル108aおよび第2フローチャネル108bを有する。フローチャネル108a、108b(
図3)はルアーコネクタ332a、332b(
図15〜16を参照)と連通している。流体流入源120(
図2)が第1コネクタ332aとチャネル108aとに結合されている。圧力センサ335が第2コネクタ332bとチャネル108bとに結合されている。圧力センサ335は実際の腔内圧力を測定する(更に以下に記載する)ように、および圧力信号を制御部315に連続的に送信するように適合されている。
【0047】
内視鏡300の本体325は、光路LPを提供し、それによって、光学チャネル106を通して見ることを可能にする光学部およびプリズム337を備える角度をなした伸長部336を含む。角度をなした伸長部336の基端部338にビデオスコープカメラが結合可能である。内視鏡の本体325上の光コネクタ342には光源が結合されている。
【0048】
図15〜16では、内視鏡300が、切除ツールシャフトがチャネル内にあるか、シャフトがチャネル320内にない場合に、作動チャネル320を封止するように構成されている第1シール346および第2シール348を担持する着脱式かつ使い捨てアダプタ構成要素322を含むことが分かる。より先端側のシール348は、チャネル320内にツールシャフトがない場合に、チャネルを封止するダックビルシール(duck−bill seal)またはその等価物を含むことができる。より基端側のシール346は、伸長可能で、チャネル322内に配置されたツールシャフトに当たることができるポート350を備えたエラストマシールを含む。
図16に示す一変形形態においては、使い捨て構成要素322はプラスチックで成形することができ、かつ、J字型ロック352によって内視鏡の本体325に着脱可能に結合することができる。本体325と使い捨て構成要素322との間の境界面にOリング354が提供される。使い捨て構成要素322を本体325に結合するために、ねじ山、J字型ロック等などの任意の適切な取付具が使用される。
図16は、以下、関連する実施形態において更に記載されるように、使い捨てアダプタ構成要素322が、任意選択的に、手動または自動化された圧力リリーフ弁を備えて構成される、かなりの流体体積を有する内部チャンバ353を有することを更に示す。
【0049】
再度、
図15および
図16を参照すると、作動チャネル322の湾曲部355Aは、使用時、切除ツールシャフトの不要な軸方向摺動に対する抵抗を提供するように機能する一方で、同時に、切除デバイスシャフトの回転に対するあらゆる抵抗を提供しないことが判明している。使用時、全般的に
図1、4、10A〜14および15に示すような電気外科切除デバイス305は、単に、組織を切除する間の作動端部のわずかな回転とともに作動端部窓176を標的組織部位に押し込むことによって組織を切除するように操作される。使用時、
図15のRF切除デバイスの作動端部は、先行技術において公知の市販のRF切除ループにおいて一般的であるように、組織チャネルを切除するために軸方向に往復して動作すべきではない。このため、
図15〜16に示す湾曲した作動チャネル355Aの構成は、内視鏡内の切除デバイスシャフトの軸方向摺動に対する所望の抵抗の増加を提供し、これは、本発明の組み合わせ(RF切除デバイスおよび内視鏡)を一般に先行技術のRF切除ループに対応する手法で医師が使用することを防止するのを助ける。RF切除デバイス305のシャフトはまた、湾曲した作動チャネルと協働するために適切に可撓性があるように構成されている。本明細書中に記載される湾曲した作動チャネルは、医師による作動チャネル322内の切除デバイスシャフトの回転を妨げず、また有利であることが判明している。
【0050】
図15および
図16では、内視鏡300の一実施形態は、本体325を貫通する湾曲した軸線356Aを有する湾曲または非直線部355Aと、内視鏡のシャフト部分328を長手方向に貫通する直線軸線356Bを有する直線チャネル部355Bと、を含む作動チャネル322を有する。湾曲したチャネル部355Aは、約4cm〜8cmの範囲、および一実施形態においては約5cmの長さAAにわたって延びる。湾曲したチャネル部355Aは、約150mm〜900mmの範囲の半径Rを有する。一実施形態においては、本体325の基端面360における湾曲したチャネル部355Aの中心軸線356Aは、寸法DDを有する距離だけオフセットしており、寸法DDは本体325の基端面360まで延びている場合の直線チャネル部355Bの仮想中心軸線356Bから約2mm〜5mm(
図16を参照)とされる。一実施形態においては、オフセット寸法DDは2.0mmである。一実施形態においては、金属本体325内の少なくとも湾曲したチャネル部355Aの表面は、内視鏡の動作寿命にわたってチャネルを破損から保護することができる窒化チタンまたは金のコーティングを有する。
【0051】
別の実施形態(不図示)においては、
図15の内視鏡に類似する内視鏡300内の作動チャネル322は、直線とすることも湾曲とすることもでき、かつ、ツールシャフトの軸方向摺動に対する抵抗を提供するために代替的機構が使用される。一変形形態においては、干渉要素を作動チャネル内のツールシャフトに対して締め付けるために、Oリングの半径方向内側圧縮などの当技術分野で公知の圧縮アセンブリが使用される。
図15は、作動チャネル内におけるツールシャフトの軸方向摺動を示すため、または抵抗するために使用されてもよい別の機構を示す。
図15に示されるように、RF切除デバイスは外部スリーブ170の基端部372の周りに配置された補強材スリーブ370を有する。補強材スリーブ370は、4〜6cmの長さを有することができ、また、アダプタ構成要素322内のばね要素(不図示)と協働する5〜50個の環状溝または移動止め375を備えて構成されており、移動止め375と係合してツールシャフトの軸方向摺動に関する触覚フィードバックを医師に提供する。
【0052】
概して、内視鏡300は、本体325と、先端部まで長手方向に延びる伸長シャフト部分328と、ハンドル端部から先端部まで延びる、流体流入源に結合可能な第1チャネルと、ハンドル端部から先端部まで延びる、流体を流出するおよび/またはRF切除デバイスを受容するために構成されている第2チャネルであって、第1直線部および第2湾曲部を有する第2チャネルと、内視鏡本体および第2チャネルに着脱可能に結合した少なくとも1つのシールを担持する使い捨て構成要素と、を含む。一変形形態においては、このデバイスは、使い捨て構成要素内に担持されている、第2チャネルを、ツールシャフトがその中に配置されているか配置されていない状態で封止するように構成されている第1および第2シール要素を有する。一変形形態においては、圧力センサ335(
図15〜16を参照)に結合するために第3チャネルが構成されている。子宮腔を観察するための光学チャネルとして第4のチャネルが構成されている。内視鏡の本体から伸長シャフト部分328の先端部まで延びる光ガイドとして第5のチャネルが構成されている。内視鏡は、内視鏡内における流体の流入および流体の流出を制御し、それによって、子宮腔内の流体圧力を制御するために圧力信号を制御部315に送信するように構成された圧力センサ335を有する。制御部は、同時に(i)正圧源および負圧源の調整によって子宮腔内の圧力を制御するため、および(ii)電気外科切除デバイスの動作パラメータを制御するために、流体流入源および流出源に作動的に結合される。制御部315は、フローチャネルを通過する子宮腔への流れを0ml/分〜750ml/分の任意の速度で選択的に制御するように適合される。本発明の別の態様においては、制御部315は、子宮腔内の圧力を0KPa(0mmHg)〜19.998KPa(150mmHg)の任意のレベルにおいて選択的に制御するように適合される。制御部315は、システム内のチャネルを通過する子宮腔からの流出を0ml/分〜750ml/分の任意の速度で選択的に制御するように適合される。一変形形態においては、圧力センサ335(
図15)は使い捨てであり、0.1mm
2よりも大きな、0.5mm
2よりも大きな、または1.0mm
2よりも大きな断面積を有するチャネルの基端部に着脱可能に結合している。
【0053】
図17および
図18は、子宮鏡検査法における使用のために構成された、類線維腫除去処置時に子宮腔内の圧力を制御するための機構およびシステムを含む内視鏡500の別の変形形態を示す。一変形形態においては、内視鏡500およびシステムは、腔内圧力の設定値に到達後に、予定時間間隔内に腔内圧力を自動的に低減するように適合されている。予定設定値は、6.666KPa(50mmHg)、7.999KPa(60mmHg)、9.333KPa(70mmHg)、10.666KPa(80mmHg)、11.999KPa(90mmHg)、13.332KPa(100mmHg)、14.665KPa(110mmHg)、15.999KPa(120mmHg)、17.332KPa(130mmHg)、18.665KPa(140mmHg)、19.998KPa(150mmHg)、21.332KPa(160mmHg)、22.665KPa(170mmHg)または23.998KPa(180mmHg)とされる。一変形形態においては、予定圧力は19.998KPa(150mmHg)である。予定間隔は1秒〜10秒の範囲内、および一変形形態においては5秒とされる。別の変形形態においては、システムは、19.998KPa(150mmHg)〜26.664KPa(200mmHg)の範囲内、および一変形形態においては26.664KPa(200mmHg)とされる予定最大圧力において圧力を放出するための圧力リリーフ弁を含む。特に興味深いことには、システムは子宮腔と直接流体連通している圧力センサによって測定された「実際の」腔内圧力の測定値に応答するように適合されている。先行技術においては、腔内圧力を予定設定値において放出するように適合された流体管理システムは、流れ制御部に伝達される流体の流入に関する信号に基づくソフトウェアアルゴリズムによって推定された「推定」腔内圧力のみを使用する。そのような先行技術のシステムおよびアルゴリズムは「実際の」腔内圧力を正確に測定することはできない。
【0054】
図17〜18では、内視鏡500が、観察チャネル508と、シャフト部分512の光学ファイバを含む光チャネルと、作動チャネル510と、1つまたは複数の流体流入または流出チャネルと、を含む標準的特徴を有することが分かる。内視鏡のシャフト部分512は中心長手方向の軸線515に沿って延びている。当技術分野で公知のように内視鏡本体は再利用可能および滅菌可能である。内視鏡本体のハンドルまたは本体部516はシャフト512に結合し、接眼レンズ517と、上述のように流体の流入および流出のために第1チャネルと第2チャネルとに連通するルアーコネクタ(不図示)と、を担持する。光コネクタは符号518で示される。
【0055】
更に
図17から分かるように、基端側内視鏡またはアダプタ構成要素520は、内視鏡本体の基端部に取り付け可能な使い捨てアダプタ本体を含む。アダプタ構成要素520は、構成要素520内のチャネルまたは内腔部を内視鏡本体505内のチャネルと回転可能に位置合わせする構成の境界面522におけるねじ山、J字型ロックまたはスナップ嵌合のいずれかによって取り付けられる。
【0056】
本発明の一態様においては、アダプタ構成要素520の基端部524は、簡単連結取付具525の嵌合部として構成されている。簡単連結取付具525およびOリング528は、流出管530を内視鏡アセンブリ500の基端部に直接結合して、システムを診断モードで使用することを可能にするために使用される。診断モードは、医師が切除プローブを使用する前に診断的処置を実施することを含む。したがって、切除プローブが内視鏡を通じて挿入されていない場合、子宮腔を膨張させ、それによって、腔の観察を可能にするために、医師は生理食塩水戻り流管(saline return flow tubing)を簡単連結取付具525に直接連結し、膨張流体を内視鏡デバイス内の流入チャネル内に、ならびに作動チャネルおよび簡単連結取付具525に結合された流出管を通じて外部に循環させることができる。
【0057】
アダプタ構成要素520は更に、シール530aおよびシール530bを担持する。シール530aおよびシール530bは、(i)内視鏡内に配置された切除ツールがない場合に作動チャネルおよびアダプタを通して流体が流出することを防止するため、および(ii)そのようなツールが内視鏡内に配置されている場合に切除ツールシャフトの周りにシールを提供するための、シールを含む。これらシール530aおよびシール530bは、1つの構成要素に組み込むことも、
図17の一変形形態に示すように間隔をおいて配置することもできる。
【0058】
本発明の一態様においては、上述のように、内視鏡アセンブリは、子宮腔圧力を腔内圧力の設定値に到達後予定時間間隔内に自動的に低減するように構成されたバルブシステムを含む。一変形形態においては、上記したように、予定圧力は19.998KPa(150mmHg)であり、予定間隔は5秒である。一変形形態においては、電磁リリーフ弁540は制御部545に作動的に結合されており、少なくとも予定量の膨張流体をシステム(内視鏡アセンブリ)から予定時間間隔内に放出するように適合されており、子宮腔内の圧力の非常に迅速な放出を保証する。一変形形態においては、腔内圧力を放出するための1秒以内の予定量は、少なくとも0.1cc、0.5cc、1cc、2cc、3cc、5cc、または10ccである。制御部545は上述のように、内視鏡内の流出チャネルに直接結合された圧力センサから圧力信号を受信する。制御部545はまた、腔内圧力が設定値を下回る所定の時間間隔後にリリーフ弁540を閉じるように構成される。この間隔は少なくとも1秒、2秒、5秒または10秒とされる。
【0059】
図17に概略的に示される一変形形態においては、アダプタ構成要素520は、ケーブル546を介してシステム制御部545に結合された電磁またはリリーフ弁540を担持するように構成されている。電磁リリーフ弁540はまた、ケーブル546を介してシステム制御部545に結合された組み込み式圧力センサ548Aを含む。予定圧力における圧力信号が、その後、電磁弁540を駆動し、流体を内部チャネルから周囲に放出して腔内圧力を低下させる。圧力センサ548Aは、子宮腔内の圧力を直接検知するために作動チャネル510(チャネル510内のツールの周り)内の流体を介して子宮腔に連通する。
【0060】
図19に示す別の変形形態においては、内視鏡シャフト512内の独立フローチャネル552に連通して子宮腔圧力の直接測定を可能にする独立圧力センサ548Bが示される。圧力センサ548Bは、再度、制御部545に作動的に連結されている。
【0061】
別の変形形態においては、圧力センサからの選択したレベルの高圧力の信号が、RFエネルギ送達または切除デバイスの往復動/回転を終了させることができる。別の変形形態においては、圧力センサからの選択したレベルの高圧力の信号が流体管理システムのポンプ構成要素に起因する流入または流出の変化を引き起こすことができる。
【0062】
図17および
図18では、アダプタ520の内部および内視鏡本体部516の内部が、電磁リリーフ弁540が最適に機能することを可能にする嵌合開放空間(mating open space)または膨張オフセット軸線チャネル部550を備えて構成されているのが分かる。
図19において、内視鏡500内に導入された後の切除デバイスのプローブまたはツールシャフト555が示されており、シャフト555はツール受入作動チャネル510のかなりの断面を占める寸法を有する。
図17および
図19の変形形態においては、ツールシャフト550は、(i)アダプタ520の基端部524および長さAAを有するアダプタの基端部分において長手方向の軸線565を有するチャネル560を通過し、(ii)アダプタ520内の内部膨張オフセット軸線チャネル部550および直径D2を有するハンドル516の基端部分を通過し、(iii)内視鏡シャフト部分512の先端側チャネル510(直径D3)を通過する順序で導入される。
図17〜18に見られるように、チャネル560の直径D1は、切除プローブ100(
図1を参照)のハンドル566に隣接するプローブシャフト555の基端部分の周りに延びる補強材スリーブ564を収容するような寸法にされている。
図17を参照すると、チャネル560が軸線515に沿って延びており、オフセット軸線チャネル部550が中心軸線570a、570b、570cに沿って延びており、また、先端側チャネル510が軸線575に沿って延びているのが分かる。
【0063】
図19は、内視鏡アセンブリ内に配置されたツールシャフト555を示し、子宮腔に延びる流体柱のかなりの量に弁が接続することから、オフセット軸線チャネル部550の容積により電磁リリーフ弁540が最適に機能するのを容易にすることが分かる。
図20Aおよび20Bに概略的に示されるように、リリーフ弁540は、膨張オフセット軸線チャネル550内の大量の流体576と接続する。膨張オフセット軸線チャネル550は、アセンブリを貫通する長尺状の先端側チャネル510内のシャフト555周りの環状空間577内にあるより少量の流体を介して子宮腔と連通する。容易に理解できるように、チャネル部550からの流体の放出は、内部チャネル部550と外部環境との間の圧力差に応答するものであり、これは、リリーフ弁540を開放すると、上述のように流体の非常に迅速な放出に至る可能性がある。一変形形態においては、膨張オフセット軸線チャネル550の容積は、少なくとも1cc、5ccまたは10ccであり、子宮腔内の圧力を放出するための流体放出速度は、1秒間に少なくとも0.1cc、0.5cc、1cc、2cc、3cc、5ccまたは10ccとされる。その後、チャネル部550と子宮腔との間の圧力差により子宮腔内の圧力の瞬時低下が生じる。
【0064】
本発明の別の態様においては、
図20A〜20Bを参照すると、膨張オフセット軸線チャネル550内の流体体積576は、圧力センサ548Aの一時的な圧力上昇を防止するために必要であり、アセンブリ内におけるプローブシャフト555の軸方向の動きによって導入される。
図20Bの変形形態においてツールシャフト555が軸方向に移動する場合、小さな環状空間577と接触する流体を有する任意の圧力センサに一時的影響を及ぼす可能性があることは容易に理解できる。
【0065】
本発明の別の態様においては、小さな環状空間577は、使用時にアセンブリを曲げることによって、または環状空間577を詰まらせる粘液、血液および/または組織残屑によって一時的に影響を受ける場合がある。このため、膨張オフセット軸線チャネル550内の流体体積576は、流体リザーバを事実上提供し、この流体リザーバにおいて、粘液、組織残屑等が沈殿または循環することができ、また、残屑がリリーフ弁540内の流路に影響する可能性を低下させることができる。圧力センサがチャネル550内に配置される場合、オフセット軸線チャネル550内の流体体積576は更に、デバイスの曲げによる環状空間577の断面の一時的変化に対する緩衝リザーバとして機能する。
図20Bから、環状空間577’(
図20Aの緩衝リザーバ容積576なし)内のセンサ540’が、システムの動作を損なうおそれのあるセンサインタフェースの詰まりまたは圧力信号の
変動につながる可能性があることを理解することができる。
【0066】
図21を参照すると、別の実施形態は、膨張オフセット軸線チャネル550内に、プローブシャフト555上のマーキング585と協働してセンサに対するシャフト555の軸方向位置を決定する光センサ580を有する。一変形形態においては、RFエネルギがなお作動されている状態で、医師がプローブ作動端部を作動チャネル510内に引き出した場合に、プローブへのRF送達を終了するための位置検出システムが制御部545に作動的に結合されている。プラズマ切除端が内視鏡と接触すると内視鏡が破損する可能性がある。
【0067】
別の変形形態においては、
図22を参照すると、圧力を予定圧力、例えば、少なくとも19.998KPa(150mmHg)、21.332KPa(160mmHg)、22.665KPa(170mmHg)、23.998KPa(180mmHg)、25.331KPa(190mmHg)または26.664KPa(200mmHg)において放出するための受動圧力リリーフ弁590が、構成要素520内に配置される。この受動リリーフ弁は、制御部により動作されるソレノイドと組み合わせて使用される。
【0068】
別の変形形態においては、チャネル550内の流体の温度を測定するために追加の安全機構として温度センサが構成要素520内に配置される。
図17〜22の任意の実施形態においては、
図17〜22に示す圧力リリーフ弁の位置において膨張オフ軸線チャンバ550と連通する圧力センサを設けることができる。
【0069】
本発明の特定の実施形態を上に詳細に記載したが、この記載は単に説明のためであり、本発明の上の記載は網羅的でないことが理解されよう。本発明の特定の特徴をいくつかの図面に示し、他の図面には示していないが、これは単に利便性のためであり、任意の特徴を本発明による別の特徴と組み合わせてもよい。当業者には多くの変形形態および代替形態が明らかとなろう。そのような代替形態および変形形態は特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。従属請求項に示される特定の特徴は組み合わせることができ、本発明の範囲内である。本発明は、また、従属請求項を他の独立請求項に関連する複数の従属請求項の形式で代替的に記載するかのように実施形態を包含する。