特許第6697718号(P6697718)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6697718
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】気密パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20200518BHJP
   H03H 3/02 20060101ALI20200518BHJP
   H01L 23/08 20060101ALI20200518BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   H03H9/02 A
   H03H3/02 B
   H01L23/08 C
   H01L23/02 D
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-502479(P2017-502479)
(86)(22)【出願日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】JP2016055675
(87)【国際公開番号】WO2016136899
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2019年1月7日
(31)【優先権主張番号】特願2015-36344(P2015-36344)
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白神 徹
【審査官】 橋本 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−023263(JP,A)
【文献】 特開2013−038727(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/108083(WO,A1)
【文献】 特開2003−158208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/02
H01L 23/02
H01L 23/08
H03H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック基体を用意すると共に、セラミック基体上に封着材料層を形成する工程と、ガラス基板を用意すると共に、ガラス基板がセラミック基体上の封着材料層に接触するように、セラミック基体とガラス基板を配置する工程と、レーザー光をガラス基板側から封着材料層に向けて照射し、封着材料層を介してセラミック基体とガラス基板を封着して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
【請求項2】
基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用い、枠部の頂部に封着材料層を形成することを特徴とする請求項1に記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項3】
枠部の頂部を研磨処理した後に、封着材料層を形成することを特徴とする請求項2に記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項4】
枠部の頂部の表面粗さRaが0.5μm未満になるように、枠部の頂部を研磨処理することを特徴とする請求項2又は3に記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項5】
封着材料ペーストを塗布、焼成して、セラミック基体上に封着材料の焼結体からなる封着材料層を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項6】
55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーを含有する封着材料を用いることを特徴とする請求項5に記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項7】
封着材料層の平均厚みを10μm未満とすることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項8】
セラミック基体と封着材料層の熱膨張係数の差を45×10−7/℃未満とし、且つ封着材料層とガラス基板の熱膨張係数の差を45×10−7/℃未満とすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
【請求項9】
グリーンシートの積層体を焼結して、セラミック基体を作製することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の気密パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光を用いた封着処理(以下、レーザー封着)による気密パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気密パッケージの特性維持及び長寿命化を図ることが鋭意検討されている。例えば、圧電振動子素子は、周囲環境の酸素や水分に暴露されることで、容易に劣化する敏感な素子である。そこで、圧電振動子パッケージ内に圧電振動子素子を気密状態で組み込み、圧電振動子パッケージの特性維持及び長寿命化を図ることが検討されている。
【0003】
圧電振動子パッケージの気密構造として、圧電振動子素子が配置された素子基体の上に、間隔を置いてガラス基板を対向配置させた状態で、圧電振動子素子の周囲を囲むようにガラス基板と素子基体との間の隙間を封着材料層で封着する気密構造が検討されている。なお、素子基体として、セラミック、例えばアルミナが一般的に使用される。
【0004】
しかし、圧電振動子素子は、耐熱性が低いことが知られている。よって、封着材料層の軟化流動温度域で焼成して、素子基体とガラス基板を封着すると、圧電振動子素子の特性が熱劣化する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−186697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、気密パッケージの封着方法として、レーザー封着が検討されている。レーザー封着では、封着すべき部分のみを局所加熱し得るため、耐熱性が低い素子等の熱劣化を防止した上で、素子基体とガラス基板を封着することができる。
【0007】
その一方で、レーザー封着では、素子基体と封着材料層の固着強度を高めることが困難である。そして、素子基体がセラミックの場合、素子基体と封着材料層の固着強度を高めることが更に困難である。
【0008】
詳述すると、レーザー封着は、封着材料層を局所加熱して封着材料層を軟化流動させる方法であるため、封着に要する時間が短く、それに付随して、素子基体と封着材料層が反応する時間も短くなる。結果として、素子基体と封着材料層の界面で、反応層が十分に生成せず、素子基体と封着材料層の固着強度が低下してしまう。
【0009】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、内部に収容される部材の熱劣化を招くことなく、素子基体と封着材料層の固着強度を高め得る方法を創案することにより、気密パッケージの長期信頼性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、鋭意検討の結果、セラミック基体上に予め封着材料層を形成して、セラミック基体と封着材料層の固着強度を高めた後、封着材料層を介して、ガラス基板を対向配置し、ガラス基板と封着材料層をレーザー封着すると、気密パッケージの封着強度が向上することを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の気密パッケージの製造方法は、セラミック基体を用意すると共に、セラミック基体上に封着材料層を形成する工程と、ガラス基板を用意すると共に、ガラス基板がセラミック基体上の封着材料層に接触するように、セラミック基体とガラス基板を配置する工程と、レーザー光をガラス基板側から封着材料層に向けて照射し、封着材料層を介してセラミック基体とガラス基板を封着して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
封着材料は、通常、低融点ガラスを含む。この低融点ガラスが、レーザー封着時に素子基体の表層を侵食して、反応層が生成することになる。素子基体がガラスである場合は、レーザー封着により反応層がある程度生成して、固着強度を確保することができる。しかし、素子基体がセラミックである場合、低融点ガラスが、レーザー封着時に素子基体の表層を侵食し難く、反応層が十分に生成しない。つまり素子基体がガラスの場合は、レーザー封着により反応層を形成し得るが、セラミックの場合は、レーザー封着により反応層を形成することが困難である。そこで、本発明では、電気炉焼成等により予めセラミック基体に封着材料層を形成した後、レーザー封着によりセラミック基体とガラス基板を封着している。これにより、セラミック基体と封着材料層の固着強度を高めると共に、ガラス基板と封着材料層の固着強度も確保することができる。なお、電気炉焼成等により予めセラミック基体に封着材料層を形成すれば、セラミック基体の表層に反応層を十分に形成することができる。
【0012】
第二に、本発明の気密パッケージの製造方法は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用い、枠部の頂部に封着材料層を形成することが好ましい。このようにすれば、圧電振動子素子等の部材を気密パッケージ内に収容し易くなる。
【0013】
第三に、本発明の気密パッケージの製造方法は、枠部の頂部を研磨処理した後に、封着材料層を形成することが好ましい。
【0014】
第四に、本発明の気密パッケージの製造方法は、枠部の頂部の表面粗さRaが0.5μm未満になるように、枠部の頂部を研磨処理することが好ましい。
【0015】
第五に、本発明の気密パッケージの製造方法は、封着材料ペーストを塗布、焼成して、セラミック基体上に封着材料の焼結体からなる封着材料層を形成することが好ましい。これにより、封着材料層の機械的強度を高めつつ、薄い封着材料層を形成し易くなる。
【0016】
第六に、本発明の気密パッケージの製造方法は、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーを含有する封着材料を用いることが好ましい。ビスマス系ガラスは、他の系のガラスと比較して、セラミックとの反応性が良好である。これにより、セラミック基体と封着材料層の固着強度を高めることができる。更に、ビスマス系ガラスは、低融点であるが、熱的安定性(耐失透性)が高い。これにより、レーザー封着時に良好に軟化流動し、レーザー封着の精度を高めることができる。なお、「ビスマス系ガラス」とは、Biを主成分とするガラスを指し、具体的にはガラス組成中にBiを50質量%以上含むガラスを指す。
【0017】
第七に、本発明の気密パッケージの製造方法は、封着材料層の平均厚みを10μm未満とすることが好ましい。
【0018】
第八に、本発明の気密パッケージの製造方法は、セラミック基体と封着材料層の熱膨張係数の差を45×10−7/℃未満とし、且つ封着材料層とガラス基板の熱膨張係数の差を45×10−7/℃未満とすることが好ましい。これにより、封着部分に残留する応力が小さくなるため、封着部分の応力破壊を防止し易くなる。
【0019】
第九に、本発明の気密パッケージの製造方法は、グリーンシートの積層体を焼結して、セラミック基体を作製することが好ましい。このようにすれば、枠部を有するセラミック基体を作製し易くなる。
【0020】
第十に、本発明の気密パッケージは、上記の気密パッケージの製造方法により作製されてなることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】マクロ型DTA装置で測定した時の封着材料の軟化点を示す模式図である。
図2】本発明の気密パッケージの一実施形態を説明するための断面概念図である。
図3】本発明の気密パッケージの一実施形態を説明するための断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の気密パッケージの製造方法では、セラミック基体を用意すると共に、セラミック基体上に封着材料層を形成する工程を有する。セラミック基体上に封着材料層を形成する方法として、封着材料ペーストをセラミック基体上に塗布して、封着材料膜を形成した後、封着材料膜を乾燥し、溶剤を揮発させて、更に封着材料の軟化点より高い温度で焼成して、封着材料ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の焼結(固着)を行う方法が好ましい。このようにすれば、封着材料層を容易に形成し得ると共に、セラミック基体と封着材料層の固着強度を高めることができる。
【0023】
セラミック基体として、材料コストと焼結強度の観点から、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、ムライト等が好ましい。また、セラミック基体として、グリーンシートの積層体を焼結してなるガラスセラミック(以下、LTCCと称する)も好ましい。アルミナは、材料コストの点で有利である。窒化アルミニウムは、放熱性の観点から有利である。LTCCは、枠部を有するセラミック基体を作製し易い利点を有する。
【0024】
セラミック基体の厚みは0.1〜1.0mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
【0025】
また、セラミック基体として、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用い、枠部の頂部に封着材料層を形成することが好ましい。このようにすれば、圧電振動子素子等の部材を気密パッケージ内に収容し易くなる。
【0026】
この場合、枠部の頂部を研磨処理することが好ましく、その場合、セラミック基体の頂部の表面粗さRaは、好ましくは0.5μm未満、0.2μm以下、特に0.01〜0.15μmであり、セラミック基体の頂部の表面粗さRMSは、好ましくは1.0μm未満、0.5μm以下、特に0.05〜0.3μmである。このようにすれば、封着材料層の表面平滑性が向上して、レーザー封着の精度を高めることができる。結果として、気密パッケージの封着強度を高めることが可能になる。なお、「表面粗さRa」及び「表面粗さRMS」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。
【0027】
封着材料ペーストは、セラミック基体の外周端縁領域に沿って、額縁状に塗布されることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を広げることができる。また圧電振動子素子等の部材を気密パッケージ内に収容し易くなる。
【0028】
セラミック基体が枠部を有する場合、セラミック基体の外周端縁領域に沿って、枠部を額縁状に設けると共に、その枠部の頂部に封着材料ペーストを塗布することが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を広げることができる。また圧電振動子素子等の部材を枠部の内部に収容し易くなる。
【0029】
封着材料ペーストは、通常、三本ローラー等により、封着材料とビークルを混練することにより作製される。ビークルは、通常、樹脂と溶剤を含む。ビークルに用いる樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
【0030】
封着材料として、種々の材料が使用可能であり、例えば、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末の複合粉末が使用可能である。ガラス粉末としては、種々の材料が使用可能であり、例えば、ビスマス系ガラス、リン酸錫系ガラス、バナジウム系ガラス等が使用可能であり、熱的安定性と反応層の深さの観点から、ビスマス系ガラスが好適である。なお、「リン酸錫系ガラス」とは、SnOとPを主成分とするガラスを指し、具体的にはガラス組成中にSnOとPを合量で40質量%以上含むガラスを指す。「バナジウム系ガラス」とは、Vを主成分とするガラスを指し、具体的にはガラス組成中にVを合量で25質量%以上含むガラスを指す。
【0031】
特に、封着材料として、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーを含有する封着材料を用いることが好ましく、60〜85体積%のビスマス系ガラスと15〜40体積%の耐火性フィラーを含有する封着材料を用いることが更に好ましく、60〜80体積%のビスマス系ガラスと20〜40体積%の耐火性フィラーを含有する封着材料を用いることが特に好ましい。ビスマス系ガラスに耐火性フィラーを添加すれば、封着材料の熱膨張係数が、セラミック基体とガラス基板の熱膨張係数に整合し易くなる。その結果、レーザー封着後に封着部分に不当な応力が残留する事態を防止し易くなる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ビスマス系ガラスの含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
【0032】
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、遷移金属酸化物を0.5質量%以上(好ましくは2〜18質量%、より好ましくは3〜15質量%、更に好ましくは4〜12質量%、特に好ましくは5〜10質量%)含むことが望ましい。このようにすれば、熱的安定性の低下を抑制しつつ、光吸収特性を高めることができる。
【0033】
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜18%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を指す。また、「CuO+Fe」は、CuOとFeの合量である。
【0034】
Biは、反応層を形成するための主要成分であると共に、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は、好ましくは67〜87%、より好ましくは70〜85%、特に好ましくは72〜83%である。Biの含有量が67%より少ないと、反応層が生成し難くなることに加えて、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
【0035】
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は、好ましくは2〜12%、より好ましくは3〜10%、更に好ましくは4〜10%、特に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が12%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
【0036】
ZnOは、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時の失透を抑制すると共に、熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%、更に好ましくは3〜11%、特に好ましくは3〜9%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、上記効果を得難くなる。一方、ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
【0037】
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。また、CuO+Feは、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は、好ましくは0.5〜18%、より好ましくは3〜15%、更に好ましくは3.5〜15%、更に好ましくは4〜12%、特に好ましくは5〜10%である。CuO+Feの含有量が0.5%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が18%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量は、好ましくは0〜15%、1〜15%、2〜12%、3〜10%、特に4.5〜10%である。Feの含有量は、好ましくは0〜7%、0.05〜7%、0.1〜4%、特に0.2〜3%である。
【0038】
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の状態で存在する。本発明において、酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の何れかに限定されるものではなく、何れであっても構わない。よって、本発明では、Fe2+の場合でも、Feに換算した上で取り扱うこととする。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+が赤外域に吸収ピークを有するため、Fe2+の割合は大きい方が好ましく、例えば、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の割合を0.03以上(望ましくは0.08以上)に規制することが好ましい。
【0039】
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
【0040】
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜10%、0〜3%、特に0〜1%未満である。SiOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
【0041】
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは0〜5%、0〜2%、特に0〜0.5%未満である。Alの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
【0042】
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量)は、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時の失透を抑制する成分であり、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0〜15%、特に0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。なお、MgO、CaO及びSrOの含有量は、それぞれ0〜5%、特に0〜2%が好ましい。BaOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜8%である。
【0043】
CeO、WO、In、Ga及びSbは、溶融時、焼結(固着)時、又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜10%、0〜5%、0〜2%、特に0〜1%である。各成分の含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、熱的安定性を高める観点から、Sbの微量添加が好ましく、具体的にはSbを0.05%以上添加することが好ましい。
【0044】
Li、Na、K及びCsの酸化物は、軟化点を低下させる成分であるが、溶融時に失透を助長する作用を有するため、合量で1%未満に規制することが好ましい。
【0045】
は、溶融時の失透を抑制する成分である。しかし、Pの含有量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相し易くなる。
【0046】
La、Y及びGdは、溶融時の分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
【0047】
NiO、V、CoO、MoO、TiO及びMnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜7%、特に0〜3%である。各成分の含有量が7%より多いと、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
【0048】
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境的影響が懸念される成分である。よって、PbOの含有量は、好ましくは0.1%未満である。
【0049】
上記以外の成分であっても、ガラス特性を損なわない範囲で、例えば5%まで添加してもよい。
【0050】
耐火性フィラーとして、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイトから選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。これらの耐火性フィラーは、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラスとの適合性が良好である。上記の耐火性フィラーの内、コーディエライトが最も好ましい。コーディエライトは、粒径が小さくても、レーザー封着時にビスマス系ガラスを失透させ難い性質を有している。なお、上記の耐火性フィラー以外にも、β−ユークリプタイト、石英ガラス等を添加してもよい。
【0051】
耐火性フィラー粉末(特にコーディエライト)中にCuO、Fe等の遷移金属酸化物を0.1〜5質量%(好ましくは1〜3質量%)ドープすることが好ましい。このようにすれば、耐火性フィラー粉末に光吸収特性が付与されるため、封着材料の光吸収特性を高めることができる。
【0052】
耐火性フィラーの平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に1.5μm未満である。耐火性フィラーの平均粒径D50が2μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを10μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。
【0053】
耐火性フィラーの最大粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に3μm以下である。耐火性フィラーの最大粒径D99を5μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを10μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。ここで、「平均粒径D50」と「最大粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
【0054】
封着材料の熱膨張係数は、好ましくは60×10−7〜95×10−7/℃、60×10−7〜85×10−7/℃、特に65×10−7〜80×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料層の熱膨張係数がガラス基板やセラミック基体の熱膨張係数に整合して、封着部分に残留する応力が小さくなると共に、耐火性フィラーの含有量を低減し得るため、レーザー封着時に封着材料層が軟化流動し易くなる。なお、熱膨張係数は、30〜300℃の温度範囲において、押棒式TMA装置で測定した値である。
【0055】
セラミック基体と封着材料層の熱膨張係数の差は45×10−7/℃未満、特に30×10−7/℃以下が好ましく、封着材料層とガラス基板の熱膨張係数は45×10−7/℃未満、特に30×10−7/℃以下が好ましい。熱膨張係数の差が大き過ぎると、封着部分に残留する応力が不当に高くなり、気密パッケージの長期信頼性が低下する虞がある。
【0056】
封着材料の軟化点は、好ましくは500℃以下、480℃以下、特に450℃以下である。軟化点が500℃より高いと、封着材料の焼結(固着)時に表面平滑性を得難くなり、更にレーザー封着時に封着材料が軟化流動し難くなる。軟化点の下限は特に設定されないが、ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点であり、図1中のTsに相当する。
【0057】
封着材料は、光吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ビスマス系ガラスの失透を助長する作用を有する。よって、レーザー吸収材の含有量は、好ましくは0〜15体積%、0〜12体積%、特に0〜10体積%である。レーザー吸収材の含有量が15体積%より多いと、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能であり、特に、ビスマス系ガラスとの適合性の観点から、Mn系酸化物が好ましい。なお、レーザー吸収材を添加する場合、その含有量は0.1体積%以上、0.5体積%以上、1体積%以上、1.5体積%以上、特に2体積%以上が好ましい。
【0058】
封着材料層の形成は、セラミック基体上に部材を実装した後に行ってもよいが、部材(特に熱劣化し易い素子)の熱劣化を防止する観点から、セラミック基体上に部材を実装する前に行うことが好ましい。
【0059】
セラミック基体上に封着材料層を形成した後の封着材料層の平均厚みを10μm未満、7μm未満、特に5μm未満に規制することが好ましい。同様にして、レーザー封着後の封着材料層の平均厚みも10μm未満、7μm未満、特に5μm未満に規制することが好ましい。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層とセラミック基体及びガラス基板の熱膨張係数が十分に整合していなくても、レーザー封着後に封着部分に残留する応力が低減される。また、レーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、封着材料ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層を形成した後に封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
【0060】
セラミック基体上に封着材料層を形成した後の封着材料層の表面粗さRaを0.5μm未満、0.2μm以下、特に0.01〜0.15μmに規制することが好ましい。また、セラミック基体上に封着材料層を形成した後の封着材料層の表面粗さRMSを1.0μm未満、0.5μm以下、特に0.05〜0.3μmに規制することが好ましい。このようにすれば、ガラス基板と封着材料層の密着性が向上し、レーザー封着の精度が向上する。なお、上記のように封着材料層の表面粗さRa、RMSを規制する方法としては、セラミック基体の枠部の頂部を研磨処理する方法、耐火性フィラー粉末の粒度を規制する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
【0061】
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス基板を用意すると共に、ガラス基板がセラミック基体上の封着材料層に接触するように、セラミック基体とガラス基板を配置する工程を有する。ガラス基板として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。特に、耐候性の観点から、無アルカリガラスが好適である。
【0062】
ガラス基板の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1mm、特に0.5〜0.7mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
【0063】
ガラス基板は、セラミック基体よりも下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス基板をセラミック基体の上方に配置することが好ましい。
【0064】
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス基板側からレーザー光を封着材料層に向けて照射し、封着材料層を介してセラミック基体とガラス基板を封着して、気密パッケージを得る工程を有する。
【0065】
レーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取扱いが容易な点で好ましい。
【0066】
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
【0067】
レーザー封着を行う際に、(100℃以上、且つガラス基板の歪点以下)の温度でガラス基板を予備加熱すると、サーマルショックによるガラス基板の割れを抑制することができる。またレーザー封着直後に、ガラス基板側からアニールレーザーを照射すると、サーマルショックによるガラス基板の割れを抑制することができる。
【0068】
以下、図面を参照しながら、本発明の気密パッケージの一実施形態を説明する。
【0069】
図2は、本発明の気密パッケージの一実施形態を説明するための断面概念図である。気密パッケージ1は、矩形状のセラミック基体10の中央領域に部材(圧電振動子素子)11が形成されており、且つ部材11の周囲を額縁状に取り囲むように、セラミック基体10の外周端縁領域に封着材料層12が形成されている。ここで、封着材料層12は、封着材料ペーストを塗布、乾燥した後、焼結させることにより形成したものである。なお、セラミック基体10には、部材11と外部を電気的に接続する電極膜(図示されていない)が形成されている。そして、ガラス基板13は、封着材料層12と接触するように、セラミック基体10の上方に配置されている。更に、レーザー照射装置14から出射したレーザー光Lが、ガラス基板13側から封着材料層12に沿って照射される。これにより、封着材料層12が軟化流動し、セラミック基体10とガラス基板13が封着されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
【0070】
図3は、本発明の気密パッケージの一実施形態を説明するための断面概念図である。気密パッケージ2は、矩形状のセラミック基体20の外周端縁領域に枠部21を有し、その内部に部材(量子ドットが分散された樹脂)22が収容されている。そして、この枠部21の頂部23には封着材料層24が形成されている。ここで、セラミック基体20は、グリーンシートの積層体を焼結させることにより作製したものである。また、枠部21の頂部23は、予め研磨処理されており、表面粗さRaが0.15μm以下になっている。更に、封着材料層24は、封着材料ペーストを塗布、乾燥した後、焼結させることにより形成したものである。なお、セラミック基体20には、部材22と外部を電気的に接続する電極膜(図示されていない)が形成されている。ガラス基板25は、封着材料層24と接触するようにセラミック基体20の上方に配置されている。更に、レーザー照射装置26から出射したレーザー光Lが、ガラス基板25側から封着材料層24に沿って照射される。これにより、封着材料層24が軟化流動し、セラミック基体20とガラス基板24が封着されて、気密パッケージ2の気密構造が形成される。
【実施例】
【0071】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
【0072】
まず封着材料を作製した。表1は、封着材料の材料構成を示している。ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 76.5%、B 8.0%、ZnO 6.0%、CuO 5.0%、Fe 0.5%、BaO 4.0%を含有し、且つ表1に記載の粒度を有している。
【0073】
【表1】
【0074】
上記のビスマス系ガラスと耐火性フィラー粉末とを表1に示す割合で混合して、封着材料を作製した。耐火物フィラーとして、表2に示す粒度を有するコーディエライトを用いた。この封着材料につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。
【0075】
ガラス転移点は、押棒式TMA装置で測定した値である。
【0076】
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。測定は、大気雰囲気下において、昇温速度10℃/分で行い、室温から600℃まで測定を行った。
【0077】
熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定した値である。測定温度範囲は30〜300℃である。
【0078】
次に、上記封着材料を用いて、セラミック基体上に封着材料層を形成した(試料No.1〜6)。まず粘度が約100Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、表1に記載の封着材料とビークルおよび溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一に分散するまで混錬し、ペースト化した。ビークルにはグリコールエーテル系溶剤にエチルセルロース樹脂を溶解させたものを使用した。次に、縦3mm×横3mm×厚み0.8mmのセラミック基体(アルミナ又はLTCC)の外周端縁領域に沿って、上記の封着材料ペーストを厚み:約5μm又は約8μm、幅:約0.3mmになるように、スクリーン印刷機で額縁状に印刷した。さらに、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、500℃で10分間焼成して、封着材料ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の焼結(固着)を行い、セラミック基体上に封着材料層を形成した。その後、セラミック基体の中央領域に素子を形成した。比較例として、同様の焼成条件により、ガラス基板上に封着材料を形成した(試料No.7〜9)。
【0079】
封着材料層の平均厚みは、非接触式レーザー膜厚計で測定した値である。
【0080】
最後に、封着材料層を介して、セラミック基体とガラス基板とを大気雰囲気下で接触配置した後、ガラス基板側から封着材料層に沿って、表中に記載の出力、走査速度にて、波長808nmのレーザー光を照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、セラミック基体とガラス基板を封着し、表2、3に記載の気密パッケージを得た。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
各試料に対して、高温高湿高圧試験:HAST試験(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)を行った後、セラミック基体とガラス基板について剥離の有無を観察し、剥離がなかったものを「○」、剥離が認められたものを「×」として、剥離性を評価した。なお、HAST試験の条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。
【0084】
表2、3から明らかなように、試料No.1〜6は、セラミック基体側に封着材料層を形成した後、レーザー封着したため、剥離性の評価が良好であった。これは、封着材料層とセラミック基体が高い固着強度を有した状態でレーザー封着されたことを意味している。一方、試料No.7〜9は、ガラス基板側に封着材料層を形成した後、レーザー封着したため、剥離性の評価が不良であった。これは、レーザー封着による封着材料層の軟化流動が短時間であるため、封着材料層とセラミック基体が十分に反応せず、強い固着強度が得られなかったことを意味している。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の気密パッケージは、圧電振動子パッケージに好適に適用可能であるが、それ以外にも、発光ダイオードを収容する気密パッケージ、耐熱性が低い量子ドットを分散させた樹脂等を収容する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1、2 気密パッケージ
10、20 セラミック基体
11、22 部材
12、24 封着材料層
13、25 ガラス基板
14、26レーザー照射装置
21 枠部
23 枠部の頂部
L レーザー光
図1
図2
図3