特許第6697795号(P6697795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6697795植え込み可能シャントの位置及び圧力決定のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6697795
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】植え込み可能シャントの位置及び圧力決定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20200518BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   A61M1/00
   A61B5/00 101P
   A61B5/00 102D
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-47346(P2014-47346)
(22)【出願日】2014年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-171901(P2014-171901A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2017年2月14日
【審判番号】不服2019-1234(P2019-1234/J1)
【審判請求日】2019年1月30日
(31)【優先権主張番号】13/796,164
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517377938
【氏名又は名称】インテグラ・ライフサイエンシーズ・スイッツァランド・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Integra LifeSciences Switzerland Sarl
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100184402
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 康記
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】レブ・ルディン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・デフスコ
【合議体】
【審判長】 内藤 真徳
【審判官】 倉橋 紀夫
【審判官】 栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−28526号公報(JP,A)
【文献】 特開2005−13746号公報(JP,A)
【文献】 米国特許第4593703号明細書(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植え込み可能シャントシステムにおいて、
弾力部材と、
前記弾力部材に接続されている流体調節装置であって、前記弾力部材に作用する歪量に比例する調整可能な開弁圧に従って、植え込み可能シャントの開バルブを通じて流れる流体の流れを選択的に許可する前記流体調節装置と、
前記弾力部材に接続されている少なくとも1つの張力センサであって、前記弾力部材に作用する張力の量を測定し、前記張力の測定量に対応する張力データを生成する前記張力センサと、
通信リンクを介して前記張力データを送信する送信ユニットを含んでいる通信ユニットと、
前記通信リンクを介して送信された前記張力データを受信する読み取りユニットであって、受信された前記張力データに基づいて、前記弾力部材に接続されているカムの複数の段のうち少なくとも1つの段の位置を決定する前記読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続されているディスプレイであって、受信された前記張力データに基づいて、前記植え込み可能シャントに関連する位置の少なくとも1つの視覚的表示を表示する前記ディスプレイと、
を備えていることを特徴とする植え込み可能シャントシステム。
【請求項2】
前記通信ユニットが、前記送信ユニットに接続されている無線アンテナであって、無線通信リンクを介して前記張力データを送信する前記無線アンテナを備えていることを特徴とする請求項1に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項3】
前記無線アンテナが、前記無線通信リンクを介して起動命令信号を受信することを特徴とする請求項2に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項4】
前記植え込み可能シャントシステムが、前記無線アンテナに電気的に接続されているプログラマブルコントローラであって、前記起動命令信号の受信に応じて、少なくとも1つの前記張力センサを介して、前記弾力部材に作用する張力を測定させる前記プログラマブルコントローラを備えていることを特徴とする請求項3に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項5】
前記プログラマブルコントローラが、前記起動命令信号の受信に応じて、前記無線通信リンクを介して、前記張力データを前記無線アンテナに送信させることを特徴とする請求項4に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの前記張力センサが、前記弾力部材の異なる位置それぞれに接続されている複数の張力センサとされることを特徴とする請求項1に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項7】
前記通信リンクが、無線通信リンクとされ、
前記読み取りユニットが、前記無線通信リンクを介して前記張力データを受信するための無線受信ユニットを備えていることを特徴とする請求項1に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項8】
前記読み取りユニットが、前記無線受信ユニットに電気的に接続されているプログラマブルコントローラであって、受信された前記張力データに基づいて、植え込まれた前記植え込み可能シャントに関連する圧力又は位置のうち少なくとも1つを決定する前記プログラマブルコントローラを備えていることを特徴とする請求項7に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項9】
前記プログラマブルコントローラが、受信された前記張力データに基づいて、前記流体調節装置の前記開弁圧を決定することを特徴とする請求項8に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項10】
前記プログラマブルコントローラが、受信された前記張力データに基づいて、前記カムの少なくとも1つの前記段の位置を決定し、
前記弾力部材に作用する前記張力が、前記カムの少なくとも1つの前記段の位置に比例することを特徴とする請求項8に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項11】
前記植え込み可能シャントシステムが、前記流体調節装置に接続されている容器であって、前記送信ユニットの少なくとも一部分を含んでいる前記容器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項12】
前記植え込み可能シャントに関連する位置の前記視覚的表示であって、前記ディスプレイに表示される前記視覚的表示が、前記カムの少なくとも1つの前記段の位置の少なくとも1つの視覚的表示を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項13】
植え込み可能シャントにおいて、
弾力部材と、
前記弾力部材に接続されている流体調節装置であって、前記流体調節装置が、調整可能な閾値開弁圧以上の流体圧力を有している流体がバルブ開口部を通じて流通可能となるように、前記バルブ開口部に選択的に係合されている密封部材を備えており、前記閾値開弁圧が、前記弾力部材に作用する張力の量に比例する、前記流体調節装置と、
前記弾力部材に接続されている複数の張力センサであって、前記張力センサそれぞれが、前記弾力部材の異なる位置それぞれに配置されており、前記弾力部材に作用する張力の量を測定し、計測された前記張力の量に対応する張力データを生成する、前記張力センサと、
通信リンクを介して前記張力データを送信する送信ユニットを含んでいる通信ユニットと、
前記通信リンクを介して送信された前記張力データを受信する読み取りユニットであって、受信された前記張力データに基づいて、前記弾力部材に接続されているカムの複数の段のうち少なくとも1つの段の位置を決定する前記読み取りユニットと、
前記読み取りユニットに接続されているディスプレイであって、受信された前記張力データに基づいて、前記植え込み可能シャントに関連する位置の少なくとも1つの視覚的表示を表示する前記ディスプレイと、
を備えていることを特徴とする植え込み可能シャント。
【請求項14】
前記通信ユニットが、無線通信リンクを介して前記張力データを送信する無線アンテナを備えていることを特徴とする請求項13に記載の植え込み可能シャント。
【請求項15】
前記無線アンテナが、前記無線通信リンクを介して起動命令信号を受信することを特徴とする請求項14に記載の植え込み可能シャント。
【請求項16】
前記植え込み可能シャントが、前記無線アンテナに電気的に接続されている特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでおり、
前記ASICが、前記起動命令信号の受信に応じて、複数の前記張力センサの少なくとも1つの張力センサに、前記弾力部材に作用する張力を測定させることを特徴とする請求項15に記載の植え込み可能シャント。
【請求項17】
前記ASICが、前記起動命令信号の受信に応じて、前記無線アンテナに、前記無線通信リンクを介して前記張力データを送信させることを特徴とする請求項16に記載の植え込み可能シャント。
【請求項18】
前記植え込み可能シャントが、前記流体調節装置に接続されている容器であって、前記送信ユニットの少なくとも一部分を含んでいる前記容器を備えていることを特徴とする請求項13に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項19】
前記植え込み可能シャントに関連する位置の前記視覚的表示であって、前記ディスプレイに表示される前記視覚的表示が、前記カムの少なくとも1つの前記段の位置の少なくとも1つの視覚的表示を含んでいることを特徴とする請求項13に記載の植え込み可能シャントシステム。
【請求項20】
前記弾力部材に作用する前記張力が、前記カムの少なくとも1つの前記段の位置に比例することを特徴とする請求項13に記載の植え込み可能シャントシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療分野において、体液を1つの領域から他の領域へと導くために、植え込み可能シャントシステムが用いられている。水頭症の患者の治療のために、流体シャントシステムを用いて過剰な脳脊髄液(「CSF」)を除去又は放出することがある。過剰の流体を排出することによって、上昇した頭蓋内圧が軽減される。一般に、シャントシステムを通る流体の流速はバルブ機構によって制御又は調節される。バルブ機構によって、流圧が一定の閾値レベルに達した場合にのみ流体が流れるようにすることができる。流体の流速はバルブ機構における圧力に比例し、したがって、閾値又は開弁圧をわずかに上回るだけの圧力では、流速は比較的小さい。流圧が増大するにつれ、シャントシステム中の流速は増大する。閾値圧力より著しく高い圧力において、システムの最大流速に達する。流体の流れは、通常、頭蓋内圧が閾値圧力を下回るレベルに低減されるまで続く。
【0002】
シャントシステムを通る流体の流れを許可する閾値又は開弁圧については、調整が必要となることが多い。医療専門家は、はじめに流体の流れを生じさせるために、比較的低い開弁圧を選択し得る。時間が経つにつれ、初期開弁圧を調整する必要が生じ得る。例えば、過剰な流体の流れが望ましくない過剰排出状態を生じさせるような場合には、バランスのとれた流速がもたらされるように、開弁圧を増大させることが必要となり得る。バルブシステムによっては、医療専門家が、植え込まれたバルブ機構の開弁圧を特定の患者のために非侵襲的にカスタマイズできることもある。
【0003】
選択可能な精密開弁圧を有する差圧バルブとしてよく用いられるものに、Hakimバルブがある。現行方式では、バルブを調整した後、その都度、X線撮影をすることによって新たな設定を検証することが必要となり得る。バルブ位置を決定するための従来の方法では、望ましくない問題を生じ得る。一例として、バルブ位置を検証するため磁界を用いる場合には、臨床環境内にある金属機器が、このような磁力を用いて得られる情報の精度に干渉することがあり、それによって測定が不正確となり得る。
【0004】
米国特許第6,685,638号は、Hakimシャントの位置を音響的にモニタリングするための装置について述べている。状況によっては、音響特性を用いてバルブ位置を精確に決定することが難しい場合もある。例えば、周囲音の存在等の環境要素が、場合によって音響的測定のSN比を事実上制限してしまうことがあり得る。また、皮下の組織層の厚さが患者ごとに異なることから、すべての患者について音響的な位置信号を明確に特定することは困難であり得る。
【0005】
これら及びその他の事項を考慮して、以下に述べるさまざまな例示的実施を提示するものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は植え込み可能シャントシステムに関する。一例示的実施では、このシステムは弾力部材と、この弾力的部材に接続された流体調節装置と、を含む。流体調節装置は、植え込み可能シャントの開バルブを通る流体の流れを、調整可能な開弁圧に応じて選択的に許可する。開弁圧は、弾力部材上の張力の量に比例する。このシステムはまた、弾力部材に接続されて弾力部材上の張力の量を測定する1つ以上の張力センサを含む。張力センサは、張力の測定量に対応した張力データを生成する。システムは更に、送信ユニットを含む通信ユニットを含む。送信ユニットは、通信リンクを介して張力データを送信する。
【0007】
別の態様では、本発明は植え込み可能シャントに関し、このシャントは、一例示的実施においては弾力部材と、この弾力部材に接続された流体調節装置と、を含む。流体調節装置は、バルブ開口部に選択的に係合して、調整可能な閾値開弁圧以上の流圧を有する流体がバルブ開口部を通って流れることができるようにする、密封部材を含む。閾値開弁圧は、弾力部材上の張力の量に比例する。植え込み可能シャントはまた、弾力部材に接続されかつそれぞれ弾力部材上の異なる各位置に位置する張力センサを含む。張力センサは、弾力部材上の張力の量を測定し、その張力測定量に対応した張力データを生成する。植え込み可能シャントは更に、送信ユニットを含む通信ユニットを含む。送信ユニットは、通信リンクを介して張力データを送信する。
【0008】
更に別の態様では、本発明は植え込み可能シャントの圧力及び位置を決定する方法に関する。一例示的実施では、方法は、植え込み可能シャントの弾力部材上の張力の量を、この弾力部材に接続された1つ以上の張力センサによって測定することを含む。張力センサは、張力の測定量に対応した張力データを生成する。この方法はまた、生成された張力データを送信ユニットにより通信リンクを介して送信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の例示的実施のその他の態様及び特徴は、以下の詳細な説明を添付図とともに考察することによって、当業者には明らかとなろう。
図1A】本発明の一例示的実施による植え込み可能シャントの水平断面図である。
図1B図1Aに示した例示的実施による植え込み可能シャントの側断面図である。
図1C図1A及び1Bに示した例示的実施による植え込み可能シャントの一部の拡大側断面図である。
図1D図1A〜1Cに示した本発明の例示的実施による植え込み可能シャントを含む植え込み可能シャントシステムを例示するブロック図である。
図2A】本発明の別の例示的実施による植え込み可能シャントの水平断面図である。
図2B図2Aに示した例示的実施による植え込み可能シャントの側断面図である。
図2C図2A及び2Bに示した例示的実施による植え込み可能シャントを含む植え込み可能シャントシステムを例示するブロック図である。
図3A】本発明の一例示的実施による植え込み可能シャントの容器内における電気接点の水平断面図である。
図3B図3Aに示した例示的実施における電気接点に接続可能な導電性の突出部材を備えた電気コネクタの部分図である。
図4A】本発明の別の例示的実施による植え込み可能シャントの容器内における電気接点の水平断面図である。
図4B図4Aに示した例示的実施における電気接点に接続可能な導電性の突出部材を備えたコネクタの部分図である。
図5】本発明の一例示的実施による植え込み可能シャントの圧力及び位置を決定する方法を例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の例示的実施を詳細に説明するが、他の実施も想到されることは理解されるべきである。したがって、本発明の範囲を、以下の記述において説明し又は図面に示す構成要素の構成及び配置の詳細に限定することは意図していない。本発明は他の実施が可能であり、さまざまな方法で実行又は実現され得る。
【0011】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に異なって解釈すべき場合を除き、複数の指示物をも含むことにもまた、留意すべきである。
【0012】
例示的実施の説明において、明確性を期すために専門用語を用いる。各用語は、当業者が理解するそのもっとも広い意味を想到し、類似の方法で作用して類似の目的を達成する技術的等価物をすべて含むことが、意図される。
【0013】
「備える」又は「包含する」又は「含む」は、少なくとも指定された化合物、要素、粒子、又は方法上の工程が組成物又は物品又は方法中に存在することを意味するが、他の化合物、材料、粒子、方法上の工程の存在を、これら他の化合物、材料、粒子、方法上の工程が指定されたものと同様の機能を有する場合であってさえ、排除するものではない。
【0014】
特定の方法による1つ以上の作業への言及は、追加的作業の存在又は明示的に特定された作業間における介在的作業の存在を除外するものではないこともまた、理解されるべきである。特定の方法の各作業は、本明細書に記述されたものと異なる順序で実施し得る。同様に、特定の装置又はシステムにおける1つ以上の構成要素への言及は、追加的な構成要素の存在又はそれら明示的に特定された構成要素間における介在的な構成要素の存在を除外するものではないこともまた、理解されるべきである。
【0015】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし実例として特定の実施又は実施例を示す添付図面を、参照する。図面への言及において、類似の数表示は、数個の図にわたって類似の要素を表す。
【0016】
図1A及び1Bは、本発明の一例示的実施による植え込み可能シャント100の水平断面図及び側断面図である。植え込み可能シャント100は、2つの側部108a、108bを備える弾力部材108と、この弾力部材108に接続された流体調節装置116と、を含む。流体調節装置116は、弾力部材108上の張力の量に比例する調整可能な開弁圧に応じて、植え込み可能シャント100を通る流体の流れを選択的に許可する。2つの張力センサ110a及び110bが、弾力部材108の2つの側部108a、108bのそれぞれに接続されている。張力センサ110a、110bは、弾力部材108上の張力の量を測定し、その張力測定量に対応した張力データを生成する。
【0017】
本明細書に開示する本発明の範囲を逸脱することなしに、2つを上回るか又は下回る数の張力センサを使用し得ることは当然である。例えば、弾力部材108の中央に配置された単一の張力センサを代替的に使用することが可能である。図1Dに更に示すように、通信ユニット132がワイヤ104によって張力センサ110a、110bに電気的に接続されている。通信ユニット133の無線アンテナ102(図1A及び1B参照)が、無線通信リンクを介して張力データを送信する。通信ユニット132はまた、無線アンテナ102を介して、読み取りユニット134から無線通信リンク133を介して送られる起動命令信号を受信する。
【0018】
通信ユニット132に電気的に接続されたプログラマブルコントローラ106が、無線アンテナ102を介した起動命令信号の受信に応じて、張力センサ110a、110bに弾力部材108上の張力を測定させる。プログラマブルコントローラ106はまた、起動命令信号の受信に応じて通信ユニット132に、張力データを無線通信リンク133を介して読み取りデータユニット134に送信させる。読み取りユニット134は、無線送信機及び受信機を備えた受信ユニット136を有し、これら無線送信機及び受信機がそれぞれ、起動命令信号の送信及び通信ユニット132から送信される張力データの受信を行う。読み取りユニット134は、受信ユニット136に電気的に接続されたプログラマブルコントローラ138を有し、このコントローラが、受信した張力データに基づいて植え込まれたシャント100に関連する圧力及び/又は位置を決定する。
【0019】
プログラマブルコントローラ106は、受信した張力データに基づいて流体調節装置116の開弁圧を決定する。受信した張力データに基づいて、カム112の位置もまた、プログラマブルコントローラ106によって決定され得る。カム112は弾力部材108に接続され、弾力部材108上の張力はカム112の位置に比例する。図1Dに示すように、読み取りユニット134はまた、プログラマブルコントローラ106に接続されたディスプレイ140を含み、このディスプレイが、受信された張力データに関連する1つ以上の視覚的表示を表示する。
【0020】
ここで、図1A〜1Dに示した植え込み可能シャント100及び読み取りユニット134の例示的実施を更に詳細に説明する。図1Cは、植え込み可能シャント100の一部の、より具体的には、植え込み可能シャント100のシャントバルブ105の拡大図である。シャント100は、外科的に患者の頭皮下に植え込まれ、水頭症のために構成されることができ、Hakimプログラマブルシャントの構成要素を用いて構成され得る。シャントバルブ105は、入口開口部118と出口開口部126とを備えるチャンバ128を画定する、バルブ本体122を含む。入口開口部118における流圧が所定の閾値圧力を超えると、流体がシャントバルブ105を通って流れ始める。バルブ本体122内の支持プレート124は、バルブシート120を備える開口を有する。流体調節装置116は、バルブシート120と選択的に係合するボールである。図示のように、弾力部材108はばねであって、このばねがボール116をバルブシート120に対して付勢することによって、流体の流れを選択的に許可又は阻止する。
【0021】
ばね108の付勢力は、カム112の手段によって調整可能である。カム112は、支持プレート124に対する垂直位置を異にする複数の段を含む。カム112の各段により、ばね108を介してボール116に対し、別々の圧力が与えられる。したがって、カム112の位置が変わると、ばね108上の張力が変化する。ばね108により与えられる付勢力が、ボール116をバルブシート120から開放することによって流体がチャンバ128内に流れ込めるようにするために超えなければならない閾値圧力を、決定付ける。
【0022】
当業者であれば、シャントバルブが患者の頭皮下に外科的に植え込まれた後で外部的なプログラミング装置を用いて閾値圧力を調整することが可能であり、それによって、シャントバルブを通って流体が流れ始める開弁圧を調整できることが分かりであろう。電磁石を中心軸の周りに配設しこれを順次励磁することで、パルス状の磁界をカム112のステッピングモータ(図示せず)に印加し、ロータを回転させることが可能である。これによってカム112が回転することで、ばね108の一端によりボール116に加えられる圧力が調整される。
【0023】
再度、図1A〜1Dに示した例示的実施を特に参照すると、張力センサ110a、110bは、ばね108のビームの表面に取り付けられるひずみゲージとして構成され、これらのセンサには、抵抗性、容量性、及び/又は半導体タイプのセンサを含み得る。単一のひずみゲージではなく2つのひずみゲージを用いることにより、例えば温度変動に起因する張力測定における誤差を最小化し得る。プログラマブルコントローラ106は、特定用途向け集積回路(ASIC)であり、1つ以上のプロセッサと、このプロセッサに接続されたメモリと、非一過性のデータ及び命令を格納するための1つ以上の記憶装置であって、1つ以上のプロセッサにより実行されてASICに、図1A〜1Dに関して本明細書に説明するような特定の機能及び/又は図5に関して以下に説明する方法500の作業を実行させる、記憶装置と、を含み得る。ASIC 106は、ひずみゲージ110a、110bからの張力測定に対応したアナログ信号を、デジタル形式の張力データへと変換する単一の調節器を含み得る。通信ユニット132は、張力データを読み取りユニット134に送信し読み取りユニット134から起動命令信号を受信するための、無線アンテナを備えたRF送信機及びRF受信機を含み得る。
【0024】
受信ユニット136は、張力データを受信し起動命令信号を送信するための、無線アンテナを備えたRF送信機及びRF受信機を含み得る。読み取りユニットのプログラマブルコントローラ138は、受信ユニット136に電気的に接続され、1つ以上のプロセッサと、この1つ以上のプロセッサに接続されたメモリと、非一過性のデータ及び命令を格納するための1つ以上の記憶装置であって、1つ以上のプロセッサにより実行されてプログラマブルコントローラ106に、図1A〜1Dに関して本明細書に説明するような特定の機能及び/又は図5に関して以下に説明する方法500の作業を実行させる、記憶装置と、を含み得る。読み取りユニット134はまた、プログラマブルコントローラ106に電気的に接続されたディスプレイであって、受信した張力データに関連する1つ以上の視覚的表示、例えば、張力データにより示される植え込み可能シャント100の位置及び/又は圧力のプロット、グラフ、表、及び/又は数値表示を表示する、ディスプレイ140を含む。シャント100のASIC 106への電力は、受信ユニット136のRF送信機及び通信ユニット132のRF受信機を用いた受動テレメトリにより、無線アンテナを介して遠隔的に供給し得る。ASIC 106及びひずみゲージ110a、110bをはじめとするシャント100の電子的構成要素は、電力が供給されるまで休止、休眠モードに保たれ得る。
【0025】
図2A及び2Bは、本発明の別の例示的実施による植え込み可能シャント200の水平及び側断面図である。植え込み可能シャント200は、シャントバルブ205を含む。図2A及び2Bにおいて類似数字が付された構成要素は、図1A及び1Bのシャントバルブ105に示した類似の構成要素に対応していることから、本明細書においてシャントバルブ205の構成要素のすべてを詳細に説明することはしない。植え込み可能シャント200は、ばねであり得る弾力部材208と、この弾力部材208に接続された流体調節装置216と、を含む。流体調節装置216は、弾力部材208上の張力の量に比例する調整可能な開弁圧に応じて、植え込み可能シャント200を通る流体の流れを選択的に許可する。弾力部材208の表面に取り付けられた張力センサ210は、ひずみゲージとして構成され、これらのセンサには、抵抗性、容量性、及び/又は半導体タイプのセンサを含み得る。張力センサ210は、弾力部材208上の張力の量を測定し、その張力測定量に対応した張力データを生成する。
【0026】
ここで図2Cも参照すると、張力データは、張力センサ210からコネクタ211を介して受信ユニット234に送信される。コネクタ211の導電性針状プローブ212a、212b、212cを、植え込み可能シャント200の容器214内へと刺し入れることにより、電気接点202a、202b、202c、202dに電気的に接続し得る。電気接点202a〜202dは、ワイヤ204及び/又は導電性リードを介してプログラマブルコントローラ206に接続される。植え込み可能シャント200は、外科的に患者の頭皮下に植え込まれ得、水頭症のために構成され得る。入口開口部228における流圧が所定の閾値を上回ると、流体が入口開口部218を介してシャントバルブ205のチャンバ228内へ、そして出口開口部226を通って、流れる。流体調節装置216は、バルブシート220と選択的に係合するボールである。図示のように、弾力部材208はばねであって、このばねがボール216をバルブシート220に対して付勢することによって流体の流れを選択的に許可又は阻止する。
【0027】
読み取りユニット234は、張力センサ210から受信された電気信号の電圧を読み取る電圧読み取り装置221を含み、流体調節装置216に関連した圧力を示し得る。プログラマブルコントローラ206及び222は、1つ以上のプロセッサと、この1つ以上のプロセッサに接続されたメモリと、非一過性のデータ及び命令を格納するための1つ以上の記憶装置であって、1つ以上のプロセッサにより実行されてプログラマブルコントローラ106に、アナログデジタル信号変換並びに張力データに基づいて植え込まれたシャント200の圧力及び/又は位置の決定を含み得る特定の機能を実行させる、記憶装置と、を含み得る。プログラマブルコントローラ222は、受信した張力データに基づいて、流体調節装置216の開弁圧及びカム212の位置を決定し得る。カム212は弾力部材208に接続され、弾力部材208上の張力はカム212の位置に比例する。
【0028】
読み取りユニット234の起動電圧源219から、張力センサ210を起動させて張力データを送信するために、電力を、植え込み可能シャント200に供給することができる。読み取りユニット234はまた、プログラマブルコントローラ222に接続されたディスプレイ224を含む。ディスプレイ224は、受信した張力データに関連する1つ以上の視覚的表示、例えば、張力データにより示される植え込み可能シャント200の位置及び/又は圧力のプロット、グラフ、表、及び/又は数値表示を表示する。
【0029】
先に簡単に説明し、また図2A及び2Cに示したように、コネクタ211は、導電性の針状プローブ(突出部材)212a、212b、212cを含み、これらの針状プローブは、植え込み可能シャント200の容器214の対応する電気接点202a、202b、202cに電気的に接続可能であり、張力センサ210を読み取りユニット234に電気的に接続することによって、張力センサ210からの張力データ及び読み取りユニット234からの起動命令信号を伝達し得るようになっている。図3A、3B、4A及び4Bに示すように、本発明の例示的実施による電気接点及び導電性突出部材はさまざまな構成を有し得る。
【0030】
図3Aは、植え込み可能シャントの容器300内の電気接点302a、302b、302c、302d、及び302eの構成の水平断面図である。電気接点302a〜302eは、対応する導電性リード304に電気的に接続されている。図3Bは、皮膚を刺し破って容器300内へと入り込み、図3Aに示した対応する電気接点302a、302b、302c、302d、302eに接続することが可能な導電性の針状プローブ(突出部材)310a、310b、310c、310d、及び310eを備えたコネクタ308の部分図である。図4Aは、電気接点の構成の水平断面図であり、植え込み可能シャントの容器400内で、中央接点402cが側部接点402aと402bとの間に配設されている。図4Bは、容器400を刺し破って対応する電気接点402a、302b、及び402cに接続することが可能な導電性の針状プローブ(突出部材)410a、410b、及び410cを備えたコネクタ408の部分図である。
【0031】
図5は、本発明の一例示的実施により植え込み可能シャントの位置、ひいては開弁圧を決定する方法500を例示する、流れ図である。先に説明したように、読み取りユニット134、234が、これらと植え込みシャント100、200との間に通信リンクを確立する(工程502)。このリンクは無線リンク133でもよいし、噛み合う電気コネクタ202、211間の直接的なリンクであってもよい。プログラマブルコントローラ106、206は、張力センサ110、210を起動する命令を受信して(工程504)、弾力部材108、208の張力の読み取りを行うことができる(工程506)。張力の読み取りは張力データに変換され(工程508)、通信リンクを介して読み取りユニット134、234へと送信され得る(工程510)。読み取りユニット134、234は送信された張力データを受信し(工程512)、この張力データを圧力情報又はカム112、212の位置に変換し得る(工程514)。圧力情報又はカム位置はその後、表示され得る(ステップ516)。
【0032】
張力の読み取りから表示情報への変換は、シャントコントローラ106、206又は読み取りユニットコントローラ138、238又はこれらの部分において生じ得ることに留意すべきである。したがって、シャントコントローラ106、206は、張力センサ110、210によって生成された結果を完全に処理し、最終的な情報を通信リンクを介して伝達することが可能である。あるいは、未加工の張力読み取りを通信リンクを介して伝達し、読み取りユニットコントローラ138、238において、表示すべき最終的な情報を生成することも可能である。
【0033】
以上の説明で、構造及び機能の詳細とともに、多くの特徴及び利点を示した。本発明をいくつかの形で説明してきたが、以下の特許請求の範囲に示した本発明及びその等価物の趣旨及び範囲を逸脱することなしに、本発明において多数の修正、追加、及び削除を、とりわけ部品の形状、寸法、及び配置について行えることは、当業者には明白であろう。したがって、本明細書における教示が示唆し得る他の修正又は実施は、ここに添付された特許請求の広がりと範囲内にあるものとして特に留保される。
【0034】
〔実施の態様〕
(1) 植え込み可能シャントシステムであって、
弾力部材と、
前記弾力部材に接続された流体調節装置であって、植え込み可能シャントの開バルブを通る流体の流れを、前記弾力部材上のひずみ量に比例した調整可能な開弁圧(opening pressure)に応じて選択的に許可する、流体調節装置と、
前記弾力部材に接続された少なくとも1つの張力センサであって、前記弾力部材上の張力の量を測定して前記張力測定量に対応した張力データを生成する、張力センサと、
前記張力データを通信リンクを介して送信する送信ユニットを含む通信ユニットと、を備える、植え込み可能シャントシステム。
(2) 前記通信ユニットが、前記送信ユニットに接続されて前記張力データを無線通信リンクを介して送信する無線アンテナを備える、実施態様1に記載の植え込み可能シャントシステム。
(3) 前記無線アンテナが更に、前記無線通信リンクを介して起動命令信号を受信する、実施態様2に記載の植え込み可能シャントシステム。
(4) 前記無線アンテナに電気的に接続され、前記起動命令信号の受信に応じて前記少なくとも1つの張力センサに、前記弾力部材上の張力を測定させる、プログラマブルコントローラを、更に備える、実施態様3に記載の植え込み可能シャントシステム。
(5) 前記プログラマブルコントローラが更に、前記起動命令信号の受信に応じて前記無線アンテナに、前記無線通信リンクを介して前記張力データを送信させる、実施態様4に記載の植え込み可能シャントシステム。
【0035】
(6) 前記少なくとも1つの張力センサが、前記弾力部材の異なる各位置に接続された2つ又は3つ以上の張力センサを備える、実施態様1に記載の植え込み可能シャントシステム。
(7) 前記送信された張力データを前記通信リンクを介して受信する読み取りユニットを、更に備える、実施態様1に記載の植え込み可能シャントシステム。
(8) 前記通信リンクが無線通信リンクであって、前記読み取りユニットが、前記無線通信リンクを介して前記張力データを受信する無線受信ユニットを備える、実施態様7に記載の植え込み可能シャントシステム。
(9) 前記読み取りユニットが、前記読み取りユニットを前記送信ユニットに電気的に接続するコネクタを備える、実施態様7に記載の植え込み可能シャントシステム。
(10) 前記コネクタが、前記植え込み可能シャントの容器内の電気接点に電気的に接続可能な、少なくとも1つの導電性突出部材を備える、実施態様9に記載の植え込み可能シャントシステム。
【0036】
(11) 前記少なくとも1つの突出部材が、複数の導電性針状プローブを備える、実施態様10に記載の植え込み可能シャントシステム。
(12) 前記読み取りユニットが、前記受信ユニットに電気的に接続されたプログラマブルコントローラを含み、前記プログラマブルコントローラが、前記受信した張力データに基づいて、植え込まれた前記シャントに関連する圧力又は位置の少なくとも1つを決定する、実施態様7に記載の植え込み可能シャントシステム。
(13) 前記プログラマブルコントローラが、前記受信された張力データに基づいて前記流体調節装置の前記開弁圧を決定する、実施態様12に記載の植え込み可能シャントシステム。
(14) 前記プログラマブルコントローラが、前記受信された張力データに基づいて、前記弾力部材に接続されたカムの位置を決定し、前記弾力部材上の張力が、前記カムの位置に比例する、実施態様12に記載の植え込み可能シャントシステム。
(15) 前記プログラマブルコントローラに接続され、前記受信された張力データに関連する少なくとも1つの視覚的表示を表示する、ディスプレイを、更に備える、実施態様12に記載の植え込み可能シャントシステム。
【0037】
(16) 植え込み可能シャントであって、
弾力部材と、
前記弾力部材に接続された流体調節装置であって、バルブ開口部に選択的に係合して、調整可能な閾値開弁圧以上の流圧を有する流体が前記バルブ開口部を通って流れることを許可する密封部材を備え、前記閾値開弁圧が前記弾力部材上の張力の量に比例する、流体調節装置と、
前記弾力部材に接続された複数の張力センサであって、それぞれが前記弾力部材上の異なる各位置に位置し、前記弾力部材上の張力の量を測定して前記張力測定量に対応した張力データを生成する、張力センサと、
前記張力データを通信リンクを介して送信する送信ユニットを含む通信ユニットと、を備える、植え込み可能シャント。
(17) 前記通信ユニットが、前記張力データを無線通信リンクを介して送信する無線アンテナを備える、実施態様16に記載の植え込み可能シャント。
(18) 前記無線アンテナが更に、前記無線通信リンクを介して起動命令信号を受信する、実施態様17に記載の植え込み可能シャント。
(19) 前記無線アンテナに電気的に接続された特定用途向け集積回路(ASIC)を更に含み、前記ASICが、前記起動命令信号の受信に応じて前記複数の張力センサの少なくとも1つに、前記弾力部材上の張力を測定させる、実施態様18に記載の植え込み可能シャント。
(20) 前記ASICが更に、前記起動命令信号の受信に応じて前記無線アンテナに、前記無線通信リンクを介して前記張力データを送信させる、実施態様19に記載の植え込み可能シャント。
【0038】
(21) 前記送信ユニットに電気的に接続された電気接点を含む容器を更に含み、前記電気接点が、前記張力データを送信するために前記容器を通して受容可能な導電性プローブに電気的に接続可能である、実施態様16に記載の植え込み可能シャント。
(22) 植え込み可能シャントの圧力及び位置を決定する方法であって、
前記植え込み可能シャントの弾力部材上の張力の量を、前記弾力部材に接続された少なくとも1つの張力センサによって測定することであって、前記張力センサが前記張力測定量に対応する張力データを生成する、ことと、
前記生成された張力データを、送信ユニットにより通信リンクを介して送信することと、を備える、方法。
(23) 前記張力データを前記通信リンクを介して送信することが、前記張力データを無線通信リンクを介して無線送信することを含む、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記無線通信リンクを介して起動命令信号を無線アンテナによって受信することを、更に備える、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記無線アンテナに電気的に接続されたプログラマブルコントローラによって、前記起動命令信号の受信に応じて前記少なくとも1つの張力センサに、前記弾力部材上の張力を測定させることを、更に備える、実施態様24に記載の方法。
【0039】
(26) 前記プログラマブルコントローラによって、前記起動命令信号の受信に応じて前記無線アンテナに、前記無線通信リンクを介して前記張力データを送信させることを、更に備える、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記少なくとも1つの張力センサによって前記弾力部材上の張力の量を測定することが、前記弾力部材の異なる各位置に接続された2つ又は3つ以上の張力センサによって前記弾力部材上の張力の量を測定することを備える、実施態様22に記載の方法。
(28) 前記送信された張力データを、読み取りユニットにより前記通信リンクを介して受信することを、更に備える、実施態様22に記載の方法。
(29) 前記通信リンクが無線通信リンクであって、前記送信されたデータを前記読み取りユニットにより前記通信リンクを介して受信することが、前記張力データを前記無線通信リンクを介して受信することを備える、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記読み取りユニットをコネクタにより前記送信ユニットに電気的に接続することを、更に備える、実施態様28に記載の方法。
【0040】
(31) 前記読み取りユニットを前記送信ユニットに接続することが、前記コネクタの少なくとも1つの導電性突出部材を前記植え込み可能シャントの容器内の電気接点に接続することを備える、実施態様30に記載の方法。
(32) 前記受信された張力データに基づき、前記受信ユニットに電気的に接続されたプログラマブルコントローラによって、植え込まれた前記シャントに関連する圧力又は位置の少なくとも1つを決定することを、更に備える、実施態様28に記載の方法。
(33) 前記受信された張力データに基づいて前記プログラマブルコントローラにより前記植え込まれたシャントに関連する圧力又は位置の少なくとも1つを決定することが、前記弾力部材に接続されて前記植え込まれたシャントの開バルブを通る流体の流れを選択的に許可する流体調節装置の開弁圧を決定することを備え、前記開弁圧が、前記弾力部材上のひずみ量に比例する、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記プログラマブルコントローラにより前記受信された張力データに基づいて前記植え込まれたシャントに関連する圧力又は位置の少なくとも1つを決定することが、前記プログラマブルコントローラにより、前記弾力部材に接続されたカムの位置を決定することを備え、前記弾力部材上の張力が、前記カムの位置に比例する、実施態様32に記載の方法。
(35) 前記受信された張力データに基づき、前記プログラマブルコントローラに接続されたディスプレイ装置によって、前記植え込まれたシャントに関連する圧力又は位置の少なくとも1つの、視覚的表示を表示することを、更に備える、実施態様32に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5