(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
<***構成の説明***>
図1〜
図19を参照して実施の形態1における照明装置の構成について説明を行なう。本実施の形態では、本発明に係る照明装置の一例として、天井などの被取付部に取り付けられる、トラフ型の照明装置1について説明する。実施の形態1で説明する照明装置1は、
図1のように長尺状である。
以下の実施の形態では、
図1に示すように、照明装置1において、長手方向をX、短手方向をYと決め、長手方向X、短手方向Yのように記す。また、長手方向Xに直交し、かつ、光源ユニット10から器具本体100に向かう方向をZ1方向、その反対方向をZ2方向とする。また、長手方向Xにおいて、非常用光源ユニット200のレンズ223から引き棒252に向かう方向を方向X1とし、その反対方向をX2とする。以下に説明する光源ユニット10及び器具本体100も長尺状であり、長手方向X等は照明装置1と同様とする。
【0012】
(照明装置1に関して)
図1〜
図3のように、照明装置1は、長尺状に形成された光源ユニット10と、器具本体100と、非常用光源ユニット200とを備えている。器具本体100は本体凹部110を有する。本体凹部110は、被取付部に当接するように設置され、光源ユニット10の一部が収容されると共に光源ユニット10が脱着可能に取り付けられた長尺状である。非常用光源ユニット200は、本体凹部110の短手方向Yで本体凹部110に隣接して配置された収容部2000、収容部2000に収容された蓄電池240を有する。後述のように収容部2000は、ユニット化粧部212と底面配置部211aとによって構成される。
【0013】
(光源ユニット10に関して)
図5〜
図7を参照して、光源ユニット10を説明する。なお、
図6では連結具15、点灯装置16を省略している。光源ユニット10は、発光体11、フレーム12、カバー13、光源蓋部14、連結具15、点灯装置16を備えている。
(1)発光体11は、複数の発光素子11aと複数の発光素子11aが実装されている基板11bとからなる。この実施の形態では、発光素子11aはLEDである。なお発光素子11aはLEDに限らず、有機ELあるいはレーザなどの発光素子でもよい。発光体11は発光モジュールと呼ばれる場合もあり、発光素子にLEDを用いる場合はLEDモジュールと呼ばれる場合がある。
(2)フレーム12は、発光体11が取り付けられる。
(3)カバー13は、フレーム12に発光体11を覆うように取り付けられると共に、発光体11から照射される光を拡散制御する。
(4)光源蓋部14は、カバー13の長手方向端部を覆う。
(5)連結具15が器具本体100に配置されたバネ140と連結することで、光源ユニット10が器具本体100に固定される。
(6)点灯装置16は、発光体11を点灯させる。
【0014】
発光体11は、複数の発光素子11aと、複数の発光素子11aを実装する基板11bを有している。発光体11は、照明装置1の長手方向Xにおける全長と略同等となるような長尺状に形成されている。発光素子11aは基板11bの長手方向Xへ直線状に配置されている。
図6では発光素子11aは2列であるが、発光素子11aは3列以上でもよいし1列でもよい。
【0015】
フレーム12は、発光体11が取り付けられる略矩形状をしたフレーム正面部12aと、フレーム正面部12aの長手方向Xの両側の辺を基端部として垂直状に突き出した一対のフレーム側面部12bとを有しており、フレーム12は長尺状に形成されている。また、フレーム正面部12aの発光体11が取り付けられた取付面12aaの裏側となる背面12abには、連結具15および点灯装置16が配置されている。
【0016】
カバー13は、円弧部13a、把持部13b、係合部13cを有している。カバー13はポリカーボネートなどの樹脂部材から形成されている。
(1)円弧部13aは、長手方向Xを法線方向とする切断面の断面において、発光体11を覆うように円弧状に形成されている。
(2)把持部13bは、円弧部13aの両端から凹み形状に起立して形成されており、作業者が光源ユニット10を器具本体100に着脱する際に作業者に把持される。
(3)係合部13cは、略コの字状であり、把持部13bの端部に形成されており、フレーム側面部12bに係合する。カバー13は長尺に形成されており、円弧部13a、把持部13b、係合部13cの各部が、長手方向Xに連続して形成されている。
【0017】
光源蓋部14は、カバー13とフレーム12とによって形成される、長手方向Xの端部の開口を塞ぐ。
【0018】
図7のように、連結具15は、略L字形状をしており、フレーム背面12abにネジなどの固定部材で固定される。連結具15は、フレーム背面12abに固定される連結具固定部15aと、連結具固定部15aの側辺より略垂直に突き出しており、後述するバネ140のバネ円弧部141が挿し込まれて係合する連結具開口部15baが形成された連結部15bとを有している。
【0019】
点灯装置16は、器具本体100に配置された端子台130を介して商用電源からの電力を発光体11に供給し、発光体11を点灯させる。点灯装置16は、図示しない電源回路が内蔵され長尺形状をなす点灯装置本体16aと、端子台側接続部132と接続する光源ユニット側接続部16bを備えている。
図5のように、光源ユニット側接続部16bは、光源ユニット側電線16baと、光源ユニット側電線16baの先端に設けられ光源ユニット側コネクタ16bbを備えている。
【0020】
(器具本体100に関して)
図4のように、器具本体100は、長尺状に形成されており長手方向Xを法線方向とする切断面の断面が凹形状をした本体凹部110と、本体凹部110の短手方向Yにおいて、本体凹部110に隣接して設けられた非常用光源ユニット200を有している。
【0021】
本体凹部110は、長尺状に形成されており、
図3、
図4のように、長手方向Xを法線方向とする切断面の断面が凹形状をしている。本体凹部110は、本体凹部110の長手方向Xの端面を塞ぐ一対の端板部120と、本体凹部110の凹形状の内側に配置される端子台130と、バネ140を有している。
【0022】
本体凹部110は、凹形状の底面部に相当し、略矩形状をした本体底面部111と、凹形状の側壁に相当し、本体底面部111の長手方向Xに向かうそれぞれの側辺を基端部として互いに対向して立ち上がる第一の側面部112、第二の側面部113を備える。本体底面部111には、外部から電源線400を引き込む為の電源孔111a、器具本体100をボルトなどの取付具により天井などの被取付部に取り付けをする為の取付孔111bが形成されている。つまり
図8のように,本体凹部110は、取付具を通すための一対の取付孔111bが、端子台130と蓄電池用開口217とを長手方向Xで挟む位置に形成されている。第一の側面部112は、非常用光源ユニット200に隣接する側面部であり、第一の連通部112aと、第二の連通部112bが形成されている。このように、本体凹部110は、電源線400が引き込まれる電源孔111aが形成されていると共に、長手方向Xに沿って電源孔111aに隣接して配置され、電源線400が接続される端子台130を有する。電源孔111aは、本体凹部110の長手方向Xの略中央に配置されている。
【0023】
図3のように、端板部120は、本体凹部110の長手方向Xの端面を覆う。端板部120は、ノックアウト加工により取外し可能に形成された、端板蓋部121を有している。なお、複数の照明装置1、1’・・・を連結するときには、端板部120から端板蓋部121を外すことで、電源線などを照明装置1に隣接する照明装置1′から引き込んでもよい。
【0024】
後述する
図17のように、端子台130は、外部から引き込まれた電源線400が接続され、光源ユニット10および非常用光源ユニット200に電力を供給する。端子台130は、矩形箱状に形成された端子台本体131と、点灯装置16の光源ユニット側接続部16bに電気的に接続する端子台側接続部132とを備えている。端子台本体131は、出力端子131bを複数有している。複数設けられた出力端子131bの1つには、端子台側接続部132が接続される。他の出力端子131bには、後述する非常用光源ユニット200の非常用点灯装置230と接続する電線300が接続される。端子台側接続部132は、端子台側電線132aと、端子台側電線132aの先端に設けられた端子台側コネクタ132bとを備えている。
【0025】
図9のように、バネ140は、後述する光源ユニット10に設けられた連結具15と連結する。バネ140は、円弧形状をしたバネ円弧部141と、本体凹部の本体底面部111に当接し固定されるバネ固定部142と、バネ円弧部141の先端に設けられたバネ爪部143とを有している。バネ140は、連結具15の連結具開口部15baにバネ円弧部141が挿し込まれ、バネ円弧部141が連結具開口部15baの縁15baa(
図7)を摺動することで、光源ユニット10の一部が本体凹部110に収容されるように光源ユニット10を本体凹部110の凹形状の空間に引き込む。
【0026】
(非常用光源ユニット200に関して)
図8、
図10〜
図17を参照して非常用光源ユニット200を説明する。非常用光源ユニット200は、ユニット外郭部210、非常用光源部220、非常用点灯装置230、蓄電池240、点検スイッチ250を備えている。ユニット外郭部210は、略直方体形状であり外郭をなす。非常用光源部220は、ユニット外郭部210の内側に収容され、非常用光源の機能を果たす。また、図示しないが、非常用光源ユニット200は、蓄電池240が正常に充電されているかどうか表示するモニタ用ランプを備えている。なお、蓄電池240を示すために
図8では蓄電池240の蓄電池本体241が蓄電池用開口217から飛び出している状態を示しているが、照明装置1の使用状態では蓄電池本体241は
図4のように収容部2000に収容されている。
【0027】
ユニット外郭部210は、本体凹部110の本体底面部111と短手方向に並ぶように配置されるユニット底面部211と、蓋のない略箱形状をしたユニット化粧部212とを有している。ユニット外郭部210は不燃材により形成されており、この実施の形態では、ユニット外郭部210は金属部材で形成されている。
【0028】
ユニット外郭部210のうち、ユニット化粧部212と底面配置部211aとは、非常用光源ユニットの機能を果たす非常用点灯装置230、蓄電池240等の各部品を収納する収容部2000を構成する。
【0029】
図14のように、ユニット底面部211は、底面配置部211a、底面取付部211bを有する。この実施の形態では、底面配置部211aと底面取付部211bとは一体である。底面配置部211aは、ユニット底面部211のうち、
図14に示す破線Dの範囲の部分である。また底面取付部211bは、ユニット底面部211のうち、
図14に示す破線Eの範囲の部分である。底面配置部211aは、ユニット化粧部212の蓋の役割を持つ。底面取付部211bは、ユニット化粧部212及び底面配置部211aからなる収容部2000を本体凹部110に取り付ける役割を持つ。底面配置部211aにおいてユニット化粧部212の装着側の配置面211a−1(
図10)は、ユニット化粧部212で覆われる。配置面211a−1には、非常用点灯装置230と、蓄電池240と、点検スイッチ250が配置される。底面取付部211bでは、本体底面部111に対向する当接面211b−1が、本体底面部111に突き当たった状態で接しており、底面取付部211bが本体底面部111の固定されることで、非常用光源ユニット200が本体凹部110に固定される。
図14、
図15のように、底面取付部211bは、電源孔111aと連通する底面電源孔211baと、第二の側面部113側に形成された第一固定孔211bbと、第一の側面部112側に形成された第二固定孔211bcを有する。
【0030】
なお、この実施の形態では、底面配置部211aと底面取付部211bとは一体の部材であるが、底面配置部211aと底面取付部211bとを別々の部材としてもよい。
【0031】
図10、
図12のように、ユニット化粧部212は、ユニット正面部213と、ユニット側面部214とを有している。ユニット正面部213は、レンズ開口213aが形成されている部分であり、ユニット正面部213以外がユニット側面部214である。ユニット側面部214はユニット側面部214−1、214−2,214−3,214−4、214−5がある。後述のようにユニット側面部214−5は器具隣接壁部215である。ユニット正面部213は、ユニット底面部211の底面配置部211aと対向する。ユニット側面部214は箱形状であるユニット化粧部212の各側面であり、底面配置部211aと、ユニット正面部213との間に位置する。ユニット正面部213には、後述する非常用光源部220のレンズ223が突出するように配置されたレンズ開口213aと、点検スイッチ250の引き棒252が突出するように配置されたスイッチ開口213bが設けられている。
【0032】
各ユニット側面部214のうち、本体凹部110の第一の側面部112と対向するユニット側面部214−5は、器具隣接壁部215である。器具隣接壁部215は、非常用点灯装置230への入出力の電線の配置のため、および蓄電池240が挿し込まれるための形状に形成されている。具体的には、器具隣接壁部215は矩形形状a,i,j,hから部分a,b,c,d,e,f、g,hを切り取ったような形状である。この「部分a,b,c,d,e,f、g,h」を開放部215Cと記す。ユニット正面部213からのZ1方向の高さは、ユニット側面部214−1、214−3、214−4のいずれも寸法H(
図10)であるが、器具隣接壁部215の高さは寸法Hによりも低い。器具隣接壁部215のうち、c,d,e,fの凹形状の部分を壁凹部215Aと呼び、一定の高さb、cの部分を長壁部215Bと呼ぶ。
図8のように、器具隣接壁部215は、非常用光源ユニット200が本体凹部110に取り付けられた状態において、第一の連通部112aと電線用開口216を形成し、第二の連通部112bと、蓄電池用開口217を形成する。非常用光源ユニット200が本体凹部110に固定された場合、ユニット化粧部212の壁凹部215A、長壁部215Bは、第一の側面部112の第一の連通部112a,第二の連通部112bに対して、
図10の第一の連通部112a,第二の連通部112bの位置に二点鎖線で示した取り付け状態となる。
【0033】
つまり、第一の連通部112aの切り欠かれている下端に長壁部215Bの上端b〜cの一部が位置することで電線用開口216が形成されている。また、第二の連通部112bの切り欠かれている下端に壁凹部215Aの上端c〜fが位置することで蓄電池用開口217が形成されている。なお、
図10に示すユニット化粧部212の側面高さHは、
図4のように、光源ユニット10の把持部13b側方に非常用光源部220のレンズ223が配置されるような高さである。よって、光源ユニット10と非常用光源部220とが互いに相手に与える配光の影響が少ない位置である。
【0034】
図10のように、非常用光源部220は、発光素子221が実装された基板222と、ソケット222aと、実装された発光素子221の前方に配置されるガラス製のレンズ223と、略コの字形状であり基板222が設置される光源設置台224を有する。非常用光源部220は、光源おさえ223aで光源設置台224に取り付けられる。非常用光源部220は、レンズ223がレンズ開口213aからZ2方向(
図2(b))に突出する。レンズ223は、発光素子221が照射する光を広角に配光するレンズであり、非常用光源部として必要な範囲へ照射する配光特性を有している。この実施の形態ではバッドウィング形の配光特性を有している。光源設置台224は、放熱効果も有するとともに、内側には非常用点灯装置230が配置される。
【0035】
図10のように、非常用点灯装置230は、略直方体形状をした非常用点灯装置本体231と、装置側接続部232とを有している。装置側接続部232は、装置側電線232aと装置側電線232aの端部に取り付けられて蓄電池240に接続している装置側コネクタ232bとを有している。装置側コネクタ232bは後述の蓄電池側コネクタ242bと接続する。
図17は器具本体及び非常用光源ユニットの配線図である。
図17は、
図8のK方向矢視に相当し、ユニット化粧部212が外された状態であり、レンズ223、光源おさえ223a等が露出しており、また器具本体100の第一の側面部112、第二の側面部113を途中で切断している。
図17のように、非常用点灯装置230には、非常用光源ユニット200が本体凹部110の側方に配置された状態において、電線用開口216を介して、端子台130から電線300が引き込まれている。電線300は、端子台130と接続して電力の供給をうける電線である。また、装置側接続部232は、ユニット外郭部210の外側に配置されている。
【0036】
非常用点灯装置230は、商用電源などの外部電源が正常に供給されている状態では、商用電源からの電力により蓄電池240を充電する。停電などにより商用電力からの電力供給が停止されると、蓄電池240からの電力により非常用光源部220を点灯させる。
図12のように、非常用点灯装置230は、光源設置台224の内側に配置される。
【0037】
図10のように、蓄電池240は、略直方体形状をした蓄電池本体241と、蓄電池側接続部242を有している。蓄電池側接続部242は、蓄電池側電線242aと、蓄電池側コネクタ242bを有している。蓄電池側コネクタ242bは非常用点灯装置230の装置側コネクタ232bと接続している。蓄電池側電線242aは蓄電池側コネクタ242bに接続している。蓄電池240は、
図10、
図12に示す、コの字形状をした蓄電池保持部材243の内側に配置される。
蓄電池保持部材243は、蓄電池保持部材243の開口243aが、蓄電池用開口217と連通位置にあるように配置されている。蓄電池240は、非常用光源ユニット200が本体凹部110に配置された状態において、蓄電池用開口217を介して出し入れ可能に電池保持部材243の内側に収容される。なお蓄電池240は、長手方向Xにおいて端子台130とともに電源孔111aを挟む位置で、収容部2000の内部に収容されている。また、
図17のように、蓄電池側接続部242の蓄電池側コネクタ242bは、蓄電池用開口217を介して、ユニット外郭部210の外側になるように配置されている。
【0038】
図10に示す点検スイッチ250は、内側にスイッチ端子(図示していない)が実装された基板が配置された点検スイッチ本体251と、スイッチ端子と接続し点検スイッチ本体251から操作可能に突設した引き棒252を有している。点検スイッチ250は、光源設置台224の一部に保持され、
図8のように、引き棒252がユニット外郭部210のスイッチ開口212bから突き出すように配置される。点検スイッチ250は、蓄電池240が正常か否かを点検するためのスイッチである。点検スイッチ250の引き棒252が引かれると、設定されている時間の間、蓄電池240の電力で非常用光源部220の非常用点灯が行われる。
【0039】
(非常用光源ユニット200の取付け機構)
図13〜
図16を参照して、非常用光源ユニット200の本体凹部110への取付機構に関して説明を行う。
(1)はじめに、
図13のように、作業者は、非常用光源ユニット200のユニット底面部211の底面取付部211bを、本体凹部110の本体底面部111に当接させる。このとき、作業者は、本体底面部111の電源孔111aと底面電源孔211baとが連通するように非常用光源ユニット200を配置する。底面取付部211bは、本体底面部111の短手方向Yにおける長さと略同等に形成されている。よって、底面取付部211bは、本体底面部111の短手方向Yの略全長において、本体底面部111と当接する。
(2)次に、作業者は、ユニット底面部211の第一固定孔211bb、第二固定孔211bcを、本体凹部110の第一器具側固定孔111bb、第二器具側固定孔111bcに連通させて、連通した状態で、その4箇所を取付部材(ネジ、リベットなど)で非常用光源ユニット200を本体底面部111に取り付ける。これにより、非常用光源ユニット200は本体底面部111に固定される。この実施の形態では取付部材としてネジ501を用いている(
図16)。この取付け状態では、底面取付部211bは本体底面部111に当接している状態となっている。
【0040】
以上のような取付工程で、非常用光源ユニット200は、本体凹部110に固定される。非常用光源ユニット200が本体凹部110に固定された状態では、以下の(1)〜(3)の状態となっている。
(1)本体底面部111の短手方向Yの略全長において、底面取付部211bは本体底面部111に当接している。
(2)本体底面部111の短手方向Yにおいて非常用光源部220の光軸220a(
図16)よりも遠くに位置する第二の側面部113側の第一固定孔211bbで、非常用光源ユニット200の底面取付部211bが本体底面部111に固定される。
(3)
図16のように、本体底面部111の短手方向Yにおいて、非常用光源部220の光軸220aと第一固定孔211bbとの間である第二固定孔211bcで、底面取付部211bが本体底面部111に固定される。
【0041】
上記の(1)〜(3)の取付構成によって、非常用光源ユニット200を、安定して本体凹部110に取り付けすることができる。つまり、上記(1)では“短手方向Yの略全長”で底面取付部211bが本体底面部111に当接することにより、非常用光源ユニット200の重量を本体凹部110に分担させ伝えることができるので、本体凹部110が部分的に変形するのを抑制できる。したがって、非常用光源ユニット200が、本体凹部110の部分的変形によってZ2方向(
図16)へ垂れ下がることを抑制できる。
上記(2)では、本体底面部111の短手方向Yにおける第二の側面部113側で底面取付部211bを固定している。これにより、非常用光源ユニット200の重量により、ユニット底面部211の第二の側面部113がZ1方向(
図16)へ浮き上がるのを抑制し、非常用光源ユニット200がZ2方向へ垂れ下がる抑制している。
上記(3)は、本体底面部111の短手方向Yにおける第一の側面部112側で固定している。これにより、保管状況や振動などによりユニット底面部211が変形し非常用光源ユニット200がZ1方向へ浮き上がるのを抑制している。
上記(1)〜(3)から非常用光源ユニット200の装着に伴う本体凹部110の変形を防止できる。
【0042】
以上に説明した第一固定孔211bb、第二固定孔211bcの配置構成により、非常用光源ユニット200を本体凹部110に安定して取付けることができる。また、ユニット底面部211にリブを設ける、あるいはヘミング加工の補強部を設けることで、より剛性を高めて安定させることができる。
【0043】
なお、本実施の形態では非常用光源ユニット200として組立完成後に本体凹部110に取り付けているが、ユニット底面部211を本体凹部110に取り付けを行ってから各部の取付けを実施して非常用光源ユニット200を完成してもよい。
【0044】
(器具本体100の配線に関して)
器具本体100の配線に関して
図17を用いて説明を行う。器具本体100は、本体凹部110の第一の側面部112の短手方向Yの側方に隣接するように、非常用光源ユニット200が配置されている。端子台130は、本体凹部110の電源孔111aを略中心として、電源孔111aよりもX1方向に位置する。このとき、端子台130は出力端子131bがX1方向側、つまり長手方向Xの外向きになるよう配置されている。また、第一の側面部112には第一の連通部112a、第二の連通部112bが設けられているが、第一の連通部112aは電源孔111aよりもX1方向側に設けられており、第二の連通部112bは電源孔111aよりもX2方向側に設けられている。つまり、第一の連通部112a、第二の連通部112bはそれぞれ電線用開口216、蓄電池用開口217を形成するが、
図17のように、長手方向Xにおいて、電源孔111aは電線用開口216と蓄電池用開口217との間に位置する。
【0045】
図17に示す配線の構成は、以下の(a)〜(e)のようになる。
(a)電源孔111aから引き込まれた電源線400は、端子台130のX2方向側に設けられた入力端子131aに接続されている。
(b)電線300の一端側が端子台130の出力端子131bに接続され、電線300の他端側が、非常用光源ユニット200の非常用点灯装置230に接続されている。なお、端子台130の出力端子131bには、端子台側接続部132が接続されている。この端子台側接続部132は、光源ユニット10の光源ユニット側接続部16bと接続し、点灯装置16に電力を供給する。
(c)非常用点灯装置230では、装置側接続部232の装置側電線232aが電線用開口216を通過しており、装置側コネクタ232bが装置側電線232aの一部と共に本体凹部110内側に配置される。
(d)蓄電池用開口217が、電源孔111aよりもX2方向側へ設けられており、蓄電池側接続部242の蓄電池側電線242aが蓄電池用開口217を通過しており、蓄電池側コネクタ242bが蓄電池側電線242aの一部と共に本体凹部110内側に配置される。
(e)装置側接続部232の装置側コネクタ232bと、蓄電池側接続部242の蓄電池側コネクタ242bとは、電源孔111aよりもX2方向側で接続されている。
つまり、装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとは、長手方向Xにおいて端子台130とともに電源孔111aを挟む本体凹部110の内部の位置で、接続している。なお、装置側電線232aと蓄電池側電線242aとの長さは、装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとが接続可能で、かつ、長すぎずない程度である。灯装置側電線232aと蓄電池側電線242aとは
図17に示すように、一部が本体底面部111に電線支持部111cで固定されている。
【0046】
なお、
図17に示すように、器具本体100に光源ユニット10が取り付けられた状態では、短手方向Yにおいて、蓄電池240の側方に、光源ユニット10のカバー13の係合部13cが配置される。この配置によって、蓄電池240が、ユニット外郭部210の蓄電池用開口217から意図せずに本体凹部110の内側に出てしまうのを防止できる効果がある。
また、蓄電池用開口217に対向するように点灯装置16を配置する構成であれば、より上記効果が向上する。つまり蓄電池240は収容部2000に収容されており、かつ、本体凹部110に収容された光源ユニット10の一部により、収容部2000から本体凹部110への蓄電池用開口217を介しての移動が阻止されている。蓄電池240の移動を阻止する「光源ユニット10の一部」は上記の例ではカバー13の係合部13cあるいは点灯装置16である。
【0047】
(通常時の点灯動作に関して)
次に、通常時の点灯動作に関して説明を行う。通常時(商用電源からの電力供給が行われているとき)は、端子台130を介して点灯装置16に電力を供給され光源ユニット10は点灯する。このとき、非常用点灯装置230は電線300を介して供給された電力を蓄電池240に供給し、蓄電池240を充電させる。
【0048】
(非常時の点灯動作に関して)
次に、非常時の点灯動作に関して説明を行う。非常時は、点灯装置16への電力供給が停止され、光源ユニット10は消灯する。非常時とは停電などなんらかの理由で商用電源からの電力供給が停止されたときを意味する。
非常用点灯装置230は電線300からの電力供給が停止されると、蓄電池240からの電力供給に切り替え、非常用光源部220に電力を供給し、非常用光源部220は点灯する。
【0049】
<***本実施の形態の効果(配線・器具本体)***>
(1)照明装置1では、器具本体100は、光源ユニット10を保持する本体凹部110と、非常用光源ユニット200とを備えている。非常用光源ユニット200の収容部2000は本体凹部110の短手方向Yの側方に配置されていることよって、非常用光源ユニット200を設けるに際して、長手方向Xに隣接して収容部2000を設ける場合のように、照明装置1の長手方向全長を長くしたり、あるいは光源ユニットの全長を短くしなくてよい。また、照明装置1は、照明装置1の長手方向Xの長さと略同等の長さを有する光源ユニット10を用いることができるので、非常用光源ユニット200を設ける場合であっても、非常用光源ユニット200を設けていない場合と同様の発光面積を維持することができる。
(2)器具本体100は、光源ユニット10が取り付けられる本体凹部110と、非常用光源ユニット200を別体で設けている。非常時の光源となる構成部材を、非常用光源ユニット200として本体凹部110と別体で形成することにより、照明装置の組み立て性を向上できる。
(3)また、別体であるので、ユニット外郭部210は、本体凹部110と異なる材料で形成できる。よって、非常用光源ユニット200は、非常用光源として、防火性に優れた材料など、用途に応じた材料で構成することができる。また、ユニット外郭部210のみを特定用途材料で構成することで、器具本体100全てを特定用途材料で構成するよりもコストを抑制することができる。
(4)また、配線構成は上記(a)〜(e)のようにすることで、電源線400、各部材、電線300のそれぞれが互い干渉するのを抑制できる。とくに上記(d)で示した構成により、蓄電池240の非常用光源ユニット200への挿入、取り出しが容易になる。また、上記(e)の構成により、装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとの接続作業、解除作業が、電源線400と干渉せずに行える。よって、蓄電池240の交換メンテナンスが容易になる。
(5)また、点灯装置16を電源孔111aよりX2方向に設けると、器具本体100に光源ユニット10が取り付けられた状態において、本体凹部110の内側の空間を有効に利用することができる。
(6)また、対になる取付孔111bの間であり電源孔111aの周辺に、端子台130、非常用光源ユニット200などの電気部品を集約することで、相互に接続する為の電線が長くなるのを抑制できる。さらに、集約した部品と、取付具(天井に固定する為のボルトなど)あるいはバネ140及び連結具15からなる取付機構との干渉を防止できる。
さらに、取付孔111b、電源孔111aが設けられる位置は、非常用光源ユニット200が装着されない照明装置と同じ位置で良い。つまり、照明装置1は非常用光源ユニット200を備えていない照明装置と器具本体100(本体凹部110)を共通にできる。よって、非常用光源ユニット200を装着しない照明装置のために設けられた「天井等に器具本体100を取り付けるボルトなどの取付具や器具本体100に引き込む電源線400」の位置を変えることなく、そのまま使用できるので施工性がよい。(7)非常用光源ユニット200は、装置側接続部232と蓄電池側接続部242とをユニット外郭部210の外側に配置しているので、非常用点灯装置230と蓄電池240を容易に接続できる。また、容易に接続状態を解除できる。
【0050】
(変形例及び補足)
本実施の形態では、器具本体100はトラフ型形状をした本体凹部110を説明したが、
図18に示すような逆富士型形状の照明装置1Aでも良いし、
図19に示すような埋込み型形状の照明装置1Bでも良い。逆富士型形状、埋込み型形状の場合は、本体凹部110の開口(
図3のp,q,r,sの開口)に、傾斜形状をした反射部114が対に形成されているとともに、収容部2000が配置される側の一方の反射部114には、非常用光源ユニットが配置可能なように切り欠き114aが形成されている。
図19には切り欠き114aの形状は現れていないが、
図18と同様である。このように本体凹部110は、収容部2000が突き抜ける領域が切り欠き114aとして切除されている反射部114を備えている。
【0051】
また、
図19の埋込み型形状の場合のように、非常用光源ユニット200の非常用光源部220の高さ寸法H(B)を大きくし、反射部114から突き出すようにしても良い。非常用光源部220を反射部114から突き出すようにすることで、非常用光源部220の配光特性を確保することができる。
図19のように、照明装置1Bの非常用光源部220Bは、収容部2000Bから突き出しており、本体凹部110は、非常用光源部220Bが突き抜ける領域が切除されている。
【0052】
本実施の形態において、端子台130は複数の出力端子131bを有しており短手方向Yにおける巾が広くなっている。よって、照明装置1の複数台を長手方向Xに連結したい際に、端子台130と第一の側面部112もしくは第二の側面部113との間に、Fケーブルなどの送り配線を配置する空間が確保できない場合も生じ得る。
また、送り配線が蓄電池用開口217の正面に配置されると蓄電池240の収容・取り出し作業に支障がある。そこで、電源孔111aと端子台130との間に、送り配線用開口113aを第二の側面部113に形成すると良い。
図17に、本体凹部110は、短手方向Yにおける収容部2000と反対側の側面部である第二の側面部113に、送り配線用の開口である送り配線用開口113aが形成されている場合を示す。
第二の側面部113に送り配線用開口113aを設けることで、本体凹部110の第二の側面部113側の側方を送り配線用の空間として用いることができる。よって、送り配線と、蓄電池用開口217および他構成部材との干渉を抑制することができる。
【0053】
本実施の形態では、照明装置1は光源ユニット10が連結具15、点灯装置16を有し、器具本体100がバネ140を有している形状について説明を行った。しかし、光源ユニット10がバネ140を有し、器具本体100が連結具15、点灯装置16を有する構成でも良い。
なお、器具本体100に点灯装置16を設ける場合は、
図17における長手方向Xにおいて、第二の連通部112bよりもX2方向に設置する、もしくは端子台130よりX1方向に設置し、点灯装置16と蓄電池240とが干渉しないようにすると良い。
【0054】
本実施の形態では、電源孔111aが本体凹部110の長手方向Xにおける略中央に設けられる形状に関して説明を行ったが、電源孔111aが形成される位置は長手方向Xにおける略中央でなくて良い。本体凹部110の長手方向Xにおいて、電源孔111aの一方側に端子台130が設けられ、他方側に第二の連通部112bが設けられていれば良い。
【0055】
なお、本実施の形態では、本体凹部110と収容部2000とは、装置側接続部232の装置側電線232aが収容部2000から本体凹部110へ通過している開口である電線用開口216を形成している。また本体凹部110と収容部2000とは、長手方向Xにおいて端子台130とともに電源孔111aを挟む位置に、蓄電池240が収容部2000から本体凹部110へ通過可能な開口である蓄電池用開口217を形成している。
つまり、第一の連通部112aと器具隣接壁部215の開放部215Cとで電線用開口216を形成し、第二の連通部112bと器具隣接壁部215の開放部215Cとで蓄電池用開口217を形成している。
【0056】
しかし、これに限定されない。本体凹部110と収容部2000とが、電線用開口216あるいは蓄電池用開口217を形成する構成としては、以下のような場合がある。器具隣接壁部215の開放部215Cが開放されておらず高さH(
図10)の一枚板の形状の場合に、器具隣接壁部215と第一の側面部112とに電線用開口216に相当する開口、蓄電池用開口217に相当する開口を形成して、器具隣接壁部215の開口と第一の側面部112の開口とを連通させる。一方の開口が電線用開口216、蓄電池用開口217の大きさであれば他方の開口はそれよりも大きくても構わない。
あるいは、本体凹部110と収容部2000とのいずれかには、装置側接続部232の装置側電線232aが収容部2000から本体凹部110へ通過している開口である電線用開口216が形成されている構成でもよい。あるいは、本体凹部110と収容部2000とのいずれかには、長手方向Xにおいて端子台130とともに電源孔111aを挟む位置に、蓄電池240が収容部2000から本体凹部110へ通過可能な開口である蓄電池用開口217が形成されている構成でもよい。これらの例として、器具隣接壁部215がない場合、つまり
図10において器具隣接壁部215の「ibcdefgj」の部分がなく、一方、第一の側面部112に、電線用開口216に相当する開口、蓄電池用開口217に相当する開口が形成されているような場合である。
【0057】
本体凹部110と収容部2000とが蓄電池用開口217を形成する場合は、蓄電池240、端子台130、電源孔111a及び蓄電池用開口217の長手方向Xにおける位置関係は次のような構成でも良い。
(a1)蓄電池240は、長手方向Xにおいて端子台130と電源孔111aとのうちのいずれか一方とともに他方を挟む位置で、収容部2000の内部に収容されている。
かつ、
(a2)本体凹部110と収容部2000とは、長手方向Xにおいて蓄電池240が収容されている位置に、蓄電池240が収容部2000から本体凹部110へ通過可能な開口である蓄電池用開口217を形成している。
上記(a1)における、「長手方向Xにおいて端子台130と電源孔111aとのうちのいずれか一方とともに他方を挟む位置」とは、「いずれか一方」を端子台130とした場合には他方は電源孔111aであり、
図17に示す場合に相当し、蓄電池240と端子台130とで電源孔111aを挟む構成である。そして上記(a2)のように、本体凹部110と収容部2000とは、長手方向Xにおける蓄電池240の収容位置に蓄電池用開口217を形成し、これは
図17に相当する。
また、「いずれか一方」を電源孔111aとした場合には他方は端子台130であり、
図17に対して、長手方向Xにおいて、蓄電池240と電源孔111aとで端子台130を挟む構成である。この構成は、
図17において電源孔111aと端子台130とが長手方向Xで入れ替わったような構成である。この場合も上記(a2)のように、本体凹部110と収容部2000とは、長手方向Xにおける蓄電池240の収容位置に蓄電池用開口217を形成してよい。
上記(a1)(a2)の構成によって、非常用光源ユニット200への蓄電池240の出し入れが容易になる。
【0058】
本体凹部110と収容部2000とのいずれかに蓄電池用開口217が形成されている場合は、蓄電池240、端子台130、電源孔111a及び蓄電池用開口217の長手方向Xにおける位置関係は次のような構成でも良い。
(b1)蓄電池240は、長手方向Xにおいて端子台130と電源孔111aとのうちのいずれか一方とともに他方を挟む位置で、収容部2000の内部に収容されている。
かつ、
(b2)本体凹部110と収容部2000とのいずれかに、長手方向Xにおいて蓄電池240が収容されている位置に、蓄電池240が収容部2000から本体凹部110へ通過可能な開口である蓄電池用開口217が形成されている。上記(b1)は上記(a1)で説明した内容と同じである。そして上記(b2)のように、本体凹部110と収容部2000とのいずれかに、長手方向Xにおける蓄電池240の収容位置に蓄電池用開口217が形成されている構成でもよい。
上記(b1)(b2)の構成によって、非常用光源ユニット200への蓄電池240の出し入れが容易になる。
【0059】
また、電線用開口216については、以下のような構成でもよい。
(c1)装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとは、長手方向Xにおいて端子台130と電源孔111aとのうちのいずれか一方とともに他方を挟む本体凹部110の内部の位置で、接続している。
「長手方向Xにおいて端子台130と電源孔111aとのうちのいずれか一方とともに他方を挟む本体凹部110の内部の位置」とは、上記(a1)の場合と同様である。
「いずれか一方」を端子台130とした場合には他方は電源孔111aであり、
図17に示す場合に相当し、「装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242b」が、端子台130とともに長手方向Xで電源孔111aを挟む構成である。
また「いずれか一方」を電源孔111aとした場合には他方は端子台130であり、
図17に対して、長手方向Xにおいて、「装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242b」が電源孔111aとともに端子台130を挟む構成である。この構成は、
図17において電源孔111aと端子台130とが長手方向Xで入れ替わったような構成である。(c1)の構成によって、作業者による装置側コネクタ232bと蓄電池側コネクタ242bとの接続及び解除の作業が容易になる。
【0060】
なお、本実施の形態では、器具本体100が本体凹部110の短手方向側方に非常用光源ユニット200の収容部2000が配置される形状に関して説明を行った。
収容部2000には、非常用光源ユニット200を構成する非常用光源部220、非常用点灯装置230、蓄電池240、点検スイッチ250等を収容しているが、これら全部ではなくて、非常用光源ユニット200を構成する非常用光源部220等の少なくともいずれかが収容されても良い。
また、収容部2000には、非常用光源ユニットの構成部品ではない何らかの部品を収容してもよい。何らかの部品として、センサ、プルスイッチなどの機能部品、あるいは電装品を収納しても良い。
【0061】
なお、本実施の形態では、ユニット底面部211は底面配置部211aと底面取付部211bを有している形状を説明したが、底面配置部211aと底面取付部211bを別々に設けても良い。
【0062】
実施の形態2.
図20〜
図24を参照して、実施の形態2を説明する。実施の形態2は、実施の形態1の照明装置1が、さらに、蓄電池用開口217を塞ぐ蓄電池用蓋600を備える構成である。蓄電池用蓋600を設けることで、光源ユニット10の備える点灯装置16、発光体11等で発生し熱が蓄電池用開口217から、ユニット化粧部212と底面配置部211aとによって構成される収容部2000の内部に伝わり蓄電池の温度を上昇させてしまうことを防止する。
【0063】
図20は、蓄電池用開口217への蓄電池用蓋600の取り付けを示す斜視図である。
図21は、蓄電池用蓋600を示す図で、
図21の(a)は蓄電池用蓋600の正面図、(b)は蓄電池用蓋600の側面図である。
図22は、蓄電池用蓋600の取付前を示し、
図23は取付後を示す。
図24は、蓄電池用蓋600の取付状態を示す断面図であり、後述の蓋挿し込み片612を切断する断面である。
図24では蓄電池用蓋600と蓄電池240との関係を示しており、後述の蓋受部217b、ローレットネジ等の表示は省略しており、また蓋本体610はハッチングを省略している。
【0064】
蓄電池用蓋600は、
図21に示すような略四角の形状である。蓄電池用蓋600は、板状であり蓄電池用開口217を塞ぐように本体凹部110に固定される蓋本体部610と、クッション性を有し蓋本体部610の一方の面に取り付けられる蓋緩衝部材620を有している。蓋緩衝部材620は、ゴムあるいはスポンジ等の部材を用いることができる。蓋本体部610は、蓄電池用蓋600をローレットネジなどの固定部材701により本体凹部110に固定する為の蓋固定穴611と、蓄電池用開口217に挿し込まれる蓋挿し込み片612と、蓄電池側電線242aをよける電線用切欠き部613を有している。
【0065】
実施の形態2では、壁凹部215Aのde部分(
図10)には、
図22に示すように、挿し込み溝217aと、その両側に一対の蓋受部217bが形成されている。蓄電池用蓋600は、
図22、
図23に示すように、蓋挿し込み片612が蓄電池用開口217に挿し込まれ、蓋固定穴611を介して固定部材701で第一の側面部112に固定されることで、蓄電池用開口217に取り付けられる。
図22、
図23を用いて具体的に説明すれば以下のようである。蓋挿し込み片612は、
図22に示す矢印のように、挿し込み溝217aに押し込まれる。またM点は器具隣接壁部215のm点の位置になり、N点は器具隣接壁部215のn点の位置になり、T点は第一の側面部112のt点の位置になり、U点は第一の側面部112のu点の位置になる。
【0066】
このとき蓄電池用蓋600が蓄電池用開口217に取り付けられた場合、蓋緩衝部材620が、
図24に示すように、収容部2000の内側に配置されている蓄電池240に当たる。蓄電池240は蓋緩衝部材620によって電池保持部材243の一面側に押圧されることで、安定して固定されるとともに、振動などに対するガタつきが抑制される。また、
図23に示すように、電線用切欠き部613は、蓄電池用蓋600が第一の側面部112に固定された状態において、第一の側面部112との間に蓄電池240の蓄電池側電線242aが通過できる開口を形成している。
【0067】
収容部2000に収容された蓄電池240は、蓄電池用開口217を介し収容部2000と本体凹部110とが連通している状態において、本体凹部110に取り付けられる光源ユニット10の点灯により発生する発光体11及び点灯装置16の放熱が、蓄電池240の温度(周囲温度)を上昇させてしまうことがある。蓄電池240の温度上昇で蓄電池240の性能が低下するおそれがあるが、蓄電池用蓋600で蓄電池用開口217を塞ぐことで、発光体11及び点灯装置16からの放熱を遮熱し、蓄電池240の温度上昇を抑制し、蓄電池240の性能低下を防ぐことができる。
【0068】
更に、蓄電池用蓋600は、蓄電池240が意図せず収容部2000の蓄電池用開口217から出てしまうことを防ぐ機能も有している。蓄電池用蓋600を設けることで、蓄電池240を安定して収容部2000に収容することができる。
【0069】
なお、蓄電池用蓋600は、ローレットネジなどの固定部材701による取付方法だけでなく、蓄電池用開口217と係合し固定するような取付方法でも良い。
【0070】
実施の形態3.
図25は、
図19の埋込み型の照明装置1Bの断面図であり、非常用光源部220の配光特性を示す断面図である。
図25を参照して実施の形態3を説明する。実施の形態3は、実施の形態1の
図19で説明した照明装置1Bの、より具体的な構成を示すものであり、照明装置1Bへの非常用光源部220の設置位置に関する実施の形態である。
【0071】
実施の形態3では、
図25に示すように、非常用光源ユニット200のレンズ223の位置を、光源ユニット10よりもZ2方向の位置にしてレンズ223の配光範囲Aが反射部114と干渉しない構成である。本構成により、非常用光源部220の配光特性を確保した非常用光源ユニット200を備えた照明装置を提供できる。なお、反射部114は、本体凹部110の長手側辺702から傾斜するように設けられている。以下に
図25を用いて説明する。
【0072】
図25に示すような埋込み型の照明装置1Bにおいて、光を発する発光ユニットの部分である非常用光源部220(レンズ223)を光源ユニット10と高さ方向Zで同程度の位置に設けると、光源ユニット10の照射する光を制御する反射部114で、非常用光源部220(レンズ223)の照射する光も制御されてしまう。結果として非常用光源の所望の配光を得られない。
また、非常用光源部220の所望の配光が確保できない場合、非常用光源ユニット200を備えた照明装置1Bの設置数を増やす必要がある。そこで、実施の形態1の
図19に示す照明装置1Bについては、
図25に示すように、非常用光源ユニット200の高さ方向Zに関して、非常用光源ユニット200が、反射部114から、光源ユニット10の照射方向である反Z2方向に突き出すように配置する。
【0073】
より具体的には、
図25の非常用光源部220の場合、光はレンズ223から出射されるのでレンズは光の出射部である。よって、レンズ223を、光源ユニット10よりも光源ユニット10の照射方向であるZ2方向で、かつ、レンズ223から出射される光が反射部114に遮られずにレンズ223の配光範囲Aが確保されるZ2方向の位置に配置する。レンズ223は非常用光源ユニット200の部品として非常用光源ユニット200に組み込まれ、レンズ223を含めて非常用光源ユニット200は一体である。よって上記の「非常用光源ユニット200の高さ方向Zに関して、非常用光源ユニット200が、反射部114から、光源ユニット10の照射方向であるZ2方向に突き出すように配置する。」とはこの意味である。また配光範囲Aを確保するにはレンズ223のY方向位置も関係する。Y方向に動かすことで光源ユニット10の長さ方向Xを確保している。よって、非常用光源部220(レンズ223)は、配光範囲Aが反射部114および反射部端部114bと干渉しないXY方向の位置に配置される。この構成によって、非常用光源部220の配光特性を確保する。
【0074】
このように、光源ユニット10と非常用光源部220を別々の位置に設置するとともに、非常用光源部220は、配光範囲が反射部114と干渉しない高さに設置されることで、非常用光源部220の配光範囲を確保することができる。また、非常用光源部220が配光特性を確保することで、非常用光源部220を備えた照明器具の設置台数増加を抑制することができる。
【0075】
なお、非常用光源部220の配光範囲Aが反射部114および反射部端部114bと干渉しない位置であれば、
図25において、Z1方向よりに設けても良い。また、巾方向であるY方向においても、光源ユニット10に対して遠ざかる外側へ設けても良い。巾方向において外側に設置することで、光源ユニット10の配光が非常用光源ユニット200と干渉することを抑制することができる。
【0076】
また、本実施の形態3は、埋込み型器具だけでなく、笠付き器具のような照明装置1の本体凹部110の側辺から斜めに形成された反射板を備えた照明装置にも適用することができる。