特許第6697951号(P6697951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6697951経口避妊薬服用スケジューリングシステム、経口避妊薬服用スケジューリング方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6697951
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】経口避妊薬服用スケジューリングシステム、経口避妊薬服用スケジューリング方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61J 7/04 20060101AFI20200518BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20200518BHJP
【FI】
   A61J7/04 Z
   G06Q50/22
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-99630(P2016-99630)
(22)【出願日】2016年5月18日
(65)【公開番号】特開2017-205287(P2017-205287A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年3月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】599126800
【氏名又は名称】株式会社エムティーアイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健大
(72)【発明者】
【氏名】猪狩 一郎
(72)【発明者】
【氏名】日根 麻綾
【審査官】 菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−071624(JP,A)
【文献】 特開2003−331061(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0222123(US,A1)
【文献】 藤原 豊博,適応外使用の処方せんの読み方 第62回 月経の人工移動,月刊薬事,日本,株式会社じほう,2015年 8月 1日,Vol.57 No.9,pp.147-152
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J7/00
G16H20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定するスケジューリングシステムであって、
該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得する取得部と、
該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索する服薬スケジュール探索部と、
該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択する最適スケジュール選択部とを含む、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
探索された該少なくとも1つの組み合わせのインデックスをi(i=1,…,Nsch)、特定の組み合わせiに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間のうちのj(j=1,…,Nterm(i))番目のものの日数をd(i,j)、標準連続服薬日数をR、距離関数をD(i)とすると、該最適スケジュール選択部は、
で表される距離関数D(i)を小さくするという第1の基準に従って、前記距離関数D(i)の値の小さいほうから1又は複数の最適な組み合わせを選択する、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
該最適スケジュール選択部は、該第1の基準に従って複数の最適な組み合わせを選択し、
該選択した組み合わせiに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間の各々の日数d(i,j)の分散{σ(i)}を小さくするという第2の基準に従って、該第1の基準に従って選択した複数の最適な組み合わせの中から、該分散{σ(i)}の値が小さいほうから1又は複数の組み合わせを最適な組み合わせとして選択する、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
標準連続服薬日数は、R=21である、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した少なくとも2つの直近服薬期間の間に少なくとも1つの許容可能な日数の直近休薬期間が存在する場合に、該直近服薬日数は、該少なくとも2つの直近服薬期間の日数と該少なくとも1つの直近休薬期間の許容可能な日数とを合計した日数として算出される、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
該服薬スケジュール探索部は、服薬又は休薬の判定の対象となる日のうち、服薬又は休薬を確定するための所定の基準に基づいて服薬又は休薬が確定する日を決定のうえ、服薬又は休薬の何れかが確定しない日についてすべての組み合わせを考慮したスケジュールを探索する、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項7】
請求項6に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
消退出血を生じさせるための経口避妊薬の最低限の服用日数を表す最短連続服用日数をdmin、該連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、終了させるために必要な標準連続休薬日数をRとすると、該服薬スケジュール探索部は、
(1) 服薬又は休薬の判定の対象となる日の前日が服薬日であり、該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの直近服薬日数が{dmin−1}以下である、
(2) 該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの直近服薬日数が{dmin−1}以上であり、該服薬又は休薬の判定の対象となる日に最も近い回避期間の最初の日が該基準日から{R−1}日以内にある、
(3) 該服薬又は休薬の判定の対象となる日が回避期間に属している、
のいずれかの場合には、該服薬又は休薬の判定の対象となる日を服薬日として確定する基準とする、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項8】
請求項6に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
該連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、かつ、終了させるために必要な標準連続休薬日数をRとすると、該服薬スケジュール探索部は、該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの休薬日数がRに満たない場合、該服薬又は休薬の判定の対象となる日を休薬日として確定する基準とする、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項9】
請求項7又は8のいずれか1項に記載の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
最短連続服用日数は、dmin=14であり、標準連続服薬日数は、R=21、標準連続休薬日数は、R=7である、経口避妊薬服用スケジューリングシステム。
【請求項10】
コンピュータに、月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定する経口避妊薬スケジューリング方法を実行させる経口避妊薬服用スケジューリングプログラムであって、該コンピュータは、取得部と服薬スケジュール探索部と最適スケジュール選択部とを含む経口避妊薬服用スケジューリングシステムとして動作し、該方法は、
該取得部が、該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得するステップと、
該服薬スケジュール探索部が、該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索するステップと、
該最適スケジュール選択部が、該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択するステップとを含む、経口避妊薬スケジューリングプログラム。
【請求項11】
取得部と服薬スケジュール探索部と最適スケジュール選択部とを含む経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定する経口避妊薬スケジューリング方法であって、
該取得部が、該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得するステップと、
該服薬スケジュール探索部が、該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索するステップと、
該最適スケジュール選択部が、該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択するステップとを含む、経口避妊薬スケジューリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口避妊薬服用スケジューリングシステム、経口避妊薬服用スケジューリング方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
月経は、月経前と月経時に身体的および精神的苦痛を伴う月経痛や、月経前症候群、月経困難症といった様々な身体的および精神的不調を伴って生じる。その他にも、いつ月経が来るか分からないため旅行や受験のプランが立てられない、衣服に経血が付着していないか心配といった不安等、痛み以外にも様々な弊害が伴う。
【0003】
この問題に対処する方法として、経口避妊薬(Oral Contraceptives(OC))を一定期間服薬及び休薬することにより月経周期をコントロールする方法が知られている。経口避妊薬は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンの合剤であり、女性主体で行うことのできる避妊法の1つのツールとして、1日1錠、毎日同じ時間に服用することで高い避妊効果を期待することができ、また、上記の2種類の女性ホルモンによって月経周期をコントロールすることもできる。
【0004】
従って、経口避妊薬をうまく利用することで、生理痛や生理不順といった生理に対する悩みがなくなり、女性が自己のライフスタイルを自在にデザインできるようになれば、働く上での負担が減り、男性と共に今より更に社会で活躍できることが期待される。
【0005】
例えば、特許文献1は、雌性動物における排卵周期をモニタリングするのに使用するための方法及び装置を教示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2009‐512871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の経口避妊薬により月経周期をコントロールする方法においては、服薬(及び休薬)スケジューリングを適切に行う必要がある。特に、スケジュールのうちに整理を回避したい日や期間が複数回ある場合や不規則な場合、服薬スケジューリングが複雑になるという問題がある。
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法及び装置は、上記のような経口避妊薬の複雑な服薬スケジューリングに対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の第1の態様によれば、本発明は、月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定するスケジューリングシステムであって、
該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得する取得部と、
該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索する服薬スケジュール探索部と、
該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択する最適スケジュール選択部とを含む、経口避妊薬服用スケジューリングシステムである。
【0010】
ここで、請求項1における「絶対値差」とは、差を示す値を意味し、差の総和及び差の総和をスケーリングしたもの(平均値等)の双方を含む。
【0011】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
探索された該少なくとも1つの組み合わせのインデックスをi(i=1,…,Nsch)、特定の組み合わせiに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間のうちのj(j=1,…,Nterm(i))番目のものの日数をd(i,j)、標準連続服薬日数をR、距離関数をD(i)とすると、該最適スケジュール選択部は、
で表される距離関数D(i)を小さくするという第1の基準に従って、前記距離関数D(i)の値の小さいほうから1又は複数の最適な組み合わせを選択するのが望ましい。
【0012】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、服薬スケジュール探索部により探索された1つ又は複数の候補スケジュールのうち、連続服薬期間の日数と標準連続服薬日数との絶対値差がより小さいスケジュールを最適スケジュール選択処理により選択して、ユーザに対して提示することができる。
【0013】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
該最適スケジュール選択部は、該第1の基準に従って複数の最適な組み合わせを選択し、
該選択した組み合わせiに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間の各々の日数d(i,j)の分散{σ(i)}を小さくするという第2の基準に従って、該第1の基準に従って選択した複数の最適な組み合わせの中から、該分散{σ(i)}の値が小さいほうから1又は複数の組み合わせを最適な組み合わせとして選択するのが望ましい。
【0014】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、服薬スケジュール探索部により探索された1つ又は複数の候補スケジュールの間で連続服薬期間の日数と標準連続服薬日数との絶対値差が等しい場合に、各連続服用期間同士のバラつきがより少ないスケジュールを最適スケジュール選択処理により選択して、ユーザに対して提示することができる。
【0015】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、標準連続服薬日数を、R=21としても良い。
【0016】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した少なくとも2つの直近服薬期間の間に少なくとも1つの許容可能な日数の直近休薬期間が存在する場合に、該直近服薬日数は、該少なくとも2つの直近服薬期間の日数と該少なくとも1つの直近休薬期間の許容可能な日数とを合計した日数として算出されても良い。
【0017】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズムの複雑化を防止することができる。
【0018】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、該服薬スケジュール探索部が、服薬又は休薬の判定の対象となる日のうち、服薬又は休薬を確定するための所定の基準に基づいて服薬又は休薬が確定する日を決定のうえ、服薬又は休薬の何れかが確定しない日につき何れの場合を考慮したスケジュールを探索することが望ましい。
【0019】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、各服薬又は休薬の判定対象日における服薬又は休薬の場合分けを減らすことができるため、スケジュール探索の負荷を軽減することができる。
【0020】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、
消退出血を生じさせるための経口避妊薬の最低限の服用日数を表す最短連続服用日数をdmin、該連続休薬期間中に消退出血を生じさせるために必要な標準連続休薬日数をRとするとき、該服薬スケジュール探索部が、
(1) 服薬又は休薬の判定の対象となる日の前日が服薬日であり、該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの直近服薬日数が{dmin−1}以下である、
(2) 該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの直近服薬日数が{dmin−1}以上であり、該服薬又は休薬の判定の対象となる日に最も近い回避期間の最初の日が該基準日から{R−1}日以内にある、及び
(3) 該服薬又は休薬の判定の対象となる日が回避期間に属している、
のいずれかの場合には、該服薬又は休薬の判定の対象となる日を服薬日として確定する基準に従って1つ又は複数の候補スケジュールを探索することが望ましい。
【0021】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、1つ又は複数の候補スケジュールを探索する際に、連続服薬期間後に確実に消退出血を生じさせるための条件、最も近い回避期間の前に消退出血を早めることができないときに、服薬を継続する条件、及び、回避期間における月経(消退出血も含む)を確実に回避するための条件を考慮することで、各服薬又は休薬の判定対象日における服薬又は休薬の場合分けを減らすことができるため、スケジュール探索の負荷を軽減することができる。
【0022】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、該連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、かつ、終了させるために必要な標準連続休薬日数をRとするとき、該服薬スケジュール探索部が、該服薬又は休薬の判定の対象となる日までの連続休薬日数がRに満たない場合に、該服薬又は休薬の判定の対象となる日を休薬日として確定する基準に従って1つ又は複数の候補スケジュールを探索することが望ましい。
【0023】
このような経口避妊薬服用スケジューリングシステムによれば、1つ又は複数の候補スケジュールを探索する際に、連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、かつ、終了させるための条件を考慮することで、各服薬又は休薬の判定対象日における服薬又は休薬の場合分けを減らすことができるため、スケジュール探索の負荷を軽減することができる。
【0024】
上記の経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、最短連続服用日数を、dmin=14、標準連続服薬日数を、R=21、標準連続休薬日数を、R=7としても良い。
【0025】
また、本発明の第2の態様によれば、本発明は、コンピュータに、月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定する経口避妊薬スケジューリング方法を実行させる経口避妊薬服用スケジューリングプログラムであって、該コンピュータは、取得部と服薬スケジュール探索部と最適スケジュール選択部とを含む経口避妊薬服用スケジューリングシステムとして動作し、該方法は、
該取得部が、該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得するステップと、
該服薬スケジュール探索部が、該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索するステップと、
該最適スケジュール選択部が、該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択するステップとを含む、経口避妊薬スケジューリングプログラムである。
【0026】
さらに、本発明の第3の態様によれば、本発明は、取得部と服薬スケジュール探索部と最適スケジュール選択部とを含む経口避妊薬服用スケジューリングシステムにおいて、月経を回避するべき期間としてあらかじめ選択された少なくとも1つの回避期間に応じて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する少なくとも1つの連続服用期間と、該ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する少なくとも1つの連続休薬期間とを含む経口避妊薬服用スケジュールを設定する経口避妊薬スケジューリング方法であって、
該取得部が、該少なくとも1つの回避期間に関する情報と、該経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、該設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、該設定日の直近の月経日とを取得するステップと、
該服薬スケジュール探索部が、該回避期間に関する情報と該直近服薬日数と該直近休薬日数と該直近の月経日とに基づいて、該少なくとも1つの連続服用期間と、該少なくとも1つの連続休薬期間の少なくとも1つの組み合わせを探索するステップと、
該最適スケジュール選択部が、該少なくとも1つの組み合わせの中から、該少なくとも1つの組み合わせに含まれる該少なくとも1つの連続服用期間と所定の標準連続服薬日数との絶対値差が小さいほうから順に1つ又は複数の組み合わせを選択するステップとを含む、経口避妊薬スケジューリング方法である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、服薬スケジュール探索部により探索された1つ又は複数の候補スケジュールのうち、連続服薬期間の日数と標準連続服薬日数との絶対値差がより小さいスケジュールを最適スケジュール選択処理により選択して、ユーザに対して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に従った経口避妊薬服用スケジューリングシステムのネットワーク構成を示す図である。
図2】ユーザ端末104のハードウェア構成を示す図である。
図3】Webサーバ112及び118のハードウェア構成を示す図である。
図4】分析サーバ114及び122のハードウェア構成を示す図である。
図5】データベースサーバ116及び120のハードウェア構成を示す図である。
図6】本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズムを示すフローチャートである。
図7】服薬スケジュール候補探索の一例を示す図である。
図8】1つ又は複数の最適な服薬スケジュールの選択処理の一例を示すフローチャートである。
図9】回避期間の前に消退出血を早める結果となった服用スケジュールを示している。
図10】回避期間の後に消退出血を遅らせる結果となった服用スケジュールを示している。
図11】複数回の回避期間があり、これを連続して回避する服薬スケジュールを示している。
図12】複数回の回避期間があり、これを連続して回避する服用スケジュールの他の例を示している。
図13】本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズムの計算結果の表示例を示す図である。
図14】本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングシステムのユーザ端末における画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(1) ネットワークの全体構成
図1は、本発明に従った経口避妊薬服用スケジューリングシステムのネットワーク構成を示す図である。
【0030】
スケジューリングシステム100は、分析センタ102と、ユーザ端末104‐l(l=1,…,N)と、医療機関106と、管理者端末108とを含む。分析センタ102は、Webサーバ112と、分析サーバ114と、データベースサーバ116とを含む。医療機関106は、Webサーバ118と、データベースサーバ120と、分析サーバ122と、医師端末124と、医師端末124に接続された入出力(I/O)インターフェイス126とを含む。複数のユーザ端末104‐lは、ユーザが所有し、分析センタ102の分析サーバ114又は医療機関106の分析サーバ122にアクセスすることにより、経口避妊薬の服薬スケジュールの複数の候補のうちの少なくとも1つの最適なものを受信するのに使用されるものである。ここで、ユーザ端末のインデックスlは、ユーザIDに対応している。管理者端末は、例えば、ユーザlが属するスポーツチームの専属トレーナー等の管理者が所有し、分析センタ102のデータベースサーバ116又は医療機関106のデータベースサーバ120等にアクセスすることにより、管理者が個々のユーザlの健康状態を把握するのに使用される。
【0031】
分析センタ102と、ユーザ端末104‐lと、医療機関106と、管理者端末108は、通信ネットワーク110を介して相互に通信可能となっている。
【0032】
分析センタ102は、企業や行政機関のサーバ室であっても良い。Webサーバ110は、ユーザ端末104‐lのWebブラウザからHTTPリクエストを受信しその応答を返却する。分析サーバ114は、Webサーバ110からの処理要求に対して、月経移動のための経口避妊薬(OC)服用スケジュールの計算ロジックを実行し、必要であればデータベースサーバ116に対してデータの参照や更新要求を行う。データベースサーバ116は、主にデータの管理を行い、Webサーバ112からのデータの参照や更新処理の要求を実行し結果を返却する。
【0033】
分析サーバ114は、経口避妊薬服用スケジュールを設定する日である設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、設定日の直近のユーザの月経日と、ユーザのスケジュールに基づいてユーザによって決定された1つ又は複数の回避期間とを、ユーザ端末104‐lから受信する。分析サーバ114は、受信した1つ又は複数の回避期間と直近服薬日数と直近休薬日数と直近のユーザの月経日とに基づいて、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する1つ又は複数の連続服用期間と、ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する1つ又は複数の連続休薬期間の1つ又は複数の組み合わせ(候補スケジュール)を探索する。分析サーバ114は、1つ又は複数の候補スケジュールを探索する際に、1つ又は複数の規則に従って、服薬又は休薬の判定対象日をスケジュール期間の前から後に1日毎にずらしなら服薬又は休薬を判定し、1つ又は複数の経口避妊薬服薬スケジュール候補シーケンスi(i=1,…,Nsch)の全てを探索する。分析サーバ114は、少なくとも1つの予め定められた基準に従って、探索された1つ又は複数の候補スケジュールの中から最適な候補スケジュールを選択する。Webサーバ112及び分析サーバ114は、パーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって実装することができる。
【0034】
日本においては、ピル等の経口避妊薬は、法律上医師が処方しなければならないと規定されている。従って、医療機関106は、例えば、病院内のサーバ室であっても良い。一方で、外国では、ピル等の経口避妊薬を一般の薬局において市販薬として購入することが可能な国もある。従って、代替的に、医療機関106は、例えば、薬局やドラックストア内のサーバ室であってもよい。医師や薬剤師は、本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジュールの計算ロジックの計算結果を参照して、ピル等の経口避妊薬を処方することができる。医療機関106のWebサーバ118、データベースサーバ120、及び分析サーバ122の機能及び動作は、分析センタ102のそれらの機能および動作と同じである。従って、分析センタ102のデータベースサーバ116に格納されている本実施形態に従ったプログラムを医療機関106のデータベースサーバ120にダウンロードすれば、医療機関106でも分析センタ102と同様の処理を行うことが可能である。
【0035】
医師端末124は、医師や薬剤師等が、ユーザの身体特徴データ、ユーザのスケジュール、ユーザの経口避妊薬の服用実績、経口避妊薬の服用スケジュール等を参照するための端末であり、パーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって実装することができる。I/Oインターフェイス126は、スキャナ、プリンタ、ディスプレイ、タッチパネル等を含む。
【0036】
ユーザ端末104‐lのブラウザから最初に要求を受けたとき、分析サーバ114又は122は、そのブラウザを一意に識別するための識別子を生成し、Webサーバ112又は118上のWebアプリケーションにその識別子を渡す。その後、分析サーバ114又は122は、その識別子をキーとして、そのWebブラウザに関する情報を、Webサーバ112又は118との間で共有可能で永続性のある外部リソースに保持する。Webサーバ112又は118は、分析サーバ114又は122から受け取った識別子を、ユーザ端末104‐lのブラウザに渡す。例えば、cookieを利用する場合、Webサーバ112又は118は、分析サーバ114又は122にcookieを引数として渡すことにより分析サーバ114又は122でcookieに識別子を設定できる。再度、ユーザ端末104‐lのブラウザから要求を行った場合には、分析サーバ114又は122で設定された識別子を元に外部リソースを参照し情報を取得することができる。
【0037】
(2) ユーザ端末及びWebサーバ
図2は、ユーザ端末104のハードウェア構成を示す図である。
【0038】
ユーザ端末104−lは、それぞれ、CPU302と、メモリ304と、記憶装置306と、入力部308と、送受信インターフェイス(I/F)310と、表示部312とを含む。CPU302は、記憶装置306に記憶されているプログラムをメモリ304に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。メモリ304は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)及び/又は読取り専用メモリ(ROM:read only memory)を含む。記憶装置306は、テープ・ドライブ、フロッピー(登録商標)・ドライブ、ハードディスク・ドライブ又はコンパクト・ディスク・ドライブを含む。入力部308は、データの入力を受け付ける、例えば、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等を含む。表示部312は、データを出力する、例えば、ディスプレイやスピーカ等を含む。ユーザ端末104−lは、送受信インターフェイス310を外部のプリンタ等に接続することにより、分析サーバ114からの、経口避妊薬服用スケジュールの1つ又は複数の候補スケジュールから選択された1つ又は複数の最適な経口避妊薬服用スケジュール等をプリントアウトすることができる。
【0039】
送受信インターフェイス310は、通信ネットワーク110を介してWebサーバ112にアクセスし、Webサーバ112にHTTPリクエストを送信する。また、送受信インターフェイス310は、Webサーバ112からのHTTPリクエストに対する応答に対して、表示部312上に表示されたWebブラウザ上で入力されたユーザID、パスワード等のユーザ関連情報をWebサーバ112に送信する。これにより、ユーザによる分析センタ102のサイトへのログインが完了する。
【0040】
図3は、Webサーバ112及び118のハードウェア構成を示す図である。
【0041】
Webサーバ112及び118は、それぞれ、CPU402と、メモリ404と、記憶装置406と、入力部408と、送受信インターフェイス(I/F)410と、出力部412とを含む。記憶装置406は、各種のデータやプログラムを記憶する、ハードディスク・ドライブやソリッドステート・ドライブ、フラッシュメモリ等であってもよい。CPU402は、記憶装置406に記憶されているプログラムをメモリ404に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信インターフェイス410は、通信ネットワーク110に接続するためのインターフェイスであり、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等である。入力部408は、データの入力を受け付ける、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等であってもよい。出力部412は、データを出力する、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであってもよい。
【0042】
(3) 分析サーバ
図4は、分析サーバ114及び122のハードウェア構成を示す図である。
【0043】
分析サーバ114及び122は、それぞれ、CPU502と、メモリ504と、記憶装置506と、入力部508と、出力部510と、送受信インターフェイス(I/F)512と、ユーザデータ検索部514と、ユーザデータ取得部516と、服薬スケジュール探索部518と、最適スケジュール選択部520とを含む。記憶装置506は、各種のデータやプログラムを記憶する、ハードディスク・ドライブやソリッドステート・ドライブ、フラッシュメモリ等であってもよい。CPU502は、記憶装置506に記憶されているプログラムをメモリ504に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。送受信インターフェイス512は、通信ネットワーク110に接続するためのインターフェイスであり、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム等によって実装される。入力部508は、データの入力を受け付ける、キーボードやマウス、トラックボール、タッチパネル、マイクロフォン等であっても良い。出力部510は、データを出力する、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどであっても良い。送受信I/F512は、ユーザ端末104‐lから受信したユーザの直近服薬日数と直近休薬日数と直近のユーザの月経日とユーザによって決定された1つ又は複数の回避期間とをユーザデータ取得部516に送信し、ユーザデータ取得部516は、それらのデータを服薬スケジュール探索部518に送信する。また、送受信I/F512は、最適スケジュール選択部520が選択した1又は複数の経口避妊薬最適服用スケジュールを最適スケジュール選択部520から受け取り、受け取った1又は複数の経口避妊薬最適服用スケジュールをユーザ端末104‐lに送信する。
【0044】
ユーザデータ検索部514は、データベースサーバ116又は120のユーザ情報エリアからユーザ身体特徴データ、ユーザスケジュール、ユーザ服用実績データ、及びユーザ個人情報を検索する。ユーザデータ取得部516は、送受信I/F512がユーザ端末104‐lから受信したユーザの直近服薬日数と直近休薬日数と直近のユーザの月経日と1つ又は複数の回避期間とを送受信I/F512から受信し、受信したこれらのデータをデータベースサーバ116又は120に格納するとともに、服薬スケジュール探索部518に送信する。
【0045】
服薬スケジュール探索部518は、ユーザ端末104‐lから受信した1つ又は複数の回避期間と直近服薬日数と直近休薬日数と直近のユーザの月経日とに基づいて、1つ又は複数の回避期間内での月経(消退出血を含む)の発生を防ぐために、ユーザが経口避妊薬を服用する日が連続する1つ又は複数の連続服用期間と、ユーザが経口避妊薬を服用しない日が連続する1つ又は複数の連続休薬期間の1つ又は複数の組み合わせである候補スケジュールを探索する。服薬スケジュール探索部518は、1つ又は複数の候補スケジュールを探索する際に、1つ又は複数の規則に従って、服薬又は休薬の判定対象日をスケジュール期間の前から後に1日毎にずらしながら服薬又は休薬を判定し、1つ又は複数の経口避妊薬服薬スケジュール候補シーケンスi(i=1,…,Nsch)の全てを探索する。最適スケジュール選択部520は、少なくとも1つの予め定められた基準に従って、探索された1つ又は複数の候補スケジュールの中から1つ又は複数の最適な候補スケジュールを選択する。
【0046】
(4) データベースサーバ
図5は、データベースサーバ116及び120のハードウェア構成を示す図である。
【0047】
データベースサーバ116及び120は、それぞれ、ユーザ身体特徴データ・データベース602と、ユーザスケジュールデータベース604と、ユーザ服用実績データ・データベース606と、ユーザ個人情報データベース608と、担当患者データ・データベース610と、医師個人情報データベース612と、担当ユーザデータ・データベース614と、管理者個人情報データベース616とを含む。ユーザ身体特徴データ・データベース602と、ユーザスケジュールデータベース604と、ユーザ服用実績データ・データベース606と、ユーザ個人情報データベース608は、“ユーザID”lによって索引付されるユーザ情報エリアを形成し、担当患者データ・データベース610と医師個人情報データベース612は、“医師ID”mによって索引付される医師情報エリアを形成し、担当ユーザデータ・データベース614と管理者個人情報データベース616は、“管理者ID”nで索引付される管理者情報エリアを形成する。ここで、「管理者」とは、例えば、ユーザが所属するスポーツチームや部等の監督やコーチ、専属トレーナー等である。
【0048】
ユーザ身体特徴データ・データベース602は、ユーザの身体特徴に関する情報を、“ユーザID”lと関連させた形で格納している。ユーザ服用実績データ・データベース606は、ユーザlが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す連続服薬日数と、ユーザlが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す連続休薬日数と、ユーザlの前回の月経日と、ユーザ固有のイベントの日付及び期間に基づいてユーザlによって決定された1つ又は複数の回避期間とを、暦データと関連させて格納している。ユーザの服用実績に関するデータは、“ユーザID”lと関連させた形で格納されている。ユーザ個人情報データベース608は、各“ユーザID”lについて、ユーザlの個人情報を格納している。
【0049】
担当患者データ・データベース610は、“医師ID”mと関連させて、医師mが担当するユーザの身体特徴に関する情報を格納している。医師個人情報データベース612は、医師mの個人情報を格納している。
【0050】
担当ユーザデータ・データベース614は、“管理者ID”nと関連させて、管理者nが担当するユーザの身体特徴に関する情報を格納している。管理者個人情報データベース616は、管理者mの個人情報を格納している。
【0051】
(5) 経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズム
図6は、本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0052】
分析サーバ114及び122のユーザデータ取得部516は、ユーザlによって決定された1つ又は複数の回避期間に関する情報を取得する(ステップS602)。この1つ又は複数の回避期間は、それらの1つ又は複数の回避期間内での月経を回避するために、経口避妊薬服用スケジュール設定日又はそれ以前にユーザlによって決定された期間である。
【0053】
また、ユーザデータ取得部516は、経口避妊薬服用スケジュールを設定する設定日の直近においてユーザlが連続して経口避妊薬を服用した日数を示す直近服薬日数と、その設定日の直近においてユーザが連続して経口避妊薬を服用しなかった日数を示す直近休薬日数と、その設定日の直近の月経日とを取得する(ステップS602)。この直近服薬日数とは、経口避妊薬服用スケジュールを設定する設定日の直近においてユーザlが連続して経口避妊薬を服用した日数を意味するが、2つ以上の直近服薬期間の間に1つ又は複数の許容可能な日数の直近休薬期間が存在する場合、これらの2つ以上の直近服薬期間の日数と1つ又は複数の直近休薬期間の許容可能な日数とを合計した日数を直近服薬日数として取得しても良い。例えば、具体的には、服薬した日を“○”で示し、休薬した日を“×”で示す場合、設定日までのユーザlの服薬スケジュールが、“○×○○○”で示されるときは、休薬日を服薬日として扱い、直近服薬日数を5日とする。
【0054】
ステップS602において、ユーザデータ取得部516は、1つ又は複数の回避期間に関する情報、直近服薬日数、直近休薬日数、及び直近の月経日をユーザ端末104‐lから受信しても良い。また、ユーザデータ取得部516は、ユーザデータ検索部514がデータベースサーバ116又は120のユーザ服用実績データ・データベース606を検索し、その検索結果として1つ又は複数の回避期間に関する情報、直近服薬日数、直近休薬日数、及び直近の月経日を取得しても良い。
【0055】
ユーザデータ取得部516は、取得した1つ又は複数の回避期間に関する情報、直近服薬日数、直近休薬日数、及び直近の月経日を、服薬スケジュール探索部518に送り、処理は、服薬スケジュール探索部518に引き継がれる。
【0056】
服薬スケジュール探索部518は、ユーザlが決定した1つ又は複数の回避期間に関する情報と直近服薬日数と直近休薬日数と直近の月経日とに基づいて、1つ又は複数の連続服用期間と1つ又は複数の連続休薬期間の1つ又は複数の組み合わせ(経口避妊薬服薬スケジュールの1つ又は複数の候補シーケンスi(i=1,…,Nsch)を探索する(ステップS604)。服薬スケジュール候補探索の詳細については、図7を用いて後述する。
【0057】
その後、服薬スケジュール探索部518は、直近服薬日数、直近休薬日数、及び直近の月経日に基づいて、ユーザlが決定した1つ又は複数の回避期間に対応可能か否かを判定する(ステップS606)。本実施形態においては、服薬スケジュール設定日において、直近の服薬実績のないユーザの最初の回避期間が、次回の予測月経日までdstop未満であり、且つ、当該予測月経日から6日以内の期間と重複する場合は、これらの回避期間には対応できないと判定する(ステップS606のNO)。これは、ユーザlが経口避妊薬を服用し始めてから月経を抑止する効果が生じるためには最低限所定日数の連続服薬が必要であり、服薬スケジュール設定日から回避期間まで服薬した場合であっても月経を回避することが困難であることによる。なお、本実施形態においては、dstop=5日とするが当該変数は適宜変更可能である。また、服薬スケジュール設定日から服薬した場合であっても予測月経日に月経となってしまう可能性が高いため、予測月経日以後6日まで(予測月経日を含む平均的な月経出血期間)においても対応不可と判定をする(ステップS606のNO)。
【0058】
また、本実施形態においては、ステップS604のスケジュール探索の結果、連続服薬日数が所定の連続服薬日数以上(63日以上)となるスケジュール候補しか探索されなかった場合においても対応不可と判定する(ステップS606のNO)。これは、連続服薬日数が所定日数以上続く場合の服薬によるユーザの身体への影響を考慮したことによる基準である。
【0059】
ステップS606の判定の結果、対応不可と判定した場合にはユーザlに対して1又は複数の回避期間のうちの何れかの妥協(月経回避を諦める)を促す提案を行う(ステップS608)。その後、服薬スケジュール探索部518は、ユーザ端末104‐lより何れかの回避期間について月経回避を妥協した妥協後の回避期間を取得した場合(ステップS610のYES)、ステップS604に戻り妥協後の回避期間についてのスケジュール探索を改めて行う。一方、服薬スケジュール探索部518は、ユーザ端末104‐lより妥協後の回避期間を取得しなかった場合(ステップS610のNO)、ユーザ端末104‐lに対応不可能である旨の通知を送信し(ステップS612)処理を終了する。
【0060】
ステップS606の判定の結果、ユーザlが決定した1つ又は複数の回避期間に対応可能なスケジュールが存在する場合、服薬スケジュール探索部518は、探索した1つ又は複数の候補スケジュールを、データベースサーバ116又は120のユーザ服用実績データ・データベース606に格納し、最適スケジュールの選択処理(ステップS614)へ進む。最適スケジュール選択処理の詳細については、図8を用いて後述する。その後、服薬スケジュール探索部518は、選択された最適スケジュールをユーザ端末104‐lに送信し(ステップS616)処理を終了する。
【0061】
続いて、図7を用いて図6のステップS604における服薬スケジュール候補探索処理について説明する。図7は、服薬スケジュール候補探索の一例を示す図である。本実施形態において、服薬スケジュール探索部518は、服薬又は休薬の判定対象日をスケジュール期間の前から後に1日毎にずらしながら(図示(1))服薬又は休薬を判定し、1つ又は複数の経口避妊薬服薬スケジュール候補シーケンスi(i=1,…,Nsch)の全てを探索する。この探索にあたり、服薬スケジュール探索部518は、下記(a)乃至(d)のいくつかの規則を適用することができる。この規則を適用することにより、服薬又は休薬を確定できる日が設けられ、各服薬又は休薬の判定対象日における服薬又は休薬の場合分けを減らすことができるためスケジュール探索の負荷を軽減することができる。
【0062】
消退出血を生じさせるための経口避妊薬の最低限の服用日数を表す最短連続服用日数をdmin、連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、かつ、終了させるために必要な標準連続休薬日数をRとすると、服薬スケジュール探索部518は、
(a) 服薬又は休薬の判定対象日の前日が服薬日であり、且つ、その判定対象日までの連続服薬日数が{dmin−1}以下である(図7の(A)ハッチング部分)、
(b) その判定対象日までの服薬日数が{dmin−1}以上であり、その判定対象日に最も近い回避期間の最初の日がその判定対象日から{R−1}日以内にある(図7の(B)ハッチング部分)、
(c) その判定対象日が回避期間に属している(図7の(C)ハッチング部分)、
のいずれかの場合には、その判定対象日は、ユーザlは必ず経口避妊薬を服用することとなる、すなわち、服薬スケジュール探索部518は、その判定対象日を服用日に設定する。(a)は、連続服薬期間後に確実に消退出血を生じさせるための条件であり、(b)は、最も近い回避期間の前に消退出血を早めることができないため、服薬期間となる(服薬を継続する)条件であり、(c)は、回避期間における月経(消退出血も含む)を確実に回避するための条件である。
【0063】
また、服薬スケジュール探索部518は、
(d) 判定対象日前日が休薬日であり、且つ、判定対象日までの休薬日数がR未満(図7の(D)ハッチング部分)
の場合には、ユーザlは必ず休薬することとなる、すなわち、服薬スケジュール探索部518は、その判定対象日を休薬日に設定する。(d)は、連続休薬期間中に消退出血を生じさせ、かつ、終了させるための条件である。本実施形態においては、標準連続休薬日数R=7、最短連続服用日数dmin=14とする。
【0064】
なお、スケジュール候補の探索にあたっての規則は上記(a)乃至(d)に限定されず、各服薬又は休薬の判定日における服薬又は休薬の場合分けを減らすための規則を追加しても良い。
【0065】
続いて、図8を用いて図6のステップS614における最適スケジュール選択処理について説明する。図8は、1つ又は複数の最適な服薬スケジュールの選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
最適スケジュール選択部520は、候補スケジュールのインデックスi(i=1,…,Nsch)をi=1に設定する(ステップS802)。次に、特定の候補スケジュールiに含まれる1つ又は複数の連続服用期間のうちのj(j=1,…,Nterm(i))番目のものの日数をd(i,j)、標準連続服薬日数をRとすると、最適スケジュール選択部520は、各候補シーケンスiについて、
で表される距離関数D(i)を算出する(ステップS804)。次に、特定の候補スケジュールiに含まれる1つ又は複数の連続服用期間jの日数d(i,j)の平均をμ(i)、分散を{σ(i)}とすると、最適スケジュール選択部520は、各候補シーケンスiについて、分散
を算出する(ステップS806)。次に、最適スケジュール選択部520は、候補スケジュールのインデックスiがNschよりも小さいか否かを判定する(ステップS808)。ステップS808の判定の結果、候補スケジュールのインデックスiがNschよりも小さい場合には(ステップS808のYES)、最適スケジュール選択部520は、i←i+1の処理(変数“i”に“i+1”の値を代入する処理を意味する。以下同じ。)を行い(ステップS810)、処理は、ステップS804に戻る。一方、ステップS808の判定の結果、候補スケジュールのインデックスiがNsch以上である場合には(ステップS808のNO)、最適スケジュール選択部520は、距離関数D(i)の値の小さいほうから、1つ又は複数の候補スケジュールのうちの1つ又は複数の最適なスケジュールを選択する(ステップS812)。これにより、各連続服用期間の日数と通常の服薬サイクルである標準連続服薬日数Rとの絶対値差の平均値がより小さいスケジュールを最適なものとして選択できる。次に、最適スケジュール選択部520は、距離関数D(i)の値に基づいて選択した1つ又は複数の最適なスケジュールのうち、分散{σ(i)}の値の小さいほうから1つ又は複数の最終候補スケジュールを選択する(ステップS814)。これにより、各連続服用期間同士のバラつきの少ないスケジュールを最適なものとして選択できる。
【0067】
以上のように、本実施形態における最適なスケジュール候補は、各服薬期間の日数が標準連続服薬日数Rからずれないことを第1の基準とし、各連続服用期間の長さがなるべくばらつかないことを第2の基準として選択される。この際、連続服用期間を1日伸ばすことと1日短くすることは同じ(どちらもずれが1と判断)として扱う。
【0068】
なお、本実施形態においては、第1の基準による選択の結果、距離関数D(i)の値が等しい場合は、分散{σ(i)}の値をより小さくするような最終スケジュール候補を選択するが、これに限らず、例えば、第1の基準のみを適用し距離関数D(i)の値が等しい複数のスケジュール候補全てを最終候補として選択するように構成しても良い。
【0069】
次に、最適スケジュール選択部520は、最終候補スケジュールとして選択した1つ又は複数の服薬スケジュールと、それらの最終候補スケジュールに対応する距離関数D(i)及び分散{σ(i)}をデータベースサーバ116又は120のユーザ服用実績データ・データベース606に格納し(ステップS816)、最適スケジュール選択処理を終了する。
【0070】
続いて、図9乃至図12を用いて本実施形態に従ったスケジューリング結果について説明をする。図9は、回避期間の前に消退出血を早める結果となった服用スケジュール例を示している。図中、日付の下の“○”は服薬日(服薬予定日)、“×”は休薬日(休薬予定日)、“−”は回避日を表すものとする。なお、回避日には服薬日であることを示す“○”を記載していないが、回避日は服薬日とする。
【0071】
図示のとおり3月5日から3月15日の回避期間の前に、2月27日から3月4日までの標準連続休薬日数Rの連続休薬期間が設定され、消退出血を早める結果となった服薬スケジュール例となっている。
【0072】
図10は、回避期間の後に消退出血を遅らせる結果となった服用スケジュールを示している。図示のとおり2月26日から2月29日の回避期間の後に、3月3日から3月9日まで連続休薬期間が設定されており、回避期間の後に消退出血を遅らせる結果となった服用スケジュールとなっている。なお、回避期間の直後(3月1日)に休薬を開始するスケジュールでも問題はないが、最適スケジュール選択処理により連続服薬期間と標準連続服薬日数Rとの絶対値差の小さいスケジュールが選択された結果、3月1日及び3月2日を服薬日とし連続服薬期間を21日とするスケジュールとなっている。
【0073】
図11は、複数回の回避期間があり、これを連続して回避する服薬スケジュールを示している。
【0074】
図示のとおり3月5日から3月12日までの第1の回避期間と、3月18日から4月5日までの第2の回避期間とがあり、第1の回避期間の前に消退出血を早め、第2の回避期間の後に消退出血を遅らせる結果となった服用スケジュールとなっている。ここで、この例においては、第1の回避期間と第2の回避期間との間の日数は、5日であり標準連続休薬日数R=7日より小さいため、これらの2つの回避期間の間には連続休薬期間を設定することができない。従って、2つの回避期間は、同じ連続服用期間に属することとなり、連続服用期間の日数は32日となっている。
【0075】
図12は、複数回の回避期間があり、これを連続して回避する服用スケジュールの他の例を示している。図示のとおり3月7日から3月17日までの第1の回避期間と、3月25日から4月25日までの第2の回避期間とがあり、第1の回避期間と第2の回避期間との間に連続休薬期間が設定されたスケジュールとなっている。そして、連続服薬期間は、2月12日から2月25日までの14日間、3月4日から3月17日までの14日間、3月25日から4月25日までの32日間となっている。ここで、第1の回避期間と第2の回避期間との間に連続休薬期間が設けないスケジュールでも問題はないが、最適スケジュール選択処理により連続服薬期間と標準連続服薬日数Rとの絶対値差の小さいスケジュールが選択された結果、第1の回避期間と第2の回避期間との間に連続休薬期間が設定されたスケジュールとなっている。
【0076】
以上のように、本実施形態では最適スケジュール選択処理により選択された連続服薬期間の日数と標準連続服薬日数との絶対値差の平均値が小さいスケジュール(かつ、各連続服用期間同士のバラつきの少ないスケジュール)であり、1つ又は複数の回避期間に対し月経が前置される場合/後置される場合とが適切に組合わされたスケジュールを、ユーザに対して提示可能である。
【0077】
(6) 表示例
図13は、本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングアルゴリズムの計算結果の表示例を示す図である。
【0078】
図14に示されているように、ユーザlは、ユーザ端末104‐lに、前回の月経日を12月4日、平均月経周期を28日、回避期間を1月12日、1月29日から2月4日、及び2月8日及び2月9日、として初期画面に入力する。ユーザlの入力に応答して、分析サーバ114又は122は、服薬スケジュールのカレンダー表示をユーザ端末104‐lに返送する。カレンダー表示では、連続休薬期間が枠付きの日程で示され、連続服用期間が枠付きのグレーの日程で示され、回避期間が丸で囲まれた日程で示されている。表示された服薬スケジュールでは、月経3日目から経口避妊薬の服用を開始して、その後、14日間服用し、1月12日の試合を回避することが示されている。その後、表示された服薬スケジュールでは、7日間休薬して消退出血を生じさせ、1月24日から21日間服薬し、1月29日から2月4日までの合宿と2月8日及び2月9日の試合を回避することが示されている。
【0079】
図14は、本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングシステムのユーザ端末における画面表示例を示す図である。
【0080】
本実施形態に従った経口避妊薬服用スケジューリングシステムは、ユーザlがユーザ端末104‐lに経口避妊薬の服用実績を入力すると、予定と実績を表示し、服用予定日に連続して2日以上の服用がない場合には、服用タイミングを更新するように構成されている。また、経口避妊薬服用スケジューリングシステムは、服用実績と体調を登録しておき、副作用の可能性がある場合は、医師の受診を奨めるメッセージをユーザ端末104‐lに表示するように構成される。さらに、経口避妊薬服用スケジューリングシステムは、ユーザ端末104‐lの表示画面に、服用実績の入力を毎日プッシュ通知で警告するように構成される。
【0081】
本発明に従った上記の方法の各ステップは、CPUとメモリとを備えた、コンピュータやワークステーション等の端末装置によって行われてもよい。上記の実施形態においては、ユーザlのユーザ端末104‐lへの入力に応答して分析サーバ114及び122において計算が行われるものとして説明されているが、ユーザlが分析サーバ114及び122から経口避妊薬服用スケジューリングプログラムをダウンロードしておき、ユーザ端末104‐lにおいて計算が行われるように構成することも可能である。
【0082】
本発明の実施形態においては、上記の方法を実行するのに用いられるソフトウェアプログラムが、デジタル・データ・ストレージ媒体等のプログラム・ストレージ・デバイスに格納されていてもよく、これらのプログラム・ストレージ・デバイスは、機械読取り可能、又はコンピュータ読取り可能であり、また、これらのコンピュータ又は機械は、プログラム命令を機械実行可能プログラム、又はコンピュータ実行可能プログラムとしてエンコードし、エンコードされたプログラム命令は、本発明の方法のステップのうちの一部又は全部を実行する。プログラム・ストレージ・デバイスは、例えば、デジタル・メモリ、磁気ディスク及び磁気テープ等の磁気ストレージ媒体、ハード・ドライブ、又は光学的読取り可能デジタル・データ・ストレージ媒体とすることができる。
【0083】
本発明は、ソフトウェア、及び/又はソフトウェアとハードウェアの組合せで、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:field programmable gate array)と、汎用コンピュータ、又は他の任意のハードウェア等価物を使用して実装されてもよい。
【0084】
上記の説明は、単に、本発明の特定の実施形態の開示を提供しているにすぎず、本発明を上記の実施形態のみに限定するように意図されてはいない。従って、本発明は、上記で説明された実施形態だけに限定されるものではなく、むしろ、当業者が本発明の範囲内に含まれる代替の実施形態を考案し得ることが認識される。
【符号の説明】
【0085】
100: スケジューリングシステム
102: 分析センタ
104: ユーザ端末
106: 医療機関
108: 管理者端末
110: 通信ネットワーク
112: Webサーバ
114: 分析サーバ

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