(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力供給コントローラは、前記第1系統の電源と前記第2系統の電源とを切り替える場合、所定時間だけ前記第1系統の電源のVBUS経路と前記第2系統の電源のVBUS経路の両方を導通させることを特徴とする請求項1に記載の電力供給装置。
前記電力供給コントローラは、前記第1系統の電源から前記第2系統の電源のいずれかに切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第1の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
前記電力供給コントローラは、前記第2系統の電源のいずれかから前記第1系統の電源に切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第2の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
前記電力供給コントローラは、前記第2系統の電源に含まれる特定の電源から他の特定の電源に切り替える場合、前記特定の電源から前記第1系統の電源に切り替えた後、前記第1系統の電源から前記他の特定の電源に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の電力供給装置。
前記電力供給コントローラは、前記第1電界効果トランジスタがオフ状態、前記第2電界効果トランジスタがオン状態、前記第3電界効果トランジスタがオフ状態、前記第4電界効果トランジスタがオン状態であるタイミングにおいて、前記マルチプレクサの信号をイネーブル状態にすることを特徴とする請求項6に記載の電力供給装置。
第1系統の電源と、2つ以上の電源が含まれる第2系統の電源と、前記第1系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第1の出力スイッチと、前記第2系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第2の出力スイッチと、前記第2系統の電源のいずれかを前記VBUS経路に接続するマルチプレクサと、前記VBUS経路のVBUS電圧を監視しながら、前記VBUS電圧に基づいて、前記第1の出力スイッチ、前記第2の出力スイッチ、及び前記マルチプレクサの信号を制御する電力供給コントローラとを備える電力供給装置に用いられる電力供給コントローラであって、
前記VBUS経路のVBUS電圧を監視する監視部と、
前記監視部により監視されたVBUS電圧に基づいて、前記第1の出力スイッチ、前記第2の出力スイッチ、及び前記マルチプレクサの信号を制御する制御部と
を備えることを特徴とする電力供給コントローラ。
前記制御部は、前記第1系統の電源と前記第2系統の電源とを切り替える場合、所定時間だけ前記第1系統の電源のVBUS経路と前記第2系統の電源のVBUS経路の両方を導通させることを特徴とする請求項10に記載の電力供給コントローラ。
前記制御部は、前記第1系統の電源から前記第2系統の電源のいずれかに切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第1の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項11に記載の電力供給コントローラ。
前記制御部は、前記第2系統の電源のいずれかから前記第1系統の電源に切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第2の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項11に記載の電力供給コントローラ。
前記制御部は、前記第2系統の電源に含まれる特定の電源から他の特定の電源に切り替える場合、前記特定の電源から前記第1系統の電源に切り替えた後、前記第1系統の電源から前記他の特定の電源に切り替えることを特徴とする請求項11に記載の電力供給コントローラ。
第1系統の電源と、2つ以上の電源が含まれる第2系統の電源と、前記第1系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第1の出力スイッチと、前記第2系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第2の出力スイッチと、前記第2系統の電源のいずれかを前記VBUS経路に接続するマルチプレクサと、前記VBUS経路のVBUS電圧を監視しながら、前記VBUS電圧に基づいて、前記第1の出力スイッチ、前記第2の出力スイッチ、及び前記マルチプレクサの信号を制御する電力供給コントローラとを備える電力供給装置が電力を供給する電力供給方法であって、
前記VBUS経路のVBUS電圧を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにおいて監視されたVBUS電圧に基づいて、前記第1の出力スイッチ、前記第2の出力スイッチ、及び前記マルチプレクサの信号を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする電力供給方法。
前記制御ステップでは、前記第1系統の電源と前記第2系統の電源とを切り替える場合、所定時間だけ前記第1系統の電源のVBUS経路と前記第2系統の電源のVBUS経路の両方を導通させることを特徴とする請求項16に記載の電力供給方法。
前記制御ステップでは、前記第1系統の電源から前記第2系統の電源のいずれかに切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第1の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項17に記載の電力供給方法。
前記制御ステップでは、前記第2系統の電源のいずれかから前記第1系統の電源に切り替える場合、前記VBUS電圧が無い時に前記第2の出力スイッチをオフしないように制御することを特徴とする請求項17に記載の電力供給方法。
前記制御ステップでは、前記第2系統の電源に含まれる特定の電源から他の特定の電源に切り替える場合、前記特定の電源から前記第1系統の電源に切り替えた後、前記第1系統の電源から前記他の特定の電源に切り替えることを特徴とする請求項17に記載の電力供給方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0017】
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0018】
[基本技術]
基本技術に係る電力供給装置4は、
図1に示すように、第1系統の電源(基準電源51)と、第2系統の電源(第1電源52,第2電源53)と、第1の出力スイッチS1と、第2の出力スイッチS2と、マルチプレクサ70と、電力供給コントローラ60とを備える。以下、基準電源51は例えば、5V電源、第1電源52は例えば、12V電源、第2電源53は例えば、20V電源を適用可能である。以下に説明するように、第1系統の電源と第2系統の電源のDC電圧を切り替えてチャージャ80に電力を供給するようになっている。
【0019】
第1系統の電源(基準電源51)とチャージャ80との間にVBUSのパワーラインを導通又は遮断する第1の出力スイッチS1が設けられている。第1の出力スイッチS1は、例えば、2個の直列接続されたnチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)Q11,Q12である。MOSFETQ11,Q12のゲートは、信号線S1G1,S1G2を介して電力供給コントローラ60に接続されている。
【0020】
第2系統の電源(第1電源52,第2電源53)とチャージャ80との間にVBUSのパワーラインを導通又は遮断する第2の出力スイッチS2が設けられている。第2の出力スイッチS2は、例えば、2個の直列接続されたnチャネルMOSFETQ13,Q14である。MOSFETQ13,Q14のゲートは、信号線S2G1,S2G2を介して電力供給コントローラ60に接続されている。
【0021】
マルチプレクサ70は、信号線D0,D1,D2を介して電力供給コントローラ60に接続されている。信号線D0,D1,D2の制御信号に基づいて第2系統の電源の切り替えを判定し、VBUSのパワーライン(以下、「VBUS経路」という。)に接続する。マルチプレクサ70の信号ENがイネーブル状態“H”の場合は機能し、ディセーブル状態“L”の場合は機能しないようになっている。
【0022】
チャージャ80は、電力を充電するバッテリー充電器等である。
【0023】
電力供給コントローラ60は、USB−Type−CコネクタでUSBPD(USB Power Delivery)を実現するICであり、USB−Type−C対応機器間で最大100W(20V/5A)までの受給電を可能にする。ノートPCやTVなどの大きな電力を必要とする機器でさえも、USB端子からの給電による駆動が可能になる。
【0024】
[比較例]
(電力供給装置)
図2は、比較例に係る電力供給装置400の模式的回路ブロック構成図を示す。ここでは図示を省略しているが、比較例に係る電力供給装置400も、USB−Type−CコネクタでUSBPDを実現する電力供給コントローラを備える。また、MOSFETQ11,Q12,Q13,Q14はスイッチの記号で表している。スイッチをオフ状態にすると、ダイオードの順方向電圧分の電圧がドロップするため、スイッチがオフ状態である場合はダイオードの記号で表している。マルチプレクサが第2系統の電源を切り替える点も、基本技術で説明した通りである。このような電力供給装置400によると、USB−Type−C規格に対応した通信を行うため、DC電圧の切り替え時にマルチプレクサの信号ENがディセーブル状態“L”になり、電力が供給されないタイミングが発生する。
【0025】
(電力供給方法)
図3は、比較例に係る電力供給装置400において基準電源51から第1電源52に切り替える場合の電力供給方法を示すタイミングチャートである。
図4は、
図3に示されるVBUS電圧の変化を示すグラフである。
図5は、
図3に示される時間T1における電力供給装置400の状態を示し、
図6は、
図3に示される時間T2における電力供給装置400の状態を示し、
図7は、
図3に示される時間T3における電力供給装置400の状態を示している。
【0026】
まず、電力供給コントローラは、
図3に示すように、時間t0になると、信号線S1G1,S1G2の制御信号をそれぞれオン状態にし、信号線S2G1,S2G2の制御信号をそれぞれオフ状態にし、マルチプレクサの信号ENをディセーブル状態“L”にする。このとき、
図5に示すように、MOSFETQ11はオン状態、MOSFETQ12はオン状態、MOSFETQ13はオフ状態、MOSFETQ14はオフ状態となる。これにより、基準電源51がチャージャ80と導通することになるため、
図4に示すように、VBUS電圧は5Vとなる(時間T1参照)。
【0027】
次いで、電力供給コントローラは、
図3に示すように、時間t1になると、信号線S1G1の制御信号をオン状態からオフ状態に切り替え、時間t2になると、信号線S2G2の制御信号をオフ状態からオン状態に切り替える。このとき、
図6に示すように、MOSFETQ11はオフ状態、MOSFETQ12はオン状態、MOSFETQ13はオフ状態、MOSFETQ14はオン状態となるが、マルチプレクサの信号ENはディセーブル状態“L”のままである。これにより、
図4に示すように、VBUS電圧は5Vから降下する(時間T2参照)。
【0028】
次いで、電力供給コントローラは、
図3に示すように、時間t3になると、信号線S1G2の制御信号をオン状態からオフ状態に切り替える。このとき、
図7に示すように、MOSFETQ11はオフ状態、MOSFETQ12はオフ状態、MOSFETQ13はオフ状態、MOSFETQ14はオン状態となるが、マルチプレクサの信号ENはディセーブル状態“L”のままである。これにより、
図4に示すように、VBUS電圧は更に降下する(時間T3参照)。
【0029】
このとき、電力供給コントローラは、VBUS電圧が所定値(例えば3.42V)を下回ったことを検出すると、ハードリセットを掛けるようになっている。具体的には、時間t4になると、信号線S2G1の制御信号をオフ状態からオン状態からオン状態に切り替え、マルチプレクサの信号ENをイネーブル状態“H”にする。これにより、マルチプレクサにより切り替えられた第1電源52(又は第2電源53)がチャージャ80と導通することになるため、
図4に示すように、時間t4以降のVBUS電圧は12V(又は20V)まで上昇する。
【0030】
以上のように、比較例に係る電力供給装置400によると、USB−Type−C規格に対応した通信を行うため、DC電圧の切り替え時にマルチプレクサの信号ENが“L”状態になり、電力が供給されないタイミングが発生する。具体的には、
図7に示されるタイミングでマルチプレクサの信号ENがイネーブル状態“H”でない場合、VBUS電圧に0Vが印加されるという問題があった(
図4の時間t4参照)。
【0031】
[第1の実施の形態]
(電力供給装置)
第1の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図8に示すように、第1系統の電源(基準電源51)と、第2系統の電源(第1電源52,第2電源53)と、第1系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第1の出力スイッチS1と、第2系統の電源のVBUS経路を導通又は遮断する第2の出力スイッチS2と、第2系統の電源のいずれかをVBUS経路に接続するマルチプレクサ70と、VBUS経路のVBUS電圧を監視しながら、VBUS電圧に基づいて、第1の出力スイッチS1、第2の出力スイッチS2、及びマルチプレクサ70の信号ENを制御する電力供給コントローラ60とを備える。
【0032】
具体的には、電力供給コントローラ60は、基準電源51と第1電源52又は第2電源53とを切り替える場合、所定時間だけ基準電源51のVBUS経路と第1電源52又は第2電源53のVBUS経路の両方を導通させる。
【0033】
また、電力供給コントローラ60は、基準電源51から第1電源52又は第2電源53に切り替える場合、VBUS電圧が無い時に第1の出力スイッチS1をオフしないように制御してもよい。
【0034】
また、電力供給コントローラ60は、第1電源52又は第2電源53から基準電源51に切り替える場合、VBUS電圧が無い時に第2の出力スイッチS2をオフしないように制御してもよい。
【0035】
また、電力供給コントローラ60は、第1電源52(又は第2電源53)から第2電源53(又は第1電源52)に切り替える場合、第1電源52(又は第2電源)から基準電源51に切り替えた後、基準電源51から第2電源53(又は第1電源52)に切り替えてもよい。
【0036】
また、第1の出力スイッチS1は、第1MOSFETQ11と、その下流側に直列接続された第2MOSFETQ12とを有し、第2の出力スイッチS2は、第3MOSFETQ13と、その下流側に直列接続された第4MOSFETQ14とを有してもよい。
【0037】
また、電力供給コントローラ60は、第1MOSFETQ11がオフ状態、第2MOSFETQ12がオン状態、第3MOSFETQ13がオフ状態、第4MOSFETQ14がオン状態であるタイミングにおいて、マルチプレクサ70の信号ENをイネーブル状態“H”にしてもよい。
【0038】
また、電力供給コントローラ60は、電圧を昇圧するチャージポンプCP1,CP2を備え、チャージポンプCP1,CP2用のフィードバック線として、第1MOSFETQ11と第2MOSFETQ12との間に接続されたフィードバック線S1_SRCと、第3MOSFETQ13と第4MOSFETQ14との間に接続されたフィードバック線S2_SRCとを備えてもよい。
【0039】
また、電力供給コントローラ60は、USB−Type−C規格及びUSBPD規格に対応していてもよい。
【0040】
また、電力供給コントローラ60は、VBUS経路のVBUS電圧を監視する監視部61と、監視部61により監視されたVBUS電圧に基づいて、第1の出力スイッチS1、第2の出力スイッチS2、及びマルチプレクサ70の信号ENを制御する制御部62とを備えてもよい。
【0041】
(電力供給方法)
図9は、第1の実施の形態に係る電力供給装置4において基準電源51から第1電源52に切り替える場合の電力供給方法を示すタイミングチャートである。
図10は、
図9に示されるVBUS電圧の変化を示すグラフである。
図11は、
図9に示される時間T1における電力供給装置4の状態を示し、
図12は、
図9に示される時間T2における電力供給装置4の状態を示し、
図13は、
図9に示される時間T4における電力供給装置4の状態を示し、
図14は、
図9に示される時間T5における電力供給装置4の状態を示している。
【0042】
まず、電力供給コントローラ60は、
図9に示すように、時間t0になると、信号線S1G1,S1G2の制御信号をそれぞれオン状態にし、信号線S2G1,S2G2の制御信号をそれぞれオフ状態にし、マルチプレクサ70の信号ENをディセーブル状態“L”にする。このとき、
図11に示すように、第1MOSFETQ11はオン状態、第2MOSFETQ12はオン状態、第3MOSFETQ13はオフ状態、第4MOSFETQ14はオフ状態となる。これにより、基準電源51がチャージャ80と導通することになるため、
図10に示すように、VBUS電圧は5Vとなる(時間T1参照)。
【0043】
次いで、電力供給コントローラ60は、
図9に示すように、時間t1になると、信号線S1G1の制御信号をオン状態からオフ状態に切り替え、時間t2になると、信号線S2G2の制御信号をオフ状態からオン状態に切り替える。このとき、
図12に示すように、第1MOSFETQ11はオフ状態、第2MOSFETQ12はオン状態、第3MOSFETQ13はオフ状態、第4MOSFETQ14はオン状態となるが、マルチプレクサ70の信号ENはディセーブル状態“L”のままである。これにより、
図10に示すように、VBUS電圧は5Vから降下する(時間T2参照)。
【0044】
ここで、電力供給コントローラ60は、
図9に示すように、VBUS電圧が5V−Vfになると(時間t3)、マルチプレクサ70の信号をイネーブル状態“H”に切り替える。Vfは、ダイオードのドロップ分の電圧である。このとき、
図13に示すように、第1MOSFETQ11はオフ状態、第2MOSFETQ12はオン状態、第3MOSFETQ13はオフ状態、第4MOSFETQ14はオン状態である。これにより、基準電源51と第1電源52(又は第2電源53)の両方がチャージャ80と導通することになるため、
図10に示すように、VBUS電圧は上昇する(時間T4参照)。
【0045】
次いで、電力供給コントローラ60は、
図9に示すように、VBUS電圧が12V(又は20V)−Vfになると(時間t4)、信号線S1G2の制御信号をオン状態からオフ状態に切り替える。このとき、
図14に示すように、第1MOSFETQ11はオフ状態、第2MOSFETQ12はオフ状態、第3MOSFETQ13はオフ状態、第4MOSFETQ14はオン状態となる。これにより、
図10に示すように、VBUS電圧は12V(又は20V)−Vfで一定となる(時間T5参照)。
【0046】
最後に、電力供給コントローラ60は、
図9に示すように、時間t5になると、信号線S2G1の制御信号をオフ状態からオン状態に切り替える。このとき、第1MOSFETQ11はオフ状態、第2MOSFETQ12はオフ状態、第3MOSFETQ13はオン状態、第4MOSFETQ14はオン状態となる。これにより、
図10に示すように、時間t5以降のVBUS電圧は12V(又は20V)まで上昇する。
【0047】
以上のように、第1の実施の形態に係る電力供給装置4では、VBUS電圧を監視しながら、VBUS電圧が無い時に基準電源51の出力スイッチ(第1の出力スイッチS1)をOFFしないようにしている。すなわち、一瞬(時間T4)だけ、基準電源51のVBUS経路を導通させたまま、第1電源52(又は第2電源53)のVBUS経路も導通させるようにしている。このようにすれば、充電電流・電圧の切り替え時に電力が供給されないタイミングが発生することを防止することができるため、ハードリセットを掛けずに電圧を切り替えることが可能である。その結果、VBUS電圧の降下を防ぎ、コールドプラグの検出をしなくなる効果がある。
【0048】
なお、ここでは、基準電源51から第1電源52に切り替える場合について例示したが、その他の切り替え動作も同様である。例えば、第1電源52から第2電源53に切り替える場合は、上記と同様の手順で第1電源52から基準電源51に切り替えた後、基準電源51から第2電源53に切り替えればよい。必ずVBUS電圧が3.42Vを下回らなければ、異常状態にならず相互に電圧を切り替えることが可能である。
【0049】
また、ここでは、第1の出力スイッチS1(第2の出力スイッチS2)として、2個の直列接続されたMOSFETQ11,Q12(Q13,Q14)を例示したが、スイッチの構造はこれに限定されるものではない。もちろん、このように2個のMOSFETQ11,Q12が直列接続された構造によれば、より確実にVBUS経路を遮断することができるため、安全性を重視する場合には特に有用である。
【0050】
(MOSスイッチ)
第1の実施の形態に係る電力供給装置4に適用可能な第1の出力スイッチS1及び第2の出力スイッチS2の模式的回路ブロック構成例は、
図15に示すように、2個の直列接続されたMOSFETQ11,Q12(Q13,Q14)を備える。2個の直列接続されたMOSFETQ11,Q12(Q13,Q14)のゲートは2次側コントローラ16に接続され、2次側コントローラ16によってオン/オフ制御される。
【0051】
2次側コントローラ16は、通信部42、ロジック回路44、ドライバ46、比較回路48等を備える。通信部42は、通信ピンCOM,AC結合キャパシタC
Cを介して出力(VBUS)に接続されていている。スイッチSW3は、ディスチャージ端子DIS,抵抗R11を介してフィルタ回路(LF・CF)に接続され、スイッチSW3をオンすることで、VBUSラインおよびキャパシタCFに蓄積された電荷を放電することができる。VBUS電圧と基準電圧V
THを比較回路48で比較し、その比較結果がロジック回路44に入力される。ロジック回路44は、比較回路48や通信部42等からの信号に基づいてドライバ46やエラーアンプ(EA)等を制御する。ドライバ46は、出力端子OUT1,OUT2,OUT3,OUT4を介してMOSFETQ11,Q12,Q13,Q14を駆動し、また、イネーブル端子ENを介して第1電源52や第2電源53にスイッチを切り替えることが可能となっている。
【0052】
2次側コントローラ16は、電力供給コントローラ60と同様の機能部を備え、充電電流・電圧の切り替え時に電力が供給されないタイミングが発生することを防止してもよい。
【0053】
また、2次側コントローラ16は、AC結合キャパシタC
Cを介して出力(VBUS)に接続されている。
【0054】
第1の実施の形態に係る電力供給装置においては、電力線出力(VBUS)に外部からAC信号が重畳されて入力される。
【0055】
第1の実施の形態に係る電力供給装置においては、電力線出力(VBUS)からAC結合キャパシタC
Cを介して制御入力信号が2次側コントローラ16に入力され、出力側の電力情報は、エラーアンプEAを介して、1次側にフィードバックされる。
【0056】
また、第1の実施の形態に係る電力供給装置においては、電力線出力(VBUS)からAC結合キャパシタC
Cを介して入力される制御入力信号をUSB−PD通信に使用することも可能である。このため、出力に接続される負荷(例えば、スマートホン、ラップトップPC、タブレットPCなど)に応じて、出力電圧と出力電流との関係に可変機能を有する。以下に説明する第2〜第5の実施の形態においても同様である。
【0057】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aは、
図16に示すように、入力・出力間に配置され、トランス15・ダイオードD1・キャパシタC1およびトランス15の1次側インダクタンスL1に接地電位との間に直列接続されるMOSFETQ1および抵抗RSから構成されるDC/DCコンバータ13と、MOSFETQ1を制御する1次側コントローラ30と、入力と1次側コントローラ30間に接続され、1次側コントローラ30に電源を供給する電源供給回路10と、出力に接続され、出力電圧V
oと出力電流I
oを制御可能な2次側コントローラ16と、DC/DCコンバータ13の出力と2次側コントローラ16に接続された誤差補償用のエラーアンプ21と、エラーアンプ21に接続され、出力情報を1次側コントローラ30にフィードバックする絶縁回路20とを備える。
【0058】
また、2次側コントローラ16は、
図15と同様に、AC結合キャパシタC
C(図示省略)を介して出力(VBUS)に接続されていても良い。
【0059】
また、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aは、
図16に示すように、DC/DCコンバータ13の出力と電力線出力(VBUS)を遮断するスイッチSWと、スイッチSWと電力線出力(VBUS)との間に配置されたフィルタ回路(LF・CF)を備える。このスイッチSWは、2次側コントローラ16によって、オン/オフ制御可能である。ここで、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいて、スイッチSWの構成としては、第1の実施の形態に係る電力供給装置4におけるMOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成を適用可能である。すなわち、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、MOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成と同様の構成を、スイッチSWで簡易化して表している。
【0060】
第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電力線出力(VBUS)に外部からAC信号が重畳されて入力される。
【0061】
第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電力線出力(VBUS)からAC結合キャパシタC
C(図示省略)を介して制御入力信号が2次側コントローラ16に入力され、出力側の電力情報は、エラーアンプ18および絶縁回路20を介して、1次側コントローラ30にフィードバックされる。1次側コントローラ30は、MOSFETQ1のON/OFFを制御し、出力電圧を安定化可能である。
【0062】
また、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、出力(VBUS)からAC結合キャパシタC
Cを介して入力される制御入力信号を第1の実施の形態(
図15)と同様にUSB−PD通信に使用することも可能である。
【0063】
また、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電流センス用の抵抗RSにより、1次側インダクタンスL1に導通する電流量を検出し、1次側コントローラ30において、1次側過電流などの電流量を制御している。結果として、第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、出力電圧値および出力電流値MAX可変機能を有する。
【0064】
第2の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、2次側コントローラ16から1次側コントローラ30へのフィードバック制御によって、降圧型DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)可変機能を有する。このため、出力に接続される負荷(例えば、スマートホン、ラップトップPC、タブレットPCなど)に応じて、出力電圧V
oと出力電流I
oとの関係に可変機能を有する。
【0065】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図17に示すように、入力と出力との間に配置されたDC/DCコンバータ13と、DC/DCコンバータ13の入力電流を制御する1次側コントローラ30と、制御入力に結合され、制御入力の制御入力信号を受信し、1次側コントローラ30にフィードバックする2次側コントローラ16とを備える。ここで、制御入力の制御入力信号は、2次側コントローラ16の通信ピンCOMに入力される。また、1次側コントローラ30は、2次側コントローラ16からフィードバックされた制御入力信号に基づいて、入力電流を制御することによって、DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)を可変にする。また、電力線出力(VBUS)と接地電位間には、出力キャパシタC
Oが接続されている。
【0066】
また、
図17に示すように、制御端子CTを備え、制御入力は、制御端子CTに結合されていても良い。また、制御端子CTを介して、外部機器には、第3の実施の形態に係る電力供給装置4の制御出力信号が出力可能である。
【0067】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、制御入力に結合されるAC結合キャパシタC
C(図示省略)を備え、2次側コントローラ16はAC結合キャパシタC
Cを介して制御端子CTに接続されていても良い。
【0068】
また、制御端子CTは、2次側コントローラ16に直接接続されていても良い。すなわち、2次側コントローラ16には制御入力の制御入力信号をAC結合キャパシタC
Cを介さず、直接入力しても良い。
【0069】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図17に示すように、2次側コントローラ16に接続され、制御入力信号を1次側コントローラ30にフィードバックする絶縁回路20を備えていても良い。絶縁回路20には、キャパシタ、フォトカプラ、トランスなどを適用可能である。また、用途に応じて、絶縁ドライバ付き双方向トランス、双方向素子などを適用しても良い。
【0070】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図17に示すように、2次側コントローラ16に接続され、制御入力信号を絶縁回路20にフィードバックする誤差補償用のエラーアンプ21を備えていても良い。エラーアンプ21は、2次側コントローラ16によって制御され、絶縁回路20にフィードバックする制御入力信号の誤差補償を実施可能である。
【0071】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図17に示すように、DC/DCコンバータ13の出力に接続され、DC/DCコンバータ13の出力電圧を遮断するスイッチSWを備えていても良い。このスイッチSWにより、DC/DCコンバータ13の出力と電力線出力(VBUS)を遮断することができる。このスイッチSWは、2次側コントローラ16によって、オン/オフ制御可能である。ここで、第3の実施の形態に係る電力供給装置4において、スイッチSWの構成としては、第1の実施の形態に係る電力供給装置4におけるMOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成を適用可能である。すなわち、第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、MOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成と同様の構成を、スイッチSWで簡易化して表している。
【0072】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図17に示すように、DC/DCコンバータ13の入力と、1次側コントローラ30との間に接続され、1次側コントローラ30に電源を供給する電源供給回路10を備えていても良い。
【0073】
第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、電力線出力(VBUS)に外部からAC信号が重畳されて入力される第2の実施の形態とは異なり、電力線出力(VBUS)とは別に制御入力を備える。このため、分離用のインダクタンスLFは、必ずしも必要ではない。すなわち、インダクタンスLFとキャパシタCFにより構成されるフィルタ回路によって、出力から制御入力信号がDC/DCコンバータ13に入力されるのを分離する必要もない。このため、第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、相対的に実装スペースを削減可能であり、小型化・低コスト化可能である。
【0074】
第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、制御入力からAC結合キャパシタC
Cを介して制御入力信号が2次側コントローラ16に入力され、この制御入力信号により、出力側の電力情報を含む制御情報は、エラーアンプ18および絶縁回路20を介して、1次側コントローラ30にフィードバックされる。1次側コントローラ30は、MOSFETQ1のON/OFFを制御し、出力電圧を安定化させる。
【0075】
また、第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、制御端子CTからAC結合キャパシタC
Cを介して入力される制御入力信号を第2の実施の形態と同様にUSB−PD通信に使用することも可能である。
【0076】
第3の実施の形態に係る電力供給装置4においては、2次側コントローラ16から1次側コントローラ30へのフィードバック制御によって、降圧型DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)可変機能を有する。このため、出力に接続される負荷(例えば、スマートホン、ラップトップPC、タブレットPCなど)に応じて、出力電圧V
oと出力電流I
oとの関係に可変機能を有する。
【0077】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aは、
図18に示すように、入力・出力間に配置され、トランス15・ダイオードD1・キャパシタC1およびトランス15の1次側インダクタンスL1に接地電位との間に直列接続されるMOSトランジスタQ1および抵抗RSから構成されるDC/DCコンバータ13と、MOSトランジスタQ1を制御する1次側コントローラ30と、入力と1次側コントローラ30間に接続され、1次側コントローラ30に電源を供給する電源供給回路10と、出力に接続され、出力電圧V
oと出力電流I
oを制御可能な2次側コントローラ16と、DC/DCコンバータ13の出力と2次側コントローラ16に接続された誤差補償用のエラーアンプ21と、エラーアンプ21に接続され、出力情報を1次側コントローラ30にフィードバックする絶縁回路20とを備える。
【0078】
また、2次側コントローラ16は、
図15と同様に、AC結合キャパシタC
C(図示省略)を介して出力(VBUS)に接続されていても良い。
【0079】
また、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aは、
図18に示すように、DC/DCコンバータ13の出力と電力線出力(VBUS)を遮断するスイッチSWと、スイッチSWと電力線出力(VBUS)との間に配置されたフィルタ回路(LF・CF)を備える。このスイッチSWは、2次側コントローラ16によって、オン/オフ制御可能である。ここで、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいて、スイッチSWの構成としては、第1の実施の形態に係る電力供給装置4におけるMOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成を適用可能である。すなわち、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、MOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成と同様の構成を、スイッチSWで簡易化して表している。
【0080】
第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電力線出力(VBUS)に外部からAC信号が重畳されて入力される。
【0081】
第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電力線出力(VBUS)からAC結合キャパシタC
C(図示省略)を介して制御入力信号が2次側コントローラ16に入力され、出力側の電力情報は、エラーアンプ18および絶縁回路20を介して、1次側コントローラ30にフィードバックされる。1次側コントローラ30は、MOSトランジスタQ1のON/OFFを制御し、出力電圧を安定化可能である。
【0082】
また、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、制御入力からAC結合キャパシタC
C(図示省略)を介して入力される制御入力信号を第3の実施の形態と同様にUSB−PD通信に使用することも可能である。
【0083】
また、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、電流センス用の抵抗RSにより、1次側インダクタンスL1に導通する電流量を検出し、1次側コントローラ30において、1次側過電流などの電流量を制御している。結果として、第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、出力電圧値および出力電流値MAX可変機能を有する。
【0084】
第4の実施の形態に係る電力供給装置4Aにおいては、2次側コントローラ16から1次側コントローラ30へのフィードバック制御によって、降圧型DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)可変機能を有する。このため、出力に接続される負荷(例えば、スマートホン、ラップトップPC、タブレットPCなど)に応じて、出力電圧V
oと出力電流I
oとの関係に可変機能を有する。
【0085】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図19に示すように、入力と出力との間に配置されたDC/DCコンバータ13と、DC/DCコンバータ13の入力電流を制御する1次側コントローラ30と、複数の制御入力に結合され、複数の制御入力の制御入力信号を切替える信号変換回路25と、信号変換回路25に結合され、信号変換回路25において切替えられた制御入力信号を受信し、1次側コントローラ30にフィードバックする2次側コントローラ16とを備える。
【0086】
信号変換回路25において切替えられた制御入力信号は、2次側コントローラ16の通信ピンCOMに入力される。また、1次側コントローラ30は、2次側コントローラ16からフィードバックされた制御入力信号に基づいて、DC/DCコンバータ13の入力電流を制御することによって、DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)を可変にする。また、電力線出力(VBUS)と接地電位間には、出力キャパシタC
Oが接続されている。
【0087】
また、
図19に示すように、複数の制御端子CT1・CT2・…・CTnを備え、複数の制御入力は、複数の制御端子CT1・CT2・…・CTnに結合されていても良い。また、複数の制御端子CT1・CT2・…・CTnを介して、外部機器には、第5の実施の形態に係る電力供給装置4の制御出力信号が出力可能である。
【0088】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、複数の制御端子CT1・CT2・…・CTnと信号変換回路25間に接続されるAC結合キャパシタC
t1・C
t2・…・C
tn(図示省略)を備え、複数の制御入力に結合されるAC結合キャパシタC
t1・C
t2・…・C
tnを介して、信号変換回路25は複数の制御入力に結合されていても良い。
【0089】
また、複数の制御入力は、信号変換回路25に直接接続されていても良い。すなわち、信号変換回路25には複数の制御入力の制御入力信号をAC結合キャパシタC
t1・C
t2・…・C
tnを介さず、直接入力しても良い。
【0090】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、2次側コントローラ16と信号変換回路25とを結合する結合キャパシタC
Cを備えていても良い。また、2次側コントローラ16・信号変換回路25間は、結合キャパシタC
Cを介さず、直接接続されていても良い。
【0091】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4において、信号変換回路25は、例えば、周波数変換、直流レベル変換、振幅レベル変換のいずれかを実行可能である。
【0092】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4において、信号変換回路25は、2次側コントローラ16によって制御されていても良い。
【0093】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図19に示すように、2次側コントローラ16に接続され、制御入力信号を1次側コントローラ30にフィードバックする絶縁回路20を備えていても良い。絶縁回路20には、キャパシタ、フォトカプラ、トランスなどを適用可能である。また、用途に応じて、絶縁ドライバ付き双方向トランス、双方向素子などを適用しても良い。
【0094】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図19に示すように、2次側コントローラ16に接続され、制御入力信号を絶縁回路20にフィードバックする誤差補償用のエラーアンプ21を備えていても良い。エラーアンプ21は、2次側コントローラ16によって制御され、絶縁回路20にフィードバックする制御入力信号の誤差補償を実施可能である。
【0095】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図19に示すように、DC/DCコンバータ13の出力に接続され、DC/DCコンバータ13の出力電圧を遮断するスイッチSWを備えていても良い。このスイッチSWにより、DC/DCコンバータ13の出力と電力線出力(VBUS)を遮断することができる。このスイッチSWは、2次側コントローラ16によって、オン/オフ制御可能である。ここで、第5の実施の形態に係る電力供給装置4において、スイッチSWの構成としては、第1の実施の形態に係る電力供給装置4におけるMOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成を適用可能である。すなわち、第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、MOSFETQ11,Q12,Q13,Q14からなるスイッチ回路構成と同様の構成を、スイッチSWで簡易化して表している。
【0096】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置4は、
図19に示すように、DC/DCコンバータ13の入力と、1次側コントローラ30との間に接続され、1次側コントローラ30に電源を供給する電源供給回路10を備えていても良い。
【0097】
第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、電力線出力(VBUS)に外部からAC信号が重畳されて入力される第4の実施の形態とは異なり、電力線出力(VBUS)とは別に複数の制御入力を備える。このため、分離用のインダクタンスLFは、必ずしも必要ではない。すなわち、インダクタンスLFとキャパシタCFにより構成されるフィルタ回路によって、出力から制御入力信号がDC/DCコンバータ13に入力されるのを分離する必要もない。このため、第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、相対的に実装スペースを削減可能であり、小型化・低コスト化可能である。
【0098】
第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、複数の制御入力からAC結合キャパシタC
t1・C
t2・…・C
tn を介して制御入力信号が入力され、さらに信号変換回路25において切替えられた制御入力信号が2次側コントローラ16に入力され、この制御入力信号により、出力側の電力情報を含む制御情報は、エラーアンプ18および絶縁回路20を介して、1次側コントローラ30にフィードバックされる。1次側コントローラ30は、MOSトランジスタQ1のON/OFFを制御し、出力電圧を安定化させる。
【0099】
また、第5の実施の形態に係る電力供給装置においては、複数の制御入力からAC結合キャパシタC
t1・C
t2・…・C
tnを介して入力される制御入力信号を第4の実施の形態と同様にUSB−PD通信に使用することも可能である。
【0100】
第5の実施の形態に係る電力供給装置4においては、2次側コントローラ16から1次側コントローラ30へのフィードバック制御によって、降圧型DC/DCコンバータ13の出力電圧値および出力可能電流容量(MAX値)可変機能を有する。このため、出力に接続される負荷(例えば、スマートホン、ラップトップPC、タブレットPCなど)に応じて、出力電圧V
oと出力電流I
oとの関係に可変機能を有する。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態によれば、充電電流・電圧の切り替え時に電力が供給されないタイミングが発生することを防止することが可能な電力供給装置、電力供給コントローラ、及び電力供給方法を提供することができる。
【0102】
[その他の実施の形態]
上記のように、実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0103】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。