(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る判定装置、判定方法及び判定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.判定処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る判定処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る判定処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態に係る判定装置100によって、動画に係る広告コンテンツの効果を判定する判定処理が行われる例を示す。
【0012】
図1に示す判定装置100は、広告コンテンツを配信するサーバ装置であり、また、配信した広告コンテンツの広告効果を判定する情報処理装置である。
【0013】
図1に示すユーザ端末10は、所定のユーザによって利用される情報端末装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末である。
【0014】
図1に示す例では、ユーザ端末10は、液晶ディスプレイ等の出力部13を有する。なお、実施形態に係るユーザ端末10には、タッチパネルが採用されているものとする。すなわち、ユーザ端末10のユーザは、
図1で示す指F10や、専用ペンを用いて、出力部13の表示面をタッチすることにより各種操作を行う。以下では、出力部13を画面と表記する場合がある。また、以下では、ユーザ端末10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザをユーザ端末10と読み替えることもできる。
【0015】
図1では、ユーザ端末10によって、動画に係る広告コンテンツC10がユーザ端末10の画面上に表示される状態を示している。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従ってウェブページW10を表示し、ウェブページW10に含まれる広告表示領域(広告枠とも呼ばれる)に、広告コンテンツC10を表示する。例えば、ウェブページW10には広告コンテンツを取得する命令(広告コンテンツを配信するサーバに対するリクエストが記載されたスクリプト)が含まれており、ユーザ端末10は、画面上に広告表示領域が表示される際に、かかる命令をサーバ(
図1の例では、判定装置100)に送信することで、広告コンテンツの配信を受け付ける。そして、ユーザ端末10は、配信された広告コンテンツ(
図1の例では、広告コンテンツC10)をウェブページW10内に表示する。
【0016】
広告コンテンツは、広告主が広告料金を支払って配信させるコンテンツであり、支払う料金に見合うように、広告コンテンツが発揮する広告効果は高いことが望ましい。動画に係る広告コンテンツの効果測定手法は様々であるが、一般には、動画が最後まで再生されたか(完遂されたか)といった状況や、あるいは、動画の再生中にユーザから選択操作(クリック操作やタッチ操作など)を受け付けることにより広告コンテンツとリンクしたウェブページが表示されたかといったユーザの操作に基づいて、広告コンテンツの効果を測定する。例えば、最後まで再生された広告コンテンツや、ユーザからクリックされやすい広告コンテンツが、広告効果が高い広告コンテンツとして判定される。
【0017】
ここで、スマートフォン等において動画に係る広告コンテンツが再生される場合には、広告コンテンツに対する操作以外の他の操作を受け付けないような制御がなされることがある。これは、広告コンテンツを視聴させるための1つの手法であるが、このような制御がなされた場合、ユーザは、広告コンテンツの再生が終了するまでユーザ端末10を放置し、広告コンテンツの再生が終了した頃合いを見計らって、再びユーザ端末10を操作するようなことがありうる。この場合、広告コンテンツが最後まで再生されたとしても、当該広告コンテンツが広告効果を発揮したとは言い難い。そして、広告コンテンツが実際には視聴されていないにも関わらず、広告効果を示す指標値が上昇したり、広告コンテンツの配信(インプレッションの達成)による課金処理が行われたりといった、現実に即さない処理が行われる場合がある。
【0018】
そこで、実施形態に係る判定装置100は、動画コンテンツの再生終了を検知するとともに、検知したタイミングから所定時間を計測し、所定時間内にユーザ端末10がユーザから受け付ける操作に基づいて、コンテンツの効果を判定する。これにより、判定装置100は、実際に視聴されていないにも関わらず、コンテンツの効果が高く判定されるといったような状況を避けることができるため、コンテンツの効果を精度よく判定できる。以下、判定装置100が行う判定処理の一例を流れに沿って説明する。
【0019】
図1に示す例では、ユーザ端末10は、ウェブページW10上において動画に係る広告コンテンツC10を表示する。そして、ユーザ端末10は、所定のタイミングで、広告コンテンツC10の再生を開始する。例えば、ユーザ端末10は、ウェブページW10がユーザ操作によってスクロールされ、広告コンテンツC10の全体が可視領域(例えば、ユーザ端末10の画面内)に表示されたタイミングで、広告コンテンツC10の再生を開始する。なお、ユーザ端末10は、例えば、静止画として表示されている広告コンテンツC10をユーザが選択操作(例えば、タッチ操作)することを契機として再生を開始してもよい。
【0020】
そして、ユーザ端末10は、動画が最後まで再生された場合には、再生が完遂したという状況を検知する。また、ユーザ端末10は、動画の再生が完遂した時点の時間情報を記憶する。
図1の例では、広告コンテンツC10に係る動画が最後まで終了された時点を時刻t01とする。ユーザ端末10は、広告コンテンツC10の再生が終了した時刻t01を記憶する。そして、ユーザ端末10は、広告コンテンツC10に係る動画が最後まで再生されたことを示す表示へと、広告コンテンツC10の画面表示を遷移させる(ステップS11)。
【0021】
広告コンテンツC10に係る動画が最後まで再生された場合、ユーザ端末10は、広告コンテンツC10が表示されている領域に、「表示を終了」や、「もう一度動画を見る」や、「商品のウェブページを見る」など、ユーザに対する選択肢を表示するような表示を行う。
【0022】
例えば、広告コンテンツC10上に表示されている「表示を終了」の横にあるマークM10をユーザがタッチすると、ユーザ端末10は、広告コンテンツC10を表示している領域を消去し、代わりにウェブページW10の一部を表示する。また、「もう一度動画を見る」という表示をユーザがタッチすると、ユーザ端末10は、広告コンテンツC10を最初から再生する。また、「商品のウェブページを見る」という表示をユーザがタッチすると、ユーザ端末10は、ウェブページW10から、広告コンテンツC10が宣伝対象とする商品を紹介するページ(例えば、広告コンテンツC10のリンク先であるランディングページ)へと表示を遷移する。
【0023】
ステップS11において、ユーザ端末10は、時刻t01を始点として、再生終了後の広告コンテンツC10に対する上記のような操作も含め、次にユーザから任意の操作を受け付ける迄の時間を検知する処理を開始する。具体的には、ユーザ端末10は、時刻t01から、ユーザから受け付ける何らかの操作が所定時間内に行われるか否かを検知する。
図1の例では、時刻t01から時刻t03の時間が、当該所定時間を示すものとする。すなわち、
図1に示す時刻t02は、上記の所定時間内であるものとする。一方、
図1に示す時刻t04は、上記の所定時間内ではないものとする。
【0024】
ここで、ユーザ端末10が、所定時間内にユーザから操作を受け付けた(ステップS12)、すなわち、時刻t01の後であって所定時間内である時刻t02に、ユーザから操作を受け付けたとする。この場合、ユーザ端末10は、ユーザから受け付けた操作に対応する処理を行うとともに、ユーザから受け付けた操作の種別や、ユーザから操作を受け付けた時刻t02という時間情報などを含む、操作状況に関する情報(以下、「操作情報」と表記する)を取得する。
【0025】
一方、ユーザ端末10が、所定時間内にユーザから操作を受け付けない(ステップS13)、すなわち、時刻t01の後であって所定時間外である時刻t04に、ユーザから何らかの操作を受け付けたとする。この場合も、ユーザ端末10は、ユーザから受け付けた操作に対応する処理を行うとともに、ユーザから受け付けた操作の種別や、ユーザから操作を受け付けた時刻t04という時間情報などを含む操作情報を取得する。
【0026】
判定装置100は、ユーザ端末10において行われた広告コンテンツC10の表示処理に関する情報や、広告コンテンツC10の再生が終了した時刻t01に関する情報や、ユーザから操作が行われた時刻t02や時刻t04に関する情報を含む操作情報を取得する(ステップS14)。なお、ステップS14の処理は、特定のタイミングで行われる処理に限られず、ユーザ端末10で実行されている処理をリアルタイムで判定装置100が随時取得するものであってもよい。判定装置100は、例えば、広告コンテンツC10に含まれる制御情報によってユーザ端末10を制御することにより、ユーザ端末10が検知した情報を判定装置100に送信させて、ユーザ端末10における操作情報を取得することができる。一例として、判定装置100は、広告コンテンツC10の再生が完遂したことをユーザ端末10が検知した場合に、検知したことを示す情報をユーザ端末10から受信する。これにより、判定装置100は、ユーザ端末10において広告コンテンツC10の再生が完遂したことや、完遂したタイミング(時点)を検知する。
【0027】
そして、判定装置100は、ユーザ端末10における所定時間内の操作状況に基づいて、ユーザ端末10における動画の視聴状況を判定する(ステップS15)。具体的には、判定装置100は、動画の再生が終了した時刻t01から、所定時間である時刻t03の間に、ユーザから何らかの操作をユーザ端末10が受け付けた場合には、当該ユーザ端末10に係るユーザが広告コンテンツC10を視聴したユーザであると判定する。
【0028】
すなわち、判定装置100は、動画の再生が終了した時点から所定時間内にユーザ端末10に対する何らかの操作が検知された場合、当該ユーザが広告コンテンツC10を視聴したユーザであると判定する。例えば、ユーザが、広告コンテンツC10の再生終了の直後にマークM10をタッチして、広告コンテンツC10の表示を終了させたとする。このとき、ユーザは広告コンテンツC10に興味関心を抱かなかったとしても、広告コンテンツC10の内容自体は視聴している可能性が高い。このため、判定装置100は、動画の再生終了時点から所定時間内に何らかの操作を行ったユーザについては、広告コンテンツC10を視聴したと判定する。言い換えれば、判定装置100は、当該ユーザに対して配信された広告コンテンツC10はユーザから視聴されたものと推定して、一定の広告効果を発揮したと判定する。
【0029】
一方、判定装置100は、時刻t01から時刻t03の間に、ユーザから何らかの操作をユーザ端末10が受け付けない場合には、当該ユーザが広告コンテンツC10を視聴していないユーザであると判定する。
【0030】
具体的には、判定装置100は、動画の再生が終了した時点から所定時間内に、ユーザ端末10に対する操作が何ら検知されない場合、ユーザ端末10において動画が再生されたものの、その動画はユーザから視聴されず、単に再生されているだけであると判定する。
【0031】
この判定処理は、以下の理由による。すなわち、ユーザ端末10のユーザであって、広告コンテンツC10を視聴していたユーザであれば、その広告コンテンツに興味関心を抱いたか否かに関わらず、動画が終了した時点から所定時間内に何らかの操作を行うことが想定される。例えば、ユーザは、広告コンテンツC10に興味を抱いたのであれば、もう一度動画を再生させたり、商品のウェブページを閲覧するための操作を行ったりすると想定される。一方、ユーザが、広告コンテンツC10に興味を抱かず、早くウェブページW10の続きや他のウェブページを見たいのであれば、再生終了後すぐに、広告コンテンツC10の表示を終了させたり、他のウェブページを表示するための操作を行ったりすると想定される。すなわち、ユーザ端末10に対して何ら操作が行われない場合、当該ユーザは、ユーザ端末10を放置しているか、もしくは、ユーザ端末10を手元に置いていたとしても、ユーザ端末10の画面を見ていなかった可能性が高いユーザであるといえる。このため、判定装置100は、動画の再生終了時点から所定時間内に何ら操作が行われないことを検知したユーザ端末10においては、広告コンテンツC10がユーザから視聴されなかったと判定する。言い換えれば、判定装置100は、広告コンテンツC10が広告効果を発揮しなかったと判定する。
【0032】
このように、実施形態に係る判定装置100は、ユーザが利用するユーザ端末10において、動画に係る広告コンテンツC10の再生が終了したことを検知する。そして、判定装置100は、広告コンテンツC10の再生が終了したことが検知された場合に、広告コンテンツC10の終了時点から経過した時間を計測する。さらに、判定装置100は、計測される時間が所定時間に達するまでのユーザ端末10に対するユーザの操作に基づいて、ユーザ端末10における広告コンテンツC10の視聴状況を判定する。
【0033】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、広告コンテンツC10が単に再生されたことをもって広告コンテンツC10が広告効果を発揮したと判定するのではなく、実際にユーザが視聴したと想定される視聴状況に基づいて、広告コンテンツC10の効果を判定することができる。このため、判定装置100は、正確に広告コンテンツC10の効果を判定できる。また、広告コンテンツC10が動画である場合、動画の再生が完遂した時点で課金処理が行われる場合がある。この場合、判定装置100によれば、所定時間内に操作のないユーザにおいては広告コンテンツC10の再生数を計数しない等の判定を行うことによって、実際に広告コンテンツC10が効果を発揮したと判定できる再生に関してのみ課金を行わせるなど、広告主にとって有用な課金処理を行うことができる。さらに、判定装置100によれば、例えば、単に再生のみが繰り返されるだけで実際に視聴されていない広告コンテンツと、実際に視聴された広告コンテンツとを判別することができるため、どのような広告コンテンツが広告効果を発揮しやすいかなど、広告コンテンツの分析に寄与することができる。
【0034】
〔2.判定システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る判定システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る判定システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、判定システム1は、ユーザ端末10と、広告主端末20と、コンテンツ配信サーバ30と、判定装置100とを含む。ユーザ端末10、広告主端末20、コンテンツ配信サーバ30および判定装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示す判定システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の広告主端末20や、複数台のコンテンツ配信サーバ30が含まれてもよい。
【0035】
ユーザ端末10は、ウェブページ等のコンテンツを閲覧するユーザによって利用される情報処理端末である。例えば、ユーザ端末10は、スマートフォン等の携帯電話機や、タブレット端末や、PDA(Personal Digital Assistant)や、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC、ウェアラブルデバイス等である。
【0036】
例えば、ユーザ端末10は、ユーザによる操作にしたがって、コンテンツ配信サーバ30からウェブページ(コンテンツの一例)を取得し、取得したウェブページを表示する。また、ユーザ端末10は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、判定装置100から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツをウェブページとともに表示する。
【0037】
広告主端末20は、広告主によって利用される情報処理端末である。広告主端末20は、広告主による操作にしたがって、所定の広告コンテンツを判定装置100に入稿する。例えば、広告主端末20は、広告コンテンツとして、静止画像や、動画像や、テキストデータや、広告コンテンツに対応するコンテンツを取得するためのURL(Uniform Resource Locator)などを判定装置100に入稿する。
【0038】
なお、広告主は、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合がある。この場合、判定装置100に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末20だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0039】
また、広告主端末20が入稿する広告コンテンツには、商品に関する情報が紐づけられているものとする。例えば、広告コンテンツには、商品を紹介するウェブページへのリンク情報が含まれたり、商品を提供する事業者のウェブページへのリンク情報が含まれたりしてもよい。
【0040】
コンテンツ配信サーバ30は、ウェブページ等のコンテンツをユーザ端末10に配信するサーバである。例えば、コンテンツ配信サーバ30は、コンテンツとして、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、SNS(Social Networking service)サイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブログなどに関連する各種情報を含むウェブページをユーザ端末10に配信する。
【0041】
ここで、コンテンツ配信サーバ30によって配信されるウェブページは、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)により記述されたHTMLファイルや、XML(Extensible Markup Language)により記述されたXMLファイル等により形成される。また、コンテンツ配信サーバ30によって配信されるウェブページには、広告取得命令が含まれる。例えば、ウェブページを形成するHTMLファイル等には、判定装置100のURL等が広告取得命令として記述される。この場合、ユーザ端末10は、HTMLファイル等に記述されているURLにアクセスすることで、判定装置100から広告コンテンツを取得する。
【0042】
なお、コンテンツ配信サーバ30からユーザ端末10に配信される各種データは、実際にはウェブページを形成するHTMLファイルや画像等であるが、以下では、コンテンツ配信サーバ30からユーザ端末10に配信される各種データを「コンテンツ」と表記する場合がある。なお、コンテンツ配信サーバ30は、ウェブページのみならず、例えば、アプリを介して配信されるサービスページ等をコンテンツとして配信してもよい。
【0043】
判定装置100は、上述のように、広告コンテンツをユーザ端末10に配信するサーバ装置である。また、判定装置100は、配信する広告コンテンツに所定の制御情報を含めることにより、配信先であるユーザ端末10における各種操作情報を取得する。そして、判定装置100は、取得した情報に基づいて、広告コンテンツの視聴状況を判定する。すなわち、判定装置100は、広告コンテンツの広告効果を判定する。
【0044】
〔3.判定装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る判定装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る判定装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、判定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、
図3での図示は省略するが、判定装置100は、判定装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を出力するための出力部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0045】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、広告主端末20や、コンテンツ配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0046】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、広告コンテンツ記憶部121と、判定結果記憶部122とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
【0047】
(広告コンテンツ記憶部121について)
広告コンテンツ記憶部121は、広告コンテンツに関する情報を記憶する。ここで、
図4に、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部121の一例を示す。
図4は、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部121の一例を示す図である。
図4に示した例では、広告コンテンツ記憶部121は、「広告コンテンツID」、「広告主ID」、「インプレッション数」、「インプレッション保証数」、「対価」といった項目を有する。
【0048】
「広告コンテンツID」は、広告主端末20から入稿された広告コンテンツを識別する識別情報を示す。「広告主ID」は、広告主または広告主端末20を識別するための識別情報を示す。なお、実施形態において、広告主IDや、広告コンテンツID等は、説明で用いる参照符号と共通するものとする。例えば、広告コンテンツIDが「C10」である広告コンテンツは、「広告コンテンツC10」を示す。
【0049】
「インプレッション数」は、現時点において広告コンテンツがユーザ端末10で表示された回数を示す。なお、実施形態では、インプレッション数は、単に広告コンテンツがユーザ端末10で表示(再生)されたことのみを示すのではなく、判定装置100によって広告コンテンツがユーザから視聴されたと判定された数を意味する。
【0050】
「インプレッション保証数」は、広告コンテンツ毎に設定されるインプレッションの保証数を示す。例えば、インプレッション保証数は、広告主が広告コンテンツを入稿する際に指定することにより決定される。広告主は、インプレッション保証数にインプレッション数が達成するまで、広告コンテンツの配信が保証される。インプレッション数がインプレッション保証数に達した場合、当該広告コンテンツの配信は停止する。
【0051】
「対価」は、広告コンテンツの配信に係る広告料金を示す。
図4の例では、対価は、1インプレッションごとに発生する広告料金を示す。例えば、広告コンテンツC10に1インプレッションが発生した場合、広告主CL10は、広告配信の対価として「100」円が課金される。なお、対価は、1インプレッションごとではなく、例えば、広告コンテンツのリンク先のウェブページ(ランディングページ)にユーザが訪問したことなど、所定のコンバージョンごとに発生するような設定であってもよい。
【0052】
すなわち、
図4の一例では、広告主ID「CL10」によって識別される広告主CL10が、広告コンテンツID「C10」で識別される広告コンテンツC10を判定装置100に入稿した例を示している。また、広告コンテンツC10の現時点のインプレッション数は「5000」回であり、インプレッション保証数は「15000」回であり、1インプレッションごとの対価は「100」円である例を示している。
【0053】
なお、
図4では図示を省略したが、広告コンテンツ記憶部121には、広告コンテンツごとに測定された効果の指標値が記憶されてもよい。例えば、広告コンテンツ記憶部121には、広告コンテンツごとに、CTR(Click Through Rate)やeCPM(effective Cost Per Mille)等の指標値が記憶されてもよい。
【0054】
(判定結果記憶部122について)
判定結果記憶部122は、判定装置100によって判定された、広告コンテンツの視聴状況に関する情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係る判定結果記憶部122の一例を示す。
図5は、実施形態に係る判定結果記憶部122の一例を示す図である。
図5に示すように、判定結果記憶部122は、「広告コンテンツID」、「配信ログID」、「配信先ID」、「完遂状況」、「判定時間」、「操作時間」、「視聴判定」といった項目を有する。
【0055】
「広告コンテンツID」は、
図4に示した項目に対応する。「配信ログID」は、広告コンテンツがユーザ端末10に配信された際のログを識別する識別情報を示す。「配信先ID」は、広告コンテンツが配信されたユーザ端末10を識別する識別情報を示す。
【0056】
「完遂状況」は、動画に係る広告コンテンツが最後まで再生されたか(完遂されたか)否かという状況を示す。
図5に示した例では、完遂状況が「1」であれば、広告コンテンツが最後まで再生された状況を示し、完遂状況が「0」であれば、広告コンテンツが最後まで再生されなかった状況を示している。広告コンテンツが最後まで再生されなかった状況とは、例えば、動画の再生中にユーザ端末10においてブラウザソフトウェアが終了したり、広告コンテンツが可視領域に含まれなくなったりした状況である。
【0057】
「判定時間」は、動画がユーザから視聴されたと推定するか否かを判定するために用いられる時間を示す。例えば、判定装置100は、動画が最後まで再生されたと検知された時刻から、判定時間が経過するまでの間に、ユーザから何らかの操作を受け付けた場合に、当該動画がユーザから視聴されたと判定する。
【0058】
「操作時間」は、動画が最後まで再生されたと検知された後に、次にユーザから操作を受け付けるまでに経過した時間を示す。例えば、判定装置100は、操作時間が経過時間を超過していない場合には、当該動画がユーザから視聴されたと判定する。なお、動画が完遂されなかったログに関しては、操作時間は記憶されなくてもよい。
【0059】
「視聴判定」は、判定装置100によって、動画が視聴されたと判定されたか否かを示す。
図5に示した例では、視聴判定が「1」であれば、当該ログにおいて、広告コンテンツがユーザから視聴されたと判定されたことを示し、視聴判定が「0」であれば、当該ログにおいて、広告コンテンツがユーザから視聴されなかったと判定されたことを示している。
【0060】
すなわち、
図5の一例では、広告コンテンツC10がユーザ端末10に配信された一つの例は、配信ログID「G01」で識別されることを示している。配信ログG01において、広告コンテンツC10の配信先IDは「A01」で識別されるユーザ端末10であり、その配信において、広告コンテンツC10は「完遂された」ことを示している。また、広告コンテンツC10に設定された判定時間は「30」秒であり、広告コンテンツC10が完遂した後の操作時間は「25」秒であったことを示している。このため、配信ログG01では、広告コンテンツC10はユーザから「視聴された」と判定されたことを示している。
【0061】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、判定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(判定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0062】
実施形態に係る制御部130は、
図3に示すように、受信部131と、配信部132と、取得部133と、検知部134と、計測部135と、判定部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0063】
(受信部131について)
受信部131は、各種情報を受信する。例えば、受信部131は、広告主端末20から、広告コンテンツの入稿の要求を受信する。また、受信部131は、広告主端末20から、入稿される広告コンテンツのデータ等を受信する。受信部131は、受信した情報を広告コンテンツ記憶部121に格納する。
【0064】
また、受信部131は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10から広告配信要求を受信する。受信部131は、広告配信要求を受信する際に、ユーザ端末10を識別する識別情報を受信する。例えば、受信部131は、ユーザ端末10から送信されるクッキー等に基づいて、ユーザ端末10の識別情報を受信する。
【0065】
また、受信部131は、ユーザ端末10の識別情報に基づいて、ユーザ端末10を利用するユーザのユーザ情報を受信してもよい。例えば、受信部131は、ユーザ端末10から送信されるクッキー等に基づいて、ユーザ端末10を利用するユーザの属性情報等を受信する。また、受信部131は、ユーザのネットワーク上の行動履歴(例えば、ウェブページの閲覧履歴等)を受信してもよい。
【0066】
(配信部132について)
配信部132は、受信部131によって受信された広告配信要求に従って、広告コンテンツを配信する。具体的には、配信部132は、広告コンテンツ記憶部121を参照し、広告コンテンツ記憶部121に格納されている動画に係る広告コンテンツを抽出し、広告配信要求の送信元であるユーザ端末10に配信する。
【0067】
配信部132は、広告コンテンツの抽出にあたっては、種々の既知の広告配信手法を用いてもよい。例えば、配信部132は、受信部131によって受信されたユーザ情報に基づいて、ユーザの年齢や性別に応じて配信する広告コンテンツを抽出するターゲティング配信等を行ってもよい。
【0068】
また、配信部132は、広告コンテンツとともに、ユーザ端末10に所定の処理を行わせるための制御情報を配信してもよい。制御情報は、例えば、JAVA Script(登録商標)等によって記載される。かかる制御情報は、ユーザ端末10で実行された処理に関する情報を判定装置100に送信させるよう、ユーザ端末10を制御する。例えば、ユーザ端末10は、広告コンテンツを画面で表示したことや、広告コンテンツの再生を開始した時刻や、広告コンテンツが最後まで再生された時刻や、ユーザ端末10においてユーザから受け付けた操作の種別や、操作が行われた時刻等の情報(これらを総称して、「操作情報」と表記する)を判定装置100に送信する。
【0069】
(取得部133について)
取得部133は、各種情報を取得する。例えば、取得部133は、広告コンテンツの配信先となったユーザ端末10から、ユーザ端末10において広告コンテンツが表示された状況を示す情報や、ユーザ端末10におけるユーザの操作等の操作情報を取得する。取得部133は、取得した操作情報を検知部134等の各処理部に送る。また、取得部133は、取得した情報を判定結果記憶部122に適宜格納する。
【0070】
(検知部134について)
検知部134は、ユーザ端末10において、動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたことを検知する。具体的には、検知部134は、ユーザ端末10で再生された動画に係る広告コンテンツが最後まで再生されたことを検知する。検知部134は、例えば、取得部133によって取得された操作情報に基づいて、ユーザ端末10で再生された広告コンテンツが最後まで再生されたことを検知する。
【0071】
また、検知部134は、ユーザ端末10において広告コンテンツが最後まで再生されたあとに、ユーザから任意の操作が行われたことを検知する。例えば、検知部134は、ネットワークNを介して、ユーザ端末10における操作情報を適宜取得し、取得した操作情報に基づいて、ユーザから任意の操作が行われたことを検知する。この場合、検知部134は、ユーザから行われた操作の種別や、操作が行われた時間等について検知してもよい。
【0072】
(計測部135について)
計測部135は、検知部134によって動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたと検知された場合に、検知された時刻からの経過時間を計測する。具体的には、計測部135は、ユーザ端末10で再生された動画に係る広告コンテンツが最後まで再生されたと検知部134によって検知された場合に、検知された時刻からの経過時間を計測する。
【0073】
例えば、計測部135は、取得部133によって取得された操作情報に基づいて、検知部134によって検知された時刻からの経過時間を計測する。なお、計測部135は、操作情報によらず経過時間を計測してもよい。例えば、計測部135は、動画が最後まで再生されたことを検知部134が検知した場合に、時間の計測を開始する。そして、計測部135は、ユーザから何らかの操作がユーザ端末10に対して行われたことが検知されるまで、経過時間の計測を継続する。計測部135は、計測した時間に関する情報について、適宜判定結果記憶部122に記憶する。
【0074】
(判定部136について)
判定部136は、計測部135によって計測される経過時間が所定時間(例えば、
図5に示した「判定時間」として設定された時間)に達するまでのユーザ端末10における操作情報に基づいて、動画コンテンツの視聴状況を判定する。
【0075】
具体的には、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、動画コンテンツが視聴されたと判定する。また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合には、動画コンテンツが視聴されていないと判定する。
【0076】
また、判定部136は、動画コンテンツが視聴されたか否かといった状況のみならず、その他の状況を判定してもよい。例えば、動画に係る広告コンテンツが、再生(インプレッション)のみならず、広告コンテンツの視聴の後に表示される、「もう一度動画を見る」や、「商品のウェブページを見る」などをユーザが選択(例えば、クリック操作やタッチ操作)した回数等によって効果が判定される場合があるとする。この場合、所定時間の経過後にユーザからクリックされたとしても、そのクリックは、広告コンテンツの視聴によって興味を抱いたユーザがクリックしたものではなく、誤クリックの可能性が高い。このため、判定部136は、動画の再生終了後から所定時間が経過した後に行われたユーザの操作は、広告コンテンツの効果判定に無効な操作と判定してもよい。
【0077】
すなわち、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでに動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、当該所定の操作を、動画コンテンツの効果を測定のための操作として有効な操作と判定する。一方、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間を超えた後に動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、当該所定の操作を、動画コンテンツの効果を測定のための操作として無効な操作と判定する。
【0078】
これにより、判定部136は、広告コンテンツを視聴していないと想定されるユーザの操作について、広告効果に反映されないようにすることができるため、効果を示す指標値等を正確に算出することができる。例えば、判定部136は、広告コンテンツに関するCTR(Click Through Rate)等を、ユーザの視聴状況に即して、正確に測定することができる。
【0079】
また、広告コンテンツによっては、動画が視聴されたことのみならず、「もう一度動画を見る」や、「商品のウェブページを見る」などをユーザがクリックした回数等によって、広告コンテンツの課金処理が行われる場合がある。すなわち、広告コンテンツは、インプレッションのみならず、何らかのコンバージョンによって課金処理が行われる場合がある。この場合であっても、上記の効果測定の操作と同様に、所定時間外にユーザからクリックが行われた場合には、広告コンテンツの視聴によってコンバージョンが発生したとは言い難い。
【0080】
このため、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでに動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合であって、当該動画コンテンツの視聴によって課金処理が行われた場合、又は、経過時間が所定時間を超えた後に動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合であって、当該所定の操作によって動画コンテンツに関する課金処理が行われた場合には、当該課金処理を無効な処理と判定するようにしてもよい。例えば、判定部136は、当該課金処理に対する返金処理を実行するようにしてもよい。これにより、判定部136は、ユーザからの誤クリック等による課金処理を発生させず、真に広告コンテンツが効果を発揮したと判定される場合に限り広告主に課金処理を行うため、現状の効果に即した課金処理を行うことができ、広告主の不利にならないような課金処理を行うことができる。
【0081】
〔4.ユーザ端末の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。
図6は、実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。
【0082】
通信部11は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、広告主端末20やコンテンツ配信サーバ30や判定装置100との間で、情報の送受信を行う。
【0083】
入力部12は、ユーザから各種操作を受け付ける入力装置である。例えば、入力部12は、キーボードやマウスや操作キー等によって実現される。出力部13は、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部13は、液晶ディスプレイ等によって実現される。なお、ユーザ端末10にタッチパネルが採用される場合には、入力部12と出力部13とは一体化される。なお、
図1の例では、出力部13と、ユーザ端末10におけるウェブページの表示領域が同一である例を示したが、実際には、ウェブページは出力部13の全面に表示されるとは限らない。すなわち、ウェブページ等のコンテンツは、出力部13内に表示されるウェブブラウザソフトウェアのウインドウ内に表示される場合がありうる。この場合、ウェブページを表示する際のユーザ端末10における表示領域や可視領域とは、ウェブブラウザソフトウェアのウインドウを意味する。
【0084】
制御部14は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部14は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0085】
図6に示すように、制御部14は、要求部15と、受付部16と、表示制御部17と、検知部18と、送信部19とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部14の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部14が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0086】
要求部15は、入力部12を介して受け付けたユーザ操作に従って、コンテンツ配信サーバ30にウェブページの取得要求を送信する。また、要求部15は、受付部16によって受け付けられたウェブページに広告取得命令が含まれる場合に、広告コンテンツの取得要求を判定装置100に送信する。
【0087】
受付部16は、各種情報を受け付ける。例えば、受付部16は、ウェブページや広告コンテンツを受け付ける。具体的には、受付部16は、要求部15によって送信されたウェブページの取得要求に応答したコンテンツ配信サーバ30から、ウェブページを受け付ける。このとき、受付部16は、ウェブページに広告取得命令が含まれる場合には、広告コンテンツの取得要求を送信するよう要求部15に指示する。そして、受付部16は、要求部15によって送信された広告コンテンツの取得要求に応答した判定装置100から広告コンテンツを受け付ける。
【0088】
このとき、受付部16は、広告コンテンツとともに、ユーザ端末10における操作情報を検知する検知処理や、操作情報を判定装置100に送信する送信処理を制御するための制御情報を受け付けてもよい。そして、後述する表示制御部17や、検知部18や、送信部19が実行する一部の処理は、広告コンテンツとともに配信される制御情報を実行することにより実現されてもよい。すなわち、表示制御部17が実行する処理は、広告コンテンツに含まれる制御情報が実行させる表示制御手順により実現され、検知部18が実行する処理は、広告コンテンツに含まれる制御情報が実行させる検知手順により実現され、送信部19が実行する処理は、広告コンテンツに含まれる制御情報が実行させる送信手順により実現されてもよい。
【0089】
表示制御部17は、受信したウェブページの出力部13への表示を制御する。また、表示制御部17は、ユーザ端末10に配信された広告コンテンツをユーザ端末10の画面上(出力部13)に表示するよう制御する。
【0090】
検知部18は、ユーザ端末10に対する所定の操作を検知する。具体的には、実施形態に係る検知部18は、ユーザ端末10において広告コンテンツが再生されたことや、広告コンテンツが最後まで再生されたことや、その後にユーザから操作を受け付けたこと等を検知する。なお、検知部18は、検知した情報を、ユーザ端末10における操作情報として、ユーザ端末10が保持する所定の記憶部に格納してもよい。
【0091】
送信部19は、各種情報を送信する。例えば、送信部19は、検知部18によって検知された操作情報を判定装置100に送信する。
【0092】
〔5.コンテンツ配信サーバの構成〕
次に、
図7を用いて、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成について説明する。
図7は、実施形態に係るコンテンツ配信サーバ30の構成例を示す図である。
図7に示すように、コンテンツ配信サーバ30は、通信部31と、コンテンツ記憶部32と、制御部33とを有する。
【0093】
通信部31は、例えば、NIC等によって実現される。通信部31は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ユーザ端末10や広告主端末20や判定装置100との間で、情報の送受信を行う。
【0094】
コンテンツ記憶部32は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。そして、コンテンツ記憶部32は、コンテンツの一例であるウェブページを記憶する。例えば、コンテンツ記憶部32は、ウェブページを形成するHTMLファイルや、ウェブページに表示される静止画像や動画像を記憶する。なお、コンテンツ記憶部32に記憶されるウェブページには、ウェブページ上に表示させる広告コンテンツを取得するための広告取得命令が含まれる場合がある。
【0095】
制御部33は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、コンテンツ配信サーバ30内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部33は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0096】
図7に示すように、制御部33は、受付部34と、配信部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部33の内部構成は、
図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部33が有する各処理部の接続関係は、
図7に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0097】
受付部34は、ユーザ端末10からウェブページの取得要求を受け付ける。例えば、受付部34は、ウェブページの取得要求として、HTTPリクエストを受け付ける。
【0098】
配信部35は、受付部34によってウェブページの取得要求が受け付けられた場合に、ウェブページをユーザ端末10に配信する。具体的には、配信部35は、コンテンツ記憶部32から取得要求対象のウェブページを取得し、取得したウェブページをユーザ端末10に配信する。上記の通り、コンテンツ記憶部32に記憶されているウェブページは、広告取得命令を含む。すなわち、ユーザ端末10は、取得したウェブページを表示する際に、ウェブページに含まれる広告取得命令に従い、判定装置100に対して広告コンテンツの配信要求を送信する。
【0099】
〔6.判定処理手順〕
次に、
図8を用いて、実施形態に係る判定装置100による判定処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る判定装置100による判定処理手順を示すフローチャートである。
【0100】
図8に示すように、判定装置100は、ユーザ端末10において、広告コンテンツにおける動画が再生されたことを検知したか否かを判定する(ステップS101)。動画が再生されていない場合には(ステップS101;No)、再生されるまで待機する。一方、動画が再生された場合には(ステップS101;Yes)、判定装置100は、動画が最後までされたことを検知したか否かを判定する(ステップS102)。そして、判定装置100は、動画が最後までされたことを検知した場合には(ステップS102;Yes)、動画の終了からの時間(経過時間)の計測を開始する(ステップS103)。
【0101】
一方、判定装置100は、動画が最後までされたことを検知しない場合には(ステップS102;No)、動画の再生が継続しているか否かを判定する(ステップS104)。動画の再生が継続している場合には(ステップS104;Yes)、判定装置100は、ステップS102の処理を繰り返す。
【0102】
ステップS103の後、判定装置100は、ユーザ端末10において所定時間内にユーザから任意の操作が行われたか否かを判定する(ステップS105)。所定時間内にユーザから任意の操作が行われた場合には(ステップS105;Yes)、判定装置100は、ユーザが動画を視聴したと判定する(ステップS106)。
【0103】
一方、所定時間内にユーザから任意の操作が行われない場合(ステップS105;No)、あるいは、ステップS104において動画の再生が継続していない、すなわち動画の表示が再生途中で終了した場合には(ステップS104;No)、判定装置100は、ユーザが動画を視聴していないと判定する(ステップS107)。
【0104】
そして、判定装置100は、ユーザが動画を視聴したと判定したか、視聴していないと判定したかの結果を示す判定結果を判定結果記憶部122に記憶する(ステップS108)。
【0105】
〔7.変形例〕
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下では、判定システム1の他の実施形態(変形例)について説明する。
【0106】
〔7−1.動画の再生操作の判定〕
上述した実施形態では、広告コンテンツがユーザ端末10に表示される際に、広告コンテンツの動画が再生される場合を示した。ここで、動画は、ユーザによる選択操作によって再生が開始される場合がある。すなわち、ユーザ端末10は、初期状態では広告コンテンツとして静止画を表示し、ユーザからタッチやクリック操作を受け付けた場合に、広告コンテンツとして動画を再生させる場合がある。
【0107】
そして、ユーザのクリックを契機として動画が再生された場合であっても、上述した実施形態と同様に、ユーザから動画が視聴されない場合がある。判定装置100は、このような場合であっても、上述した判定処理と同様の処理を行ってもよい。
【0108】
すなわち、判定装置100に係る判定部136は、動画コンテンツの再生がユーザからの選択操作を契機として行われた場合であって、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合には、当該動画コンテンツを再生させる契機となったユーザからの選択操作は行われなかったものとして処理するようにしてもよい。
【0109】
これにより、判定装置100は、動画を再生させる契機となった選択操作を、はじめからなかったものとして処理することができる。このため、判定装置100は、ユーザが誤クリックして動画が再生された場合や、視聴する意思がユーザにないにもかかわらず再生された動画コンテンツに対する操作に関して、効果を測定する指標値(例えば、クリック率など)に影響を与えないようにすることができる。これにより、判定装置100は、より正確に動画コンテンツの効果を測定することができる。
【0110】
〔7−2.可変する判定時間〕
上述した実施形態では、例えば
図5に示したように、広告コンテンツ毎に所定時間(判定時間)が設定されている例を示した。ここで、判定装置100は、ユーザの操作に応じて判定時間を可変するなどの処理を行ってもよい。
【0111】
例えば、ユーザ端末10がスマートフォンである場合、動画の再生が終了した直後に行われる操作として、ユーザによる画面のスクロール操作等が想定される。すなわち、スクロール操作は、画面上のいずれの位置を指で操作しても行われる操作であるため、動画の終了時点から、比較的すばやく操作が行われると想定される。一方、
図1で示した「もう一度動画を見る」や、「商品のウェブページを見る」などを選択する操作では、画面に表示された文字を見る時間や、表示された位置に指を動かす時間などがかかるため、スクロール操作等と比べると、動画の終了時点からやや時間を要する操作であるといえる。
【0112】
そして、判定装置100は、これらの操作の種別に対して、異なる判定時間を設定するようにしてもよい。例えば、判定装置100は、動画の終了から、次にユーザから行われる操作がスクロール操作である場合には、判定時間を「25」秒と設定する。一方、判定装置100は、動画の終了から、次にユーザから行われる操作がリンクを選択する操作である場合には、判定時間を「40」秒と設定する。
【0113】
そして、判定装置100は、動画の終了から、「30」秒後にユーザからスクロール操作が行われたと検知したとする。この場合、判定装置100は、動画の終了から、次にユーザから行われた操作がスクロール操作であったため、判定時間として「25」秒を所定時間として設定する。このため、判定装置100は、動画の終了から「30」秒後にユーザから操作を受け付けたとしても、受け付けた操作がスクロール操作であったため、ユーザは動画を視聴していない、と判定する。
【0114】
一方、判定装置100は、動画の終了から「35」秒後にユーザから操作を受け付けた場合であっても、受け付けた操作がリンクを選択する操作であった場合には、判定時間が「40」秒であるため、その操作は、所定時間内に行われた操作であると判定する。すなわち、判定装置100は、動画の終了から「35」秒後にユーザから操作を受け付けたとしても、受け付けた操作がリンクを選択する操作であった場合には、ユーザは動画を視聴した、と判定する。
【0115】
このように、判定装置100に係る判定部136は、動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたと検知された場合に、検知された直後にユーザ端末10に対して行われた操作に応じて異なる所定時間を設定したうえで、経過時間が所定時間に達するか否かを判定するようにしてもよい。これにより、判定装置100は、ユーザの操作に応じて、柔軟に判定処理を行うことができる。
【0116】
なお、操作に応じた判定時間については、判定装置100は、種々の学習処理を行ってもよい。例えば、動画の終了から次に行われるユーザの操作について、判定装置100は、操作の種別毎に経過時間の統計をとる。そして、判定装置100は、統計に基づいて、比較的時間のかかる操作に関しては判定時間を長く設定する等の学習を行ってもよい。
【0117】
〔7−3.経過時間の測定〕
上述した実施形態では、判定装置100は、動画の再生の終了時点を始点として、経過した時間を計測する例を示した。ここで、判定装置100は、動画の再生の終了時点ではなく、動画が所定の再生位置まで再生された時点を始点として、経過した時間を計測するようにしてもよい。
【0118】
すなわち、動画に係る広告コンテンツにおいては、動画が最後まで再生された場合にかぎらず、動画が所定の再生位置(例えば、全体の7割の位置など)まで再生された時点をもって、インプレッションが発生したと判定される場合がある。この場合、判定装置100は、動画が最後まで再生された時点を始点とするのではなく、インプレッションが発生した時点を始点として、所定時間内にユーザから操作が行われるか否かを検知する方が望ましい。
【0119】
すなわち、判定装置100に係る検知部134は、所定の再生位置として、予め動画コンテンツごとに設定される再生位置であって、動画コンテンツがユーザから視聴されたと推定するための基準となる再生位置である基準位置(例えば、インプレッションが発生したと推定される位置)まで再生されたことを検知する。そして、計測部135は、検知部134によって動画コンテンツが基準位置まで再生されたと検知された場合に、検知された時刻からの経過時間を計測するようにしてもよい。これにより、判定装置100は、より実情に即した効果の測定や、広告主への課金処理を行うことができる。
【0120】
〔7−4.広告配信〕
上述した実施形態では、判定装置100が、広告コンテンツを配信する例を示した。しかし、判定装置100は、広告コンテンツを配信しなくてもよい。例えば、ユーザ端末10への広告コンテンツの配信は、外部の広告配信サーバによって行われてもよい。この場合、判定装置100は、広告コンテンツとともに配信された制御情報によってユーザ端末10における操作情報を取得してもよいし、ネットワークNを介して、ユーザ端末10からリアルタイムに操作情報を取得するようにしてもよい。
【0121】
〔7−5.コンテンツの種類〕
上記実施形態では、広告コンテンツがウェブページに含まれる広告表示領域に表示される例を示したが、広告コンテンツが表示されるのはウェブページに限られない。例えば、上記してきた広告コンテンツは、携帯電話ゲーム等やアプリ画面に表示されてもよい。また、ユーザ端末10は、広告コンテンツ以外にも、任意の動画コンテンツについて、上述した処理を実行してもよい。
【0122】
また、判定装置100は、携帯電話ゲーム等やアプリ画面に表示される広告コンテンツに限らず、例えば、動画配信サイトにおける動画コンテンツに対して、上記実施形態の処理を行ってもよい。上述のように、判定装置100は、実際にユーザが視聴したか否かを判定するため、動画配信サイトにおける動画コンテンツの正確な効果測定を行うことができる。
【0123】
〔7−6.広告に係るコンテンツ〕
上記実施形態で説明した広告コンテンツは、営利若しくは非営利の広告だけではなく、ボランティアの募集、公共広告、公共に対する通知、広告コンテンツに係る情報の一部、その他任意のコンテンツであってもよい。すなわち、広告コンテンツは、いわゆる広告関連の情報を含むコンテンツのみならず、ユーザに興味を抱かせ、広告コンテンツに含まれる情報、すなわち、広告コンテンツに紐付けられた商品を広く宣伝するものであれば、画像、動画像、文字、図形、記号、ハイパーリンク、その他任意のコンテンツを適用可能である。すなわち、ユーザに対して興味を生じさせようとするコンテンツであれば、任意のコンテンツを広告コンテンツとして適用可能である。
【0124】
〔7−7.制御情報〕
上記実施形態では、判定装置100は、広告コンテンツとともに送信する制御情報による制御に従うユーザ端末10から、ユーザ端末10における操作情報を取得する例を示した。しかし、判定装置100は、制御情報によらず、任意の手法で操作情報を取得してもよい。例えば、判定装置100は、ユーザ端末10に予めインストールされたアプリの制御によって、ユーザ端末10の操作情報を取得するようにしてもよい。
【0125】
〔7−8.操作の受け付け〕
上記実施形態において選択操作として説明した処理については、ユーザ端末10がタッチパネル以外を採用する場合には、上記の操作に対応した入力デバイスによる操作であってもよい。例えば、指F10によるタッチ操作は、入力デバイスの一例であるマウスのクリック操作に対応する。また、指F10によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして、トラックパッド等を用いてもよい。
【0126】
〔7−9.ユーザ端末の操作記録〕
また、上述してきたユーザ端末10は、実施形態に係る広告コンテンツや、広告コンテンツを表示する媒体(例えばウェブページ)に対して、ユーザがどれだけユーザ端末10を操作したかという記録を判定装置100に送信してもよい。具体的には、検知部18は、広告コンテンツが表示されているウェブページに対してユーザが行うタッチ操作やスクロール操作などのログを記録する。さらに、検知部18は、広告コンテンツに対するタッチ操作など、ユーザがユーザ端末10に対して行う種々の操作を記録してもよい。そして、通信部11は、検知部18により記録された操作履歴に関する情報を判定装置100に送信する。
【0127】
そして、判定装置100は、ユーザ端末10から配信されたユーザ端末10の操作履歴に関する情報を受信する。また、判定装置100は、受信したユーザ端末10の操作履歴に関する情報を集計し、かかる情報について分析した情報をさらに取得してもよい。例えば、判定装置100は、広告コンテンツに対してユーザが操作を行う頻度が高いほど、広告コンテンツが広告効果を発揮したと推定することができる。
【0128】
〔7−10.装置構成〕
また、上記実施形態では、判定システム1に、コンテンツ配信サーバ30と判定装置100とが含まれる例を示したが、コンテンツ配信サーバ30と判定装置100とは1個の装置として形成されてもよい。この場合、判定装置100は、例えば、
図7に示したコンテンツ記憶部32を有する。そして、判定装置100は、ユーザ端末10からウェブページの取得要求を受け付けた場合に、広告コンテンツ記憶部121に記憶された広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページをユーザ端末10に配信する。
【0129】
また、上記実施形態では、判定装置100からユーザ端末10に広告コンテンツが配信される例を示したが、コンテンツ配信サーバ30が、判定装置100から広告コンテンツを取得してもよい。この場合、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ30から広告コンテンツの取得要求を受け付ける。また、判定装置100は、コンテンツ配信サーバ30に広告コンテンツを配信する。また、コンテンツ配信サーバ30の配信部35は、判定装置100から取得した広告コンテンツとともに、広告取得命令を含まないウェブページをユーザ端末10に配信する。
【0130】
〔8.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0131】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した検知部134及び計測部135は統合されてもよい。
【0132】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0133】
〔9.ハードウェア構成〕
また、上記してきた実施形態に係る判定装置100、ユーザ端末10、広告主端末20およびコンテンツ配信サーバ30は、例えば、
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、判定装置100を例に挙げて説明する。
図9は、判定装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0134】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0135】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2のネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0136】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、生成したデータを出力装置へ出力する。
【0137】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0138】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る判定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータ、例えば広告コンテンツ記憶部121が格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0139】
〔10.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る判定装置100は、検知部134と、計測部135と、判定部136とを有する。検知部134は、ユーザが利用するユーザ端末10において、動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたことを検知する。計測部135は、検知部134によって動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたと検知された場合に、検知された時点からの経過時間を計測する。判定部136は、計測部135によって計測される経過時間が所定時間に達するまでのユーザ端末10における操作情報に基づいて、当該動画コンテンツの視聴状況を判定する。
【0140】
このように、実施形態に係る判定装置100は、動画コンテンツが単に再生されたことをもって視聴されたと判定するのではなく、実際にユーザが視聴したと想定されるような操作情報が得られた場合に、当該動画コンテンツが視聴されたと判定する。これにより、判定装置100は、実際のユーザの視聴状況に即した動画コンテンツの効果測定を行うことができる。
【0141】
また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、動画コンテンツが視聴されたと判定する。
【0142】
このように、実施形態に係る判定装置100は、ユーザ端末10に対する任意の操作に基づいて、動画コンテンツの視聴状況を判定する。ユーザが動画コンテンツを実際に視聴していた場合、動画が所定位置まで再生された後には何らかの操作がユーザから行われると想定されるため、判定装置100は、かかる操作を検知することで、動画コンテンツが実際に視聴されたか否かを正確に判定できる。
【0143】
また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合には、動画コンテンツが視聴されていないと判定する。
【0144】
このように、実施形態に係る判定装置100は、所定時間内にユーザ端末10に対する任意の操作が行われなかったという情報に基づいて、動画コンテンツが実際には視聴されなかったと判定する。これにより、判定装置100は、動画コンテンツが実際に視聴されたか否かを正確に判定できる。
【0145】
また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでに動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、当該所定の操作を、動画コンテンツの効果を測定のための操作として有効な操作と判定する。
【0146】
このように、実施形態に係る判定装置100は、例えば、タッチやクリック等の選択操作によってコンテンツの効果を測定する場合に、所定時間内の操作を有効な操作であると判定する。これにより、判定装置100は、実際に動画コンテンツを視聴したと想定されるユーザからの操作を効果測定に用いることができるため、コンテンツの効果を正確に測定することができる。
【0147】
また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間を超えた後に動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合には、当該所定の操作を、動画コンテンツの効果を測定のための操作として無効な操作と判定する。
【0148】
このように、実施形態に係る判定装置100は、所定時間外の操作については無効な操作であると判定する。これにより、判定装置100は、実際に動画コンテンツを視聴していないと想定されるユーザからの操作は、例えば誤クリック等と判定して、効果測定に含めないことができるため、コンテンツの効果を正確に測定することができる。
【0149】
また、判定部136は、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでに動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合であって、当該動画コンテンツの視聴によって課金処理が行われた場合、又は、経過時間が所定時間を超えた後に動画コンテンツに対してユーザから所定の操作が行われたことを示す情報が含まれる場合であって、当該所定の操作によって動画コンテンツに関する課金処理が行われた場合には、当該課金処理を無効な処理と判定する。
【0150】
これにより、実施形態に係る判定装置100は、ユーザからの誤クリック等による課金処理を発生させず、真に広告コンテンツが効果を発揮したと判定される場合の課金処理のみを有効な処理とすることができるため、現状の効果に即した課金処理を行うことができ、広告主の不利にならないような課金処理を行うことができる。
【0151】
また、判定部136は、動画コンテンツの再生がユーザからの選択操作を契機として行われた場合であって、操作情報に、経過時間が所定時間に達するまでにユーザ端末10に対してユーザから任意の操作が行われたことを示す情報が含まれない場合には、当該動画コンテンツを再生させる契機となったユーザからの選択操作は行われなかったものとして処理する。
【0152】
このように、実施形態に係る判定装置100は、自動的に動画コンテンツが再生された場合に限らず、ユーザからの選択操作を契機として再生される動画コンテンツに対しても、所定時間内の操作情報に基づくことで、実際に視聴されたか否かを判定できる。このため、判定装置100は、コンテンツの効果を正確に測定できる。
【0153】
また、判定部136は、動画コンテンツが所定の再生位置まで再生されたと検知された場合に、検知された直後にユーザ端末10に対して行われた操作に応じて異なる所定時間を設定したうえで、経過時間が所定時間に達するか否かを判定する。
【0154】
このように、実施形態に係る判定装置100は、ユーザから行われる操作に応じて、異なる判定時間を用いてもよい。これにより、判定装置100は、よりユーザの操作の実情に合わせて、動画の視聴状況の判定を行うことができる。
【0155】
また、検知部134は、所定の再生位置として、動画コンテンツが最後まで再生されたことを検知する。計測部135は、検知部134によって動画コンテンツが最後まで再生されたと検知された場合に、検知された時点からの経過時間を計測する。
【0156】
このように、実施形態に係る判定装置100は、動画の終了時点を始点として、所定時間の計測を開始する。これにより、判定装置100は、動画が終了した後にユーザ端末10を放置したり、視聴する意思のなかったりしたユーザを正確に判定することができる。
【0157】
また、検知部134は、所定の再生位置として、予め動画コンテンツごとに設定される再生位置であって、動画コンテンツがユーザから視聴されたと推定するための基準となる再生位置である基準位置まで再生されたことを検知する。計測部135は、検知部134によって動画コンテンツが基準位置まで再生されたと検知された場合に、検知された時点からの経過時間を計測する。
【0158】
このように、実施形態に係る判定装置100は、インプレッションが発生する再生位置の時刻(時点)を所定時間の始点としてもよい。これにより、判定装置100は、動画が最後まで再生された場合でなくともインプレッションが発生するよう設定されている動画コンテンツであっても、正確に効果を測定することができる。
【0159】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0160】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、配信部は、配信手段や配信回路に読み替えることができる。