(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ヨーク固定部に設けられた前記回転規制部と、前記第2ヨーク固定部に設けられた前記回転規制部とは、前記回転軸を中心として非点対称位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態に係る電動モータ、及び減速機付モータについて、図面を参照して説明をする。
【0028】
(減速機付モータ)
図1は、減速機付モータ1の外観を示す斜視図である。
図2は、減速機付モータ1の部品構成を示す斜視展開図である。
図3は、減速機付モータ1を構成するケーシング10を示す斜視図である。
図4は、減速機付モータ1のカバー8を取り外した状態を示す斜視図である。
図1〜
図4に示すように、減速機付モータ(電動モータ)1は、例えば、車両のパワーウィンドウ装置等に用いられるものであって、一面が開口された略箱状のケーシング10と、ケーシング10の開口を閉塞するように設けられたカバー8と、ケーシング10内に収容された減速機部60と、ケーシング10の一端側に設けられ、減速機部60に連結されたモータ部30と、を備えている。
【0029】
(ケーシング)
図2、
図3に示すように、ケーシング10は、その一面側に、減速機部60を収容する収容凹部11が形成されている。収容凹部11は、ケーシング10の天面部10tから天面部10tに対向する背面部10bに向かって窪んでいる。収容凹部11は、その底面11bに、後述する回転軸61を収容する軸収容溝12と、ウォームホイール63(
図2参照)を収納するウォームホイール収容凹部21と、ドライブギヤ(出力部材)66(
図2参照)を収容するドライブギヤ収容凹部22と、により構成されている。
【0030】
軸収容溝12は、収容凹部11の底面11bに沿って一方向に延びるよう形成されている。軸収容溝12は、軸収容溝12には、収容凹部11よりも外側の位置に、軸受収容凹部15A,15Bが形成されている。
【0031】
軸受収容凹部15A,15Bには、後述する回転軸61を回転自在に支持する軸受67A,67Bが圧入されて収容される。2つの軸受収容凹部15A,15Bのうち、一方の軸受収容凹部15Aには、軸収容溝12の中心軸に対して直交する径方向の両側に、ケーシング10の天面部10t側から軸受収容凹部15Aの底面15cに向かって延びる二本一対の溝部15mが形成されている。他方の軸受収容凹部15Bには、軸収容溝12の中心軸に対して直交する径方向の両側に、ケーシング10の天面部10t側から軸受収容凹部15Bの底面15dに向かって延びる二本一対のリブ15rが形成されている。
【0032】
軸受収容凹部15Aは、溝部15mを形成することにより、軸受収容凹部15Aへの軸受67Aの圧入に対して若干弾性変形を許容できるようになっている。また、軸受収容凹部15Bのリブ15rは、弾性変形可能に構成されている。これにより、軸受収容凹部15Bへの軸受67Aの圧入が許容される。このように、軸受67A,67Bは、外周面67a,67bが軸受収容凹部15A,15Bの底面15c,15dに突き当たると共に、圧入されることにより、径方向への移動が規制されている。
【0033】
また、ウォームホイール収容凹部21の底部21aには、ウォームホイール63の回転軸線に対応する位置に、第1軸13を圧入可能な凹部21bが形成されている。この凹部21bに、第1軸13の基端が圧入固定される。第1軸13は、底部21aに対して直交し、収容凹部11の開口方向(天面部10t側)に向かって突出するように設けられる。そして、第1軸13の底部21aから突出する箇所に、ウォームホイール63が回転自在に支持されている。
【0034】
一方、ドライブギヤ収容凹部22の底部22aには、ドライブギヤ66の回転軸線に対応する位置に、第2軸14が立設されている。第2軸14も第1軸13と同様に、底部22aに対して直交し、収容凹部11の開口方向(天面部10t側)に向かって突出するよう設けられる。このような第2軸14に、ドライブギヤ66が回転自在に支持されている。
また、第1軸13と、第2軸14は、軸収容溝12を挟んで一方の側と他方の側とに設けられる。
【0035】
ケーシング10の外周部には、モータ部30の一部を収容するモータ収容部(ホルダ収容部)16が形成されている。モータ収容部16は、断面略U字状に形成されている。すなわち、モータ収容部16は、収容凹部11の底面11bと同じ側に形成された底板部16aと、底板部16aの両側から収容凹部11の開口方向(ケーシング10の天面部10t側)に向かって立ち上がる一対の側壁部16b,16cと、を有している。
【0036】
また、ケーシング10において、収容凹部11とモータ収容部16との間には、収容凹部11とモータ収容部16とを区画する隔壁17が形成されている。この隔壁17には、ケーシング10の天面部10tから背面部10b側に窪み、回転軸61をケーシング10の内外に挿通させる挿通凹部17aが形成されている。この挿通凹部17aは、軸収容溝12に連続するよう形成されている。
【0037】
ケーシング10の外周部には、複数個所に、それぞれ凸部18が形成されている。これら凸部18には、ケーシング10を車体に固定するボルト(不図示)を挿通させるボルト挿通孔18hが形成されている。本実施形態において、ボルト挿通孔18hは、合計3つ形成されており、それぞれ周方向に略等間隔で配置されている。
【0038】
また、ケーシング10の外周部には、モータ収容部16を構成する一対の側壁部16b,16cに、それぞれ係止突起10aが形成されている。さらに、ケーシング10の外周部には、ウォームホイール収容凹部21、及びドライブギヤ収容凹部22の周方向外側で周方向に間隔を空けた複数個所に、それぞれ係止突起10aが形成されている。これら係止突起10aは、ケーシング10にカバー8をスナップフィット固定するためのものである。
また、ケーシング10の天面部10tには、収容凹部11の周縁部に、天面部10tよりも背面部10b側に窪んだ段部19が形成されており、この段部19に略板状のカバー8が嵌め込まれる。
【0039】
(減速機部)
図2、
図4に示すように、減速機部60は、ケーシング10に回転自在に支持された回転軸61と、回転軸61に一体成形されたウォームギヤ(ギヤ)62と、ウォームギヤ62に噛合されるウォームホイール(ギヤ)63と、ウォームホイール63と一体化されたピニオンギヤ(ギヤ)64と、ピニオンギヤ64に噛合されるスパーギヤ(ギヤ)65と、スパーギヤ65と一体化されるドライブギヤ66と、を備えている。
【0040】
回転軸61は、他端61b側の所定長が、ケーシング10の軸収容溝12に収容されている。そして、この軸収容溝12に収容された箇所が、減速機部60として構成される。回転軸61には、その中心軸方向に間隔をあけた2個所に、ケーシング10の軸受収容凹部15A,15Bに収納される軸受67A,67Bが外嵌されている。なお、軸受67A,67Bとしては、例えば、転がり軸受が用いられる。
回転軸61は、一端61a側にモータ部30のアーマチュア32が設けられることにより、モータ部30のアーマチュア32と共有されている。これにより、回転軸61は、モータ部30の作動によってその中心軸回りに回転駆動される。
【0041】
図5は、回転軸61の一方の側に設けられた軸受67Aが軸受収容凹部15Aに嵌合した状態を示す平面図である。
図3、
図5に示すように、モータ収容部16側の軸受収容凹部15Aには、収容凹部11に近い側に、軸収容溝12の中心軸方向に直交する位置決め面15kが形成されている。回転軸61の一方の側に設けられた軸受67Aは、位置決め面15kに突き当たることにより、回転軸61の軸方向における位置決めが行われる。
【0042】
図4に示すように、モータ収容部16から離間した側の軸受収容凹部15Bは、軸受67Bの軸方向の厚さよりも大きな開口寸法を有している。この軸受収容凹部15Bには、回転軸61の他端61bと軸受67Bとが収容される。軸受67Bは、底面15dと、径方向両側のリブ15rとによって、径方向への移動のみが規制されている。
【0043】
図2、
図4に示すように、ウォームギヤ62は、軸受67A,67Bの中間部において、回転軸61と一体に形成されている。ウォームギヤ62が設けられた回転軸61は、軸収容溝12内に配置されている。
【0044】
ピニオンギヤ64は、外周部に歯車状のギヤ部64bを備えている。ピニオンギヤ64の中心部には、ケーシング10に形成された第1軸13が挿入される軸挿入孔64hが形成されている。ピニオンギヤ64は、第1軸13を軸挿入孔64hに挿入することにより、第1軸13回りに回転自在に支持される。
【0045】
ウォームホイール63は、略円板状に形成されたものであって、ケーシング10のウォームホイール収容凹部21に収容されている。ウォームホイール63の中心部には、ピニオンギヤ64の軸方向の一部を収容して嵌合するギヤ収容穴63hが形成されている。また、ウォームホイール63の外周面には、ウォームギヤ62に噛合うギヤ歯63gが形成されている。
【0046】
ウォームホイール63及びピニオンギヤ64は、モータ部30により回転軸61がその中心軸回りに回転駆動されると、第1軸13回りに回転する。
【0047】
スパーギヤ65は、略円板状に形成され、ケーシング10のドライブギヤ収容凹部22に収容されている。スパーギヤ65の外周面には、ピニオンギヤ64に噛み合うギヤ歯65gが形成されている。
スパーギヤ65の径方向中央には、その中心軸方向に貫通する挿通孔(不図示)が形成されている。そして、この挿通孔の周囲に、略扇形状の係合凹部65aが、周方向に間隔をあけて例えば3個所に形成されている。
【0048】
ドライブギヤ66は、略円板状のプレート部66aと、プレート部66aの一面側に形成された歯車状のギヤ部66gと、を一体に備えている。
プレート部66aにおいて、ギヤ部66gと反対側には、スパーギヤ65の係合凹部65aに係合する係合突起66tが突設されている。これにより、ドライブギヤ66は、スパーギヤ65と一体となって、ドライブギヤ収容凹部22に収容される。
また、ドライブギヤ66には、ケーシング10に形成された第2軸14が挿入される軸挿入孔66hが形成されている。これにより、スパーギヤ65及びドライブギヤ66は、第2軸14回りに回転自在に設けられている。
【0049】
ここで、
図3に示すように、ドライブギヤ収容凹部22の底部22aは、ウォームホイール収容凹部21の底部21aよりもケーシング10の天面部10tに近い位置に形成されている。これにより、
図4に示すように、スパーギヤ65は、その外周部が、回転軸61の上方を跨がるように配置され、ウォームギヤ62に噛み合うウォームホイール63よりも上方に配置される。そして、
図1に示すように、減速機部60は、ドライブギヤ66の一部を除き、ケーシング10に装着されるカバー8によって覆われる。
【0050】
(カバー)
図1、
図2に示すように、カバー8は、ケーシング10の天面部10t側に配置されている。カバー8は、樹脂材料により略板状に形成されている。カバー8は、ケーシング10の収容凹部11を閉塞するカバー本体81と、モータ収容部16におけるケーシング10の天面部10t側の開口を閉塞するモータ側カバー82と、が一体成形されている。
【0051】
また、カバー8の外周部には、ケーシング10の各係止突起10aに対応する位置に、それぞれ係止舌片83が一体成形されている。つまり、カバー8の外周部には、合計8つの係止舌片83が一体成形されている。係止舌片83は、ケーシング10の外周部に向かって延出しており、対応する係止突起10aと係止可能に構成されている。各係止突起10aに係止舌片83を係止させることにより、ケーシング10にカバー8がスナップフィット固定される。
【0052】
また、カバー本体81には、ドライブギヤ66のプレート部66a及びギヤ部66gを挿通可能な開口部85が形成されている。この開口部85を介し、プレート部66a及びギヤ部66gが外部に露出される。そして、ギヤ部66gに、車両用窓を開閉するウィンドウレギュレータ等が係合される。
さらに、カバー本体81には、開口部85の周縁に、この開口部85とプレート部66aとの間をシールするためのシール部91が設けられている。シール部91は、例えばゴム等により形成されている。
【0053】
(モータ部)
図2、
図4に示すように、モータ部30としては、例えば、ブラシ付直流モータなどが用いられている。モータ部30は、ヨーク31と、ヨーク31に一端が回転自在に支持されているアーマチュア32と、アーマチュア32に電力を供給するための一対のブラシ43を保持したブラシホルダ40と、ブラシ43と外部電源(不図示)とを電気的に接続するコネクタ部材(コネクタ部)50と、を備えている。
【0054】
ヨーク31は、略有底筒状に形成され、アーマチュア32の径方向外側に位置する筒状部31aを有している。筒状部31aは、軸方向からみた形状が略六角形となるように形成されている。また、ヨーク31は、筒状部31aの開口部をケーシング10のモータ収容部16側に向けて配置されている。ヨーク31の筒状部31aの内周面には、複数の永久磁石31mが設けられている。
【0055】
図1に示すように、ヨーク31の筒状部31aの開口部側の端部には、径方向外側に広がる略長方形状のフランジ部31fが一体に形成されている。より詳しくは、フランジ部31fは、その短手方向の幅Ls(
図11参照)が筒状部31aの径方向の幅とほぼ同一になるように形成されている。フランジ部31fの長手方向は、ケーシング10の天面部10tの面方向に沿う方向とほぼ一致している。
【0056】
フランジ部31fには、対角線状の2個所に、ケーシング10の天面部10tに沿った幅方向外側に突出する突出部31t,31sが形成されている。これら突出部31t,31sには、それぞれ、ビス穴31hが形成されている。ヨーク31は、フランジ部31fのビス穴31hにビス(ネジ部材)39(
図11参照)を挿入し、さらにこのビス39をモータ収容部16に螺入することにより、このモータ収容部16に締結固定される(詳細は後述する)。
【0057】
図2、
図4に示すように、アーマチュア32は、回転軸61と、回転軸61の一端61aに外嵌固定されたアーマチュアコア33と、アーマチュアコア33に巻回されているアーマチュアコイル34と、回転軸61のアーマチュアコア33よりもモータ収容部16側に外嵌固定されているコンミテータ35と、により構成されている。
【0058】
アーマチュアコア33は、略リング状の金属板33mを軸方向に複数枚積層したものである。アーマチュアコア33には、アーマチュアコイル34を巻回するための複数のスロット33s及びティース33tが形成されている。そして、スロット33sを介してティース33tにアーマチュアコイル34が巻回される。
【0059】
コンミテータ35は、略円柱状に形成されている。コンミテータ35の外周面には、導電材で形成されたセグメント35sが周方向に複数枚取り付けられている。これらセグメント35sに、アーマチュアコイル34が電気的に接続される。
【0060】
(ブラシホルダ)
図6は、モータ収容部16に収容されたブラシホルダ40を示す斜視図である。
図7は、ブラシホルダ40の構成を示す
平面図である。
図6、
図7に示すように、ブラシホルダ40は、ケーシング10のモータ収容部16に収容されている。ブラシホルダ40は、平板状のサポートプレート41を有している。サポートプレート41は、回転軸61との接触を回避するように略U字状に形成されている。すなわち、サポートプレート41は、回転軸61の中心軸方向に直交し、かつケーシング10の天面部10tに沿った幅方向に延びる基部(連結部)41mと、基部41mの幅方向両端部からそれぞれモータ収容部16の底板部16aに向かって延びる一対のアーム部41n,41nとを一体に有している。
【0061】
サポートプレート41は、一対のアーム部41n,41nの間に形成された開口41kをモータ収容部16の底板部16a側に向け、モータ収容部16の開口方向(側壁部16b,16c間が底板部16aによって閉塞された側とは反対側のケーシング10の天面部10t側)からモータ収容部16に挿入される。これにより、モータ収容部16にブラシホルダ40が収容される。
また、サポートプレート41には、基部41mの幅方向両端部に、幅方向外方に向かって突出する凸部41t,41tが形成されている。
【0062】
このようなサポートプレート41の表面41fには、略角筒状のブラシ保持部41aやサーミスタ42等の電子部品が設けられている。そして、ブラシ保持部41aに、コンミテータ35に向かって出没自在に一対のブラシ43が保持されている。また、ブラシ43は、スプリング44により、コンミテータ35側に向かって付勢されている。これにより、ブラシ43の先端が、常時コンミテータ35のセグメント35sに摺接される。
【0063】
また、サポートプレート41には、ピグテール48,48を介してブラシ43,43に接続される接続端子49,49が設けられている。ここで、一方の接続端子49は、サポートプレート41の背面41g側でサーミスタ42に接続される。このサーミスタ42と一方のブラシ43とが、ピグテール48を介して接続されている。
【0064】
各接続端子49は、サポートプレート41の背面41g側から、一方のアーム部41nの幅方向外側を通り、表面41fに直交する方向に突出するよう設けられている。ここで、接続端子49,49は、アーム部41nが延びる方向に間隔を空けて配列されている。
【0065】
このようなブラシホルダ40をモータ収容部16に固定するため、モータ収容部16の各側壁部16b,16cにおいて隔壁17に近い位置には、ケーシング10の天面部10t側からモータ収容部16の底板部16a側に向かって窪んだ段部16dが形成されている。
【0066】
図8は、ケーシング10に形成されたモータ収容部16を示す斜視図である。
図5、
図8に示すように、モータ収容部16の底板部16aには、側壁部16b,16cに沿う位置に、底板部16aからケーシング10の天面部10t側に向かって突出する略直方体状の係止ブロック16k,16kが形成されている。この係止ブロック16k,16kは、隔壁17との間にサポートプレート41の板厚と略同じ寸法を隔てて形成されている。
【0067】
また、モータ収容部16の底板部16aには、側壁部16b,16cの中間部に、底板部16aからケーシング10の天面部10t側に向かって突出する略直方体状の中間ブロック(変形規制部)70が形成されている。この中間ブロック70は、隔壁17に近接した位置に、サポートプレート41と略同じ厚さを有して形成されている。また、中間ブロック70の幅方向両側には、底板部16aからケーシング10の天面部10t側に向かって延びるリブ71がそれぞれ形成されている。
図6に示すように、この中間ブロック70は、ブラシホルダ40のアーム部41n,41nの間隔と略同じ幅寸法を有して形成されている。
【0068】
ここで、中間ブロック70を有するケーシング10は、ブラシホルダ40のサポートプレート41よりも軟らかい材料で形成するのが好ましい。例えば、サポートプレート41、及び、ケーシング10をそれぞれPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂により形成しつつ、サポートプレート41よりもケーシング10を軟らかくする方法がある。また、サポートプレート41をPA66ナイロン樹脂で形成し、ケーシング10をPBT樹脂で形成する方法もある。この他、さまざまな方法を採用することができる。
【0069】
このように、ケーシング10をサポートプレート41よりも軟らかい材料で形成すると、ケーシング10のモータ収容部16にブラシホルダ40(サポートプレート41)を挿入する際、中間ブロック70の幅方向両側に形成されたリブ71,71が弾性変形又は塑性変形する。これにより、ブラシホルダ40のアーム部41n,41nを中間ブロック70に対して圧入状態とすることができ、その位置ズレを強固に抑え、ボルト等を用いずにブラシホルダ40を固定することができる。
【0070】
また、
図5、
図6、
図8に示すように、モータ収容部16の一方の側壁部16bには、ブラシホルダ40の接続端子49,49を収容する端子収容スリット72が形成されている。この端子収容スリット72は、幅方向スリット部72aと、幅方向スリット部72aに連通する軸方向スリット部72bと、により構成されている。幅方向スリット部72aは、底板部16aと側壁部16b,16cとに囲まれたモータ収容部16のプレート圧入空間16sにおいて隔壁17に沿った位置から、幅方向外側に向かって延びている。軸方向スリット部72bは、幅方向スリット部72aに連続して形成され、隔壁17から一方の側壁部16bの先端面16fに開口する。また、モータ収容部16の内側には側壁部16b,16cそれぞれ対向する方向に突出した内壁面16lが形成されている。
【0071】
このように構成された端子収容スリット72は、ケーシング10の天面部10t側から底板部16aに向かって所定の深さを有している。端子収容スリット72は、そのスリット底面72dが、底板部16aよりも所定寸法天面部10t側に位置するよう形成されている。
【0072】
図6に示すように、ブラシホルダ40は、サポートプレート41を隔壁17に沿わせた状態で、各凸部41tを、段部16dに係合させる。また、ブラシホルダ40は、各アーム部41nの先端が、係止ブロック16kと隔壁17との間に挿入される。さらに、ブラシホルダ40は、アーム部41n,41nの先端部が、中間ブロック70を幅方向両側から挟み込むようにして設けられる。これにより、ブラシホルダ40をモータ収容部16内に押し込んだときに、アーム部41n,41nの先端同士が互いに接近する方向に変形してしまうのを抑える。
また、サポートプレート41を上記のようにしてプレート圧入空間16sに圧入した状態で、ブラシホルダ40に設けられた接続端子49は端子収容スリット72内に収容され、その先端部が一方の側壁部16bの先端面16fから露出している。
【0073】
また、
図7に示すように、ブラシホルダ40のサポートプレート41には、モータ収容部16の段部16d,16d、係止ブロック16k,16k等に突き当たる位置に、それぞれサポートプレート41の表面41fから直交する方向に突出する突起41xが形成されている。
【0074】
図9は、モータ収容部16にブラシホルダ40を収容した状態を示す平面図である。
同図に示すように、サポートプレート41は、モータ収容部16のプレート圧入空間16sに圧入したときに、これらの突起41xがモータ収容部16の段部16d,16d、係止ブロック16k,16k等に突き当たる。これにより、サポートプレート41が回転軸61の中心軸方向にガタつくのが抑えられる。
【0075】
(コネクタ部材)
図10は、モータ収容部16の一端部にコネクタ部材50をセットした状態を示す斜視図である。
図1、
図2、
図10に示すように、コネクタ部材50は、モータ収容部16の一端部とヨーク31とに挟持されるフレーム部(挟持部)51と、このフレーム部51に一体的に設けられているコネクタ受け部52と、を備えている。
【0076】
フレーム部51は、略長方形で額縁状に形成されており、その開口部51aが、モータ収容部16側とヨーク31側とを連通している。すなわち、開口部51a内に、アーマチュア32の一部が挿通されている。そして、開口部51aは、フレーム部51にヨーク31が装着されることで覆われる。
【0077】
また、フレーム部51の内側には、突起55,55が一体成形されている。各突起55は、モータ収容部16の側壁部16b,16cに沿い、ケーシング10の外側面10s側に向かって突出するよう形成されている。コネクタ部材50をモータ収容部16に装着した状態で、各突起55の先端は係止ブロック16kと対向して配置される。さらに、フレーム部51には、ブラシホルダ40(サポートプレート41)の接続端子49,49に対応する位置に、これら接続端子49,49と嵌着可能な端子部材(不図示)の一端が突設されている。この端子部材の他端は、コネクタ受け部52の後述するフード内52aに突出されている。
【0078】
コネクタ受け部52は、車体側に設けられた発電機やバッテリー等の外部電源に接続されるハーネスの先端に設けられた不図示のコネクタが挿入される略有底筒状のフード52aと、フード52aとフレーム部51とを連結する連結部52bと、を一体に有している。フード52a内には、コネクタに設けられたハーネス側端子に電気的に接続される端子部材(何れも不図示)の他端部が保持されている。このようなコネクタ部材50のコネクタ受け部52に、不図示の外部電源に接続されたハーネスの不図示のコネクタを接続することにより、外部電源の電力をブラシ43、コンミテータ35を介して、モータ部30(アーマチュア32)に供給できる。
【0079】
図11は、ヨーク31とコネクタ部材50とのオフセット状態を示す図である。
図11に示すように、コネクタ部材50は、回転軸61及びヨーク31の中心C1に対し、コネクタ受け部52を構成するフード52a及び連結部52bの中心C2が、モータ収容部16の開口部側(底板部16aが設けられている側とは反対側のケーシング10の天面部10t側)に所定寸法Dだけオフセットしている。
【0080】
ここで、コネクタ受け部52を構成するフード52a及び連結部52bは、ヨーク31における、ケーシング10の天面部10tとモータ収容部16の底板部16aとを結ぶ方向(第1軸13、第2軸14の軸線方向)の高さの範囲内でオフセットしている。換言すれば、フード52a及び連結部52bは、ヨーク31のフランジ部31fの短手方向の幅Ls(ヨーク31の筒状部31aの径方向の幅)の範囲内でオフセットしている。
【0081】
このように、コネクタ受け部52がオフセットされているので、このコネクタ受け部52内を通る端子部材(不図示)もモータ収容部16の開口部側にオフセットされる。これに伴い、端子部材に接続されるブラシホルダ40の接続端子49もオフセットされる。このため、モータ収容部16の端子収容スリット72は、そのスリット底面72dが、底板部16aよりも所定寸法天面部10t側に位置するよう形成される。すなわち、ブラシホルダ40の接続端子49がオフセットされる分、端子収容スリット72のスリット深さが浅く設定される。
【0082】
図10に示すように、このようなコネクタ部材50は、モータ収容部16の底板部16a及び側壁部16b,16cの先端面16f(
図6、
図8参照)に沿って設けられる。
図8に示すように、モータ収容部16には、先端面16fからヨーク31側に突出する突起(第1ヨーク固定部)75及び突起(第2ヨーク固定部)76が設けられている。
【0083】
一方の突起75は、コネクタ部材50のコネクタ受け部52が設けられている側の側壁部16bで、かつコネクタ受け部52のオフセット方向とは反対側の底板部16a側の端部に形成されている。この突起75には、端子収容スリット72のスリット底面72dに端子収容スリット72のスリット底面72dに連続する第一突き当て面75aが形成されている。また、この突起75には、側壁部16cに対向する側に、側壁部16b,16cが対向する方向に直交する第二突き当て面75bが形成されている。
【0084】
他方の突起76は、コネクタ部材50のコネクタ受け部52が設けられている側とは反対側の側壁部16cに形成されている。この突起76は、側壁部16cにおいて、ケーシング10の天面部10t側と底板部16a側とを結ぶ方向に連続して延びるよう形成されている。他方の突起76には、側壁部16bに対向する側に、側壁部16b,16cが対向する方向に直交する第三突き当て面76aが形成されている。
【0085】
図10に示すように、コネクタ部材50は、モータ収容部16の底板部16a及び側壁部16b,16cの先端面16fと、ヨーク31のフランジ部31fと、に挟持されて固定される。このとき、コネクタ部材50は、突起55と内壁面16lとによって位置決めされており、側壁部16b,16cが対向する方向及び、底板部16a側への移動が規制されて保持される。
【0086】
また、
図8に示すように、突起75,76には、回転軸61の中心軸方向に直交するヨーク固定面75f,76fが形成されている。これらヨーク固定面75f,76fは、側壁部16b,16cの先端面16fよりもヨーク31側に突出した位置に形成されている。
また、
図10に示すように、ヨーク固定面75f,76fは、モータ収容部16にセットされたコネクタ部材50のフレーム部51と略同一面内に位置する。これらヨーク固定面75f,76fには、ヨーク31を固定するビス39(
図11参照)が締結されるビス穴75h,76hが形成されている。
【0087】
これらの突起75,76には、ヨーク固定面75f,76fよりもヨーク31側に突出した回り止め突起(回転規制部)77,78が形成されている。回り止め突起77,78は、ビス穴75h、76hに対し、ヨーク31の中心C1に対して径方向外側に配置されている。さらに、回り止め突起77,78は、ビス穴75h、76hに対し、ビス穴75h、76hにおけるビス39の締め込み方向(時計回り)の前方に配置されている。
【0088】
また、回り止め突起77,78は、ヨーク31(回転軸61)の中心C1に対し、非点対称となる位置に形成されている。詳しくは、ヨーク31の突出部31t,31sは、ケーシング10の天面部10tとモータ収容部16の底板部16aとを結ぶ方向(第1軸13,第2軸14の軸線方向)における高さ寸法H1,H2が互いに異なる。回り止め突起77,78は、この高さ寸法H1,H2に対応した位置に形成されることで、ヨーク31の中心C1に対して非点対称となる。
【0089】
ヨーク31は、フランジ部31fに形成された突出部31t,31sを、突起75,76のヨーク固定面75f、76gに突き当てた状態で、ビス39をビス穴31hに挿通させてビス穴75h,76hに締結することにより、ケーシング10のモータ収容部16に固定されている。
また、ヨーク31は、突出部31t,31sが突起75,76に形成された回り止め突起77,78に突き当たることで、ビス39を締め付けるときにヨーク31がヨーク31の中心(回転軸61の中心軸位置)回りに回転して位置ズレするのを抑える。
【0090】
(減速機付モータの組立方法)
次に、減速機付モータ1の組立方法について説明する。
まず、回転軸61に、アーマチュア32及びコンミテータ35と、軸受67A,67Bとを組み付けておく。
次に、ケーシング10の軸収容溝12に対し、回転軸61を、収容凹部11の開口側(ケーシング10の天面部10t側)から、第1軸13、第2軸14の中心軸方向に沿って組み込む。このとき、軸受67A,67Bを、ケーシング10に形成された軸受収容凹部15A,15Bに圧入する。
【0091】
図3に詳示するように、軸受収容凹部15Aには溝部15mが形成され、軸受収容凹部15Bにはリブ15rが形成されているので、回転軸61の径方向位置が容易かつ確実に位置決めされる。また、
図5に詳示するように、軸受収容凹部15Aには、位置決め面15kが形成されている。このため、回転軸61の軸方向位置が、軸受67Aと位置決め面15kとを基準として、容易かつ確実に位置決めされる。
このように、回転軸61を組み込むことによって、回転軸61に設けられたコンミテータ35は、モータ収容部16内に収容される。
【0092】
次に、ケーシング10の収容凹部11内に、ウォームホイール63、ピニオンギヤ64、スパーギヤ65、及びドライブギヤ66を、それぞれ収容凹部11の開口側から、第1軸13、第2軸14の中心軸方向に沿って順次組み込む。
【0093】
また、モータ収容部16の開口側に向かって、ブラシホルダ40を第1軸13、第2軸14の中心軸方向に沿って組み込む。
ここで、ブラシホルダ40は、互いに平行に延びる一対のアーム部41n,41nと、一対のアーム部41n,41n同士をモータ収容部16の開口方向側で連結する基部41mと、を有したU字形状とされている。そして、モータ収容部16は、一対のアーム部41n,41n同士の間に設けられ、一対のアーム部41n,41nが互いに接近する方向に変形するのを規制する中間ブロック70を有している。このため、モータ収容部16にブラシホルダ40を組み付けたときに、一対のアーム部41n,41n同士が互いに接近する方向に変形してしまうのを抑えることができる。
【0094】
また、中間ブロック70は、一対のアーム部41n,41nよりも軟らかい材料で形成されている。中間部ロック70にアーム部41nを圧入した場合、中間ブロック70の幅方向両側に形成されたリブ71が変形することで、圧入状態とすることができる。これによって、ブラシホルダ40を、ボルト等を用いずにモータ収容部16への圧入のみで固定することができる。
【0095】
次に、ケーシング10の天面部10tを覆うように、カバー8を取り付ける。ここで、カバー8は、カバー本体81に形成されている係止舌片83と、ケーシング10に形成された係止突起10aと、によりスナップフィット固定されている。
【0096】
次に、コネクタ部材50を、モータ収容部16に対し、回転軸61の中心軸方向に沿って組み付ける。コネクタ部材50を組み付けると、コネクタ部材50とブラシホルダ40とが電気的に接続される。
この後、モータ収容部16の端部にヨーク31を装着する。具体的には、ヨーク31は、モータ収容部16の突起75及び突起76に、それぞれビス39によって固定される。ビス39を締め付けると、これに追随するようにヨーク31が僅かに回転しようとする。
【0097】
ここで、モータ収容部16の突起75及び突起76には、回り止め突起77,78が設けられているので、ビス39を締め付けると、回り止め突起77,78にヨーク31の突出部31t,31sが押し付けられながらビス39によってヨーク31が締結固定される。このように、回り止め突起77,78がヨーク31の回転方向の位置決め部として作用する。つまり、回り止め突起77,78は、ヨーク31の突出部31t,31sと当接する側の面が位置決め面77a,78aとして機能する。また、2つの回り止め突起77,78のうち、回り止め突起77の位置決め面77aと反対側の面は、コネクタ部材50を挿入する際のガイドを行う第一突き当て面75aとして機能する。
【0098】
また、突起75に設けられた回り止め突起77と、突起76に設けられた回り止め突起78とは、回転軸61を中心として非点対称位置に設けられている。このため、ケーシング10に対するヨーク31の回転方向における向きが規制されるので、ヨーク31の誤組付けが防止される。
【0099】
(減速機付モータの動作)
次に、減速機付モータ1の動作について説明する。
まず、モータ部30を駆動させると、回転軸61、及びウォームギヤ62を介してウォームホイール63が回転する。回転軸61、及びウォームギヤ62は、軸受67A,67Bによって回転自在に支持されている。
【0100】
続いて、回転軸61、及びウォームギヤ62が回転すると、ウォームホイール63と共に、ドライブギヤ66が回転する。そして、ドライブギヤ66のギヤ部66gから、例えば、車両用窓を昇降動作させる駆動力を出力することができる。
ここで、減速機部60は、ウォームギヤ62とウォームホイール63との噛み合い、及びピニオンギヤ64とスパーギヤ65との噛み合いによって、2段階に減速される。
【0101】
このように、上述の減速機付モータ1のコネクタ部材50は、ケーシング10とヨーク31との間に挟持されるフレーム部51と、フレーム部51からヨーク31の径方向外側に向かって延び、外部電源に接続されたハーネスの先端に設けられたコネクタが接続されるコネクタ受け部52と、を備えている。そして、コネクタ受け部52は、ヨーク31(回転軸61)の中心C1に対し、モータ収容部16の開口方向側にオフセットして配置されている。また、コネクタ受け部52は、ヨーク31の筒状部31aの径方向の幅の範囲内でオフセットしている。
【0102】
このため、ケーシング10にヨーク31を固定する突起75を、コネクタ受け部52がオフセットした方向と反対側に配置することができる。さらに、ヨーク31の径方向寸法の範囲内でコネクタ受け部52がオフセットされている。このため、ケーシング10の天面部10tとモータ収容部16の底板部16aとを結ぶ方向(第1軸13、第2軸14の軸線方向)において、ケーシング10からコネクタ受け部52が突出することもなく、ケーシング10及び減速機付モータ1の小型化を図ることが可能となる。
【0103】
また、モータ収容部16の開口側に向かって、ブラシホルダ40を第1軸13、第2軸14の中心軸方向に沿って組み込むので、ブラシホルダ40の組付け性がよい。これに加え、モータ収容部16の開口方向側で、ブラシホルダ40の接続端子49とコネクタ部材50の端子部材(不図示)とを接続できるので、ブラシホルダ40とコネクタ部材50との接続性を向上できる。
【0104】
さらに、コネクタ受け部52がオフセットされているので、このコネクタ受け部52内を通る端子部材(不図示)もモータ収容部16の開口部側にオフセットされる。これに伴い、端子部材に接続されるブラシホルダ40の接続端子49もオフセットされる。このため、モータ収容部16の端子収容スリット72は、そのスリット底面72dが、底板部16aよりも所定寸法天面部10t側に位置するよう形成される。すなわち、ブラシホルダ40の接続端子49がオフセットされる分、端子収容スリット72のスリット深さが浅く設定される。端子収容スリット72のスリット深さが浅い分、モータ収容部16(ケーシング10)の剛性を高めることができる。
【0105】
また、ケーシング10は、ヨーク31を固定する突起75及び突起76を備え、突起75は、回転軸61に対し、コネクタ受け部52が延びる方向側に設けられ、突起76は、突起75とは回転軸61を挟んだ反対側に設けられているのが好ましい。
このような構成によれば、ヨーク31を突起75と突起76の2個所で固定することで、最小限の数の突起75,76で略均一な力でヨーク31をケーシング10に固定することができる。
【0106】
また、突起75は、コネクタ受け部52に対し、モータ収容部16の開口方向とは反対側に設けられ、突起76は、モータ収容部16の開口方向側に設けられている。つまり、コネクタ受け部52がオフセットした方向と反対側に、突起75が配置され、突起75とは反対側に、突起76がオフセットして配置されている。これにより、ヨークを対角線状の2個所で確実にケーシングに固定することができる。
【0107】
また、ヨーク31は、突起75及び突起76に、それぞれビス39によって固定されている。そして、突起75及び突起76には、回転軸61を中心としたビス39よりも径方向外側におけるビス39の締付方向前方へのヨーク31の回転を規制する回り止め突起77,78が設けられている。このため、ビス39を締め付けてヨーク31を固定するときに、ビス39の回転にともなってヨーク31が位置ズレするのを抑えることができる。これに加え、回り止め突起77,78がヨーク31の回転方向の位置決め部として作用するので、ヨーク31の位置決めも容易に行うことができる。
【0108】
また、突起75に設けられた回り止め突起77と、突起76に設けられた回り止め突起78とは、回転軸61を中心として非点対称位置に設けられている。
このような構成によれば、ケーシング10に対するヨーク31の回転方向における向きが規制されるので、ヨーク31の誤組付けを防止することができる。
【0109】
また、ブラシホルダ40は、互いに平行に延びる一対のアーム部41n,41nと、一対のアーム部41n,41n同士をモータ収容部16の開口方向側で連結する基部41mと、を有したU字形状とされている。そして、モータ収容部16は、一対のアーム部41n,41n同士の間に設けられ、一対のアーム部41n,41nが互いに接近する方向に変形するのを規制する中間ブロック70を有している。
このような構成によれば、ブラシホルダ40をモータ収容部16に組み付けたときに、一対のアーム部41n,41n同士が互いに接近する方向に変形してしまうのを抑えることができる。
【0110】
また、中間ブロック70は、一対のアーム部41n,41nよりも軟らかい材料で形成されている。
このような構成によれば、一対のアーム部41n,41nの間に中間ブロック70を圧入した場合、中間ブロック70が変形することで、圧入代(しろ)を確保することができる。これによって、ブラシホルダ40を、ボルト等を用いずにモータ収容部16への圧入のみで固定することができる。つまり、ブラシホルダ40を固定するためのボルトを締結するスペースを確保する必要が無いことから、減速機付モータ1の小型化に寄与する。
【0111】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では本発明の減速機付モータ1の組立方法について説明したが、例えば、ウォームホイール63やドライブギヤ66等と、ブラシホルダ40やコネクタ部材50等との組み付け順序は適宜変更してもよい。
【0112】
また、減速機付モータ1の各部の構成については、適宜変更することが可能である。例えば、減速機部60は、第1軸13と第2軸14とを備えるようにしたが、1本、あるいは3本以上の軸で減速機部を構成するギヤを支持するようにしてもよい。
さらに、減速機部60を備える構成は必須ではなく、減速機を備えない電動モータであってもよい。
【0113】
また、上述の実施形態では、電動モータを、車両のワイパーアームの駆動源として、減速機付モータ1を適用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、パワーウィンドウ装置、ウィンドウレギュレータやサンルーフ、電動シートなどの駆動源、さらには、車両以外の電装品など、さまざまな装置に、減速機付モータ1を適用することが可能である。