特許第6698009号(P6698009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6698009情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698009
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/10 20060101AFI20200518BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20200518BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20200518BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20200518BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   G08B25/10 A
   G06Q50/10
   G09B29/10 A
   G09B29/00 A
   G01C21/26 P
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-252486(P2016-252486)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-106444(P2018-106444A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中西 紀子
(72)【発明者】
【氏名】花島 知里
(72)【発明者】
【氏名】隈本 瑛幸
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−172019(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0163626(US,A1)
【文献】 特開2013−171011(JP,A)
【文献】 特開2009−237870(JP,A)
【文献】 特開2012−221267(JP,A)
【文献】 特開2005−038299(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0080588(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/10
G01C 21/26
G06Q 50/10
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された経路に対して所定の幅を設けた領域を、監視対象とする対象エリアとして設定する設定部と、
端末装置の位置情報を取得し、前記対象エリアに端末装置が進入又は退出したと判定した場合に、所定の動作を行う位置判定部と、
を備え
前記所定の幅は、
前記端末装置を保持するユーザの住所を含むユーザ情報に応じて設定される、
情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、
ユーザが地図上に設定した複数の点に対応する位置情報を取得し、前記複数の点を結んだ線分を前記経路として受け付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、
ユーザが地図上をなぞって設定した領域を前記経路として受け付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、
入力された前記経路を地図情報上の道路にマッチングさせて受け付ける、
請求項1〜3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、
前記端末装置を保持するユーザの、年齢、性別、又は障害の有無の少なくとも何れかを含む
請求項1〜4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、
前記対象エリアにおいて、監視対象から除外する除外エリアを設定し、
前記位置判定部は、
前記除外エリアは、前記端末装置の位置情報の判定から除外する、
請求項1〜5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、
前記対象エリアに、監視対象の期間又は日時を対応付けて設定し、
前記位置判定部は、
前記期間又は日時において、前記端末装置の位置情報の判定を行う、
請求項1〜6の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記経路は通学路であり、
前記位置判定部は、
前記対象エリアから前記端末装置が退出したと判定した場合に、所定の端末に通知を行う、請求項1〜7の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
入力された経路に対して所定の幅を設けた領域を、監視対象とする対象エリアとして設定する手段、及び
端末装置の位置情報を取得し、前記対象エリアに端末装置が進入又は退出したと判定した場合に、所定の動作を行う手段
として機能させるプログラムであって、
前記所定の幅は、
前記端末装置を保持するユーザの住所を含むユーザ情報に応じて設定される、
プログラム
【請求項10】
コンピュータが、
入力された経路に対して所定の幅を設けた領域を、監視対象とする対象エリアとして設定するステップと、
端末装置の位置情報を取得し、前記対象エリアに端末装置が進入又は退出したと判定した場合に、所定の動作を行うステップと
を実行する情報処理方法であって、
前記所定の幅は、
前記端末装置を保持するユーザの住所を含むユーザ情報に応じて設定される、
情報処理方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象がある地点を囲む所定の領域内に存在するか否かを管理する方法としてジオフェンスを利用する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、建設機械が駆動可能な領域としてジオフェンスを設定し、GPS機能を用いて取得した建設機器の位置情報が設定されたジオフェンスに含まれていない場合には、作業を停止させるシステムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、指定された配達地点を取り囲むジオフェンスを設定し、アイテムが指定された配達地点に正しく配達されたか否かを監視するシステムが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、物体が、ジオフェンスによって境界を示された領域に入ったことまたは出たことを検出すると、ジオフェンスのサイズや形状を一時的に変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−232682号公報
【特許文献2】特表2008−524699号公報
【特許文献3】特表2015−503137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1−3に記載される従来のシステムでは、ジオフェンスの形状は、所定の領域を囲む幾何学的な形状に限定される。従って、例えば監視対象となる装置が決められたルートに沿って移動しているか等については監視することができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、ジオフェンスを経路に沿って設定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による、情報処理装置は、入力された経路に対して所定の幅を設けた領域を、監視対象とする対象エリアに設定する設定部と、端末装置の位置情報を取得し、前記対象エリアに端末装置が進入又は退出したと判定した場合に、所定の動作を行う位置判定部とを備える。
【0010】
なお、本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ジオフェンスを経路に沿って設定可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態におけるシステムの構成の一例を示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態における端末装置及びサーバ装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態における対象エリアの設定方法の一例を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態における対象エリアの設定方法を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態における対象エリアの設定方法を示す模式図である。
図6】サーバ装置のエリア設定処理のフローを示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態における端末装置、管理端末及びサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。また、以下においては、理解を容易にするべく、情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0014】
<1.システムの概要>
図1は、本実施形態に係るサーバ装置100を含むシステム10の構成の一例を示している。図1に示すように、システム10は、ネットワークNを介して、端末装置200と、管理端末300と、サーバ装置100とが互いに接続されて、構成されている。
【0015】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。通信ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy−phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation )、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0016】
本実施形態に係るシステム10において、管理者は管理端末300を用いて、サーバ装置100に対して、ジオフェンスの設定を行う構成について説明する。サーバ装置100は端末装置200の位置情報を参照して、設定されたジオフェンスに対応するエリアへの端末装置200の入出力を監視する。
【0017】
端末装置200は、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、車載器等の情報処理装置であり、GPS(Global Positioning System)等により断続的に位置情報を取得して、ネットワークNを介してサーバ装置100へ送信する機能を備えている。
【0018】
管理端末300は、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、ネットワークNを介してサーバ装置100と接続可能なあらゆる情報処理装置を利用することができる。管理端末300はプロセッサ、キーボードやマウス、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源を備えている。管理端末300の管理者は、所定のアプリケーションをインストールすることで、端末装置200が、ジオフェンスが設定された領域に進入または退出した場合に、サーバ装置100から通知を受けることができる。これによって、端末装置200のユーザの位置を監視することができる。本実施形態では、一例として、管理者は、管理端末300を用いて端末装置200を保持する子供や高齢者の監視を行う場合について説明する。なお、以下の説明では所定のアプリケーションを管理端末300にインストールして用いる構成について説明するが、これに限定されない。例えば、所定のアプリケーションがWebアプリである場合には、管理者は管理端末300のブラウザからジオフェンスを設定することができる。
【0019】
サーバ装置100は、汎用的なコンピュータである。サーバ装置100は1台のコンピュータである必要はなく、ネットワークNに分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0020】
<2.機能構成>
図2を用いて、管理端末300及びサーバ装置100の機能について説明する。
図2(A)は、所定のアプリケーションをインストールした管理端末300の機能を示すブロック図である。図2(A)に示すように、管理端末300は、主制御部320、アプリケーションを動作させるのに必要な情報が記憶された記憶部330、ネットワークNと接続するための通信部340、管理者からの操作を受け付けるタッチパネル等の入力部310、画面を表示する表示部350等を備えていることが好ましい。
【0021】
図2(B)は、サーバ装置100の機能を示すブロック図である。図2(B)に示すように、サーバ装置100は、機能部として、記憶部130、エリア設定部111、位置判定部112、経路探索部113を有している。
【0022】
記憶部130には、地図情報DB131、対象エリアDB132が保存されている。地図情報DB131には、ベクタ方式やラスタ方式等で構成される地図データ、道路ネットワークデータ等が記憶されている。道路ネットワークデータは、道路上のノード(交差点、屈曲点、端点など)の緯度・経度情報や、各ノード間を結ぶ経路の情報、各経路の距離や所要時間等の情報を含んでいる。また、運搬物を運搬する車両が走行することができない道路や領域の情報も記憶されている。地図情報DB131には、なお、地図データや道路ネットワークデータは、通信ネットワークNを介して外部のデータベース等から取得し、地図情報DB131に記憶するようにしてもよい。
【0023】
対象エリアDB132には対象エリアの情報が登録されている。対象エリアは、例えば、ジオフェンスによって境界が定められたエリアデータ、すなわち、地図上の所定の領域に対応したポリゴンデータである。なお、対象エリアDB132には、対象エリアに、後述する位置判定部112が監視を行う期間や日時が対応付けられて登録される構成でもよい。
【0024】
エリア設定部111は、管理端末300から対象エリアの設定を受け付け、対象エリアDB132に登録する。本実施形態では、エリア設定部111は、管理端末300において、管理者が地図上に描写した図形から、当該図形に対応するポリゴンデータを対象エリアとして登録することができる。なお、エリア設定処理の詳細については図3〜6を用いて後述する。
【0025】
位置判定部112は、端末装置200から位置情報を取得して、端末装置200が対象エリアDB132に登録されている対象エリア内に位置するか否かを判定する。さらに、位置判定部112は、端末装置200が対象エリアから退出したと判定した場合に、管理端末300に通知を行うことができる。なお、エリアに期間や日時が対応付けられている場合には、位置判定部112は当該期間に当てはまる場合に通知をすることが好ましい。
【0026】
位置判定部112が、端末装置200が対象エリアから退出したと判定した場合に、管理端末300に通知を行うことで、例えば端末装置200を子供に保持させ、経路である通学路を対象エリアに設定しておくことで、子供が通学路から外れた場合に、センターや親に通知を行うことができる。この場合、対象エリアには、平日の通学時間帯が対応付けられて、対象エリアDB132に登録されていることが好ましい。なお、通知は子供が保持する端末装置200に行う構成でもよい。
【0027】
また、位置判定部112は、端末装置200が対象エリア、又はその一部の領域へ入出したと判定した場合に、管理端末300や端末装置200に通知を行う構成でもよい。この場合、管理者は、端末装置200を携帯する子供が学童保育所等に進入したことを確認することができる。さらに、位置判定部112は、この通知を端末装置200に行う構成でもよい。
【0028】
経路探索部113は、入力された経路探索条件に従った出発地から目的地までの最適経路の情報を探索してエリア設定部111に出力する。最適経路の探索に関し、経路探索部113は、例えば、ユーザや管理者により入力された経路探索条件に従って、地図情報DB131またはネットワークNを介して外部装置から取得した地図データ等を参照し、経路探索を実行することにより、最適経路の情報を取得する。経路探索の手法としてはラベル確定法やダイクストラ法など、任意の手法を利用することができる。なお、最適な経路とは、出発地点から目的地点までのコスト情報が最小であることをいう。リンクのコスト情報は、距離、所要時間、料金、その他のパラメータ、及び各種パラメータを任意に組み合わせたもの等、目的に応じて設定可能である。
【0029】
<3.エリア設定処理>
図3図6を参照して、エリア設定処理について、より詳細に説明する。
図3は、管理者が管理端末300に表示される地図上において経路を入力することで、ジオフェンスを登録する様子を模式的に示す図である。図3(A)は管理者が経路を入力する様子を模式的に示している。例えば、管理者は、管理端末300に表示された地図上において、図3(A)の点P1〜P4に示した位置を長押しすることで、点P1、P2、P3、P4を結ぶ経路を入力することができる。なお、点P1,P2,P3、P4間は長押ししたままドラッグさせることにより線分を入力させる構成でもよい。管理端末300は入力された点P1〜P4に対応する緯度経度をサーバ装置100に送信する。
【0030】
サーバ装置100において、エリア設定部111は、送信された緯度経度に対応する経路に対して所定の幅(例えば片側20m等)を設定し、エリアAを作成する(図3(B))。作成されたエリアAは、管理端末300が表示する地図上に表示されることが好ましい。管理者が管理端末300において、エリアAを対象エリアとして確定すると、エリア設定部111は、エリアAを対象エリアDB132に登録する。なお、所定の幅は、管理端末300において、任意に設定する構成でもよい。例えば、監視対象となるユーザの属性(年齢、性別、住所、障害の有無等)を設定することで、自動で幅が設定される構成でもよい。具体的には、年齢が閾値より低い(例えば6歳未満)場合や閾値より高い場合(例えば80歳以上)には、より監視の精度を高めるために、それ以外の年齢より狭い幅が設定されることが好ましい。また例えば、住所が郊外の場合には、都心の場合よりも道路の幅が広いことが想定されるため、都心よりも広い幅が設定されることが好ましい。さらに、所定の幅は、経路の周辺状況や経路が設定される道路状況等によって、経路を挟んだ幅が異なる(例えば右側20m、左側50m)ことが好ましい。また、経路に対して設定された幅は、エリアAの作成後に、調整することができる。例えば、経路を挟んだ両方の幅を広げたり狭めたりできるほか、片側の幅のみを調整することも可能である。
【0031】
さらに管理者は、このとき確定した対象エリアに対して、監視を行う日時や期間を設定し、対象エリアに対応付けて対象エリアDB132に登録することができる。この場合、通学時間帯や通院時間帯を対象エリアに設定しておくことで、必要な時間帯にのみ監視を行うことができる。
【0032】
図4は、より複雑な形状のエリアを設定する様子を模式的に示す図である。図3(B)に示したように、管理端末300に表示される地図上にエリアAが作成された際に、管理者は、エリアを確定せずに、管理端末300を用いてエリアの形状を変形させることも可能である。この場合、例えば図4(A)に示すように、管理者は地図上において、さらに長押しして点P5、P6を入力する。
【0033】
エリア設定部111では、図3の場合と同様に、点P5,P6の緯度経度に対応する経路に対して所定の幅を設定したエリアBを、エリアAに追加して、エリアAをエリアA´に変形させる(図4(B))。管理者はエリアの形状を変形させる操作を繰り返し、所望の形状になった場合に対象エリアを確定すると、エリア設定部111は、対象エリアDB132に登録する。
【0034】
なお、図4(A)の例では、点P5は先に作成されたエリアA内の点であるが、管理者は、エリアAに含まれない点を指定することも可能である。この場合、エリアAから離間した領域にエリアBがさらに作成され、対象エリアはエリアAとエリアBとの2つのエリアを含む領域として登録される。なお、登録される領域に含まれるエリアは2つに限定されず、複数含むことができる。さらに、エリアが離間している場合には、所定の条件を満たすと離間したエリアを結ぶ経路が設定され、当該経路によって、離間したエリアが1つの領域として登録されてもよい。
【0035】
図5は、作成したエリアから、一部の領域を監視対象から除外して対象エリアとして設定する様子を模式的に示す図である。図5(A)に示すように、管理者は、地図上において、除外したいエリアとして、円P7を入力する。この場合、エリア設定部111では入力された円P7とエリアAとのうち、重複する領域CをエリアAから除外して、エリアAをエリアA´に変形させる。
【0036】
なお、エリア設定部111は、あらかじめ地図情報DB131に登録された通学路等の所定の経路に基づいて、対象エリアを設定する構成でもよい。この場合、登録された通学路等の経路を外部のデータベース等から取得し、当該経路に対して所定の幅でエリアを設定する。また、エリア設定部111は、管理者が描画した線分を地図上の道路にマッチングさせて道路情報を基にエリアを設定することも可能である。さらにエリア設定部111は、経路探索部113が探索した最適経路に対して所定の幅を設定し、対象エリアとして登録することも可能である。また、エリア設定部111は、対象エリアの設定モードを線入力モードと円入力モードとを切り替える機能を有してもよい。
【0037】
図6を用いて、本実施形態に係るサーバ装置100の処理のフローについて説明する。なお、以下に説明する処理のフローに含まれる各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して又は並列に実行することができるとともに、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、便宜上1ステップとして記載されているステップは、複数ステップに分けて実行することができる一方、便宜上複数ステップに分けて記載されているものは、1ステップとして把握することができる。
【0038】
管理者が管理端末300を操作して地図上に経路を入力すると、管理端末300からサーバ装置100に対して、入力された経路の情報が送信される。サーバ装置100が経路の情報を受信する(S101:YES)と、エリア設定部111は、入力された経路に対して所定の幅を設定しエリアを作成する(S102)。管理者が対象エリアを確定するまでS101,S102の処理が繰り返し実行される。対象エリアが確定される(S103:YES)と、エリア設定部111は確定された対象エリアを対象エリアDB132に登録する(S104)。
【0039】
このように、本実施形態に係るサーバ装置100は、管理端末300から入力された経路に応じて対象エリアを設定することができる。これによって、監視対象となる端末装置200のユーザが経路に沿って移動しているかを高い精度で監視することが可能になる。
【0040】
<ハードウェア構成>
以下、図7を参照しながら、上述してきたサーバ装置100、端末装置200、及び管理端末300をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0041】
図7に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801、メモリ803、記憶装置805、入力I/F部807、データI/F部809、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0042】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、サーバ装置100のエリア設定部111や位置判定部112、経路探索部113並びに管理端末300の主制御部320などは、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0043】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0044】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、地図情報DB131や、対象エリアDB132等を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0045】
入力I/F部807は、管理者からの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0046】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0047】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0048】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。
【0049】
[その他の実施形態]
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、除外エリアの設定方法として、図5の例では、エリアAから除外エリアを除外して対象エリアを設定する構成について説明した。しかし、除外エリアはこれに限定されず、対象エリアとは端末装置200の進入・退出の判定が逆のエリアでもよい。例えば、位置判定部112が、対象エリアに端末装置200が進入した際に通知を行う構成の場合には、除外エリアは、端末装置200が退出した場合に通知が行われるエリアとして設定される。なお、この場合、除外エリアは、対象エリアと対応付けられて対象エリアDB132に登録されることが好ましい。
【0050】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0051】
10 システム
100 サーバ装置
111 エリア設定部
112 位置判定部
113 経路探索部
130 記憶部
200 端末装置
300 管理端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7