【文献】
須藤 明人,ウェブ文書と機械学習で新しい商品コンセプトを生み出す創造的な人工知能に関する一検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2016年 6月11日,Vol.116 No.105,p.25−28
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る生成装置、生成方法及び生成プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.生成処理の一例〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る生成処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る生成処理の一例を示す図である。
図1では、本願に係る生成装置100によって、電子商取引における商材を紹介するコンテンツ(例えば、ショッピングサイトにおける商品販売ページ)の生成処理が行われる例を示す。
【0012】
図1に示す生成装置100は、ネットワーク上の商取引の対象である商材に対応付けられたテキストデータから、当該商材の特徴を示す情報である特徴情報を抽出するためのモデル(学習器)を生成し、生成したモデルを用いた生成処理を行うサーバ装置である。
【0013】
ここで、実施形態で例示するショッピングサイト等の電子商取引サイトには、複数の出品者が、各々の取り扱う種々の商材(商品)を出品するものとする。例えば、実施形態で例示する電子商取引サイトとは、複数の出品者が各々の店舗を有するような、ショッピングモールを模したショッピングサイトでもよいし、複数の出品者が任意に商品を出品するオークションサイトでもよい。
【0014】
このような電子商取引サイトでは、通常、出品者によって商品のタイトルや説明文が作成され、商品に付与される。そして、出品者は、商品のタイトルや説明文とともに、商品を撮像した画像等をアップロードする。電子商取引サイト側は、出品者からアップロードされた情報に基づいて商品の販売ページ等を生成する。電子商取引サイトを利用するユーザは、電子商取引サイトにアクセスし、販売ページに掲載されたタイトルや説明文を参照して、購買を行う。
【0015】
ここで、このような商取引サイトでは、商品に付与する情報(商品の説明文)の作成が出品者に委ねられる場合がある。このため、商取引サイトでは、適切な商品情報がユーザに提供されるとは限らないといった問題がある。すなわち、出品者が任意に説明文を付与する場合、例えばSEO対策(Search Engine Optimization)等が施されることにより、過度に長い説明文が付与されたり、関係のない語句が説明文に挿入されたりする場合がある。
【0016】
この場合、ユーザが商取引サイトにアクセスして販売ページを閲覧する際に、商品がどのような特徴を有するものかを判別し辛くなる場合がある。これにより、商取引サイト全体のユーザビリティが低下する可能性がある。ここで、商取引サイト側からの要請により、出品者に適切な説明文を付与することを義務付けるということも可能であるが、大量の商品を出品する事業者等にとっては、一つ一つの商品に適切な説明文を付与することは作業負担が大きい。このため、事業者が、当該商取引サイトへの出品を躊躇する可能性も生じる。この場合、商取引サイト側は、大口の出品者を失うことになるため、商取引サイトの運営にとって望ましくない。また、商取引サイト側が、出品された全ての商品に対して人為的に説明文を付与するということも、出品数が膨大である場合には現実的ではない。
【0017】
そこで、実施形態に係る生成装置100は、以下の手法により、出品者によって商品に対応付けられていた説明文から、商品の特徴を示す情報である特徴情報を抽出する。さらに、生成装置100は、抽出された特徴情報に基づいて、商品を紹介するページであって、商品を宣伝するための情報である宣伝情報が付与されたページを新たに生成する。かかる処理によって、生成装置100は、出品者や商取引サイト側に負担を掛けることなく、ユーザにとって視認性の良い販売ページを生成することができる。これにより、生成装置100は、ユーザの購買活動に寄与することができる。以下、
図1を用いて、生成装置100によって行われる生成処理の一例を流れに沿って説明する。
【0018】
図1に示すように、生成装置100は、学習フェーズとして、説明文から特徴情報を抽出する処理を行うための学習を行う。まず、生成装置100は、学習処理に用いるための学習データを取得する(ステップS11)。
【0019】
具体的には、生成装置100は、商取引サイトにアップされた既存の商品紹介ページである学習データB01、B02、B03等を取得する。学習データB01等は、例えば、出品者が出品した商品の紹介ページ(例えば、商品の購買をユーザから受け付けるための販売ページ)であり、各商品を説明するためのテキストが含まれるものとする。例えば、学習データB01は、説明文F01を含む。同様に、学習データB02は説明文F02を含み、学習データB03は説明文F03を含む。
【0020】
例えば、生成装置100は、既知の手法を用いてネットワーク上をクロール(crawl)することにより、学習データB01等を取得する。なお、生成装置100は、必ずしも同一の商取引サイトから学習データB01等を取得しなくてもよい。すなわち、生成装置100は、商品と、商品を説明するためのテキストが付与されているページであれば、どのようなページを取得してもよい。
【0021】
続けて、生成装置100は、取得した商品紹介に用いられるテキスト(説明文)に関する学習処理を行う(ステップS12)。すなわち、生成装置100は、テキスト(ドキュメント)に含まれる特徴を抽出するための所定のモデル(学習器)を生成する。
【0022】
詳細は後述するが、生成装置100は、ある一つの手法に限らず、種々の手法を用いてモデルを生成してもよい。例えば、生成装置100は、説明文F01とともに、手動によって説明文F01を要約した要約文を学習データとして利用する。すなわち、生成装置100は、説明文F01を要約した要約文を正解データとして、説明文F01を要約した場合に手動によって抽出された語句を、説明文F01の特徴情報として機械学習する。この場合、生成装置100は、充分なサンプルを学習に利用することで、手動による要約処理の際に抽出される語句の特徴を学習できる。このため、生成装置100は、新たな説明文をモデルに入力した場合に、手動によって要約文が作成される過程を模して、当該説明文から重要と想定される語句を抽出することができる。この抽出された情報が、当該説明文の特徴情報となりうる。
【0023】
また、生成装置100は、統計処理による学習によってモデルを生成してもよい。例えば、生成装置100は、ある説明文に含まれる語句であって、その説明文を特徴付ける語句を抽出するための学習を行う。かかる処理は、例えば、説明文を一つのドキュメントと捉えた場合、ドキュメントにおける各単語の重要度を算出し、その重要度に基づいてドキュメントから語句を抽出するようなルールを生成することによって行われる。例えば、生成装置100は、tf−idf(Term Frequency−Inverse Document Frequency)等の指標値に基づいて、ある説明文(ドキュメント)が入力された場合に、当該説明文のうち、説明文を特徴付ける語句を抽出(出力)するようなモデルを生成してもよい。
【0024】
なお、生成装置100は、例えば、ディープラーニング(Deep Learning)の手法を用いてモデルを生成してもよい。すなわち、生成装置100は、ディープラーニングの手法を用いて、説明文F01等において特徴となりうる箇所を抽出するための学習を行う。例えば、生成装置100が生成するモデルは、入力されたデータに対する演算結果を出力する複数のノードを多層に接続したモデルであって、テキストデータが含む特徴を学習するためのモデルである。例えば、モデルは、複数のノードを有する層を多段に接続したニューラルネットワークであり、いわゆるディープラーニングの技術により実現されるDNN(Deep Neural Network)である。
【0025】
例えば、モデルは、ディープラーニングの技術により、以下のような学習手法により生成される。モデルには、各ノードの間の接続係数が初期化され、様々な語句を有するテキストが入力される。そして、モデルは、モデルにおける出力と、入力との誤差が少なくなるようにパラメータ(接続係数)を補正するバックプロパゲーション(Backpropagation(誤差逆伝播法))等の処理により生成される。例えば、モデルは、説明文を構成するテキストデータが入力された際に、その説明文に含まれる特徴情報を出力するように、学習が行われていればよい。なお、モデルの出力に対しては、例えば手動によって適切なフィードバックを返すなどの調整が行われてもよい。
【0026】
なお、モデルの学習手法や、生成されるモデルについては、上述した手法に限定されるものではなく、任意の公知技術が適用可能である。すなわち、生成装置100は、テキストデータから抽象化された特徴を示す特徴情報を出力できるのであれば、任意のモデルを用いることができる。生成装置100は、学習フェーズにおいて生成したモデルを所定の記憶部に格納する。上記が、実施形態に係る学習フェーズである。
【0027】
その後、生成装置100は、実施形態に係る生成フェーズを実行する。まず、生成装置100は、出品者が商品を出品しようとする際や、商品に対して説明文を付与しようとする際に、商品に対応付けられた説明文に基づいて、説明文内の特徴を抽出する処理を行う。そして、生成装置100は、抽出された特徴に基づいて、新たな商品ページを生成する。
【0028】
例えば、商取引サイトにおいて、新たに商品を出品しようとする出品者は、出品者端末20を介して、商品情報をアップロードする(ステップS21)。商品情報には、商品の製品名や、商品の価格情報や、商品の画像データや、商品の説明文である説明文F10が含まれる。
【0029】
ここで、生成装置100は、出品者からアップロードされた説明文F10を取得する(ステップS22)。そして、生成装置100は、取得した説明文F10(テキストデータ)から、商品の特徴を示す情報である特徴情報を抽出する。具体的には、生成装置100は、取得した説明文F10をモデルに入力し、説明文F10における特徴情報を出力させる。より具体的には、生成装置100は、冗長な説明文F10から特徴情報のみを抽出して生成される、説明文F10の要約文A10を生成する(ステップS23)。
【0030】
そして、生成装置100は、抽出された特徴情報に基づいて、商品を紹介するページであって、商品を宣伝するための情報である宣伝情報(ここでは、要約文A10)が付与されたページを生成する。具体的には、生成装置100は、出品者がアップロードされた情報に基づいて生成される元の商品ページに対して、要約文A10を追加した新たなページである商品ページW10を生成する(ステップS24)。
【0031】
図1では、生成装置100によって生成された商品ページW10が、ユーザが利用する端末装置のブラウザで表示される際の態様を示している。
図1に示すように、商品ページW10では、「ワイン:製品XXX」というタイトルの直下に、要約文A10が表示される。すなわち、ユーザは、商品ページW10を閲覧する際に、冗長な説明文F10を読まずとも、要約文A10のみを閲覧することで、商品ページW10に紹介されている商品の特徴を把握することができる。
【0032】
このように、実施形態に係る生成装置100は、ネットワーク上の商取引の対象である商材に対応付けられたテキストデータ(説明文)を取得する。そして、生成装置100は、取得されたテキストデータから、商材の特徴を示す情報である特徴情報を抽出する。さらに、生成装置100は、抽出された特徴情報に基づいて、商材を紹介するページであって、当該商材を宣伝するための情報である宣伝情報が付与されたページを生成する。
【0033】
例えば、生成装置100は、商取引サイトにおける商品紹介ページ等において、種々の出品者によって設定された説明文から、商品の特徴を抽出し、抽出された特徴に基づいた要約文等の宣伝情報を生成する。そして、生成装置100は、生成した宣伝情報を付与した商品ページを新たに生成する。これにより、生成装置100は、出品者によって付与された商品のアピールポイントの特徴を維持しつつ、視認性に優れた商品ページを生成することができる。また、生成装置100によれば、単に説明文を要約するのではなく、説明文の特徴情報を学習して抽出することにより、商品としてのアピールに重要な語句等を用いた宣伝情報を生成することができる。結果として、生成装置100は、商取引サイトにおけるユーザビリティを向上させ、ユーザの購買活動に寄与することができるという効果を奏することができる。
【0034】
なお、生成装置100は、学習処理を補完するため、種々の情報を用いてもよい。例えば、上記で説明した学習フェーズにおいて、生成装置100は、生成装置100によって生成されたページを介してユーザが購買活動を行ったか否かといった結果情報(ユーザの反応)を取得してもよい。そして、生成装置100は、例えば購買率が高いなど、ユーザの反応が良かったページに付与された宣伝情報を正解データとして、学習処理にフィードバックしてもよい。これにより、生成装置100は、ユーザにアピールするポイントを説明文から抽出するという処理を最適化するよう学習を進めることができる。以下、このような処理を行う生成装置100、及び、生成装置100を含む生成処理システム1の構成等について、詳細に説明する。
【0035】
〔2.生成処理システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る生成装置100が含まれる生成処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る生成処理システム1の構成例を示す図である。
図2に例示するように、実施形態に係る生成処理システム1には、ユーザ端末10と、出品者端末20と、生成装置100とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した生成処理システム1には、複数台のユーザ端末10や、複数台の出品者端末20が含まれてもよい。
【0036】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、ユーザによる操作に従って商取引サイトにアクセスし、商取引サイトにおいてユーザが情報を閲覧したり、商品を購入したりするための処理を行う。
【0037】
出品者端末20は、商取引サイトにおいて商品を出品する出品者によって利用される情報処理端末である。出品者端末20は、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA、ウェアラブルデバイス等の情報処理装置である。
【0038】
出品者端末20は、出品者による操作に従って、商取引サイトに商品を出品するための種々の処理を実行する。例えば、出品者端末20は、商品のタイトルや説明文等のテキストデータを、商取引サイトを提供するサーバ(実施形態では生成装置100)にアップロードする。
【0039】
生成装置100は、商品に対応付けられたテキストデータから特徴情報を抽出するとともに、特徴情報に基づいて生成される商品の宣伝情報が付与された商品ページを生成するサーバ装置である。
【0040】
そして、生成装置100は、ユーザからアクセスを受け付けた場合に、生成した商品ページをユーザ端末10に提供する。このように、実施形態に係る生成装置100は、商取引サイトを提供したり、生成した商品ページを提供したりするような、ウェブサーバとしての構成を兼ねるものとする。なお、実際には、生成処理システム1において、生成装置100とウェブサーバとは、別個の装置で構成されていてもよい。
【0041】
〔3.生成装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る生成装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る生成装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、生成装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、生成装置100は、生成装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0042】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、出品者端末20との間で情報の送受信を行う。
【0043】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、学習情報記憶部121と、出品情報記憶部122と、商品情報記憶部123とを有する。
【0044】
(学習情報記憶部121について)
学習情報記憶部121は、抽出処理に用いるためのモデルを生成するための学習に関する情報を記憶する。ここで、
図4に、実施形態に係る学習情報記憶部121の一例を示す。
図4は、実施形態に係る学習情報記憶部121の一例を示す図である。
図4に示した例では、学習情報記憶部121は、「学習データID」、「カテゴリ」、「商品」、「学習データ」といった項目を有する。
【0045】
「学習データID」は、学習データを識別するための識別情報を示す。なお、以下の説明では、学習データIDのような識別情報を参照符号で示す場合がある。例えば、学習データIDが「B01」である学習データを「学習データB01」と表記する場合がある。
【0046】
「カテゴリ」は、商取引サイトにおける商品が属するカテゴリを示す。「商品」は、商取引サイトにおける商品の種別を示す。
【0047】
「学習データ」は、実際に学習処理に用いられた学習データの内容を示す。例えば、実施形態に係る学習データは、商品に対応付けられたテキストデータであり、すなわち、商品を説明するために付与された説明文である。
【0048】
なお、
図4での図示は省略するが、学習データの項目には、学習に用いる説明文のみならず、例えば、説明文に基づいて手動で作成された要約文等の正解データが含まれてもよい。また、学習においてディープラーニングの手法を用いる場合には、学習は、必ずしも正例(正解データ)が明確に判明している学習データのみを用いることを要しない。例えば、生成装置100は、テキストデータ(ドキュメント)の特徴を抽出し、当該テキストデータに含まれる特徴情報を認識できる学習が行えるのであれば、必ずしも正解データを必要としない。
【0049】
すなわち、
図4に示したデータの一例は、学習データID「B01」によって識別される学習データB01における商品のカテゴリは「食品」であって、商品は「ワイン」であることを示している。また、学習データB01における学習データは、「説明文F01」であることを示している。
【0050】
なお、学習情報記憶部121には、上記学習データに基づいて学習されたモデル自体が記憶されてもよい。また、生成装置100は、学習情報記憶部121に記憶された学習データを適宜更新するとともに、生成したモデルの学習を継続してもよい。
【0051】
(出品情報記憶部122について)
出品情報記憶部122は、出品者端末20からアップロードされる出品物(商品)に関する情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係る出品情報記憶部122の一例を示す。
図5は、実施形態に係る出品情報記憶部122の一例を示す図である。
図5に示した例では、出品情報記憶部122は、「出品者ID」、「出品ページID」、「カテゴリ」、「商品」、「説明文」、「画像」といった項目を有する。
【0052】
「出品者ID」は、出品者又は出品者端末20を識別するための識別情報を示す。「出品ページID」は、出品者によって出品された商品に対応する出品ページを識別するための識別情報を示す。
【0053】
「カテゴリ」及び「商品」は、
図4で示した同一の項目に対応する。「説明文」は、出品者によって商品に付与された説明文を示す。「画像」は、出品者によって出品ページに対応付けられる画像(例えば、商品を撮像した画像)を示す。
【0054】
すなわち、
図5に示したデータの一例は、出品者ID「20」で識別される出品者が、出品ページID「B10」で識別される出品ページを商取引サイト上に有していることを示している。また、出品ページB10の商品のカテゴリは「食品」であり、商品は「ワイン」であることを示している。また、出品ページB10に付与されている説明文は「説明文F10」であり、画像は「画像P10」であることを示している。
【0055】
(商品情報記憶部123について)
商品情報記憶部123は、商取引サイトにおけるページのうち、生成装置100によって生成された商品ページに関する情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係る商品情報記憶部123の一例を示す。
図6は、実施形態に係る商品情報記憶部123の一例を示す図である。
図6に示した例では、商品情報記憶部123は、「商品ページID」、「出品ページID」、「説明文」、「宣伝情報」、「効果測定情報」、「レビュー情報」といった項目を有する。
【0056】
「商品ページID」は、生成装置100によって生成された商品ページを識別するための識別情報を示す。「出品ページID」及び「説明文」は、
図5で示した同一の項目に対応する。
【0057】
「宣伝情報」は、生成装置100によって生成された宣伝情報であって、元の出品ページに対して付与(追加)される情報を示す。例えば、宣伝情報は、説明文を要約した要約文等である。
【0058】
「効果測定情報」は、商品ページに対するユーザの反応に関する情報のうち、商品ページが効果を発揮したことを示す結果情報を示す。「レビュー情報」は、商品ページに対するユーザの反応に関する情報のうち、商品ページに対してユーザから投稿されたレビューに関する情報を示す。なお、
図6に示した例では、「効果測定情報」や「レビュー情報」を、「G01」や「H01」といった概念で示しているが、実際には、種々の具体的な情報が記憶される。
【0059】
例えば、「効果測定情報」には、当該商品ページがユーザからアクセスされた数や、当該商品ページにおいてコンバージョン(Conversion)に至ったユーザの数や率が記憶されてもよい。コンバージョンの例としては、商品ページの商品を購入したことや、商品の紹介ページ(例えば、商品のメーカーのウェブページ)にアクセスしたこと等が挙げられる。また、効果測定情報には、例えば、購入に至らなくても、商品がユーザから選択された数(クリックやタッチされた数、あるいは、カートに入った数等)もしくは率が記憶されてもよい。また、効果測定情報には、ユーザが商品ページにアクセスする頻度や、商品ページに滞在した時間等が記憶されてもよい。すなわち、効果測定情報には、商品ページもしくは商品に対するユーザの反応に関する情報であれば、いずれの情報が記憶されてもよい。
【0060】
また、「レビュー情報」には、商品ページに対するユーザレビューに関する情報が記憶される。例えば、商品ページにおいて、ユーザが5段階の数値で商品を評価するようなシステムが採用されている場合、レビュー情報には、ユーザから評価された点数が記憶される。例えば、レビュー情報には、ユーザから送信される「0」から「5」までの数値の平均値が記憶される。また、レビュー情報には、ユーザレビューがユーザから送信された数や率、あるいは、具体的なユーザレビューのコメント(テキストデータ)等が記憶されてもよい。すなわち、効果測定情報には、商品ページもしくは商品に対するユーザレビューに関する情報であれば、いずれの情報が記憶されてもよい。
【0061】
すなわち、
図6に示したデータの一例は、商品ページID「W10」で識別される商品ページW10は、元は出品ページID「B10」で識別される出品ページであることを示している。また、商品ページW10に対応付けられている説明文は「説明文F10」であり、新たに追加された宣伝情報は「要約文A10」であることを示している。また、商品ページW10の効果測定情報は「G01」であり、レビュー情報は「H01」であることを示している。
【0062】
(制御部130について)
制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、生成装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(生成プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0063】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、受付部133と、生成部134と、格納部135と、受信部136と、提供部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0064】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、ネットワークN上の商取引サイトにおける出品ページに関する情報を取得する。また、取得部131は、ネットワークN上の商取引の対象である商品に対応付けられたテキストデータ(説明文)を取得する。
【0065】
例えば、取得部131は、商品に対応付けられた説明文を形態素解析し、説明文に含まれる単語を取得する。さらに、取得部131は、商品の属性を示す単語を取得する。より具体的には、取得部131は、商品の属性を示す単語として、例えば商品の大きさ、重さ、製造年月日、発売年月日、又はメーカー名等を示す単語を取得する。なお、取得部131は、説明文に限らず、タイトル等、商品に対応付けられているテキストデータであれば、あらゆる情報を取得してもよい。
【0066】
なお、取得部131は、タイトルや説明文を形態素解析した場合に、ドキュメント(ここでは、タイトルや説明文)に含まれる単語(語句)の出現数等に基づいて、単語の出現頻度や、複数の説明文における各単語の重要度を算出してもよい。例えば、取得部131は、取得した説明文に関する単語のDF値を算出してもよい。また、取得部131は、DF値に限らず、tf−idf等の指標値を取得してもよい。そして、取得部131は、所定の閾値を超える単語のみを取得するようにしてもよい。これにより、取得部131は、極めて一般的な語句等を取得せずに、商品を特徴付けると想定される単語のみを取得することができる。
【0067】
また、取得部131は、実際に商品ページを閲覧したユーザから、当該商品ページに対する反応に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、商品ページもしくは商品に対するユーザの反応として、商品がユーザから選択された数もしくは率、又は、商品に関するコンバージョンの数もしくは率の少なくともいずれか一つを取得してもよい。また、取得部131は、ユーザから送信されるレビューに関する情報を取得してもよい。そして、後述する抽出部132や生成部134は、取得部131によって取得されたユーザの反応に関する情報に基づいて、生成したモデルや、生成した宣伝情報を適宜チューニングするようにしてもよい。
【0068】
なお、取得部131は、生成部134によって生成された商品ページを閲覧したユーザに関する情報を取得してもよい。ユーザに関する情報とは、例えば、ユーザの属性情報(性別、年齢、居住地、職業等)や、ユーザの行動情報(ネットワーク上の過去の閲覧履歴や購買履歴等)である。例えば、取得部131は、ユーザ端末10から送信されるクッキー(cookie)に基づいてユーザを特定し、特定されたユーザに関する情報を取得する。
【0069】
取得部131は、取得した情報を記憶部120の各部に適宜格納する。また、取得部131は、後述する各処理部が処理に用いる情報を記憶部120の各部から適宜取得するようにしてもよい。
【0070】
(抽出部132について)
抽出部132は、取得部131によって取得されたテキストデータから、商品の特徴を示す情報である特徴情報を抽出する。
【0071】
例えば、抽出部132は、テキストデータに対して設定される正解データを用いた学習処理(例えば、教師あり機械学習)に基づいて特徴情報を抽出する。あるいは、抽出部132は、テキストデータを特徴付ける情報を抽出するよう学習されたモデル(例えば、ディープラーニングによって学習されたモデル)を用いて、特徴情報を抽出してもよい。
【0072】
すなわち、抽出部132は、上記のような学習処理を経てモデルを生成し、モデルを用いて特徴情報の抽出を行う。なお、抽出部132が抽出する特徴情報とは、テキストデータのうち、商品を特徴付ける単語であってもよいし、複数の単語の組合せであってもよいし、文であってもよい。
【0073】
なお、抽出部132は、ユーザの反応に関する情報に基づいて、抽出する特徴情報を調整する処理を行ってもよい。例えば、抽出部132は、ユーザからの反応が所定の閾値を超えた商品ページ(例えば、コンバージョンが所定数を超えたページや、ユーザレビューの点数が所定の点数を超えたページ)において抽出した特徴情報を正解データと判定して、モデルを更新する。すなわち、抽出部132は、ユーザからの反応が比較的良い商品ページは、適切に特徴情報が抽出できたページであるとして、モデル生成における正解データとして取り扱う。これにより、抽出部132は、抽出処理を最適化していくことができる。
【0074】
また、抽出部132は、ユーザごとに異なる特徴情報を抽出してもよい。例えば、商品に付与される宣伝情報において、ユーザの属性によって効果が高い宣伝情報が存在する可能性がある。例えば、同じ商品ページであっても、女性ユーザに対してコンバージョン率が高いのに対して、男性ユーザに対してはコンバージョン率が低くなる可能性がある。このような場合、抽出部132は、宣伝情報の元となる特徴情報の抽出処理において、女性ユーザ用の特徴情報と、男性ユーザ用の特徴情報とを別々に抽出する。そして、後述する生成部134は、ユーザの属性情報ごとに異なる商品ページを生成する。これにより、生成装置100は、同じ商品に対応するページであっても、各々のユーザに対して効果が高くなると想定される宣伝情報が付与された異なる商品ページを生成することができる。結果として、生成装置100は、各々の商品の購買率等を高め、ユーザの購買活動や、商取引サイトの運営に寄与することができる。
【0075】
また、抽出部132は、商品のカテゴリや商品の種別ごとに、抽出する特徴情報を調整してもよい。例えば、商品のカテゴリや商品の種別によって、説明文中で特徴を示す用語は変化することが想定される。一例として、商品が「ワイン」であれば、説明文における「シャトー」に続く語句は特徴を示すことが想定されるが、商品が「ワイン」以外であれば、「シャトー」に続く語句が商品の特徴を示すとは想定されない。このように、抽出部132は、商品のカテゴリや商品の種別ごとに学習を行うことで、商品に適した特徴情報を抽出することができるようになる。
【0076】
(受付部133について)
受付部133は、電子商取引における出品に関する情報を出品者端末20から受け付ける。例えば、受付部133は、出品者が出品しようとする商品を撮像した画像を受け付ける。また、受付部133は、商品に付与されるタイトルや説明文等のテキストデータを受け付ける。
【0077】
受付部133は、出品を受け付けた場合には、出品ごとに出品ページIDを付与し、出品情報記憶部122に情報を格納する。
【0078】
(生成部134について)
生成部134は、抽出部132によって抽出された特徴情報に基づいて、商品を紹介するページであって、商品を宣伝するための情報である宣伝情報が付与された商品ページを生成する。
【0079】
例えば、生成部134は、商品に対応付けられた説明文の要約文を宣伝情報として含む商品ページを生成する。この場合、生成部134は、商品に対応付けられた元の説明文に先立って、要約文が配置される態様の商品ページを生成してもよい。これにより、生成部134は、ユーザが冗長な説明文を読まずとも、商品の特徴を把握することができる態様の商品ページを生成することができる。
【0080】
また、生成部134は、ユーザからの反応に基づいて、宣伝情報が付与された商品ページを生成するようにしてもよい。すなわち、上述した抽出部132と同様、生成部134も、ユーザの反応に基づいて生成した宣伝情報を正解データとして(あるいは、ユーザの反応が比較的悪い場合には、不正解データとして)、生成処理の学習を行い、生成する商品ページを最適化してもよい。
【0081】
具体例として、商品がコンバージョンされる場合を説明する。商品ページにおいて、宣伝情報として提示された情報(例えば、要約文)の内容が誤っていたり、うまく商品の特徴が反映されていなかったりする場合、ユーザは、当該商品を購入することを躊躇うと想定される。一方、商品がユーザから購入された(コンバージョンされた)場合、商品ページに付与された宣伝情報が正しかったと想定される。
【0082】
そこで、生成部134は、このようなユーザの反応に基づいて、商品に対応付けられた宣伝情報の正否を推定する。例えば、生成部134は、予め所定の閾値を設定する。例えば、生成部134は、ある商品に関するコンバージョン率の閾値を設定する。そして、生成部134は、所定期間内や、一定数の閲覧の間に、閾値を超えるコンバージョン率を達成したか否かを判定する。
【0083】
生成部134は、コンバージョン率が閾値を超えていた場合、当該商品に対応付けた宣伝情報が正解であったものとして、当該商品の説明文と宣伝情報(もしくは、特徴情報)とを正解データの1つとして、抽出部132や学習情報記憶部121にフィードバックする。また、生成部134は、コンバージョン率が閾値を超えなかった場合、当該商品に対応付けた宣伝情報が不正解であったものとして、当該商品の説明文と宣伝情報(もしくは、特徴情報)とを負例の1つとして、抽出部132や学習情報記憶部121にフィードバックする。このように、ユーザの反応を利用して学習を継続することで、生成部134は、推定の精度を向上させることができる。なお、このようなユーザの反応を得る手法として、例えば、クラウドソーシングを利用した人手による判定を実施してもよい。人手を利用して学習を行うことで、生成部134は、人が閲覧した場合に不自然のない宣伝情報を生成することができるようになる。
【0084】
また、生成部134は、ユーザに関する情報に基づいて、宣伝情報が付与された商品ページであって、ユーザごとに異なるページを生成してもよい。すなわち、上述した抽出部132と同様、生成部134も、ユーザの属性情報や行動履歴等に基づいて、よりユーザに対して効果が高いと想定される宣伝情報を生成し、かかる宣伝情報を追加した商品ページを生成するようにしてもよい。
【0085】
なお、生成部134は、例えば学習が不十分等の理由により、抽出部132によって特徴情報が抽出されなかった場合には、元の出品ページを維持するようにしてもよい。この場合、出品者が付与した説明文が付与された、元の出品ページがユーザに提供される。そして、生成部134は、学習処理が進み、当該出品ページに関する情報から特徴情報が抽出されるようになった場合に、当該出品ページに対応する商品ページを生成するようにしてもよい。なお、生成部134は、上記のように生成処理を保留した場合には、例えば生成装置100の管理者(すなわち、商取引サイトの管理者)に対してアラートを送信してもよい。この場合、生成装置100の管理者は、例えば人為的に宣伝情報を付与するなどの対策を行うことができる。
【0086】
(格納部135について)
格納部135は、商品と、生成部134によって推定された商品に対応する宣伝情報とを対応付けて商品情報記憶部123に格納する。すなわち、格納部135は、商取引サイトにおける商品ページに関するデータベースを構築する。
【0087】
(受信部136について)
受信部136は、各種要求を受信する。例えば、受信部136は、商取引サイトにアクセスしたユーザ端末10から、商品を検索するための検索クエリを受信する。そして、受信部136は、検索結果ページを閲覧したユーザから、ユーザが所望する商品ページの取得要求を受信する。すなわち、受信部136は、ユーザが所望する商品ページへのアクセス要求を受信する。受信部136は、受信した各種要求を提供部137等に送る。
【0088】
(提供部137について)
提供部137は、各種情報を提供する。例えば、提供部137は、受信部136によって商品ページの取得要求が受信された場合には、当該商品ページをユーザ端末10に提供(送信)する。また、提供部137は、受信部136によって商品を検索するための検索クエリが受信された場合には、検索クエリに対応する検索結果をユーザ端末10に提供する。
【0089】
すなわち、提供部137は、商品ページや検索結果を提供することで、生成部134によって生成された宣伝情報が付与された商品ページに対応付けられた商品に関する購買機会をユーザに提供する。
【0090】
〔4.処理手順〕
次に、
図7、
図8及び
図9を用いて、実施形態に係る生成装置100による処理の手順について説明する。まず、
図7を用いて、モデルの生成に関する処理手順を説明する。
図7は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(1)である。
【0091】
図7に示すように、生成装置100は、モデル生成のための学習データを取得する(ステップS101)。例えば、生成装置100は、商品に対応付けられる説明文を学習データとして取得する。
【0092】
そして、生成装置100は、取得した情報に基づいてモデルを生成する(ステップS102)。生成装置100は、生成したモデルを記憶部120に記憶する(ステップS103)。上記の流れにより、生成装置100による学習フェーズは終了する。
【0093】
次に、
図8を用いて、モデルを用いた生成処理に関する処理手順を説明する。
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(2)である。
【0094】
図8に示すように、生成装置100は、出品者端末20からアップロードされる出品物(商品)の情報を含む出品ページを受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。生成装置100は、出品ページを受け付けていない場合(ステップS201;No)、受け付けるまで待機する。
【0095】
一方、出品ページを受け付けた場合(ステップS201;Yes)、生成装置100は、受け付けた出品ページに含まれるテキストデータをモデルに入力する(ステップS202)。そして、生成装置100は、モデルから特徴情報が出力されたか否かを判定する(ステップS203)。
【0096】
生成装置100は、特徴情報が出力された場合(ステップS203;Yes)、特徴情報に基づく宣伝情報を含めた商品ページを生成する(ステップS204)。一方、特徴情報が出力されない場合(ステップS203;No)、生成装置100は、一旦、生成処理を保留して、元の出品ページを維持する(ステップS205)。上記の流れにより、生成装置100による生成フェーズは終了する。
【0097】
次に、
図9を用いて、生成処理に関するフィードバックの手順を説明する。
図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャート(3)である。
【0098】
図9に示すように、生成装置100は、商品ページに対する反応をユーザ端末10から受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。生成装置100は、反応を受け付けていない場合(ステップS301;No)、受け付けるまで待機する。
【0099】
一方、反応を受け付けた場合(ステップS301;Yes)、生成装置100は、ユーザからの反応を取得する(ステップS302)。そして、生成装置100は、ユーザからの反応が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS303)。
【0100】
生成装置100は、ユーザからの反応が所定の閾値を超えていた場合(ステップS303;Yes)、当該商品に対して付与した宣伝情報(もしくは、抽出した特徴情報)が正解であったと判定する(ステップS304)。一方、生成装置100は、ユーザからの反応が所定の閾値を超えていない場合(ステップS303;No)、当該商品に対して付与した宣伝情報が不正解であったと判定する(ステップS305)。
【0101】
そして、生成装置100は、ステップS304及びステップS305で得られたデータを正例もしくは負例とした学習データを得ることで、モデルを更新する(ステップS306)。言い換えれば、生成装置100は、ユーザの反応に基づいて、モデルをさらに強化的に学習する。上記の流れを繰り返すことにより、生成装置100は、モデルの最適化を図る。
【0102】
〔5.変形例〕
上述した生成装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、生成装置100の他の実施形態について説明する。
【0103】
〔5−1.検索結果への利用〕
生成装置100は、生成した宣伝情報を用いて商品ページを生成するのみならず、種々の処理に宣伝情報を使用してもよい。例えば、生成装置100は、商取引サイト等で行われる商品の検索において、検索結果とともに宣伝情報を表示させるようにしてもよい。
【0104】
すなわち、生成装置100は、所定の検索処理の結果として商品が表示される場合において、商品の宣伝情報を含む検索結果ページを生成してもよい。この場合、検索結果ページには、例えば、検索クエリに基づいて検索された商品の近傍に、商品に関する宣伝情報(例えば、要約文)が表示される。このため、ユーザは、商品を検索した場合に、商品ページを表示せずに商品の特徴を把握することができる。このように、生成装置100は、商取引サイトを利用するユーザの利便性を向上させることができる。
【0105】
〔5−2.宣伝情報〕
上記実施形態では、生成装置100は、宣伝情報として要約文を生成する例を示した。ここで、宣伝情報は要約文に限られず、商品を宣伝するための情報であり、商品を特徴付ける情報をユーザに伝達する情報であれば、いずれの態様でもよい。
【0106】
例えば、生成装置100は、特徴情報としてテキストデータに含まれる単語を抽出するとともに、商品に対応付けられたテキストデータのうち、抽出された単語が強調表示される態様の商品ページを生成してもよい。
【0107】
一例として、生成装置100は、元の説明文のうち、商品を特徴付けるものとして抽出された単語をハイライト表示する。この場合、宣伝情報とは、テキストデータに付与されるハイライト表示を意味する。そして、生成装置100は、ハイライト表示された単語を含む商品ページを生成する。すなわち、生成装置100は、元の出品ページのレイアウトが維持されつつも、説明文に含まれる特徴的な単語についてはハイライト表示された商品ページを生成する。これにより、生成装置100は、出品者の意図したページの態様を維持しつつ、ユーザに訴求したい情報が付与された商品ページを生成することができる。すなわち、生成装置100が生成するコンテンツには、一から生成された新しいコンテンツのみならず、既存のコンテンツにハイライトを付与したり、テキストの視認性を高めるよう強調表示したりするなど、種々の付与処理や変換処理によって生成されるコンテンツも含まれる。
【0108】
〔5−3.レコメンドへの利用〕
生成装置100は、商取引サイトのみならず、例えば、ウェブページ等とともに表示される商品のレコメンド(例えば、ウェブページの広告枠やレコメンド枠に表示される情報)において、宣伝情報を表示するようにしてもよい。
【0109】
例えば、商取引サイトに出品されている商品は、当該商品以外の商品ページにレコメンドとして表示される場合がある。この場合に、生成装置100は、レコメンドされる商品とともに、宣伝情報を表示させるようにする。これにより、ユーザは、レコメンドされる商品の商品ページへアクセスせずとも(現在閲覧しているページから商品ページに表示を遷移させなくても)、商品の特徴を把握することができる。
【0110】
なお、生成装置100は、当該商品のレコメンドがクリックされたか、あるいは、ユーザがコンバージョンに至ったかという情報を取得してもよい。例えば、レコメンドとして表示された宣伝情報が不適切な場合や、訴求効果が低い場合には、ユーザは、クリックしたりコンバージョンしたりする反応を返さないものと想定される。一方、ユーザがクリックしたりコンバージョンしたりする反応を返した場合、当該レコメンドとともに表示された宣伝情報は、商品の特徴を適切に示す情報であった(正解)と想定される。
【0111】
そして、生成装置100は、上記実施形態で説明したように、レコメンドに対する反応に応じて、宣伝情報や特徴情報の処理の正否を判定する。これにより、生成装置100は、商品ページ以外のユーザからの反応を利用して、抽出処理や生成処理の精度を向上させる(学習を行う)ことができる。
【0112】
〔5−4.商材〕
上記実施形態では、商材として、ショッピングサイトで扱われるワイン等の商品を例に挙げたが、商材はこれらに限られない。すなわち、生成装置100は、商取引サイトで取り扱われる商材であって、商材に関する情報を取得可能な商材であれば、商品やサービスなどいずれの商材においても、実施形態に係る生成処理を行うことができる。
【0113】
〔5−5.コンテンツ〕
上記実施形態では、コンテンツとしてウェブページを例として挙げたが、コンテンツはこの例に限られない。例えば、コンテンツは、広告コンテンツであったり、アプリを介して提供される情報ページであったり、レコメンドに係るコンテンツであったりしてもよい。すなわち、生成装置100が生成するコンテンツとは、ネットワークを介して提供される情報コンテンツであれば、いずれのコンテンツであってもよい。
【0114】
例えば、生成装置100は、所定の商品における宣伝情報を生成して、当該宣伝情報を、当該商品を宣伝するための広告コンテンツに反映させてもよい。具体的には、生成装置100は、広告主(商品の提供主)が入稿してきた広告コンテンツに対応する商品についての宣伝情報を生成する。そして、生成装置100は、生成された宣伝情報(例えば、要約文)を広告コンテンツに付与して、新たな広告コンテンツを生成する。具体的には、生成装置100は、広告コンテンツにおいて、商品を宣伝するためのテキストデータが挿入される箇所に、宣伝情報である要約文を追加する。これにより、生成装置100は、例えば商品の特徴を簡潔にユーザに伝達することのできる広告コンテンツを生成できる。
【0115】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る生成装置100やユーザ端末10や出品者端末20は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、生成装置100を例に挙げて説明する。
図10は、生成装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0116】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0117】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0118】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0119】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0120】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る生成装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0121】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0122】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した取得部131と、受付部133とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部120に記憶される情報は、ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、生成装置100が、例えば、テキストデータを取得する取得処理と、特徴情報を抽出する抽出処理と、商品ページを生成する生成処理とを行う例を示した。しかし、上述した生成装置100は、取得処理を行う取得装置と、抽出処理を行う抽出装置と、生成処理を行う生成装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、少なくとも取得部131を有する。抽出装置は、少なくとも抽出部132を有する。生成装置は、少なくとも生成部134を有する。そして、上記の生成装置100による処理は、取得装置と、抽出装置と、生成装置との各装置を有する生成処理システム1によって実現される。
【0124】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0125】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る生成装置100は、取得部131と、抽出部132と、生成部134とを有する。取得部131は、ネットワーク上の商取引の対象である商材に対応付けられたテキストデータを取得する。抽出部132は、取得部131によって取得されたテキストデータから、商材の特徴を示す情報である特徴情報を抽出する。生成部134は、抽出部132によって抽出された特徴情報に基づいて、商材を宣伝するための情報である宣伝情報が付与されたページ(コンテンツの一例)を生成する。
【0126】
このように、実施形態に係る生成装置100は、例えば商取引サイトにおける商品紹介ページ等において、種々の出品者によって設定された説明文から、商品の特徴を抽出し、抽出された特徴に基づいた要約文等の宣伝情報を生成する。これにより、生成装置100は、出品者によって付与された商品のアピールポイントの特徴を維持しつつ、視認性に優れた商品ページを生成することができる。このため、生成装置100は、商取引サイトにおけるユーザビリティを向上させ、ユーザの購買活動に寄与することができる。
【0127】
また、抽出部132は、テキストデータに対して設定される正解データを用いた学習処理に基づいて、特徴情報を抽出する。
【0128】
このように、実施形態に係る生成装置100は、予め設定された正解データに基づいて学習を行うことで、人手によって生成される要約等に類似するような特徴情報を抽出することができる。このため、生成装置100は、的確に商品の特徴を示す情報を抽出することができる。
【0129】
また、抽出部132は、テキストデータを特徴付ける情報を抽出するよう学習されたモデル(学習器)を用いて、特徴情報を抽出する。
【0130】
このように、実施形態に係る生成装置100は、例えばディープラーニング等の手法によって、テキストデータを特徴付けている特徴量を抽出する手法によって学習を行ってもよい。かかる処理によって、生成装置100は、精度よく、また、効率的に商品の特徴情報を抽出することができる。
【0131】
また、取得部131は、生成部134によって生成されたページを閲覧したユーザのページに対応付けられた商材に対する反応を取得する。生成部134は、ユーザからの反応に基づいて、宣伝情報が付与されたページを生成する。
【0132】
このように、実施形態に係る生成装置100は、ユーザの反応をフィードバックさせて生成処理を行うことができる。これにより、生成装置100は、生成するページを最適化することができる。
【0133】
また、取得部131は、生成部134によって生成されたページを閲覧したユーザに関する情報を取得する。生成部134は、ユーザに関する情報に基づいて、宣伝情報が付与されたページであって、ユーザに関する情報に対応したページを生成する。
【0134】
このように、実施形態に係る生成装置100は、ユーザごとに異なるページを生成してもよい。これにより、生成装置100は、ユーザ一人一人の特徴に合わせた宣伝情報を付与できるので、生成したページの訴求効果を向上させることができる。
【0135】
また、生成部134は、商材に対応付けられたテキストデータの要約文を宣伝情報として含むページを生成する。
【0136】
このように、実施形態に係る生成装置100は、宣伝情報として、商品の特徴を要約した要約文を生成してもよい。これにより、生成装置100は、冗長な説明文の代わりに、短い文章で商品の特徴をユーザに提示できるので、効率的に情報を伝えることのできるページを生成することができる。
【0137】
また、生成部134は、商材に対応付けられたテキストデータに先立って、要約文が配置される態様のページを生成する。
【0138】
このように、実施形態に係る生成装置100は、元の説明文よりも先立って要約文を提示するページを生成することで、より速く的確に商品の特徴をユーザに伝えることができる。これにより、生成装置100は、商取引サイトを利用するユーザのユーザビリティを向上させることができる。
【0139】
また、抽出部132は、特徴情報として、テキストデータに含まれる単語を抽出する。生成部134は、商材に対応付けられたテキストデータのうち、抽出部132によって抽出された単語が強調表示される態様のページを生成する。
【0140】
このように、実施形態に係る生成装置100は、元の説明文に対して特徴のみを強調表示するような態様のページを生成してもよい。これにより、生成装置100は、元の出品者の説明文の表示等のレイアウトを崩さずに、ユーザに商品の特徴を伝達することができる。
【0141】
また、生成部134は、所定の検索処理の結果として商材が表示される場合において、コンテンツの一例として、商材の宣伝情報を含む検索結果ページを生成する。
【0142】
このように、実施形態に係る生成装置100は、検索結果とともに表示される情報として宣伝情報を提示してもよい。これにより、生成装置100は、わざわざユーザが商品ページにアクセスせずとも、商品の特徴をユーザに伝えることができる。
【0143】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0144】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。