(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1突出部が前記シフト体の長手方向に対する垂直方向側に突出されると共に、前記第1突出部の突出先端面が前記シフト体の長手方向に沿って配置される請求項1記載のシフト装置。
前記第1突出部及び前記第2突出部の少なくとも一方に湾曲されて設けられ、前記規制体に対し摺動する摺動面を備える請求項1〜請求項3の何れか1項記載のシフト装置。
前記規制体に設けられ、前記シフト体が第2方向に移動される際にそれぞれ前記第1突出部及び前記第2突出部の移動を規制して前記シフト体の第1方向への移動が規制された後に一方が前記第1突出部及び前記第2突出部の一方の移動を規制して前記シフト体の第1方向への移動が規制される一対の規制面を備える請求項1〜請求項5の何れか1項記載のシフト装置。
前記規制体が前記第1突出部突出方向側において前記第1突出部及び前記第2突出部の移動を規制し、かつ、前記規制体の前記第1突出部突出方向とは反対側に設けられ、前記シフト体のシフト位置を検出する検出機構を備える請求項1〜請求項6の何れか1項記載のシフト装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、シフト体の第2方向一側への移動が規制される際にシフト体の第2方向へのガタつきを抑制できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のシフト装置は、第1方向及び第2方向に移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記シフト体から第2方向側に突出される第1突出部と、前記第1突出部から突出される第2突出部と、前記第1突出部の突出先端面の移動を規制して前記シフト体の第2方向一側への移動が規制されると共に、前記第2突出部の移動を規制して前記シフト体の移動が規制される規制体と、を備える。
【0007】
請求項2に記載のシフト装置は、請求項1に記載のシフト装置において、前記第1突出部が前記シフト体の長手方向に対する垂直方向側に突出されると共に、前記第1突出部の突出先端面が前記シフト体の長手方向に沿って配置される。
【0008】
請求項3に記載のシフト装置は、請求項1又は請求項2に記載のシフト装置において、前記規制体が前記シフト体の移動を規制して前記シフト体の第1方向への移動が規制される。
【0009】
請求項4に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のシフト装置において、前記第1突出部及び前記第2突出部の少なくとも一方に湾曲されて設けられ、前記規制体に対し摺動する摺動面を備える。
【0010】
請求項5に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のシフト装置において、前記シフト体が回動可能にされると共に、前記第2突出部が前記シフト体の回動中心側に突出される。
【0011】
請求項6に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシフト装置において、前記規制体に設けられ、前記シフト体が第2方向に移動される際にそれぞれ前記第1突出部及び前記第2突出部の移動を規制して前記シフト体の第1方向への移動が規制された後に一方が前記第1突出部及び前記第2突出部の一方の移動を規制して前記シフト体の第1方向への移動が規制される一対の規制面を備える。
【0012】
請求項7に記載のシフト装置は、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のシフト装置において、前記規制体が前記第1突出部突出方向側において前記第1突出部及び前記第2突出部の移動を規制し、かつ、前記規制体の前記第1突出部突出方向とは反対側に設けられ、前記シフト体のシフト位置を検出する検出機構を備える。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載のシフト装置では、シフト体が第1方向及び第2方向に移動されて、シフト体のシフト位置が変更される。また、第1突出部がシフト体から突出されると共に、第2突出部が第1突出部から突出されており、規制体が第2突出部の移動を規制して、シフト体の移動が規制される。
【0014】
ここで、第1突出部がシフト体から第2方向側に突出されており、規制体が第1突出部の突出先端面の移動を規制して、シフト体の第2方向一側への移動が規制される。このため、シフト体の第2方向一側への移動が規制される際に、第1突出部の変形を抑制でき、シフト体の第2方向へのガタつきを抑制できる。
【0015】
請求項2に記載のシフト装置では、第1突出部がシフト体の長手方向に対する垂直方向側に突出されると共に、第1突出部の突出先端面がシフト体の長手方向に沿って配置される。このため、シフト体の第2方向一側への移動が規制される際に、第1突出部に圧縮応力を効果的に作用させることができ、第1突出部の変形を効果的に抑制できて、シフト体の第2方向へのガタつきを効果的に抑制できる。
【0016】
請求項3に記載のシフト装置では、規制体がシフト体の移動を規制して、シフト体の第1方向への移動が規制される。このため、シフト体の第1方向への移動の規制強度を高くできる。
【0017】
請求項4に記載のシフト装置では、第1突出部及び第2突出部の少なくとも一方に摺動面が設けられており、規制体に対し摺動面が摺動する。
【0018】
ここで、摺動面が湾曲されている。このため、規制体に対する摺動面の摺動抵抗を低減できる。
【0019】
請求項5に記載のシフト装置では、シフト体が回動可能にされており、第2突出部がシフト体の回動中心側に突出される。このため、シフト体の回動径方向においてシフト装置を小型化できる。
【0020】
請求項6に記載のシフト装置では、シフト体が第2方向に移動される際に、一対の規制面がそれぞれ第1突出部及び第2突出部の移動を規制して、シフト体の第1方向への移動が規制される。このため、シフト体の第1方向への移動を効果的に規制できる。
【0021】
さらに、その後に、一対の規制面の一方が第1突出部及び第2突出部の一方の移動を規制して、シフト体の第1方向への移動が規制される。このため、シフト体の第1方向への移動の規制力を低下させることができる。
【0022】
請求項7に記載のシフト装置では、検出機構がシフト体のシフト位置を検出する。
【0023】
ここで、規制体が第1突出部突出方向側において第1突出部及び第2突出部の移動を規制すると共に、規制体の第1突出部突出方向とは反対側に検出機構が設けられる。このため、規制体の第1突出部突出方向とは反対側に第1突出部及び第2突出部の移動の規制荷重が作用されることが抑制されることで、検出機構によるシフト体のシフト位置の検出精度を高くできる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置10が右斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフトレバー装置10の前方を矢印FRで示し、シフトレバー装置10の右方を矢印RHで示し、シフトレバー装置10の上方を矢印UPで示す。
【0026】
本実施形態に係るシフトレバー装置10は、フロア式のものにされて、車両(自動車)の車室の床部(車体側)における車幅方向中央部に設置されており、シフトレバー装置10の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の前方、左方及び上方に向けられている。
【0027】
図1に示す如く、シフトレバー装置10には、規制体(収容体)としての樹脂製で略直方体形箱状のプレート12(ハウジング)が設けられている。
【0028】
プレート12の左側部分には、規制部材(第1収容部材)としての略直方体形箱状の左プレート12A(
図2の(A)及び(B)参照)が設けられており、左プレート12A内は、右側に開放されている。左プレート12Aは、車室の床部に締結(結合)されており、これにより、プレート12が車室の床部に設置されている。
【0029】
左プレート12A内の前側部分には、第1規制部を構成する略台形柱状の前端規制部14が形成されており、前端規制部14は、左プレート12Aの左壁と一体にされると共に、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されている。前端規制部14の後面の左側部分は、第1前規制面14Aにされており、第1前規制面14Aは、左右方向に平行な平面にされると共に、下方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されている。前端規制部14の後面の右側部分は、第2前規制面14Bにされており、第2前規制面14Bは、下方へ向かうに従い前方及び右方へ向かう方向に傾斜される平面にされている。
【0030】
左プレート12A内の後側部分には、第1規制部を構成する略台形柱状の後端規制部16が形成されており、後端規制部16は、左プレート12Aの左壁と一体にされている。後端規制部16は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されており、後端規制部16の前面は、下方へ向かうに従い後方及び右方へ向かう方向に傾斜される平面にされている。
【0031】
左プレート12A内の前後方向中間部分には、前端規制部14及び後端規制部16の下側において、平面視L字形板状の下端規制部18が形成されており、下端規制部18は、左プレート12Aの左壁、前端規制部14及び後端規制部16と一体にされている。下端規制部18は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されると共に、前端規制部14及び後端規制部16から下方に突出されており、下端規制部18の上面は、左右方向に平行にされると共に、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凹状に湾曲されている。下端規制部18の前側部分の右面は、第2規制部を構成する前規制面18Aにされており、前規制面18Aは、左右方向に垂直な平面にされている。下端規制部18の後側部分の前面は、第1規制部を構成する中規制面18Bにされており、中規制面18Bは、前後方向に垂直な平面にされている。また、下端規制部18の後側部分の右面は、左右方向に垂直な平面にされている。
【0032】
左プレート12A内の前後方向中間部分には、前端規制部14の後側かつ下端規制部18の上側において、第1規制部及び第2規制部を構成する平面視矩形板状の下規制部20が形成されており、下規制部20は、左プレート12Aの左壁、前端規制部14及び下端規制部18と一体にされている。下規制部20は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されると共に、前端規制部14から後側に突出されており、下規制部20の上面は、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凹状に湾曲されている。下規制部20の右面は、前後方向に平行な平面にされると共に、右方へ向かうに従い下方へ向かう方向に傾斜されており、下規制部20の後面(規制面)は、前後方向に垂直な平面にされている。また、下規制部20の右側かつ後側の角部20Aは、平面視で凸状に湾曲されている。
【0033】
左プレート12A内の前後方向中間部分には、前端規制部14の後側かつ下規制部20の上側において、第1規制部及び第2規制部を構成する略直方体状の上規制部22が形成されており、上規制部22は、前端規制部14と一体にされると共に、左プレート12Aの左壁及び下規制部20から離間されている。上規制部22は、前端規制部14から後側へ突出されており、上規制部22の後面(規制面)は、前後方向に垂直な平面にされて下規制部20の後面と面一にされると共に、上規制部22の左面及び右面は、左右方向に垂直な平面にされている。上規制部22の下面は、右方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されると共に、下記左右中心軸線Wを中心軸線として凸状に湾曲されている。また、上規制部22の上部は、左プレート12Aの左壁に連結されている。
【0034】
左プレート12A内の前後方向中間部分には、下規制部20及び上規制部22の後側において、第2規制部を構成する略台形柱状の後規制部24が形成されており、後規制部24は、左プレート12Aの左壁、後端規制部16及び下端規制部18と一体にされている。後規制部24は、後端規制部16から前側へ突出されており、後規制部24の前面は、前後方向に垂直な平面にされている。後規制部24の右面は、前後方向に平行な平面にされると共に、下方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されている。
【0035】
左プレート12A内の前後方向中間部分には、後規制部24の上側において、平面視L字形板状の上端規制部26が形成されており、上端規制部26は、左プレート12Aの左壁、後端規制部16及び後規制部24と一体にされている。上端規制部26は、左プレート12Aの左壁から右方へ突出されると共に、後端規制部16から前方に突出されている。上端規制部26の前側部分の右面は、第2規制部を構成する左規制面26Aにされており、左規制面26Aは、左右方向に垂直な平面にされている。上端規制部26の後側部分の前面は、第1規制部を構成する後規制面26Bにされており、後規制面26Bは、前後方向に垂直な平面にされている。
【0036】
左プレート12Aの上端部には、前後方向中央部の右面において、第2規制部を構成する上規制面28が形成されており、上規制面28は、前後方向に平行な平面にされると共に、上方へ向かうに従い左方へ向かう方向に傾斜されている。
【0037】
プレート12の右側部分には、設置部材(第2収容部材)としての略直方体形箱状の右プレート12Bが設けられており、右プレート12B内は、左側に開放されている。右プレート12Bは、左プレート12Aに締結(結合)されており、右プレート12Bは、左プレート12Aを介して車室の床部に固定されている(車室の床部に締結されていない)。右プレート12Bの右側には、断面略逆U字形板状の収容枠12Cが一体に設けられており、収容枠12C内は、右側に開放されている。
【0038】
プレート12の上部には、支持部としての球面状の軸受面30が形成されており、軸受面30は、左プレート12Aと右プレート12Bとに分割されて形成されている。軸受面30内は、上側及び下側に開放されており、左プレート12A上端部の上規制面28は、軸受面30内の上側への開放部分の周面を構成している。
【0039】
プレート12内には、シフト体としての樹脂製で略円柱状のレバー32(
図3、
図4の(A)及び(B)参照)が挿入されており、レバー32の上下方向(長手方向、軸方向)中間部には、被支持部としての略球状の球軸34が設けられている。球軸34の外周面には、球面34Aが形成されており、球軸34は、球面34Aにおいて、プレート12の軸受面30に嵌合されている。レバー32は、球面34Aにおいて、軸受面30に前後方向(シフト方向、第1方向)及び左右方向(セレクト方向、第2方向)に回動可能に支持されており、レバー32は、球軸34を中心として、前後方向及び左右方向に回動可能にされている。また、球軸34(球面34A)の中心Oを通過しかつ左右方向に平行な直線が左右中心軸線Wにされている。
【0040】
レバー32の上端部は、プレート12の上側に延出されており、レバー32は、上端部において図示しないノブを把持して、車両の乗員(例えば運転手)が回動操作可能にされている。レバー32は、シフト位置(所定シフト位置)としての「H」位置(ホーム位置)に配置されており、レバー32は、「H」位置から後側に回動操作されて、シフト位置としての「M」位置(マニュアル位置)(「B」位置(ブレーキ位置)でもよい)に配置されると共に、「H」位置から左側(右側でもよい)に回動操作されて、シフト位置としての「N」位置(ニュートラル位置)に配置される。さらに、レバー32は、「N」位置から前側に回動操作されて、シフト位置としての「R」位置(リバース位置)に配置されると共に、「N」位置から後側に回動操作されて、シフト位置としての「D」位置(ドライブ位置)に配置される。
【0041】
レバー32の上部には、球軸34の直上において、上周面32Aが形成されており、上周面32Aは、レバー32と同軸上に湾曲されている。レバー32の下部には、下周面32Bが形成されており、下周面32Bは、レバー32と同軸上に湾曲されている。
【0042】
レバー32の下部(下周面32B)の左側には、被規制部としての屈曲柱状のフック36が形成されており、フック36は、レバー32と一体にされると共に、前面及び後面が前後方向に垂直な平面にされている。フック36の前後方向寸法は、レバー32の下部の前後方向寸法に比し小さくされており、レバー32の下部は、フック36に対し前側及び後側に突出されている。
【0043】
フック36の基端側部分は、第1突出部としての略矩形柱状の突出部38にされており、突出部38は、レバー32から左方に突出されると共に、上面及び下面が上下方向に垂直な平面にされている。突出部38の左面の下側部分は、突出先端面としての先端面38Aにされており、先端面38Aは、左右方向に垂直な平面にされている。突出部38の左面の上側部分は、前後方向に平行な平面にされると共に、上方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されている。
【0044】
フック36の先端側部分は、第2突出部としての略矩形柱状のフック部40にされており、フック部40は、突出部38の左側部分から上方に突出されている。フック部40の左面は、前後方向に平行な平面にされると共に、上方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されており、フック部40の左面は、突出部38の左面の上側部分と面一にされている。フック部40の上面は、前後方向に平行な平面にされると共に、右方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されており、フック部40の右面は、左右方向に垂直な平面にされている。
【0045】
レバー32の下部には、フック36の下側において、略矩形板状の突出板32Cが形成されており、突出板32Cは、レバー32の下周面32Bから左方に突出されている。
【0046】
レバー32の下部には、フック36の上側において、左周面32D及び後周面32Eが形成されており、左周面32Dは、左側に向けられると共に、後周面32Eは、後側に向けられている。
【0047】
レバー32の下側部分には、円柱状の挿入孔32F(
図5(B)参照)が同軸上に形成されており、挿入孔32Fは、レバー32の下方に開放されている。挿入孔32Fには、節度手段を構成する付勢部材としての略円柱状の節度ピン46(
図3参照)が同軸上に嵌入されており、節度ピン46は、下方に突出されると共に、下面が凸状に湾曲されている。挿入孔32Fの上面(底面)と節度ピン46の上面との間には、節度手段を構成する付勢手段としての圧縮コイルスプリング46A(
図3参照)が挿入されており、圧縮コイルスプリング46Aは、節度ピン46の上側に配置されて、節度ピン46を下側に付勢している。
【0048】
レバー32の下側には、節度手段を構成する当接部材としての略直方体状のディテントスロープ48(
図3参照)が配置されており、ディテントスロープ48は、左プレート12Aの下壁に固定されている。ディテントスロープ48の上面には、傾斜面としての節度面48Aが形成されると共に、節度面48Aの左側部の前後方向中央は、底部(下端部)にされており、節度面48Aは、底部へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されている。節度ピン46の下面は、圧縮コイルスプリング46Aの付勢力により節度面48Aの底部に当接されており、これにより、上述の如くレバー32が「H」位置に配置されている。レバー32が「H」位置から回動操作される際には、節度ピン46の下面が圧縮コイルスプリング46Aの付勢力に抗して節度面48Aを上昇される。レバー32が「H」位置以外の回動位置に配置された状態から回動操作力を作用されなくなった際には、節度ピン46の下面が圧縮コイルスプリング46Aの付勢力により節度面48Aを底部まで下降されて、レバー32が「H」位置に復帰される。
【0049】
右プレート12Bの収容枠12C内には、検出機構としてのセンサ機構42が収容されており、センサ機構42は、レバー32の前後方向及び左右方向への回動位置を検出して、レバー32のシフト位置を検出する。
【0050】
右プレート12Bの収容枠12Cの右側には、被覆部材としての略直方体形箱状のカバー44が組付けられており、カバー44は、内部が左側に開放されて、収容枠12C内を右側から被覆している。
【0052】
以上の構成のシフトレバー装置10では、レバー32が球軸34を中心として回動可能にされており、センサ機構42がレバー32のシフト位置を検出する。
【0053】
図5及び
図10の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「H」位置に配置される際には、レバー32の下周面32Bが左プレート12Aの下端規制部18の中規制面18Bによって後側への回動を規制されて、レバー32の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー32の突出板32C左面が下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー32の右側への回動操作が規制される。また、レバー32の後周面32Eが左プレート12Aの上端規制部26の後規制面26Bによって後側への回動を規制されて、レバー32の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー32の左周面32Dが上端規制部26の左規制面26Aによって左側への回動を規制されて、レバー32の右側への回動操作が規制される。
【0054】
図5及び
図6の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「H」位置と「M」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー32の突出板32C左面が下端規制部18の前規制面18Aに対し前後方向に摺動されると共に、レバー32のフック36のフック部40右面が左プレート12Aの上規制部22左面に対し前後方向に摺動される。また、レバー32の左周面32Dが上端規制部26の左規制面26Aに対し前後方向に摺動される。
【0055】
図6の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「M」位置に配置される際には、レバー32の下周面32Bが左プレート12Aの前端規制部14の第1前規制面14Aによって前側への回動を規制されて(第1前規制面14Aに線接触されて)、レバー32の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー32の突出板32C左面が下端規制部18の前規制面18Aによって左側への回動を規制されて、レバー32の右側への回動操作が規制される。しかも、フック36のフック部40右面が左プレート12Aの上規制部22左面によって右側への回動を規制されて(上規制部22左面に面接触されて)、レバー32の左側への回動操作が規制される。さらに、レバー32に過負荷が入力された際には、バックアップとしてフック36(突出部38)の下面が左プレート12Aの下規制部20上面に干渉することで、プレート12からのレバー32の抜けが防止される。
【0056】
図5、
図7及び
図10〜
図13の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「H」位置と「N」位置との間を左右方向に回動される際には、フック36の突出部38前面及びフック部40前面がそれぞれ左プレート12Aの下規制部20後面及び上規制部22後面に対し左右方向に摺動されると共に、レバー32の下周面32Bが下端規制部18の中規制面18Bに対し左右方向に摺動される。また、レバー32の後周面32Eが左プレート12Aの上端規制部26の後規制面26Bに対し左右方向に摺動される。
【0057】
図7及び
図13の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「N」位置に配置される際には、レバー32の上周面32Aが左プレート12Aの上規制面28によって左側への回動を規制されて、レバー32の左側への回動操作が規制される。
【0058】
図7及び
図8の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「N」位置と「R」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー32の上周面32Aが左プレート12Aの上規制面28に対し前後方向に摺動されると共に、レバー32のフック36の突出部38先端面38Aが左プレート12Aの後規制部24右面に対し前後方向に摺動される。
【0059】
図8の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「R」位置に配置される際には、レバー32の下周面32Bが左プレート12Aの後端規制部16前面によって後側への回動を規制されて(後端規制部16前面に線接触されて)、レバー32の前側への回動操作が規制される。さらに、レバー32の上周面32Aが左プレート12Aの上規制面28によって左側への回動を規制されて、レバー32の左側への回動操作が規制される。しかも、フック36の突出部38先端面38Aが後規制部24の右面によって左側への回動を規制されて(後規制部24の右面に面接触されて)、レバー32の右側への回動操作が規制される。
【0060】
図7及び
図9の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「N」位置と「D」位置との間を前後方向に回動される際には、レバー32の上周面32Aが左プレート12Aの上規制面28に対し前後方向に摺動されると共に、レバー32のフック36の突出部38先端面38Aが左プレート12Aの下規制部20右面に対し前後方向に摺動される。
【0061】
図9の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「D」位置に配置される際には、レバー32の下周面32Bが左プレート12Aの前端規制部14の第2前規制面14Bによって前側への回動を規制されて(第2前規制面14Bに線接触されて)、レバー32の後側への回動操作が規制される。さらに、レバー32の上周面32Aが左プレート12Aの上規制面28によって左側への回動を規制されて、レバー32の左側への回動操作が規制される。しかも、フック36の突出部38先端面38Aが下規制部20の右面によって左側への回動を規制されて(下規制部20の右面に面接触されて)、レバー32の右側への回動操作が規制される。
【0062】
なお、上述の如くレバー32が回動される際においてレバー32(フック36及び突出板32Cを含む)側の上記各部分が左プレート12A側の上記各部分に対し摺動される場合は、レバー32に負荷が入力された場合であり、レバー32が回動される際においてレバー32に負荷が入力されない場合には、レバー32側の上記各部分は左プレート12A側の上記各部分に当接されない。また、レバー32が回動される際に、レバー32に負荷が入力される場合でも、レバー32側の上記各部分以外の部分は左プレート12A側の上記各部分以外の部分に当接されない。
【0063】
ここで、レバー32のフック36の突出部38がレバー32から左方に突出されている。さらに、上述の如く、レバー32が「N」位置より「R」位置側及び「N」位置より「D」位置側に配置される際には、それぞれ、フック36の突出部38先端面38Aが左プレート12Aの後規制部24右面及び下規制部20右面によって左側への回動を規制されて、レバー32の右側への回動操作が規制される。
【0064】
このため、フック36のフック部40左面が左プレート12Aによって左側への回動を規制されてレバー32の右側への回動操作が規制される場合とは異なり、フック36の撓み(フック部40が突出部38に対し左右方向に回動すると共に突出部38がレバー32に対し上下方向に回動する変形)を抑制でき、レバー32の左右方向へのガタつきを抑制できる。しかも、フック部40の下端(基端)に引張応力が作用することを抑制できるため、レバー32の右側への回動操作の規制強度を向上できる。
【0065】
さらに、フック36の突出部38がレバー32から左方(レバー32の長手方向に対する垂直方向側)に突出されると共に、突出部38の先端面38Aが左右方向に垂直に(レバー32の長手方向に沿って)配置されている。このため、レバー32が「N」位置より「R」位置側及び「N」位置より「D」位置側において右側への回動操作を規制される際に、突出部38に圧縮応力を効果的に作用させることができ、フック36の撓みを効果的に抑制できて、レバー32の左右方向へのガタつきを効果的に抑制できる。
【0066】
また、上述の如く、レバー32が「M」位置、「R」位置及び「D」位置に配置される際には、それぞれ、レバー32の下周面32Bが左プレート12Aの前端規制部14の第1前規制面14A、後端規制部16の前面及び前端規制部14の第2前規制面14Bによって前後方向への回動を規制されて、レバー32の前後方向への回動操作が規制される。このため、フック36が左プレート12Aによって前後方向への回動を規制されてレバー32の前後方向への回動操作が規制される場合とは異なり、フック36の基端(突出部38の右端)に引張応力が作用することを抑制でき、レバー32の前後方向への回動操作の規制強度を向上できる。
【0067】
また、フック36では、突出部38左面の上側部分及びフック部40の左面が面一にされて上方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されている。このため、上述の如く、レバー32が「H」位置より「M」位置側に配置されて、フック部40の右面が左プレート12Aの上規制部22左面によって右側への回動を規制される際に、フック36の撓みを抑制でき、レバー32の左右方向へのガタつきを抑制できる。しかも、フック部40の下端(基端)に作用する引張応力を低減できるため、レバー32の左側への回動操作の規制強度を向上できる。
【0068】
さらに、フック36では、フック部40が突出部38からレバー32の球軸34側(上側)に突出されている。このため、フック部40が突出部38からレバー32の球軸34とは反対側(下側)に突出される場合とは異なり、レバー32の球軸34と突出部38との間にフック部40及び左プレート12Aの上規制部22を配置でき、シフトレバー装置10を上下方向(レバー32の回動径方向及び長手方向)において小型化できる。
【0069】
また、
図10〜
図13の(A)及び(B)に示す如く、レバー32が「H」位置から「N」位置に左側へ回動操作される際には、フック36の突出部38前面及びフック部40前面がそれぞれ左プレート12Aの下規制部20後面及び上規制部22後面によって前側への回動を規制されて、レバー32の後側への回動操作が規制される(
図11の(A)及び(B)参照)。このため、レバー32の後側への回動操作を効果的に規制できる。
【0070】
さらに、その後に、フック36の突出部38前面が左プレート12Aの下規制部20後面によって前側への回動を規制されるのみによって、レバー32の後側への回動操作が規制される(
図12の(A)及び(B)参照)。このため、レバー32が「N」位置に回動操作される直前に、レバー32の後側への回動操作の規制力を低下させることができる。しかも、レバー32が「N」位置を「H」位置側から「D」位置側に通過される際(レバー32の回動操作方向が左側から後側に変更される際)には、フック36の突出部38が下規制部20の右側かつ後側の角部20Aによって案内されることで、フック36の回動方向の右側から前側への変更が案内されて、レバー32の回動操作方向の左側から後側への変更が案内される(
図12及び
図13の(A)及び(B)参照)。これにより、レバー32が「H」位置から「N」位置を介して「D」位置に回動操作される際におけるレバー32の回動操作フィーリングを向上できる。しかも、レバー32が「H」位置から「N」位置を介して「D」位置に回動操作される際におけるレバー32の回動操作フィーリングが、レバー32が「H」位置から「N」位置を介して「R」位置に回動操作される際におけるレバー32の回動操作フィーリングと同様にされている。
【0071】
また、プレート12が左側(突出部38突出方向側)の左プレート12Aにおいてレバー32の回動操作を規制すると共に、プレート12の右側(突出部38突出方向とは反対側)の右プレート12Bにセンサ機構42が設けられている。このため、右プレート12Bにレバー32の回動操作の規制荷重が作用されることが抑制されることで、センサ機構42によるレバー32のシフト位置の検出精度を高くできる。
【0072】
[第2実施形態]
図14(A)には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置50のレバー32が左方から見た左面図にて示されており、
図14(B)には、シフトレバー装置50のレバー32が後方から見た後面図にて示されている。
【0073】
本実施形態に係るシフトレバー装置50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0074】
図14の(A)及び(B)に示す如く、本実施形態に係るシフトレバー装置50では、レバー32のフック36において、突出部38の左面全体が上方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されており、突出部38の左面とフック部40の左面とは、面一にされている。また、突出部38の左面及びフック部40の左面に対応して、左プレート12Aの下規制部20右面及び後規制部24右面が左右方向に垂直な平面にされている。
【0075】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0076】
特に、フック36では、突出部38の左面全体及びフック部40の左面が面一にされて上方へ向かうに従い右方へ向かう方向に傾斜されている。このため、レバー32が「H」位置より「M」位置側に配置されて、フック部40の右面が左プレート12Aの上規制部22左面によって右側への回動を規制される際に、フック36の撓みを効果的に抑制でき、レバー32の左右方向へのガタつきを効果的に抑制できる。しかも、フック部40の下端(基端)に作用する引張応力を効果的に低減できるため、レバー32の左側への回動操作の規制強度を効果的に向上できる。
【0077】
[第3実施形態]
図15(A)には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置としてのシフトレバー装置60のレバー32が左方から見た左面図にて示されており、
図15(B)には、シフトレバー装置60のレバー32が後方から見た後面図にて示されている。
【0078】
本実施形態に係るシフトレバー装置60は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0079】
図15の(A)及び(B)に示す如く、本実施形態に係るシフトレバー装置60では、レバー32のフック36において、突出部38の左面全体が左右方向に垂直な平面にされており、フック部40の上面は、上下方向に垂直な平面にされている。フック部40の左面は、左右方向に垂直な平面にされており、フック部40の左面は、突出部38の左面の右側に配置されている。
【0080】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0081】
特に、フック36では、フック部40の左面が突出部38の左面の右側に配置されている。このため、レバー32が「H」位置より「M」位置側に配置されて、フック部40の右面が左プレート12Aの上規制部22左面によって右側への回動を規制される際に、フック36の撓みを効果的に抑制でき、レバー32の左右方向へのガタつきを効果的に抑制できる。しかも、フック部40の下端(基端)に作用する引張応力を効果的に低減できるため、レバー32の左側への回動操作の規制強度を効果的に向上できる。
【0082】
なお、上記第1実施形態〜第3実施形態では、レバー32のフック36における突出部38の先端面38Aを左右方向に垂直な平面にした。しかしながら、レバー32のフック36における突出部38の先端面38A(摺動面)を前後方向において凸状に湾曲させてもよい。これにより、突出部38の先端面38Aが左プレート12Aの後規制部24右面及び下規制部20右面に対し前後方向に摺動される際に、それぞれ、突出部38の先端面38Aが後規制部24の右面及び下規制部20の右面に線接触されることで、フック36の回動抵抗を低減でき、レバー32に軸周りの回転力が作用することを抑制できる。
【0083】
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、レバー32のフック36におけるフック部40の右面を左右方向に垂直な平面にした。しかしながら、レバー32のフック36におけるフック部40の右面(摺動面)を前後方向において凸状に湾曲させてもよい。これにより、フック部40の右面が左プレート12Aの上規制部22左面に対し前後方向に摺動される際に、フック部40の右面が上規制部22の左面に線接触されることで、フック36の回動抵抗を低減でき、レバー32に軸周りの回転力が作用することを抑制できる。
【0084】
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、レバー32の回転軸を球軸34にした。しかしながら、レバー32の回転軸を例えば互いに交差する一対の柱軸にしてもよい。
【0085】
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、レバー32の回転軸(球軸34)により下側にフック36を設けた。しかしながら、レバー32の回転軸により上側にフック36を設けてもよい。
【0086】
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、プレート12の左プレート12Aと右プレート12Bとを別体にした。しかしながら、プレート12の左プレート12Aと右プレート12Bとを一体にしてもよい。
【0087】
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、シフトレバー装置10、50、60をフロア式のものにして車室の床部に設置した。しかしながら、シフトレバー装置10、50、60を車室のインストルメントパネルやステアリングコラムに設置してもよい。