特許第6698083号(P6698083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698083
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】抗HCMVの組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 417/04 20060101AFI20200518BHJP
   C07D 417/10 20060101ALI20200518BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20200518BHJP
   C07D 491/052 20060101ALI20200518BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20200518BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200518BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/4725 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20200518BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   C07D417/04CSP
   C07D417/10
   C07D417/14
   C07D491/052
   A61P31/20
   A61P43/00 121
   A61P31/12
   A61K45/00
   A61K31/498
   A61K31/4725
   A61K31/506
   A61K31/427
   A61K31/4709
   A61K31/436
   A61K31/5377
【請求項の数】14
【全頁数】64
(21)【出願番号】特願2017-526068(P2017-526068)
(86)(22)【出願日】2015年11月9日
(65)【公表番号】特表2017-535549(P2017-535549A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015059746
(87)【国際公開番号】WO2016077232
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】62/077,804
(32)【優先日】2014年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517163629
【氏名又は名称】エヴリース・バイオ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Evrys Bio, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】レミンゼウスキ,ステイシー
(72)【発明者】
【氏名】コユンジュ,エムレ
(72)【発明者】
【氏名】サン,チュン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,リリアン
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−243080(JP,A)
【文献】 特表2014−524888(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0335657(US,A1)
【文献】 特表2010−535155(JP,A)
【文献】 RN 1368401-75-5,2012年 4月15日,REGISTRY (STN)
【文献】 RN 477762-17-7,2002年12月30日,REGISTRY (STN)
【文献】 RN 866137-05-5,2005年10月26日,REGISTRY (STN)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

(式中、
Arは、
【化2】

であり、Ar中の各五員環又は各六員環は、最大2個までのNヘテロ原子を含んでいてもよく、
Yは、各例において独立して、1つの結合であり、
環Bは、以下からなる群:
【化3】

から選択され、
mは、0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、ZCであり、
pが1であるとき、Zは、C又はあり、
は、H、ハロ、−CN、−NO、−C(O)NR又はC(O)ORであり、
は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐の1−6アルキル若しくはアルケニルであり、
は、H又はOHであり、
は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つまでのヘテロ原子を有する飽和した五員環又は六員環のアリール若しくはシクロアルキルであり、
は、H、−OR、又は、−NRであり、
及びRは、各例において独立して、H並びに直鎖又は分岐の1−6アルキルから選択され、
環Aが芳香環であるとき、Xは、Cであり、
環Aが芳香環ではないとき、環Aは、飽和環であり、かつ、は、であり
Cである
の化合物(但し、以下:
【化4】

を除く)、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
式Iの化合物が、式II:
【化5】

(式中、X、X、X及びXは、C及びNから独立して選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
式Iの化合物が、式III:
【化6】

(式中、X、X、X及びXは、独立してC及びNから選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
式Iの化合物が、式IV:
【化7】

(式中、X、X、X及びXは、独立してC及びNから選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
式Iの化合物が、式V:
【化8】

(式中、X及びXは、独立してC及びNから選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
式Iの化合物が、式VI:
【化9】

(式中、X及びXは、独立してC及びNから選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
式Iの化合物が、式VII:
【化10】

(式中、X及びXは、独立してC及びNから選択される)
の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
が、メタ位又はパラ位に存在し、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン及びピリダジンからなる群から選択される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
式Iの化合物が、以下:
【化11】


からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
式I:
【化12】

(式中、
Arは、
【化13】

であり、Ar中の各五員環又は各六員環は、最大2個までのNヘテロ原子を含んでいてもよく、
Yは、各例において独立して、1つの結合であり、
環Bは、以下からなる群:
【化14】

から選択され、
mは、0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、Zは、Cであり、
pが1であるとき、Zは、C又はOであり、
は、H、ハロ、−CN、−NO、−C(O)NR又はC(O)ORであり、
は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のC1−6アルキル若しくはアルケニルであり、
は、H又はOHであり、
は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つまでのヘテロ原子を有する飽和した五員環又は六員環のアリール若しくはシクロアルキルであり、
は、H、−OR、又は、−NRであり、
及びRは、各例において独立して、H並びに直鎖又は分岐のC1−6アルキルから選択され、
環Aが芳香環であるとき、Xは、Cであり、
環Aが芳香環ではないとき、環Aは、飽和環であり、かつ、Xは、Oであり、
m=0又は1であるとき、Zは、Cであり、
m=2であるとき、Zは、C又はOである)
の化合物(但し、以下:
【化15】

を除く)又はその薬学的に許容できる塩を含む、医薬組成物。
【請求項11】
式I:
【化16】

(式中、
Arは、
【化17】

であり、Ar中の各五員環又は各六員環は、最大2個までのNヘテロ原子を含んでいてもよく、
Yは、各例において独立して、1つの結合であり、
環Bは、以下からなる群:
【化18】

から選択され、
mは、0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、Zは、Cであり、
pが1であるとき、Zは、C又はOであり、
は、H、ハロ、−CN、−NO、−C(O)NR又はC(O)ORであり、
は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のC1−6アルキル若しくはアルケニルであり、
は、H又はOHであり、
は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つまでのヘテロ原子を有する飽和した五員環又は六員環のアリール若しくはシクロアルキルであり、
は、H、−OR、又は、−NRであり、
及びRは、各例において独立して、H並びに直鎖又は分岐のC1−6アルキルから選択され、
環Aが芳香環であるとき、Xは、Cであり、
環Aが芳香環ではないとき、環Aは、飽和環であり、かつ、Xは、Oであり、
m=0又は1であるとき、Zは、Cであり、
m=2であるとき、Zは、C又はOである)
の化合物(但し、以下:
【化19】

を除く)又はその薬学的に許容できる塩を含む、HCMV感染を治療又は予防するための医薬組成物。
【請求項12】
式I:
【化20】

(式中、
Arは、
【化21】

であり、Ar中の各五員環又は各六員環は、最大2個までのNヘテロ原子を含んでいてもよく、
Yは、各例において独立して、1つの結合であり、
環Bは、以下からなる群:
【化22】

から選択され、
mは、0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、Zは、Cであり、
pが1であるとき、Zは、C又はOであり、
は、H、ハロ、−CN、−NO、−C(O)NR又はC(O)ORであり、
は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のC1−6アルキル若しくはアルケニルであり、
は、H又はOHであり、
は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つまでのヘテロ原子を有する飽和した五員環又は六員環のアリール若しくはシクロアルキルであり、
は、H、−OR、又は、−NRであり、
及びRは、各例において独立して、H並びに直鎖又は分岐のC1−6アルキルから選択され、
環Aが芳香環であるとき、Xは、Cであり、
環Aが芳香環ではないとき、環Aは、飽和環であり、かつ、Xは、Oであり、
m=0又は1であるとき、Zは、Cであり、
m=2であるとき、Zは、C又はOである)
の化合物(但し、以下:
【化23】

を除く)又はその薬学的に許容できる塩を含む、HCMVウイルス産生を阻害するための医薬組成物。
【請求項13】
抗ウイルス剤と組み合わせて使用される、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記抗ウイルス剤が、アシクロビル、ドコサノール、リバビリン、インターフェロン、酢酸セルロース、カーボポール、カラギーナン、プレコナリル、アマンチジン、リマンチジン、ホミビルセン、ジドブジン、ラミブジン、ザナミビル、オセルタミビル、ブリブジン、アバカビル、アデフォビル、アンプレナビル、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、シドフォビル、コンビビル、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、フォサンプレナビル、ホスカルネット、ホスフォネット、ガンシクロビル、ガーダシル、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、ロピナビル、ロビリド、mk−0518、マラビロク、モロキシジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシドのアナログ、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、ポドフィロトキシン、リマンタジン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、モルフォリノオリゴヌクレオチド、リボザイム、プロテアーゼ阻害剤、アセンブリー阻害剤、ジドブジン、ブリンシドフォヴィル、ファビピラビル、ニトキサニド、レテルモビル、マリバビル、CMX157、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府資金による研究の声明
米国政府は、限定された状況において、国立アレルギー・感染症研究所によって与えられた許可番号1R43AI110048−01の条件に規定されている合理的な条件で他者にライセンスを与えることを特許権者に要求するための、この発明及び権利における支払い済みのライセンスを有する。
【0002】
この文書は、ヒトサイトメガロウイルス感染を予防、治療又は改善するのに役立つ化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は、免疫不全者における先天性欠損及び日和見感染の主な原因であり、特定の癌における有力な補因子である。免疫抑制療法下の臓器移植患者は、ウイルス感染のリスクが高い。潜伏ウイルスの活性化、並びに、ドナー感染型又は地域感染型の一次感染は、移植片拒絶反応、疾病及び死亡を含む著しい合併症を引き起こす場合がある。ヘルペスウイルス(例えば、HCMV、HSV−1)、ポリオーマウイルス(例えば、BKV及びJCV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、及び、呼吸系ウイルス(例えば、インフルエンザA型、アデノウイルス)は、これらの患者に感染する4つの主なウイルスのクラスである。サイトメガロウイルス(HCMV)は、最も流行している臓器移植後の病原体である。HCMVは、ほとんどの器官に感染することができ、ガンシクロビル等のようなHCMV抗ウイルス薬の有効性にもかかわらず、腎毒性の副作用及び薬剤抵抗性の増大する比率は、移植片及び患者の生存を著しく低減する。さらに、HCMVを介した免疫修飾は、ほとんどの大人によって保有されている異なる潜伏ウイルスを再活性化することができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、式I:
(Arは、
であり、
Ar中の各五員環又は各六員環は、任意に、最大2個のNヘテロ原子を含み、
Yは、各例において独立して、C又は1つの結合であり、
環Bは、
からなる群から選択され、
mは0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、Z1はCであり、
pが1であるとき、Z1は、C、O、S又はNR7であり、
1は、H、ハロ、−CN、−NO2、−C(O)NR67、又はり、C(O)OR6であり、
2は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で任意に置換された低級の直鎖の若しくは分岐したアルキル又はアルケニルであり、
3は、H又はOHであり、
4は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つのヘテロ原子を有する飽和した五員環若しくは六員環のアリール又はシクロアルキルであり、
5は、H、−OR7、又は、−NR67であり、
6及びR7は、H並びに低級の直鎖又は分岐したアルキルから各例において独立して選択され、
環Aが芳香環であるとき、X5は、C又はNであり、
環Aが芳香環でないとき、X5は、C、O、S又はNR7であり、
m=0又は1であるとき、Z2は、Cであり、
m=2であるとき、Z2は、C、O、S又はNR7である)
の構造を有する化合物を提供する。
【0005】
本発明の化合物は、HCMV感染を治療及び/又は予防するのに役立つ。
【0006】
また、本発明は、化学式Iの化合物を用いてHCMV感染を予防、治療及び/又は改善する方法を提供する。
【0007】
別段の定めがない限り、本明細書で使用されている技術的用語及び科学用語のすべては、この発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の使用のための方法及び材料は本明細書に記載されている。他の適切な方法及び当業界において知られている材料を使用することもできる。材料、方法及び例は、単に説明するためのものであり、限定するようには意図されていない。本明細書中で言及されている刊行物、特許出願、特許、配列、データベースエントリー及びその他の参考文献のすべては、参照することによりそれらの全体が組み込まれている。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優越する。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面及び特許請求の範囲から明らかになる。
【発明の詳細な説明】
【0009】
本明細書において提供されるのは、HCMV感染の治療及び/又は予防に役立つ化合物である。
【0010】
本明細書において提供されるのは、被検体のHCMV感染を治療又は予防する方法である。いくつかの実施例において、前記方法は、本明細書で提供される化合物の1つ以上の治療的有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書で提供される化合物は、ウイルスに感染した細胞においてHCMV生産を抑制することができる。そのような実施形態において、細胞は、本明細書で提供される、ウイルス産生を阻害する量の1つ以上の化合物と接触させる。
【0011】
本明細書において提供されるのは、式I:
(Arは、
であり、
Ar中の各五員環又は各六員環は、任意に、最大2個のNヘテロ原子を含み、
Yは、各例において独立して、C又は1つの結合であり、
環Bは、以下からなる群:
から選択され、
mは、0、1又は2であり、
nは、各例において独立して、0又は1であり、
pは、0又は1であり、
pが0であるとき、Z1はCであり、
pが1であるとき、Z1は、C、O、S又はNR7であり、
1は、H、ハロ、−CN、−NO2、−C(O)NR67、又は、C(O)OR6であり、
2は、Hであるか、又は、N及びOから選択される1つのヘテロ原子で任意に置換された低級の直鎖の若しくは分岐したアルキル若しくはアルケニルであり、
3は、H又はOHであり、
4は、Hであるか、又は、N、O及びSから選択される最大2つのヘテロ原子を有する飽和した五員環又は六員環のアリール若しくはシクロアルキルであり、
5は、H、−OR7、又は、−NR67であり、
6及びR7は、H並びに低級の直鎖若しくは分岐したアルキルから各例において独立して選択され、
環Aが芳香環であるとき、X5は、C又はNであり、
環Aが芳香環ではないとき、X5は、C、O、S又はNR7であり、
m=0又は1であるとき、Z2はCであり、
m=2であるとき、Z2は、C、O、S又はNR7である)
の構造の化合物又はその薬学的に許容できる塩であるが、下記:
の化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩ではない。化学式Iの化合物は、HCMV感染を予防、治療及び/又は改善するのに役立つ。
【0012】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式II:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩であるが、下記:
の化合物又はその薬学的に許容できる塩ではない。
【0013】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式III:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0014】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式IV:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0015】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式V:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0016】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式VI:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0017】
本明細書において提供される抗HCMV化合物のいくつかの実施形態は、式VII:
(X1、X2、X3及びX4は、CとNから独立して選択され、他のすべての変数は、式Iに定められた通りである)の構造を有する化合物又はその薬学的に許容できる塩である。
【0018】
式V、VI及びVIIの化合物のいくつかの実施形態において、R4は、メタ位又はパラ位に存在し、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン及びピリダジンからなる群から選択される。
【0019】
化学式I、II、III、V、VI及びVIIの化合物のいくつかの実施形態において、R1は、化学式中に存在する場合には、H、ハロ、−CN又は−NO2であり、R4は、化学式中に存在する場合には、飽和した五員環又は六員環のアリール又はシクロアルキルであって、N、O及びSから選択された最大2個のヘテロ原子を有するものである。
【0020】
化学式Iの化合物のいくつかの実施形態において、前記化合物は、下記:
からなる群から選択されるか、又は、それらの薬学的に許容できる塩である。
【0021】
本明細書において提供される被検体のHCMV感染を治療又は予防する方法のいくつかの実施形態は、化学式I、化学式II、化学式III、化学式IV、化学式V、化学式VI、化学式VIIの化合物又はそれらの薬学的に許容できる塩の治療的有効量を投与することを含んでいてもよい。
【0022】
さらに本明細書において提供されるのは、HCMV感染細胞を、ウイルス産生を阻害する量の化学式I、II、III、IV、V、VI及びVIIの化合物のいずれかに接触させることを含む、HCMV生産を抑制する方法である。
【0023】
抗ウイルス剤また、本明細書に記載されている化合物及び方法と共に投与されてもよい。その薬剤は、HCMV感染の治療に役立つあらゆる治療薬であり得る。例えば、抗ウイルス剤は、アシクロビル、ドコサノール、リバビリン、インターフェロン等;酢酸セルロース、カーボポール及びカラギーナン、プレコナリル、アマンジン、リマンジン、ホミビルセン、ジドブジン、ラミブジン、ザナミビル、オセルタミビル、ブリブジン、アバカビル、アデフォビル、アンプレナビル、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、シドフォビル、コンビビル、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフド、エンテカビル、ファムシクロビル、フォサンプレナビル、ホスカルネット、ホスフォネット、ガンシクロビル、ガーダシル、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、mk−0518、マラビロク、モロキシジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネキサビル、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシドのアナログ、オセルタミビル、ペンシクロビル、ペラミビル、ポドフィロトキシン、リマンタジン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、モルフォリノオリゴヌクレオチド、リボザイム、プロテアーゼ阻害剤、アセンブリー阻害剤(例えば、リファンピシン)、ジドブジン、ブリンシドフォヴィル、ファビピラビル、ニトキサニド、レテルモビル、マリバビル、CMX157、又は、組み合わせ、若しくは、2つ以上の抗ウイルス剤を含んでいてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物は、1つ以上の抗ウイルス薬剤の投与前に、投与後に、又は、投与と同時に投与することができる。
【0025】
本明細書において提供される化合物(その薬学的に許容できる塩を含む)は、購入してもよいし、又は、既知の有機合成技術を使用して調製することもできる。
【0026】
本明細書において提供される方法は、医薬組成物の製造及び使用を含み、その医薬組成物は、本明細書において提供される化合物及び1つ以上の薬学的に許容できる担体を含む。本明細書においてさらに提供されるのは、その組成物自体である。
【0027】
医薬組成物は、典型的には薬学的に許容できる担体を含む。本明細書において使用されているように、「薬学的に許容できる担体」という用語は、薬学的投与に適した生理食塩水、溶剤、分散液、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに、吸収遅延剤等を含む。
【0028】
医薬組成物は、典型的には、その意図されている投与経路に適合するように調剤される。投与経路の例は、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、口(例えば、吸入)、経皮(局所的)、口腔粘膜、及び、直腸内への投与を含む。
【0029】
適切な医薬組成物を調剤する方法は、当業界において知られており、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed.2005;及び、Drugs and the Pharmaceutical Sciencesのシリーズの本:a Series of Textbooks and Monographs (Dekker, NY)を参照されたい。例えば、非経口、皮内又は皮下での適用に使用される溶液又は懸濁液は、下記の成分:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒等のような無菌の希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラオキシ安息香酸エステル等のような抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸ナトリウム等のような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸等のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩等のようなバッファー、並びに、塩化ナトリウム又はデキストロース等のような等張性を調節するための薬剤を含んでいてもよい。pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムのような、酸又は塩基を用いて調節することができる。非経口調製物は、アンプル、使い捨て注射器、又は、ガラス若しくはプラスチックで作られた複数用量バイアルに入れてもよい。
【0030】
注射に適した医薬組成物は、無菌の水溶液(水溶性である場合)若しくは分散液、並びに、無菌の注射可能な水溶液又は分散液の即席の調製のための無菌パウダーを含んでいてもよい。静脈内投与のために、適切な担体は、生理食塩水、制菌性の水、クレモフォールEL(商標)(BASF、Parsippany、NJ)、又は、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)を含む。すべての場合において、組成物は、無菌でなければならず、容易に注射針を通過できる程度の流動性を有するべきである。組成物は、製造及び保存の条件下で安定であるべきであり、また、バクテリア及び菌類等のような微生物の汚染作用に対抗して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、多価アルコール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体のポリエチレングリコール等)及びその適切な混合物を含む、溶媒又は分散媒体であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチン等のようなコーティングの使用によって、分散の場合には必要とされる粒径の維持によって、及び、界面活性剤の使用によって、維持することができる。微生物の作用の予防は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等)によって達成することができる。多くの場合、等張剤(例えば、組成物中の、糖類、マンニトール、ソルビトール等のような多価アルコール、及び、塩化ナトリウム)を含むことが望ましい。注射可能な組成物の持続的吸収は、組成物に吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン)を含めることにより引き起こすことができる。
【0031】
無菌注射剤溶液は、適切な溶剤中に、上記に列挙されている成分の1つ又は組み合わせと共に、本明細書において提供される化合物の必要とされる量を組み込むことにより、必要に応じてその後にろ過滅菌を行って、調製することができる。一般に、分散液は、無菌の媒体中に本明細書において提供される化合物を組み込むことにより調製され、その無菌の媒体は、塩基性の分散媒体と上記に列挙されている他の必要な成分を含む。無菌注射剤溶液を調製するための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥と凍結乾燥であり、それらは、本明細書において提供される化合物の粉末に加えて、予めろ過滅菌されたその溶液に由来する任意の所望の追加成分を産出する。
【0032】
経口組成物は、一般に、不活性な希釈剤又は食べられる担体を含む。経口治療投与の目的のために、本明細書において提供される化合物は、賦形剤と共に組み込まれてもよく、また、錠剤、トローチ又はカプセル(例えば、ゼラチンカプセル)の形態で使用されてもよい。経口組成物は、流動性の担体を使用して、口内洗浄液としての使用のために調製されてもよい。薬学的適合性があるバインダー剤及び/又は補助薬材料は、組成物の一部として含まれていてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ等は、以下の成分:微結晶性セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン等のようなバインダー;デンプン又はラクトース等のような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)又はコーンスターチ等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はステロート等のような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素等のような流動促進剤;スクロース又はサッカリン等のような甘味料;若しくは、ペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ調味料等のような香料、又は、類似した性質の化合物を含んでいてもよい。
【0033】
吸入による投与のために、化合物は、適切な噴射剤(例えば、二酸化炭素等のようなガス)を含む加圧された容器若しくは分配器から、又は、噴霧器からエアゾルスプレーの形態で届けられてもよい。そのような方法は、米国特許第6,468,798号に記載されているものを含む。
【0034】
本明細書に記載されている治療化合物の全身投与は、経粘膜的手段又は経皮的手段によることができる。経粘膜的投与又は経皮的投与のために、透過すべき障害に対して適切な浸透剤が、調合物中に使用される。そのような浸透剤は、当業界において一般に知られており、例えば、口腔粘膜な投与のために、洗浄剤、胆汁酸塩及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜的投与は、鼻内噴霧又は坐剤の使用を通じて実行することができる。経皮的投与のために、本明細書において提供される化合物は、当業界において一般に知られている軟膏剤、軟膏、ゲル剤又はクリーム剤に調剤することができる。
【0035】
医薬組成物は、直腸送達のために、坐剤(例えば、ココアバター及び他のグリセリド等のような従来の坐剤基剤と共に)又は停留浣腸剤の形態で調製することができる。
【0036】
さらに、特にHamajimaら、Clin. Immunol.Immunopathol、88(2)、205−10(1998)に記載されているように、鼻腔内送達が可能である。リポソーム(例えば、米国特許第6,472,375号に記載されているようなもの)及びマイクロカプセルを使用することもできる。生物分解性の目標を設定可能な微粒子送達システムを使用することもできる(例えば、米国特許第6,471,996号に記載されているようなもの)。
【0037】
一実施形態において、治療化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化した送達システムを含む制御放出製剤等の、身体からの急速な除去からその治療化合物を防御する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物類、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類及びポリ乳酸等のような生物分解性の生体適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤は、標準的技術を使用して調製することもできるし、又は、例えば、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals社から購入することもできる。リポソーム懸濁液(細胞性抗原に対するモノクローナル抗体共に、選択された細胞を対象としたリポソームを含む)を薬学的に許容できる担体として使用することもできる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されているように、当業者に知られている方法に従って調製することができる。
【0038】
医薬組成物は、一度に投与されてもよいし、又は、時間間隔を置いて投与されるための多数の低用量に分割されてもよい。治療の正確な用量及び期間は、治療される病気の関数であり、既知の試験プロトコルを使用して経験的に決定されてもよいし、又は、インビボ若しくはインビトロの試験データからの推測によって決定されてもよいと理解される。濃度及び用量値は、緩和しようとする病状の重症度に応じても変化し得ることに留意すべきである。任意の特定の患者のために、特定薬剤投与計画は、個別の必要性並びに組成物を投与する人又は組成物の投与を監督する人のプロフェッショナルな判断に応じて、時間経過と共に調節されるべきであることは理解されるであろう。また、本明細書に記載されている濃度範囲が、模範的なものにすぎず、必要とされる組成物の範囲又は実施を限定するように意図されていないことは理解されるであろう。
【0039】
無毒性担体から作られるバランスで0.005%〜100%の範囲で本明細書に記載されている化合物を含む製剤形態又は組成物を調製することができる。これらの組成物を調製するための方法は、当業者に知られている。検討されている組成物は、本明細書において提供される化合物を0.001%〜100%含んでいてもよく、一実施形態においては0.1%〜95%含んでいてもよく、他の一実施形態においては75%〜85%含んでいてもよい。
【0040】
医薬組成物は、投与のための指示書と共に、容器、パック又は分配器の中に含まれていてもよい。
【0041】
上述されているように、本明細書において提供される1つ以上の化合物の調合剤は、経口的に、非経口的に、局所的に、又は、直腸を通して与えられてもよい。それらの調合剤は、もちろん、各投与経路に適した形態で与えられる。例えば、それらの調合剤は、注射、吸入、点眼薬、軟膏、坐薬、注入によって錠剤又はカプセルの形態で;ローション又は軟膏によって局所的に;及び、坐剤によって直腸に投与される。いくつかの実施形態において、投与は経口である。
【0042】
本明細書で使用されている「非経口適用」とのフレーズ及び「非経口的に投与される」とのフレーズは、経腸の及び局所的な投与以外の、通常は注射による投与の様式を意味し、限定されるものではないが、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、クモ膜下、脊髄内及び胸骨内への注射及び注入を含む。
【0043】
本明細書において提供される医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者、組成物及び投与の様式について、所望の治療効果を達成するのに有効な有効成分の量を得るために、患者に毒性を与えることなく、変えることができる。
【0044】
薬学的に許容できる混合物中の本明細書において提供される化合物の濃度は、投与される化合物の用量、使用される化合物の薬物動態的特性、及び、投与経路を含むいくつかの要因に応じて変わるであろう。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される組成物は、非経口適用のために、他の物質の中で、本明細書において開示される化合物を約0.1−10w/v%含む水溶液として提供することができる。典型的な用量範囲は、1〜4回に分割された用量で与えられる、1日当たり体重1kg当たり約0.01〜約50mg/kgを含むことができる。分割された各用量は、同じ化合物を含んでいてもよいし、又は、異なる化合物を含んでいてもよい。用量は、患者の健康全般並びに選択された化合物の製剤及び投与経路を含むいくつかの要因に応じた治療的有効量になるであろう。
【0045】
患者の症状、年齢及び体重、治療又は予防しようとする疾患の性質及び重症度、薬剤の投与経路及び形態に依存して、用量は変わるが、一般に、1日当たり0.01mg〜2000mgの量の化合物が成人のヒト患者に推奨され、これは1回の用量で投与されてもよいし又は分割された量で投与されてもよい。1回分の投薬形態を生産するために担体材料と組み合わされることができる有効成分の量は、一般に、治療効果を生じさせる化合物の量になるであろう。
【0046】
所定の患者における治療効果の点において最も有効な結果を与える投与の正確な時間及び/又は組成物の量は、特定の化合物の活性、薬物動態及び生物学的利用可能性、患者の生理的条件(年齢、性別、疾病タイプ、及び、ステージ、全身健康状態、所定の用量に対する反応性、及び、薬物の種類を含む)、投与経路等に依存するであろう。しかしながら、上記ガイドラインは、治療を微調整する(例えば、投与の最適時間及び/又は用量を決定する)ための基礎として使用可能であり、患者のモニタリング並びに用量及び/又はタイミングの調節からなるルーティーン試験以上のことを必要としないであろう。
【0047】
さらに本明細書において提供されるのは、本明細書において提供される化合物又は該化合物を含む医薬組成物と共に、1つ以上の他の治療薬を投与する複合治療である。そのような複合治療は、治療の個々の構成要素と同時の、連続した、又は、別々の投薬によって達成することができる。
【0048】
定義
「例えば」との用語及び「等のように」との用語並びにそれらの文法的等価物は、明示的に別段の定めがない限り、「限定されるものではない」とのフレーズが続くものとして理解される。本明細書において使用されているように、「約」との用語は、実験誤差による変動を占めるように意図されている。本明細書中に報告されているすべての測定は、明示的に別段の定めがない限り、その用語が明示的に使われているか否かにかかわらず、「約」との用語によって修飾されていると理解される。本明細書において用いられているように、単数形である「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、明示的に別段の定めがない限り、複数の指示物を包含する。
【0049】
「被検体」は、本明細書において用いられているように、ヒト及び他の動物(特に哺乳動物)の両方を含む。従って、上記方法は、ヒト治療及び動物用途の両方に適用可能である。いくつかの実施形態において、患者は哺乳動物(例えば、霊長類)である。いくつかの実施形態において、患者はヒトである。
【0050】
本明細書において提供される「治療的有効」量の化合物は、典型的には、HCMV感染の症状を予防、除去、緩和又は低減するのに充分な量である。予防のために、活性な疾病の治療とは異なる濃度を使用することができることは理解されるであろう。
【0051】
本明細書において提供される化合物の「ウイルス産生を阻害する」量は、典型的には、化合物と接触した細胞によって生産されるウイルスの量において測定可能な減少を達成するのに充分な量である。いくつかの実施形態において、「ウイルス産生を阻害する」量は、治療されていない細胞のウイルス産生の少なくとも30%を抑制する量である。いくつかの実施形態において、「ウイルス産生を阻害する」量は、治療されていない細胞のウイルス産生の少なくとも50%を抑制する量である。いくつかの実施形態において、「ウイルス産生を阻害する」量は、治療されていない細胞のウイルス産生の少なくとも70%を抑制する量である。いくつかの実施形態において、「ウイルス産生を阻害する」量は、治療されていない細胞のウイルス産生の少なくとも90%を抑制する量である。
【0052】
「治療」及び「予防」との用語は、当業者に理解されるものであり、本明細書において提供される化合物又は医薬組成物の1つ以上の投与を含む。望まれない病状の臨床兆候(例えば、被検体の病気又は他の望まれない状態)に先立って投与される場合、その治療は予防である(つまり、それは望まれない病状の進展から被検体を防御する)。この文脈において用いられているように、「予防する」との用語は、本明細書に与えられている疾患の少なくとも1つの症状の発症を遅延又は予防することを意味する。例えば、そのような予防は、感染原体(例えば、ウイルス)への暴露の可能性によって、又は、被検体が疾病(例えば、代謝障害又は心臓血管疾患)の発病を示す他の兆候を示すときに、促してもよい。あるいは、望まれない病状の発現の後に投与される場合、その治療は治療である(つまり、その治療は、すでに存在する望まれない病状又はその副作用を減少、緩和、安定化するように意図される)。この文脈において用いられているように、「治療する」ことは、本明細書に与えられている疾患の少なくとも1つの症状を緩和することを意味する。
【0053】
「化合物」との用語は、本明細書において用いられているように、表されている構造のすべての立体異性体、幾何異性体及び互変異性体を含むように意図されている。1つの特別の互変異性型として名前又は構造によって同定された化合物は、別段の定めがない限り、他の互変異性型を含むように意図されている。
【0054】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物又はその塩は、実質的に分離されている。「実質的に単離された」により、その化合物が形成された又は検出された環境から少なくとも部分的に又は実質的にその化合物が分離されたことを意味している。部分的な分離は、例えば、本明細書において提供される化合物が多く含まれる組成物を含んでいてもよい。本質的な分離は、本明細書において提供される化合物又はその塩の重量を、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は、少なくとも約99%含む組成物を含んでいてもよい。化合物とその塩とを分離する方法は当業界におけるルーティーンである。
【0055】
「薬学的に許容できる」とのフレーズは、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症がないヒト及び動物の組織に接触して使用するのに適した、合理的なベネフィットリスク比に見合う、それらの化合物、材料、組成物及び/又は製剤形態を表すために用いられる。
【0056】
「薬学的に許容できる塩」との用語は、本明細書において提供される化合物の、比較的に無毒性の、無機酸及び有機酸が付加した塩を表す。これらの塩は、本明細書において提供される化合物の最終分離及び生成時に現場で調製されてもよいし、又は、その化合物の遊離した塩基形態を、適切な有機酸若しくは無機酸と別々に反応させ、そのように形成された塩を分離することによって調製されてもよい。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、及び、アミノ酸塩等を含む。(例えば、Bergeら、(1977)“Pharmaceutical Salts”、J. Pharm. Sci.66:1−19を参照されたい。)
【0057】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物は、1つ以上の酸性官能基を含んでいてもよく、従って、薬学的に許容できる塩基と薬学的に許容できる塩を形成することができる。「薬学的に許容できる塩」との用語は、これらの例において、本明細書において提供される化合物の、比較的無毒性の、無機塩基及び有機塩基が付加した塩を表す。これらの塩は、同様に、化合物の最終単離及び精製時に現場で調製されてもよいし、又は、精製された化合物をその遊離した酸形態で、薬学的に許容できる金属カチオンのヒドロキシド、炭酸塩若しくは重炭酸塩等のような適切な塩基と、アンモニアと、又は、薬学的に許容できる有機の第1級、第2級若しくは第3級のアミンと、別々に反応させることによって調製されてもよい。代表的なアルカリ塩又はアルカリ土類塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩等を含む。塩基が付加した塩の形成に役立つ代表的な有機アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン等を含む(例えば、Bergeら、supraを参照されたい)。
【0058】
本明細書において用いられているように、「アルキル」との用語は、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜8個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直線の及び分岐した鎖脂肪族基であって、任意に1個、2個又は3個の置換基で置換された基を表す。好ましいアルキル基は、限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基を含む。(「C0〜C3のアルキル」における)「C0」アルキルは、共有結合である(「C0」ヒドロカルビル)。「低級のアルキル」との用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖及び分岐鎖の脂肪族基を表す。別段の定めがない限り、「アルキル」との用語は、アルケニル基、アルキニル基及び環式アルキル基を含む。
【0059】
本明細書において用いられているように、「アルケニル」との用語は、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素−炭素の二重結合を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪族基であって、任意に1個、2個又は3個の置換基で置換された基を意味する。好ましいアルケニル基は、限定されるものではないが、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基及びヘキセニル基を含む。
【0060】
本明細書において用いられているように、「アルキニル」との用語は、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、1つ以上の炭素−炭素の三重結合を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖の脂肪族基であって、任意に1個、2個又は3個の置換基で置換された基を意味する。好ましいアルキニル基は、限定されるものではないが、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基及びヘキシニル基を含む。
【0061】
上記に定義されているように、「ヘテロアルキル」との用語は、アルキル基の鎖の1つ以上の炭素原子が、O、S及びNからなる群から選択されるヘテロ原子で置換されている基を表す。
【0062】
「アリール」基は、1〜3個の芳香環を含むC6〜C14の芳香族部位であり、任意に置換されていてもよい。好ましくは、アリール基は、C6〜C10のアリール基である。好ましいアリール基は、限定されるものではないが、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びフルオレニル基を含む。
【0063】
「ヘテロシクリル」基又は「ヘテロ環式」基は、約3〜約8個の原子を有する環状構造であって、1つ以上の原子がN、O及びSからなる群から選択されるものである。ヘテロ環基は、任意に1つ以上の位置の炭素が置換されている。ヘテロ環基は、任意に独立して窒素が、アルキル、アリール、アラルキル、アルキルカルボニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニル、アリールスルフォニル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルで置換されているか、又は、硫黄がオキソ若しくは低級のアルキル基で置換されている。好ましいヘテロ環基は、限定されるものではないが、エポキシ基、アジリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、チアゾリジニル基、オキサゾリジニル基、オキサゾリジノニル基及びモルフォリノ基を含む。ある好ましい実施形態において、ヘテロ環基は、アリール基、ヘテロアリール基又はシクロアルキル基に融合される。そのような融合されたヘテロ環の例は、限定されるものではないが、テトラヒドロキノリン及びジヒドロベンゾフランを含む。この用語の範囲から明確に除外されるのは、隣接した環状のO原子及び/又はS原子を有する化合物である。
【0064】
本明細書において用いられているように、「ヘテロアリール」との用語は、5個〜14個の環原子、好ましくは5個、6個、9個又は10個の環原子を有し、1つの環配列中に6個、10個又は14個のπ電子を共有し、炭素原子に加えて1つの環当たり1〜3個の、N、O及びSからなる群から選択されるヘテロ原子を有する基を表す。「ヘテロアラルキル」基又は「ヘテロアリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合で連結されたヘテロアリール基を含み、これらのいずれかが任意に独立して置換されているか又は置換されていない。好ましいヘテロアルキル基は、C1〜C6のアルキル基、及び、5個、6個、9個又は10個の環原子を有するヘテロアリール基を含む。この用語の範囲から明確に除外されるのは、隣接した環状のO原子及び/又はS原子を有する化合物である。好ましいヘテロアラルキル基の例は、ピリジルメチル、ピリジルエチル、ピロリルメチル、ピロリルエチル、イミダゾリルメチル、イミダゾリルエチル、チアゾリルメチル及びチアゾリルエチルを含む。この用語の範囲から明確に除外されるのは、隣接した環状のO原子及び/又はS原子を有する化合物である。
【0065】
ヘテロシクリル及びヘテロアリールの実施形態は、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジン、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、及び、キサンテニルを含むが、それらに限定されない。
【0066】
本明細書において用いられているように、ある部分(例えば、シクロアルキル、ヒドロカルビル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環式、尿素等)が「任意に置換された」と記載されている場合、その基が任意に1個〜4個、好ましくは1個〜3個、より好ましくは1個又は2個の非水素置換基を有することを意味する。適切な置換基は、限定されるものではないが、ハロ基、ヒドロキシ基、オキソ基(例えば、1つの環状の−CH−がオキソ基で置換されたものは−C(O)−である)、ニトロ基、ハロヒドロカルビル基、ヒドロカルビル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、アミノアルキル基、アシル基、カルボキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、アルカンスルホンアミド基、アレーンスルホンアミド基、アラルキルスルホンアミド基、アルキルカルボニル基、アシルオキシ基、シアノ基及びウレイド基を含む。
【0067】
本明細書において用いられているように、「ハロゲン」又は「ハロ」との用語は、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素を表す。本明細書において用いられているように、「アシル」との用語は、アルキルカルボニル置換基又はアリールカルボニル置換基を表す。「アシルアミノ」との用語は、窒素原子に付着したアミド基(つまり、R−CO−NH−)を表す。「カルバモイル」との用語は、カルボニル炭素原子に付着したアミド基(つまり、NH2−CO−)を表す。アシルアミノ置換基又はカルバモイル置換基の窒素原子は、任意にさらに置換されている。「スルホンアミド」との用語は、硫黄原子又は窒素原子のいずれかが付着したスルホンアミド置換基を表す。「アミノ」との用語は、NH2基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、及び、環式アミノ基を含むように意図されている。本明細書において用いられているように、「ウレイド」との用語は、置換された又は置換されていない尿素部位を表す。
【0068】
置換される部位は、独立して1つ以上の水素が他の化学的置換基で置換されたものである。非限定的な例として、置換されたフェニルは、2−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロ−フェニル、2−フルオロ−3−プロピルフェニルを含む。他の非限定的な例として、置換されたn−オクチルは、2,4−ジメチル−5−エチルオクチル、及び、3−シクロペンチルオクチルを含む。この定義に含まれるのは、メチレン(CH2−)が酸素で置換されてカルボニルCO−を形成するものである。
【0069】
上記に定義されているように、「置換されていない」部位(例えば、置換されていないシクロアルキル、置換されていないヘテロアリール等)は、上記に定義されている部位が、その部位の定義(上記)が異なるように与える任意の置換基のいずれをも有していないことを意味する。従って、例えば、「アリール」は、フェニル、及び、ハロで置換されたフェニルを含むが、「置換されていないアリール」は、ハロで置換されたフェニルを含まない。
【0070】
本発明の化合物の合成
本発明における化合物(一般式Iの化合物)は、以下の機構において設計されている一般反応機構を使用して調製することができる。
機構1
【0071】
一般式1の適切な化合物において、R1は、H、低級の直鎖の又は分岐したアルキル、若しくは、適切な脱離基(例えば、
又は
であり、2−クロロ−1,3−チアゾール及び塩基(例えば、n−BuLi又はsec−BuLi)と反応させて、一般構造3の化合物を与えることができる。一般構造3の化合物は、一般構造4の化合物を提供するために、適切な還元剤(例えば、トリエチルシラン等のようなシラン、及び、トリフルオロ酢酸等のような酸)を用いて処理されてもよい。一般構造4の化合物は、一般構造5の化合物を提供するために、適切なアミン(例えば、ベンジルアミン又は1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)を用いて処理されてもよい。一般構造5の化合物は、化学式Iの化合物において、RがHであるものと同一であることが理解されるであろう。
【0072】
当業者は、化学式Iの化合物を提供するための代替的な合成経路が存在し得ることを理解するであろう。以下の機構は、そのような代替的な合成経路の非限定的な例を記載するものである。
機構2
【0073】
いくつかの例において、一般式3の化合物は、一般構造6の化合物を提供するために、適切なアミン(例えば、ベンジルアミン又は1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)を用いて処理されてもよい。一般構造6の化合物は、一般構造5の化合物を提供するために、適切な還元剤(例えば、トリエチルシラン等のようなシラン、及び、トリフルオロ酢酸等のような酸)を用いて処理されてもよい。一般構造6の化合物が、化学式Iの化合物においてR3がOHであるものと同一であることは理解されるであろう。
【0074】
機構3
【0075】
いくつかの例において、R1が上記機構1の適切な脱離基である場合、一般構造7の化合物を提供するために、一般式1の化合物を、2−クロロ−1,3−チアゾール及び塩基(例えば、n−BuLi又はsec−BuLi)と反応させることができる。一般構造7の化合物は、一般構造8の化合物を提供するために、機構1及び機構2について上述されているように、適切なアミンを用いて処理されてもよい。一般構造8の化合物は、一般式6の化合物においてR1=Hであるものを与えるために、適切な還元剤(例えば、NaBH4又はLiAlH4)を用いて処理されてもよい。一般式6の化合物は、一般式5の化合物を提供するために、上述されているように処理されてもよい。
【0076】
機構4
【0077】
いくつかの例において、一般式6の化合物は、一般式7の化合物を提供するために、共試薬の存在下又は非存在下において適切な酸を用いて処理されてもよい。適切な酸は、有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸)又は無機酸(例えば、HCl、H2SO4)であってもよい。共試薬は、シラン(例えば、トリエチルシラン)であってもよい。一般構造7の化合物は、適切な条件(例えば、H2)を用いて、適切な触媒(例えば、Pd/C、又は、Pd(OH)2/C)の存在下で還元されてもよい。一般構造7の化合物が、化学式Iの化合物においてR2がアルケニルであるものと同一であることは理解されるであろう。一般構造8の化合物が、化学式Iの化合物においてR2が直鎖の又は分岐した低級アルキル基であるものと同一であることは理解されるであろう。
【0078】
機構5
【0079】
いくつかの例において、一般式3の化合物は、一般式9の化合物を与えるために、機構4で説明されている一般構造7の化合物の調製について上述されているように、共試薬の存在下又は非存在下において適切な酸を用いて処理されてもよい。一般構造9の化合物は、一般構造7の化合物を提供するために、機構1及び2について記載されているように適切なアミンを用いて処理されてもよい。機構5の一般構造7は、機構4の一般構造7と同一である。
【0080】
上述されている反応及びプロセスを行う方法は、本明細書の基づいた当業者に明らかであるか、又は、類似性により実施例から推定することができる。出発物質は、市販により入手可能であるか、又は、以下の実施例に記載されているのと類似した方法によって作ることができる。
【0081】
実施例
以下の実施例において本発明をさらに説明するが、その説明は、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲を限定するものではない。
【0082】
実施例1、実施例2及び実施例3の合成:
【0083】
手順:
1.化合物1(3g、17.2mmol)のDCM(80mL)溶液に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンハイドロクロライド(2.0g、20.7mmol)、EDCI(4.0g、20.7mmol)、HOBt(2.3g、17.2mmol)及びDIEA(3.7mL、20.7mmol)を加えた。得られた溶液を室温(RT)において一晩攪拌した。その残渣を、水で処理し、DCMにより抽出した。有機抽出物を、塩水で洗浄し、ろ過し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濃縮して、加工していない油を得た。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物2(2.3g,61.5%)を得た。

2.化合物2(1g,4.6mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、0℃においてN2の雰囲気で、MeMgBr(2mL,3.0mol/L,6mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を2時間で室温までゆっくり暖めた。その混合物を、NH4Cl溶液で希釈し、EAを用いて抽出した。その有機抽出物を濃縮して加工していない油を得た。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(600mg,75.7%)を得た。

3.2−クロロチアゾール(1g,8.4mmol)の乾燥THF(10mL)溶液に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(3.5mL,9.2mmol)を加え、その混合物を1時間攪拌した。化合物3(1.3g,7.6mmol)の乾燥THF溶液(5mL)を−78℃において滴下により反応液に加えた。得られた溶液を室温までゆっくり暖めた。その反応を、NH4Cl溶液により希釈し、EAを用いて抽出した。その有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例1(55mg,2%)及び化合物4(1.6g,76.2%)を得た。

実施例1:
1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.2(s,3H)、4.1−4.2(s,1H)、7.3−7.4(s,1H)、7.8−7.9(d,1H)、8.0−8.1(d,1H)、8.2−8.3(s,1H)、8.8(m,1H)、9.0(s、1H)、9.3−9.4(m,1H)
LC−MS:m/z=375.1(M+1)+

4.化合物4(800mg,2.7mmol)のDMF(5mL)溶液に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(550mg,4.1mmol)及びK2CO3(570mg,4.1mmol)を加えた。その反応液を80℃で一晩撹拌した。室温に冷ました後に、残渣を、水で処理し、EAを用いて抽出した。その有機抽出物を、水、塩水により洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥させ、ろ過により濃縮して加工されていない油を得た。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して実施例2(250mg,23.41%)を得た。
LC−MS:m/z=389.2(M+1)+

5.実施例2(200mg,0.51mmol)のDCE溶液(10mL)にTES−H(180mg,1.5mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(590mg、5.1mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィによって濃縮して精製し、化合物5(5mg,2.6%)及び実施例3(10mg、7.1%)を得た。

実施例3:LC−MS:m/z=371.2(M+1)+
化合物5:LC−MS:m/z=373.2(M+1)+
【0084】
実施例4−6の合成:
【0085】
手順:
1.化合物1(1.8g,10.3mmol)、DIEA(2.7g,20.7mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.2g,12.4mmol)、EDCI(2.4g,12.4mmol)及びHOBT(1.4g、10.3mmol)の混合物を含むDCMを、室温で一晩撹拌し、水を加え、その混合物をDCMで抽出した。組み合わせた抽出物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、1.9gの化合物2を得た。

2.2−クロロチアゾール(485mg,4.05mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(1.6mL(4.05mmol)を滴下により加えた。1時間後に、化合物2(800mg、3.7mmol)の溶液を滴下により加えた。得られた溶液をゆっくり室温まで暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。その有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(500mg)を得た。

3.化合物3(200mg,0.73mmol)のDMF溶液(10mL)に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(145mg、1.09mmol)及びK2CO3(200mg,1.45mmol)を加えた。その反応液を80℃で一晩撹拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して実施例6(300mg)を得た。

4.室温に置いて実施例6(200mg、0.538mmol)のMeOH溶液にNaBH4(50mg,1.23mmol)を加え、その混合物を2時間撹拌した。その混合物を水で希釈し、EAで抽出した。その抽出物を無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、150mgの実施例5を得た。5.実施例5(150mg,0.4mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(56mg、0.48mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、0℃において滴下によりTFA(3.7g、32.8mmol)を加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例4(80mg)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.7(d,2H)、3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(m,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=359(M+1)+
【0086】
実施例7の合成:
【0087】
手順:
1.2−クロロチアゾール(2.2g、18.3mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(7.5mL,18.3mmol)を滴下により加え、その混合物を1時間攪拌した。−78℃において化合物1(2g、16.7mmol)の溶液を滴下により加えた。得られた溶液を室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液により希釈し、EAで抽出した。その有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。その粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物2(2g)を得た。

2.化合物の2(1g、3.28mmol)DCE溶液(20mL)にTES−H(1.1g、9.8mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(3.7g、32.8mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。その残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(800mg)を得た。

3.化合物の3(400mg、1.4mmol)のDMF溶液(10mL)に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(280mg,2.1mmol)及びK2CO3(390mg,2.8mmol)を加えた。その反応液を80において一晩撹拌した。室温まで冷ました後に、その残渣を水で処理し、EAで抽出した。その有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物4(150mg)を得た。

4.化合物4(150mg,0.4mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(20mg)を加えた。その反応液を室温においてH2バルーン下で一晩撹拌した。残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって生成して、実施例7(40mg)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(d,2H)、3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(m,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=321(M+1)+
【0088】
実施例8の合成:
【0089】
手順:
1.2−クロロチアゾール(4.8g,48mmol)の乾燥THF溶液(50mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(16mL,48mmol)を加え、その混合物を1時間攪拌した。−78℃において化合物1(4g,44mmol)の溶液を滴下により加えた。得られた溶液を室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物2(2.1g)を得た。

2.化合物の2(2.4g,10mmol)のDMF溶液(10mL)に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(2.6g,20mmol)及びK2CO3(5.2mg,30mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩撹拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で洗浄し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(800mg)を得た。

3.化合物3(0.8g、2.2mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(1.22g,4.4mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、0℃においてTFA(3g,22mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(100mg)を得た。

4.化合物4(100mg,0.3mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(10mg)を加えた。その反応液を室温においてH2バルーン下で一晩撹拌した。残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例8(36mg)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(d,3H)、2.9−3.0(t,2H)3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(t,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.9−7.0(s,1H)、7.1−7.3(m,4H)、7.4−7.5(d,1H)、8.5−8.6(m,2H)
LC−MS:m/z=322(M+1)+
【0090】
実施例9の合成:
【0091】
手順:
1.化合物1(8g,0.05mmol)のDCM溶液(100mL)にBoc2O(12g,1.1eq)及びDMAP(0.5g,0.1eq)を加え、その混合物を室温において2時間攪拌した。水を加え、その溶液をDCMにより抽出した。その有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4の上で乾燥し、濃縮し、調製用クロマトグラフィーによって精製して、化合物2の12gの生成物を得た。

2.2−クロロチアゾール(1.6g,12mmol)の乾燥THF溶液(30mL)にn−BuLi(5.2mL,12mmol)を−78℃においてN2の雰囲気下において滴下により加え、その混合物を1時間攪拌した。化合物2(3g,11mmol)の溶液を−78℃において滴下により加えた。得られた溶液を室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。その有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(1.5g)を得た。

3.化合物3(2g,4.3mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(1.22g,8.6mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、0℃においてTFA(6.5g、43mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。その残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(400mg)を得た。

4.化合物4(400mg,1.2mmol)のDMF溶液(10mL)に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(250mg,2.1mmol)及びK2CO3(500mg,3.4mmol)を加えた。その反応混合物を80において一晩撹拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して実施例9(50mg)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.7(d,3H)、2.9−3.0(t,2H)、3.6−3.7(t,2H)、4.4−4.5(m,3H)、7.0−7.1(s,1H)、7.1−7.3(m,9H)、7.3−7.4(d,1H)、7.6−7.8(d,1H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=360(M+1)+
【0092】
実施例10の合成:
【0093】
手順:
1.化合物1(3g,17.2mmol)のDCM溶液(80mL)に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.0g,20.7mmol)、EDCI(4.0g,20.7mmol)、HOBt(2.3g,17.2mmol)及びDIEA(3.7mL,20.7mmol)を加えた。得られた溶液を室温において一晩攪拌した。残渣を水で処理し、DCMにより抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物2(2.3g,61.5%)を得た。

2.化合物2(1g,4.6mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に0℃においてN2の雰囲気下で滴下によりMeMgBr(2mL,3.0mol/L、6mmol)を加えた。得られた溶液を2時間で室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(600mg,75.7%)を得た。

3.2−クロロチアゾール(1g,8.4mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(3.5mL,9.2mmol)を滴下により加えた。その混合物を1時間攪拌した。化合物3(1.3g,7.6mmol)の乾燥THF溶液(5mL)を−78℃において滴下により加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物4(1.6g、72.6%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.1(s,3H)、4.1−4.2(s,1H)、7.3−7.4(s,1H)、7.8−7.9(d,1H)、8.0−8.1(d,1H)、8.3(s,1H)、8.8(s,2H)

4.化合物4(1.2g、4.1mmol)のDCE溶液(30mL)にTES−H(1.4mg,12.3mmol)を加えた。その混合物を0℃に冷まし、次に、TFA(4.7mg,41mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(0.6g,52.8%)を得た。

5.化合物5(200mg,0.74mmol)のDMF溶液(5mL)に、3−フェニルピロリジン(160mg、1.1mmol)及びK2CO3(200mg,1.48mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例10(50mg、17.8%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.5−1.7(s,4H)、2.3(m、1H)、2.5−2.6(m,1H)、3.6−3.7(m,3H)、3.9(m,1H)、4.0−4.1(m,1H)、7.2−7.4(m,5H)、7.9(s,1H)、8.1−8.3(m,2H)、8.5−8.6(s,1H)、8.9−9.0(s,2H)
LC−MS:m/z=387.2(M+1)+
【0094】
実施例11の合成:
【0095】
手順:
1.化合物1(3g,17.2mmol)DCM溶液(80mL)にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.0g,20.7mmol)、EDCI(4.0g,20.7mmol)、HOBt(2.3g、17.2mmol)及びDIEA(3.7mL,20.7mmol)を加えた。得られた溶液を室温において一晩攪拌した。残渣を水で処理し、DCMにより抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物2(2.3g,61.5%)を得た。

2.化合物2(1g,4.6mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に0℃おいてN2の雰囲気下でMeMgBr(2mL、3.0mol/L,6mmol)を滴下により加えた。得られた溶液を2時間で室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物3(600mg,75.7%)を得た。

3.2−クロロチアゾール(1g,8.4mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に−78℃においてN2の雰囲気下で滴下によりn−BuLi(3.5mL,9.2mmol)を加えた。1時間後に、−78℃において、化合物3(1.3g、7.6mmol)の乾燥THF溶液(5mL)を滴下により加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物4(1.6g、72.6%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.1(s,3H)、4.1−4.2(s,1H)、7.3−7.4(s,1H)、7.8−7.9(d,1H)、8.0−8.1(d,1H)、8.3(s,1H)、8.8(s,2H)

4.化合物4(1.2g,4.1mmol)のDCE溶液(30mL)にTES−H(1.4mg,12.3mmol)を加えた。その後、0℃においてTFA(4.7mg,41mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(0.6g、52.8%)を得た。

5.化合物5(600mg,2.2mmol)のDMF溶液(5mL)に4−ベンジルピペリジン(570mg,3.3mmol)及びK2CO3(600mg,4.4mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して実施例11(50mg、5.5%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.4−1.5(m,2H)、1.6−1.7(s,5H)、1.8−2.0(m,2H)、2.6−2.7(d,2H)、3.1−3.2(t,2H)、4.2−4.3(t,2H)、7.2−7.4(m,5H)、7.8−7.9(s,1H)、8.2−8.3(m,2H)、8.5−8.6(s,1H)、9.0(s,2H)
LC−MS:m/z=415(M+1)+
【0096】
実施例12の合成:
【0097】
手順:
1.化合物1(3g,17.2mmol)のDCM溶液(80mL)にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.0g,20.7mmol)、EDCI(4.0g,20.7mmol)、HOBt(2.3g,17.2mmol)及びDIEA(3.7mL,20.7mmol)を加えた。得られた溶液を室温において一晩攪拌した。残渣を水で処理し、DCMにより抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物2(2.3g,61.5%)を得た。

2.化合物2(1g,4.6mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、0℃おいてN2の雰囲気下で、MeMgBr(2mL、3.0mol/L、6mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を2時間で室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(600mg,75.7%)を得た。

3.2−クロロチアゾール(1g,8.4mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(3.5mL,9.2mmol)を滴下によって加えた。この温度における1時間の攪拌の後に、化合物3(1.3g,7.6mmol)の乾燥THF溶液(5mL)を−78℃において滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(1.6g、72.6%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:2.0−2.1(s,3H)、4.1−4.2(s,1H)、7.3−7.4(s,1H)、7.8−7.9(d,1H)、8.0−8.1(d,1H)、8.3(s,1H)、8.8(s,2H)

4.化合物4(1.2g,4.1mmol)のDCE溶液(30mL)にTES−H(1.4mg,12.3mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(4.7mg,41mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(0.6g,52.8%)を得た。

5.化合物5(300mg,1.1mmol)のDMF溶液(5mL)にベンジルアミン(188mg,2.2mmol)及びK2CO3(300mg,2.2mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例12(20mg、5.3%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.4−4.5(t,2H)、5.5−5.2(t,1H)、6.9(s,1H)、7.5−7.2(m,5H)、7.8−7.9(d,1H)、8.2−8.1(d,1H)、8.3−8.2(s,1H)、9.0−8.9(m、1H)
LC−MS:m/z=345.2(M+1)+
【0098】
実施例13及び実施例14の合成:
【0099】
手順:
1.化合物1(10g,72.5mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、ピラゾール(10g,145mmol)、K2CO3(20g,145mmol)及び18−クラウン−6(2g)を加えた。得られた溶液を130℃において4時間攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を再結晶化によって精製して、化合物2(3.5g、26%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:2.6−2.7(s,3H)、6.4−6.5(s,1H)、7.7−7.9(m,3H)、8.0−8.2(m,3H)

2.2−クロロチアゾール(850mg,7mmol)のTHF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(2.8mL,7mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、−78℃において化合物2(1g、5.3mmol)の溶液を加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(600mg、37%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:2.0−2.1(s,3H)、6.4−6.5(s,1H)、7.2−7.3(s,1H)、7.5−7.6(d,2H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)

3.化合物3(1g,3.28mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(1.1g,9.8mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(3.7g、32.8mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(800mg,85%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:5.4−5.6(ss,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.2−7.4(m,2H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)

4.化合物4(400mg,1.4mmol)のDMF溶液(10mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(280mg,2.1mmol)及びK2CO3(390mg,2.8mmol)加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例14(150mg、22.3%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.6−4.7(s,2H)、5.1−5.3(ss,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.5−7.6(d,2H)、7.6−7.8(m、3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=385.2(M+1)+

5.実施例14(150mg,0.4mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(20mg)を加えた。その反応混合物をH2バルーン下で室温において一晩撹拌した。残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例13(40mg,27%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(d,2H)、3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(m,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=387.2(M+1)+
【0100】
実施例15の合成:
【0101】
手順:
1.化合物1(10g,72.5mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、ピペリジン(12.6g,145mmol)、K2CO3(20g,145mmol)及び18−クラウン−6(2g)を加えた。得られた溶液を130℃において4時間攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を再結晶化によって精製して、化合物2(5g、34%)を得た。

2.2−クロロチアゾール(3.5g,29.5mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2雰囲気下で、n−BuLi(12mL,29.5mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物2(5g,24.6mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(2.9g、36.5%)を得た。

3.化合物3(1g,3.1mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(1.1g,9.3mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(3.5g,31mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(600mg、63.6%)を得た。

4.化合物4(500mg,1.6mmol)のDMF溶液(10mL)に1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(330mg,2.5mmol)及びK2CO3(500mg,3.2mmol)に加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(150mg,22.8%)を得た。

5.化合物5(150mg、0.37mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(20mg)を加えた。その反応混合物をH2バルーン下で室温において一晩撹拌した。残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例15(62mg,41%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(m,7H)、2.9−3.0(m,2H)、3.0−3.1(m,4H)、3.6−3.7(m,2H)、4.0−4.1(m,1H)、4.6(s,1H)、6.9(m,3H)、7.1−7.2(m,6H)
LC−MS:m/z=404.2(M+1)+
【0102】
実施例16の合成:
【0103】
手順:
1.化合物1(10g,80.6mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、ピラゾール(5.5g,80.6mmol)及びK2CO3(12.2g,88.7mmol)を加えた。得られた溶液を100℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を再結晶化により精製して、化合物2(4g、29%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:6.5−6.6(s,1H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(d,2H)、8.0−8.1(d,2H)、8.1−8.2(s,1H)、10.0−10.1(s,1H)

2.2−クロロチアゾール(1.45g,12.1mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(5mL,12.1mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物2(1.6g、9.3mmol)の溶液を、−78℃において滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(1.2g、50%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:6.1−6.2(s,1H)、6.5−6.6(s,1H)、7.2−7.3(s,1H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)

3.化合物3(1.2g,4.1mmol)のDCE溶液(20mL)に、TES−H(1.4g,12.8mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(4.7g,41mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(1g,91%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.1−4.2(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.2−7.4(m,3H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)

4.化合物4(500mg,1.8mmol)のDMF溶液(10mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(362mg,2.7mmol)及びK2CO3(500mg,3.6mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例16(50mg、7.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.0−4.1(s,2H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.1−7.3(m,4H)、7.3−7.4(d,2H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=373.3(M+1)+
【0104】
実施例17の合成:
【0105】
手順:
1.化合物1(2g,12.6mmol)及び化合物2(2.2g,13.2mmol)のCH3CN溶液に、0.5M Na2CO3(2.7g,25.2mmol)を加え、その混合物をN2で10分間パージし、その後、Pd(PPh34(800mg)を加え、その混合物を還流で一晩加熱した。その混合物をろ過し、水で希釈し、EAで抽出した。得られた水性混合物をpH=1に酸性化し、沈殿物を生じさせた。その沈殿物をろ過及び乾燥して、2gの化合物3を得た。

2.DCM中の、化合物3(2g、10mmol)、EDCI(2.3g、12mmol)、HOBT(1.4g、10mmol)、DIEA(2.6g、20mmol)及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.2g、12mmol)の混合物を2時間に亘って室温において撹拌した。水を加え、DCMにより抽出した。その抽出物を濃縮して、2.5gの化合物4を得た。

3.化合物4(2.5g,10.3mmol)のTHF溶液に、−78℃においてCH3MgBr(4.8mL,13.4mmol)を滴下によって加えた。冷却槽を除去し、その混合物を1時間室温において撹拌した。その混合物を水で希釈し、EAによって抽出し、その抽出物を濃縮して1.7gの化合物5を得た。

4.2−クロロチアゾール(1.2g,9.4mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(4mL,9.4mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物5(1.7g,8.6mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、1.2gの化合物6を得た。

5.化合物6(400mg,1.4mmol)のDMF溶液(10mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(280mg,2.1mmol)及びK2CO3(390mg,2.8mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、34mgの化合物7を得た。

6.化合物7(1g,3.28mmol)のDCE溶液(20mL)にTES−H(1.1g,9.8mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(3.7g,32.8mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。その残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、800mgの化合物8を得た。

7.化合物8(150mg,0.4mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(20mg)を加えた。その反応混合物をH2バルーン下で室温において一晩撹拌した。その残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、34mgの実施例17を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(d,2H)、3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(m,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=399(M+1)+
【0106】
実施例18及び実施例19の合成:
【0107】
手順:
1.3−ヒドラジニル安息香酸(10g,65.7mmol)のEtOH/H2O溶液(200mL、1:1)に、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン(16mL,65.7mmol)を加えた。得られた溶液を2時間に亘って還流で攪拌した。減圧下で溶剤を除去し、その残渣を再結晶化によって精製して、化合物1(9g、73%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:6.5−6.6(s,1H)、7.5−7.7(t,1H)、7.7−7.8(s,1H)、8.0−8.2(m,3H)、8.4−8.5(s,1H)

2.化合物1(5g,26.6mmol)のDCM溶液(100mL)に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.1g,32mmol)、EDCI(6.1g,32mmol)、HOBt(3.6,26.6mmol)及びDIEA(8.8mL,53.2mmol)を加えた。得られた溶液を室温において一晩攪拌した。残渣を水で処理し、DCMにより抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物2(3.2g,57%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:3.3−3.4(s,3H)、3.5−3.6(s,3H)、6.4−.6.5(s,1H)、7.4−7.5(t,1H)、7.5−7.6(d,1H)、7.7−7.8(s,1H)、7.8−7.9(d,1H)、7.9−8.0(d,2H)

3.化合物2(3g、13mmol)の0℃のエーテル溶液(30mL)に、MeMgIのエーテル溶液(20mL,19mmol)を滴下によって加えた。その混合物を室温において2時間攪拌した。その混合物を0℃の飽和塩化アンモニウムで希釈した。その残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(2g,83.3%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:2.6−2.7(s,3H)、6.4−6.5(s,1H)、7.5−7.6(t,1H)、7.7−7.8(s,1H)、7.8−8.1(m,3H)、8.2−8.3(s,1H)

4.2−クロロチアゾール(1.7g,14mmol)の−78℃の乾燥THF溶液(30mL)に、N2の雰囲気下で、n−BuLi(5.6mL,14mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物3(2g,10.6mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(1g,31%)を得た。

5.化合物4(1.5g,4.29mmol)のDCE溶液(30mL)にTES−H(1.65g,14.7mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、0℃においてTFA(5.6g,49.2mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。その残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(800mg、57%)を得た。

6.化合物の5(400mg,1.4mmol)のDMF溶液(10mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(280mg,2.1mmol)及びK2CO3(390mg,2.8mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例19(120mg、18%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.6−4.7(s,2H)、5.1−5.3(ss,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.1−7.3(m,4H)、7.3−7.5(m,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=385.2(M+1)+

7.実施例19(100mg,0.27mmol)のMeOH溶液(10mL)にPd/C(10mg)を加えた。その反応混合物をH2バルーン下で室温において一晩撹拌した。残渣をろ過し、濾過ケーキをMeOHで洗浄し、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例18(35mg,35%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:1.6−1.7(d,2H)、3.0−3.1(t,2H)、3.7−3.8(t,2H)、4.2−4.3(m,1H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.2−7.4(m,4H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.8(m,3H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=387.2(M+1)+
【0108】
実施例20の合成:
【0109】
手順:
1.化合物1(10g,54mmol)の乾燥DMF溶液(100mL)に、ピラゾール(3.7g,54mmol)、Cs2CO3(26.4g,81mmol)及びCuI(1g,5.4mmol)を加えた。得られた溶液を120℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物2(4g,43%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:6.5−6.6(s,1H)、7.6−7.7(m,1H)、7.7−7.9(m,2H)、8.0−8.1(m,2H)、8.2−8.3(s,1H)、10.0−10.1(s,1H)

2.2−クロロチアゾール(1.45g,12.1mmol)の乾燥THF溶液(10mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(5mL,12.1mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物2(1.6g,9.3mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温にゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(1.2g、50%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:6.1−6.2(s,1H)、6.5−6.6(s,1H)、7.2−7.4(t,2H)、7.4−7.5(t,1H)、7.6−7.7(d,1H)、7.7−7.9(ss,2H)、7.9−8.0(s,1H)

3.化合物3(1.2g,4.1mmol)のDCE溶液(20mL)に、TES−H(1.4g,12.8mmol)を加え、その混合物を0℃に冷まし、TFA(4.7g,41mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において4時間攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(1g,91%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.2−4.3(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.1−7.2(s,1H)、7.3−7.4(s,1H)、7.4−7.5(t,1H)、7.5−7.6(d,1H)、7.6−7.7(s,1H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)

4.化合物4(500mg,1.8mmol)のDMF溶液(10mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(362mg,2.7mmol)及びK2CO3(500mg,3.6mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例20(30mg、4.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:2.9−3.0(t,2H)、3.6−3.7(t,2H)、4.0−4.1(s,2H)、4.6−4.7(s,2H)、6.4−6.5(s,1H)、7.0−7.1(s,1H)、7.1−7.3(m,4H)、7.3−7.4(d,2H)、7.5−7.6(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=373.2(M+1)+
【0110】
実施例21の合成:
【0111】
手順:
1.化合物1(30g,162.1mmol)の乾燥DMF溶液(200mL)に、1Hピラゾール(11g,162.1mmol)及びK2CO3(24.8g,178.3mmol)を加えた。得られた溶液を80℃において12時間攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を再結晶化により精製して、化合物2(25g、89%)を得た。

2.2−クロロチアゾール(16.7g,139.5mmol)の乾燥THF溶液(200mL)に、N2の雰囲気下で−78℃において、n−BuLi(55.8mL,139.5mmol)を滴下によって加えた。1時間のこの温度で攪拌した後に、−78℃において化合物2(20g、116mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温までゆっくり冷ました。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(15g、44.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.0−4.1(m,1H)、5.9−6.0(s,1H)、6.5(s,1H)、7.2−7.3(s,1H)、7.4−7.5(d,2H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)

3.化合物3(15g,51.5mmol)のDCE溶液(100mL)にTES−H(17g,155mmol)を加え、0℃においてTFA(58.7g,515mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において一晩攪拌した。その残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(8g、56.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.1−4.2(s,1H)、5.5−5.6(m,1H)、6.5−6.6(s,1H)、7.2−7.4(m,3H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9−8.0(s,1H)

4.化合物4(500mg,1.8mmol)のDMSO溶液(10mL)に、ベンジルアミン(600mg,5.4mmol)及びK2CO3(500mg,3.6mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例21(45mg、7.2%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:4.1−4.2(s,1H)、4.4−4.5(m,2H)、4.8−4.9(m,1H)、5.5−5.6(m,1H)、6.5(s,1H)、6.8−6.9(s,1H)、7.3−7.4(m,5H)、7.6−7.7(d,2H)、7.7−7.8(s,1H)、7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=347.1(M+1)+
【0112】
下記表1に一覧されている化合物は、実施例21に記載されているのと類似の方法で調製され、ステップ4の条件は、表1に示されているように適切なアミンを代わりに用いた。
【0113】
【表1】
【0114】
表1に一覧されている実施例のスペクトルのデータを以下に示す。
実施例22(33mg,5.1%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.1−1.2(d,6H),3.6−3.7(m,2H),3.9(m,2H),4.0−4.1(s,2H),4.2−4.3(m,2H),4.5(m,1H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.3−7.4(d,2H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=355.2(M+1)+

実施例23(33mg,4.9%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.1(m,2H),2.7−2.8(m,2H),3.8−3.9(m,2H),4.0−4.1(s,2H),6.4−6.5(s,1H),6.9−7.0(m,1H),7.1−7.2(m,3H),7.3−7.4(m,3H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(m,2H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=373.1(M+1)+

実施例24(77mg,10.9%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.2−1.3(d,8H),2.8−3.0(s,1H),4.0−4.1(s,2H),4.3−4.5(s,2H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.3−7.4(d,2H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=389.2(M+1)+

実施例25(33mg,4.8%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.8(m,8H),1.8−1.9(m,3H),3.2−3.3(m,1H),3.4−3.5(m,2H),3.7−3.8(m,3H),4.0(s,3H),4.6−4.7(s,3H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.2−7.4(m,2H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=381.2(M+1)+

実施例26(150mg,22.8%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.5(m,3H),3.9−4.0(d,1H),4.5−4.6(m,1H),5.2−5.3(m,1H),5.5−5.7(m,1H),6.4−6.50(s,1H),6.8−6.9(s,1H),7.4−7.5(s,5H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H),8.2−8.3(s,1H)
LC−MS:m/z=361.2(M+1)+

実施例27(44mg,6.7%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.4−3.5(m,4H),3.8−3.9(m,4H),4.0−4.1(s,2H),6.5(s,1H),7.0(s,1H),7.3−7.4(m,2H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=327.1(M+1)+

実施例28(32mg,4.4%):1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.0(m,2H),3.7−3.8(m,2H),4.0−4.1(s,2H),6.5(s,1H),7.0(s,1H),7.3−7.4(m,4H),7.4−7.5(s,1H),7.4−7.5(s,4H),7.6−7.7(s,1H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=398.2(M+1)+
【0115】
実施例29の合成:
【0116】
手順:
1.化合物1(30g、162.1mmol)の乾燥DMF溶液(200mL)に、1Hピラゾール(11g,162.1mmol)、Cs2CO3(58g,178.3mmol)、CuI(58g)、及び、18−クラウン−6(3g)を加えた。得られた溶液を80℃において24時間攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を再結晶化によって精製して、化合物2(20g、71.3%)を得た。

2.2−クロロチアゾール(10g,83.7mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、n−BuLi(33.5mL,83.7mmol)を滴下によって加えた。この温度で1時間攪拌した後に、−78℃において化合物2(12g,69.7mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温までゆっくり暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。有機抽出物を濃縮して加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(12g、59.2%)を得た。

1HNMR(CDCl3、300MHz)δ:3.0−3.2(m,1H),6.0−6.1(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.2−7.3(d,2H),7.4−7.5(d,1H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.8−7.9(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
3.化合物3(10g,34.4mmol)のDCE溶液(60mL)にTES−H(11.3g、103.1mmol)を加えた。その後、TFA(39.2g,344mmol)を0℃において滴下によって加えた。得られた溶液を60℃において一晩攪拌した。残渣を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(6g、79.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:4.2−4.3(s,1H),6.5−6.6(m,1H),7.1−7.2(d,1H),7.3−7.4(s,1H),7.4−7.5(t,1H),7.5−7.6(d,1H),7.6−7.7(s,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)

4.化合物4(500mg,1.8mmol)のDMSO溶液(10mL)に、ベンジルアミン(600mg,5.4mmol)及びK2CO3(500mg,3.6mmol)を加えた。その反応混合物を80℃において一晩攪拌した。室温に冷ました後に、残渣を水で処理し、EAで抽出した。有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、実施例29(270mg,42.9%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:4.0−4.1(s,1H),4.4−4.5(m,2H),5.2−5.3(m,1H),6.4−6.5(S,1H),6.9(s,1H),7.1−7.2(s,1H),7.3−7.4(m,5H),7.5−7.6(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=347.1(M+1)+
【0117】
下記表2に一覧されている化合物は、実施例29に記載されているのと類似の方法で調製され、ステップ4の条件は、表2に示されている適切なアミンを代わりに用いた。
【0118】
【表2】
【0119】
表2に一覧されている実施例のスペクトルのデータを以下に示す。
実施例30:(146.5mg,22.75%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.1−1.2(d,6H),3.6−3.7(m,2H),3.9(m,2H),4.0−4.1(s,2H),4.2−4.3(m,2H),4.5(m,1H),6.5(s,1H),6.9,7.0(s,1H),7.1−7.2(d,1H,7.4(d,1H),7.5−7.6(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=355.2(M+1)+

実施例31:(55mg,8.1%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.9−2.0(m,2H),2.7−2.8(m,2H),3.8−3.9(m,2H),4.0−4.1(s,2H),6.4−6.5(s,1H),6.9−7.0(m,1H),7.1−7.2(m,3H),7.3−7.4(m,1H),7.5−7.6(d,2H),7.7−7.8(m,2H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=373.1(M+1)+

実施例32:(68mg,9.6%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.2−1.3(d,8H),2.8−3.0(s,1H),4.0−4.1(s,2H),4.3−4.5(s,2H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.3−7.4(m,5H),7.4−7.5(m,1H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=389.2(M+1)+

実施例33:
(171mg,24.7%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.7−1.9(m,8H),1.8−1.9(m,3H),3.2−3.3(m,1H),3.4−3.5(m,2H),3.7−3.8(m,3H),3.9−4.1(s,3H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.1−7.2(m,2H),7.4(d,1H),7.5−7.6(m,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=381.2(M+1)+

実施例34:(43mg,6.6%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.5−1.6(s,3H),3.9−4.0(m,2H),4.6−4.7(m,1H),5.3−5.4(m,1H),6.4−6.5(s,1H),6.9(s,1H),7.1−7.2(d,1H),7.4−7.5(s,5H),7.5−7.6(s,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9(s,1H)
LC−MS:m/z=361.2(M+1)+

実施例35:(37mg,6.2%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.4−3.5(m,4H),3.8(m,4H),4.0−4.1(s,2H),6.5(s,1H),7.0(s,1H),7.1−7.2(d,1H),7.3−7.5(m,2H),7.5−7.7(m,2H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=327.1(M+1)+

実施例36:(32.5mg,4.5%)1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.0(m,2H),3.7−3.8(m,2H),4.0−4.1(s,2H),6.6−4.8(m,1H),6.5(s,1H),7.0(s,1H),7.1−7.2(s,1H),7.4−7.6(s,4H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=398.2(M+1)+
【0120】
実施例SBX080の合成:
【0121】
手順:
1.化合物1(20g,99.5mmol)の乾燥DCM溶液(200mL)に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(14.5g、149mmol)、EDCI(28.6g、149mmol)、HOBt(14.8g、109mmol)及びDIEA(38g、298mmol)を加えた。その溶液を室温において24時間撹拌した。その混合物を水で希釈し、DCMによって抽出した。その抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、加工されていない油を得た。粗製生成物を精製して化合物2(21.7g,89.3%)を得た。

2.化合物2(20g,82mmol)、イミダゾール(6.2g,90mmol)、Cs2CO3(29g,90mmol)、CuI(2g)、及び、18−クラウン−6(2g)の混合物を含む乾燥DMF溶液(200mL)を80℃において24時間撹拌し、室温に冷ました。その混合物を水で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を、水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、油を得た。粗製生成物を再結晶化により精製して、化合物3(14g、74.3%)を得た。

3.化合物3(10g,43.2mmol)の乾燥THF溶液(80mL)に、0℃においてN2の雰囲気下で、2.8M MeMgBr(30.7mL,86mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を室温まで冷まし、TLCによってモニターした。反応が完了したことをTLCが示した場合、それをNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物4(5.5g、68.3%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.7−2.8(s,3H),6.5(s,1H),7.2−7.3(s,1H),7.5−7.6(m,1H),7.8−7.9(d,2H),7.9−8.0(d,1H),8.0−8.1(s,1H),8.2−8.4(s,1H)

4.2−クロロチアゾール(5.5g,45.8mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に、−78℃においてn−BuLi(18.3mL,45.8mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物4(7.1g,38.2mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温まで暖めた。その反応をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得た。その油をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(9g、77%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.1(s,3H),2.9−3.1(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.3(s,1H),7.4−7.5(m,3H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(d,2H)

5.化合物5(9g,29.4mmol)及びTFA(21.9mL,294mmol)の混合物を含むDCE溶液(60mL)に、0℃においてトリエチルシラン(TES、17.8mL,88.2mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を室温において3時間攪拌した。その反応をH2Oで希釈し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物6(6.6g,78.5%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:5.4−5.5(s,1H),5.5−5.6(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.3(s,1H),7.4−7.5(m,2H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.9−8.0(d,2H),8.1−8.2(s,1H)

6.化合物6(6.6g,22.9mmol)のEtOH溶液(60mL)に、3回に分けてNaBH4(25.8g,68mmol)を加えた。得られた溶液を室温において6時間攪拌した。その反応を濃縮し、H2Oで希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得て、それをシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物7(4.8g,72.6%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.7−1.8(d,3H),3.4−3.5(m,1H),5.5−5.7(s,1H),7.1−7.2(s,1H),7.2−7.3(d,2H),7.4−7.5(d,1H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.8−7.9(s,1H),7.9−8.0(s,1H)

7.化合物7(300mg,1mmol)のDMSO溶液(3mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボニトリル塩酸塩(290mg,1.5mmol)及びK2CO3(270mg,2mmol)を加えた。その反応混合物を140℃で一晩撹拌し、室温に冷まし、その混合物を水で希釈し、EAで抽出した。合わせた有機抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、濾過し、濃縮して、SBX080(56mg,13.2%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.6−2.8(m,3H),2.9−3.1(m,2H),3.4−3.5(s,2H),3.7−3.8(m,2H),4.2−4.3(s,1H),4.6−4.7(s,2H),6.9−7.0(s,1H),7.1−7.2(s,1H),7.3(s,4H),7.4−7.5(m,3H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(d,1H)
LC−MS:m/z=412(M+1)+
【0122】
中間生成物1の調製
【0123】
手順:
1.化合物1(30g,162.1mmol)、1H−ピラゾール(11g,162.1mmol)、Cs2CO3(58g,178.3mmol)、CuI(3g)、及び、18−クラウン−6(3g)の混合物を含む乾燥DMF溶液(200mL)を80℃において24時間撹拌し、室温に冷ました。その混合物を水で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、油を得た。粗製生成物を再結晶により精製して、化合物2(21g、75.3%)を得た。

2.2−クロロチアゾール(10g,83.7mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に、−78℃において、n−BuLi(33.5mL,83.7mmol)を滴下によって加えた。1時間後に、化合物2(12g,69.7mmol)の溶液を滴下によって加えた。得られた溶液を室温まで暖めた。その混合物をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物3(11.5g,68%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.7−3.8(s,1H),6.0−6.1(s,1H),6.5−6.6(s,1H),7.2−7.4(d,2H),7.4−7.5(d,1H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.8−7.9(s,1H),7.9−8.0(s,1H)

3.化合物3(5g,17mmol)のTHF溶液(30mL)に、0℃においてNaH(1g,26mmol)をゆっくり加え、その混合物を30分間攪拌した。0℃においてMeI(3.6g,26mmol)を滴下によって加え、冷却槽を除去し、その混合物を室温において2時間攪拌した。その混合物をH2Oで希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得て、その油をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、中間生成物1(3.6g,69.4%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:3.4−3.5(s,3H),5.7−5.8(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.2−7.3(d,2H),7.4−7.5(d,1H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(s,1H),7.8−7.9(s,1H),7.9−8.0(s,1H)
【0124】
中間生成物2の調製
【0125】
手順:
1.化合物1(20g,99.5mmol)の乾燥DCM溶液(200mL)に、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(14.5g,149mmol)、EDCI(28.6g,149mmol)、HOBt(14.8g,109mmol)及びDIEA(38g,298mmol)を加え、その混合物を室温において24時間撹拌した。その混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、油を得た。粗製生成物を精製して化合物2(20.7g,84.3%)を得た。

2.化合物2(20g,82mmol)、1H−ピラゾール(6.2g,90mmol)、Cs2CO3(29g,90mmol)、CuI(2g)及び18−クラウン−6(2g)の混合物を含む乾燥DMF溶液(200mL)を80℃において24時間撹拌し、室温に冷ました。その混合物を水で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、油を得た。粗製生成物を再結晶化により精製して化合物3(14.9g,79.3%)を得た。

3.化合物3(14g、60.5mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に、0℃においてN2の雰囲気下で、2.8M MeMgBr(43mL,121mmol)を滴下によって加えた。その混合物を室温まで暖めて、TLCによってモニターした。反応が完了していることをTLCが示した場合、その混合物をNH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して化合物4(7.1g、62.8%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.7−2.8(s,3H),6.5(s,1H),7.2−7.3(s,1H),7.5−7.6(m,1H),7.7−7.8(s,1H),7.8−7.9(d,1H),7.9−8.0(d,1H),8.0−8.1(s,1H),8.2−8.4(s,1H)

4.2−クロロチアゾール(5.5g,45.8mmol)の乾燥THF溶液(100mL)に、−78℃においてN2の雰囲気下で、2.5M n−BuLi(18.3mL,45.8mmol)を加えた。1時間後に、−78℃において、化合物4(7.1g、38.2mmol)のTHF溶液を滴下によって加えた。得られた混合物を室温まで暖め、NH4Cl溶液で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物5(7.9g、67%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.2(m,3H),3.0(m,1H),6.4−6.5(s,1H),7.3−7.5(m,3H),7.7−7.9(m,3H),8.1−8.2(s,1H)

5.化合物5(7.9g,25.8mmol)とTFA(18.9mL,258mmol)との混合物を含むDCE溶液(60mL)に、0℃において、トリエチルシラン(TES,15.8mL,77.4mmol)を滴下によって加えた。得られた溶液を室温において3時間攪拌した。その反応をH2Oで希釈し、DCMで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得て、その油をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、化合物6(5.6g,75.7%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:5.4−5.5(s,1H),5.5−5.6(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.3(s,1H),7.4−7.5(m,3H),7.6−7.7(d,2H),7.7−7.8(s,1H),8.2−8.4(s,1H)

6.化合物6(5.6g,19.5mmol)のEtOH溶液(60mL)に、NaBH4(21.9g,58.4mmol)を3回に分けて加えた。TLCのために、得られた溶液を室温で攪拌した。その反応を濃縮し、H2Oで希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を濃縮して油を得て、その油をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、中間生成物2(3.8g,66.6%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.0−2.1(d,3H),6.4−6.5(s,1H),6.9−7.0(s,1H),7.2(d,1H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(d,1H),7.9−8.0(d,1H)
【0126】
実施例SBX082
手順:
中間生成物2(300mg,1mmol)のDMSO溶液(3mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボニトリル塩酸塩(290mg,1.5mmol)及びK2CO3(270mg,2mmol)を加え、得られた混合物を140℃において一晩撹拌し、水で希釈し、EAで抽出し、室温に冷ました。合わせた抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、油を得た。粗製生成物をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、SBX082(15mg,3.5%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.8(d,3H),3.0(m,2H),3.6−3.8(s,2H),4.2−4.3(m,1H),4.6−4.7(s,2H),6.4−6.5(s,1H),6.9−7.0(s,1H),7.2(d,1H),7.4−7.6(m,4H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(d,1H),7.9−8.0(d,1H)
LC−MS:m/z=412(M+1)+
【0127】
実施例SBX084
手順:
実施例SBX082について記載されている手順に従って、中間生成物2(300mg,1mmol)及び7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン塩酸塩(290mg,1.5mmol)をSBX084(98mg,20.4%)に変換した。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.8(d,3H),2.8−2.9(m,2H),3.6−3.8(s,2H),4.2−4.3(m,1H),4.6−4.7(s,2H),6.4−6.5(s,1H),7.0−7.1(s,1H),7.2(d,1H),7.4−7.6(m,4H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(d,1H),7.9−8.0(d,1H)
LC−MS:m/z=465/467(M+1)+
【0128】
実施例SBX087
手順:
中間生成物1(300mg,1mmol)のDMSO溶液(3mL)に、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸塩(290mg,1.5mmol)及びK2CO3(270mg,2mmol)を加えた。その反応混合物を140℃において一晩撹拌した。その混合物を室温に冷まし、水で希釈し、EAで抽出した。合わせた抽出物を水、塩水で洗浄し、無水Na2SO4の上で乾燥し、ろ過し、濃縮して、油を得た。その油をシリカゲルクロマトグラフィによって精製して、SBX087(14mg、3.2%)を得た。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:2.9−3.0(m,2H),3.3−3.4(s,3H),3.7−3.8(m,2H),4.6−4.7(s,2H),5.4−5.5(s,1H),6.4−6.5(s,1H),7.0−7.1(s,1H),7.3(s,1H),7.4−7.5(m,2H),7.6−7.7(d,1H),7.7−7.8(d,2H),7.9−8.0(s,1H)
LC−MS:m/z=446(M+1)+
【0129】
実施例SBX088
手順:
実施例SBX082について記載されている手順に従って、中間生成物2(300mg,1mmol)及び1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−7−カルボキサミド塩酸塩(290mg,1.5mmol)をSBX088(52mg,11.7%)に変換した。

1HNMR(CDCl3,300MHz)δ:1.6−1.8(d,3H),2.8−2.9(m,2H),3.6−3.8(s,2H),4.2−4.3(m,1H),4.6−4.7(s,2H),6.4−6.5(s,1H),7.0−7.1(s,1H),7.2(d,1H),7.4−7.6(m,4H),7.6−7.7(m,1H),7.7−7.8(d,1H),7.9−8.0(d,1H)
LC−MS:m/z=430.5(M+1)+
【0130】
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対する抗ウイルス活性の評価
それらの抗ウイルス活性を評価するために、インビトロにおいて、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して、いくつかの化合物を試験した。ヒトMRC5細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)が加えられたダルベッコ・モディファイド・イーグル・培地(DMEM)においてインキュベートし、GFP標識されたpUL99(後期のウイルスUL99遺伝子の生成物)を発現するHCMV変異体に、細胞1個当たり1感染単位(IU)の多重度で感染させた。1時間後に、その細胞の培地を、50μM、25μM、12.5μM、6.25μM、3.13μM、1.56μM、0.78μM、0.39μMの濃度で表示されている化合物を含む新しい培地、又は、それらの化合物が溶解しているキャリア(DMSO)に交換した。各治療において、DMSOの最終濃度は0.5%であった。新規のMRC5細胞を感染させてウイルスのIE1タンパク発現を分析することにより、感染の96時間後に、培養液上清におけるウイルス生産量を測定した。IC50を計算するために、プリズムソフトウェア又はCDD Vault(CDD Vaultは、Collaborative Drug Discovery, Inc., 1633 Bayshore Hwy, Suite 342, Burlingame, CA 94010によって開発された)のいずれかを使用して結果をプロットした。
【0131】
あるいは、インビトロにおける複製分析中のHCMV複製の抑制によって、いくつかの化合物の抗ウイルス効果を評価した。簡潔には、96ウェルプレート形式のMRC5繊維芽細胞のコンフルエント単層(〜1.0×104細胞/ウェル)を1時間に亘ってHCMVのAD169菌種に感染させた。その最初のインキュベーション時間の後に、ウイルスを含む培養液を除去し、FORGE化合物の連続的希釈物を含む100μlの培養液を各ウェルに加えた。FORGE化合物の濃度は、50μM、25μM、12.5μM、6.25μM、3.125μM、1.56μM、及び、0.78125μMであり、また、媒体コントロール(0.5%DMSO)であった。DMSOの濃度は、すべての条件の間で一定であった。まったく同じ分析を2回行った。感染したプレートをインキュベータに戻し、4日間に亘ってウイルス感染の進展を可能にした。第4日に、細胞を含まない50μLの上澄みを各ウェルから回収し、また、その上澄みを、体積を100μLにするための50μLの培養液と共に、MRC5繊維芽細胞のコンフルエント単層が撒かれた新しい96ウェルプレートを感染させるために使用した。その次の日に、培養液を除去し、冷たいメタノールで感染した単層を固定し、前初期タンパクを免疫蛍光測定法によって検出してHCMVに感染した細胞の数を定量した。各ウェル内の5つのランダム領域内においてIE遺伝子発現の量を測定し、対応する数を利用してウイルス複製を測定した。薬剤治療をしていないものからの減少パーセンテージを計算することができるように、各ウェルの結果を溶媒コントロールの基準に対して合わせた。IC50を計算するために、プリズムソフトウェア又はCDD Vaultのいずれかを使用して、結果をプロットした。
【0132】
表3に示されているように、試験した化合物の28個は、抗ウイルス濃度においてその細胞において細胞毒性を誘導することなく、HCMVに対して、IC50値が<50μMである抗ウイルス活性を示した。
【0133】
【表3】
【0134】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と共に説明されているが、先の説明は、説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明が添付の特許請求の範囲の範囲によって定められるように意図されていることは理解されるであろう。その他の態様、利点及び修飾は、特許請求の範囲の範囲内である。