特許第6698198号(P6698198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6698198外国語学習支援システムおよび外国語学習支援方法ならびにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698198
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】外国語学習支援システムおよび外国語学習支援方法ならびにプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/06 20060101AFI20200518BHJP
   G09B 5/04 20060101ALI20200518BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20200518BHJP
【FI】
   G09B19/06
   G09B5/04
   G06Q50/20
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-130141(P2019-130141)
(22)【出願日】2019年7月12日
(65)【公開番号】特開2020-71472(P2020-71472A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2019年11月11日
(31)【優先権主張番号】特願2018-202814(P2018-202814)
(32)【優先日】2018年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518334440
【氏名又は名称】H&K株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】宇佐神 悟
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6498346(JP,B1)
【文献】 特開2002−258739(JP,A)
【文献】 特開2016−206591(JP,A)
【文献】 特開2014−215415(JP,A)
【文献】 特開2016−071074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00− 5/14
G09B 19/00,19/06
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行う外国語の学習を支援する外国語学習支援システムであって、
母国語音声データと外国語音声データとを紐づけて記憶する文章対応テーブルと、
前記文章対応テーブルに記憶された第一の複数の数の文章を、第一の複数の数より少ない第二の複数の数の文章から構成される、複数のブロックに振り分けることでブロック分けするブロック分け部と、
前記ブロック分け部でブロック分けした複数のブロックを再生データとして生成する再生データ生成部と、
前記ブロック分け部でブロック分けしたブロックのうち、一又は複数のブロックを再生データに追加するブロック追加部と、
再生データに含まれる文章の再生順をブロックに関係なくランダムに並べる文章並べ替え部とを備える、
外国語学習支援システム。
【請求項2】
作成している再生データが一回目のトレーニングのものであるか判定するトレーニング回数判定部をさらに備え、
前記トレーニング回数判定部で判定された再生データが二回目以降のトレーニングのものである場合、前記ブロック追加部及び前記文章並べ替え部は、それぞれブロック追加及び文章並べ替えを行う、
請求項1に記載の外国語学習支援システム。
【請求項3】
前記文章並べ替え部で並べ替えられた文章の配列をチェックする配列チェック部をさらに備え、
前記配列チェック部は、同じ文章が所定の範囲内に設置されていないかどうかチェックを行う、
請求項1または2に記載の外国語学習支援システム。
【請求項4】
作成している再生データが最終回のトレーニングのものであるか判定する最終回判定部をさらに備え、
前記最終回判定部で最終回でないと判定された場合、次の回のトレーニングの再生データの作成を行う、
請求項1ないし3に記載の外国語学習支援システム。
【請求項5】
ブロック分け部と、ブロック追加部と、文章並べ替え部と、を実現する制御部を有し、母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行う外国語の学習を支援する外国学習支援システムにおける外国語学習支援方法であって、
ブロック分け部が、前記文章対応テーブルに記憶された第一の複数の数の文章を、第一の複数の数より少ない第二の複数の数の文章から構成される、複数のブロックに振り分けることでブロック分けするステップと、
再生データ生成部が、前記ブロック分け部でブロック分けした複数のブロックを再生データとして生成するステップと、
ブロック追加部が、前記ブロック分け部でブロック分けしたブロックのうち、一又は複数のブロックを再生データに追加するステップと、
文章並べ替え部が、再生データに含まれる文章の再生順をブロックに関係なくランダムに並べるステップとを備える、
外国語学習支援方法。
【請求項6】
母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行う外国語の学習を支援する外国語学習支援システムに、
母国語音声データと外国語音声データとを紐づけて記憶する文章対応テーブルを準備するステップと、
前記文章対応テーブルに記憶された第一の複数の数の文章を、第一の複数の数より少ない第二の複数の数の文章から構成される、複数のブロックに振り分けることでブロック分けするステップと、
前記ブロック分けするステップでブロック分けした複数のブロックを再生データとして生成するステップと、
前記ブロック分けするステップでブロック分けしたブロックのうち、一又は複数のブロックを再生データに追加するステップと、
再生データに含まれる文章の再生順をブロックに関係なくランダムに並べるステップと、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国語学習支援システムおよび外国語学習支援方法ならびにプログラムに関し、特に、母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行う外国語の学習の支援に有用なものである。
【背景技術】
【0002】
近年のグローバル化に伴い、英語や韓国語、中国語等をはじめとする外国語の学習に関する需要が高まっている。
【0003】
その中でも英語に関しては、中学生のころから学んでいるにもかかわらず、実社会においてネイティブスピーカーとコミュニケーションを取ることができる人は少ない。それは日本の教育課程において、テストでの点数を付けやすい文法や表現の記憶を中心とした学習方法となっているためであり、このような学習方法では、ネイティブスピーカーとのコミュニケーション力を身につけることは難しい。
【0004】
このような学習を補うために、種々の方法によって英語によるコミュニケーションを学ぶ機会がある。通学型の英会話スクールでは、ネイティブスピーカーの講師と直接コミュニケーションをとることにより、効果的に英語によるコミュニケーションを学ぶことができる。しかしながら、スクールに通う必要があり、忙しくて通学の時間が取れない場合や、近くにスクールがない場合には、利用が難しい。
【0005】
一方、時間や場所を問わず学習できるものとして、オーディオ教材を使用した学習支援システムが開発されている。
【0006】
一般的に、オーディオ教材には、外国語の音声が記録されており、利用者はオーディオから流れる音声を聞き、聞いた音声を真似て発声することで学習を行う(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013−61368号公報
【0008】
ところで、外国語の習得のためには、「習うより慣れる」ことが効果的と言われているが、このような教材は、既に音声データが記録されており、記録された通りに音声データを出力するため、常に決まった順序で音声が流れることとなる。そのため、繰り返し聞いているうちに、記録された順序通りに内容を覚えてしまい、外国語によるコミュニケーション力を鍛えるというよりは、外国語を記録された順番通りにしか発声できるようにならず実践力が身につかないという問題が生じる。
【0009】
また、習うより慣れることを実践するためには、母国語を反射的に外国語に変換するトレーニングを繰り返し行う必要があるが、繰り返しトレーニングを行う際、常に同じ順番の並びの文章を再生した場合、順番を覚えてしまうことにより、学習効果が低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような考えに基づいてなされたものであり、複数回にわたってトレーニングを行う際、順番を覚えてしまうことによる学習効果の低下を防止しつつ、効果的な反復練習を繰り返すことにより、感覚的に外国語を習得することが可能な外国語学習支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行う外国語の学習を支援する外国語学習支援システムであって、母国語音声データと外国語音声データとを紐づけて記憶する文章対応テーブルと、文章対応テーブルに記憶された複数の文章の中から選定した文章を所定の数のブロックにブロック分けするブロック分け部と、ブロック分け部でブロック分けしたブロックのうち、複数回再生するブロックを再生データに追加するブロック追加部と、再生データに含まれる文章の再生順をランダムに並べる文章並べ替え部とを備える。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、複数回再生する文章のブロックを再生データに追加し、それらの再生順をランダムに並べ替えるため、再生される順番を覚えてしまうことによる学習効果の低下を防止し、効果的な学習の支援を実施することができる。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、作成している再生データが一回目のトレーニングのものであるか判定するトレーニング回数判定部をさらに備え、トレーニング回数判定部で判定された再生データが二回目以降のトレーニングのものである場合、ブロック追加部及び文章並べ替え部は、それぞれブロック追加及び文章並べ替えを行う、外国語学習支援システムを提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、二回目以降のトレーニングの場合、ブロックの追加及び文章の並べ替えを行うことで、再生される順番を覚えてしまうことによる学習効果の低下を防止し、効果的な学習の支援を実施することができる。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、第1または第2の特徴に係る発明であって、文章並べ替え部で並べ替えられた文章の配列をチェックする配列チェック部をさらに備え、配列チェック部は、同じ文章が所定の範囲内に設置されていないかどうかチェックを行う、外国語学習支援システムを提供する。
【0017】
第3の特徴に係る発明によれば、配列チェック部が同じ文章が所定の範囲内に設置されていないかどうかチェックを行うため、同じ文章が近接して配列されることによる学習効果の低下を防止することができる。
【0018】
第4の特徴に係る発明は、第1から第3のいずれかの特徴に係る発明であって、作成している再生データが最終回のトレーニングのものであるか判定する最終回判定部をさらに備え、最終回判定部で最終回でないと判定された場合、次の回のトレーニングの再生データの作成を行う、外国語学習支援システムを提供する。
【0019】
第4の特徴に係る発明によれば、複数回にわたってトレーニングを行うにあたり、再生対象となる文章を同じ順番に再生するのではなく、それぞれの回においてランダムに配列しなおして再生することにより、順番を記憶してしまうことに伴う学習効果の低下を抑制し、効率の良い学習支援システムを構成することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数回にわたってトレーニングを行う際、順番を覚えてしまうことによる学習効果の低下を防止しつつ、効果的な反復練習を繰り返すことにより、感覚的に外国語を習得することが可能な外国語学習支援システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態における外国語学習支援システム1を使用した外国語学習の一例を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態における外国語学習支援システム1のハードウェア構成とソフトウェア機能を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における外国語学習支援システム1を使用した外国語学習支援方法の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、文章対応テーブル141の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における外国語学習支援システム1を使用した外国語学習の変形例を示す模式図である。
図6図6は、本発明の変形例における、複数回のトレーニングを行う際のデータ生成の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の変形例における、各トレーニング回において再生する文章のブロックの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0023】
[外国語学習支援システム1を用いた外国語学習の概要]
図1は、本実施形態における外国語学習支援システム1を使用した外国語学習の概要を示す模式図である。図1を用いて、本実施形態における外国語学習支援システム1を実施するにあたっての前提となる外国語学習の概要について説明する。
【0024】
本実施形態における外国語学習支援システム1を使用した外国語学習は、母国語音声データの再生に続いて対応する外国語を発声することにより行われる。このような学習を行うにあたって、まず、外国語学習支援システム1によって、データベースの中から無作為に選定された文章に関する母国語(本実施形態においては日本語)の音声データが再生される。母国語音声データの再生を受けて利用者は、当該母国語を外国語(本実施形態においては英語)に訳して発声する。利用者が発声している間は、外国語学習支援システム1側としては音声データを再生しないインターバル期間となる。所定のインターバル期間の後、外国語学習支援システム1は正解となる外国語の音声データを再生する。
【0025】
つまり、再生される音声データとしては、母国語音声データの再生、インターバル期間、外国語音声データの再生という順番で実行されることとなる。これを一つのデータセットとして再生し、一つのデータセットを再生し終わると、次の文章を再びデータベースの中から無作為に選定し、母国語音声データの再生、インターバル期間、外国語音声データの再生という順番で実行する。これを複数の文章に関して所定の学習期間にわたってランダムに繰り返すことにより、利用者としては、日本語を聞き、それを英語に訳して発声する、そして正解を聞く、というプロセスを繰り返すこととなり、テンポのよい反復的な練習が可能となり、効果的な学習を実施することができる。
【0026】
[外国語学習支援システム1の構成]
次に、図2に示すブロック図を用いて、本実施形態における外国語学習支援システム1のハードウェア構成とソフトウェア機能について説明する。
【0027】
外国語学習支援システム1は、外国語学習支援システム1を運用するためにデータ管理やデータ処理、音声データの配信等を行うサーバ100と、外国語学習を行う利用者によって使用される利用者端末200とにより構成される。
【0028】
[サーバ100の構成]
サーバ100は、データを制御する制御部110と、利用者や他の機器と通信を行う通信部130と、データが記憶される記憶部140と、利用者からの情報の入力を受け付ける入力部150と、制御部110で制御したデータや画像を出力する表示部160とを備える。
【0029】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0030】
通信部130は、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0031】
記憶部140は、データやファイルが記憶される装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。記憶部140は、後に説明する文章対応テーブル141を記憶する。
【0032】
制御部110は、所定のプログラムを読み込み、必要に応じて通信部130及び/又は記憶部140と協働することで、文章選定部111と、外国語音声再生時間取得部112と、インターバル期間算出部113と、再生音声データ生成部114と、学習期間判定部115と、種別選択部116と、再生回数判定部117と、ブロック分け部118と、ブロック並べ部119と、トレーニング回数判定部120と、ブロック追加部121と、文章並べ替え部122と、配列チェック部123と、文章入れ替え部124と、最終回判定部125とを実現する。
【0033】
入力部150の種類は、特に限定されない。入力部150として、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が挙げられる。
【0034】
表示部160の種類は、特に限定されない。表示部160として、例えば、モニタ、タッチパネル等が挙げられる。
【0035】
[外国語学習支援システム1を用いた外国語学習支援方法を示すフローチャート]
図3は外国語学習を支援する際の手順を示すフローチャートである。また、図4は、文章対応テーブル141の一例を示す図である。図1図4を用いて、上述した各ハードウェアと、ソフトウェアモジュールが実行する処理について説明する。
【0036】
〔ステップS100:文章の選定〕
まず、学習を開始すると、制御部110は記憶部140と協働して文章選定部111を実行し、記憶部140に記憶されている文章対応テーブル141を参照して、登録されている文章の中から一つの文章を選定する(ステップS100)。
【0037】
図4に一例を示すように、文章対応テーブル141には、母国語(本実施形態において日本語)の文章と、それに対応する外国語(本実施形態においては英語)の文章とが紐づけられ、それぞれ、母国語音声データと外国語音声データとして記憶されている。また、「あいさつ」や「買い物」など、その文章を使用する特定の状況が、文章を分類するための種別データとして、併せて記憶されている。そして、外国語音声データを再生した場合の再生時間が、それぞれの文章に紐づけられて記憶されており、後述するインターバル期間の算出に使用される。なお、文章対応テーブル141に記憶される音声データの形式としては、MP3形式やWAVE形式など、周知の形式のものが使用される。
【0038】
〔ステップS110:外国語音声再生時間の取得〕
文章対応テーブル141から一つの文章が選定されると、制御部110は記憶部140と協働して外国語音声再生時間取得部112を実行し、選定された文章における外国語の音声データにつき、再生時間を取得する(ステップS110)。ステップS110における外国語音声データの再生時間の取得は、文章対応テーブル141に記憶されている再生時間に関するデータを読み出すことによって行われる。なお、本実施形態においては、文章対応テーブル141に記憶される外国語の音声データに関する再生時間を読み出すことで取得するよう構成しているが、これに限ったものではなく、ステップS110において、外国語音声再生時間取得部112が音声データを解析することで再生時間を取得するようにしてもよい。
【0039】
〔ステップS120:インターバル期間の算出〕
ステップS110において再生時間が取得されると、制御部110はインターバル期間算出部113を実行し、当該文章に対応するインターバル期間を算出する(ステップS120)。インターバル期間の算出は、ステップS110で取得された外国語音声データの再生時間に、所定の時間を加えることによって行われる。
【0040】
インターバル期間の算出について、図1を用いて説明する。利用者は外国語を学習している最中であるところ、再生される外国語の音声はネイティブスピーカーによって通常の話す速さで発音されるものであるから、利用者にとっては非常に速く感じられる。そのため、インターバル期間を外国語音声の再生時間A、A、A、・・・と同じ時間にすると、利用者が発声し終わる前に正解となる外国語音声データの再生が始まってしまい、効果的な学習が期待できない。したがって、ステップS120においては、外国語音声データの再生時間A、A、A、・・・に対し、所定の時間α、α、α、・・・(例えば、0〜2秒)を加えた期間を、利用者の発声のための時間として確保できるようインターバル期間を算出している。
【0041】
〔ステップS130:一組の音声データを再生するためのデータセットの生成〕
ステップS120でインターバル期間を算出すると、制御部110は再生音声データ生成部114を実行し、母国語と外国語の一組の音声を再生するための、一組の音声データに関するデータセットを生成する(ステップS130)。
【0042】
ステップS130で一組の音声データに関するデータセットを作成するにあたっては、まず、母国語音声データを配置し、続いて、ステップS120で算出したインターバル期間を配置し、インターバル期間の後に、外国語音声データを配置する、というように、ステップS100で選定された一つの文章に対し、一つのデータセットを作成する。
【0043】
このようにして作成されたデータセットは、データを出力することで、母国語の再生とインターバルの確保と外国語の再生という一組の流れの音声再生を実施することができる。
【0044】
〔ステップS140:データセットの送信〕
ステップS130で一組の音声データに関するデータセットを生成すると、通信部130は利用者端末に該データセットを送信する(ステップS140)。
【0045】
〔ステップS150:一つの文章を利用者端末で再生〕
ステップS140で一組の音声データを再生するためのデータセットが送信されると、利用者端末200は、音声データを再生するアプリケーションを使用し、一組の文章に関する音声データを再生する(ステップS150)。
【0046】
利用者は、ここで、図1に示したように、利用者端末200から再生される音声にしたがって外国語を話すトレーニングを行うことができる。
【0047】
〔ステップS160:所定期間まで繰り返し〕
その後、制御部110は学習期間判定部115を実行し、所定の学習期間が過ぎたか判定する(ステップS160)。ステップS160で所定の学習期間を過ぎていないと判定された場合は、ステップS100に戻り、再び文章の選定を行い、以下、ステップS110、ステップS120、ステップS130、ステップS140及びステップS150の処理を実行し、再びステップS160に至る。これを、学習期間が終了するまで繰り返す。一方、ステップS160において、学習期間が終了したと判定された場合は、学習を終了する。
【0048】
このようにすることで、一つの文章に対して一組の音声データに関するデータセットを作成し、その都度、利用者端末で再生することができる。そのため、予め決められた順番ではなく、ランダムな順番で文章を再生することができ、効果的な学習を行うことができる。そして、再生される外国語音声データの長さに応じてインターバル期間が算出されるため、利用者が発声するための時間が丁度よく確保でき、より効果的な学習の支援を実施することができる。
【0049】
〔変形例1〕
上記の例においては、図1に示すように、母国語音声データ、インターバル期間及び外国語音声データを一組の音声データとしたが、図5に示すように、外国語音声データの再生の後、再び利用者に発声させる時間を設けるよう構成することができる。このように、正解の外国語音声データを再生した後に、再び利用者が発声する機会を与えることにより、利用者による一回目の発声が誤りだったとしても、正解を発声することができ、より確実な学習の支援を実施することができる。
【0050】
この場合、ステップS120において、一回目のインターバル期間に加え、二回目のインターバル期間も算出するよう設定される。また、ステップS130において、母国語音声データ、インターバル期間、外国語音声データに続いて、二回目のインターバル期間を加えて一組の音声データを作成するよう構成する。
【0051】
そして、二回目のインターバル期間は、一回目のインターバル期間と異ならせることができる。つまり、既に正解となる外国語音声データが再生されているため、一回目のインターバル期間以下のインターバル期間を二回目のインターバル期間として設定することで、よりネイティブスピーカーが発声するテンポに合わせた学習が可能となる。
【0052】
〔変形例2〕
ステップS100において文章を選定する際、同一の種別データの文章の中から選定できるよう、制御部110に種別選択部116を設けることができる。つまり、ステップS100においては、文章対応テーブル141に記憶されている文章の中から、無作為に文章を選定するが、その際、例えばあいさつに関する表現のみを練習したい場合、「あいさつ」の種別を選択することで、あいさつに関する表現のみを再生するように設定できる。このようにすれば、特定の状況に関する表現を集中的に学習することができ、利便性の高い外国語学習支援システムを実現できる。
【0053】
〔変形例3〕
上記においては、ステップS160において、所定の学習期間が終了したかどうかを判定し、所定の学習期間が終了するまでステップS100からステップS150までを繰り返すよう設定したが、時間ではなく再生回数によって判定するよう構成することもできる。すなわち、予め音声データを繰り返し再生する上限である再生回数を定めておき、ステップS160で再生回数判定部117を実行することで上限の再生回数に至ったかどうかを判定し、予め定められた上限の再生回数に至るまでステップS100からステップS150までのステップを繰り返すよう設定することができる。
【0054】
〔変形例4〕
上記の例においては、複数の文章を、ランダムに再生するよう設定したが、本変形例では、複数の文章を複数回にわたってランダムに再生することでトレーニングを行う際のデータ生成について取り扱う。
【0055】
上述の通り、外国語を効率的に習得するためには、習うより慣れることが重要であり、そのためには、母国語を反射的に外国語に変換するトレーニングを繰り返し行う必要がある。繰り返しトレーニングを行う際、常に同じ順番の並びの文章を再生した場合、順番を覚えてしまうことにより、学習効果が低下する恐れがある。
【0056】
そこで、本変形例においては、複数回にわたってトレーニングを行う際、それぞれの回において再生される文章の順番を変えるよう構成することを特徴とする。
【0057】
図6を用いて、本変形例について説明する。
【0058】
例えば、文章対応テーブル141から選定した52個の文章について、5日間にわたってトレーニングすることを考える。その際、一日当たりのトレーニング時間を仮に30分と設定する。その際、52個すべての文章(の母国語音声データ、インターバル期間及び外国語音声データ)を再生したとしても、30分には満たないため、52個のうちのいくつかは、一日に複数回再生されるものとする
【0059】
まず、制御部は一回目(一日目)の再生データを作成するにあたり、ブロック分け部118を実行し、52個の文章を、複数のブロック、例えば4つのブロックに分け、それぞれのブロックに文章を振り分ける(ステップS200)。このとき、分割するブロックの数は、文章の総数、一回当たりのトレーニング時間、及び、トレーニングを行う回数に応じて決定することができる。
【0060】
本変形例の場合、52個の文章を4つのブロックに分けているため、1つのブロックには13個の文章が収載される。すなわち、ブロック1には文章1〜文章13、ブロック2には文章14〜文章26、ブロック3には文章27〜文章39、ブロック4には文章40〜文章52が収載される。
【0061】
次に、制御部110はブロック並べ部119を実行し、分けられたブロックをブロック1からブロック4の順で順番に並べる(ステップS210)。ここでは、ブロックを順番に並べるため、文章の並びとしては、文章1から文章52までが順番に並べられる構成となる。
【0062】
ブロックを順番に並べると、次に、制御部110はトレーニング回数判定部120を実行し、それが一回目のトレーニングのデータであるかを判定する(ステップS220)。ステップS220における判定がYESの場合、一回目のトレーニングにおいて再生するデータの設定は完了となり、ステップS280へ進み、回数を一回プラスしたうえで、ステップS200に戻り、二回目のトレーニングのためのデータ作成のため、再びブロック分けを行う。
【0063】
このようにして生成した一回目のトレーニングデータは、52個の文章を記録されている順番に再生するよう設定される。つまり、文章の並びとしては、文章1〜文章52となる。
【0064】
図6のステップS220における判定がNOの場合、つまり、二回目(二日目)以降のトレーニングにおいて再生するデータである場合、ステップS230へ進み、制御部110はブロック追加部121を実行し、現在セットされている1〜4のブロックのうち、複数回再生するブロックをデータに追加する。
【0065】
上述したように、本変形例においては、一回当たりのトレーニングの時間は30分と設定されており、52個の文章を一回ずつ再生したとしても時間が余るため、文章のうちのいくつかを複数回再生するよう設定する。そのために、ステップS230において、複数回再生するブロックを再生データに追加するという操作を行う。
【0066】
ブロックが追加された再生データは、図7に一例を示すようになる。図7に示す例では、二日目であれば、1〜4のブロックに、ブロック2を二回足したものが再生するデータとなり、三日目であれば、1〜4のブロックに、ブロック3及びブロック4を一回ずつ足したものが再生データとなる。
【0067】
ステップS230におけるブロックの追加は、最終的にすべての文章が同じ回数にわたって再生されるよう、ブロック追加部121がコントロールして行う。このようにすることで、一連のトレーニングにおいて、再生回数のばらつきを生じることなく、すべての文章を公平かつランダムに再生することが可能となる。
【0068】
ステップS230で再生するデータを追加すると、制御部110は文章並べ替え部122を実行し、再生データに含まれる文章であって、順番に並べられている文章を、乱数表を用いてランダムに配列しなおす(ステップS240)。
【0069】
ステップS240において文章の並べ替えを行うに際しては、ブロック単位で扱うのではなく、文章単位で並べ替えを行う。すなわち、本変形例においては、52個の文章を乱数表を用いて不規則に並べなおす。
【0070】
ステップS240で文章をランダムに配列しなおすと、次に制御部110は配列チェック部123を実行し、同じ文章が所定の範囲内に設置されていないかどうかのチェックを行う(ステップS250)。
【0071】
本変形例においては、図7に示す通り、二日目以降のトレーニングにおいて、複数回再生される文章が存在する。そのような場合、文章をランダムに配列すると、同じ文章が近接して配列される場合がある。同じ文章が近接して配列されると、同じ文章が再生されるまでの期間が短く記憶が新しいため、学習効果が弱まることがある。そのため、本変形例においては、同じ文章が所定の間隔内に配列されているかどうかをチェックする配列チェック部123を備える。
【0072】
配列チェック部123によって、特定の文章が所定の間隔内に複数配列されていることが検出された場合、すなわち、ステップS250においてNOの場合、ステップS260に進み、制御部110が文章入れ替え部124を実行することで、所定の間隔内に複数配列されていることが検出された文章のうちの一方を他の別の文章と交換して再配列を行う。そして、再度ステップS250に進み、配列チェック部123を実行して同一の文章が所定の間隔内に配列されているかどうかをチェックする。この作業をすべての文章について行い、所定の数のブロックに属する所定の数の文章のランダムデータを得る。
【0073】
すべての文章に関して、所定の間隔内に複数配列されていないことが確認できた場合、すなわち、ステップS250においてYESの場合、ステップS270に進み、制御部110が最終回判定部125を実行することで、それが最終回のトレーニングに関するデータであるか判定を行う。
【0074】
ステップS270においてNOの場合、すなわち、最終回ではない場合、ステップS280に進み、トレーニングの回数を一回プラスにカウントしたうえで、ステップS200に戻り、次の回のデータを作成するため、再び文章のブロック分けから実行する。なお、ブロック分けが回によって変更されない場合、ステップS200ではなく、ステップS220に戻るようにしてもよい。
【0075】
このようにして、所定の数のブロックをセットし、ランダムに配列するという作業を所定の回数にわたって行うことで、一回目から最終回までランダムに配列された文章のデータを作成する。そして、ステップS270においてYESとなると、すなわち、最終回のデータを作成し終えた場合に、データの作成を終了する。
【0076】
このように、複数回にわたってトレーニングを行うにあたり、再生対象となる文章を同じ順番に再生するのではなく、それぞれの回においてランダムに配列しなおして再生することにより、順番を記憶してしまうことに伴う学習効果の低下を抑制し、効率の良い学習支援システムを構成することができる。
【0077】
その際、すべての文章を所定の数のブロックに分割することで、一日当たりのトレーニング時間内で再生するデータの生成が容易となる。つまり、ある程度まとまった数の文章を一つのブロックとして扱うことで、トレーニング時間内における再生回数のカウントが容易となり、データ処理をする際のプロセッサの負荷を軽減することができる。
【0078】
〔変形例5〕
なお、図3に示す例においては、ステップS130で一組のデータセットを作成する都度、利用者端末200で再生するよう構成しているが、それに限ったものでなく、ステップS140及びS150を省略し、予め、所定の学習期間分の時間が経過するまで複数のデータセットからなるグループを作成しておいてもよい。すなわち、文章対応テーブル141に記憶されている文章をランダムに再生するグループを作成しておき、それを、まとめてユーザ端末200で再生する。なお、このことは、図6及び図7に示す変形例4についても同様である。ただし、この場合、ランダム再生する順番は、トレーニングを行う日によって異なるよう制御する。
この場合、ランダム再生する順番は、トレーニングを行う日によって異なるよう制御する。すなわちランダム再生する順番そのものは、予め作成(設定)された順番にて再生される。
また、1週間のうちの各日(1日目、2日目、3日目、4日目、5日目)については、互いにランダム再生される順番は異なるように設定されている。これによって、2日以上の日数をかけて、一定数のセンテンスを練習するにあたって、それぞれ異なった順番で飽きることなく練習させることが可能になる。
【0079】
なお、上記においては、サーバ100と利用者端末200とを別体とし、サーバ100と利用者端末200が通信を行うことで外国語の学習を行えるようにしているが、これに限ったものではなく、サーバ100が備える機能を利用者端末200にインストールし、利用者端末200においてアプリケーションを介して使用できるシステムとして構築することもできる。
【0080】
以上のように構成することで、ネイティブスピーカーの話すスピードに近いスピードで瞬間的に外国語に訳し発声することを反復練習することができ、外国語の発声を体に覚えさせるという習慣が身につき、従来よりも実践的に外国語を習得することが可能な外国語学習支援システムを提供できる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0082】
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換しても良い。
【0083】
また、上記の各構成、機能、処理部は、それらの一部又は全部を、ハードウェア(例えば、集積回路)で実現してもよい。また、上記の各構成、機能、処理部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 外国語学習支援システム
100 サーバ
110 制御部
111 文章選定部
112 外国語音声再生時間取得部
113 インターバル期間算出部
114 再生音声データ生成部
115 学習期間判定部
116 種別選択部
117 再生回数判定部
130 通信部
140 記憶部
141 文章対応テーブル
200 利用者端末

図1
図2
図3
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図5
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図7