(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
肢体に装着可能な装着本体部と、前記装着本体部に取り付けられる第1錘体及び第2錘体と、を備え、肢体に装着した装着状態で前記第1錘体及び前記第2錘体の重量により肢体に負荷を与える肢体トレーニング器具であって、
前記装着状態において肢体の長手方向の中心軸に直交する直交方向に視た場合に、前記第1錘体と前記第2錘体とは実質的に点対称の位置関係にあり、
前記第1錘体及び前記第2錘体の他に錘体を備えていない、
肢体トレーニング器具。
前記装着本体部は、前記中心軸に沿う軸方向において、前記第1錘体が配置される第1錘体配置領域と、前記第2錘体が配置される第2錘体配置領域と、前記第1錘体配置領域と前記第2錘体配置領域との間の中間領域と、に区分されており、
前記中間領域は、伸縮性を有する、
請求項1に記載の肢体トレーニング器具。
前記装着状態において前記直交方向に視て、前記肢体トレーニング器具を4つの象限に区画した場合に、前記第1錘体は4つの象限のうちの1つの象限のみに含まれ、前記第2錘体は4つの象限のうちの他の1つの象限のみに含まれる、
請求項1〜8のいずれかに記載の肢体トレーニング器具。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る第1実施形態の肢体トレーニング器具1について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の肢体トレーニング器具1を展開状態で示す正面図である。
図2は、肢体Bに装着した状態の肢体トレーニング器具1を示す斜視図である。
図3は、
図2に示すA−A線断面図である。
図4は、
図2に示すB−B線断面図である。
図5は、装着状態の肢体トレーニング器具1の縦断面図である。
図6は、4象限に区画した錘体31,32の位置を模式的に示す図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本発明に係る肢体トレーニング器具1は、腕BAや脚BLといった肢体Bに装着されて使用される。使用者は、肢体トレーニング器具1を肢体Bに装着した状態(装着状態)で、走行(ランニング、ジョギング)、歩行(ウォーキング)、在宅中や勤務中の筋肉トレーニング、リハビリテーション等を行う。使用者は、肢体Bを振ったり(回動させたり)することで、第1錘体31及び第2錘体32(後述)の重量により肢体Bに負荷を掛け、肢体Bの筋力をアップさせて、トレーニングを行うことができる。
【0021】
説明の便宜上、腕BAについて、手先から上に向かって、手BA6、手首BA4、前腕BA2、肘BA3、上腕BA1、付け根BA5に区分する。また、脚BLについて、足底から上に向かって、足BL5、足首BL4、下腿BL2、膝(ヒザ)BL3、上腿BL1に区分する。腕BA及び脚BLの区分方法には種々有り、例えば、下腿BL2を脛(スネ)と呼ぶこともある。
【0022】
図1〜
図6に示すように、肢体トレーニング器具1は、肢体Bに装着可能な装着本体部2と、装着本体部2に取り付けられる第1錘体31及び第2錘体32と、を備える。
装着本体部2は、帯状の帯状本体23と、第1袋部21と、第2袋部22と、第1面ファスナー41と、第2面ファスナー42とを備える。
【0023】
帯状本体23は、1枚又は複数枚の帯状素材や、付加的に設けられた補強部材からなる。帯状本体23は、肢体Bに当接して巻き付けるものであるため、肌触りがよく、クッション性や伸縮性を有していることが好ましい。
【0024】
第1袋部21及び第2袋部22は、帯状本体23の一方の側面23A側に配置されており、帯状本体23の他方の側面23B側には配置されていない。第1袋部21は第1錘体31を収容し、第2袋部22は第2錘体32を収容する。
第1袋部21及び第2袋部22は、帯状本体23の長手方向DT2に所定間隔をおいて配列している。また、第1袋部21及び第2袋部22は、帯状本体23の幅方向DT1に(重複せずに)ずれている。詳述すると、帯状本体23を幅方向DT1に二分したときに、第1袋部21は、二分された一方の領域に配置され、第2袋部22は、二分された他の領域に配置される。
【0025】
図3及び
図4に示すように、第1袋部21は、帯状本体23の一方の側面23Aに第1袋形成片211が取り付けられることで、袋状に形成されている。第2袋部22は、帯状本体23の一方の側面23Aに第2袋形成片212が取り付けられることで、袋状に形成されている。
【0026】
第1錘体31及び第2錘体32は、錘(物の重さを増すために付け加えるもの)やウエイト(重量物)として機能するものであり、公知の材料からなる。材料としては、1枚又は複数枚の金属(鉛)板や、各種の比重の大きい粒体などが挙げられる。
【0027】
第1面ファスナー41は、帯状本体23の一方の側面23A側に配置され、第2面ファスナー42は、帯状本体23の他方の側面23B側に配置される。第1面ファスナー41及び第2面ファスナー42は、帯状本体23の長手方向DT2の両端部の近傍それぞれに設けられ、互いに係合するファスナーである。第1面ファスナー41及び第2面ファスナー42は、帯状本体23の長手方向DT2において、第1袋部21及び第2袋部22よりも外方に配置される。
【0028】
第1面ファスナー41は、例えば、オスの面ファスナーからなる。第2面ファスナー42は、例えば、オスの面ファスナーに係合可能なメスの面ファスナーからなる。なお、第2面ファスナー42は、帯状本体23とは別体に設けられずに、帯状本体23自体(例えば、他方の側面23B)をメスの面ファスナーとして利用することもできる。
【0029】
図2に示すように、第1面ファスナー41と第2面ファスナー42とを係合させることで、装着本体部2を環状に形成することができる。第1錘体31及び第2錘体32は、環方向DT4に湾曲している。第1錘体31及び第2錘体32は、
図1に示す展開状態では直平面状であり且つ
図2に示す装着状態では湾曲するものであってもよく、あるいは、
図1に示す展開状態で既に湾曲しているものであってもよい。
【0030】
肢体トレーニング器具1を肢体B(例えば、腕BA)に当接させて第1面ファスナー41と第2面ファスナー42とを係合させることで、肢体トレーニング器具1を肢体Bに巻き付けて装着させることができる。この装着状態において、
図2及び
図5に示すように、肢体トレーニング器具1の径方向DT5(肢体Bの径方向DB2)に着目した場合に、帯状本体23は径方向DT5の内側に配置され、第1錘体31及び第2錘体32は径方向DT5の外側に配置される。
【0031】
なお、装着本体部2は、予め環状に形成されていてもよい。その場合、環状の装着本体部2は、肢体Bに外挿されて肢体Bに装着される。
【0032】
第1錘体31及び第2錘体32の配置位置について詳述する。
図6に示すように、装着状態において肢体Bの長手方向の中心軸JB1(軸方向DB1)に直交する直交方向DB2(径方向DT5)に視た場合に、第1錘体31と第2錘体32とは実質的に点対称の位置関係にある。
【0033】
詳述すると、直交方向DB2(径方向DT5)に視た場合における装着本体部2を矩形に仮想したときに、径方向DT5をX軸とし、幅方向DT1をY軸とし、X軸とY軸との交点を原点Oとする。この場合のX−Y平面は、肢体Bを振る(回動させる)方向で形成される仮想平面に平行である。X軸及びY軸により区画される4つの領域を、それぞれ反時計回りに第1象限Q1、第2象限Q2、第3象限Q3及び第4象限Q4とする。具体的には、装着状態において直交方向DB2(径方向DT5)に視た場合に、肢体トレーニング器具1を4つの象限(第1象限Q1、第2象限Q2、第3象限Q3、第4象限Q4)に区画したときに、第1錘体31は4つの象限Q1〜Q4のうちの1つの象限(第2象限Q2)のみに含まれ、第2錘体32は4つの象限Q1〜Q4のうちの他の1つの象限(第4象限Q4)のみに含まれる。
【0034】
次に、肢体トレーニング器具1の使用方法及び作用について、図面を参照しながら説明する。
図7は、肢体トレーニング器具1を上腕BA1における肘BA3の上方に装着した状態で、腕BAを上方に振ったときの挙動を示す図である。
図8は、
図7の状態から腕BAを下方に振ったときの挙動を示す図である。
【0035】
図7及び
図8に示すように、肢体トレーニング器具1を上腕BA1における肘BA3の上方に装着する。この装着状態において、第1錘体31は、使用者Mの前方且つ上方に配置しており、第2錘体32は、使用者Mの後方且つ下方に配置している。なお、この場合の前後上下方向は、腕BAを下に垂れ下げた状態を基準とする。装着状態で使用者Mは、走ったり歩いたりしながら、腕BAを振る。つまり、肢体トレーニング器具1は、腕BAの付け根BA5を回動中心として、往復回動する。
【0036】
図7に示すように、腕BAを前方且つ上方に向けて振り、回動させる場合には、腕BAの回動方向DA1と同じ方向の回転モーメント(遠心力)M1が肢体トレーニング器具1(第1錘体31、第2錘体32)に発生する。そのため、前方且つ上方に向けての腕BAの振り(回動)が促進される。
反対に、
図8に示すように、腕BAを後方且つ下方に向けて振り、回動させる場合には、腕BAの回動方向DA2と同じ方向の回転モーメント(遠心力)M2が肢体トレーニング器具1(第1錘体31、第2錘体32)に発生する。そのため、後方且つ下方に向けての腕BAの振り(回動)が促進される。
【0037】
第1実施形態の肢体トレーニング器具1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
図5及び
図6に示すように、本実施形態においては、装着状態において肢体Bの長手方向の中心軸JB1に直交する直交方向DB2に視た場合に、第1錘体31と第2錘体32とは実質的に点対称の位置関係にある。そのため、肢体トレーニング器具1を装着した肢体Bを回動させたりする場合、
図7及び
図8に示すように、腕BAの回動方向DA1,DA2と同じ方向の回転モーメント(遠心力)M1,M2が肢体トレーニング器具1(第1錘体31、第2錘体32)に発生する。そのため、腕BAの振り(回動)が促進される。
【0038】
従って、肢体トレーニング器具1に初動を与えれば、第1錘体31及び第2錘体32に慣性(遠心力)が働き、肢体トレーニング器具1の移動について方向、速度、規則性(リズム)等が維持されやすい。また、肢体トレーニング器具1の移動について方向、速度、規則性(リズム)等が外れてきた場合であっても、肢体トレーニング器具1の回動方向が矯正されようとする。従って、肢体トレーニング器具1の移動について方向、速度、規則性(リズム)等を矯正にするために、使用者が無意識のうちに肢体トレーニング器具1の移動を調整することが抑制され、延いては、精神的負荷の発生を抑制できる。また、調整の不完全さに起因する不必要な肉体的負荷も低減される。
このように、本実施形態によれば、使用者の不必要な精神的負荷や肉体的負荷が少なく、効率的に肢体のトレーニングを行うことができる肢体トレーニング器具を提供することができる。
【0039】
また、本実施形態においては、装着状態において直交方向DB2に視て、肢体トレーニング器具1を4つの象限に区画した場合に、第1錘体31は4つの象限のうちの1つの象限(第2象限Q2)のみに含まれ、第2錘体32は4つの象限のうちの他の1つの象限(第4象限Q4)のみに含まれる。そのため、第1錘体31及び第2錘体32の重量などが効率的に回転モーメント(遠心力)の発生に作用する。従って、前述の効果が一層効率的に奏される。
【0040】
次に、本発明の肢体トレーニング器具1の装着位置、装着方向などのバリエーションについて説明する。装着位置、装着方向などが異なっていても、前述の実施形態と同様に使用でき、同様の作用が発現する。
図9(A)は、肢体トレーニング器具1を上腿BL1における膝BL3の上方に装着した状態を示す図である。
図9(B)は、肢体トレーニング器具1を下腿BL2における膝BL3の下方に装着した状態を示す図である。
図9(C)は、肢体トレーニング器具1を下腿BL2における足首BL4の上方に装着した状態を示す図である。
図10(A)は、肢体トレーニング器具1を前腕BA2における肘BA3の下方に装着した状態を示す図である。
図10(B)は、
図10(A)の状態から腕BAを直線状に伸ばした状態を示す図である。
【0041】
図9(A)に示すように、肢体トレーニング器具1は、上腿BL1における膝BL3の上方に装着されることができる。装着方向は、
図7及び
図8と同じである。つまり、装着状態において、第1錘体31は、使用者の前方且つ上方に配置しており、第2錘体32は、使用者の後方且つ下方に配置している。なお、この場合の前後上下方向は、脚BLを直立させた状態を基準とする。
図9(B)に示すように、肢体トレーニング器具1は、下腿BL2における膝BL3の下方に装着されることができる。装着方向は、
図9(A)と同じである。
図9(C)に示すように、肢体トレーニング器具1は、下腿BL2における足首BL4の上方に装着されることができる。装着方向は、
図9(A)と同じである。
【0042】
負荷を掛けたい回動方向が逆の場合には、装着方向も逆とする。例えば、剣道において、肘BA3を回動中心として、竹刀(図示せず)を上方から前方且つ下方に振り下ろす(回動させる)練習を行う場合がある。その場合、肘BA3を回動中心として前腕BA2を前方且つ下方に回動させる。そこで、
図7及び
図8に示す装着方向とは逆向きに、肢体トレーニング器具1を前腕BA2における肘BA3の下方に装着する。つまり、腕BAを垂れ下げた状態において、第1錘体31は、使用者の前方且つ下方に配置しており、第2錘体32は、使用者の後方且つ上方に配置している。
【0043】
その状態で、
図10に示すように、使用者は前腕BA2を振る。つまり、肢体トレーニング器具1は、腕BAの肘BA3を回動中心として、往復回動する。前腕BA2を前方且つ下方に向けて振り、回動させる場合には、前腕BA2の回動方向と同じ方向の回転モーメント(図示せず)が肢体トレーニング器具1(第1錘体31、第2錘体32)に発生する。そのため、前方且つ下方に向けての腕の振り(回動)が促進される。
反対に、前腕BA2を後方且つ上方に向けて振り、回動させる場合には、腕BAの回動方向と同じ方向の回転モーメント(図示せず)が肢体トレーニング器具1(第1錘体31、第2錘体32)に発生する。そのため、後方且つ上方に向けての腕の振り(回動)が促進される。
【0044】
図11(A)は、肢体トレーニング器具1を下腿BL2における膝BL3の下方に装着した状態を示す図である(
図9(B)とは装着方向が異なる)。
図11(B)は、肢体トレーニング器具1を下腿BL2における足首BL4の上方に装着した状態を示す図である(
図9(C)とは装着方向が異なる)。
図11(A)に示すように、肢体トレーニング器具1は、下腿BL2における膝BL3の下方に装着されることができる。装着方向は、
図9(B)とは逆である。このような装着方向の場合、脚BLの膝BL3を回動中心として下腿BL2を後方且つ上方に向けて振り上げる(回動させる)運動を行うときに、効果的である。
図11(B)に示すように、肢体トレーニング器具1は、下腿BL2における足首BL4の上方に装着されることができる。装着方向は、
図9(C)とは逆である。このような装着方向の場合、脚BLの膝BL3を回動中心として下腿BL2を後方且つ上方に向けて振り上げる(回動させる)運動を行うときに、効果的である。
【0045】
肢体トレーニング器具1は、使用者の左右方向(横方向)DB3への回動運動にも適用することができる。
図12は、腕BAを左右方向DB3に振るために、肢体トレーニング器具1を上腕BA1における肘BA3の上方に装着した状態を示す図である。例えば、
図12に示すように、肢体トレーニング器具1を上腕BA1における肘BA3の上方に装着する。装着状態において、第1錘体31は、使用者の横方向DB3の外方且つ上方に配置しており、第2錘体32は、使用者の横方向DB3の内方且つ下方に配置している。その状態で使用者は、腕BAを、使用者の横方向DB3の外方且つ上方に向けて回動させたり、使用者の横方向DB3の内方且つ下方に向けて回動させたりする(往復回動させる)。
【0046】
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。次に、本発明の肢体トレーニング器具の各種変形例について説明する。変形例については、特に説明しない点については前述の実施形態の説明が適宜適用又は援用される。
図13は、
図2に対応する図であり、(A)は第1−1変形例1Aを示す斜視図である。(B)は第1−2変形例1Bを示す斜視図である。
図14は、
図6に対応する図であり、(A)は第1−3変形例1Cを示す図であり、(B)は第1−4変形例1Dを示す図である。
【0047】
(第1−1変形例)
図13(A)に示すように、第1−1変形例1Aは、前述の第1実施形態と比べて、環方向DT4に2体から構成されている。詳述すると、第1−1変形例1Aにおいては、装着本体部2の帯状本体は、2つのほぼ半円環状の半割帯状本体231,232から構成されている。一方の半割帯状本体231の長手方向両端部近傍には、それぞれオスの面ファスナー431及びメスの面ファスナー441が設けられている。他方の半割帯状本体232の長手方向両端部近傍には、それぞれオスの面ファスナー432及びメスの面ファスナー442が設けられている。一方の半割帯状本体231には第1袋部21が設けられ、第1袋部21には第1錘体31が収容されている。他方の半割帯状本体232には第2袋部22が設けられ、第2袋部22には第2錘体32が収容されている。
【0048】
第1−1変形例1Aにおいて、一方の半割帯状本体231のオスの面ファスナー431と他方の半割帯状本体232のメスの面ファスナー442とを係合させると共に、他方の半割帯状本体232のオスの面ファスナー432と一方の半割帯状本体231のメスの面ファスナー441とを係合させる。こうすることにより、一方の半割帯状本体231と他方の半割帯状本体232とは環状に連結され、第1−1変形例1Aは、機能的に第1実施形態と同様となる。なお、連結して環状を形成できれば、環方向DT4の分割数や、部材の中心角の大きさは制限されない。
【0049】
(第1−2変形例)
図13(B)に示すように、第1−2変形例1Bにおいては、装着本体部2の帯状本体は、幅が細い半幅帯状本体233,234と、複数本の紐状連結部材235とを備える。半幅帯状本体233と半幅帯状本体234とは、幅方向DT1に離間している。紐状連結部材235は、半幅帯状本体233における半幅帯状本体234側の端縁領域と、半幅帯状本体234における半幅帯状本体233側の端縁領域とを連結させる。紐状連結部材235の剛性は低い。紐状連結部材235の本数は、例えば6〜12本である。
【0050】
一方の半幅帯状本体233の長手方向両端部近傍には、それぞれオスの面ファスナー411及びメスの面ファスナー421が設けられている。他方の半幅帯状本体234の長手方向両端部近傍には、それぞれオスの面ファスナー412及びメスの面ファスナー422が設けられている。一方の半幅帯状本体233には第1袋部21が設けられ、第1袋部21には第1錘体31が収容されている。他方の半幅帯状本体234には第2袋部22が設けられ、第2袋部22には第2錘体32が収容されている。
【0051】
第1−2変形例1Bにおいて、一方の半幅帯状本体233のオスの面ファスナー411とメスの面ファスナー421とを係合させると共に、他方の半幅帯状本体234のオスの面ファスナー412とメスの面ファスナー422とを係合させる。紐状連結部材235により半幅帯状本体233と半幅帯状本体234とが連結されているため、第1錘体31と第2錘体32との環方向DT4の位置関係は、ほぼ維持される。紐状連結部材235は、半幅帯状本体233と半幅帯状本体234との分離も防止する。
なお、連結して環状を形成できれば、幅方向DT1の分割数や、部材の幅の大きさは制限されない。
第1−2変形例1Bにおいて、紐状連結部材235が存在している領域は、後述の第2実施形態の101における中間領域1025と同様の機能を発揮する。
【0052】
(第1−3変形例)
図6に示す第1実施形態においては、第1錘体31は1つの象限(第2象限Q2)のみに含まれ、第2錘体32は他の1つの象限(第4象限Q4)のみに含まれるが、これに制限されない。
図14(A)に示すように、第1錘体31の一部が第1象限Q1に含まれており、第2錘体32の一部が第3象限Q3に含まれていてもよい。換言すると、第1錘体31が第2象限Q2と第1象限Q1とに跨っており、第2錘体32が第4象限Q4と第3象限Q3とに跨っていてもよい。
【0053】
(第1−4変形例)
また、
図14(B)に示すように、第1錘体31の一部が第3象限Q3に含まれており、第2錘体32の一部が第1象限Q1に含まれていてもよい。換言すると、第1錘体31が第2象限Q2と第3象限Q3とに跨っており、第2錘体32が第4象限Q4と第1象限Q1とに跨っていてもよい。
【0054】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、第1実施形態についての説明が適宜援用される。他の実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
図15は、本発明の第2実施形態の肢体トレーニング器具101を展開状態で示す正面図である。
図16は、
図15に示す肢体トレーニング器具101を分離した状態で示す正面図である。
図17は、
図15に対応する図であり、第2−1変形例101Aを示す図である。
【0055】
図18(A)は、第2実施形態の肢体トレーニング器具101を、肘BA3を跨いで腕BAに装着した状態を示す図である。
図18(B)は、第2−1変形例101Aを、手首BA4の周辺に装着した状態を示す図である。
図19(A)〜(C)は、第2−1変形例101Aを、前腕BA2における手首BA4の上方に装着した状態を示す図である。
図20(A)は、第2実施形態の肢体トレーニング器具101を、足首BL4を跨いで脚BLに装着した状態を示す図である。
図20(B)は、第2実施形態の肢体トレーニング器具101を足BL5に装着した状態を示す図である。
【0056】
第2実施形態の肢体トレーニング器具101においては、装着本体部2は、中心軸JB1に沿う軸方向DB1において、第1錘体31が配置される第1錘体配置領域1021と、第2錘体32が配置される第2錘体配置領域1022と、第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022との間の中間領域1025と、に区分されている。第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022は、実質的に伸縮性を有しない。「実質的に伸縮性を有しない」とは、機能的に積極的に伸縮性を設けていないという趣旨であり、素材上や構成上から不可避的に発現する伸縮性を排除しない趣旨である。中間領域1025は、伸縮性を有する。
【0057】
第1錘体配置領域1021は第1袋部21を備える。第2錘体配置領域1022は第2袋部22を備える。第1錘体31は第1袋部21に収容される。第2錘体32は第2袋部22に収容される。
【0058】
第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022と中間領域1025とは、連結又は分離自在に構成される。第1錘体配置領域1021、第2錘体配置領域1022及び中間領域1025は、それぞれ、帯状の第1錘体配置領域形成部材、第2錘体配置領域形成部材及び中間領域形成部材からなる。以下の説明では、「領域」と言う場合、「領域形成部材」を含むものとする。第1錘体配置領域1021及び中間領域1025は、それぞれ、互いに係合するファスナー141,142をそれぞれ備える。第2錘体配置領域1022及び中間領域1025は、それぞれ、互いに係合するファスナー143,144をそれぞれ備える。
【0059】
詳述すると、第1錘体配置領域1021における中間領域1025側の端縁領域1021Aには、第1面ファスナー141が設けられている。第2錘体配置領域1022における中間領域1025側の端縁領域1022Aには、第4面ファスナー144が設けられている。中間領域1025における第1錘体配置領域1021側の端縁領域1025A及び第2錘体配置領域1022側の端縁領域1025Bには、それぞれ第2面ファスナー142及び第3ファスナー143が設けられている。
【0060】
第1袋部21及び第2袋部22は、第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022の長手方向DT2に所定間隔をおいて配列している。また、第1袋部21及び第2袋部22は、第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022の幅方向DT1に(重複せずに)ずれている。詳述すると、装着本体部2を幅方向DT1に二分したときに、第1袋部21は、二分された一方の領域に配置され、第2袋部22は、二分された他の領域に配置される。第1錘体31と第2錘体32とは実質的に点対称の位置関係にある。
【0061】
第1面ファスナー141及び第4面ファスナー144は、例えば、オスの面ファスナーからなる。第2面ファスナー42及び第3ファスナー143は、例えば、オスの面ファスナーに係合可能なメスの面ファスナーからなる。なお、第2面ファスナー42及び第3ファスナー143は、中間領域1025とは別体に設けられずに、中間領域1025自体をメスの面ファスナーとして利用することもできる。
【0062】
図15及び
図16に示すように、第1面ファスナー141と第2面ファスナー142とを係合させると共に第3面ファスナー143と第4面ファスナー144とを係合させることで、装着本体部2を形成することができる。第1錘体31及び第2錘体32は、環方向DT4に湾曲している。第1錘体31及び第2錘体32は、展開状態では直平面状であり且つ装着状態では湾曲するものであってもよく、あるいは、展開状態で既に湾曲しているものであってもよい。
【0063】
装着本体部2(第1錘体配置領域1021、第2錘体配置領域1022及び中間領域1025)は、環方向DT4に、予め環状に構成されていてもよく、あるいは、面ファスナー等により連結自在に構成されていてもよい。
【0064】
第1錘体配置領域1021、第2錘体配置領域1022及び中間領域1025が幅方向DT1及び環方向DT4に一体化され(連結され)、装着本体部2が形成されている状態においては、軸方向DB1において、両側(第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022)は実質的に伸縮性を有しておらず且つ中間領域1025は伸縮性を有する構成となる。
【0065】
次に、第2実施形態の変形例である第2−1変形例101Aについて説明する。
図17及び
図18(B)に示すように、第2−1変形例101Aにおいては、中間領域1025は、親指BF1を貫通させるための貫通開口1026を有する。貫通開口1026は、(周囲が閉じた孔状の)貫通孔である。なお、貫通開口1026は、一部が開放したC字形状の開口であってもよい。
貫通開口1026は、肢体に対する肢体トレーニング器具の第2−1変形例101Aの装着方向に応じて、親指BF1を貫通させる位置を変更できるように、中間領域1025に複数設けられている。本変形例では、等間隔で(環方向DT4において90度ごとに)4個の貫通開口1026が設けられている。
【0066】
第2実施形態の肢体トレーニング器具101,101Aを肢体B(例えば、腕BA、脚BL)への装着状態について説明する。
図18(A)に示すように、第2実施形態の肢体トレーニング器具101は、腕BAにおける肘BA3を跨いで装着されることができる。この場合、実質的に伸縮性を有しない第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022は、上腕BA1又は前腕BA2に配置されると共に、伸縮性を有する中間領域1025は、肘BA3に配置される。
図18(B)に示すように、第2−1変形例101Aは、親指BF1を貫通開口1026に貫通させた状態で、前腕BA2における手首BA4の周辺に装着される。
【0067】
図19(A)〜(C)に示すように、肢体トレーニング器具101の装着方向は、環方向DT4に異ならせることができる。例えば、
図19(A)に示すように、腕BAの付け根BA5側の第1錘体31を左右内側方向DB32に配置させると共に、腕BAの手首BA4側の第2錘体32を左右外側方向DB31に配置させることができる。
図19(B)に示すように、腕BAの付け根BA5側の第1錘体31を左右外側方向DB31に配置させると共に、腕BAの手首BA4側の第2錘体32を左右内側方向DB32に配置させることができる。
図19(C)に示すように、腕BAの付け根BA5側の第1錘体31を前後方向DB4の後ろ方向DB42に配置させると共に、腕BAの手首BA4側の第2錘体32を前方向DB41に配置させることができる。
【0068】
図20(A)に示すように、第2実施形態の肢体トレーニング器具101は、脚BLにおける足首BL4を跨いで装着されることができる。この場合、実質的に伸縮性を有しない第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022は、下腿BL2又は足BL5に配置されると共に、伸縮性を有する中間領域1025は、足首BL4に配置される。脚BLの上腿BL1側の第1錘体31を後方側に配置させると共に、脚BLの足BL5側の第2錘体32を前方側に配置させることができる。なお、第1錘体31及び第2錘体32の装着方向は異ならせることができる。
【0069】
図20(B)に示すように、第2実施形態の肢体トレーニング器具101は、足BL5に装着されることができる。この場合、足首BL4側の第1錘体31を後方側(下側)に配置させると共に、足先側の第2錘体32を前方側(上側)に配置させることができる。なお、第1錘体31及び第2錘体32の装着方向は異ならせることができる。
【0070】
第2実施形態の肢体トレーニング器具101によれば、第1実施形態の効果に加えて、例えば、次のような効果が奏される。
装着本体部102は、軸方向DB1において、第1錘体31が配置される第1錘体配置領域1021と、第2錘体32が配置される第2錘体配置領域1022と、第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022との間の中間領域1025と、に区分されており、中間領域1025は、伸縮性を有する。
腕BAにおける肘BA3や手首BA4又は脚BLにおける膝BL3や足首BL4等は、関節であるため、伸縮しやすい。これに対して、伸縮性を有する中間領域1025を関節に配置して肢体トレーニング器具101を装着すれば、関節の伸縮に応じて、肢体トレーニング器具101も伸縮する。そのため、肢体トレーニング器具101は、関節を含む肢体に対するフィット性が高い。
【0071】
また、
図18(B)に示すように、第2−1変形例101Aにおける中間領域1025は、親指BF1を貫通させるための貫通開口1026を有する。そのため、第2−1変形例101Aは、親指BF1を貫通開口1026に貫通させることで、前腕BA2における手首BA4の周辺に容易に装着されることができる。
【0072】
第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022と中間領域1025とは、連結又は分離自在に構成される。そのため、例えば、伸縮性を有する素材から中間領域1025を形成し、実質的に伸縮性を有しない素材から第1錘体配置領域1021及び第2錘体配置領域1022を形成することが容易である。
【0073】
第1錘体配置領域1021及び中間領域1025は、互いに係合するファスナー141,142をそれぞれ備え、第2錘体配置領域1022及び中間領域1025は、互いに係合するファスナー143,144をそれぞれ備える。そのため、「第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022と中間領域1025とは連結又は分離自在な構成」を容易に実現できる。
【0074】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図21は、本発明の第3実施形態の肢体トレーニング器具201を展開状態で示す正面図である。第1実施形態及び第2実施形態においては、第1錘体31と第2錘体32とは別体で(分離して)構成されている。これに対して、
図21に示すように、第3実施形態においては、第1錘体31と第2錘体32とは一体的に構成されている。
【0075】
第3実施形態の肢体トレーニング器具201においては、第1錘体31と第2錘体32とは、第3錘体33を介して連結されて一体化されている。
図21には、第1錘体31と第3錘体33との境界、及び第2錘体32と第3錘体33との境界を2点鎖線で示している。第3錘体33は、環方向DT4のほぼ全域(面ファスナー41,42周辺以外の全域)に亘って延びる帯状となっている。
【0076】
第3実施形態の肢体トレーニング器具201において、第1錘体31と第2錘体32とは一体的に構成されている。詳細には、第3実施形態の肢体トレーニング器具201は、環方向DT4のほぼ全域に亘って延びる帯状であって第1錘体31及び第2錘体32と一体的に構成される第3錘体33を備えている。そのため、第3実施形態によれば、環方向DT4に沿って剛性(コシ)を持たせることができる。
なお、第1錘体31と第2錘体32とを一体的に構成する態様は、
図21に示す態様に制限されない。
【0077】
「実質的に点対称の位置関係」は、幾何学的に厳格な点対称の位置関係の場合に制限されず、本発明の効果を奏する範囲で、厳格な点対称の位置関係でなくてもよい。
【0078】
本発明の肢体トレーニング器具が装着される肢体の位置は、制限されない。第1錘体31及び第2錘体32が装着本体部2に取り付けられる態様は、第1袋部21及び第2袋部22に収容される態様に制限されない。例えば、第1錘体31及び第2錘体32が装着本体部2に固定される態様でもよい。
第1錘体配置領域1021と第2錘体配置領域1022と中間領域1025とは一体的に構成されていてもよい。
【0079】
装着本体部は、環状を形成可能なものに制限されない。例えば、コシ(剛性)を有するC形状(開放部を有する)の装着本体部を採用し、当該装着本体部を肢体に装着させてもよい。
ファスナーは、面ファスナー以外のファスナーであってもよい。