【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。尚、本項において括弧内に記載した図面内参照符号などは理解を容易化するための一例である。
【0012】
〔1〕<表示パネルの電極パッド列の配置ピッチに応じで外部出力端子の配列が選択可能>
長尺状の半導体集積回路として形成された表示ドライバ(1)は、前記表示ドライバの長手方向に沿って規則的に配置された複数の外部出力端子(S1〜Sn)と、所要の外部出力端子から表示パネル(6,7)に供給するための表示駆動信号を生成する出力回路(46)と、出力モードデータ(Mdata)が書換え可能に設定される出力モードレジスタ(60)と、前記出力モードレジスタに設定された前記出力モードデータに従って、前記表示駆動信号を出力するために前記出力回路が用いる外部出力端子の配列を、配置ピッチが異なる複数種類の配列の中から選択する制御を行なう制御回路(43)と、を含む。見方を変えれば前記制御回路は外部出力端子の配列方向に従って前記出力回路による表示データの出力位置(或いは書き込み位置及び出力位置)を可変とすることによって、出力に用いる外部出力端子の配列を配置ピッチが異なる複数種類の配列の中から選択可能にする。
【0013】
これによれば、表示パネルを駆動するとき表示駆動信号の出力に用いる外部出力端子の配列として配置ピッチが異なる複数種類の配列の中から一つの配列を選択可能であるから、この表示ドライバを実装するパッドのピッチに合うように表示駆動信号の出力に用いる外部出力端子の配列を配置ピッチの異なる複数種類の配列の中から選択すればよい。したがって、上記表示ドライバは、表示ドライバから駆動信号を受ける信号配線のピッチが相違する表示パネルに対しても、また、実装されるバンプのピッチが相違されるCOF実装とCOG実装の何れに対しても、共用可能である。
【0014】
〔2〕<ラインラッチ回路と駆動回路>
項1において、前記出力回路は、画素データを保持するデータレジスタ(REG)が複数個並列されたラインラッチ回路(44)と、前記ラインラッチ回路が出力する画素データから画素データ単位で表示駆動信号を生成して外部出力端子に与える駆動回路(45)と、を含む。前記制御回路は、前記出力モードデータに従って前記ラインラッチ回路に画素データを逐次書き込む書き込みアドレスの制御と共に、画素データが書き込まれた複数のデータレジスタの出力を並列的に駆動回路に出力する出力制御を行なう。
【0015】
これによれば、制御回路による前記アドレス制御と出力制御によって、外部出力端子の配列を配置ピッチの異なる複数種類の配列の中から選択する制御を容易に実現することができる。
【0016】
〔3〕<1個の外部出力端子を複数画素の駆動に共用>
項2において、前記データレジスタは複数個の画素の画素データ(Di_Pn r, Di_Pn g, Di_Pn b, Di_Pn+1 r, Pn+1 g, Pn+1 b,)を一単位として保持する。前記駆動回路は、前記データレジスタが出力する複数個の画素の画素データに対して画素データ単位で対応する駆動信号を時分割で出力する。
【0017】
これによれば、例えば1個のデータレジスタがn個の画素の画素データを保持する場合に1個の外部出力端子がn個の画素に時分割で表示駆動信号を供給するのに共用される。これは、高解像度の表示パネルに配置された表示素子の信号線を複数本単位でセレクタを介して1本の配線パターンに引き出して表示ドライバの外部出力端子に接続する構成を可能にするものであり、表示パネルの高解像度化に対して表示ドライバの外部出力端子の配列ピッチを実装可能なピッチに留めておくことを可能にする。
【0018】
〔4〕<シーケンス制御ロジック>
項2において、前記制御回路は、前記出力モードレジスタに設定された出力モードデータを解読して、前記書き込みアドレスの制御及び前記出力制御のための制御信号を生成するプログラムシーケンス制御ロジック(61,62)を有する。
【0019】
これにより、ハードワイヤードロジックに比べて制御回路の回路規模を縮小でき、また、制御機能の設定・変更も容易になる。
【0020】
〔5〕<複数の配列形態は出力に用いられる外部出力端子の隣接する端子間ピッチが相違>
項1において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列は、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の隣接する端子間に割り当てられるピッチの状態が相違され、駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の配置がその配列の長手方向両端を基点に中央部に向って配置される配列を有する。
【0021】
これによれば、上記選択可能な配列間で、外部出力端子の隣接する端子間に割り当てられるピッチの状態に相違があるということは、表示ドライバを実装する実装相手の配線パターンの配列ピッチが外部出力端子の物理的配置のピッチに対して整数倍以外のピッチであっても選択可能な配列とすることができることを意味し、上記選択可能な配列のバリエーションが増える。また、外部出力端子配列の両端から必要個数の外部出力端子を用いることは、表示ドライバを実装する実装相手の配線パターンの傾きが外部出力端子の配列方向に対して大きくなるように作用し、前記配線パターンの配線ピッチが極端に小さくならないようにする。
【0022】
〔6〕<複数の配列形態は駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違>
項5において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列は、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違され、駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の配置がその配列の長手方向両端を基点に中央部に向って配置される配列を有する。
【0023】
これによれば、上記選択可能な配列のバリエーションが更に増える。
【0024】
〔7〕<表示パネルの電極パッド列の配置ピッチに応じで外部出力端子の配列が選択可能>
長尺状の半導体集積回路として形成され表示パネルの表示素子に表示駆動信号を出力するための表示ドライバ(1)は、前記表示ドライバの長手方向に沿って規則的に配置された複数の外部出力端子(S1〜Sn)と、所要の外部出力端子から表示パネルに供給するための表示駆動信号を生成する出力回路(46)と、ホストインタフェース回路(40)と、前記ホストインタフェース回路から制御データが入力されるレジスタ回路(41)と、前記レジスタ回路にセットされた制御データに基づいて制御信号を生成する制御回路‘43)と、を含む。前記レジスタ回路は、出力モードデータ(Mdata)が書換え可能に設定される出力モードレジスタ(60)を有する。前記制御回路は、前記出力モードレジスタに設定された前記出力モードデータに従って、前記表示駆動信号を出力するために前記出力回路が用いる外部出力端子の配列を、配置ピッチが異なる複数種類配列の中から選択する制御を行なう。前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列として、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の隣接する端子間に割り当てられるピッチの状態が相違される配列を有する。
【0025】
これによれば、表示パネルを駆動するとき表示駆動信号の出力に用いる外部出力端子の配列として配置ピッチが異なる複数種類の配列の中から一つの配列を選択可能であるから、この表示ドライバを実装するパッドのピッチに合うように表示駆動信号の出力に用いる外部出力端子の配列を配置ピッチの異なる複数種類の配列の中から選択すればよい。したがって、上記表示ドライバは、表示ドライバから駆動信号を受ける信号配線のピッチが相違する表示パネルに対しても、また、実装されるバンプのピッチが相違されるCOF実装とCOG実装の何れに対しても、共用可能である。更に、上記選択可能な配列間で、外部出力端子の隣接する端子間に割り当てられるピッチの状態に相違があるということは、表示ドライバを実装する実装相手の配線パターンの配列ピッチが外部出力端子の物理的配置のピッチに対して整数倍以外のピッチであっても選択可能な配列とすることができることを意味し、上記選択可能な配列のバリエーションが増える。
【0026】
〔8〕<複数の配列形態は駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違>
項7において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列として、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違される配列を更に有する。
【0027】
これによれば、上記選択可能な配列のバリエーションが更に増える。
【0028】
〔9〕<外部出力端子配列の両端から必要個数の外部出力端子を使用>
項7において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列は、前記駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の配置がその配列の長手方向両端を基点に中央部に向って配置される配列を有する。
【0029】
これによれば、外部出力端子配列の両端から必要個数の外部出力端子を用いることは、表示ドライバを実装する実装相手の配線パターンの傾きが外部出力端子の配列方向に対して大きくなるように作用し、前記配線パターンの配線ピッチが極端に小さくならないようにする。
【0030】
〔10〕<ラインラッチ回路と駆動回路>
項7において、前記出力回路は、画素データを保持するデータレジスタが複数個並列されたラインラッチ回路(44)と、前記ラインラッチ回路が出力する画素データから画素データ単位で表示駆動信号を生成して外部出力端子に与える駆動回路(45)と、を含む。前記制御回路は、前記出力モードデータに従って前記ラインラッチ回路に画素データを逐次書き込む書き込みアドレスの制御と共に、画素データが書き込まれた複数のデータレジスタの出力を並列的に駆動回路に出力する出力制御を行なう。
【0031】
これによれば、制御回路による前記アドレス制御と出力制御によって、外部出力端子の配列を配置ピッチの異なる複数種類の配列の中から選択する制御を容易に実現することができる。
【0032】
〔11〕<1個の外部出力端子を複数画素の駆動に共用>
項10において、前記データレジスタは複数個の画素の画素データを一単位として保持する。前記駆動回路は、前記データレジスタが出力する複数個の画素の画素データに対して画素データ単位で対応する駆動信号を時分割で出力する。
【0033】
これによれば、例えば1個のデータレジスタがn個の画素の画素データを保持する場合に1個の外部出力端子がn個の画素に時分割で表示駆動信号を供給するのに共用される。これは、高解像度の表示パネルに配置された表示素子の信号線を複数本単位でセレクタを介して1本の配線パターンに引き出して表示ドライバの外部出力端子に接続する構成を可能にするものであり、表示パネルの高解像度化に対して表示ドライバの外部出力端子の配列ピッチを実装可能なピッチに留めておくことを可能にする。
【0034】
〔12〕<表示パネルの電極パッド列の配置ピッチに応じで外部出力端子の配列が選択可能>
表示パネルモジュール(2,3)は、表示素子がマトリクス配置された表示パネル(6,7)と、長尺状の半導体集積回路として形成され、前記表示パネルに表示駆動信号を供給する表示ドライバ(1)と、を有する。前記表示ドライバは、当該表示ドライバの長手方向に沿って規則的に配置された複数の外部出力端子(S1〜Sn)と、所要の外部出力端子から表示パネルに供給するための表示駆動信号を生成する出力回路(46)と、出力モードデータ(Mdata)が書換え可能に設定される出力モードレジスタ(60)と、前記出力モードレジスタに設定された前記出力モードデータに従って、前記表示駆動信号を出力するために前記出力回路が用いる外部出力端子の配列を、配置ピッチが異なる複数種類の配列の中から選択する制御を行なう制御回路(43)と、を含む。前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列として、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の隣接する端子間に割り当てられるピッチの状態が相違される配列を有する。
【0035】
これによれば、表示パネルモジュールは、表示ドライバから駆動信号を受ける信号配線のピッチが相違する表示パネルに対しても、また、実装されるバンプのピッチが相違されるCOF実装とCOG実装の何れに対しても、共用可能な上記表示ドライバを用いて構成されるから、表示パネルモジュールのコスト低減を実現することができる。
【0036】
〔13〕<複数の配列形態は駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違>
項12において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列として、前記複数の外部出力端子の配列中で駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の数が相違される配列を更に有する。
【0037】
これによれば、上記表示ドライバに共用範囲が更に広がり、コスト低減可能な表示パネルモジュールの種類を更に拡げることができる。
【0038】
〔14〕<外部出力端子配列の両端から必要個数の外部出力端子を使用>
項12において、前記制御回路が選択可能な前記複数種類の配列は、前記駆動信号の出力に用いられる複数の外部出力端子の配置がその配列の長手方向両端を基点に中央部に向って配置される配列を有する。
【0039】
これによれば、外部出力端子配列の両端から必要個数の外部出力端子を用いることは、表示ドライバを実装する実装相手の配線パターンの傾きが外部出力端子の配列方向に対して大きくなるように作用し、前記配線パターンの配線ピッチが極端に小さくならないようにする。
【0040】
〔15〕<COG形態による表示ドライバの実装>
項12において、前記表示ドライバは前記表示パネル(6)のガラス基板(9)にチップ・オン・グラス(COG)形態で実装されて、前記外部出力端子が前記表示パネルの前記ガラス基板上の配線パターン(12)に直結される。
【0041】
これによれば、高解像度の表示パネルにCOG形態で表示ドライバを実装して高解像度の表示パネルモジュールを構成することができる。
【0042】
〔16〕<COF形態による表示ドライバの実装>
項12において、前記表示ドライバは表示パネル(7)に接続されたフレキシブル配線基板(5)にチップ・オン・フィルム(COF)形態で実装され、前記外部出力端子が前記フレキシブル配線基板の配線(13)に直結されて前記表示パネルの前記ガラス基板上の配線パターンに接続される。
【0043】
これによれば、低解像度の表示パネルに接続するフレキシブル配線基板にCOF形態で表示ドライバを実装して低解像度の表示パネルモジュールを構成することができる。
【0044】
〔17〕<ラインラッチ回路と駆動回路>
項12において、前記出力回路は、画素データを保持するデータレジスタが複数個並列されたラインラッチ回路(44)と、前記ラインラッチ回路が出力する画素データから画素データ単位で表示駆動信号を生成して外部出力端子に与える駆動回路(45)と、を含む。前記制御回路は、前記出力モードデータに従って前記ラインラッチ回路に画素データを逐次書き込む書き込みアドレスの制御と共に、画素データが書き込まれた複数のデータレジスタの出力を並列的に駆動回路に出力する出力制御を行なう。
【0045】
これによれば、制御回路による前記アドレス制御と出力制御によって、外部出力端子の配列を配置ピッチの異なる複数種類の配列の中から選択する制御を容易に実現することができる。
【0046】
〔18〕<1個の外部出力端子を複数画素の駆動に共用>
項17において、前記データレジスタは複数個の画素の画素データ(Di_Pn r, Di_Pn g, Di_Pn b, Di_Pn+1 r, Pn+1 g, Pn+1 b,)を一単位として保持する。前記駆動回路は、前記データレジスタが出力する複数個の画素の画素データに対して画素データ単位で対応する駆動信号を時分割で出力する。前記表示パネルは、前記駆動回路が時分割で順次出力する駆動信号を対応する複数個の画素の画素データ単位で対応する表示素子の信号線に供給する選択回路(72)を有する。前記制御回路は、前記駆動回路による駆動信号の時分割出力に同期して、当該時分割出力される駆動信号に応ずる表示素子の信号線を前記選択回路に選択させる選択制御を行なう。
【0047】
これによれば、表示パネルの表示素子の信号線ピッチを表示ドライバの外部出力端子の最小配列ピッチよりも格段に小さくすることができ、スマートフォンなどの小型の機器に搭載する表示パネルの高解像度化の促進に寄与することができる。