特許第6698372号(P6698372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698372
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】ドリルチャック
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/12 20060101AFI20200518BHJP
【FI】
   B23B31/12 C
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-27884(P2016-27884)
(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公開番号】特開2016-150433(P2016-150433A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2019年1月22日
(31)【優先権主張番号】10 2015 102 241.9
(32)【優先日】2015年2月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】516049733
【氏名又は名称】レーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Roehm GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ペーター シェンク
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ヘンクスベアガー
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−501138(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0265163(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0077463(US,A1)
【文献】 米国特許第06073939(US,A)
【文献】 米国特許第06260856(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0264781(US,A1)
【文献】 特表2001−500803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/12
B23Q 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドリルチャックであって、ドリルスピンドルに接続可能なチャック体(2)が設けられており、該チャック体(2)の内部では、チャック軸線に対して傾斜して延在する複数のガイド収容部(3)内に、それぞれ緊締ジョー(4)が配置されており、これらの緊締ジョー(4)は、開閉のために、前記チャック体(2)に対して回動可能且つ軸方向に移動不能に配置されたねじ山付きリング(5)によって変位可能であり、ロック装置が設けられており、該ロック装置は、複数のロック切欠きを備える同軸的な環(6)と、少なくとも1つのロック部材(7)とから成り、該ロック部材(7)は、ロックばね(8)の力によって前記ロック切欠き内へ挿入されるようになっており、複数のストッパ間で回動を制限された調節リング(9)が設けられており、該調節リング(9)の回動により、前記ロック部材(7)の位置を調節することができるようになっており、前記ロック部材(7)のための、周方向に2つの係止位置を形成している係止装置が設けられているものにおいて、
前記ねじ山付きリング(5)が、前記チャック体(2)の軸方向前方部分の直径よりも大きな開口幅を有する、分割されていないねじ山付きリングとして形成されており、前記チャック体(2)の軸方向前方部分に、ロックスリーブ(10)が回動不能且つ軸方向に移動不能に取り付けられており、該ロックスリーブ(10)は、前記ロック切欠きの前記環(6)を支持しており且つ前記ねじ山付きリング(5)の軸方向での位置固定に役立ち、
前記ロックスリーブ(10)は、前方の円筒形のボデー部分(11)と、後方の円錐状部分(12)とを有しており、該後方の円錐状部分(12)は、前記ねじ山付きリング(5)の軸方向前方のリングカラー(13)に当接するように設けられており、
前記ロックスリーブ(10)は、前記チャック軸線に対して平行に延在する中間部分(14)を有しており、該中間部分(14)は、前記ロック切欠きの前記環(6)を支持しており且つ前記ガイド収容部(3)に対して平行に延在する部分側面(15)を介して前記前方のボデー部分(11)と前記円錐状部分(12)とに接続されている、
ことを特徴とする、ドリルチャック。
【請求項2】
前記調節リングは、前記ロック部材(7)用の、内周面に配置されたカムを備える調節スリーブ(9)として形成されており、該調節スリーブ(9)は、置固定機構を介して、前記チャック体(2)に対して軸方向で固定されている、請求項1載のドリルチャック。
【請求項3】
前記置固定機構は、前記調節スリーブ(9)の環状溝(17)に係合する位置固定リング(16)を有しており、該位置固定リング(16)は軸方向前方で、回動不能且つ軸方向に移動不能に前記ねじ山付きリング(5)と結合された中間スリーブ(18)に支持されている、請求項記載のドリルチャック。
【請求項4】
前記調節スリーブ(9)は、金属の前記中間スリーブ(18)に半径方向で当接する、半径方向のスリーブショルダ(19)を有している、請求項記載のドリルチャック。
【請求項5】
前記チャック体(2)は、前記前方のボデー部分(11)によって覆われた領域に、周方向に延在する溝(20)を有しており、該溝(20)に、前記前方のボデー部分(11)の隆起部が侵入させられている、請求項からまでのいずれか1項記載のドリルチャック。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載のドリルチャック用のロックスリーブの製造方法において、1つの中心開口を有する環状の金属板を、ポンチを用いて深絞り加工することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のドリルチャック用のロックスリーブの製造方法。
【請求項7】
前記深絞り加工中に、前記金属板を適当な周構造の鉢にプレスするポンチによって、ロック歯列を形成する、請求項記載の製造方法。
【請求項8】
前記深絞り加工後に、刻み目付きホイールを用いて前記ロックスリーブの外面にロック歯列を形成する、請求項記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドリルチャックであって、ドリルスピンドルに接続可能なチャック体が設けられており、該チャック体の内部では、チャック軸線に対して傾斜して延在する複数のガイド収容部内に、それぞれ緊締ジョーが配置されており、これらの緊締ジョーは、開閉のために、前記チャック体に対して回動可能且つ軸方向に移動不能に配置されたねじ山付きリングによって変位可能であり、ロック装置が設けられており、該ロック装置は、複数のロック切欠きの同軸的な環と、少なくとも1つのロック部材とから成り、該ロック部材は、ロックばねの力によって前記ロック切欠き内へ挿入されるようになっており、複数のストッパ間で回動を制限された調節リングが設けられており、該調節リングの回動により、前記ロック部材の位置を調節することができるようになっており、周方向に2つの係止位置を形成している係止装置が設けられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなドリルチャックは、特にロック装置と係止装置とから形成されたロッキングデバイスの構成と、該ロッキングデバイスの、個々の構成部材の協働における作動形式とが記載された欧州特許出願公開第0710518号明細書から公知である。このようなドリルチャックは、実地において傑出して有利であるということが分かっており、ロック切欠きの同軸的な環が、ねじ山付きリングとチャック体との間に配置された押圧リングに形成されている、本出願人による変化形も、製造及び販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0710518号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の、有利であると分かった完成されたドリルチャックを更に改良し、特に製造コスト及び組立コストを削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭で述べた形式のドリルチャックにおいて、ねじ山付きリングが、チャック体の軸方向前方部分の直径よりも大きな開口幅を有する、分割されていないねじ山付きリングとして形成されており、チャック体の軸方向前方部分に、ロックスリーブが回動不能且つ軸方向に移動不能に取り付けられており、該ロックスリーブは、ロック切欠きの環を支持しており且つ前記ねじ山付きリングの軸方向での位置固定に役立つことによって解決される。
【0006】
前掲の欧州特許出願公開第0710518号明細書に記載されたドリルチャックの場合には、分割されたねじ山付きリングが存在しており、この分割されたねじ山付きリングは、チャック体の周方向に延びる溝に挿入され、そこで圧着された中間スリーブによって位置固定される。このドリルチャックのその他の組立は軸方向から行うことができるのに対し、分割されたねじ山付きリングの組立においては90°だけ回動された作業方向が必要とされ、このことは自動化された組立において不都合な影響を及ぼす。よって、分割されていないねじ山付きリングを使用し、このねじ山付きリングを軸方向において位置固定するためにロックスリーブを設けることが有利である。このロックスリーブは、ロック切欠きの環を支持することができる、という付加的な利点を提供する。押圧リングにロック切欠きの環を形成する場合と同じく、チャック体にこのような環を設ける必要性はなくなり、この場合、ロックスリーブは押圧リングに比べ、環の軸方向延在長さがはるかに大きくてよく、延いては目標とする、ロック部材の摩耗の減少が得られる、という利点を提供する。この場合の摩耗は、チャック体の軸方向前方部分に直接に環を形成する場合よりも高くはならない。
【0007】
本発明の枠内で更に好適なのは、ロックスリーブが前方の円筒形のボデー部分と、後方の円錐部分とを有している場合である。後方の円錐部分は、ねじ山付きリングの軸方向前方のリングカラーに当接するように設けられている。
【0008】
ねじ山付きリングは、極めて高い精度で製造され得るが、このねじ山付きリングの使用には、ねじ山付きリングの変形を少なくする硬化処理を要する。本発明により提案された実施形態では、ロックスリーブにより、ねじ山付きリングの軸方向での位置固定のみならず、ねじ山付きリングの半径方向での位置固定及びセンタリングも行われるので、ねじ山付きリングの硬化処理は、組み立てられるドリルチャックのために、欠点無しで保たれることになる。
【0009】
本発明の枠内では必ずしも、ロックスリーブの前方の円筒形のボデー部分がロック切欠きの環を支持することは必要とされない。よって本発明の枠内では、ロックスリーブがチャック軸線に対して平行に延在する中間部分を有しており、この中間部分がロック切欠きの環を支持しており且つガイド収容部に対して平行に延在する各部分側面を介してボデー部分と円錐部分とに接続されていると、好適である。ロックスリーブのこの構成は、ドリルチャックのよりコンパクトな構造、特に軸方向においてより短い構造をもたらす。それというのも、中間部分が緊締ジョーを妨害することなく、チャック体内のガイド収容部の出口開口を覆うことができるからである。これは、各部分側面が、中間部分と円錐部分の両方を、ガイド収容部内の緊締ジョーの位置調節経路から半径方向外側に向かってずらしているためである。
【0010】
本発明の枠内で更に想定されているのは、調節リングが、ロック部材用の、内周面に配置されたカムを備える調節スリーブとして形成されており、該調節スリーブは、二次的な位置固定機構を介して、チャック体に対して軸方向で固定されている、という点である。つまり、調節スリーブもロックスリーブにより軸方向で位置固定することは、必ずしも必要とされていない。それというのも、このことは累積公差において、許容不能な不正確さにつながる恐れがあるからである。
【0011】
但し、二次的な位置固定機構が、調節スリーブの環状溝に係合する位置固定リングを有していることも可能であり、この位置固定リングは軸方向前方で、回動不能且つ軸方向に移動不能にねじ山付きリングと結合された中間スリーブに支持されている。この実施形態は特に、チャック体に配置された回動可能な保護キャップに制動作用を及ぼす、チャック体の軸方向前方の端部において必要とされる位置固定リングを回避するものである。回動可能な保護キャップは、この実施形態では調節スリーブに回動可能に支持されていてよい。回動可能な保護キャップは、ワークを穿孔する際に、続いて表面に対してドリルチャックが打ち付けられることによってロック装置に負荷がかかることを防いでいる。
【0012】
調節スリーブが、金属の中間スリーブに半径方向で当接する、半径方向のスリーブショルダを有していると、更に有利である。それというのも、このようにして調節スリーブの改善された半径方向ガイドが達成可能だからである。
【0013】
チャック体が、前方のボデー部分によって覆われた領域に、周方向に延在する溝を有しており、該溝に、ロックスリーブの前方のボデー部分の隆起部が侵入させられていることにより、特にチャック体に対するロックスリーブの、軸方向での改善された位置固定が達成され得る。
【0014】
本発明は更に、上述したドリルチャック用のロックスリーブの製造方法に関する。この方法では、1つの中心開口を有する環状の金属板を、ポンチを用いて深絞り加工する。この場合、別の方法ステップとして、深絞り加工中に、金属板を適当な周構造の鉢にプレスするポンチによって、ロック歯列を形成する、という可能性がある。択一的に、深絞り加工後に刻み目付きホイールを用いてロックスリーブの外面にロック歯列を形成する、という可能性がある。
【0015】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明によるドリルチャックの分解図である。
図2】部分的に断面して示す分解斜視図である。
図3図1に示したドリルチャックの側面図(左半分は縦断して図示)である。
図4図3にIVで示した部分の詳細図である。
図5】別の実施形態の縦断面図である。
図6図5にVIで示した部分の詳細図である。
図7】本発明の更に別の実施形態の縦断面図である。
図8図7のVIII−VIIIに沿って断面した図である。
図9】更に別の実施形態の縦断面図である。
図10図9のX−Xに沿って断面した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1及び図2には、本発明によるドリルチャック1の第1の実施形態が分解図で示されている。これらの分解図から、ドリルチャック1は、ドリルスピンドルに接続可能なチャック体2を有しており、チャック体2の内部では、チャック軸線に対して傾斜して延びる複数のガイド収容部3内に、それぞれ緊締ジョー4が配置されており、これらの緊締ジョー4は、開閉のために、チャック体2に対して回動可能であり且つ軸方向に移動不能に配置されたねじ山付きリング5によって変位可能である、ということが分かる。緊締ジョー4の望ましくない変位を防ぐために、ねじ山付きリング5の回動位置を固定することができる。このために、ねじ山付きリング5とチャック体2との間に形成されたロック装置が働き、このロック装置は、チャック体2の側の、複数のロック切欠きを備える同軸的な環6と、ねじ山付きリング5の側の、少なくとも1つのロック部材7とから成り、ロック部材7は、ロックばね8の力によってロック切欠き内に係合するようになっている。このときロック部材7と、ロック部材7を受容するロック切欠きとは、互いに傾斜した側面で当接し合っており、これにより、ねじ山付きリング5を、ドリルチャック1の開放に相応する回動方向に回動しないようにロックしている。十分に大きなトルクで以て逆の回動方向、つまりドリルチャック1の閉鎖に相応する回動方向にねじ山付きリング5を手で回動させると、ロック部材7をばね力に抗してロック切欠きから押し出して、チャック体2の周囲に沿って滑らせることができる。ロック部材7は、ロック切欠きにおけるロック状態と、ロック解除状態との間で位置を調節可能であり、このためにロック部材7は、やはり軸方向に移動不能な同軸的な調節スリーブ9に設けられたカムによって位置を調節することができるようになっており、これに相応して調節スリーブ9は、ねじ山付きリング5に対して相対回動可能になっている。調節スリーブ9の、ねじ山リング5に対するこの相対回動は、両回動方向において複数のストッパにより、形状接続的(形状による束縛、例えば係合)に制限されている。ドリルチャック1の閉鎖に相応する回動方向での調節スリーブ9の回動により、ロック部材7はロック解除状態からロック状態へと変位させられ、その逆もまた然りである。調節スリーブ9とねじ山付きリング5との間には、周方向に2つの係止位置を有する係止装置が設けられており、この場合、ロック部材7は、一方の係止位置ではロック切欠きにおけるロック状態にあり、且つ他方の係止位置ではロック解除状態にある。このようなロッキングデバイスの機能形式は、当該技術分野では前掲の欧州特許出願公開第0710518号明細書により、以前から公知である。
【0018】
図示した本発明の各実施形態では、ねじ山付きリング5は、チャック体2の軸方向前方部分の直径よりも大きな開口幅を有する、分割されていないねじ山付きリングとして形成されており、この場合、チャック体2の軸方向前方部分には、ロックスリーブ10が回動不能且つ軸方向に移動不能に取り付けられており、ロックスリーブ10は、ロック切欠きの環6を支持すると共に、ねじ山付きリング5を軸方向において位置固定するためにも役立つ。
【0019】
ロックスリーブ10自体は、前方の円筒形のボデー部分11と、後方の円錐部分12とを有しており、後方の円錐部分12は、ねじ山付きリング5の軸方向前方のリングカラー13に当接するように設けられている。ロックスリーブ10は更に、チャック軸線に対して平行に延びる中間部分14を有しており、この中間部分14は、ロック切欠きの環6を支持すると共に、ガイド収容部3に対して平行に延びる各部分側面15を介して、前方のボデー部分11と、円錐部分12とに接続されている。
【0020】
調節スリーブ9は二次的な位置固定機構を介して、チャック体2に対して軸方向で固定されており、この場合、図1図6に示した各実施形態では、二次的な位置固定機構は、チャック体2の軸方向前方領域に位置決めされた位置固定リング16である。図7図10に示した各実施形態では、位置固定リング16は調節スリーブ9の環状溝17内に係合しており、且つ軸方向前方に対しては、ねじ山付きリング5と回動不能且つ軸方向に移動不能に結合された中間スリーブ18に支持されている。
【0021】
図7及び図9からは、調節スリーブ9が、金属の中間スリーブ18に対して半径方向に当接する、半径方向のスリーブショルダ19を有している、ということも分かる。
【0022】
更に図6及び図9には、チャック体2が、ロックスリーブ10の前方のボデー部分11によって覆われた領域に、周方向に延びる溝20を有しており、この溝20内には、前方のボデー部分11の隆起部が侵入させられている、ということが示されている。
【0023】
本発明によるロックスリーブ10の特徴は、必ずしも旋削及び切削加工によって製造されていなくてもよく、且つロック歯列を備えている必要もない、という点にある。1つの中心開口を有する環状の金属板を、ポンチによって深絞り加工するという可能性があり、この場合は深絞り加工中に、金属板を適当な周構造の鉢にプレスするポンチによってロック歯列が形成される。よって、鉢の壁が、ロックスリーブの個々の部分の長さや延在部を予め決定することになる。
【0024】
択一的に、深絞り加工後に、刻み目付きホイールを用いてロックスリーブ10の外面にロック歯列を形成する、という可能性もある。
【符号の説明】
【0025】
1 ドリルチャック、 2 チャック体、 3 ガイド収容部、 4 緊締ジョー、 5 ねじ山付きリング、 6 環、 7 ロック部材、 8 調節ばね、 9 調節スリーブ、 10 ロックスリーブ、 11 前方のボデー部分、 12 円錐部分、 13 リングカラー、 14 中間部分、 15 部分側面、 16 位置固定リング、 17 環状溝、 18 中間スリーブ、 19 スリーブショルダ、 20 溝、 21 ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10