【実施例1】
【0016】
先ず初めに、
図1乃至
図7を用いて、本発明の一実施形態における電気掃除機について説明する。
【0017】
図1は、本発明を用いた集塵袋式の電気掃除機を斜め前方から見た全体斜視図である。
【0018】
本発明における電気掃除機1は、本体ケース3の後面側に位置する電動送風機と、本体ケース3の前面側に位置する集塵室16と、を有する掃除機本体2を備えている。
【0019】
更に、
図1に示すように、本発明における電気掃除機1は、本体ケース3にハンドル5が備え付けられており、電気掃除機1を移動する際に、ハンドル5を把持し持ち運ぶことが可能な構造となっている。
【0020】
また、本体ケース3には走行車輪6が設けられており、電気掃除機1を使用する際に前後左右自在に掃除機本体2を移動することができる。
【0021】
本体ケース3の前面側上部には蓋4が開閉可能に取り付けられており、蓋4を開けることにより、電気掃除機1の内部すなわち後述する集塵室16が開放状態となる。
【0022】
蓋4には、蓋4を貫通するホース接続口7が設けられている。このホース接続口7は、電気掃除機1の外部と集塵室16とを連通するように形成されている。
【0023】
ホース接続口7には、図示しない電気掃除機用ホースが回転自在に接続され、電気掃除機1の使用時に、電気掃除機用ホースを介して吸引されたゴミや塵、埃が集塵室16内へ吸い込まれる。
【0024】
ここで、本実施例において説明する電気掃除機1は、上記のように電気掃除機用ホースが電気掃除機1に回転自在に接続されるスイーベル掃除機を例に用いているが、本発明はスイーベル掃除機に限定されるものではなく、集塵袋式の電気掃除機であれば、他のタイプの掃除機にも適用することもできる。
【0025】
また、蓋4には電気掃除機1の吸引状態(吸引力)を表示するインジケータ8が設けられており、吸引状態(吸引力)をユーザが目視で確認することができる。
【0026】
例えば、集塵室内に吸引されたゴミが一杯になったり、集塵室16内の集塵袋21が目詰まりして吸引力が低下した場合、このインジケータ8により吸引力の低下を確認することができる。
【0027】
蓋4には窓9が設けられており、電気掃除機1の外部から集塵室16内部の状態を目視で確認することができる。
【0028】
本体ケース3の後面側上部には、排気口11が設けられている。
図1には図示していないが、本体ケース3の後面側すなわち集塵室16の後ろ側には電動送風機が設けられている。この電動送風機を起動することにより、掃除機本体2内部において、ホース接続口7から排気口11に向かう気流が生じる。
【0029】
ホース接続口7から吸引された空気は、集塵室16、電動送風機を介して掃除機本体2内部を流れ、排気口11から掃除機本体2の外部へと排出される。
【0030】
また、本体ケース3の後面側上部には、吸引力調整つまみ10が設けられている。この吸引力調整つまみ10により、吸引力(電動送風機の回転数)を調整することができる。
【0031】
本体ケース3の後面側上部には、電源ボタン12や電源コード巻取ボタン13なども設けられている。
【0032】
図2は、本発明を用いた集塵袋式の電気掃除機を斜め後方から見た全体斜視図である。
【0033】
本実施例における電気掃除機1には、後面側にブロアー機能用接続口14と、ブロアー機能用接続口14が開閉可能となるように設けられるブロアー機能用蓋15と、が設けられている。
【0034】
このブロアー機能用接続口14は、電気掃除機1を停止している場合や、電気掃除機1を塵埃を吸引するために使用する場合は、ブロアー機能用蓋15により閉塞されている。この場合、電動送風機の後流は全て排気口11から掃除機本体2の外部へと排気される。
【0035】
電気掃除機1を塵埃を吹き飛ばすために使用する場合、つまり電気掃除機1をブロアーとして使用する場合には、このブロアー機能用接続口14にホースや管を接続して使用する。ブロアー機能用接続口14にホースや管を接続するときは次のように行う。
【0036】
ホースや管によって、電気掃除機1の外側からブロアー機能用蓋15を押すことで、ブロアー機能用蓋15を回動させる。ブロアー機能用蓋15を回動させることにより、ブロアー機能用接続口14を開放し、ホースや管とブロアー機能用接続口14とを接続する。
【0037】
ホースや管により回動されたブロアー機能用蓋15は、電気掃除機1の内部で電動送風機から排気口11への流路を塞ぐ役割を果たす。ホースや管の接続によるブロアーとしての使用への自動切り替えにより、排気口11から排出されていた空気(排気)の一部或いは全部をブロアー機能用接続口14から掃除機本体2の外部へ排出し、電気掃除機1をブロアーとして使用することができる。
【0038】
図3は、本実施例の電気掃除機1において、蓋4を開けて集塵室16を開放した状態を示している。
図3は、集塵室16の内部構造が分かり易いよう、集塵袋21を装着していない状態を示している。
【0039】
図示しない電動送風機と集塵室16との境界部分すなわち集塵室16の後面側かつ電動送風機の前面側には、保護フィルター18が設けられている。蓋4の内側には塵落とし部材19が設けられている。塵落とし部材19については後記する。
【0040】
集塵室16内には、集塵袋21を保持する集塵袋保持部材20が設けられている。
【0041】
図4Aは、集塵袋保持部材20の斜視図である。集塵袋保持部材20は、支持部20aと、保持部20bと、リブ20cと、本体支持部20dと、を有する。支持部20aは略板形状をしている。保持部20bは、支持部20aの一端に位置し、略コの字形状をしている。リブ20cは、保持部20bの端部に位置し、略板形状をしている。本体接触部20dは、リブ20cの端部にリブ20cと直交するように位置し、略板形状をしている。
【0042】
図4Bは、集塵袋保持部材20の平面図である。集塵袋保持部材20は、平面視で略Y字形状となっている。
【0043】
図5に示すように、集塵袋保持部材20は、支持部20aにおける保持部20bとは反対側の端部で、本体ケース3における集塵室16の後面側の上部付近(保護フィルター18の上部付近)に回動可能となるように取り付けられている。
【0044】
集塵袋保持部材20が回動可能であるため、集塵袋21を取り付ける際に集塵袋保持部材20が邪魔とならず、取り付け易いという効果を奏する。
【0045】
また、本実施例における集塵袋保持部材20は、
図4に示すように、支持部20aにおける保持部20bとは反対側の端部がバネを介して本体ケース3に取り付けられている。バネを介して取り付けられていることにより、
図3や
図5に示すように、集塵袋保持部材20に集塵袋21が取り付けられていない状態において、支持部20aにおける保持部20bとは反対側の端部を軸として集塵袋保持部材20が上方へ付勢されている。
【0046】
これにより、集塵袋21を取り付ける際に、集塵袋保持部材20を自ら回動させる必要がなく、更に取り付け易いというという効果を奏する。
【0047】
本体接触部20dは、集塵袋保持部材20が下方向に回動された場合に、本体ケース3と接し、集塵袋保持部材20を支持する
保持部20bにおける支持部20aとの連結部の近傍には凸部(突起)27が設けられている。凸部27は、集塵袋21を集塵袋保持部材20に取り付ける際、集塵袋21の口板部21aに設けられた切欠き24に入り、集塵袋保持部材20に対する口板部21aの位置決めとして機能する。
【0048】
更に、集塵袋保持部材20と支持部32の連結部近傍には凸部(突起)28および凸部(突起)29が設けられている。凸部28,29は、凸部27よりも小さく、それぞれ凸部27の左右に位置する。凸部28,29は、集塵袋21を集塵袋保持部材20に装着する際、集塵袋21の口板部21aに設けられた穴25および穴26に嵌合し、集塵袋保持部材20に対する口板部21aの位置決めおよび係止手段として機能する。
【0049】
保持部20bの内側で支持部20aとは反対側には、傾斜部35が延在して設けられている。
【0050】
保持部20bの内側で略コの字型の両側には、ガイドレール30が延在して設けられている。傾斜部35、ガイドレール30については、後記する。
【0051】
ここで、集塵袋保持部材20は、保持部20bの長さS
5が、支持部20aを含む集塵袋保持部材20の全長S
4の半分よりも短くなるように形成されている。つまり、保持部20bの長さS
5と支持部32を含む集塵袋保持部材20の全長S
4との関係は、S
5<S
4/2である。
【0052】
このように、集塵袋保持部材20の全長に対して、集塵袋21を装着する略コの字型の保持部20bの長さを半分以下にすることで、集塵袋保持部材20の重心が集塵袋保持部材20の長さ方向の保持部側に位置し、集塵袋保持部材20に集塵袋21を装着した際に自重で集塵袋保持部材20が降下し易くなるように構成されている。
【0053】
図5は、
図3における電気掃除機1の前面から後面に跨る横断面を示している。
【0054】
図5のように、集塵袋保持部材20の先が上方向に位置している状態では、そのまま蓋4を回動させ閉めようとしても、集塵袋保持部材20の先が蓋4に接触し、蓋4のそれ以上の回動を防止する。つまり、集塵袋保持部材20に集塵袋21が装着されていない状態では、蓋4を閉めることができない構造となっており、集塵袋21を未装着のまま電気掃除機1を運転することのないようにしている。
【0055】
なお、前記のように、集塵袋21を集塵袋保持部材20に装着すると、集塵袋保持部材20が下方向に回動するため、集塵袋21を装着した状態では集塵袋保持部材20の先が蓋4に接触することはない。
【0056】
次に
図6および
図7を用いて、集塵袋保持部材20に集塵袋21が装着される際の状態について説明する。
【0057】
図6は、集塵袋保持部材20に集塵袋21を装着した直後の状態を示している。集塵袋保持部材20に集塵袋21の口板部21aを装着する。集塵袋本体すなわち集塵袋21は、
図6に示すように、集塵室16内に収納される。
【0058】
集塵袋21の口板部21aに設けられた開口23すなわち集塵袋21の吸い込み口が蓋4のホース接続口7と連通するように、集塵袋21の口板部21aが集塵袋保持部材20に装着される。
【0059】
ここで、集塵袋21の口板部21aは、後記するように、集塵袋21の口板部21aに設けられた穴25,26と集塵袋保持部材20に設けられた凸部(突起)28,29が嵌合するように集塵袋保持部材20に装着される。
【0060】
上記のように、集塵袋保持部材20は、集塵袋21を装着されていない状態においては、バネにより上方へ付勢して保持されているが、集塵袋21の口板部21aを集塵袋保持部材20に装着すると、集塵袋21の自重により、集塵袋保持部材20、集塵袋21、口板部21aが降下し、集塵室16内に集塵袋21が自動的に装着される。
【0061】
つまり、集塵袋21が装着されていない状態においては、集塵袋保持部材20はバネの力により上方へ付勢されて保持されているが、集塵袋保持部材20に集塵袋21を装着すると、集塵袋21の重さがバネの力に勝って、集塵袋保持部材20が降下する。
【0062】
集塵袋21に肩落ち部36が設けられているため、集塵袋保持部材20に集塵袋21を装着後、集塵袋保持部材20が降下する際に、集塵室の内壁等にぶつかることがないという効果を奏する。
【0063】
図7は、
図6における電気掃除機1の前面から後面に跨る横断面を示している。
図7においては、集塵袋保持部材20に集塵袋21が装着され、集塵袋保持部材20が降下し、集塵袋保持部材20の本体接触部20dが本体ケース3と接し、集塵袋保持部材20を支持する状態を示している。
図7では、電気掃除機1の全体構成が分かり易いよう、集塵室16に収納される集塵袋21は省略している。
【0064】
ここで、
図7に示すように、集塵室16の幅S
2は、電気掃除機1の全長S
1の半分以上を占めており、大容量の集塵室16となっている。
【0065】
つまり、電気掃除機1の全長S
1と集塵室16の幅S
2との関係はS
2>S
1/2であり、集塵室16の幅S
2と電動送風機室の幅S
3との関係は、S
2>S
3である。
【0066】
このように、本実施例における電気掃除機1は、電気掃除機1の本体の前面から後面に跨る横断面において、集塵室16の幅が電気掃除機1の本体の全長の半分以上の長さになるように設けられている。これにより、集塵室16を大容量化つまり電気掃除機1を大集塵化しても、電気掃除機自体をコンパクトに設計することができ、電気掃除機1の取り扱いが容易になる。
【0067】
電気掃除機の前面から後面に跨る横断面において、集塵室の幅が前記電気掃除機の全長の半分よりも長いことにより、集塵室の容量が大きい電気掃除機1とすることができる。幅が大きな集塵室に、その幅に合う大きさの集塵袋21を取り付ける際、特許文献1に記載の構造では、集塵袋21の袋部も大きく集塵室内に納めづらいため、取り付けが容易ではない恐れがある。実施例中に記載のように、集塵袋21が装着されていない状態においては、バネの力により上方へ付勢されて保持されている集塵袋保持部材20であれば、大きな集塵袋21の取り付けが容易となる。
【0068】
図8乃至
図9を用いて、本実施例における電気掃除機1の集塵袋21および集塵袋保持部材20について詳細に説明する。
【0069】
図9A乃至
図9Cは、本実施例における集塵袋21を示している。
図9Aは集塵袋21の平面図である。また、
図9Bは、
図9AにおけるA−A’断面を示している。
図9Cは、
図9AにおけるB−B’矢視図である。
【0070】
図9A〜Cに示すように、集塵袋21は、口板部21aと、口板部21aに接続された袋部21bと、袋部21bにおける口板部21aとは反対側を塞ぐ塞ぎ部材22と、で構成されている。
【0071】
図8は、集塵袋21の口板部21aを示している。口板部21aは、略四角板形状をしており、口板22の中央部には蓋4に設けられたホース接続口7と向かい合う開口23が設けられている。ホース接続口7から吸引された空気とゴミは、口板部21aの開口23を介して集塵袋21に吸い込まれる。
【0072】
口板部21aの一側部には、切欠き24が設けられている。切欠き24は、前記のように、集塵袋21を集塵袋保持部材20に装着する際、集塵袋保持部材20に設けられた凸部(突起)27が入り、集塵袋保持部材20に対する口板部21aの位置決めとして機能する。
【0073】
また、口板部21aには、切り欠き24の左右に位置するように穴25および穴26が設けられている。穴25,26は、切り欠き24よりも小さい開口である。前記のように、穴25、26は、集塵袋21を集塵袋保持部材20に装着する際、後述する集塵袋保持部材20に設けられた凸部(突起)28および29にそれぞれ嵌合し、集塵袋保持部材20に対する口板部21aの位置決めおよび係止手段として機能する。
【0074】
なお、本実施例においては、口板部21aに設けられる穴25および26、集塵袋保持部材20に設けられる凸部(突起)28および29は、それぞれ2つずつ設けられている例を示しているが、各々少なくとも1つ以上設けてあれば、口板部21aを集塵袋保持部材20に保持(係止)するという効果を奏する。但し、口板部21aの穴、集塵袋保持部材20の凸部(突起)をそれぞれ2つ以上設けることにより、集塵袋保持部材20に対する口板部21aの装着の位置決めの精度を向上することができる。
【0075】
口板部21aの素材としては、例えば、プラスチックや厚紙などを用いることができる。
【0076】
袋部21bは袋開口部21b1と端開放部21b2とを有する袋状の部分である。袋開口部21b1は、口板部21aの開口23とつながっている。端開放部21b2は、袋開口部21b1とは反対の方にあり、塞ぎ部材22で塞ぐことができる。
【0077】
集塵袋21の袋部21bの素材としては、例えば、繊維や不織布を用いることができる。この場合、集塵袋21内のゴミを廃棄した後に洗浄して繰り返し使用することができる。
【0078】
また、集塵袋21を使い捨てする場合は、紙やメルトブローなどのプラスチック素材を用いて、いわゆる紙パックとしてもよい。
【0079】
なお、集塵袋21の袋部21bには、集塵室16内へ装着される際に、集塵室16の内壁やその他の構造物と干渉しないよう、肩落ち部36が設けられている。肩落ち部36は、袋部21bにおける橋開放部21b2とは反対側の端部で口板部21aの左右に設けられている。集塵袋21において、袋部21bの反対側の端部は、口板部21aの切り欠き24がある端部とは反対側の端部よりも切り欠き24側に位置している。
【0080】
袋部21bは、口板部21a側から離れる方向に行くに従い口板部21aの反対側の端部から離れる方向に向かうような形状をしており、肩落ち部36は、その斜め形状の部分を指す。集塵袋21を集塵袋取り付け部22に取り付けた際、口板部21aの切り欠き24がある端部が電気掃除機1の後ろ方向、反対側の端部が電気掃除機1の前方向を向くように位置している。
【0081】
袋部21bが平面視で略四角形状であると、集塵袋21を集塵袋保持部材20に装着することで集塵袋保持部材20が下方向に回動しても、袋部21bの角が本体ケース3に接触してしまい下方向へ回動しきらないという恐れがある。更に、袋部21bの角が本体ケース3に接触し、蓋4が閉まらなくなる恐れがある。この場合、袋部21bを集塵室16内に手で入れ直すという手間がかかる恐れがある。
【0082】
本実施形態のように、袋部21bに肩落ち部36を設けることで、袋部21bが本体ケース3に接触する恐れを低減することができる。これにより、集塵袋21を集塵袋保持部材20に取り付けるだけで、集塵袋保持部材20が下方向に回動し、集塵袋21の本体接触部20dと本体ケース3とが接触することができ、容易に装着することができるという効果を奏する。
【0083】
図10A乃至
図10Dを用いて、集塵袋21の口板部21aを集塵袋保持部材20に装着する方法を説明する。
図10A乃至
図10Dは、集塵袋保持部材20および口板部21aの一部断面を示している。
【0084】
先ず、
図10Aのように、集塵袋21の口板部21aを集塵袋保持部材20の保持部20bに対してほぼ平行な状態となるように近づける。
【0085】
次に、
図10Bに示すように、口板部21aを、集塵袋保持部材20に設けられたガイドレール30上におき、ガイドレール30上を滑らせるように押す。
【0086】
次に、
図10Cに示すように、口板部21aを、集塵袋保持部材20に設けられた傾斜部35に沿うように、押す。
【0087】
更に口板部21aを押すことで、
図10Dに示すように、口板部21aは集塵袋保持部材20に設けられた凸部(突起)28および29を乗り越え、凸部(突起)28,29と口板部21aの穴25,26が合う位置で嵌合し、口板部21aが集塵袋保持部材20上に装着される。集塵袋21が集塵袋保持部材20にロックされて保持される。
【0088】
このとき、集塵袋保持部材20の凸部(突起)27および口板部21aの切欠き24は、集塵袋保持部材20上における口板部21aの位置決めとして機能している。
【0089】
図11A乃至
図11Cを用いて、集塵袋保持部材20に設けられた凸部(突起)28および傾斜部35、段差部135,235、ガイドレール30,1301,230について説明する。
図11A乃至
図11Cは、いずれも
図4におけるC−C’断面を示している。
【0090】
図11Aは、本実施形態の図である。
図11Aに示す集塵袋保持部材20には、傾斜したガイドレール30と、ガイドレール30に連続して設けられている傾斜部35と、が設けられている。
【0091】
このタイプの集塵袋保持部材20に口板部21aを装着する場合、口板部21aをガイドレール30と傾斜部35の傾斜に沿って押すことで、口板部21aの先端部分が比較的容易に凸部(突起)28を乗り越え、凸部(突起)28に穴25を嵌合させることができるという効果を奏する。
【0092】
但し、傾斜が設けられている分、
図11Bの集塵袋保持部材20に比べて、穴25を凸部(突起)28に係止し難くなるため、集塵袋保持部材20を形成する際に傾斜部35の傾斜角度に注意が必要になる。
【0093】
図11Bは、
図11Aの別実施例であり、集塵袋保持部材20には、平坦なガイドレール130と、ガイドレール130と段差となるように設けられた段差部135と、を設けた例を示している。このタイプの集塵袋保持部材20に口板部21aを装着する場合、口板部21aをガイドレール130に沿って押し、口板部21aの先端部分を少し持ち上げながら段差部135を乗り越え、凸部(突起)28に穴25を嵌合させる。
【0094】
このタイプの集塵袋保持部材20は、集塵袋21を装着する際に口板部21aの先端部分を少し持ち上げる必要があるが、ガイドレール130の表面は凸部(突起)28が設けられている集塵袋保持部材20の表面とほぼ平行になっており、比較的簡易に集塵袋保持部材20にガイドレール30を形成することができるという効果を奏する。
【0095】
図11Cは、
図11Aに示した集塵袋保持部材20の変形例である。
図11Cに示す集塵袋保持部材20には、傾斜角θ
2で傾斜したガイドレール230と、ガイドレール230とは異なる傾斜角θ
1で傾斜した傾斜部235と、が設けられている。
【0096】
このタイプの集塵袋保持部材20は、
図11Aに示した集塵袋保持部材20と同様にガイドレール230と傾斜部235とに傾斜が設けられており、口板部21aを傾斜部235の傾斜に沿って挿入することで、口板部21aの先端部分が比較的容易に凸部(突起)28を乗り越え、凸部(突起)28に穴25を嵌合させることができる。
【0097】
ここで、傾斜部235の傾斜角θ
1がガイドレール230の傾斜角θ
2よりも傾斜しているため、穴25を凸部(突起)28に係止し易くなるという効果を奏する。
【0098】
集塵袋保持部材20が略コの字型であって、ガイドレールは、略コの字型の両側にあるため、集塵袋21の口板22の両側を支持するよう載置することができる。また、ガイドレール30が略コの字型の両側にあるため、集塵袋21の口板22の両側を支持したままガイドレール30に沿って凸部(突起)28および凸部(突起)29の方へとスライドさせることができる。スライドさせることができるため、集塵袋21と集塵袋保持部材20に取り付け易いという効果を奏する。
【0099】
図12は本発明の実施の形態の一例に係る塵落とし部材19の斜視図である。
【0100】
塵落とし部材19は、ハニカム構造で形成された、通気穴37を有している。通気穴37を設けていることにより、通気性を持たせることができる。各通気穴37がハニカム構造となるように塵落とし部材19を形成しているため、強度を確保するためのリブなどを設けることなく十分な強度を確保することができ、かつリブなどを設けることがないため小型、軽量とすることができる。
【0101】
図13は本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機本体の集塵袋21と塵落とし部材19の横断面図である。
【0102】
図13のような状態のとき、塵落とし部材19は蓋4の内側に取り付けられ、塵落とし部材19のリブ39が蓋体4に当接することによって、塵落とし部材19と蓋体4の間には流路空間38が形成されている。これにより、集塵袋21が膨らんだ際も、集塵袋21を通過した空気が流路空間38を通ることで、集塵袋21が蓋体4の内側に張り付くことなく空気の流れる空間を確保し、集塵袋21に塵埃が堆積した場合も吸引力の低下を防ぐことができる。
【0103】
図14、15は本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の集塵袋21と塵落とし部材19の断面図である。
【0104】
図14に示すように塵落とし部材19は上下に動作可能な状態で、蓋4に取り付けられ、初期状態においては水平に配置され、弾性体により前記集塵袋21から離れる方向に力を加えられている。この状態から電動或いは電源コードの巻き取り機構を動作した際に、塵落とし部材19が回動軸43を中心に集塵袋21の位置する下方向に動作する(
図15)。塵落とし部材19が下がることで集塵袋21を叩き、集塵袋の内部表面に堆積した塵埃42を落とし、吸込力を回復する。塵落とし部材19は弾性変形を利用し、塵落とし部材19が下側に可動しても再び元の水平な配置の位置に戻ることができる。このとき、落とし部材19の回転軸から最も離れた位置の形状が凸部(突起)40である。
【0105】
次に、塵落とし部材19における凸部(突起)40の位置関係について、説明する。
【0106】
図16は本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の蓋4と塵落とし部材19の横断面図である。
【0107】
塵落とし部材19は蓋体4に沿うような曲面41を有し、曲面41から集塵袋21の側に最も突出した部位が凸部(突起)40である。塵落とし部材19を支持する軸部から最も遠い位置に配置されている。これにより、塵落とし部材が上下に動作した時に、最も効果的に集塵袋21を叩くことが出来、より長く吸引力の低下を防ぐことができる。
【0108】
塵落とし部材19により集塵袋21の内部表面の塵を除去している様子は、蓋4に設けられた窓9を介して電気掃除機1の外側から目視で確認することができる。
【0109】
ここで、塵落とし部材19は、集塵袋保持部材20と直接干渉しないような形状にすることで、集塵袋21のみを振動させることができ、より効率的に集塵袋21の内部表面に付着した塵を叩き落とすことができる。なお、集塵袋保持部材20の形状を塵落とし部材19と直接干渉しないような形状に形成してもよい。
【0110】
本実施形態では、平面視で、塵落とし部材19は略凹形状であり、集塵袋保持部材20は略Y字形状である。塵落とし部材19の略凹形状の左右の凸部分が、集塵袋保持部材20の略Y字形状の脇の部分に位置することになる。そのため、塵落とし部材19と集塵袋保持部材20とは直接干渉することがなく、塵落とし部材19により集塵袋21のみを振動させることができる。
【0111】
上記の通り、塵落とし部材19により、集塵袋21の内部表面に付着した塵を除去することができる。集塵袋21の内部表面に付着した塵埃を除去することで集塵袋21の目詰まりを防ぎ、集塵袋21に多くの塵埃を集めることができる。なお、目詰まりを防ぐため、電気掃除機の吸引持続率を高くすることができる。
【0112】
以上説明したように、本実施例における電気掃除機によれば、掃除機本体への集塵袋21の装着が容易な集塵袋式の電気掃除機を実現することができる。
【0113】
また、集塵袋21の内側表面に付着した塵を落とす塵落とし機構を集塵室内に設けることにより、集塵袋21の目詰まりを抑制し、吸引力が低下し難い集塵袋式の電気掃除機を実現することができる。
【0114】
また、電気掃除機の前面から後面に跨る横断面において、集塵室の幅を掃除機本体の全長の半分よりも長くなるように集塵室を設けることで、集塵能力を大容量化しつつ、電気掃除機自体をコンパクトに設計することが可能になる。
【0115】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。