(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698600
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】端末装置、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20130101AFI20200518BHJP
【FI】
G06F3/0481
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-183507(P2017-183507)
(22)【出願日】2017年9月25日
(65)【公開番号】特開2019-61341(P2019-61341A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2019年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】横田 健治
(72)【発明者】
【氏名】水田 修
(72)【発明者】
【氏名】大川 祥一
(72)【発明者】
【氏名】増崎 和彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 義浩
(72)【発明者】
【氏名】山崎 あかり
(72)【発明者】
【氏名】荻原 理恵
(72)【発明者】
【氏名】冨林 豊
【審査官】
星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−154926(JP,A)
【文献】
特開2014−115838(JP,A)
【文献】
特開2006−285416(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0213361(US,A1)
【文献】
特開2011−204115(JP,A)
【文献】
特開2003−245473(JP,A)
【文献】
特許第6165302(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
ディスプレイと、
撮像手段と、
仮想物体を示す仮想物体情報を保持する保持手段と、
前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであるか否かを示す表示制御情報を保持し、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであると前記表示制御情報が示している場合に前記仮想物体を前記撮像手段が撮像する撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示する処理を行うことができ、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではないと前記表示制御情報が示している場合、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示する処理を行わない処理手段と、
を備えており、
前記処理手段は、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示しているときに、当該撮像画像において、前記仮想物体を表示できる表示装置を検出すると、前記仮想物体の表示デバイスを前記端末装置から前記表示装置に切り替えるための第1制御信号を、前記仮想物体の表示デバイスを管理しているサーバ装置に送信することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記保持手段は、前記撮像画像の特徴点から、前記撮像手段の3次元空間の位置及び方向を求めることができる場所記述情報と、前記表示装置の前記3次元空間における設置位置を示す位置情報を保持しており、
前記端末装置は、
前記場所記述情報と前記撮像画像に基づき前記撮像手段の前記3次元空間における位置及び方向を判定する判定手段をさらに備えており、
前記処理手段は、前記判定手段が判定した前記撮像手段の前記3次元空間における位置及び方向と、前記位置情報に基づき前記撮像画像において前記表示装置を検出することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記ディスプレイに表示している前記仮想物体の前記3次元空間における配置位置と前記表示装置の前記3次元空間における設置位置との距離が閾値以内であると前記第1制御信号を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記第1制御信号を送信する前に、前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示している前記仮想物体が、前記撮像画像の中に含まれる前記表示装置の方向に移動する様に前記仮想物体を前記ディスプレイに表示することを特徴とする請求項2又は3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示しているときに、当該撮像画像において複数の前記表示装置を検出すると、複数の前記表示装置それぞれの前記3次元空間における設置位置と、前記撮像手段の前記3次元空間における位置との距離に基づき、1つの前記表示装置を選択し、選択した前記表示装置を特定する情報を前記第1制御信号に含めることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記第1制御信号を前記サーバ装置に送信した後、或いは、前記第1制御信号の応答を前記サーバ装置から受信した後、前記仮想物体の前記ディスプレイへの表示を停止し、前記端末装置が表示デバイスではないことを示す様に前記表示制御情報を更新することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであることを前記表示制御情報が示しているときに、前記端末装置に対する所定の第1操作、又は、所定の第1音声を検出すると、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではなくなることを示す第2制御信号を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項8】
前記第1操作は、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示するアプリケーションの終了操作を含むことを特徴とする請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記端末装置は、ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能な様に構成され、
前記処理手段は、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであることを前記表示制御情報が示しているときに、前記ローカルエリアネットワークを介して前記サーバ装置と通信可能な状態が所定期間だけ続くと、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではなくなることを示す第2制御信号を前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項10】
前記処理手段は、前記第2制御信号を前記サーバ装置に送信した後、或いは、前記第2制御信号の応答を前記サーバ装置から受信した後、前記端末装置が表示デバイスではないことを示す様に前記表示制御情報を更新することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項11】
前記処理手段は、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであることを前記表示制御情報が示しているときに、前記サーバ装置から前記仮想物体の表示デバイスを前記表示装置に切り替えるとの通知を受信すると、前記端末装置が表示デバイスではないことを示す様に前記表示制御情報を更新することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項12】
前記処理手段は、前記端末装置の電源がONとなったとき、或いは、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示するアプリケーションの起動時に、前記サーバ装置に前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであるか否かを問い合わせることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項13】
前記端末装置は、ローカルエリアネットワークと移動通信網のいずれかを介して前記サーバ装置と通信可能な様に構成され、
前記処理手段は、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではないことを前記表示制御情報が示し、かつ、前記ローカルエリアネットワークを介する通信が可能ではないときに、前記端末装置に対する所定の第2操作、又は、所定の第2音声を検出すると、前記端末装置を前記仮想物体の表示デバイスにするための第3制御信号を、前記移動通信網を介して前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項14】
前記処理手段は、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではないことを前記表示制御情報が示しているときに、前記サーバ装置から前記仮想物体の表示デバイスを前記端末装置に切り替えるとの通知を受信すると、前記端末装置が表示デバイスであることを示す様に前記表示制御情報を更新することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項15】
端末装置の1つ以上のプロセッサが実行可能なプログラムであって、
前記1つ以上のプロセッサで実行されると、請求項1から14のいずれか1項に記載の端末装置として前記端末装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
端末装置と、表示装置と、を含むシステムであって、
前記端末装置は、
第1ディスプレイと、
撮像手段と、
仮想物体を示す仮想物体情報を保持する第1保持手段と、
前記仮想物体を前記撮像手段が撮像する撮像画像に重畳させて前記第1ディスプレイに表示しているときに、当該撮像画像において前記表示装置を検出すると、制御信号を直接、或いは、他の装置を介して前記表示装置に送信し、前記制御信号の送信後、前記仮想物体の前記第1ディスプレイへの表示を停止する処理手段と、
を有し、
前記表示装置は、
第2ディスプレイと、
前記仮想物体を示す前記仮想物体情報を保持する第2保持手段と、
前記制御信号を受信すると前記第2ディスプレイに前記仮想物体を表示する処理を行う第2処理手段と、
を有することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想物体を表示可能な端末装置、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ディスプレイにキャラクタを表示し、当該キャラクタが、あたかもユーザと会話しているかのように、キャラクタを動作させ、かつ、音声を出力する画像表示装置を開示している。特許文献1によると、画像表示装置は、キャラクタをディスプレイに表示している召喚状態と、キャラクタをディスプレイに表示せず、省電力で待機するスリープ状態と、を有する。例えば、ユーザが外出したことにより、所定時間放置されると、画像表示装置はスリープ状態に移行する。また、家の照明が点灯されたことを検出したり、人感センサが人を検知したりすることで、ユーザの帰宅を検出すると、画像表示装置は召喚状態に移行する。さらに、画像表示装置は、ネットワークに接続しており、外出先のユーザとテキストメッセージの送受信を行う機能を有する。
【0003】
また、非特許文献1は、端末装置の撮像部、加速度センサ及びジャイロセンサにより場所記述情報を生成し、生成した場所記述情報により、現実には存在しない仮想物体があたかも存在しているかの様に、撮像部が撮像している撮像画像に仮想物体を重畳させてディスプレイに表示する技術を開示している。
【0004】
非特許文献1に記載の場所記述情報の生成について簡単に説明する。場所記述情報とは、撮像部が撮像している画像から撮像部の3次元空間位置と撮像部による撮像方向とを判定できる情報である。端末装置のユーザは、場所記述情報の取得を開始すると、撮像部により画像を撮像しながら、撮像位置や、撮像方向を変化させる。端末装置は、場所記述情報の取得の間、その開始時の撮像部の位置を原点とし、加速度センサ及びジャイロセンサにより測定した加速度情報及び角速度情報に基づき、撮像部による撮像位置及び撮像方向を判定し続ける。また、端末装置は、撮像部が撮像している画像内の特徴点を求める。このとき、端末装置は、3次元空間における撮像位置及び撮像方向と、画像内の同じ特徴点の位置、つまり、特徴点のスクリーン座標を判定する。これにより、端末装置は、3次元空間内の各撮像位置及び各撮像方向において、撮像部が撮像している画像内のどの位置に各特徴点が見えるかを示す場所記述情報を生成する。よって、端末装置は、既に生成した場所記述情報と、撮像部が撮像している画像の特徴点とを比較することで、そのときの撮像部の撮像位置と撮像方向を判定することができる。なお、3次元空間の原点は、場所記述情報の取得を開始したときの位置である。また、端末装置は、既に保存している場所記述情報と、撮像部が撮像している画像の特徴点との比較により撮像位置及び撮像方向を判定すると同時に、撮像部が撮像している画像の特徴点に基づき当該既に保存している場所記述情報の更新も行う。
【0005】
なお、場所記述情報は、端末装置の位置及び撮像方向と、撮像部が撮像した画像内にある各オブジェクトの各特徴点のスクリーン座標における位置との関係を示す情報であるため、場所記述情報に基づき、各特徴点の3次元空間位置の座標を示す3次元空間情報を生成することができる。即ち、場所記述情報のうちの異なる位置及び撮像方向の組み合わせに対応する情報につき、同一の特徴点のスクリーン座標での移動を考慮することで奥行き方向の情報を得、該特徴点の3次元空間位置を導出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6165302号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Tango、[online]、[平成29年1月10日検索]、インターネット、<URL:https://get.google.com/tango/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の画像表示装置は、表示するキャラクタが常にユーザ宅内にいることを模擬するものである。一方、非特許文献1の技術により、ユーザが携帯する端末装置が撮像した画像に重畳させて、キャラクタがあたかもそこにいるかの様に、キャラクタをディスプレイに表示することができる。したがって、特許文献1に記載されている様な、ユーザとキャラクタ(仮想物体)とのインタラクティブな動作を、非特許文献1の技術により、外出先においても実現することができる。このとき、ユーザ宅内に設置された画像表示装置のディスプレイと、端末装置のディスプレイに同時にキャラクタが表示されない様に制御することが好ましい。
【0009】
本発明は、端末装置と、他の装置のディスプレイに同時に同じ仮想物体が表示されない様にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によると、端末装置は、ディスプレイと、撮像手段と、仮想物体を示す仮想物体情報を保持する保持手段と、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであるか否かを示す表示制御情報を保持し、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスであると前記表示制御情報が示している場合に前記仮想物体を前記撮像手段が撮像する撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示する処理を行うことができ、前記端末装置が前記仮想物体の表示デバイスではないと前記表示制御情報が示している場合、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示する処理を行わない処理手段と、を備えており、前記処理手段は、前記仮想物体を前記撮像画像に重畳させて前記ディスプレイに表示しているときに、当該撮像画像において、前記仮想物体を表示できる表示装置を検出すると、前記仮想物体の表示デバイスを前記端末装置から前記表示装置に切り替えるための第1制御信号を、前記仮想物体の表示デバイスを管理しているサーバ装置に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、端末装置と、他の装置のディスプレイに同時に同じ仮想物体が表示されない様にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態によるユーザ宅内のシステム構成図。
【
図2】一実施形態による端末装置を表示デバイスにするためのシーケンス図。
【
図3】一実施形態による端末装置を表示デバイスにするためのシーケンス図。
【
図4】一実施形態による画像表示装置を表示デバイスにするトリガの説明図。
【
図5】一実施形態による画像表示装置を表示デバイスにするためのシーケンス図。
【
図6】一実施形態による画像表示装置を表示デバイスにするためのシーケンス図。
【
図7】一実施形態による画像表示装置を表示デバイスにするためのシーケンス図。
【
図9】一実施形態による端末装置の制御部の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0014】
図1は、本実施形態によるユーザ宅内のシステム構成図である。端末装置10と、画像表示装置20と、サーバ装置30とは、ユーザ宅内のLAN40により相互に通信可能な様に構成される。なお、LAN40は、無線LAN、或いは、無線LAN及び有線LANにより構成される。例えば、携帯型の端末装置10は、LAN40へのアクセスに少なくとも無線LANを使用する。一方、ユーザ宅に置かれるサーバ装置30及び画像表示装置20は、LAN40へのアクセスに有線LANと無線LANのいずれかを使用できる。
【0015】
サーバ装置30は、仮想物体であるキャラクタを表示することができる表示デバイスが、端末装置10であるか、画像表示装置20であるかを示す、表示デバイス情報を保持している。さらに、サーバ装置30は、インターネットに接続している。また、サーバ装置30は、後述する様に、端末装置10と画像表示装置20との間で行う、キャラクタの表示に関する制御情報の送受信の仲介を行う。
【0016】
画像表示装置20は、ユーザ宅内に置かれ、特許文献1に記載された画像表示装置の様に、ユーザとインタラクティブな動作を行う様に、キャラクタをディスプレイに表示することができる。なお、画像表示装置20は、キャラクタをディスプレイに表示することが許可されているか否かを示す表示制御情報を保持している。画像表示装置20は、キャラクタの表示が許可されていることが表示制御情報に示されている場合にのみ、キャラクタをディスプレイに表示することができる。一方、キャラクタの表示が許可されていないことが表示制御情報に示されていると、画像表示装置20は、キャラクタをディスプレイに表示しない様に構成される。なお、画像表示装置20は、表示制御情報が表示可であっても常にキャラクタをディスプレイに表示する必要はない。しかしながら、本実施形態において、画像表示装置20は、表示制御情報が表示不可から表示可になった場合と、ユーザによる画像表示装置20に対する操作等を検出した場合には、キャラクタをディスプレイに表示するものとする。
【0017】
端末装置10は、携帯型の装置であり、LAN40を介する通信機能に加えて、例えば、移動通信網を介して通信を行う機能も有する。また、端末装置10は、画像表示装置20と同様に表示制御情報を保持している。端末装置10は、キャラクタの表示が許可されていることが表示制御情報に示されている場合にのみ、キャラクタをディスプレイに表示することができる。一方、キャラクタの表示が許可されていないことが表示制御情報に示されていると、端末装置10は、キャラクタをディスプレイに表示しない様に構成される。端末装置10も、表示制御情報が表示可であっても常にキャラクタをディスプレイに表示する必要はなく、表示するか否かはユーザの操作によるものとする。なお、端末装置10と画像表示装置20は、同じキャラクタを表示するためのキャラクタ情報を保持している。
図1の構成では、画像表示装置20とサーバ装置30とを異なる装置としているが、画像表示装置20とサーバ装置30とを同じ1つの装置とすることもできる。
【0018】
まず、表示デバイスの切り替えについて説明する。説明の初期状態として、ユーザが在宅しており、表示デバイスが画像表示装置20であるものとする。したがって、サーバ装置30が保持する表示デバイス情報は、表示デバイスが画像表示装置20であることを示している。また、画像表示装置20の表示制御情報は表示可を示し、端末装置10の表示制御情報は表示不可を示している。
【0019】
本実施形態において、キャラクタの表示デバイスを、画像表示装置20から端末装置10に切り替える第1切替条件(以下、第1トリガ)の1つは、ユーザによる画像表示装置20の操作である。例えば、ユーザが画像表示装置20に対して所定の操作を行うことが第1トリガの1つとなる。また、ユーザが、例えば、画像表示装置20に向けて外出することを示す所定の音声、例えば、「いってきます」との音声を発することも第1トリガの1つとなる。
【0020】
図2は、所定の音声を発するといったユーザ動作、又は、ユーザの画像表示装置20に対する操作に対応する第1トリガにより開始される、キャラクタの表示デバイスを、画像表示装置20から端末装置10に切り替える処理のシーケンス図である。画像表示装置20は、第1トリガを検出すると、S1で、表示デバイスを端末装置10に切り替えることを示す制御信号をサーバ装置30に送信する。以下のシーケンス図において、英文字"D"は、画像表示装置20を示し、英文字"T"は端末装置10を示し、矢印の方向は、表示デバイスの切替先を示している。サーバ装置30は、当該制御信号を受信すると、S2で、当該制御信号を端末装置10に送信する。制御信号を受信した端末装置10は、S3で、確認信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30は、S4で、この確認信号を画像表示装置20に送信する。端末装置10は、S3で、確認信号をサーバ装置30に送信すると、表示制御情報を表示不可から表示可に更新する。これにより、端末装置10は、キャラクタをディスプレイに表示することができる。また、画像表示装置20は、S4で、確認信号を受信すると、S7で、ディスプレイにキャラクタを表示することを停止し、表示制御情報を表示可から表示不可に更新する。なお、S5の処理と、S7の処理とは、可能な限り同時に行うことが好ましく、それぞれのタイミングが調整される。また、サーバ装置30は、S4で、確認信号を送信すると、S6で、表示デバイス情報を端末装置10に更新する。
【0021】
なお、
図2のシーケンスにおいて、画像表示装置20は、制御信号の送信後、その応答として確認信号を受信すると、表示制御情報を表示不可にし、端末装置10は、制御信号を受信後、その応答として確認信号を送信すると、表示制御情報を表示可に更新していた。しかしながら、確認信号を使用することなく、画像表示装置20は、制御信号を送信すると、表示制御情報を表示不可にし、端末装置10は、制御信号を受信すると、表示制御情報を表示可にする構成とすることもできる。さらに、画像表示装置20及び端末装置10が、それぞれ、表示制御情報の更新を行うと、サーバ装置30に完了信号を送信する構成とすることもできる。この場合、サーバ装置30は、画像表示装置20及び端末装置10それぞれから完了信号を受信すると、表示デバイス情報を更新する。一方、いずれかの装置から完了信号を受信しないと、エラーが生じたものとして、サーバ装置30は、画像表示装置20及び端末装置10のいずれか一方のみがキャラクタをディスプレイに表示できる様に調整処理を行う。なお、上記
図2のシーケンスの修正形態は、以下に説明する他のシーケンスについても同様に適用できる。
【0022】
表示デバイスの画像表示装置20から端末装置10への切り替えは、上述した様に、ユーザによる画像表示装置20に対する動作・操作により開始されるが、ユーザが、これら動作・操作を行うことなく外出してしまうこともあり得る。このため、端末装置10は、LAN40経由でサーバ装置30と通信できることを確認する。この確認は、端末装置10が、LAN40の無線アクセスポイントを認識(検出)できるか否かにより行うことができる。また、端末装置10が、繰り返しサーバ装置30をポーリングし、当該ポーリングの応答を受信するか否かにより行うことができる。そして、端末装置10がLAN40を介してサーバ装置30と通信できない場合において、ユーザが端末装置10に対して所定の操作又は動作を行うことも第1トリガの1つとすることができる。なお、この所定の動作は、ユーザが端末装置10に対して所定の音声を発することとすることができる。
【0023】
図3は、端末装置10がサーバ装置30とLAN40を介する通信ができない場合において、ユーザが端末装置10に対して所定の操作又は動作を行ったことに対応する第1トリガにより開始される、キャラクタの表示デバイスの切り替え処理のシーケンス図である。端末装置10は、この第1トリガが満たされると、S11で、表示デバイスを端末装置10に切り替えることを示す制御信号をサーバ装置30に送信する。なお、
図3の処理において、端末装置10とサーバ装置30との間の通信は、移動通信網及びインターネット経由で行われる。サーバ装置30は、当該制御信号を受信すると、S12で、当該制御信号を画像表示装置20に送信する。制御信号を受信した画像表示装置20は、S13で、確認信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30は、S14で、この確認信号を端末装置10に送信する。端末装置10は、S14で、確認信号をサーバ装置30から受信すると、表示制御情報を表示不可から表示可に更新する。また、画像表示装置20は、S13で、確認信号を送信すると、S15で、表示制御情報を表示可から表示不可に更新する。また、サーバ装置30は、S14で、確認信号を送信すると、S16で、表示デバイス情報を端末装置10に更新する。なお、端末装置10が、GPS等により端末装置10の位置を取得し、端末装置10の位置が画像表示装置20の設置位置から所定距離以上離れている場合において、ユーザが端末装置10に対して所定の操作又は動作を行ったことも第1トリガとすることができる。
【0024】
続いて、外出していたユーザが帰宅した際の、端末装置10から画像表示装置20への表示デバイスの切り替えについて説明する。本実施形態において、端末装置10は、少なくとも画像表示装置20が置かれた部屋内について、非特許文献1に記載の場所記述情報を生成・保持している。また、場所記述情報に従い、撮像部が撮像している画像(以下、撮像画像)の特徴点から撮像部の3次元空間(実空間)における撮像位置と撮像方向を認識している。なお、以下では、撮像部の撮像位置と撮像方向を端末装置10の位置及び方向と定義する。そして、端末装置10は、端末装置10の位置及び方向に対する所定の相対位置にキャラクタが存在しているかの様に、撮像画像にキャラクタを重畳してディスプレイ105に表示している。また、端末装置10は、画像表示装置20の3次元空間における設置位置を示す位置情報を保持している。
図4は、端末装置10の撮像部による撮像範囲を参照符号51で示し、キャラクタが位置60に存在しているかの様に、端末装置10が、そのディスプレイ105にキャラクタを表示している状態を示している。
【0025】
本実施形態において、キャラクタの表示デバイスを、端末装置10から画像表示装置20に切り替える第2切替条件(以下、第2トリガ)の1つを、
図4に示す様に、キャラクタを撮像画像に重畳させて端末装置10のディスプレイ105に表示している状態において、画像表示装置20が撮像画像内に含まれる様にするユーザの操作とする。端末装置10は、場所記述情報に従い、自装置の3次元空間における位置及び方向を認識している。さらに、上述した様に、端末装置10は、画像表示装置20の3次元空間における設置位置を示す位置情報を保持している。したがって、撮像部のカメラパラメータより、端末装置10は、撮像画像に画像表示装置20が含まれていることを検出することができる。なお、端末装置10は、キャラクタを自装置の位置及び方向に対する所定の相対位置に配置するため、キャラクタの3次元空間における配置位置も認識している。
【0026】
図5は、ユーザが、撮像画像内に画像表示装置20が含まれるように操作したことに対応する第2トリガにより開始される、キャラクタの表示デバイスを、端末装置10から画像表示装置20に切り替える処理のシーケンス図である。この第2トリガを検出すると、S21で、端末装置10は、キャラクタが画像表示装置20の方向に向かって歩く様に、ディスプレイ105に表示する。キャラクタと画像表示装置20との距離が所定値以内になると、端末装置10は、S22で、表示デバイスを画像表示装置20に切り替えることを示す制御信号をサーバ装置30に送信する。S23で、サーバ装置30は、この制御信号を画像表示装置20に送信する。制御信号を受信した画像表示装置20は、S24で、確認信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30は、S25で、確認信号を端末装置10に送信する。画像表示装置20は、S24で、確認信号をサーバ装置30に送信すると、表示制御情報を表示可に更新し、キャラクタをディスプレイに表示する。端末装置10は、S25で、確認信号を受信すると、ディスプレイにキャラクタを表示することを停止し、表示制御情報を表示不可に更新する。また、サーバ装置30は、S25で、確認信号を送信すると、表示デバイス情報を画像表示装置20に更新する。なお、端末装置10と画像表示装置20でのキャラクタの表示の連続性を高めるため、それぞれのディスプレイには、同じ大きさでキャラクタを表示することができる。或いは、ディスプレイの大きさに応じて、キャラクタの大きさを変えることもできる。
【0027】
なお、撮像画像に画像表示装置20が写ると、常に、キャラクタの表示デバイスを端末装置10から画像表示装置20に切り替えるのではなく、キャラクタの配置位置と画像表示装置20との距離が閾値距離以内になると、第2切替条件が満たされたものとしてキャラクタの表示デバイスを端末装置10から画像表示装置20に切り替える構成とすることができる。上述した様に、端末装置10は、キャラクタの3次元空間における配置位置と、画像表示装置20の設置位置を認識しているため、端末装置10は、その距離を求めることができる。
【0028】
また、S21の処理を省略し、S22から処理を開始する構成とすることができる。この場合、キャラクタを撮像画像に重畳させて端末装置10のディスプレイ105に表示している状態において撮像画像内に画像表示装置20を検出すると、キャラクタを画像表示装置20の方向に移動させることなく、端末装置10は、S22の処理を行う。なお、本実施形態では、S21の処理を自然に行うため、端末装置10に場所記述情報と、画像表示装置20の3次元空間における設置位置を示す位置情報を保持させている。よって、画像表示装置20が撮像画像に含まれているか否かの判定については、場所記述情報に基づき判定される端末装置10の位置及び方向と撮像部のカメラパラータにより行っている。しかしながら、S21の処理を省略する場合には、画像表示装置20の3次元空間における設置位置ではなく、画像マッチング技術により撮像画像内の画像表示装置20を検出する構成とできる。この場合、端末装置10には、画像マッチング技術で使用する画像情報を保持させる必要があるが、場所記述情報や画像表示装置20の3次元空間における設置位置を示す位置情報を端末装置10に保持させる必要はない。
【0029】
本実施形態においては、ユーザが在宅している際には、画像表示装置20にキャラクタを表示させることを基本とする。したがって、帰宅したユーザが、端末装置10により画像表示装置20を撮像して、端末装置10のディスプレイに画像表示装置20を表示した場合のみを第2トリガとすると、ユーザがこの操作を行わないと、キャラクタを画像表示装置20に表示させることはできない。したがって、本実施形態では、その他の第2トリガも設ける。
【0030】
第2トリガの1つは、端末装置10が、所定期間に渡り、LAN40経由でサーバ装置30と通信できることを検出したときとすることができる。例えば、端末装置10が、所定期間に渡り連続して、LAN40の無線アクセスポイントを検出した場合や、無線LAN40を介してサーバ装置30に送信したポーリングの応答を連続して所定回数だけ受信すると、この第2トリガの条件が満たされたものと端末装置10は判定することができる。なお、この場合の切替シーケンスは、
図6に示す様に、
図5のS21が省略されたものとなる。但し、
図5のS28とは異なり、
図6のS28においては、端末装置10がキャラクタを表示していた場合にのみ、キャラクタの表示の停止が行われ、端末装置10がキャラクタを表示してない場合には、表示制御情報の更新のみが行われる。なお、撮像画像に画像表示装置20を表示することによる第2トリガを優先するため、所定期間は十分に長くする。同様に、端末装置10が、GPS等により端末装置10の位置を取得し、端末装置10が、画像表示装置20の設置位置から所定距離以内にいることが所定期間だけ継続すると、
図6の処理により表示デバイスを画像表示装置20に切り替える構成とすることもできる。さらに、ユーザ宅内にビーコンの送信装置や、可聴対域外の音波を送信する送信装置を設けておき、端末装置10が、これらビーコン又は音波を所定期間に渡り検出し続けた場合に
図6の処理を開始する構成とすることもできる。ビーコン又は音波の送信装置は、例えば、サーバ装置30や画像表示装置20に設けることができる。また、端末装置10のユーザが、端末装置10に対して所定の音声を発することや、端末装置10に所定の操作を行うことも第2トリガの1つとすることができる。なお、所定の操作は、例えば、キャラクタを表示するアプリケーションをユーザが終了するための操作を含む。この場合の切替処理のシーケンスも、
図6と同じである。なお、この場合、端末装置10とサーバ装置30との間の通信は、LAN40を介するものであっても、移動通信網及びインターネットを介するものであっても良い。つまり、端末装置10に所定の操作を行ったり、端末装置10に所定の音声を検出させたりすることを第2トリガとする表示デバイスの端末装置10から画像表示装置20への切り替えは、ユーザが外出先においても行うことができる。
【0031】
さらに、ユーザが、画像表示装置20に対して所定の操作を行うことや、例えば、画像表示装置20に向けて「ただいま」といった所定音声を発することも第2トリガの1つとすることができる。
図7は、ユーザが、画像表示装置20に対して行った所定操作又は動作に対応する第2トリガにより開始される、キャラクタの表示デバイスを、端末装置10から画像表示装置20に切り替える処理のシーケンス図である。画像表示装置20は、第2トリガを検出すると、S31で、表示デバイスを画像表示装置20に切り替えることを示す制御信号をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、S32で、当該制御信号を端末装置10に送信する。制御信号を受信した端末装置10は、S33で、確認信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30は、S34で、この確認信号を画像表示装置20に送信する。端末装置10は、S33で、確認信号をサーバ装置30に送信すると、表示制御情報を表示不可に更新する。また、キャラクタをディスプレイ105に表示していた場合には、キャラクタのディスプレイ105への表示は停止する。画像表示装置20は、S44で、確認信号を受信すると、S37で、表示制御情報を表示可に更新し、ディスプレイにキャラクタを表示する。また、サーバ装置30は、S44で、確認信号を送信すると、S46で、表示デバイス情報を画像表示装置20に更新する。
【0032】
なお、
図7の処理において、例えば、端末装置10の電源がONではないと確認信号が送信されず、よって、画像表示装置20にキャラタを表示することができない。このため、
図7の処理において、サーバ装置30は、端末装置10から確認信号を受信しない場合であっても、S34で、確認信号を画像表示装置20に送信する構成とすることができる。また、端末装置10に電源を投入したときや、端末装置10においてキャラクタを表示するアプリケーションを起動したときには、端末装置10がサーバ装置30に自装置が表示デバイスであるかを問い合わせる様に端末装置10を構成する。そして問い合わせ結果に応じて端末装置10は、表示制御情報を更新する様に端末装置10を構成する。この構成により、端末装置10と画像表示装置20が同時にキャラクタをディスプレイに表示することを防ぐことができる。
【0033】
なお、上記説明において画像表示装置20は1つであった。しかしながら、複数の画像表示装置20をユーザ宅内に設けることもできる。以下では、複数の画像表示装置20をユーザ宅内に設けた場合について説明する。複数の画像表示装置20が設けられている場合であっても、サーバ装置30は、複数の画像表示装置20と端末装置10のいずれか1つを表示デバイスとして管理する。また、端末装置10及びサーバ装置30には、複数の画像表示装置20それぞれについて、3次元空間における設置位置を示す位置情報が格納される。なお、サーバ装置30と画像表示装置20を1つの装置とする場合において、複数の画像表示装置20を設ける場合、そのうちの1つの画像表示装置20のみがサーバ装置30を有するものとする。
【0034】
例えば、ユーザが帰宅し、端末装置10のディスプレイにキャラクタを表示しているときに、撮像画像に複数の画像表示装置20の1つの画像表示装置20を含めると、当該画像表示装置20が表示デバイスになる。なお、この場合には、複数の画像表示装置20から端末装置10がディスプレイ105に表示した画像表示装置20を特定するために、端末装置10は、
図5のS22において、ディスプレイ105に表示した画像表示装置20の位置情報を含める。そして、
図5のS23において、サーバ装置30は、端末装置10からの制御信号に含まれる位置情報に対応する画像表示装置20にのみ制御信号を送信する。なお、端末装置10に、各画像表示装置20の位置情報と識別子を関連付けて保存しておき、端末装置10は、
図5のS22において、ディスプレイに表示した画像表示装置20の識別子を含める構成とすることもできる。この場合、サーバ装置30は、複数の画像表示装置20それぞれの識別子のみを保持し、
図5のS23においては、端末装置10からの制御信号に含まれる識別子に対応する画像表示装置20にのみ制御信号を送信する。なお、端末装置10のディスプレイに2つ以上の画像表示装置20が表示された場合には、端末装置10は、端末装置10との距離が最も近い画像表示装置20を選択して、選択した画像表示装置20の位置情報又は識別子をS22で送信する制御信号に含める。或いは、ディスプレイ105に表示しているキャラクタの3次元空間における配置位置に最も近い画像表示装置20を選択する構成とすることもできる。この様に、画像表示装置20が複数あると、端末装置10は、
図5のS22で送信する制御信号には、表示デバイスとする画像表示装置20を特定する情報を含める。
【0035】
また、端末装置10に対するユーザ操作・動作や、端末装置10がLAN40経由でサーバ装置30と所定期間に渡り通信できることを検出したことにより、表示デバイスを画像表示装置20に切り替える場合には、サーバ装置30が表示デバイスとする画像表示装置20を選択する。したがって、この場合、端末装置10がS22で送信する制御信号は、端末装置10が表示デバイスではなくなることを示すのみであり、表示デバイスとなるべき画像表示装置20は制御信号により特定されない。なお、サーバ装置30が表示デバイスとして選択する画像表示装置20は、予めサーバ装置30に設定しておくことができる。また、画像表示装置20に人感センサを設け、画像表示装置20は、この人感センサによる検出結果をサーバ装置30に通知する様にしておき、サーバ装置30は、人を検出している画像表示装置20から任意、或いは、予め設定された優先度に従い、1つの画像表示装置20を表示デバイスとして選択することができる。なお、
図7に示す様に、画像表示装置20を操作することで表示デバイスを端末装置10から画像表示装置20に切り替える場合には、操作された画像表示装置20が表示デバイスとなる。
【0036】
図8は、端末装置10の概略的な構成図である。端末装置10は、例えば、スマートフォンといった携帯型の通信装置である。スピーカ101は、制御部100から出力する音声信号を音声に変換する。マイク102は、音声を音声信号に変換して制御部100に出力する。撮像部103は、レンズ及びCCDセンサを有し画像情報を取得して制御部100に出力する。GPS処理部104は、GPS衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づき、緯度、経度、高度を含む位置情報を制御部100に出力する。なお、GPS衛星ではなく、準天頂衛星の様な、他の測位システムの衛星からの信号に基づき位置情報を出力する構成であっても良い。ディスプレイ105は、本実施形態では、タッチセンシティブディスプレイであり、ユーザへの情報の提示に加え、ユーザ操作の入力部としても機能する。なお、ディスプレイがタッチセンシティブディスプレイではない場合、別に、入力部を設ける。深さセンサ106は、オブジェクトまでの距離(深さ)を測定して測定結果を深さ情報として制御部100に出力する。通信部107は、移動通信網や無線LAN等を介した通信処理を行う。地磁気センサ108は、地磁気を検出して端末の基準方向の現在の方位を示す方位情報を制御部100に出力する。加速度センサ109は、加速度を検出して加速度情報を制御部100に出力する。ジャイロセンサ110は、角速度を検出して角速度情報を制御部100に出力する。
【0037】
制御部100は、端末装置全体の制御部であり、1つ以上のプロセッサとメモリ部と、を備えている。なお、メモリ部は、プロセッサが一時的なデータの保存用として使用するRAMや、プロセッサが実行するオペレーティングシステム及びアプリケーションと、電源断となっても保持すべきデータとが格納されるフラッシュメモリを有する。
【0038】
図9は、本実施形態による制御部100の機能ブロック図である。場所記述情報生成部1001は、場所記述情報を生成して保存する。場所記述情報とは、例えば、非特許文献1に記載されている様に、撮像部103が撮像している撮像画像を示す画像情報から生成され、端末装置10の3次元空間位置及び方向を判定するための情報である。情報保持部1003は、ディスプレイ105に表示するキャラクタの3次元モデルデータと、当該キャラクタの動作を規定するモーションデータと、を含んでいる。
【0039】
画像認識部1004は、画像表示装置20の3次元空間における設置位置を示す位置情報を保持し、撮像画像と場所記述情報とに基づき、撮像画像に画像表示装置20が含まれているか否かを判定する。また、撮像画像に画像表示装置20が含まれていると、表示処理部1002にその旨を通知する。なお、撮像画像に複数の画像表示装置20が含まれていると、例えば、最も近い画像表示装置20の位置情報を表示処理部1002に通知する。また、判定部1005は、表示デバイスを端末装置10又は画像表示装置20に切り替えるユーザ操作や所定の音声を検出すると、表示処理部1002にその旨を通知する。通信処理部1006は、通信部107を介してサーバ装置30との通信処理を行う。なお、通信処理部1006は、LAN40経由でサーバ装置30と通信できないことや、所定期間に渡り通信できることを検出して、検出結果を表示処理部1002に通知する。
【0040】
表示処理部1002は、表示制御情報を管理している。表示制御情報が、自装置が表示デバイスであることを示していると、表示処理部1002は、撮像画像にキャラクタを表示してディスプレイ105に表示する制御を行うことができる。一方、表示制御情報が、自装置が表示デバイスではないと示していると、表示処理部1002は、キャラクタをディスプレイ105に表示する制御を行わない。表示処理部1002は、自装置が表示デバイスであり、撮像画像にキャラクタを重畳させてディスプレイ105に表示しているときに、画像認識部1004から、撮像画像に画像表示装置20が含まれているとの通知を受けると、
図5のS21の処理を開始する。そして、ディスプレイ105に表示しているキャラクタと画像表示装置20との距離が所定値以内になると、通信処理部1006にその旨を通知してS22の処理を開始させる。通信処理部1006は、S24で確認信号を受信すると、表示処理部1002に確認信号の受信を通知する。表示処理部102は、確認信号の受信の通知を受けると、キャラクタの表示を停止し、表示制御情報を更新する。
【0041】
同様に、表示処理部102は、自装置が表示デバイスであるときに、判定部1005から、表示デバイスを画像表示装置20に切り替えるユーザ操作や所定の音声を検出したとの通知を受けると、通信処理部1006にその旨を通知し、制御信号をサーバ装置30に送信させる。そして、表示処理部102は、通信処理部1006から確認信号の受信の通知を受けると表示制御情報を更新する。また、表示処理部102は、自装置が表示デバイスではなく、かつ、通信処理部1006からLAN40経由でサーバ装置30と通信できないとの通知を受けている際に、判定部1005から、表示デバイスを端末装置10に切り替えるユーザ操作や所定の音声を検出したとの通知を受けると、通信処理部1006にその旨を通知し、制御信号をサーバ装置30に送信させる。そして、表示処理部102は、通信処理部1006から確認信号の受信の通知を受けると自装置を表示デバイスとして表示制御情報を更新する。さらに、表示処理部1002は、通信処理部1006から制御信号を受信したことの通知を受けると、当該制御信号に示された切替後の表示デバイスの内容に応じて、表示制御情報を更新する。
【0042】
図10は、画像表示装置20の構成図である。情報保持部201は、ディスプレイ203に表示するキャラクタの3次元モデルデータと、当該キャラクタの動作を規定するモーションデータと、を含んでいる。通信部204は、LAN40を介する通信処理を行う。処理部202は、表示制御情報を管理し、表示制御情報に従いキャラクタをディスプレイ203に表示する。また、処理部202は、上述したシーケンスに従う処理を行う。
【0043】
図11は、サーバ装置30の構成図である。情報保持部201は、表示デバイス情報を保持している。第1通信部303はLAN40を介する通信処理を行い、第2通信部304は、インターネットを介する通信処理を行う。処理部302は、上述したシーケンスに従う処理を行う。
【0044】
なお、本発明は、プログラムにより実現することができる。当該プログラムは、1つ以上のプロセッサを有する端末装置の、当該1つ以上のプロセッサで実行可能なものであり、当該1つ以上のプロセッサは当該プログラムを実行すると、当該端末装置を上記端末装置として動作させる。これらコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶されて、又は、ネットワーク経由で配布が可能なものである。
【符号の説明】
【0045】
105:ディスプレイ、103:撮像部、1001:場所記述情報生成部、1003:情報保持部、1002:表示処理部、1004:画像認識部、1006:通信処理部