特許第6698688号(P6698688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6698688第1のチューブ状のコンポーネントと第2のコンポーネントの恒久的な接合のための溶接アッセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698688
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】第1のチューブ状のコンポーネントと第2のコンポーネントの恒久的な接合のための溶接アッセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B23K 37/02 20060101AFI20200518BHJP
   B23K 9/028 20060101ALI20200518BHJP
   B23K 9/032 20060101ALI20200518BHJP
   B23K 9/127 20060101ALI20200518BHJP
   B25J 9/10 20060101ALI20200518BHJP
   B23K 9/00 20060101ALN20200518BHJP
【FI】
   B23K37/02 E
   B23K37/02 301Z
   B23K9/028 L
   B23K9/032 B
   B23K9/127 501A
   B25J9/10 A
   !B23K9/00 501G
【請求項の数】17
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-550826(P2017-550826)
(86)(22)【出願日】2016年3月16日
(65)【公表番号】特表2018-512283(P2018-512283A)
(43)【公表日】2018年5月17日
(86)【国際出願番号】EP2016055623
(87)【国際公開番号】WO2016156039
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2018年11月5日
(31)【優先権主張番号】102015206044.6
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500242786
【氏名又は名称】フラウンホファー ゲセルシャフト ツール フェールデルンク ダー アンゲヴァンテン フォルシュンク エー.ファオ.
(73)【特許権者】
【識別番号】516135302
【氏名又は名称】ウニベルジテート ロストック
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,マルティン クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ドリバ,ステフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェイデマン,ビジョルン
(72)【発明者】
【氏名】ハーメル,アンドレ
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−001328(JP,A)
【文献】 特開昭57−052566(JP,A)
【文献】 特開2014−144467(JP,A)
【文献】 特開平10−328828(JP,A)
【文献】 特開昭59−150675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 37/02
B23K 9/028
B23K 9/032
B23K 9/127
B25J 9/10
B23K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元又は3次元の交差曲線(3)に沿って、ューブ状の第1のコンポーネント(1)を第2のコンポーネント(2)と恒久的に接合するための溶接アッセンブリであって、両方のコンポーネント(1、2)が、前記交差曲線(3)に沿って接触しており、前記溶接アッセンブリは、前記交差曲線(3)から離れる方を向く、前記第1のコンポーネントのチューブ状の端部に取り外し可能にしっかりと接合するための固定アッセンブリ(5)と、前記第1のコンポーネント(1)に割り当てられたチューブ長手方向軸線(1R)の周りで枢動することができるように前記固定アッセンブリ(5)に間接的に又は直接的に装着されたマニピュレーターユニット(7)であって、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部を有する、マニピュレーターユニット(7)と、前記自由に位置決め可能なマニピュレーター端部に取り付けられている溶接ツール(6)とを備え、前記固定アッセンブリ(5)は、クランピングモジュール(5.2)とキャリアリングモジュール(5.1)とを含み、前記クランピングモジュール(5.2)は、前記端部側において軸線方向に、前記第1のコンポーネント(1)の前記チューブ状の端部の中へ少なくとも部分的に導入可能であり、前記クランピングモジュールは、前記第1のチューブ状のコンポーネントに割り当てられたチューブ内側壁部(1i)に取り外し可能にしっかりと接合するように設計されており、前記キャリアリングモジュール(5.1)は、前記クランピングモジュール(5.2)に回転可能に取り付けられており、前記キャリアリングモジュール(5.1)は、前記クランピングモジュール(5.2)の接合された状態で、前記第1のコンポーネント(1)の前記チューブ状の端部を越えて軸線方向に延在しており、前記キャリアリングモジュール(5.1)は、前記チューブ長手方向軸線(1R)の周りに前記キャリアリングモジュール(5.1)を回転駆動するように、サーボモーター(32)と動作可能に接続されており、前記キャリアリングモジュール(5.1)が、前記チューブ長手方向軸線(1R)の周りに連続的に回転することができるように装着されるようになっており、少なくとも一つのリニアフレーム(8)は、前記キャリアリングモジュール(5.1)に取り付けられており、前記リニアフレームは、アクチュエーター(38)によって、双方向に、及び、前記チューブ長手方向軸線(1R)に平行に移動され得るように装着されている、溶接アッセンブリにおいて、
前記マニピュレーターユニット(7)は、垂直多関節ロボットの形態の6軸のオープンキネティックチェーンであり、前記リニアフレーム(8)の一方の端部に取り付けられており、
供給モジュールが設けられており、前記供給モジュールには、
制御ユニット、電気エネルギー供給ユニット、並びに溶接ワイヤー及びプロセスガスを含む、溶接プロセスに関連する材料のための少なくとも一つの貯蔵部、のうちの少なくとも一つのコンポーネントが取り付けられており、
前記少なくとも一つのコンポーネントは、接続ラインを介して前記溶接ツールに接続されており、
前記供給モジュールは、前記チューブ長手方向軸線の周りでの前記溶接ツールの移動と同時に、回転運動を実施するように回転可能に装着されており、これにより、前記チューブ長手方向軸線の周りでの前記溶接ツールの無限の回転を許容し、
前記供給モジュールは、少なくとも一つの平面に沿って自由に位置決め可能となるように、前記溶接アッセンブリから分離して構築されているサポート構造体に関節式に接続されているか、又は、前記供給モジュールは、回転方向に固定された態様で、前記キャリアリングモジュールに接続され
前記溶接アッセンブリから分離して構築されている前記供給モジュールは、サスペンションシステムを介して関節式に別個のサポート構造体に接続されており、垂直方向の位置決め及び水平方向の位置決め、並びに前記垂直方向の軸線の周りの前記供給モジュールの回転の両方が可能であるようになっていることを特徴とする、溶接アッセンブリ。
【請求項2】
前記クランピングモジュール(5.2)は、サポートプラットフォーム(12)を有しており、前記サポートプラットフォーム(12)は、前記サポートプラットフォーム(12)に割り当てられた支持平面(16)に沿って、前記第1のコンポーネント(1)のチューブ状の軸線方向正面端部に直接的に又は間接的に支持されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項3】
少なくとも三つの摩擦エレメントアッセンブリ(20)が、前記サポートプラットフォーム(12)に直接的に又は間接的に配置されており、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)のそれぞれが、軸線(A)に対して少なくとも半径方向に移動可能であり、前記軸線(A)は、前記支持平面(16)に直交して配向されており、前記軸線(A)は、前記クランピングモジュール(5.2)が前記接合された状態のときに、前記第1のコンポーネント(1)の前記チューブ長手方向軸線(1R)と一致しており、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)は、前記軸線(A)の周りに等距離に配置されており、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)は、アクチュエーターによって第1の位置から第2の位置へシフト可能であり、前記第1の位置では、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)が、それぞれ、前記軸線(A)から径方向の第1の距離にあり、前記第2の位置では、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)がそれぞれ、前記軸線(A)から、前記第1の距離よりも大きい第2の距離にあり、それにより、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)が、前記チューブ内側壁部(1i)との摩擦による係止接続またはその係止接続の解除が可能であることを特徴とする、請求項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項4】
前記サポートプラットフォーム(12)は、下面を有しており、前記下面は、前記第1のコンポーネント(1)の方に向けることが可能であり、前記下面に、少なくとも三つのクッショニングエレメント(14)が、前記軸線(A)の周りに等距離に配置され、前記少なくとも三つのクッショニングエレメント(14)のそれぞれが、半径方向に延在しており、前記半径方向の延在の少なくとも一部分に沿って、電気絶縁エレメント(15)が取り付けられており、
前記少なくとも三つのクッショニングエレメント(14)に割り当てられた前記電気絶縁エレメント(15)が、前記支持平面(16)に広がっていることを特徴とする、請求項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも三つの摩擦エレメントアッセンブリ(20)は、前記サポートプラットフォーム(12)に直接的に又は間接的に取り付けられているリニアガイドレール(21)をそれぞれ有しており、前記リニアガイドレールに沿って、チューブ内側壁部(1i)に係合可能な摩擦エレメント(10)を有する少なくとも一つのキャリッジ(22)が、双方向に変位可能であるように装着されており、
前記少なくとも三つの摩擦エレメントアッセンブリ(20)の前記キャリッジ(22)は、共通のアクチュエーターユニットを備えたカップリングリンク(23)を介してそれぞれ動作可能に接続されており、前記共通のアクチュエーターユニットは、前記サポートプラットフォーム(12)に支えられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項6】
前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)の前記リニアガイドレール(21)は、軸線方向の投影で、前記軸線(A)に対して半径方向に前記サポートプラットフォーム(12)に向けて配向されるとともに、前記支持平面(16)に対して傾斜するように配置されており、前記クランピングモジュール(5.2)が前記接合された状態にあるときに、前記クランピングモジュール(5.2)を軸線方向に固定する、半径方向に作用する保持力、及び、前記クランピングモジュール(5.2)を前記第1のコンポーネント(1)に向けて引っ張る、軸線方向に作用する引張力の両方が、前記摩擦エレメント(10)と前記チューブ内側壁部(1i)との間で作用するようになっていることを特徴とする、請求項5に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項7】
前記リニアガイドレール(21)は、前記支持平面に対して角度αでそれぞれの傾斜しており、ここで、角度αは、0°<α≦10°であることを特徴とする、請求項6に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項8】
前記共通のアクチュエーターユニットは、前記軸線(A)に沿って配向されている効果的な作動方向を有するリニアアクチュエーターであり、前記軸線(A)に沿って、双方向に変位可能なレメント(24)が設けられており、前記レメント(24)は、前記摩擦エレメントアッセンブリ(20)の前記カップリングリンク(23)に動作可能に接続されていることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項9】
機械的なエネルギー貯蔵ユニット(30)は、前記リニアアクチュエーターの動作方向に沿って、前記リニアアクチュエーターに動作可能に接続されており、少なくとも、前記クランピングモジュール(5.2)を前記第1のコンポーネント(1)に向けて軸線方向に引っ張る前記軸線方向に作用する引張力を支持する力を及ぼすことができることを特徴とする、請求項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項10】
前記リニアアクチュエーターは、駆動モーター(26)を有しており、前記駆動モーター(26)は、前記機械的なエネルギー貯蔵ユニット(30)を介して前記サポートプラットフォーム(12)に動作可能に接続されており、
前記駆動モーター(26)は、軸線(A)に沿って配向されたスピンドル(25)に接続されており、前記スピンドル(25)は、スピンドルナット(24)に係合しており、前記スピンドルナット(24)は、前記少なくとも三つの摩擦エレメントアッセンブリ(20)の前記カップリングリンク(23)に接続されていることを特徴とする、請求項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項11】
前記機械的なエネルギー貯蔵ユニット(30)は、前記駆動モーター(26)と前記サポートプラットフォーム(12)との間に配置されているスプリングアッセンブリであり、
前記駆動モーター(26)は、前記サポートプラットフォーム(12)に対して前記軸線方向に移動可能であるように装着されており、前記クランピングモジュール(5.2)が前記接合された状態にあるときに、前記スプリングアッセンブリ(30)が、前記アクチュエーターの動作可能方向の方向に引張力を及ぼすようになっていることを特徴とする、請求項10に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項12】
前記クランピングモジュール(5.2)を越えて軸線方向に突出するフレーム構造体が、前記サポートプラットフォーム(12)に配置されており、少なくとも三つのガイドローラー(11)が、前記サポートプラットフォーム(12)を挟んで、キャリアリングモジュール(5.1)とは反対側で、前記フレーム構造体の端部に取り付けられており、前記ガイドローラーは、前記第1のチューブ状のコンポーネント(1)の中への前記クランピングモジュール(5.2)の信頼性の高い導入を支援することを特徴とする、請求項2から11のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項13】
前記キャリアリングモジュール(5.1)は、少なくとも一つのキャリアリング(34.2)を有しており、前記少なくとも一つのキャリアリング(34.2)は、前記サポートプラットフォーム(12)に接続され、前記軸線(A)の周りに回転不能になっており、前記キャリアリング(34.2)の内側のリングに、内側リング(31)が、前記キャリアリング(34.2)に対して回転可能となるように設けられ、前記キャリアリング(34.2)に固定して設けられている前記サーボモーター(32)に直接的又は間接的に係合していることを特徴とする、請求項2から12のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも一つのリニアフレーム(8)は、前記キャリアリングモジュール(5.1)に半径方向外向きに取り付けられており、前記キャリアリングモジュールとともに、前記チューブ長手方向軸線(1R)の周りで回転可能であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項15】
溶接によって充填されることとなる前記交差曲線に沿って、中間スペース又は溝状の凹部の形状及び/又はサイズの非接触式の検出のために、前記マニピュレーターユニット(7)の前記自由に位置決め可能なマニピュレーター端部にセンサーユニット(54)が設けられていることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項16】
スリップリングカップリングが、前記溶接アッセンブリから分離して構築されている前記供給モジュールに設けられており、ネルギー供給源、及び、外部ケーブルフィードが前記供給モジュールに連結されることを確保していることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の溶接アッセンブリ。
【請求項17】
流体密封のスリップリングカップリングが、前記溶接アッセンブリから分離して構築されている前記供給モジュールに設けられており、外部プロセスガスフィードが、それに連結されていることを特徴とする、請求項16に記載の溶接アッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元又は3次元の交差曲線に沿って、第1のチューブ状のコンポーネントを第2のコンポーネントと恒久的に接合するための溶接アッセンブリであって、両方のコンポーネントが、交差曲線に沿って接触しており、溶接アッセンブリは、交差曲線から離れる方を向く、第1のコンポーネントのチューブ状の端部に取り外し可能にしっかりと接合するための固定アッセンブリと、第1のコンポーネントに割り当てられたチューブ長手方向軸線の周りで枢動することができるように固定アッセンブリに間接的に又は直接的に装着されたマニピュレーターユニットであって、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部を有する、マニピュレーターユニットと、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部に取り付けられている溶接ツールとを備える、溶接アッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
再生可能なエネルギー供給源の開発によって、洋上風力タービンへの要求が高まっているが、洋上風力タービンは、ジャケット、トライパイル、又はトライポッドの形態の資源節約型の基礎構造体によって、海底の上又は中にしっかりと着底させなければならず、それらの基礎構造体はいずれも、交差するチューブから構成される構造用鋼接続エレメントのようなチューブジョイントを備える構造用鋼チューブ構成によって特徴付けられている。X構成、Y構成、K構成、及びダブルK構成において、さまざまなチューブジョイントが、さまざまな基礎構造体タイプに応じて使用されている。この設計では、チューブジョイントコネクターは、接続角度、チューブコネクターの位置決め、構造用鋼チューブ厚さ、及び直径の点で異なっており、その結果として、同じフレームワーク構造体の中でも非常に多数の異なるジョイントタイプが使用され得る。二つの構造用鋼チューブが接続されているときに(通常、チューブコネクターが、より大きい直径を有するベースチューブに接続されることになる)、問題となる寸法は、一般的に、接合が溶接によって行われることを必要とする。この場合、溶接シームが正しく準備されるということ、及び、二つのチューブコンポーネントが互いに接する3次元の交差曲線に沿って二つのコンポーネントが可能な限り正確に接合されるということは、溶接シームの品質及び寸法公差にとって重要である。
【0003】
接合されることとなるパーツの大きい寸法及び重量に起因して、溶接シーム準備と、チューブジョイントコネクターを溶接によって接合するプロセスの両方は、手動で実施されることが最も多く、したがって、製造は、非常に時間がかかり、非効率的で、且つ高価である。そのような種類のチューブジョイントを作製するために溶接ロボットを使用することは、単一の自動化された万能型の溶接アッセンブリで多数の異なるチューブを接続することがこれまで不可能であったため、実行できていない。
【0004】
これに関して、DE3313230A1は、より大きいベースチューブエレメントにチューブコネクターを自動溶接するための方法及びデバイスを開示しており、ベースチューブエレメントは、回転可能に装着されている。チューブエレメントがベースチューブに仮付けされたときに、チューブコネクターの長手方向軸線の周りで回転可能となるように関節式に接続された溶接アームアッセンブリを有する固定アッセンブリが、チューブコネクターに取り付けられており、この溶接アームアッセンブリはまた、チューブ長手方向軸線の軸線の周りの回転方向だけでなく、軸線方向で両方向に変位可能であるため、溶接ツールを3次元の交差曲線に沿って精密に移動させることができる。しかし、チューブコネクターに取り付けるための公知の溶接アッセンブリの寸法を考えると、この溶接アッセンブリは、互いに対して直交して配向されたチューブ軸線を有するベースチューブセクションにチューブコネクターを接合することにのみ適している。
【0005】
ベースチューブセクションの回転可能な位置決めに起因して、溶接プロセスは、常に「下向き位置」において実施され、可能な限り最も速い溶接速度、及び、非常に高い溶接品質が実現され得るようになっているという事実の利点を、公知のデバイスは活かすが、とりわけ洋上プラットフォームを製造するときに、操作されることとなるチューブジョイントが、30トン以上の合計重量を有しており、チューブは、典型的には、約1メートルから3メートルの直径で、最大10メートルの長さを有するとすると、接合されることとなるチューブコンポーネントを取り扱うことが、コンポーネントのサイズ及び重量によって制限されるという点において、それは不利益も伴う。そのうえ、チューブコネクターのチューブ長手方向軸線が、ベースチューブのチューブ長手方向軸線に対して、90°未満の角度で、好ましくは、45°未満の角度で位置合わせされているというチューブ角度配置を有するチューブジョイントは、溶接ツールが、半径方向に突き出ている構成に起因して、溶接されることとなるチューブコネクターのチューブ長手方向軸線の周りで360°回転することができないことから、空間的な問題を提示する。
【0006】
チューブ長手方向の軸線が互いに対して直交して配向されている二つのチューブ状のコンポーネントを接合させるための、非常に類似した溶接アッセンブリが、以下の文献、EP0060382A1、EP1811047A1、JP60203370A、DE102009043021B3、DE3005153A1、及びEP0133411A1に開示されている。
【0007】
特許明細書DE102011118615A1は、ベースチューブセクションに沿ってチューブコネクターを溶接するためのデバイスを記載しており、そのチューブ軸線同士は、鋭角を形成している。3次元の交差曲線に沿って両方のチューブパーツを溶接するために、リニア軸線の上で双方向に変位可能な溶接ロボットが装着されているが、このロボットは、また、交差曲線の部分的なセクションだけに働くことができる。溶接が完了することを可能にするために、そのような種類の少なくとも二つの、好ましくは、三つの溶接ロボットが、互いに接合されることとなるチューブコンポーネントの周りに配置されなければならない。
【0008】
特許明細書EP2311595A1は、共通の交差曲線に沿って二つのワークピースを接続するためのサブマージアーク溶接デバイスを記載しており、この溶接デバイスは、溶接ワイヤーフィード及びコントローラーなどのような、溶接プロセスのために必要とされるコンポーネントとともに、プラットフォームに装着されており、また、溶接シーム全体に沿って溶接するために、溶接ツールが回転する軸線の周りで溶接ツールとともに回転可能となるように配置されている。アッセンブリは、二つのチューブパーツを溶接するのに適切であり、そのチューブ長手方向の軸線が互いに対して垂直方向に配向されている。
【0009】
上記に説明されている溶接アッセンブリと同様の溶接アッセンブリが、特許明細書EP0049037A1に開示されており、これは、二つのチューブパーツの間に溶接されたジョイントを生成させることができ、そのチューブ長手方向の軸線は、互いに対して直交している。溶接アッセンブリは、より小さいチューブパーツに、固定して、しかし、取り外し可能に装着されており、より小さいチューブパーツは、より大きい直径を有するチューブパーツに対して垂直方向に配向されており、溶接アッセンブリは、チューブ長手方向軸線の周りで回転することができ、一方、垂直方向に下降可能な溶接ノズルが、二つのチューブパーツの間のギャップを閉じることができる。同様に、このケースでは、溶接プロセスを実施するために必要とされるコンポーネントのすべては、回転可能に装着されている溶接アッセンブリに配置されている。
【0010】
特許明細書JP57195583Aは、チューブコネクターをメインチューブに溶接するための溶接アッセンブリを記載しており、メインチューブは、水平方向の軸線の周りで回転可能となるように装着されている。溶接アッセンブリは、チューブコネクターの端部に締結されており、溶接ツールを含み、溶接ツールは、チューブコネクターの長手方向軸線の周りで回転方向にガイド可能であり、溶接ツールは、メインチューブがその水平方向に位置合わせされたチューブ長手方向軸線の周りで回転しながら、溶接部が溶接シームに沿って生成されるときに、溶接部の垂直方向に上方の位置に恒久的に維持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の根底にある目的は、2次元又は3次元の交差曲線に沿って、第1のチューブ状のコンポーネントを、第2のコンポーネント、好ましくは、同様にチューブ状のコンポーネントと恒久的に接合するための溶接アッセンブリであって、両方のコンポーネントが、交差曲線に沿って接触しており、溶接アッセンブリは、交差曲線から離れる方を向く、第1のコンポーネントのチューブ状の端部に取り外し可能にしっかりと接合するための固定アッセンブリと、第1のコンポーネントに割り当てられたチューブ長手方向軸線の周りで枢動することができるように固定アッセンブリに直接的に又は間接的に装着されたマニピュレーターユニットであって、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部を有する、マニピュレーターユニットと、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部に取り付けられている溶接ツールであって、溶接アッセンブリが、可能な限りフレキシブル、コンパクト、且つ軽量であり、とりわけ、接合されることとなるパーツが別個のサポートを有することを必要とすることなく、チューブジョイントを現場で作り出すように、溶接タスクを実施することができるようになっている、溶接ツールとを含む、溶接アッセンブリを改善することである。とりわけ、少なくとも一つのチューブコネクターを有する任意の種類のチューブジョイントの連結部(constellation)を溶接することが可能であるべきであり、そのチューブ長手方向軸線は、ベースチューブセクションのチューブ長手方向軸線に対して、45°以下の鋭角を形成している。また、溶接アッセンブリは、少なくとも一つの溶接ツールが、チューブコネクターのチューブ長手方向軸線の周りを少なくとも360°回転すること、好ましくは、多くの場合、チューブ長手方向軸線の周りを無限に回転することを可能にするべきであり、それにより、周囲のチューブ壁部エリアとの衝突のリスクなしに、交差曲線に沿って、少なくとも一つの完全に途切れのない均質な溶接シームを生成することを可能にする。また、チューブ長手方向軸線の周りでの溶接ツールの無制限の回転は、最大数センチメートルの厚さがあり、それに対応して大きい溶接シーム充填容積を有する大きい壁部厚さを互いに溶接することを可能にするべきである。この場合、溶接シーム充填容積は、溶接シームの上の無制限の数のパスから、複数の単一「溶接ビード」によって完全に充填されるべきである。さらに、溶接アッセンブリは、異なるチューブ直径を有するチューブコネクターに対する追加的な取付けなしに、しっかりとしているが取り外し可能に取り付け可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の根底にある目的に対する解決策は、請求項1に規定されている。有利な改良例は、各従属請求項に記載されており、また、図を参照して、本説明の中に記載されている。
【0013】
本解決策によれば、2次元又は3次元の交差曲線に沿って、第1のチューブ状のコンポーネントを第2のコンポーネントに恒久的に接合するための溶接アッセンブリであって、二つのコンポーネントが、交差曲線に沿って互いに接触しており、溶接アッセンブリが、請求項1のプリアンブルの特徴を有する溶接アッセンブリは、マニピュレーターユニットが、垂直多関節ロボットの形態の6軸のオープンキネティックチェーン(6−axis open kinematic chain)であり、フレームの一方の端部に取り付けられていることを特徴とする。それに加えて、供給モジュールが設けられており、供給モジュールは、制御ユニット、電気エネルギー供給ユニット、並びに溶接ワイヤー及びプロセスガスを含む、溶接プロセスに関連する材料のための少なくとも一つの貯蔵部、のうちの少なくとも一つのコンポーネントが取り付けられている。上述のコンポーネントのうちの少なくとも一つは、接続ラインを介して溶接ツールに接続されており、供給モジュールは、チューブ長手方向軸線の周りでの溶接ツールの移動と同時に、回転運動を実施することができるように回転可能に装着されており、これにより、チューブ長手方向軸線の周りでの溶接ツールの無限の回転を許容する。供給モジュールは、少なくとも一つの平面に沿って自由に位置決め可能となるように、溶接アッセンブリから分離して構築されているサポート構造体に関節式に取り付けられているか、又は、供給モジュールは、キャリアリングモジュールに接続されているかのいずれかであることが可能である。
【0014】
「マニピュレーターユニット」という用語は、関節によって接続されている剛体の本体部から構成されるシステムを提供する運動学的連鎖を意味するように理解される。関節は、異なる自由度を有することが可能である。関節は、少なくとも一つの回転軸線を有する回転式関節として、又は、プッシュプル関節として構築され得る。溶接アッセンブリのケースにおいて、運動学的連鎖は、垂直多関節ロボットの形態の6軸のオープンキネティックチェーンとして現実化される。
【0015】
溶接アッセンブリの固定アッセンブリは、チューブ状の第1のコンポーネントに完全に支持されている。この目的のために、固定アッセンブリに割り当てられたクランピングモジュールの正面は、第1のチューブ状のコンポーネントの中に軸線方向に挿入され、第1のチューブ状のコンポーネントは、一方の側において開口している。その後、クランピングモジュールが半径方向に広げられると、固定アッセンブリは、チューブ内側壁部と、軸線方向にはしっかりとした、回転方向には固定された非確動的(non−positively)及び摩擦的係止接続を形成する。したがって、クランピングモジュールは、半径方向に変位可能である摩擦エレメントを介して、第1のチューブ状のコンポーネントのチューブ内側壁部と動作可能に接続し、個々の摩擦エレメントの半径方向の延長は、さまざまな程度に実施可能であり、摩擦エレメントを半径方向に延在させるアクチュエーターによって駆動されるレバーメカニズムの設計及び寸法決めにしたがって、同じクランピングモジュールが、最大1メートルも互いに異なり得る内側チューブ直径を有するチューブ状のコンポーネントに締結するために使用され得るようになっている。
【0016】
好適な実施形態では、固定アッセンブリは、機械的なエネルギー貯蔵ユニットを装備しており、機械的なエネルギー貯蔵ユニットは、アクチュエーター駆動式のレバーメカニズムによって発生させられるクランピング力を半径方向に作用させ、長い溶接プロセスの間に起こり得るような、第1のチューブ状のコンポーネントの熱的に誘発される半径方向の膨張の場合に、摩擦エレメントが、半径方向のクランピング力を維持するための力が及ぶことによって、それにしたがって同伴させられ、したがって、溶接アッセンブリが、それぞれのケースにおいて、常に、第1のチューブ状のコンポーネントに対してしっかりと保持されることを確実にするようになっている。
【0017】
また、クランピングモジュールは、サポートプラットフォームに接続されており、サポートプラットフォームは、第1のコンポーネントのチューブ状の軸線方向正面端部に直接的に又は間接的に支持されるように移動されてもよく、第1のコンポーネントに対する固定アッセンブリの軸線方向の支えを提供する。また、サポートプラットフォームは、キャリアリングモジュールを支持する役割を果たし、キャリアリングモジュールは、軸線方向に固定された態様で、及び、サポートプラットフォームに対して回転軸線の周りで回転可能に装着されており、回転軸線は、クランピングモジュールが接合された状態にあるときに、第1のチューブ状のコンポーネントの内側のチューブ長手方向軸線に一致している。
【0018】
キャリアリングモジュールがサポートプラットフォームに対して回転可能に装着されることを可能にするために、キャリアリングモジュールは、好ましくは、少なくとも一つのキャリアリングを含み、キャリアリングは、リングセグメントを有しており、リングセグメントは、軸線方向に、及び、回転方向に固定された態様で、サポートプラットフォームにしっかりと取り外し可能に接続されており、キャリアリングに対して回転可能となるように配置されている。少なくとも一つのキャリアリングが、サポートプラットフォームに固定された態様で接続されているリングセグメントに対して回転方向に変位させられることを確実にするために、駆動モーターが使用され、駆動モーターは、キャリアリングに固定された態様で接続されており、また、ギヤボックスメカニズムを介して、リングセグメントに係合している。
【0019】
キャリアリングモジュールの少なくとも一つのキャリアリングは、モーターによって、クランピングモジュールに対して回転可能となるように配置されており、少なくとも一つのキャリアリングは、有利には、円形の周囲リム部を有しており、周囲リム部に沿って、少なくとも一つのリテイリングデバイスが、リニアフレームに取り付けられ、リニアフレームと係合しており、リニアフレームが、アクチュエーターによって、リテイリングデバイスに対して、リニア軸線に沿って双方向に変位可能であるようになっている。クランピングモジュールが第1のチューブ状のコンポーネントの中に挿入された場合に、リニアフレームのリニア軸線は、チューブ状の第1のコンポーネントのチューブ長手方向軸線に対して平行に延在しており、リニアフレームは、第1のチューブ状のコンポーネントの外側壁部から最小限の半径方向の分離を伴って位置決めされている。以下の記述の中で説明されることとなるように、リニアフレームのアクチュエーター駆動式の動作は、モーター付きのスピンドルメカニズムによって確保され、スピンドルメカニズムは、担持されているモジュールに取り付けられているリテイリングデバイスに係合しており、リニアフレームの制御される双方向の変位を確保する。リニアフレームは、好ましくは、トラス状の補強構造体から構成されており、トラス状の補強構造体は、極端に剛性があり、結果的に、非常に低い静的デフレクションを有している。リニアフレームは、最大4メートルの長さであることが可能であり、その一方の端部において、運動学的連鎖の形態のマニピュレーターユニット、具体的には、6軸の垂直多関節ロボットの形態のマニピュレーターユニットが、運動学的連鎖の自由端部に取り付けられている溶接ツールのさらなる空間的な位置決めのために配置されている。空間的にコンパクトな多関節ロボットは、100kg未満の自重、好ましくは、約60kgの自重を有しており、したがって、自由に枢動可能であり、空間的に位置決め可能である。このように、多関節ロボット及びそれに取り付けられている溶接ツールの両方は、チューブコネクターの外側壁部の上で、可能な限り近くに、完全にチューブコネクターの周りで枢動させられることが可能であり、取り囲む壁部パーツとの衝突なしに、接合部輪郭に沿って連続的な溶接シームを作り出すことが可能であるようになっている。
【0020】
主として、溶接ツールが、チューブコネクターの内側に固定して取り付けられているクランピングモジュールの周りで回転可能となるように支持され、溶接ツールが、チューブコネクターのチューブ軸線の周りで均一な方向に複数回回転させられ、複数の溶接層から構成され得る途切れのない完全に包囲する溶接シームを生成させるようになっていることを確実にするために、エネルギー、並びに、溶接ツール及びマニピュレーターユニットのための材料の連続的な供給を提供することが重要である。この目的のために、好適な実施形態は、構造的に別個のユニットの形態の供給モジュールを提供する。この目的のために、供給モジュールは、モジュールサポートを装備しており、溶接ツールのためのすべての供給ユニットが、モジュールサポートに装着されており、それは、たとえば、溶接ツールを活性化及び作動させるための制御ユニット、電気エネルギー供給ユニット、並びに、たとえば、溶接ワイヤー、プロセスガスなど、溶接プロセスに必要とされる材料のための少なくとも一つの貯蔵部を含む。
【0021】
個々の供給ユニットは、対応するコネクターラインを介して、溶接ツールに接続されている。回転に起因してコネクターラインに沿って複雑な事態が起こることを防止するために、供給ユニットの回転が溶接ツールの回転と同期化されることが保証されなければならない。
【0022】
本解決策による好適な変形例では、供給モジュールは、溶接アッセンブリに接続されていない別個のサポート構造体に回転可能に装着されている。サポート構造体は、好ましくは、溶接されることとなるチューブパーツの上方に突出しており、供給モジュールが、空間的な移動及び回転のためにサポート構造体に固定され、空間的に移動可能になっている。また、供給モジュールがそれに取り付けられている状態のサポート構造体は、好ましくは、チューブコネクターに溶接アッセンブリを装着するために、及び、チューブコネクターから溶接アッセンブリを取り外すために使用され得る。
【0023】
代替的に、供給モジュールを溶接アッセンブリのキャリアリングモジュールに機械的に連結し、二つのモジュールが回転不能な態様で互いに接続されることを確実にすることが可能である。
【0024】
本解決策にしたがって設計されている溶接アッセンブリは、「チューブジョイント」を接続するために好適な方式を提供し、そこでは、実用的に任意の直径を有するチューブコネクターが、ベースチューブに溶接されることとなり、チューブコネクターは、ベースチューブのチューブ長手方向軸線に対して実用的に任意の角度で配置され得る。溶接アッセンブリは、小さい寸法を有するコンパクトな構造のものであることが可能であるので、溶接アッセンブリとチューブコネクターとの間の衝突に関する潜在的な困難性が排除され得る。本解決策による溶接アッセンブリのモジュール式の構造とは、それぞれにマニピュレーターユニット及び付属の溶接ユニットが装着可能な二つ、三つ、又はそれ以上のリニアフレームをキャリアリングモジュールに締結することができ、それによりチューブコネクターをベースチューブに完全に溶接するために必要とされる溶接時間がかなり低減することが可能になることを意味している。
【0025】
以下の記載において、本発明は、本発明の思想を限定することなく、その実施形態に基づいて、及び、図面を参照して、例示的な目的に関して説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】チューブジョイントにある、本解決策にしたがって設計された溶接アッセンブリの全体斜視図である。
図2a】小さい直径を有するチューブジョイントの内側の溶接アッセンブリの配置を示す図である。
図2b】より大きい直径を有するチューブジョイントの内側の溶接アッセンブリの配置を示す図である。
図3a】チューブ内側壁部と解除された位置にあるクランピングメカニズムを示す図である。
図3b】チューブ内側壁部に係合された位置にあるクランピングメカニズムを示す図である。
図4a】サポートプラットフォームの下面の斜視図として図示されている、クランピングモジュールの詳細図である。
図4b】クランピングモジュールのサポートプラットフォームを通る部分的な長手方向断面として図示されている、クランピングモジュールの詳細図である。
図4c】クランピングモジュールの詳細図である。
図4d】クランピングモジュールの詳細図である。
図5a】クランピングモジュールを示す図である。
図5b】クランピングモジュールを示す図である。
図6】キャリアリングモジュールを示す図である。
図7a】リニアフレームを示す図である。
図7b】リテイリングデバイスを示す図である。
図7c】フレームを備えたリテイリングデバイスを通る断面を示す図である。
図8】サポート構造体に装着された供給モジュールを備える溶接アッセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、第1のチューブ状のコンポーネント1として識別されるチューブコネクターを備えるチューブジョイントの概略図であり、第1のチューブ状のコンポーネント1の一方の正面は、溶接技術によって、3次元の交差曲線3に沿って、以降でベースチューブと称される第2のチューブ状のコンポーネント2に接続されているか、又は接続されることとなる。ベースチューブ2は、チューブコネクター1よりも大きいチューブ直径を有している。当然のことながら、チューブコネクター及びベースチューブのチューブ直径は、同じ寸法を有するということが可能である。図1に図示されているチューブコネクター1は、チューブ長手方向軸線1Rを有しており、チューブ長手方向軸線1Rは、ベースチューブ2のチューブ長手方向軸線2Rに対して、90°未満の角度で、好ましくは、≦45°の角度で位置合わせされている。
【0028】
溶接による接合プロセスによって、チューブコネクター1はベースチューブ2に接合されており、溶接による接合プロセスは、溶接アッセンブリ4の助けを借りて実施され、溶接アッセンブリ4は、チューブコネクター1だけに取り付けられており、すなわち、ベースチューブ2のための別個のサポートは、溶接作業のためには必要とされない。溶接アッセンブリ4は、専らチューブコネクター1に対して支えられており、3次元の交差曲線3に空間的に極めて近接して、及び、3次元の交差曲線3に沿って、チューブコネクター1の周りでの溶接ツール6の空間的な位置決め及び誘導を可能にする。この目的のために、溶接ツール6は、マニピュレーターユニット7の運動学的端部に取り付けられており、マニピュレーターユニット7は、好ましくは、多関節ロボットアームの形態を有しており、好ましくは、6軸の垂直多関節ロボットアームの形態を有している。マニピュレーターユニット7は、少なくとも六つの軸線に沿って、及び、少なくとも六つの軸線の周りに、溶接ツール6の空間的に正確な位置決めを可能にする。マニピュレーターユニット7自身は、一方の端部によって、リニアフレーム8に締結されており、リニアフレーム8は、リテイリングデバイス9を介して固定アッセンブリ5に接続されている。リニアフレーム8は、リテイリングデバイス9に対して、その長手方向の延在に沿って、モーターパワーによって双方向に変位可能となるように装着される。
【0029】
固定アッセンブリ5は、チューブコネクター1のみに対する、溶接アッセンブリ全体の信頼性の高い取り外し可能なしっかりとした取り付けのための手段を提供する。このために、固定アッセンブリ5は、キャリアリングモジュール5.1を含み、キャリアリングモジュール5.1は、モーター付きの手段によって回転方向に移動可能であり、溶接ツール6が、チューブコネクター1のチューブ軸線1Rの周りで完全な回転を行うように移動することを可能にし、したがって、また、3次元の交差曲線3の全範囲に沿って移動することを可能にする。キャリアリングモジュール5.1は、クランピングモジュール5.2(図1には図示せず)に接続されており、クランピングモジュール5.2は、スプレッディングメカニズムによってチューブコネクター1の内側壁部に対抗して取り外し可能に固定して保持することを確実にし、チューブコネクター1に対抗して溶接アッセンブリ全体を支える。本解決策による溶接アッセンブリ4は、コンパクトな構造を特徴としており、それは、チューブコネクター1に接触して接近して存在し、また、空間的に制約された接合ゾーンの中でも溶接ツール6の空間的な位置決めを可能にする。単に完全性のために、図1に図示されているチューブジョイント2は、さらなるチューブコネクター1’、1’’を有しており、さらなるチューブコネクター1’、1’’のうち、チューブコネクター1’は、直交する軸線アライメントを有しており、さらなるチューブコネクター1’’は、チューブ軸線2Rに対して鋭角にチューブ軸線アライメントを有しているということが述べられるべきである。本解決策による溶接アッセンブリのコンパクトなモジュール式の構造は、ほとんど任意の傾斜角度でほとんど任意の寸法のチューブコネクターを、第2の、好ましくは、チューブ状のコンポーネントとして指定されている接合のための本体部に溶接することを可能にする。
【0030】
図2a及び図2bは、異なるチューブ内径をそれぞれ有するチューブコネクター1の上において、本解決策による単一の溶接アッセンブリ4の使用可能性の範囲を図示している。先に述べられている溶接アッセンブリ4のコンポーネントの他に(それらは、繰り返しを回避するために、先の記載において引用されている参照記号によって識別されている)、説明図は、クランピングモジュール5.2をさらに示しており、クランピングモジュール5.2は、モーター付きのレバーメカニズムによって、それぞれのチューブコネクター1のチューブ内側壁部との、軸線方向に及び捩じり方向に固定された接合を可能にする。クランピングモジュール5.2に設けられている摩擦エレメント10が連続的に半径方向に広がることに起因して(そのエレメントは、以下の記載においてより詳細に説明されることとなる)、クランピングモジュール5.1は、1m(図2aを参照)から1.50m(図2bを参照)の間のチューブ内径RDを有するチューブコネクターの中に取り外し可能にしっかりと固定するために締結可能である。
【0031】
図3aは、コネクターチューブ1の内側で解除されている状態のクランピングモジュールを通る部分的な長手方向断面を示している。図3bは、係合されている状態のクランピングモジュール5.2を通る対応する部分的な長手方向断面を示しており、その状態では、力が、摩擦エレメント10に印加されており、摩擦エレメント10をチューブ内側壁部1iと半径方向に係合させている。
【0032】
図3a及び図3bに示されているように、クランピングモジュール5.2は、チューブコネクター1の正面端部を通してチューブコネクター1の内部に挿入可能であり、クランピングモジュール5.2は、ガイドローラー11の助けを借りて、より容易にチューブコネクター1の中にフィットされる。チューブコネクター1の正面端部の上でのクランピングモジュール5.2ための軸線方向のサポートを提供するために、クランピングモジュール5.2は、環状のプレートの形態のサポートプラットフォーム12、及び、チューブコネクター1に面する下面13を有しており、クッショニングエレメント14が、下面13に取り付けられ、リングの周囲の周りに均等に間隔を置いて配置されており(図4a、図4bを参照)、それぞれが半径方向に延在を有しており、半径方向の延在の少なくとも一部分に沿って、電気絶縁エレメント15が取り付けられており、クランピングモジュール5.2が、熱的に、及び、とりわけ、電気的にも、チューブコネクター1から絶縁されることを保証し、クランピングモジュールから溶接電流を絶縁する。
【0033】
したがって、チューブコネクター1の正面端部は、クッショニングエレメント14の電気的に及び好ましくは熱的に絶縁するエレメント15に支えられており、それは、サポートプラットフォーム12の支持平面16を画定している。クッショニングエレメント14は、それぞれが半径方向に延在しており、半径方向の延在は、環状のサポートプラットフォーム12がチューブコネクターに対して中心に位置合わせされるときに、異なって寸法決めされたチューブ内径及び外径をそれぞれ有するチューブコネクターの正面端部が、クッショニングエレメント14にそれぞれ支えられるように、寸法決めされている。チューブ寸法に応じてさまざまに半径方向に位置決めされ得るスペーサー17が、それぞれの個々のクッショニングエレメント14に沿って半径方向に設けられており、チューブコネクター1の正面端部に対してサポートプラットフォーム12を中心に置くことをより容易にする。
【0034】
以前に述べられたように、ガイドローラー11は、サポートプラットフォーム12に装着されており、支持用ストラット18によってサポートプラットフォーム12から軸線方向に分離されており、ローラーは、それぞれのチューブコネクターの中にクランピングモジュールを挿入するプロセスを簡単化する役割を果たし、それは、この文献の中で後に説明されることとなる。実施形態では、四つのガイドローラー11が設けられており、四つのガイドローラー11は、共通のコネクタープレート19を介して相互安定化のために接続されており、共通のコネクタープレート19は、サポートプラットフォーム12から、固定した所定の距離に位置決めされている。
【0035】
図4aに示されているように、環状のサポートプラットフォーム12は、中央開口部を有しており、後に説明されることとなるように、モーター付きのスピンドルメカニズムが、中央開口部を通して突出し、レバーメカニズムを駆動し、レバーメカニズムは、摩擦エレメント10を半径方向に変位させる(図4c、図4dを参照)。サポートプラットフォーム12の外側リング直径は、それぞれのチューブコネクター1のチューブ外径よりも大きく、その結果として、サポートプラットフォーム12の下面13に装着されているクッショニングエレメント14も、それぞれのケースにおいて接合されることとなるチューブコネクターの外径よりも大きく半径方向に延在している。
【0036】
さらに、摩擦エレメントアッセンブリ20が、円周方向に、環状のサポートプラットフォーム12のそれぞれの二つのクッショニングエレメント14の間に取り付けられており、それは、明確性を保つために、図4に示されていないが、図4c及び図4dに示されている。摩擦エレメントアッセンブリ20は、ガイドレール21及びキャリッジ22を含み、キャリッジ22は、ガイドレール21で双方向に変位可能であるように装着されており、キャリッジ22に摩擦エレメント10が装着されている。ガイドレール21は、クッショニングエレメント14と同様に、チューブコネクター軸線に対して半径方向に延在しており、支持平面16に対して所定の角度でサポートプラットフォーム12に装着されている。ガイドレール21は、好ましくは、支持平面16に対して角度αで傾けられており、ここで、角度αは、0°<α<10°であり、好ましくは、5°である。
【0037】
すべての摩擦エレメントアッセンブリ20は、レバーメカニズムの形態のアクチュエーターユニットに動作可能に接続しており、それによって、摩擦エレメントアッセンブリ20は、第1の位置から第2の位置へシフト可能であり、第1の位置では、摩擦エレメントアッセンブリ20が、チューブコネクターの内側壁部から所定の距離に配置されており、第2の位置では、摩擦エレメントアッセンブリは、軸線から、第1の距離よりも大きい第2の距離にそれぞれ配置されており、その結果として、それぞれの摩擦エレメントアッセンブリ20の摩擦エレメント10が、チューブ内側壁部と非確動的且つ摩擦的な係止接続をそれぞれ形成する。先に説明されている支持平面16に対するガイドレール21の傾斜に起因して、チューブ内側壁部と非確動的且つ摩擦的な係止接続を形成する摩擦エレメント10は、半径方向に作用する保持力、及び、軸線方向に作用する引張力の両方を及ぼし、それは、クランピングモジュール5.2をチューブコネクター1の中へ軸線方向に引っ張る。
【0038】
チューブ内側壁部1iに接触する摩擦エレメント10は、それぞれのチューブコネクター1の内径により良好にフィットするエレメントと交換され得る。摩擦エレメント10は、有利には、クッショニングエレメント14に沿った絶縁エレメント15と同じ絶縁材料から製造されている。
【0039】
チューブ内側壁部1iに接触する摩擦エレメント10が、ガイドレール21から特定の軸線方向の距離に配置され、したがって、また、接合された状態で、チューブコネクターの開口した正面端部から所定の軸線方向の距離にあるような態様で、キャリッジ22は、有利には、寸法決め及び構築されている。
【0040】
それぞれのためのレバーメカニズムを介して摩擦エレメントアッセンブリ20に動作可能に接続している共通のアクチュエーターユニットが、摩擦エレメントアッセンブリ20を半径方向に変位させる役割を果たす。リニアアクチュエーターとして設計されている共通のアクチュエーターユニットを説明するために、読者の注意は、図5a、図5bに向けられる。図5aは、チューブコネクターの中に挿入されているクランピングモジュール5.2を通る長手方向断面を示している。図5bは、それ自身にレバーメカニズムを備えた共通のアクチュエーターユニットを示している。以下の説明は、両方の説明図に等しく関連する。したがって、それぞれの摩擦エレメントアッセンブリ20のキャリッジ22は、カップリングリンク23の一方の側に関節式に接続されており(図4c、図5bも参照)、その他方の側は、スピンドルナット24に関節式に接続されており、スピンドルナット24は、スピンドル25に沿ってガイドされる。スピンドル25の上側端部は、駆動モーター26に接続されている。モーター26は、保持フレーム27’を介してモータープレート27に固定して接続されており、四つのガイドロッド28が、スライド式の装着で、モータープレート27を通して突出している。それぞれのガイドロッド28のスライド式の装着は、モータープレート27の中に一体化されたボールブッシング27’’によって形成されている。ガイドロッド28のロッド端部は、コネクタープレート19に固定して接続されている。スプリングエレメント30は、好ましくは、プレートスプリングアッセンブリの形態であり、スプリングエレメント30は、モータープレート27とベースプレート29との間にフィットさせられており、ベースプレート29は、サポートプラットフォーム12に固定して接続されており、また、スプリングエレメント30は、モーター26、並びに、保持フレーム27’及びモータープレート27を支えている。また、ベースプレート29を通して突出するガイドロッド28も、スライド式の装着になっている。
【0041】
図5aに図示されている配置から出発して、スピンドル25が適当に回転させられるときに、スピンドルナット24が、垂直方向に上向きに移動させられ、摩擦エレメントアッセンブリ20のキャリッジ22が、カップリングリンク23によって半径方向外向きに移動させられ、チューブ内側壁部1iに接触することを引き起こす。個々のカップリングリンク23の長さは、好ましくは、係合されている状態で、カップリングリンク23が、スピンドルの長手方向軸線25Sに対して、好ましくは80°から85°の間の角度を形成するようになっている。異なるチューブコネクター内径に関して、この角度が維持されることを確実にするために、個々のカップリングリンク23の長さは適合され得る。カップリングリンク23を現実化するための好適な変形例では、図5bの下の図に示されているように、それぞれの端部において反対側に走る内部ネジ山を備えたスリーブ23Hから構成されている。アイ23B1、23B2を備えたボルトエレメントが、両方の端部において、これらの内部ネジ山の中へねじ込まれており、カップリング長さの全長は、ボルトがねじ込まれる深さによって決定され得る。
【0042】
それぞれの個々の摩擦エレメントアッセンブリ20のガイドレール21の傾斜した配置は、引張力を発生させ、引張力は、摩擦エレメントアッセンブリ20の摩擦エレメント10が、それに及ぼされる力によって、チューブ内側壁部1iに対して押し付けられるとすぐに、チューブコネクター1の内部に向けて軸線方向に引っ張る。保持フレーム27’及びモータープレート28を伴うモーター26の自重の力に加えて、この引張力は、また、プレートスプリングアッセンブリ30を圧縮するのに十分である。このように、機械的な引張エネルギーが、プレートスプリングアッセンブリ30の中に一時的に貯蔵される。接合されることとなるそれぞれのチューブコネクター1は、溶接プロセスの間に導入される熱に起因して、熱膨張を受ける可能性が高いので、摩擦エレメントアッセンブリ20が、この膨張にマッチするように、及び、クランピング力を維持するように、半径方向に引っ張られることが重要である。これに関してスピンドル駆動モーターを再活性化させることを回避するために、プレートスプリングアッセンブリ30の中に一時的に貯蔵されている機械的な引張エネルギーが使用され、キャリッジ22をチューブコネクター内側壁部に押し当てて進ませる力を及ぼすことによって、チューブコネクターの熱膨張を補償する。駆動モーター26(それは、典型的には、サーボモーターとして設計されていない)を活性化させるために、近接スイッチ又はリミットスイッチが使用され、プレートスプリングアッセンブリ30が同じ程度にクランプされるまで、そのモーターが厳密に同じ距離を移動することを確実にする。したがって、駆動モーターは、信号を受け取り、また、リミットスイッチがトリガーされた後に、停止させられる。
【0043】
駆動モーター26がサーボモーターである場合には、リミットスイッチが省略可能であり、位置制御を伴うモーターによってスピンドル25が依然として駆動され得ることを確実にする。
【0044】
図2a及び図2bは、キャリアリングモジュール5.1がサポートプラットフォーム12の上側に装着されていることを示している。キャリアリングモジュール5.1が、チューブコネクター長手方向軸線と一致する回転軸線Dの周りで回転可能に、サポートプラットフォーム12に装着されることを確実にするために、キャリアリングモジュール5.1は、リングセグメント31を有しており、リングセグメント31は、サポートプラットフォーム12に固定して接続されており、キャリアリングモジュール5.1は、好ましくは、ローラーベアリングWを介して、リングセグメント31に回転可能な態様で支持されている。図4dも参照されたい。この点に関してさらなる説明図は、図6に示されており、図6は、下方から、キャリアリングモジュール5.1の斜視図を示している。内部歯車構成体(より詳細に示されてはいない)が、リングセグメント31の内側に設けられており、よって、キャリアリングモジュール5.1に固定して接続されているサーボモーター32の駆動ホイール32’が、リングセグメント31に係合している。
【0045】
キャリアリングモジュール5.1は、二つのキャリアリングプレート34.1及び34.2を含み、ストラット構造体33を介して固定して接続されており、周囲に平坦化された二つの接触セクション35を備えており、接触セクション35は、そのリム部の周囲部にそれぞれ設けられており、それらは、二つのキャリアリングプレート34.1、34.2のリム部に、直径方向に反対側に互いに位置付けされており、二つのキャリアリングプレート34.1、34.2のそれぞれに、リテイリングデバイス9(図6には示されていない。図2a、図2bを参照)が、それぞれに関してリニアフレーム8を用いてアプローチするために装着される。クランピングモジュール5.2に対して回転可能に装着されているキャリアリングモジュール5.1に、二つのリニアフレーム8、及び、それに接続されている溶接ツールを設けることは、それぞれのケースにおいて単一の溶接ツールが使用されるときよりも著しく短い時間で、溶接タスクが完了されることを可能にする。
【0046】
キャリアリングモジュール5.1の直径は、チューブコネクター直径とおおよそ同じサイズであるべきであり、すなわち、少なくとも、それは、チューブコネクターを通した半径方向の膨張を最小化するために、わずかにだけ大きくなっているべきであり、チューブコネクター長手方向軸線が45°未満の角度でメインチューブ長手方向軸線に接合するチューブコネクター配置体も溶接され得るようになっている。
【0047】
有利な実施形態では、リニアフレーム8は、リテイリングデバイス9に沿って双方向にガイドされ(図2a、図2b及び図7a、図7b、図7cを参照)、リニアフレーム8は、三つの平行な長手方向のストラット36から構成されており、ストラット36のそれぞれは、数メートルの長さになっていることが可能であり、すなわち、3メートルから5メートルの程度になっていることが可能である(図2a、図2b、図7aを参照)。図7aは、それ自身の上のリニアフレーム8を示しており、図7bは、リテイリングデバイス9の別々の図を示しており、図7cは、内部にガイドされるリニアフレーム8を備えるリテイリングデバイス9を通る断面を示している。
【0048】
リニアフレーム8の三つの長手方向のストラット36は、たとえば、接着結合によって、内部トラス構造体37によって互いに固定して接続されており、したがって、剛性のフレーム構造体を形成し、それは、有意な自己変形なしに、垂直方向の移動及び水平方向の移動の組み合わせからの荷重を支持することが可能である。サーボモーター38の助けを借りて駆動されるスピンドル39は、スピンドルナット39’に係合しており、スピンドル39は、また、長手方向のストラット36に対して平行に延在しており(図7cを参照)、リテイリングデバイス9に固定して接続されている。長手方向のストラット36は、リテイリング構造体9に沿ってスライド態様でガイドされ、リニアフレーム8全体が、先に説明されたスピンドルホイールドライブによって双方向に変位可能であるようになっており、すなわち、それは、図2a及び図2bに図示されている状況の目的のために上昇又は下降させることができる。この目的のために、ガイドレールとして機能する三つの長手方向のストラット36は、同時に、半開きのボールブッシング40を通過しており、半開きのボールブッシング40は、リテイリングデバイス9の中に一体化されており、補強用トラス構造体37が、衝突することなく、リテイリングデバイス9に向けて移動可能になっている。その構造は、非常に軽量であり、また、リニアフレーム8の補強用構造体を通して、ケーブル、溶接ワイヤー、又は他の供給ライン41を通すことを可能にする。サーボモーター38に面する底部端部において、先に説明されたマニピュレーターユニット7が、取り付けられており、リニアフレーム8に取り付けられている供給ユニット42を介して、溶接作業に必須のエネルギー及び材料の両方を供給される。図2a、図2bに図示されている実施形態のケースでは、供給ユニット42は、リニアフレーム8の下側端部に取り付けられているが、図7aに図示されている実施形態のケースでは、供給ユニット42は、フレーム8の上部端部に取り付けられている。マニピュレーターユニット7は、好ましくは、6軸の垂直多関節ロボットであり、それは、適当なセンサーシステムを使用して、チューブコネクターに沿って、3次元の交差曲線3に対して、その上に装着された溶接ツール6を正確に位置決めする。センサーユニット54は、有利には、溶接によって充填されることとなる交差曲線に沿って、中間スペース又は溝状の凹部の形状及び/又はサイズの非接触式の検出のために、自由に位置決め可能なマニピュレーター端部に位置付けされている。センサーユニット54は、有利には、ラインインタラプションセンサー(line interruption sensor)であり、ラインインタラプションセンサーを用いて、充填されることとなる溶接層の実際の断面が、溶接が始まる前に測定される。経路計画、及び、対応する溶接シーム断面の中に、次の溶接層がどのように堆積させられることとなるかということが、次いで、この情報に基づいて実施される。
【0049】
かなりの量のエネルギー及び材料を消費する溶接プロセスにおいて(溶接プロセスでは、溶接ツールが、チューブコネクター長手方向軸線の周りに複数回通過し、溶接シームに沿って多層溶接ビードを形成する)、エネルギー及び溶接材料の連続的な外部供給が、リニアフレーム8に直接的に装着されている供給ユニット42に供給されなければならない。
【0050】
この目的のために、好ましくは、供給モジュール43の形態の溶接アッセンブリ4から分離して構築されたユニットが必要とされる。溶接アッセンブリ4及び供給モジュール43は、図8に図式的に図示されており、図8では、溶接アッセンブリ4が、チューブコネクター1に正面に向かって固定されており、チューブコネクター1のチューブ長手方向軸線は、ベースチューブのチューブ長手方向軸線に対して、45°の角度で傾斜している。溶接アッセンブリ4は、キャリアリングモジュール5.1に装着されている二つの溶接ツール6を装備しており、溶接ツール6のそれぞれは、関節式にキャリアリングモジュール5.1に取り付けられている線形に変位可能なリニアフレーム8の端部に、3次元の交差曲線3に面して装着されている。
【0051】
溶接ツール6は、分離して構築されている供給モジュール43を介して、電気エネルギーを供給され、とりわけ、溶接プロセスに必要とされる材料、たとえば、溶接ワイヤー及びプロセスガスなどを供給され、供給モジュール43は、関節式に、及び、主に自由に位置決め可能な態様で、スペースを介して、別個のサポート構造体44に接続されている。サポート構造体44に供給モジュール43を吊り下げるためのサスペンションシステム52は、垂直方向(z軸)及び水平方向(x軸、y軸)の両方の位置決め、並びに、垂直方向の軸線(z軸)の周りの供給モジュール43の回転を可能にする。
【0052】
供給モジュール43は、モジュールサポート45を有しており、モジュールサポート45に、溶接プロセスにとって重要なすべてのロジスティックコンポーネント(logistical components)が収容されている。これらは、それぞれの溶接ツールに関する制御ユニット46.1、46.2、対応するモーター付きのワイヤーフィード47.1、47.2を備える溶接ワイヤーに関する貯蔵スペースに関連している。エネルギーは、別個の供給モジュールに供給され、好ましくは、外部ケーブルフィード48を介して、とりわけ、制御ユニット46.1及び46.2に供給され、外部ケーブルフィード48は、供給モジュール43の中央に配置されているスリップリングアッセンブリ49を介して連結されている。必要な場合には、さらなる外部フィードライン50が設けられ得り、さらなる外部フィードライン50を介して、プロセスガスが、供給モジュール43に供給され得る。また、プロセスガスフィード50は、流体密封のスリップリングアッセンブリ49’を介して、供給モジュール43に接続されている。このように、外部エネルギー供給源及びガス貯蔵部(たとえば、ガスボトルの形態)は、用意ができた状態で、チューブジョイントの近くに容易にアクセス可能な場所に維持され、必要に応じて使用され得る。
【0053】
それに対応して、可撓性のコネクターライン51が、供給モジュール43と供給ユニット42との間に設けられており、それを介して、最終的に、溶接ツールは、エネルギーを供給され、また、溶接プロセスに必須の材料を供給される。
【0054】
キャリアリングモジュール5.1によって提供される配置(それによって、溶接ツール6は、チューブコネクター1のチューブ長手方向軸線の周りに回転可能に装着される)は、供給モジュール43が、溶接ツール6の回転運動と同じ経路にしたがって、チューブ長手方向軸線の周りに回転させられなければならず、コネクターライン51が捩じられないこと及び損傷を受けないことを確実にするということを意味している。この目的のために、供給モジュール43のモジュールサポート45は、空間的に自由に位置決め可能となるように吊り下げられており、また、とりわけ、垂直方向の軸線zの周りに回転可能に、サポート構造体44に適切に装着されており、サポート構造体44は、たとえば、ブームの形態で設計され、又は、三脚構造体又は四脚構造体として設計されており、接合されることとなるチューブコネクターとともに、溶接アッセンブリ4の上方に延在している。
【0055】
さらに、安定した、荷重支持モジュールサポート45のおかげで、供給モジュール43は、一種のクレーンエレメントとしてさらに機能し、溶接アッセンブリ4は、完全なアッセンブリとして、取り外し可能に及びしっかりと、クレーンエレメントに取り付けられ得る。ケーブル引き綱(cable pull)が周りを通るモジュールサポート45に装着されているモーター付きのデフレクションローラー53の助けを借りて、溶接アッセンブリ4を、設置のために降下させることも、また、取り除くために上昇させることもできる。
【0056】
本解決策による溶接アッセンブリのモジュール式の設計によって、異なって寸法決めされているチューブジョイント構造を溶接することが可能である。したがって、溶接アッセンブリのシステムサブアッセンブリを、現在の溶接タスクに適切な寸法の他のものと交換することが可能であり、また、それらを他のグループと組み合わせることが可能である。たとえば、異なってサイズ決めされたキャリアリングモジュール5.1、及び、異なってサイズ決めされたクランピングモジュール5.2が提供され、互いに組み合わされてもよい。また、異なる長さのリニアフレーム8が、リテイリングデバイス9の中に挿入されてもよい。さらに、異なるサイズ及び強度のマニピュレーターユニット7を提供することも可能であり、それは、次いで、具体的に選択された溶接ツール6を適当に正確に位置決めし、所与の溶接タスクを実施することが可能である。
【0057】
したがって、説明されている溶接アッセンブリによって、任意の直径のチューブコネクターを、ベースチューブとチューブコネクターとの間の任意の角度で溶接することが可能である。溶接マニピュレーターとコネクターとの間の衝突の問題は、最小になるか、又は存在しなくなる。新規な溶接アッセンブリは、ガントリーベースの、必ず固定された位置の溶接システムよりも著しく安価であり、また、モジュール式の設計に起因して、加工時間に関して容易に拡張可能である。したがって、たとえば、二つ、三つ、又は、それ以上の溶接ツールが、それぞれのリニアフレームを介して、キャリアリングモジュールに固定可能であり、必要な溶接時間が、著しく低減され得るようになっている。別の大きな利点は、溶接アッセンブリのコンパクトな構造である。ガントリーベースの解決策は、単一の加工場所に固定されるが、本解決策による溶接アッセンブリは、チューブジョイントに持っていくことが可能であり、ジョイントが、現場で溶接され得る。
【符号の説明】
【0058】
1 第1のチューブ状のコンポーネント、チューブコネクター
2 第2のコンポーネント、ベースチューブ
3 3次元の交差曲線
4 溶接アッセンブリ
5 固定アッセンブリ
5.1 キャリアリングモジュール
5.2 クランピングモジュール
6 溶接ツール
7 マニピュレーターユニット
8 リニアフレーム
9 リテイリングデバイス
10 摩擦エレメント
11 ガイドローラー
12 サポートプラットフォーム
13 サポートプラットフォームの下面
14 クッショニングエレメント
15 絶縁エレメント
16 支持平面
17 スペーサー
18 支持用ストラット
19 コネクタープレート
20 摩擦エレメントアッセンブリ
21 ガイドレール
22 キャリッジ
23 カップリングリンク
23H スリーブ
23B1 アイを備えたボルト
23B2 アイを備えたボルト
24 スピンドルナット
25 スピンドル
26 駆動モーター
27 モータープレート
27’ 保持フレーム
27’’ ボールブッシング
28 ガイドロッド
29 ベースプレート
30 機械的なエネルギー貯蔵デバイス、プレートスプリングアッセンブリ
31 リングセグメント
32 サーボモーター
32’ 駆動ホイール
33 ストラット構造体
34.1、34.2 キャリアリング
35 接触セクション
36 長手方向のストラット
37 トラス構造体
38 アクチュエーター
39 スピンドル
39’ スピンドルナット
40 半開きのボールブッシング
41 供給ライン
42 供給ユニット
43 供給モジュール
44 サポート構造体
45 モジュールサポート
46.1、46.2 制御ユニット
47.1、47.2 貯蔵部、溶接ワイヤーフィード
48 外部ケーブルフィード
49 スリップリングアッセンブリ
50 プロセスガスフィード
51 コネクターライン
52 サスペンションシステム
53 デフレクションローラー
54 センサーユニット
W ローラーベアリング
1i チューブ内側壁部
1R チューブ長手方向軸線
D 回転の軸線
RD チューブコネクター直径
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6
図7a
図7b
図7c
図8