特許第6698839号(P6698839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698839
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】手持ち式、手誘導式の切断装置
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/05 20060101AFI20200518BHJP
   B24B 27/08 20060101ALI20200518BHJP
   B23D 47/00 20060101ALI20200518BHJP
   B23D 45/16 20060101ALI20200518BHJP
   B23D 47/12 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   B24B55/05
   B24B27/08
   B23D47/00 C
   B23D45/16
   B23D47/12
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-526906(P2018-526906)
(86)(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公表番号】特表2019-501782(P2019-501782A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】EP2016077831
(87)【国際公開番号】WO2017089192
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2018年7月12日
(31)【優先権主張番号】15196161.2
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】グライトマン,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ファイク,ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】シュペヒト,ヘルムート
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−110969(JP,A)
【文献】 特開2010−201599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/05
B23D 45/16
B23D 47/00
B23D 47/12
B24B 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式、手誘導式の切断装置(10)であって、
サポートハウジング部(36)と、
ホイール直径(D)および孔直径(φ)を有する切断ホイール(11)と、
ベアリング要素(45)によって、前記サポートハウジング部(36)の出力軸(40)の周りに回転可能に支持された、出力シャフト(20)と、
駆動源(17)と、前記出力シャフト(20)へ前記駆動源(17)を接続する伝達機構(19)であって前記サポートハウジング部(36)に配置されている前記伝達機構(19)と、
フランジ直径(df)を有しているフランジ(41)と、前記フランジ(41)によって確実に回転可能として前記出力シャフト(20)に配置されている前記切断ホイール(11)と、
前記切断ホイール(11)を少なくとも部分的に覆うカバー領域(25)及び前記切断ホイール(11)を露出させる加工領域(26)を有するセーフティーガード(24)とを含み、前記セーフティーガード(24)が前記ハウジング部(36)のピボット軸(27)に枢動可能に支持されている装置において、
前記セーフティーガード(24)の前記ピボット軸(27)が、前記出力シャフト(20)の前記出力軸(40)から距離(Δ)をもって変位されていることを特徴とする、切断装置。
【請求項2】
前記ピボット軸(27)は前記出力軸(40)に関して、前記セーフティーガード(24)の前記カバー領域(25)内へ変位されていることを特徴とする、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記セーフティーガード(24)が直径(dX)を有する締付けフランジ(42)を含み、そして前記ピボット軸(27)と前記出力軸(40)との間の距離(Δ)は、前記締付けフランジ(42)の前記直径(dX)と前記フランジ直径(df)との間の差分の半分以上であることを特徴とする、請求項2に記載の切断装置。
【請求項4】
予め規定した角度範囲であるアウトカット角(θ)において前記出力軸(40)から、前記セーフティーガード(24)は第1の最大距離(b1)を有し、前記サポートハウジング部は第2の最大距離(b2)を有し及び前記伝達機構(19)は第3の最大距離(b3)を有しており、前記第1から第3の最大距離(b1、b2、b3)は前記フランジ直径(df)の半分以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項5】
前記伝達機構(19)は、前記出力シャフト(20)に配置された出力ディスク(39)と、前記駆動源(17)の動作を前記出力ディスク(39)へ伝達する伝達要素(38)を含み、前記アウトカット角(θ)において前記出力軸(40)から、前記出力ディスク(39)は第4の最大距離(b4)を有し及び前記伝達要素(38)は第5の最大距離(b5)を有しており、前記第4および第5の最大距離(b4、b5)は前記フランジ直径(df)の半分以下であることを特徴とする、請求項4に記載の切断装置。
【請求項6】
前記伝達機構(19)はカバー(15)を含み、前記アウトカット角(θ)において前記出力軸(40)から、前記カバー(15)は第6の最大距離(b6)を有しており、前記第6の最大距離(b6)は前記フランジ直径(df)の半分以下であることを特徴とする、請求項5に記載の切断装置。
【請求項7】
前記フランジ(41)の前記フランジ直径(df)は最小フランジ直径(dminに等しく、前記最小フランジ直径(dmin)は前記駆動源(17)のタイプ、並びに前記切断ホイール(11)のタイプ、前記ホイール直径(D)および前記孔直径(φ)に基づいて決定されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一つに記載の切断装置。
【請求項8】
前記駆動源(17)は内燃機関とされ、前記切断ホイール(11)はダイヤモンド切断ホイールまたは研磨切断ホイールとされていることを特徴とする、請求項7に記載の切断装置。
【請求項9】
前記駆動源(17)は電気モータとされ、前記切断ホイール(11)はダイヤモンド切断ホイールまたは結合、強化された切断ホイールとされることを特徴とする、請求項7に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の種類の定義に従っている、手持ち式、手誘導式の切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切断装置は手持ち式、手誘導式の電動工具であり、これは回転切断ホイールの形態に設計された加工手段を含むものである。切断装置の重要な構成には、前記回転切断ホイールに加えて、サポートハウジング部、出力軸に回転可能に支持された出力シャフト、駆動源、前記駆動源から前記出力シャフトまでを接続する伝達機構、フランジ、カバー領域で前記回転切断ホイールを覆うセーフティーガードを、含んでいる。前記回転切断ホイールは、前記フランジによって前記出力シャフトに確実に取付けられて回転可能であると共に、ピボット軸(枢軸)に枢動可能に保持された前記セーフティーガードにより囲まれている。前記セーフティーガードの前記ピボット軸は、前記回転切断ホイールの前記回転軸に対応している前記出力軸に同軸で配置されている。特許文献1はこのタイプの手持ち式、手誘導式の切断装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許 第10 2005 049 766 B4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヨーロッパ規格EN ISO 19432:2012そしてアメリカ合衆国規格ANSI B175.4−2013は手持ち式、手誘導式の切断装置の構造的設計を検査することについての安全要求とその測定について定めている。この装置は一人で操作できるようにビルトインの内燃機関を含み、例えばアスファルト、コンクリート、石そして金属のような建築材料を切断するようにデザインされている。そして、結合研磨材料および/またはダイヤモンド或いはCBN研磨材料を有する研磨工具によって製造される切断ボディを有している回転切断ホイールを扱うように提供された切断装置に適用される。それはスピンドルシャフトを中心にして取り付けられ、それによって駆動され、回転する切断ホイールの前面はユーザから遠ざかる方向に向いている。この規格は、切断ホイールのタイプ及びホイール直径に基づいて、フランジに関して最小フランジ直径を規定している。切断ホイールのタイプに関し、ダイヤモンド切断ホイールと研磨切断ホイールとの間に区別が設けてあり、それは切断ホイールのホイール直径Dに関し、区別は4つの範囲(D≦250mm、250mm<D≦300mm、300mm<D≦350mm、そして350mm<D)の間に設定されている。前記ヨーロッパ規格EN ISO 19432:2012は400mmの最大ホイール直径を有する切断ホイールに適用され、前記アメリカ合衆国規格ANSI B1175.4−2013は406mmの最大ホイール直径を有する切断ホイールに適用される。
【0005】
ヨーロッパ規格EN IEC 60745-2-22:2011そしてアメリカ合衆国規格ANSI/UL 60745-2-22-2012は切断装置の形態の、手誘導式、モータ動作式の電力ツールに適用され、それは金属、コンクリート、石積み、ガラスそしてタイルのような材料を切断するホイール直径55mmから410mmの回転切断ホイールを伴って提供される。この規格は、切断ホイールのホイール直径Dと孔直径φにより、フランジのための最小フランジ直径を規定する。切断ホイールのタイプに関して、ダイヤモンドの切断ホイールと、41或いは42タイプの結合、強化された切断ホイールとの間で区別がある。最小フランジ直径dminは、55mm≦D≦410mmのホイール直径Dを有するダイヤモンド切断ホイールについて、dmin=0.15*Dである。41或いは42タイプの結合、強化された切断ホイールに関しては、ホイール直径Dについての4つの範囲(55mm≦D<80mm、80mm≦D<105mm、105mm≦D<230mmそして230mm≦D≦410mm)の間で区別があり、そして80mm≦D<105mmであるホイール直径Dについて、10mmと16mmの孔直径φの間で区別がある。
【0006】
切断ホイールにより達成し得るワークピース(加工製品)中での最大切込み深さは、切断ホイールのホイール直径とフランジの所定の最小フランジ直径との間の差分の半分により規定される。実際には、300mmと350mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールは、内燃機関を含んでいる切断装置において主に使用される。300mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールにより達成し得る最大切込み深さは127.5mmであり、350mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールにより達成し得る最大切込み深さは148.75mmである。
【0007】
公知の切断装置により達成し得るワークピース中での実際の切込み深さは、前記ホイール直径と前記最小フランジ直径との間の差分の半分により規定され、所定の最大切込み深さよりも浅い。機器製造会社のスチール(Stihl)社は、異なるガス駆動式の切断装置を提案し、とりわけ切断装置TS400、TS410そしてTS420を含んでいる。前記切断装置TS400はダイヤモンド切断ホイールが適用され、300mmと350mmによる異なるホイール直径で操作することができる。この製造会社の情報によると、300mmのホイール直径での切断装置TS400により可能な切込み深さは100mmであり、この製造会社の情報によると350mmのホイール直径での切断装置TS400により可能な前記最大切込み深さは125mmである。
前記切断装置TS410は300mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールが適用され、そして、前記切断装置TS420は350mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールが適用されている。この製造会社の情報によると、切断装置TS410により可能な切込み深さは100mmであり、そして、この製造会社の情報によると、切断装置TS420により可能な前記最大切込み深さは125mmである。
【0008】
300mmのホイール直径で前記切断装置TS400と前記切断装置TS410とにより可能な切込み深さは、127.5mmの最大切込み深さよりも20%少なく、そして350mmのホイール直径で前記切断装置TS400と前記切断装置TS420とにより可能な切込み深さは、148.75mmの最大切込み深さよりも16%少ない。前記TS400、TS410そしてTS420研磨切断装置でスチール社が使用するフランジは少なくとも103mmのフランジ直径を有している。300mmと350mmとの異なるホイール直径で操作できる、前記切断装置TS400において、少なくとも103mmの同じフランジ直径がその異なるホイール直径について提供されている。使用されるフランジの直径は最小フランジ直径dminよりも極めて大きく、前記ヨーロッパ規格EN ISO 19432:2012そしてアメリカ合衆国規格ANSI B175.4−2013は300mm(dmin≧45mm)のホイール直径と350mm(dmin≧52.5mm)のホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールに要求している。この規格は、この規格の発行日或いはその後に製造された切断装置に適用され、そしてこの規格の発行日前に製造された切断装置には適用されない。この規格の以前のバージョンは、300mmと350mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールについて、45mmと52.5mmの同じ最小フランジ直径についても規定している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、以下のような手法で、手持ち式、手誘導式の切断装置を更に改良することであり、ワークピースでの切断ホイールによる可能な切込み深さは、公知の切断装置のものを超えて増加され、そして、好ましくは最大切込み深さが達成され、それは、切断ホイールのホイール直径とフランジの最小フランジ直径との間の差分の半分によって規定されるものである。
【0010】
本発明によると、この目的は独立の請求項1の特徴点により最初に述べられている手持ち式、手誘導式の切断装置によって達成される。好都合な改良点は従属請求項において示される。
【0011】
本発明によると、前記手持ち式、手誘導式の切断装置は、セーフティーガードのピボット軸が出力シャフトの出力軸から距離をもって変位されている(位置がずらされている)ことにより、特徴づけされている。ピボット軸に枢動可能となるようにセーフティーガードが設計されており、他のベアリング要素は前記セーフティーガードのピボット支持に関して要求がある。出力軸に関してのピボット軸の変位により、出力シャフトの領域において配置された切断装置の構成部は、それにより、利用できるスペースおよび切断の深さへ分配することができる。出力シャフトの領域に配置された構成部は、出力シャフト、セーフティーガード、サポートハウジング部そして伝達機構のためのベアリングを含んでいる。
【0012】
切断ホイールによって達成できるワークピースでの切込み深さは、使用された切断ホイールのホイール直径と使用されたフランジのフランジ直径との間の差分の半分により特定され、この切込み深さは、切込み深さを付加的に制限する切断装置の構成部がない場合にだけ、達成される。セーフティーガードは、切断ホイールを覆うカバー領域およびワークピースを加工するための切断ホイールを露出する加工領域によって形成されている。前記構成部(セーフティーガード、サポートハウジング部そして伝達機構)を配列そして支持することができるレシーブ領域は、セーフティーガードの加工領域でフランジ直径を有しているフランジによって規定される。使用された切断ホイールのホイール直径と使用されたフランジのフランジ直径との間の差分の半分によって、前記切込み深さを達成できる場合、切断装置の全ての構成部は、制限された角度範囲で前記レシーブ領域へ移動されなければならない。
【0013】
切断ホイールの前記切込み深さを増加させるため、好ましくはより小さいフランジ直径を有するフランジが使用される。小さいフランジ直径が選択されるほど、構成部を配列そして支持するための前記レシーブ領域が小さくなる。前記構成部の最適な配列は、好ましくは小さいフランジ直径が使用される場合、そのために特に重要である。前記セーフティーガードの支持は特に重要である。前記セーフティーガードは、セーフティーガードの側壁に接続された締付けフランジを含んでいる。その締付けフランジは、サポートハウジング部の適合しているカウンター輪郭に取付けられ、そして、前記カウンター輪郭に関して前記ピボット軸に調整可能に設計してある。セーフティーガードの前記ピボット軸が前記出力シャフトの前記出力軸と一致する場合、前記締付けフランジの直径は前記フランジ直径によって制限される。前記ピボット軸の前記変位によって、締付けフランジの前記直径は前記フランジ直径よりも大きく選択することができる。
【0014】
前記セーフティーガードの前記ピボット軸は、前記セーフティーガードのカバー領域において、前記出力シャフトの前記出力軸について、特に好ましくは変位される。前記セーフティーガードは、前記切断ホイールをカバーしている前記カバー領域とワークピースを加工する切断ホイールを露出する加工領域によって構成されている。切断ホイールによって好ましい大きな切込み深さを達成するために、好ましくは小さいフランジ直径を有しているフランジが使用される。より小さいフランジ直径が選択されるほど、前記構成部(出力シャフトのベアリング、セーフティーガード、サポートハウジング部そして伝達機構)の配列そして支持のためのレシーブ領域が小さくなり、前記セーフティーガードの支持は特に重要となっている。前記締付けフランジの直径は、摩擦関係を介して調整可能であり枢動可能なするセーフティーガードの寸法と重さによって必然的に規定されて可変である。前記セーフティーガードの前記カバー領域内への前記ピボット軸の変位によって、前記締付けフランジの直径は使用されたフランジのフランジ直径よりも大きくすることを選択することができる。
【0015】
前記セーフティーガードは特に好ましくは直径を有する締付けフランジを含み、そして前記ピボット軸と前記出力軸との間の距離は、前記締付けフランジの直径と前記フランジ直径との間の前記差分の半分以上である。前記締付けフランジは前記セーフティーガードのサブ構成部であり、前記セーフティーガードを介して枢動可能に設計されている。前記締付けフランジは前記サポートハウジング部の適合しているカウンター輪郭に取付けられ、そして、前記カウンター輪郭に関して前記ピボット軸について調節できるように設計されている。前記締付けフランジの直径は可変であり、前記セーフティーガードの寸法と重さにより必然的に規定される。仮に、前記ピボット軸と前記出力軸の前記距離が、前記締付けフランジの直径と前記フランジ直径との差分の半分以上となるように選択されると、アウトカット角における前記セーフティーガードの前記締付けフランジは、前記フランジ直径を有する前記フランジによって規定される前記レシーブ領域以内となる。
【0016】
ひとつの好ましい詳細な実施形態において、前記セーフティーガード、前記サポートハウジング部そして前記伝達機構は、アウトカット角で前記出力軸から最大距離を有しており、それは前記フランジ直径の半分以下である。前記セーフティーガード、サポートハウジング部そして伝達機構として設計された、前記切断装置の構成部の外側境界は外側輪郭となる。そして、前記出力軸からの距離は、前記アウトカット角での前記出力軸からの前記外側輪郭の最大距離に対応する。そして、前記アウトカット角の外側、前記出力軸からの前記外側輪郭の距離は前記フランジ直径の半分以上である。前記アウトカット角での前記切断装置の構成部の前記外側輪郭が、前記出力軸からの距離が前記フランジ直径の半分以下となるように、設計されているという事実により、前記切込み深さは、前記ホイール直径と前記フランジ直径との間の差分の半分によって、規定される。前記ホイール直径と前記フランジ直径との間の差分の半分により規定される前記切込み深さは、前記アウトカット角で達成可能である。本発明による前記切断装置の切込み深さは、公知の切断装置と比較して前記アウトカット角において増加される。
【0017】
前記伝達機構は好ましく、出力シャフトに配置された出力ディスクと前記出力ディスクへ前記駆動源の動作を伝達する伝達要素を含み、前記出力シャフトと前記伝達要素は前記アウトカット角において前記出力軸から最大距離を有しており、それはフランジ直径の半分以下となっている。前記伝達機構は、前記アウトカット角に位置している前記切断装置の構成部のひとつである。前記出力軸からの前記伝達機構の前記最大距離が、前記アウトカット角において前記最小フランジ直径の半分以下という条件は、前記伝達機構の全てのサブ構成部について一致されていなければならない。これらは、前記出力シャフトに配置された出力ディスクと、前記出力ディスクに配置された前記伝達要素を含んでいる。前記出力ディスクは前記出力軸から第4の最大距離を有している、そして前記伝達要素は前記出力軸から第5の最大距離を有している。
【0018】
前記伝達機構は、好ましくはカバーを含み、このカバーは前記アウトカット角で前記出力軸から最大距離を有し、それは前記フランジ直径の半分以下である。前記出力ディスクとして設計された前記伝達機構のサブ構成部および前記伝達要素は回転している構成部であり、これらは安全要求を満たすように覆われなければならない。このカバーは前記出力軸から第6の最大距離を有している。
【0019】
本発明による前記切断装置のひとつの好ましい改良例において、前記フランジのフランジ直径は最小フランジ直径に対応する。前記フランジ直径は、所定のフランジに関して、より低い制限値として特定され、適応可能な規格は最小フランジ直径として規定される。特に、前記最小フランジ直径は、駆動源のタイプ、切断ホイールのタイプ、そして切断ホイールのホイール直径によって決定される。使用されたフランジのフランジ直径が前記最小フランジ直径に対応する場合、前記最大切込み深さは切断ホイールで達成することができ、切断ホイールの最大切込み深さは前記切断ホイールのホイール直径と前記最小フランジ直径との間の差分の半分によって特定されている。本発明による切断装置は、公知の切断装置と比較して切込み深さが増加されるという長所を有し、これにより前記最大切込み深さが達成される。本発明による前記切断装置において、これが内燃機関とダイヤモンド切断ホイールを含むとき、切込み深さは300mmのホイール直径により達成され、一方で前記スチール社の前記切断装置TS400そしてTS410の様に、公知のガス駆動式の切断装置の場合、350mmのホイール直径を有するダイヤモンド切断ホイールが要求される。
【0020】
本発明による前記切断装置の好ましい第1の変形例において、前記駆動源は内燃機関として設計され、そして前記切断ホイールはダイヤモンド切断ホイール或いは研磨切断ホイールとして設計される。前記ヨーロッパ規格EN ISO 19432:2012はヨーロッパにおいて、ガス駆動式の切断装置に適用され、そして前記アメリカ合衆国規格ANSI B175.4−2013は、アメリカ合衆国においてそれに適用される。類似するような規格がヨーロッパやアメリカ合衆国以外の国々や領域において適用されており、そして前記ヨーロッパ規格はヨーロッパの国々において国の規格で施行することができる。内燃機関とダイヤモンド切断ホイールを含む本発明による切断装置において、最小フランジ直径dminは、D≦250mmについてdmin=37.5mm、250mm<D≦300mmについてdmin=45mm、300mm<D≦350mmについてdmin=52.5mmそして、350mm<Dについてdmin=60mmである。内燃機関や研磨切断ホイールを含む切断装置において、最小フランジ直径dminは:D≦250mmについてdmin=63.5mm、250mm<D≦300mmについてdmin=75mm、250mm<D≦350mmについてdmin=87.5mmそして、350mm<Dについてdmin=100mmである。
【0021】
内燃機関とダイヤモンド切断ホイールを含む本発明による切断装置は、250mmのホイール直径で、106.25mm(1/2*(250mm−37.5mm))の最大切込み深さを、300mmのホイール直径で、127.5mm(1/2*(300mm−45mm))の最大切込み深さを、350mmのホイール直径で、148.75mm(1/2*(350mm−52.5mm))の最大切込み深さを、そして、400mmのホイール直径で、170mm(1/2*(400mm−60mm))の最大切込み深さを、達成する。
内燃機関と研磨切断ホイールを含む本発明による研磨切断装置は、250mmのホイール直径で、93.25mm(1/2*(250mm−63.5mm))の最大切込み深さを、300mmのホイール直径で、112.5mm(1/2*(300mm−75mm))の最大切込み深さを、350mmのホイール直径で、131.25mm(1/2*(350mm−87.5mm))の最大切込み深さを、そして、400mmのホイール直径で、150mm(1/2*(400mm−100mm))の最大切込み深さを、達成する。
【0022】
本発明による前記切断装置の好ましい第2の変形例において、前記駆動源は電気モータとして設計され、そして前記切断ホイールはダイヤモンド切断ホイール或いは41或いは42タイプの結合、強化された切断ホイール(gebundene verstaerkte trennschleifscheibe)として設計される。前記ヨーロッパ規格EN IEC 60745-2-22:2011はヨーロッパにおいて電気モータを含む切断装置に適用され、そして、アメリカ合衆国規格ANSI/UL 60745-2-22-2012はアメリカ合衆国においてそれに適用される。類似するような規格がヨーロッパやアメリカ合衆国以外の国々や領域において適用されており、そして前記ヨーロッパ規格はヨーロッパの国々において国の規格で施行することができる。電気モータとダイヤモンド切断ホイールを含む本発明による切断装置について、最小フランジ直径dminは、55mm≦D≦410mmについてdmin=0.15*Dである。電気モータと41或いは42タイプの結合、強化された切断ホイールを含む本発明による切断装置について、最小フランジ直径dminは、55mm≦D≦80mmでdmin=19mmであり、80mm≦D<105mmで孔直径φ=10mmではdmin=19mmそして孔直径φ=16mmではdmin=28mmであり、105mm≦D≦230mmでdmin=40mmであり、そして、230mm<D≦410mmでdmin=0.25*Dである。
【0023】
本発明の好適な実施形態例が図面に基づいて以下で説明される。図面は寸法に忠実な具体例を説明することを必ずしも意図しておらず、むしろ図面で示される図式的な、及び/または、わずかに歪曲された形が説明のために有効となる。形に関連する種々の改善や変更、また本発明の概念から外れることなく、実施例の細部が実施されるということについて考慮されるべきである。以下で示され、そして記述される実施例の精密な形や細部によって、本発明の概念は制限を受けることはなく、また請求項に記載された目的との比較において、本発明の概念における目的が制限されるということもない。所定の測定範囲において、所定制限内の数値は数値を制限して開示されたもので、任意に使用され、また主張されることができる。簡易化のため、同一あるいは類似の部分または同一あるいは類似の機能を有する部に、同じ参照番号が以下で使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】切断ホイールを含む、手持ち式、手誘導式の切断装置について示している図である。
図1B】切断ホイールを含む、手持ち式、手誘導式の切断装置について示している図である。
図2A図1A、1Bで示す切断装置のセーフティーガードと駆動ベルトについて示した図で、カバーがある場合について示している図である。
図2B図1A、1Bで示す切断装置のセーフティーガードと駆動ベルトについて示した図で、カバーがない場合について示している図である。
図3A図1Aによる前記切断装置と切断装置のセーフティーガードを示し、側面を示している側面図である。
図3B図1Aによる前記切断装置と切断装置のセーフティーガードを示し、A−A線に沿った第1の断面図である。
図3C図1Aによる前記切断装置と切断装置のセーフティーガードを示し、B−B線に沿った第2の断面図である。
図4図3Cの第2の断面図を拡大し詳細を示した図である。
図5】前セーフティーガードと駆動ベルトのサポートアームハウジング、アウトカット角での最大切込み深さに対応する切込み深さについて示している図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1A図1Bは、切断装置の形態に設計された、本発明による手持ち式、手誘導式の動力工具10を示している。切断装置10は切断ホイール11として設計された加工手段を含み、切断ホイール11は、回転軸14について回転方向13で駆動ユニット12により駆動される。切断ホイール11についての全ての駆動構成部は駆動ユニット12として組付けされている。図1Bで示される切断装置10では、駆動ユニット12における少なくとも幾つかの構成部を視認できるようにするため、カバー15が外されている。カバー15はシングルパートまたはマルチパートによる設計とすることができ、ネジによって切断装置10に締付けられている。
【0026】
駆動ユニット12は、モータハウジング16に配置された駆動源17、サポートアーム18内に配置されてベルト駆動部19として設計された伝達機構、そして切断ホイール11が取付けられている出力シャフト20を含んでいる。駆動源17とベルト駆動部19との間には必要により追加の伝達構成部を接続することができる。遠心クラッチを駆動源17とベルト駆動部19との間に配置することができ、遠心クラッチは切断装置10のアイドリング時或いは始動時のような、低回転スピードでは切断ホイール11を回転させないことを保証できる。前記遠心クラッチはクラッチベルトを含み、遠心力により、操作中、遠心荷重が外向きの圧力がクラッチベルトに作用する。駆動源17は駆動軸22回りに駆動シャフト21を駆動させる。前記遠心クラッチのクラッチベルトは、駆動シャフト21に回転可能に支持された駆動ディスク23に確実に接続されて回転可能とされている。
【0027】
内燃機関或いは電気モータが、切断装置10のための駆動源17として使用される。モータ作動の電動工具についての全ての駆動源は「電気モータ」として総称する。、前記電動工具は、ケーブルによって電力グリッドに直接接続されてもよいし、ワイヤレスにより直接接続されなくてもよい。内燃機関を含む切断装置は切断ホイール11の異なるタイプで使用される(すなわち、ダイヤモンド切断ホイールと研磨切断ホイール)。ここで、前記切断ホイールは、固めた研磨材料により製造された切断ボディ及び/又はダイヤモンドとCBN研磨材料とを有する研磨手段を含んでいる。電気モータを含む切断装置は、異なるタイプの切断ホイール11としてダイヤモンド切断ホイールそして41或いは42タイプの結合、強化された切断ホイールを使用することができる。
【0028】
切断ホイール11はセーフティーガード24によって囲われており、作業者を舞い上がる塵片から守るため、また切断装置10の操作中に作業者が切断ホイール11に巻込まれて怪我をするリスクを低減するために、セーフティーガード24が使用される。セーフティーガード24は切断ホイール11のハブ領域に取付けられており、そして約200°のカバー角で切断ホイール11を覆うカバー領域25と、ワークピースを加工するため160°の加工角で切断ホイール11が露出している加工領域26とにより構成されている。セーフティーガード24は枢動可能に設計され、所望のピボット位置のピボット軸27(図2A,2B)で枢動される。前記ピボット位置のセットのため、把持要素28がセーフティーガード24に固定されており、セーフティーガード24はピボット軸27で枢動するために必要な力を適用できるようになっている。
【0029】
操作ユニット32を有すると共に上部ハンドルとして設計されている、第1ハンドル31が切断装置10の操作用に設けられている。モータハウジング16の上方に配置されているハンドルが、上部ハンドルである。代替として、前記第1ハンドルは、切断ホイール11から離れて対面しているモータハウジング16の側部に配置されており、後部ハンドルとして設計することができる。第1ハンドル31に加えて、第2ハンドル33が切断ホイール11と第1ハンドル31との間に配置され、切断装置10を誘導するために設けられている。好適な実施形態例を示す図1A、1Bにおいて、第2ハンドル33はセパレートグリップチューブとして設計され、或いは、その代わりに、モータハウジング16に付属の一片部また他のハウジング部として設計されてもよい。
【0030】
図2A、2Bは、図1A、1Bにおける切断装置10のセーフティーガード24とベルト駆動部19を拡大表示して示している。ベルト駆動部19は、固定されたサポートハウジング部36そしてカバー15を含んで、サポートアームハウジング35内に配置されている。図2Aはカバー15が取付けられたときのベルト駆動部19、図2Bはカバー15を除いたベルト駆動部19を示している。
【0031】
切断ホイール11の駆動は、駆動源17、ベルト駆動部19そして出力シャフト20を介して、行われる。駆動源17は内燃機関或いは電気モータとして設計することができる。駆動源17は駆動シャフト21を駆動し、駆動軸22回りに駆動ディスク23を駆動する。駆動ベルトとして設計された伝達要素38は、駆動ディスク23と出力シャフト20に支持されている出力ディスク39を介してガイドされる。出力シャフト20は出力軸40回りに回転可能であり、出力軸40は切断ホイール11の回転軸14と一致している。駆動ディスク23、駆動ベルト38、そして出力ディスク39はベルト駆動部19を形成する。これにかえて、伝達機構19は例えばチェーン駆動の形式に設計することができ、この場合には、駆動ディスク23と出力ディスク39の間の伝達要素をチェーンとして設計することができる。切断ホイール11はフランジ41によって出力シャフト20に配置されており、出力シャフト20に確実に接続されて回転可能である。フランジ41と切断ホイール11は出力シャフト20に取付けられ、切断ホイール11はフランジ41の2つのフランジ半体の間に配置されている。
【0032】
ワークピースは、セーフティーガード24の加工領域で切断ホイール11が位置した領域で、切断装置10によって加工される。セーフティーガード24は切断ホイール11のハブ領域に締付けフランジ42を含み、好適な実施形態において、それはセーフティーガード24の側壁43についての一片部として設計されている。これにかえて、前記締付けフランジは分離した部分として、そしてセーフティーガード24に接続されるように設計してもよい。締付けフランジ42は固定されたサポートハウジング部36の適合しているカウンター輪郭44に取付られ、ハウジング部36のカウンター輪郭44に関して調整可能に設計されている。セーフティーガード24は、前ピボット位置と後ピボット位置との間でピボット軸27に枢動可能となるように設計されている。セーフティーガード24の枢動範囲は、約60°の角度範囲に制限されている。
【0033】
図3A〜3Cは、図1Aによる、切断ホイール11及び切断装置10のセーフティーガード24の拡大図を示している。図3Aは切断ホイール11とセーフティーガード24との配置を側面図で示している。図3B図3AのA−A線に沿った断面の断面図を示している。そして、図3C図3AのB−B線に沿った断面の断面図を示している。
切断ホイール11はフランジ41によって出力シャフト20に締付けられており、回転軸14に回転可能に設計されている。駆動源の動作は、駆動ベルト38そして出力シャフト20に確実に支持されて回転可能である出力ディスク39を介して、出力シャフト20へ伝達される。
【0034】
セーフティーガード24は、切断ホイール11を覆うカバー領域25、そしてワークピースを加工するための切断ホイール11を露出させている加工領域26によって構成されている。360°の切断ホイールの全角度は、セーフティーガード24によって、カバー角と加工角とに分割される。セーフティーガード24のカバー領域25は前記カバー角を決定し、セーフティーガード24の加工領域26は前記加工角を決定する。好適な実施形態例では、前記カバー角は約200°であり、前記加工角は約160°である。
【0035】
出力シャフト20は、ベアリング要素45を介して、固定されたサポートハウジング部36に支持されている。セーフティーガード24は固定されたサポートハウジング部36に固定されている。セーフティーガード24の締付けフランジ42はハウジング部36のカウンター輪郭44に取付けられおり、固定されたサポートハウジング部36に関連しているピボット軸27について枢動可能となるように設計されている。セーフティーガード24の枢動動作を容易にするため、締付けフランジ42とカウンター輪郭44との間に滑り要素46が配設されている。これは摩擦を減らすもので、例えばテフロン(登録商標)リングとして設計される。
【0036】
図3Cは、出力シャフト20の出力軸40とは異なっている、セーフティーガード24のピボット軸27を示している。ピボット軸27は、セーフティーガード24のカバー領域25内へ、出力軸40に対して変位されている。好適な実施形態では、ピボット軸27と出力軸40との間の距離Δは、出力シャフト20の直径dの半分よりも大きい。
【0037】
図4は、図3Cで図示された図3AでのB−B線に沿った第2の断面図について拡大した詳細部を示している。この詳細部は出力シャフト20と、切断ホイール11を出力シャフト20に固定するためのフランジ41を示している。
【0038】
フランジ41は複数部による構成であり、第1フランジ部51、第2フランジ部52そして工具ネジ53を含んでいる。切断ホイール11を組付けするため、第1フランジ部51が出力シャフト20に取付け或いはネジ止めされ、切断ホイール11が第1フランジ部51に取付けされ、そして、第2フランジ部52が取付けされる。切断ホイール11は、によって、第1、第2のフランジ部51、52の間で挟持される。
【0039】
ガス駆動式の切断装置に関して、前記ヨーロッパ規格EN ISO 19432:2012、前記アメリカ合衆国規格ANSI B175.4−2013、そして対応する規格が他の国々で、フランジ41についての最小フランジ直径dminを規定しており、切断ホイール11のタイプ(ダイヤモンド切断ホイール或いは研磨切断ホイール)に依存しており、また切断ホイール11のホイール直径D(D≦250mm、250mm<D≦300mm、300mm<D≦350mmそして350mm<D)に依存している。ダイヤモンド切断ホイールに関して、最小フランジ直径dminは、D≦250mmについてdmin=37.5mm、250mm<D≦300mmについてdmin=45mm、300mm<D≦350mmについてdmin=52.5mmそして、350mm<Dについてdmin=60mmである。研磨切断ホイールに関して、最小フランジ直径dminは:D≦250mmについてdmin=63.5mm、250mm<D≦300mmについてdmin=75mm、300mm<D≦350mmについてdmin=87.5mmそして、350mm<Dについてdmin=100mmである。
【0040】
切断ホイール11により達成できるワークピースにおける最大切込み深さtmaxは、フランジ41のフランジ直径dfが最小フランジ直径dminに対応し、更に切込み深さを付加的に制限する切断装置10の構成要素がない場合に、達成される、最大切込み深さtmaxは切断ホイール11のホイール直径Dとフランジ41の最小フランジ直径dminとの間の差分の半分で規定され、tmax=1/2*(D−dmin)である。ガス駆動式の切断装置10とダイヤモンド切断ホイールについて、最大切込み深さtmaxは、D=250mmでtmax=106.25mm、D=300mmでtmax=127.5mm、D=350mmでtmax=148.75mmそしてD=400mmでtmax=170mmである。ガス駆動式の切断装置10と研磨切断ホイールについて、最大切込み深さtmaxは、D=250mmでtmax=93.25mm、D=300mmでtmax=112.5mm、D=350mmでtmax=131.25mmそしてD=400mmでtmax=150mmである。
【0041】
フランジ41のフランジ直径dfに加えて、切断ホイール11の切込み深さtは、セーフティーガード24の加工領域26で切断装置10の構成の外側輪郭によって規定される。前記外側輪郭は、セーフティーガード24の第1外側輪郭54、サポートハウジング部36の第2外側輪郭55そしてベルト駆動部19の第3外側輪郭56を含む。外側輪郭54、55、56は、出力軸40からのそれらの最大距離bがアウトカット角θで最小フランジ直径dminの半分以下であるようにして設計されている。セーフティーガード24の第1外側輪郭54は、アウトカット角において出力軸40から第1の最大距離b1を有している。サポートハウジング部36の第2外側輪郭55は、アウトカット角において出力軸40から第2の最大距離b2を有している。そして、ベルト駆動部19の第3外側輪郭56は、アウトカット角において出力軸40から第3の最大距離b3を有している。アウトカット角θにおける出力軸40からの外側輪郭の最大距離は、構成の最大距離bとして規定される。
【0042】
出力軸40からのベルト駆動部19の最大距離b3が最小フランジ直径dminの半分以下であるという条件は、アウトカット角θでベルト駆動部19の全てのサブ構成部に適用しなければならない。ベルト駆動部19は、出力シャフト20の前記領域において出力ディスク39、駆動ベルト38そしてカバー15によって形成されている。出力ディスク39は、アウトカット角θで出力軸40から第4の最大距離b4を有している。駆動ベルト38は、アウトカット角θで出力軸40から第5の最大距離b5を有している。そして、カバー15は、アウトカット角θで出力軸40から第6の最大距離b6を有している。
【0043】
駆動ベルト38が出力ディスク39に配置されているので、好ましい実施の形態では、出力ディスク39は駆動ベルト38から突出させず、前記アウトカット角で出力軸40からの出力ディスク39の第4の最大距離b4は駆動ベルト38の第5の最大距離b5よりも小さい。アウトカット角θで前記最大距離が最小フランジ直径dminの半分以下であるという条件が、駆動ベルト38に適合するならば、その条件は出力ディスク39にも同様に適合する。出力ディスク39及び駆動ベルト38の適宜の設計において、アウトカット角θについて前記最大距離が最小フランジ直径dminの半分以下であるという条件は、出力ディスク39と駆動ベルト38に適合されなければならない。
【0044】
カバー15はベルト駆動部19を覆うという機能を果たし、そしてそれは出力シャフト20の領域において出力ディスク39と駆動ベルト38を覆う。好適は実施形態においては、出力ディスク39と駆動ベルト38はカバー15によって完全に覆われる。アウトカット角θで前記最大距離が最小フランジ直径dminの半分以下であるという条件は、カバー15に適合される場合、その条件は出力ディスク39と駆動ベルト38に同様に適合される。好適には実施形態においては、出力軸40からのベルト駆動部19の第3の最大距離b3は出力軸40からのカバー15の第6の最大距離b6に対応している。出力ディスク39、駆動ベルト38そしてカバー15の適宜の設計において、アウトカット角での前記最大距離が最小フランジ直径dminの半分以下という条件は、カバー15、出力ディスク39そして駆動ベルト38に適合されなければならない。
【0045】
図5は、図3Aでのセーフティーガードのピボット位置に対応しているピボット位置において、切断ホイール11を除いて、切断装置10のセーフティーガード24を示している。セーフティーガード24は、固定されたサポートハウジング部36の締付けフランジ42によってピボット軸27に枢動可能に支持されている。締付けフランジ42は環形状で直径dxを有している。締付けフランジ42の直径dxは、セーフティーガード24の寸法と重さにより必然的に規定されて可変である。
【0046】
セーフティーガード24のピボット軸27は、出力シャフト20の出力軸40とは異なっている。ピボット軸27は、セーフティーガード24のカバー領域25において、出力軸40に対してずらされている。360°の切断ホイール11の全角度は、セーフティーガード24によってカバー角と加工角とに分割され、前記カバー角は約200°とされ、前記加工角は約160°とされている。アウトカット角θは切断ホイール11の前記加工角内に配置されており、好適には、約70°である。
【0047】
アウトカット角θにおけるセーフティーガード24の支持は、制限されたレシーブ領域により、特に重要である。セーフティーガード24は、サポートハウジング部36のカウンター輪郭44に取付けられた、締付けフランジ42を含んでいる。仮に、セーフティーガード24のピボット軸27が出力シャフト20の出力軸40に一致する場合、締付けフランジの直径dxはフランジ直径dfによって制限される。選択される前記フランジ直径dfが小さくなるほど、構成部を配置、支持するためのレシーブ領域が小さくなる。仮に、フランジ41のフランジ直径dfが最小フランジ直径dminに対応する場合、最小のレシーブ領域は構成部を配置、支持するために有効である。
【0048】
セーフティーガード24のカバー領域25へのピボット軸27の変位によって、締付けフランジ42の直径dxは、使用されたフランジ41のフランジ直径dfより大きくすることを選択することができる。ピボット軸27と出力軸40の間の距離Δは、締付けフランジ42の直径dXとフランジ直径dfの間の差分の半分以上となるように選択される。この場合、セーフティーガード24の締付けフランジ42は前記レシーブ領域に配置され、それはフランジ直径dfによって規定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5