特許第6698850号(P6698850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6698850モバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための方法、モバイル通信ネットワーク、マシン型通信デバイス、ユーザ機器、プログラム、およびコンピュータ・プログラム製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698850
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】モバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための方法、モバイル通信ネットワーク、マシン型通信デバイス、ユーザ機器、プログラム、およびコンピュータ・プログラム製品
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/08 20090101AFI20200518BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20200518BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20200518BHJP
【FI】
   H04W4/08
   H04W4/70
   H04W72/04 131
【請求項の数】11
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-535340(P2018-535340)
(86)(22)【出願日】2017年1月5日
(65)【公表番号】特表2019-501599(P2019-501599A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】EP2017050228
(87)【国際公開番号】WO2017118709
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2018年9月7日
(31)【優先権主張番号】16150618.3
(32)【優先日】2016年1月8日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597149146
【氏名又は名称】ドイッチェ テレコム アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】カリナー,シュテファン
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−173512(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/043523(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/135794(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02624610(EP,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02785085(EP,A1)
【文献】 特表2011−530909(JP,A)
【文献】 SA WG2,Presentation of TR 23.888: 'System Improvements for Machine-Type Communications (Release 11)'[online],3GPP TSG SA Meeting #57 SP-120489,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/TSG_SA/TSGS_57/Docs/SP-120489.zip>,2012年 8月28日,pages 121-122
【文献】 InterDigital Communication Corporation,Addressing for NIMTC[online],3GPP TSG SA WG2 Meeting #78 S2-101098,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_78_San_Francisco/Docs/S2-101098.zip>,2010年 2月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方ではモバイル通信ネットワーク(100)と他方ではマシン型通信デバイス(20)のグループとの間の拡張マシン型通信のための方法であって、
複数の加入者(30、31、32)が前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係し、
前記モバイル通信ネットワーク(100)の少なくとも1つのネットワーク・ノード(300)が、前記複数の加入者(30、31、32)にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、
加入者識別子の識別子内容が、前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係する異なる加入者(30、31、32)によって異なるように、前記加入者識別子が前記モバイル通信ネットワーク(100)の前記複数の加入者(30、31、32)の各々に関係し、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループが、前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係する同じ加入者(30)に関係し、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループが、マシン型通信デバイスの最大数を備え、
マシン型通信デバイスの前記最大数は、マシン型通信デバイス(20)の前記グループのマシン型通信デバイスが前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスする場合、前記モバイル通信ネットワーク(100)にやはりアクセスしているマシン型通信デバイス(20)の同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間と、
あらかじめ定義されたアクセス頻度と、
に依存する、
方法。
【請求項2】
前記加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または
前記加入者識別子が、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または
前記加入者識別子が、前記国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)と前記モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの各マシン型通信デバイスが、
− 識別モジュール識別子を有する、識別モジュールまたは埋込み識別モジュールまたはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)を備え、および/あるいは
− 集積回路カード識別情報(ICCID)に関係し、および/あるいは
− シリアル番号を備え、および/あるいは
− 前記マシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係し、
前記識別モジュール識別子を送信すること、および/または
前記集積回路カード識別情報を送信すること、および/または
前記シリアル番号を送信すること、および/または
前記マシン型通信デバイス上で動作する前記アプリケーション中の前記識別子を送信すること、
を行うことによって、マシン型通信デバイス(20)の前記グループの送信する前記マシン型通信デバイスは、特に、
国際モバイル機器識別情報(IMEI)によって、および/または
前記集積回路カード識別情報によって、および/または、
前記シリアル番号によって、および/または
前記マシン型通信デバイス上で動作する前記アプリケーション中の前記識別子によって、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイスの間で個別に識別されることが可能になる、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイス(20)が、あらかじめ定義されたアクセス持続時間であって、特に、あらかじめ定義された平均アクセス持続時間またはあらかじめ定義された最大アクセス持続時間である、あらかじめ定義されたアクセス持続時間の間に、あらかじめ定義されたアクセス頻度であって、特に、あらかじめ定義された平均アクセス頻度またはあらかじめ定義された最大アクセス頻度である、あらかじめ定義されたアクセス頻度で、前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスしており、
前記あらかじめ定義されたアクセス持続時間および前記あらかじめ定義されたアクセス頻度が、マシン型通信デバイス(20)の前記グループに対して同じである、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
マシン型通信デバイス(20)の前記グループが、マシン型通信デバイスの最大数を備え、
マシン型通信デバイスの前記最大数は、マシン型通信デバイス(20)の前記グループのマシン型通信デバイスが前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスする場合、前記モバイル通信ネットワーク(100)にやはりアクセスしているマシン型通信デバイス(20)の同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.2%以下となるように、マシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記あらかじめ定義されたアクセス持続時間と前記あらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイスが、任意の時点におよび/または任意の持続時間の間に前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスしている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの各マシン型通信デバイスが、アクセス時間関連情報を備え、
前記アクセス時間関連情報は、前記当該のマシン型通信デバイスが前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスすることが許可される少なくとも1つのあらかじめ定義された時点または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔を定義し、
前記少なくとも1つのあらかじめ定義された時点および/または前記少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔が、反復時点または反復時間間隔に好ましくは対応し、
一方では前記モバイル通信ネットワーク(100)と他方ではマシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイスとの間のデータ送信イベントが、前記あらかじめ定義された時点にまたは前記あらかじめ定義された時間間隔中に行われ、好ましくはそのようなデータ送信イベントが、前記モバイル通信ネットワーク(100)に対してマシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイスによって開始される、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
一方ではモバイル通信ネットワーク(100)と他方ではマシン型通信デバイス(20)のグループとの間の拡張マシン型通信のためのモバイル通信ネットワーク(100)であって、
複数の加入者(30、31、32)が前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係し、
前記モバイル通信ネットワーク(100)の少なくとも1つのネットワーク・ノード(300)が、前記複数の加入者(30、31、32)にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、
加入者識別子(25)の識別子内容が、前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係する異なる加入者(30、31、32)によって異なるように、前記加入者識別子(25)が前記モバイル通信ネットワーク(100)の前記複数の加入者(30、31、32)の各々に関係し、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループが、前記モバイル通信ネットワーク(100)に関係する同じ加入者(30)に関係し、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループが、マシン型通信デバイスの最大数を備え、
マシン型通信デバイスの前記最大数は、マシン型通信デバイス(20)の前記グループのマシン型通信デバイスが前記モバイル通信ネットワーク(100)にアクセスする場合、前記モバイル通信ネットワーク(100)にやはりアクセスしているマシン型通信デバイス(20)の同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間と、
あらかじめ定義されたアクセス頻度と、
に依存する、
モバイル通信ネットワーク(100)。
【請求項9】
前記加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または
前記加入者識別子が、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または
前記加入者識別子が、前記国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)と前記モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応し、
特に、マシン型通信デバイス(20)の前記グループの各マシン型通信デバイスが、
− 識別モジュール識別子を有する、識別モジュールまたは埋込み識別モジュールまたはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)を備え、および/あるいは
− 集積回路カード識別情報(ICCID)に関係し、および/あるいは
− シリアル番号を備え、および/あるいは
− 前記マシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係し、
前記識別モジュール識別子を送信すること、および/または
前記集積回路カード識別情報を送信すること、および/または
前記シリアル番号を送信すること、および/または
前記マシン型通信デバイス上で動作する前記アプリケーション中の前記識別子を送信すること、
を行うことによって、マシン型通信デバイス(20)の前記グループの送信する前記マシン型通信デバイスは、特に、
国際モバイル機器識別情報(IMEI)によって、および/または
前記集積回路カード識別情報によって、および/または、
前記シリアル番号によって、および/または
前記マシン型通信デバイス上で動作する前記アプリケーション中の前記識別子によって、
マシン型通信デバイス(20)の前記グループの前記マシン型通信デバイスの間で個別に識別されることが可能になる、
請求項8に記載のモバイル通信ネットワーク(100)。
【請求項10】
コンピュータ上で、またはマシン型通信デバイス(20)のグループのマシン型通信デバイス上で、またはモバイル通信ネットワーク(100)のネットワーク構成要素上で実行されたとき、前記コンピュータまたは前記マシン型通信デバイスまたは前記モバイル通信ネットワーク(100)の前記ネットワーク構成要素に、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータ可読プログラム・コードを備えるプログラム。
【請求項11】
一方ではモバイル通信ネットワーク(100)と他方ではマシン型通信デバイス(20)のグループとの間の拡張マシン型通信のためのコンピュータ・プログラムを格納した記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムが、コンピュータ上で、またはマシン型通信デバイス(20)の前記グループのマシン型通信デバイス上で、または前記モバイル通信ネットワーク(100)のネットワーク構成要素上で実行されたとき、前記コンピュータまたは前記マシン型通信デバイスまたは前記モバイル通信ネットワーク(100)の前記ネットワーク構成要素に、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させるプログラム・コードを備える、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための方法に関する。
【0002】
本発明は、さらに、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのモバイル通信ネットワークに関する。
【0003】
さらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスに関する。
【0004】
さらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのユーザ機器に関し、ユーザ機器は、第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作するように提供され、第2の動作モードは、マシン型通信デバイスとしてのユーザ機器の使用に対応する。
【背景技術】
【0005】
マシン型通信は、概して、セルラー・アクセス・ネットワークならびに情報通信システムにおいて、ますます使用されている。マシン型通信動作のためにマシン型通信デバイスを使用するシステムの例としては、
− 遠隔制御電力メータならびに計測マシン型通信デバイス、
− 自宅に到着するより前に暖房装置をオンにすることを可能にする、たとえば、自宅での機能を制御するための遠隔制御マシン型通信デバイス
があり得る。
【0006】
固定マシン型通信のそのような例に加えて、車、ボート、または何らかの他の種類の乗り物において機能またはステータス情報をリモートで監視および/または制御するなど、モバイル・マシン型通信の適用例もある。
【0007】
マシン型通信、マシン型通信デバイスおよびマシン型通信システムのための可能な適用例が莫大な量であるので、シグナリング・トラフィックのおよびセルラー・アクセス・システムにおけるデータ・トラフィックの深刻な増加が予想され得る。
【0008】
第3世代パートナーシップ・プロジェクトのリリース10(3GPP Rel−10)は、マシン型通信の適用例またはシナリオ(あるいはマシン・ツー・マシン通信(M2M通信)シナリオ)に言及し、一般に、マシン型通信サーバによって制御される複数のマシン型通信デバイスを定義する。マシン型通信サーバは、モバイル通信ネットワークの一部である機能エンティティであるか、またはマシン型通信デバイスが接続されるかまたはマシン型通信デバイスが通信する(マシン・ツー・マシン・サービス・プロバイダに属するまたはそれによって動作される)モバイル通信ネットワークの外側に位置する機能エンティティである。
【0009】
典型的なマシン型通信デバイスは、モバイル通信ネットワークにセルラー・アクセス・ネットワークを通して接続され、アクセス・ネットワークは、一般に、GSM(モバイル通信グローバル・システム)アクセス・ネットワーク、GPRS(汎用パケット無線システム)アクセス・ネットワーク、および/またはEPS/LTE(発展型パケットシステム/ロング・ターム・エボリューション)アクセス・ネットワークを含む。マシン型通信デバイスが使用される適用例は、マシン型通信デバイスがデータを報告する必要があるか、またはマシン型通信サーバがマシン型通信デバイスにデータを送信する必要があることがある。
【0010】
マシン型通信デバイスは、一般に、すなわち、モバイル通信ネットワークからマシン型通信デバイスへのデータ転送のために、またはマシン型通信デバイスからモバイル通信ネットワークへのデータ転送のために、モバイル通信ネットワークと連続的にデータを交換する必要がない。対照的に、マシン型通信デバイスは、一般に、モバイル通信ネットワークを散発的にしか使用しない、すなわち、そのようなマシン型通信デバイスは、一般に、たとえば、1時間に1回および/または1日に1回などモバイル通信ネットワークにアクセスしている。さらに、マシン型通信デバイスは、一般に、数秒または数分(一般に、10分未満)の間だけなど、一般に、短い時間間隔の間しかモバイル通信ネットワークにアクセスしていない。
【0011】
従来、モバイル通信ネットワークは、一般に、モバイル通信ネットワークの他のネットワーク・エンティティが異なるユーザ機器の要求を扱うのをサポートするユーザ・データベースの形態で、それの複数の加入者のためにホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を使用する。ユーザ・データベースまたは加入者データベースは、一般に、加入関係情報(たとえば、加入者プロファイルなど)を備え、ユーザまたは加入者の認証および承認を実行する。
【0012】
従来のモバイル通信ネットワークは、一般に、異なるユーザ機器に対して、さらに、異なるマシン型通信デバイスに対して異なる加入者識別子を使用し、同等に高いコストをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための技術的に単純な、効果的な、特にコスト効果的なソリューションを提供することである。本発明のさらなる目的は、よりコスト効果的な形でマシン型通信とモバイル通信ネットワークとの間の効率的な通信を可能にする一方でモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループまたはユーザ機器との間の拡張マシン型通信のためのモバイル通信ネットワーク、マシン型通信デバイス、およびユーザ機器を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための方法によって達成され、複数の加入者は、モバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードは、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容(identifier content)が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子は、モバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係する。
【0015】
したがって、本発明によれば、有利なことに、特に、ホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供するネットワーク・ノードに関するモバイル通信ネットワークのリソースが、特に、モバイル通信ネットワークによってマシン型通信サービスを提供するために、より効率的な形で使用され得ることが可能になる。本発明によれば、有利なことに、複数のマシン型通信デバイスが共通の加入者を共有すること、すなわち、その加入者に関連する(たとえば、データベース容量などに関する、モバイル通信ネットワーク内での)すべての作業が複数のマシン型通信デバイスまたはユーザ機器に対して1回しか必要とされないことが可能になる。一般に、マシン型通信デバイスのそのようなグループのすべてのマシン型通信デバイスは、モバイル通信ネットワークの同じ顧客またはモバイル通信ネットワークの事業者に関連付けられる。
【0016】
本発明の目的はまた、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のための方法によって達成され、複数の加入者がモバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードが、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子がモバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、マシン型通信デバイスの最大数を備え、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、マシン型通信デバイスの最大数は、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0017】
したがって、本発明によれば、有利なことに、特に、ホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供するネットワーク・ノードに関するモバイル通信ネットワークのリソースが、特に、モバイル通信ネットワークによってマシン型通信サービスを提供するために、より効率的な形で使用され得ることが可能になる。本発明によれば、有利なことに、複数のマシン型通信デバイスが共通の加入者を共有すること、すなわち、その加入者に関連する(たとえば、データベース容量などに関する、モバイル通信ネットワーク内での)すべての作業が複数のマシン型通信デバイスまたはユーザ機器に対して1回しか必要とされないことが可能になる。一般に、マシン型通信デバイスのそのようなグループのすべてのマシン型通信デバイスは、モバイル通信ネットワークの同じ顧客またはモバイル通信ネットワークの事業者に関連付けられる。
【0018】
したがって、有利なことに、(すなわち、同じ加入者識別子を有するかまたは共有する)マシン型通信デバイスのグループ中のマシン型通信デバイスの数が、10%の許容衝突レートを一般に上回らないように選定されることが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のコンテキストでは、マシン型通信デバイスについて説明する。そのようなマシン型通信デバイスは、一般に、詳細にはマシン型通信目的のために使用される。ただし、(通常のモバイル・フォン、スマート・フォン、タブレット・コンピュータまたは携帯情報端末などの他のモバイル・デバイスなど)モバイル通信ネットワーク中で潜在的に使用される各ユーザ機器は、たとえば、(モバイル・デバイスが、GPS(全地球測位システム)などのGNSS(グローバル・ナビゲーション衛星システム)の受信機によってモバイル・デバイスの地理的位置を検出するための手段を備える場合は)地理的位置に関係し、モバイル・デバイスが適切なセンサー・デバイスまたはセンサー・モジュールを備える(またはそれに関係がある)場合は温度値または加速値に関係するたとえばある情報を送信するマシン型通信目的のために潜在的に使用され得る。したがって、マシン型通信デバイスという用語はまた、モバイル・デバイスが、たとえば、ボイス通信および/またはデータ通信目的のためにモバイル通信ネットワークにおいて使用されるべきユーザ機器であり、追加または代替としてマシン型通信デバイスとして使用される場合を包含する。これは、本発明のコンテキストでは、マシン型通信デバイスという用語が、その動作モードでは、複数のそのようなモバイル・デバイスまたはユーザ機器が、ホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供するデータベースの1つの共通の加入者エントリを共有するような動作モードに従って使用されるユーザ機器、たとえば、スマート・フォンなどの任意のモバイル・デバイスの意味をも有すべきことを意味する。特に、本発明によれば、そのようなユーザ機器が第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作できることが可能になり、それの第2の動作モードでは、ユーザ機器は、すなわち、複数のマシン型通信デバイスの間で共有される加入者を使用するマシン型通信デバイスとして動作し、第1の動作モードでは、ユーザ機器は、すなわち、複数のユーザ機器の間で一般に共有されない(異なる)加入者を使用する従来のユーザ機器として動作する。
【0020】
本発明によれば、複数のマシン型通信デバイス、すなわち、マシン型通信デバイスのグループはすべて、1つの一意の加入者に関係する(すなわち、その加入者の加入者識別子の識別子内容が同一であり、言い換えれば、加入者(すなわち、その加入者を識別する識別子(内容)が、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスの間で共有される)。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、加入者識別子は、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または加入者識別子は、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または加入者識別子は、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)とモバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応する。
【0022】
したがって、有利なことに、マシン型通信デバイスのグループの共有加入者に同じ識別子を割り当て、一般的に使用される識別子を使用することが可能になる。
【0023】
さらに、本発明によれば、マシン型通信デバイスのグループの各マシン型通信デバイスは、
− 識別モジュール識別子を有する識別モジュール、または埋込み識別モジュール、またはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)を備え、および/あるいは
− 集積回路カード識別子に関係し、および/あるいは
− シリアル番号を備え、および/あるいは
− マシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係する
ことが好適であり、したがって、識別モジュール識別子を送信すること、および/または集積回路カード識別子を送信すること、および/またはシリアル番号を送信すること、および/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子を送信することを行うことによって、マシン型通信デバイスのグループの送信マシン型通信デバイスは、特に、国際モバイル機器識別情報(IMEI)によって、および/または集積回路カード識別情報(ICCID)によって、および/または、シリアル番号によって、および/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスの間で個別に識別されることが可能になる。
【0024】
したがって、有利なことに、マシン型通信デバイスのこのグループのマシン型通信デバイスが、識別モジュール識別子および/または集積回路カード識別子および/またはシリアル番号および/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって同じ加入者識別子を共有するとしても、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスを区別できることが可能になる。特に好適な実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスは、国際モバイル機器識別情報(IMEI)によっておよび/または集積回路カード識別情報(ICCID)によって区別することが可能である。ICCIDの代わりに、代替的に、たとえば、SIMモジュール上に、特に、SIMモジュールの製造時にあるいはその後に、任意の識別子が定義されることも可能になり、識別子は、たとえば、マシン型通信デバイス内のマシン型通信関連アプリケーションによってのみ使用され、それによって、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスを区別する可能性を与え得る。SIMモジュールが使用される場合、マシン型通信デバイスの中からSIMモジュールを取り出すことによる誤用または詐欺を回避するために、本発明によれば、有利なことに、たとえば、一方ではマシン型通信デバイスと他方ではSIMモジュールとの間で暗号論的に安全化された認証が行われた後でのみSIMモジュールが使用可能になることが可能になる。
【0025】
したがって、本発明によれば、有利なことに、(同じ加入者識別子を共有する)マシン型通信デバイスのグループのメンバー(すなわちマシン型通信デバイス)が、必ずしもホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供するネットワーク・ノードの観点からではなく、少なくとも、マシン型通信デバイスのグループの所与のメンバーからデバイス識別子またはデバイス関連の識別子を受信する(モバイル通信ネットワークの)ネットワーク・ノードの観点から、それでも区別できることが可能になる。
【0026】
本発明のまたさらなる好ましい実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスは、あらかじめ定義されたアクセス持続時間の間に、あらかじめ定義されたアクセス頻度でモバイル通信ネットワークにアクセスしており、あらかじめ定義されたアクセス持続時間、およびあらかじめ定義されたアクセス頻度は、マシン型通信デバイスのグループに対して同じである。あらかじめ定義されたアクセス持続時間は、特に、(マシン型通信デバイスのグループに関するまたはそれの)あらかじめ定義された平均アクセス持続時間またはあらかじめ定義された最大アクセス持続時間であり、および/あるいは、さらに、あらかじめ定義されたアクセス頻度は、特に、(マシン型通信デバイスのグループに関するまたはそれの)あらかじめ定義された平均アクセス頻度またはあらかじめ定義された最大アクセス頻度である。
【0027】
したがって、本発明によれば、有利なことに、マシン型通信デバイスのグループ中のマシン型通信デバイスの数があらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに従って選定され得ることが可能になる。これは、特に、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスが任意の時点にモバイル通信ネットワークにアクセスしている場合に有利である。特に、そのような(すなわち、マシン型通信デバイスが任意の(またはランダムに選定された)時点にモバイル通信ネットワークにアクセスしている)状況において、GPRS(汎用パケット無線システム)、EDGE(GSM進化型高速データ・レート)、UMTS(ユニバーサル・モバイル通信システム)、HSDPA、HSUPA、またはLTE(ロング・ターム・エボリューション)などのセルラー・モバイル通信ネットワークにおいて使用されるマシン型通信デバイスは、一般に、モバイル通信ネットワークへのアクセスを獲得するためにランダム・アクセス手順を使用する(たとえば、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)の使用)。これに加えて、マシン型通信デバイスは、UMTS中で少量のデータを送信するためにRACH(ランダム・アクセス・チャネル)を使用し得る。標準的な手順によれば、UMTS中のユーザ機器は、ブロードキャスト・シグネチャのグループからシグネチャをランダムに選定し、いくつかのあらかじめ定義されたスロット中でネットワークにアクセスしようと試みる。それは、マシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスするために共用リソースが使用され、マシン型通信デバイスのグループ中のマシン型通信デバイスの数が、あらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに適合され得ることを意味する。
【0028】
本発明のコンテキストでは、(マシン型通信デバイスの当該のグループ中のデバイスの)「あらかじめ定義されたアクセス持続時間」という用語は、本発明の一変形形態によれば、特に、(当該のグループの)すべてのそのようなマシン型通信デバイスが、同じ(またはほぼ同じ)あらかじめ定義されたアクセス持続時間を有する、すなわち、マシン型通信デバイスのそのグループの個別のデバイスのアクセス持続時間の差が、(同じ)あらかじめ定義されたアクセス持続時間と比較して無視できる(たとえば、(同じ)あらかじめ定義されたアクセス持続時間が、一般に、115秒に対応し、個別のアクセス持続時間の間の差が、1または2秒未満に対応する、すなわち、マシン型通信デバイスのグループ内のアクセス持続時間の変動が、数ポイント未満、たとえば、1%以下、または2%以下、または3%以下、または4%以下である)場合に、そのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの単一のあらかじめ定義されたアクセス持続時間に関係する。
ただし、本発明の他の変形形態によれば、(マシン型通信デバイスの当該のグループ中のデバイスの)「あらかじめ定義されたアクセス持続時間」という用語はまた、そのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの「あらかじめ定義された平均アクセス持続時間」に関係する(すなわち、あらかじめ定義されたアクセス持続時間が、当該のグループ中のマシン型通信デバイスのアクセス持続時間の平均に対応する)、またはそのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの「あらかじめ定義された最大アクセス持続時間」に関係する(すなわち、あらかじめ定義されたアクセス持続時間が、当該のグループ中のマシン型通信デバイスのすべての典型的なアクセス持続時間の最大値に対応する)ことができる。本発明のこれらの他の変形形態では、マシン型通信デバイスのアクセス持続時間は、分配され、個別のマシン型通信デバイスに、および/またはモバイル通信ネットワーク内の現在のネットワーク負荷ならびに/あるいはローカル送信状態に依存し得る。これが、マシン型通信デバイスの当該のグループのマシン型通信デバイスの各々のために単一の(または同じ)あらかじめ定義されたアクセス持続時間がない理由であるが、「あらかじめ定義されたアクセス持続時間」は、マシン型通信デバイスの実際の(すなわち、経験的に測定可能な)アクセス持続時間の分配の特性に対応する。
【0029】
同様に、本発明のコンテキストでは、(マシン型通信デバイスの当該のグループ中のデバイスの)「あらかじめ定義されたアクセス頻度」という用語は、本発明の別の変形形態によれば、特に、(当該のグループの)すべてのそのようなマシン型通信デバイスが、同じ(またはほぼ同じ)あらかじめ定義されたアクセス頻度を有する、すなわち、マシン型通信デバイスのそのグループの個別のデバイスのアクセス頻度の差が、(同じ)あらかじめ定義されたアクセス頻度と比較して無視できる(たとえば、マシン型通信デバイスのグループ内のアクセス頻度の変動が、数ポイント未満、たとえば、1%以下、または2%以下、または3%以下、または4%以下である)場合に、そのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの単一のあらかじめ定義されたアクセス頻度に関係する。
ただし、本発明の他の変形形態によれば、(マシン型通信デバイスの当該のグループ中のデバイスの)「あらかじめ定義されたアクセス頻度」という用語はまた、そのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの「あらかじめ定義された平均アクセス頻度」に関係する(すなわち、あらかじめ定義されたアクセス頻度が、当該のグループ中のマシン型通信デバイスのアクセス頻度の平均に対応する)、またはそのグループ中のすべてのマシン型通信デバイスの「あらかじめ定義された最大アクセス頻度」に関係する(すなわち、あらかじめ定義されたアクセス頻度が、当該のグループ中のマシン型通信デバイスのすべての典型的なアクセス頻度の最大値に対応する)ことができる。本発明のこれらの他の変形形態では、マシン型通信デバイスのアクセス頻度は、分配され、個別のマシン型通信デバイスに、および/またはモバイル通信ネットワーク内の現在のネットワーク負荷および/またはローカル送信状態に依存し得る。これが、マシン型通信デバイスの当該のグループのマシン型通信デバイスの各々のために単一の(または同じ)あらかじめ定義されたアクセス頻度がない理由であるが、「あらかじめ定義されたアクセス頻度」は、マシン型通信デバイスの実際の(すなわち、経験的に測定可能な)アクセス頻度の分配の特性に対応する。
本発明によれば、すべてのマシン型通信デバイスのために同じアクセス持続時間という意味においてあらかじめ定義されたアクセス持続時間が、あらかじめ定義された平均または最大アクセス頻度という意味においてあらかじめ定義されたアクセス頻度と組み合わされ、またその逆も同様である実施形態が可能であり、好適である。
【0030】
本発明によれば、有利なことに、一定数のマシン型通信デバイスのために1つの単一の加入者識別子(すなわち、加入者識別子の識別子内容)を使用することが可能になり、この複数のマシン型通信デバイスは、(同じ加入者識別子を有する)マシン型通信デバイスのグループを形成する。これは、たとえば、加入者情報(および特に、同じく対応する認証パラメータ)が1つの単一の加入者(識別子)に関係するような加入者情報をもつ一定数のSIMカードを与えることによって実現され得る。
【0031】
本発明の第1の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのそのような定義されたグループのマシン型通信デバイスは、時間的にランダムにまたは任意にモバイル通信ネットワークにアクセスし(すなわち、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスは、任意の時点におよび/または任意の持続時間の間に(すなわち、任意の時間間隔の間に)モバイル通信ネットワークにアクセスしており)、これは、((すなわち、同じ加入者識別子を有するかまたは使用する)同じグループの少なくとも2つのマシン型通信デバイスが少なくとも部分的に同時にモバイル通信ネットワークにアクセスしようと試みる場合に)衝突または競合の可能性につながる。
【0032】
特に、本発明の第1の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループが、マシン型通信デバイスの最大数を備えることが好適であり、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、最も好ましくは0.2%以下となるように、マシン型通信デバイスの最大数は、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0033】
したがって、有利なことに、特に、本発明の第1の実施形態のコンテキストでは、(すなわち、同じ加入者識別子を有するかまたは共有する)マシン型通信デバイスのグループ中のマシン型通信デバイスの数が、(たとえば、10%または8%または6%または4%または2%または1%のまたは1%未満の)許容衝突レートを一般に上回らないように選定されることが可能になる。
【0034】
特に、本発明の第1の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループが、マシン型通信デバイスの最大数を備えることが好適であり、マシン型通信デバイスの最大数は、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が、5%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.2%以下となるように、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0035】
本発明の特に第1の実施形態によれば、衝突および/または競合状況に対する許容度が、一般に、ホーム・ロケーション・レジスタおよび/またはホーム加入者サーバ機能を提供するネットワーク・ノード内でおよび/またはゲートウェイGPRS(汎用パケット無線サービス)サポート・ノード(GGSN)を提供する1つまたは複数のネットワーク・ノード内で、(モバイル通信ネットワークと第1のマシン型通信デバイスとの間の)現在の既存の接続と異なるマシン型通信デバイスとの両方がモバイル通信ネットワークへのそのような接続を要求する場合に既存の接続の中断がないようにロケーション更新プロセスを変更する特定の機能によって拡張されることが好適である。さらに同様に、本発明の特に第1の実施形態によれば、マシン型通信デバイスが特定のネットワーク応答を受信し、モバイル通信ネットワークへのそのマシン型通信デバイスのアクセスが、たとえば、1つの単体タイム・スロットだけまたは任意の数のタイム・スロットだけ遅延され得る場合に衝突の状況が想定されることが好適である。
【0036】
本発明の第2の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスは、時間的にランダムな形で(または任意に)ではなく、マシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスすることが許可される時間的にあらかじめ定義された時点にまたはあらかじめ定義された時間間隔にモバイル通信ネットワークにアクセスし、したがって、できる限り、少なくとも部分的に同時にモバイル通信ネットワークにアクセスする(すなわち、同じ加入者識別子を有するかまたは使用する)同じグループの複数のマシン型通信デバイスの衝突または競合の可能性を回避する。
【0037】
特に、本発明の第2の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループの各マシン型通信デバイスは、アクセス時間関連情報を備えることが好適であり、アクセス時間関連情報は、当該のマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスすることが許可される少なくとも1つのあらかじめ定義された時点または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔を定義し、少なくとも1つのあらかじめ定義された時点および/または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔は、反復時点または反復時間間隔に好ましくは対応し、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスとの間のデータ送信イベントが、あらかじめ定義された時点にまたはあらかじめ定義された時間間隔中に行われ、好ましくはそのようなデータ送信イベントが、モバイル通信ネットワークに対してマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスによって開始される。
【0038】
したがって、特に、本発明の第2の実施形態のコンテキストでは、有利なことに、(あらかじめ定義されたアクセス持続時間およびあらかじめ定義されたアクセス頻度の所与の構成のために)同じ加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスの数を増加し得ることと、同じ加入者識別子を有し、同時にモバイル通信ネットワークにアクセスする少なくとも2つマシン型通信デバイスの衝突または競合の可能性を低減し得ることとの両方が可能になる。
【0039】
したがって、本発明によれば、特に、第2の実施形態に関して、有利なことに、(当該のマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスすることが許可される少なくとも1つのあらかじめ定義された時点または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔を定義するかまたは示すための)アクセス時間関連情報を有するマシン型通信デバイスによって、それぞれのマシン型通信デバイスは、それがいつモバイル通信ネットワークにアクセスすることができるのかを自己決定することができることが可能になる。これは、概して、モバイル通信ネットワークのランダム・アクセス・リソース、たとえば、RACH(ランダム・アクセス・チャネル)などのモバイル通信ネットワークの共用リソースにアクセスするときに有利であり得、すなわち、ランダム・アクセス・リソースへのアクセスをも潜在的に要求する他のマシン型通信デバイスのアクセスに影響を与えない。したがって、有利なことに、(あらかじめ定義されたアクセス持続時間およびあらかじめ定義されたアクセス頻度などの他のパラメータが等しい場合)増加した数のマシン型通信デバイスが加入者識別情報を共有することができ、またマシン型通信デバイスのグループが増加した数のマシン型通信デバイスを有することが可能であり得る。
【0040】
本発明によれば、特に第2の実施形態によれば、有利なことに、マシン型通信デバイスが、モバイル通信ネットワークにアクセスすべき時間またはタイム・スロットを(アクセス時間関連情報によって)自己決定することが可能になる。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、あるマシン型通信デバイスによって使用されるべきタイム・スロットが、加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスのグループに共通の時点に(当該のマシン型通信デバイスに特定のものである)一定数のタイム・スロットを追加することをもたらすことが可能になり、好適である。得られる効果は、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスによって使用される時点またはタイム・スロットの確立された時間的拡散があるということである。
【0042】
(同じ加入者識別子を共有するグループ内の複数のマシン型通信デバイスの)特定のマシン型通信デバイスにタイム・スロットを割り当てる1つの好適な可能性は、当該のマシン型通信デバイスに固有のものである待ち時間間隔を取得するために、または加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスのグループに共通の時点に追加するためにいくつかのタイム・スロットを取得するために、たとえば、デバイス識別子またはデバイス関係識別子にハッシュ関数演算またはハッシュ関数を適用することである。そのような可能性によれば、たとえば、デバイス関係の識別情報の数値が連続する数値に対応するとすれば、ハッシュ関数は、デバイス関係の識別情報の数値に対するモジュロ演算に対応することが可能になり、好適である。本発明のさらなる実施形態によれば、加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスのグループに共通している時点は、ベース時間とも呼ばれ、マシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスしている個別の時は、(当該のマシン型通信デバイスの)ベース時間と(個別の)待ち時間間隔との和に対応する時点に好ましくは対応する。
【0043】
したがって、有利なことに、本発明によれば、マシン型通信デバイスが、所定の時点に対応する特定の所定の時間にモバイル通信ネットワークにアクセスすることが可能になり、したがって、共通の加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスのグループ内の異なるマシン型通信デバイスのアクセス時間が異なり、したがって、アクセス試行の衝突ができる限り回避される。
【0044】
さらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのモバイル通信ネットワークに関し、複数の加入者は、モバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードは、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子は、モバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係する。
【0045】
さらに、本発明はまた、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのモバイル通信ネットワークに関し、複数の加入者がモバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードが、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子がモバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、マシン型通信デバイスの最大数を備え、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、マシン型通信デバイスの最大数は、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0046】
したがって、有利なことに、モバイル通信ネットワーク内で、1つの加入者識別子を共有するマシン型通信デバイスのグループを使用することが可能になり、したがって、特に、ホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供するネットワーク・ノードに関してモバイル通信ネットワークのリソースとしてのマシン型通信デバイス当たりの運用コストを低減することが、より効率的な形で使用され得る。
【0047】
さらに、本発明によれば、同じくモバイル通信ネットワークに関して、加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または加入者識別子が、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)とモバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応することが好適であり、マシン型通信デバイスのグループの各マシン型通信デバイスは、特に、
− 識別モジュール識別子を有する識別モジュール、または埋込み識別モジュール、またはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)を備え、および/あるいは
− 集積回路カード識別子に関係し、および/あるいは
− シリアル番号を備え、および/あるいは
− マシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係し、
したがって、識別モジュール識別子を送信すること、および/または集積回路カード識別子を送信すること、および/またはシリアル番号を送信することを行うことによって、マシン型通信デバイスのグループの送信マシン型通信デバイスは、特に、国際モバイル機器識別情報(IMEI)によって、および/または集積回路カード識別情報(ICCID)によって、および/または、マシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスの間で個別に識別されることが可能になる。
【0048】
したがって、有利なことに、マシン型通信デバイスのこのグループのマシン型通信デバイスが、識別モジュール識別子および/または集積回路カード識別子および/またはシリアル番号および/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって同じ加入者識別子を共有するとしても、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスを区別できることが可能になる。特に好適な実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループの異なるマシン型通信デバイスは、国際モバイル機器識別情報(IMEI)によっておよび/または集積回路カード識別情報(ICCID)によっておよび/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって区別することが可能である。
【0049】
さらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスに関し、複数の加入者は、モバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードは、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子は、モバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係する。
【0050】
さらに、本発明はまた、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスに関し、複数の加入者がモバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードが、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子がモバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、マシン型通信デバイスの最大数を備え、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、マシン型通信デバイスの最大数は、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0051】
さらに、本発明によれば、同じくマシン型通信デバイスに関して、加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または加入者識別子が、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または加入者識別子が、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)とモバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応することが好適であり、
特に、マシン型通信デバイスのグループの各マシン型通信デバイスは、
− 識別モジュール識別子を有する識別モジュール、または埋込み識別モジュール、またはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)を備え、および/あるいは
− 集積回路カード識別子に関係し、および/あるいは
− シリアル番号を備え、および/あるいは
− マシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係し、
したがって、識別モジュール識別子を送信すること、および/または集積回路カード識別子を送信すること、および/またはシリアル番号を送信することを行うことによって、マシン型通信デバイスのグループの送信マシン型通信デバイスは、特に、国際モバイル機器識別情報(IMEI)によって、および/または集積回路カード識別情報(ICCID)によって、および/または、マシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子によって、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスの間で個別に識別されることが可能になる。
【0052】
したがって、本発明によれば、有利なことに、(同じ加入者識別子を共有する)マシン型通信デバイスのグループのメンバー(すなわちマシン型通信デバイス)が、少なくとも、マシン型通信デバイスのグループの所与のメンバーからデバイス識別子またはデバイス関連の識別子を受信する(モバイル通信ネットワークの)ネットワーク・ノードの観点から、それでも区別できることが可能になる。
【0053】
さらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのユーザ機器に関し、ユーザ機器は、第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作するために提供され、第2の動作モードは、マシン型通信デバイスとしてのユーザ機器の使用に対応し、複数の加入者は、モバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードは、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子は、モバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループは、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係し、それの第1の動作モードにあるユーザ機器は、モバイル通信ネットワークに関係する複数の加入者の異なる加入者に対応する。
【0054】
さらに、本発明はまた、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのユーザ機器に関し、ユーザ機器は、第1の動作モードまたは第2の動作モードで動作するために提供され、第2の動作モードが、マシン型通信デバイスとしてのユーザ機器の使用に対応し、複数の加入者がモバイル通信ネットワークに関係し、モバイル通信ネットワークの少なくとも1つのネットワーク・ノードが、複数の加入者にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供し、加入者識別子の識別子内容が、モバイル通信ネットワークに関係する異なる加入者によって異なるように、加入者識別子がモバイル通信ネットワークの複数の加入者の各々に関係し、マシン型通信デバイスのグループが、モバイル通信ネットワークに関係する同じ加入者に関係し、それの第1の動作モードにあるユーザ機器が、モバイル通信ネットワークに関係する複数の加入者の異なる加入者に対応し、マシン型通信デバイスのグループが、マシン型通信デバイスの最大数を備え、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスする場合、モバイル通信ネットワークにやはりアクセスしているマシン型通信デバイスの同じグループの別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性が10%以下となるように、マシン型通信デバイスの最大数が、マシン型通信デバイスのグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。
【0055】
第2の動作モードが、マシン型通信デバイスとしてのユーザ機器の使用に対応し、第1の動作モードが、モバイル通信ネットワークに関係する複数の加入者の(マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスによって共有される加入者とは)異なる加入者に対応するように第1の動作モードまたは第2の動作モードでユーザ機器を動作させることによって、本発明によれば、有利なことに、(通常のモバイル・フォン、スマート・フォン、タブレット・コンピュータまたは携帯情報端末などの他のモバイル・デバイスなどの)任意のユーザ機器が、たとえば、(モバイル・デバイスが、GPS(全地球測位システム)などのGNSS(グローバル・ナビゲーション衛星システム)の受信機によってモバイル・デバイスの地理的位置を検出するための手段を備える場合に)地理的位置に関係するか、またはモバイル・デバイスが適切なセンサー・デバイスまたはセンサー・モジュールを備える場合に温度値または加速値に関係するある情報を送信するために、すなわち、マシン型通信デバイスとして、マシン型通信目的のために、本発明のモバイル通信ネットワークにおいて使用され得ることが可能になる。同様に、本発明によれば、有利なことに、たとえば、(たとえば、移動体通信事業者MNOの)SIMまたはUSIMプロファイルを最初に送信するために、(マシン型通信デバイスとして使用される)ユーザ機器の(たとえば、オーバージエア(OTA)送信を使用した、たとえば、ユニバーサル集積回路カード(UICC)または埋込みユニバーサル集積回路カード(eUICC)または統合ユニバーサル集積回路カード(iUICC)またはソフトUICCなどの)識別モジュールまたは埋込み識別モジュールにアクセスする目的で(すなわち、第2の動作モードでユーザ機器を動作させるために)マシン型通信デバイスとして(通常のモバイル・フォン、スマート・フォン、タブレット・コンピュータまたは携帯情報端末などの他のモバイル・デバイスなどの)ユーザ機器を使用することが可能になる。そのような状況では、特に、ユーザ機器中での埋込みUICCまたは統合UICCまたはソフトUICCの使用の場合、埋込みUICCまたは統合UICCまたはソフトUICCは、ユーザ機器がそれの第1の動作モードで動作する間に一般に使用される運用SIMまたはUSIMプロファイル(またはアプレットまたはプロファイルに関係するなどの他の識別モジュール関連の情報または証明書)を送信するために、ユーザ機器が第2の動作モードで動作する間に使用されるプロビジョニングSIMプロファイル(すなわち、運用SIMプロファイルを受信するためのモバイル通信ネットワークへの初期アクセスのための証明書)を備える必要がある。
【0056】
さらに、本発明は、本発明のマシン型通信デバイスの、またはマシン型通信デバイスとしてのそれの第2の動作モードでの本発明のユーザ機器の使用に関する。
【0057】
さらに、本発明は、コンピュータ上で、またはマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイス上で、またはモバイル通信ネットワークのネットワーク構成要素上で実行されたとき、コンピュータまたはマシン型通信デバイスまたはモバイル通信ネットワークのネットワーク構成要素に、本発明の方法を実行させるコンピュータ可読プログラム・コードを備えるプログラムに関する。
【0058】
またさらに、本発明は、一方ではモバイル通信ネットワークと他方ではマシン型通信デバイスのグループとの間の拡張マシン型通信のためのコンピュータ・プログラム製品に関し、コンピュータ・プログラム製品は、記憶媒体上に記憶されたコンピュータ・プログラムを備え、コンピュータ・プログラムは、コンピュータ上で、またはマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイス上で、またはモバイル通信ネットワークのネットワーク構成要素上で実行されたとき、コンピュータまたはマシン型通信デバイスまたはモバイル通信ネットワークのネットワーク構成要素に、本発明の方法を実行させるプログラム・コードを備える。
【0059】
本発明のこれらおよび他の特性、特徴および利点は、例として、本発明の原理を示す添付の図面と併せて以下の発明を実施するための形態から明らかになろう。発明を実施するための形態は、本発明の範囲を限定することなしに、例示のために与えられたものである。以下で引用される参照図は、添付の図面を指す。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】共通の加入者を共有するマシン型通信デバイスのグループとの拡張マシン型通信が使用可能であるモバイル通信ネットワークを概略的に示す。
図2】本発明による、モバイル通信ネットワークの基地局とマシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスとの間の一般通信図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明について、特定の実施形態に関して、いくつかの図を参照しながら説明するが、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記述の図面は、概略図に過ぎず、非限定的である。図面において、要素のいくつかのサイズが、説明のために誇張され、オンスケールで描画されないことがある。
【0062】
単数名詞、たとえば「a」、「an」、「the」を指すときに不定冠詞または定冠詞が使用される場合、他に何か特に述べられない限り、これは、その名詞の複数形を含む。
【0063】
さらに、明細書中のおよび特許請求の範囲中の第1、第2、第3などの用語は、同様の要素を区別するために使用されており、連続的な順序または時間的な順序を記述するために必ずしも使用されていない。そのように使用される用語が適切な状況の下で互換性があり、本明細書で説明する本発明の実施形態が、本明細書で説明または例示するものとは別の順序での動作が可能であることを理解されたい。
【0064】
図1では、モバイル通信ネットワーク100、特に、パブリック・ランド・モバイル・ネットワーク100は、アクセス・ネットワーク110とコア・ネットワーク120とを備えるモバイル通信ネットワーク100が概略的に示されている。モバイル通信ネットワーク100は、好ましくは、一般に複数のネットワーク・セル(または無線セル)を備えるセルラー電気通信ネットワークであり、そのうちの1つが実線と参照符号10とによって図1に示されている。モバイル通信ネットワーク100では、一般に複数のユーザ機器および/またはマシン型通信デバイスが、図1に表されているネットワーク・セル10などの複数のネットワーク・セルまたは無線セル内の電気通信ネットワーク100にキャンプオンしている、すなわち、ユーザ機器および/またはマシン型通信デバイスが、無線セル10をサービスしている基地局111に接続されるかまたはそれにキャンプオンしている。基地局111は、一般に、基地局、たとえば、BTS(トランシーバ基地局)、ノードBまたはeノードB基地局である。
【0065】
モバイル通信ネットワーク100は、概して、一定数のユーザ機器をサービスし、各ユーザ機器に、ある加入者が一般に割り当てられる。一般に、従来のモバイル通信ネットワーク100内で、加入者識別子は、モバイル通信ネットワーク100内で、モバイル通信ネットワーク100にアクセスする異なる加入者、すなわち、ユーザ機器などの異なるデバイスを区別するために使用される。加入者識別子は、異なる加入者30、31、32によって異なる識別子内容(すなわち、一般に、異なる数字の桁から構成される異なる数だが、潜在的に任意の英数字文字列が加入者の識別子内容に関連付けられ得る)を必ず有する。図1では、典型的な異なる加入者が、参照符号30、31、32によって指定され、2つのそのようなユーザ機器が、参照符号31および32によって概略的に表されている。
【0066】
本発明によれば、参照符号20をもつ複数のマシン型通信デバイスが概略的に表されている。一緒に、マシン型通信デバイス20は、参照符号20によって指定されるマシン型通信デバイスのグループを形成する、すなわち、参照符号20によって指定されるマシン型通信デバイスは、マシン型通信デバイス20のグループの一部である。本発明によれば、マシン型通信デバイスのグループ20のすべてのマシン型通信デバイスは、(図1中で破線によって表されている)1つの共通の加入者30、すなわち、図1中で参照符号31および32によって指定されたユーザ機器のそれぞれの加入者に対応する共通の加入者を共有しているが、もちろん、共通の加入者30を共有するマシン型通信デバイス20のグループは、参照符号31および32によって表されているユーザ機器に関連する加入者の識別子内容と比較して異なる識別子内容の加入者識別子を有する。
【0067】
モバイル通信ネットワーク100は、複数の加入者30、31、32にホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供する少なくとも1つのネットワーク・ノード300を備える。(ホーム・ロケーション・レジスタ機能および/またはホーム加入者サーバ機能を提供する)この少なくとも1つのネットワーク・ノード300内で、加入者30が、マシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスの間で共有される、すなわち、ただ1つの加入者識別子内容が、マシン型通信デバイスのグループ全体についてネットワーク・ノード300の一部である。一般に、モバイル通信ネットワーク100内で、モバイル通信ネットワーク100の複数の加入者30、31、32の加入者ごとに、ネットワーク・ノード300は、(個別の国際モバイル加入者識別情報(IMSI)および移動局統合サービス・デジタル・ネットワーク(MSISDN番号)などの)データベース・エントリを備える。さらに、モバイル通信ネットワーク100の典型的な他のノードまたは機能は、顧客関係管理機能を実現する(モバイル通信ネットワークの)ノードなど、モバイル通信ネットワーク100の複数の加入者30、31、32の加入者ごとに対応するデータベース・エントリを必要とする。マシン型通信デバイス20のグループの間で1つの加入者30を共有することによって、本発明によれば、有利なことに、その共有加入者30に関連する(モバイル通信ネットワーク100内の、たとえば、データベース容量などに関する)すべての作業が、マシン型通信デバイス20のグループの複数のマシン型通信デバイスまたはユーザ機器について1回しか必要にならないことが可能になる。
【0068】
本発明によれば、加入者識別子は、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)に対応するか、または加入者識別子は、モバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)に対応するか、または加入者識別子は、国際モバイル加入者識別番号(IMSI番号)とモバイル加入者統合サービス・デジタル・ネットワーク番号(MSISDN番号)との組合せに対応する。
【0069】
さらに、本発明によれば、有利なことに、マシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスが、同じ加入者識別子を共有するが、マシン型通信デバイス20のこのグループの異なるマシン型通信デバイスをそれでも区別することが可能になる。これは、有利なことに、たとえば、マシン型通信デバイス20のグループの各マシン型通信デバイスが、(識別モジュール、または埋込み識別モジュール、またはソフト加入者識別モジュール(ソフトSIM)の)識別モジュール識別子を有すること、および/あるいは集積回路カード識別子に関係すること、および/あるいはシリアル番号を備えること、および/あるいはマシン型通信デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子に関係することによって可能になる。識別モジュール識別子を送信することおよび/または集積回路カード識別子を送信することおよび/またはシリアル番号を送信することおよび/またはマシン型デバイス上で動作するアプリケーション中の識別子を送信することによって、マシン型通信デバイス20のグループの送信マシン型通信デバイスは、マシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスの間で個別に識別され得る。
【0070】
本発明の第1の実施形態によれば、マシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスは、時間的にランダムにまたは任意にモバイル通信ネットワーク100にアクセスし(すなわち、マシン型通信デバイスのグループのマシン型通信デバイスは、任意の時点または任意の時間間隔の間にモバイル通信ネットワークにアクセスしており)、これは、((すなわち、同じ加入者識別子を有するかまたは使用する)同じグループの少なくとも2つのマシン型通信デバイスが少なくとも部分的に同時にモバイル通信ネットワークにアクセスしようと試みる場合に)衝突または競合の可能性につながる。本発明の第1の実施形態のコンテキストでは、マシン型通信デバイス20のグループは、一般に、マシン型通信デバイスの最大数を備える。マシン型通信デバイスのこの最大数は、一般に、特に、モバイル通信ネットワーク100に同時にアクセスする(マシン型通信デバイス20の同じグループの)別のマシン型通信デバイスとの衝突の可能性を制限することに鑑みて、マシン型通信デバイス20のグループのあらかじめ定義されたアクセス持続時間とあらかじめ定義されたアクセス頻度とに依存する。マシン型通信デバイスが、時間的に任意にモバイル通信ネットワーク100にアクセスしている(その逆はない)場合に、そのようなアクセスが、平均して、比較的限定された持続時間(D)の、平均して、(頻度Fの)比較的低い頻度である場合、(すなわち、モバイル通信ネットワーク100に同時にアクセスしている(マシン型通信デバイス20の同じグループの)2つのマシン型通信デバイスの)衝突の可能性Pは、1とe^(−(k−1)*F*D)との差、すなわち、P=1−e^(−(k−1)*F*D)に対応するように計算され得、ここで、kは、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数である。この可能性が、少なくとも統計的平均で、1%を上回るべきでない(すなわち、0.01よりも小さいかまたは最大でもそれに等しくなるPの)場合、あらかじめ定義された平均アクセス持続時間が5分に対応し、マシン型通信デバイスが、モバイル通信ネットワーク100に1日1回アクセスしている場合、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数kは、4に等しくなり得る。可能性に対する同じ仮定を用い、5分のあらかじめ定義された平均アクセス持続時間だが、週当たりにマシン型通信デバイスの1回のアクセスの場合、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数kは21に増加し得、可能性に対する同じ仮定の下、5分に対応するあらかじめ定義された平均アクセス持続時間をもつが、月当たりにマシン型通信デバイスの1回のアクセスの場合、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数kは89に増加し得る。可能性に対する同じ仮定を用い、1分のみのあらかじめ定義された平均アクセス持続時間の場合、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数kは、1日当たりに(マシン型通信デバイスの)1回のアクセスの場合、15になり得、または週当たりに1回のアクセスの場合、102になり得、または月当たりに1回のアクセスの場合、440になり得る。
【0071】
本発明によれば、特に、本発明の第1の実施形態に関して、衝突の可能性は、合理的に低くあるべきであるが、特に、モバイル通信ネットワーク100のオペレータが、(マシン型通信デバイス20の同じグループの2つのマシン型通信デバイスが同時にモバイル通信ネットワーク100にアクセスしている)衝突または競合状況が発生する可能性があることを(たとえば、詐欺および/または誤用防止ならびに/あるいは会計または課金システム内で)考慮に入れる場合に、そのような衝突または競合のイベントは、システムが適切に動作するのを一般に妨げない、特に、モバイル通信ネットワーク100側に悪影響が想定されないことに留意されたい。
【0072】
本発明の第2の実施形態によれば、マシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスは、時間的にランダムな形で(または任意に)ではなく、(マシン型通信デバイス20のグループの)マシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワーク100にアクセスすることが許可される時間的にあらかじめ定義された時点にまたはあらかじめ定義された時間間隔にモバイル通信ネットワークにアクセスし、したがって、できる限り、少なくとも部分的に同時にモバイル通信ネットワーク100にアクセスする同じグループ20の複数のマシン型通信デバイスの衝突または競合の可能性を回避する。
【0073】
特に、本発明の第2の実施形態によれば、マシン型通信デバイスのグループの各マシン型通信デバイスは、アクセス時間関連情報を備えることが好適であり、アクセス時間関連情報は、当該のマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワークにアクセスすることが許可される少なくとも1つのあらかじめ定義された時点または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔を定義するか、あるいは少なくとも1つのあらかじめ定義された時点および/または少なくとも1つのあらかじめ定義された時間間隔は、反復時点または反復時間間隔に好ましくは対応し、一方ではモバイル通信ネットワーク100と他方ではマシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスとの間のデータ送信イベントが、あらかじめ定義された時点にまたはあらかじめ定義された時間間隔中に行われ、好ましくはそのようなデータ送信イベントが、モバイル通信ネットワーク100に対してマシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスによって開始される。したがって、有利なことに、衝突または競合の可能性を低減し、さらには完全に回避することさえ可能になる。さらに、本発明の第2の実施形態によれば、通信イベント、すなわち、一方では(マシン型通信デバイス20の1つのグループの)マシン型通信デバイスと他方ではモバイル通信ネットワーク100との間のデータの交換が、それぞれのマシン型通信デバイスによってトリガされる必要がないだけでなく、モバイル通信ネットワーク100によってもトリガされ得る。通信イベントまたはデータの交換が最大持続時間Dで、頻度Fで定期的に(または循環的に)行われるという仮定の下で、マシン型通信デバイス20のグループ内の最大k個のマシン型通信デバイス(またはユーザ機器)で動作するために、そのようなサイクルk=1/(F*D)ごとに、異なる独立したタイム・スロットがある、すなわち、kは、1つの加入者30を共有するマシン型通信デバイスの数である。これは、たとえば、1日当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、5分の最大持続時間の場合、k=288に対応し、または週当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、5分の最大持続時間の場合、k=2016に対応し、または月当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、5分の最大持続時間の場合、k=8772に対応し、または1日当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、10分の最大持続時間の場合、k=144に対応し、または週当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、10分の最大持続時間の場合、k=1008に対応し、または月当たりに1回のアクセス(または通信イベント)で、10分の最大持続時間の場合、k=4385に対応する。本発明によれば、マシン型通信デバイス20のグループ当たりの最大数のk個のマシン型通信デバイスを完全に満たす必要はない。さらに、特に、本発明の第2の実施形態によれば、衝突および/または競合をできる限り回避するように、(そのグループ20の)すべてのマシン型通信デバイスに対してモバイル通信ネットワーク100にアクセスする個別の時点(または時間間隔)が適宜に定義されているとすれば、特定のマシン型通信デバイスの個別のアクセス持続時間および/または個別のアクセス頻度は、マシン型通信デバイス20のそのグループの他のマシン型通信デバイスの(典型または平均)アクセス持続時間および/または(典型または平均)アクセス頻度とは異なることが可能になる。
【0074】
本発明によれば、特定の所定の時間期間の間にマシン型通信デバイス20の各グループに対して共通のベース時間が定義されることが好ましく、したがって、本発明によれば、有利なことに、マシン型通信デバイスが、(所定の時点が24時間)の時間期間に対して定義される場合1日1回(たとえば午前11時に)、または(所定の時点が7日の時間期間に対して定義される場合)週1回、または(所定の時点が約30日または月1回の時間期間に対して定義される場合)月1回、モバイル通信ネットワークにアクセスすることが可能になる。本発明によれば、(ある時間期間に対して定義される)所定の時点は、マシン型通信デバイス20のグループのすべてのマシン型通信デバイスがモバイル通信ネットワーク100にアクセスするそれらのそれぞれのアクセス時間を定義することになる定義されたベース時間に対応する、すなわち、本発明によれば、マシン型通信デバイス20のグループのただ1つのマシン型通信デバイスは、ベース時間にモバイル通信ネットワーク100にアクセスしており、そのグループ20の他のマシン型通信デバイスは、アクセス時間関連情報によって示されるタイム・スロットの数だけ離間させられた時点にモバイル通信ネットワーク100にアクセスすることになる。
【0075】
図2では、本発明による、基地局111(すなわち、モバイル通信ネットワーク100)とマシン型通信デバイス20のグループのマシン型通信デバイスとの間の通信図を概略的に示す。
【0076】
本発明によればマシン型通信デバイス20がモバイル通信ネットワーク100にアクセスする必要(すなわち、無線セル10の基地局111にアクセスする必要)がある場合、マシン型通信デバイス20は、基地局111(すなわち、モバイル通信ネットワーク100に)第1のメッセージ201によってアクセス要求を送り、基地局111から(すなわち、モバイル通信ネットワーク100から)マシン型通信デバイス20に第2のメッセージ202によって返答を受信する。
【0077】
本発明によれば、モバイル通信ネットワーク100が、(各々が複数のマシン型通信デバイスを備える)マシン型通信デバイス20の複数の異なるグループから成り得ることを理解されたい。しかしながら、簡単のために、本明細書のコンテキストでは、マシン型通信デバイス20のただ1つのそのようなグループに対処する。
図1
図2