【文献】
中野信生,携帯電話はなぜつながるのか,携帯電話はなぜつながるのか,日本,日経BP社,2012年 2月27日,P42-45,P117-127,P146-147
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操縦装置は、前記第1無線通信方式及び前記第2無線通信方式のうち、前記飛行用データの通信に使用されている無線通信方式と、前記飛行用データの通信に使用されている無線通信方式とは異なる無線通信方式との使用の可否をユーザに通知する通知部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の飛行システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施の形態1]
[本実施の形態の概要]
図1は、本実施の形態に係る飛行システムS1の構成の一例を示す図である。飛行システムS1は、操縦装置1と、飛行装置2とを備える。飛行装置2は、外部からの制御に基づいて飛行する装置であり、例えばドローンである。操縦装置1は、プロポ、スマートフォン及びタブレットのように、無線通信を介して飛行装置2を操縦するための端末である。操縦装置1は、例えば、操縦するためのプロポ等の専用装置や、スマートフォン及びタブレットに操縦用のアプリケーションをインストールした端末等である。なお、飛行装置2の操縦には、操縦装置1の飛行方向及び飛行速度の制御が含まれる。
【0017】
操縦装置1は、飛行装置2と無線通信回線を介してデータを送受信できるようにペアリングされており、飛行装置2との間で飛行装置2の飛行のために用いられる飛行用データの通信を行う。飛行用データは、例えば、飛行装置2のロータ及び動力部等を操縦するための制御情報、飛行装置2の飛行状態を示す機器情報である機体の位置情報、高さ、飛行速度、飛行の方向及びバッテリ残量等である。また、操縦装置1は、飛行装置2の飛行のためには用いられない非飛行用データの通信を行う。非飛行用データの通信は、例えば、飛行装置2に搭載されたカメラで撮影された画像データ及び飛行装置2で測定された気圧や気温等の周辺環境の測定データの受信、並びにカメラの撮影を開始させるための制御信号の送信等である。
【0018】
操縦装置1及び飛行装置2は、複数の無線通信回線を用いて、飛行用データ及び非飛行用データを送受信することができる。操縦装置1及び飛行装置2は、携帯電話網の通信を確立させるための管理サーバ3を介することなく通信を確立させることができる第1無線通信方式による通信W1を用いて通信する。また、操縦装置1及び飛行装置2は、管理サーバ3を介して通信セッションを確立させる第2無線通信方式による通信W2を用いて通信する。管理サーバ3は、操縦装置1及び飛行装置2との間の通信を確立させるためのセッション構築サーバである。第1無線通信方式による通信W1は、基地局を経由しない通信であり、例えばWi−Fiである。第2無線通信方式による通信W2は、P2Pによる操縦装置1と飛行装置2との間の通信セッションを確立する前に基地局を経由してデータを送受信する通信であり、例えばLTE(Long Term Evolution)である。
【0019】
飛行システムS1においては、操縦装置1及び飛行装置2が、第1無線通信方式及び第2無線通信方式のいずれか又は両方を用いて、通信することができる。また、操縦装置1は、第1無線通信方式により飛行装置2へ飛行用データを送信しつつ、飛行装置2との間において第2無線通信方式による通信W2を確立させておく。操縦装置1は、第1無線通信方式による通信W1が切断した場合に、第2無線通信方式により飛行用データを飛行装置2へ送信する。このような構成を採用することにより、操縦装置1は、第1無線通信方式による通信W1の切断後、飛行装置2への飛行用データの送信を再開するまでにかかる時間を短縮することができる。
以下、操縦装置1及び飛行装置2の構成を詳細に説明する。
【0020】
[操縦装置1の構成]
図2は、
図1の操縦装置1の構成を示す図である。操縦装置1は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。制御部15は、表示制御部151と、操作受付部152と、制御情報生成部153と、接続状態検出部154と、通信制御部155と、通知部156とを有する。
【0021】
表示部11は、ユーザが飛行装置2を操縦するために必要な情報を表示するためのディスプレイである。表示部11は、表示制御部151から入力される表示用データを表示する。
【0022】
操作部12は、ユーザが飛行装置2を操縦するための操作を行うためのデバイスであり、例えば、飛行方向及び飛行速度を制御するためのジョイスティック又はボリュームを含む。操作部12は、表示部11の表面に設けられたタッチパネルをさらに含んでもよい。操作部12は、ユーザの操作内容に応じた信号を操作受付部152に通知する。
【0023】
通信部13は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式を用いて通信するための電波を送受信する通信モジュールである。通信部13は、通信制御部155から入力される送信データを変調する変調器、及び変調後のデータを、Wi−Fi及びLTEのいずれかに割り当てられている周波数帯の高周波信号として送信する高周波部を有する。また、通信部13は、高周波部が飛行装置2から受信した高周波信号を復調する復調器を有する。復調器は、復調後の受信データを通信制御部155に入力する。また、通信部13は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式による通信W1及びW2の電波強度を測定し、測定した電波強度を接続状態検出部154に入力する。
【0024】
通信部13は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式を用いる通信W1及びW2において、飛行用データを飛行装置2へ送信する。また、通信部13は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式を用いる通信W1及びW2のセッションを維持するためのキープアライブ信号を飛行装置2へ送信する。キープアライブ信号は、通信セッションを維持するために、操縦装置1と飛行装置2との間で定期的に送受信される信号である。また、通信部13は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式を用いる通信W1及びW2において、飛行装置2が飛行用データに応答して送信するAck信号や、飛行装置2の飛行状態を示す機器情報を受信する。
【0025】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部14は、制御部15のワークメモリとして使用される。
【0026】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部14に記憶された各種のプログラムを実行することによって表示制御部151と、操作受付部152と、制御情報生成部153と、接続状態検出部154と、通信制御部155と、通知部156として機能する。表示制御部151は、表示部11に表示させるための表示用データを生成する。表示制御部151は、生成した表示用データを表示部11に入力する。
【0027】
操作受付部152は、操作部12から入力される操作内容を示す信号に基づいて、ユーザの操作内容を特定する。操作受付部152は、特定した操作内容を、表示制御部151及び制御情報生成部153に通知する。
【0028】
制御情報生成部153は、操作受付部152から通知された操作内容に基づいて、飛行装置2を制御するための制御情報を生成する。制御情報生成部153は、生成した制御情報を通信制御部155に入力する。
【0029】
接続状態検出部154は、第1無線通信方式を用いる飛行装置2との通信W1において、飛行装置2との接続状態を検出する。より詳しくは、接続状態検出部154は、通信制御部155が飛行用データを送信した後の所定期間内に飛行装置2からAck信号を受信したか否かを検出することにより、飛行装置2との接続状態を検出する。つまり、接続状態検出部154は、通信制御部155が飛行用データを送信した後の所定期間内にAck信号を受信すれば、第1無線通信方式による通信W1が継続していると判定し、通信制御部155が飛行用データを送信した後の所定期間内にAck信号を受信しなければ、第1無線通信方式による通信W1が切断したと判定する。接続状態検出部154は、検出した接続状態を通信制御部155及び通知部156へ通知する。
【0030】
なお、接続状態検出部154は、通信制御部155が所定期間内に飛行装置2から機器情報等の飛行用データを受信しない場合、第1無線通信方式による通信W1のスループットが所定の値を下回った場合、通信部13において飛行装置2又は基地局が送出する電波を受信できない場合、又は、通信部13において測定された第1無線通信方式及び第2無線通信方式の電波強度が所定の値を下回った場合に、第1無線通信方式による通信W1が切断したと判定する構成であってもよい。
【0031】
例えば、接続状態検出部154は、通信制御部155がデータ再送を所定の回数行った場合、通信制御部155が受信した機器情報等のデータ誤り率が閾値以上になった場合に、スループットが所定の値を下回ったことにより第1無線通信方式による通信W1が切断したと判定する。
【0032】
また、接続状態検出部154は、第2無線通信方式を用いる飛行装置2との通信W2において、第2無線通信方式における飛行装置2との接続状態を検出する。接続状態検出部154は、通信制御部155が飛行用データ又はキープアライブ信号を送信した後の所定期間内に飛行装置2からAck信号を受信したか否かを検出することにより、飛行装置2との接続状態を検出する。接続状態検出部154は、例えば、通信制御部155が、予め定められた携帯電話網の基地局を識別する識別情報を基地局から受信できない場合に、基地局が送出する電波を受信できないと判定する。
【0033】
通信制御部155は、管理サーバ3を介することなく通信を確立させることができる第1無線通信方式と、管理サーバ3を介して通信を確立させる第2無線通信方式との少なくともいずれか一方を用いて、飛行用データ及び非飛行用データを、通信部13を介して送信する。通信制御部155は、接続状態検出部154の検出結果に基づいて、第2無線通信方式を用いて飛行装置2へ飛行用データを送信する。例えば、通信制御部155は、第1無線通信方式を用いて、飛行装置2へ飛行用データを送信し、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した場合に、第2無線通信方式を用いて、飛行装置2へ飛行用データを送信する。
【0034】
この場合に、第1無線通信方式から第2無線通信方式への切り替えにかかる時間を短縮させることを考慮すれば、接続状態検出部154において第1無線通信方式による通信W1の切断を検出する前に、第2無線通信方式による通信W2を確立させておくことが望ましい。そこで、通信制御部155は、接続状態検出部154において第1無線通信方式による通信W1の切断を検出する前に、飛行装置2との第2無線通信方式を用いる通信W2を確立し、通信W2を維持するためのキープアライブ信号を飛行装置2へ繰り返し送信することにより、飛行装置2との間における通信W2を維持する。さらに、通信制御部155は、接続状態検出部154において通信W1の切断を検出した後に、通信W2を用いて飛行装置2へ飛行用データを送信させる。
【0035】
通知部156は、接続状態検出部154により検出された第1及び第2無線通信方式による通信W1及びW2の接続状態を取得する。通知部156は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式のうち、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式、及び飛行用データの通信に使用されている無線通信方式とは異なる無線通信方式の使用の可否を表示制御部151に通知する。以下、
図3を参照して、通知部156による使用の可否の通知について説明する。
【0036】
図3(a)及び(b)は、操縦装置1の表示部11が表示する画面の一例を示す図であり、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式と、飛行用データの通信に使用されていない予備の無線通信方式との使用の可否を示している。表示制御部151は、例えば、通信制御部155が飛行用データの通信に使用される無線通信方式を変更したときに、
図3(a)及び(b)の画面を表示部11に表示させる。
図3(a)及び(b)の画面には、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式を示すアイコンA1と、飛行用データの通信に使用されていない予備の無線通信方式を示すアイコンA2とが示されている。
【0037】
図3(a)の画面の上段は、操縦装置1の通信制御部155が飛行用データの通信にWi−Fi等の第1無線通信方式を用いており、通信制御部155が飛行装置2との間において第1無線通信方式による通信W1を確立していることを示している。また、
図3(a)の画面の下段は、通信制御部155が飛行用データの通信に用いられていない予備の無線通信方式としてLTE等の第2無線通信方式を選択しており、通信制御部155が飛行装置2との間において第2の無線通信方式による通信W2を確立していることを示している。
【0038】
図3(b)の画面は、例えば、
図3(a)の状態において接続状態検出部154が通信W1の切断を検出し、その後、通信制御部155が通信W2を開始したときに、表示制御部151が表示部11に表示させる画面である。
図3(b)の画面の上段は、操縦装置1の通信制御部155が飛行用データの通信に第2無線通信方式を用いていることを示している。また、
図3(b)の画面の下段は、通信制御部155が予備の無線通信方式として第1無線通信方式を選択しており、飛行装置2との間において第1無線通信方式による通信W1が確立していないことを示している。
【0039】
[飛行装置2の構成]
図4は、
図1の飛行装置2の構成を示す図である。飛行装置2は、カメラ21と、検出部22と、通信部23と、飛行機構24と、記憶部25と、制御部26とを有する。制御部26は、データ管理部261と、通信制御部262と、飛行制御部263とを有する。
【0040】
カメラ21は、飛行装置2の周囲を撮影して画像データを生成する。カメラ21は、生成した画像データを非飛行用データとしてデータ管理部261へ出力する。検出部22は、例えば加速度センサ及びGPS(Global Positioning System)受信機、圧力センサ及び温度計等を含み、飛行装置2の飛行状態を示す機器情報である位置情報、高さ、飛行速度、飛行の方向、第1及び第2無線通信方式における飛行装置2の周囲の電波強度、並びに、飛行装置2が飛行に用いる電力を供給する電池の残量等のように、飛行装置2の飛行のために用いられる飛行用データや、気圧及び気温等の飛行装置2の飛行のためには用いられない非飛行用データをデータ管理部261へと出力する。
【0041】
通信部23は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式を用いて通信するための電波を送受信する通信モジュールであり、通信部13と同等の機能を有する。また、通信部23は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式による通信W1及びW2の電波強度を測定し、データ管理部261に入力する。
【0042】
飛行機構24は、プロペラ、プロペラを回転させるモーター及び方向舵等を含む。飛行機構24は、飛行制御部263の制御に基づいてこれらの機構を動作させることで、飛行速度及び飛行方向を変化させることができる。
【0043】
記憶部25は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部25は、制御部26が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部25は、制御部26のワークメモリとして使用され、例えば操縦装置1から受信した制御情報を一時的に記憶する。制御部26は、例えばCPUであり、記憶部25に記憶された各種のプログラムを実行することにより、データ管理部261と、通信制御部262と、飛行制御部263として機能する。
【0044】
データ管理部261は、カメラ21により撮影した画像データを非飛行用データとして取得する。また、データ管理部261は、検出部22から入力される位置情報等の飛行用データと、気圧及び気温等の非飛行用データとを取得する。
【0045】
通信制御部262は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式の少なくともいずれか一方を用いて、通信部23を介して、飛行用データを受信する。また、通信制御部262は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式の少なくともいずれか一方を用いて、通信部23を介して、データ管理部261から入力された飛行用データ及び非飛行用データを操縦装置1に送信する。
【0046】
また、通信制御部262は、通信W1において操縦装置1から飛行用データを受信した場合に、この飛行用データに応答して、通信W1においてAck信号を操縦装置1へ送信する。また、通信制御部262は、通信W2において操縦装置1から飛行用データを受信した場合に、この飛行用データに応答して、通信W2においてAck信号を操縦装置1へ送信する。飛行制御部263は、通信制御部262から飛行用データを取得し、この飛行用データを用いて飛行機構24を制御することにより、飛行状態を制御する。
【0047】
通信制御部262は、操縦装置1から第1無線通信方式を用いて飛行用データを受信している状態において、操縦装置1から第2無線通信方式を用いて飛行用データを受信した場合に、第1無線通信方式による通信W1が切断したと判定する。この場合に、通信制御部262は、第2無線通信方式を用いて、操縦装置1との間において飛行用データ及び非飛行用データを送受信する。
【0048】
このような構成を採用することにより、接続状態検出部154が、第1無線通信方式による通信W1が切断されたと判定した場合に、通信制御部155は、第2無線通信方式による通信W2を用いて、飛行用データを飛行装置2へ送信することができる。このため、ユーザは、第1無線通信方式による通信W1の切断後においても飛行装置2を操縦することができる。
【0049】
ところで、第2無線通信方式による通信W2は、基地局を経由するため、操縦装置1と飛行装置2との間の距離が離れている場合にも通信可能である。一方、第1無線通信方式による通信W1は基地局を経由しないため、第1無線通信方式における通信可能範囲は、操縦装置1から所定範囲(例えば2km)に限定される。
【0050】
このため、飛行制御部263は、第2無線通信方式による通信W2が切断されている状態、例えば、第2無線通信方式において所定期間以上キープアライブ信号を受信できない状態において、通信W1の電波強度が予め定められた閾値以上となるように、飛行機構24を制御する。この場合、飛行制御部263は、検出部22が取得した通信W1の電波強度がこの閾値より低いエリアへは移動しない。この閾値は、例えば、通信制御部262が通信W1において飛行用データの送受信が可能な値である。
【0051】
図5は、
図1の飛行システムS1の動作の一例を示すシーケンス図である。この処理手順は、操縦装置1及び飛行装置2にそれぞれ電源が投入されたときに開始される。ここでは、操縦装置1の通信制御部155が、第1無線通信方式により飛行用データを飛行装置2へ送信し、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した後、通信制御部155が、第2無線通信方式により飛行用データを飛行装置2へ送信する場合の例について説明する。
【0052】
まず、操縦装置1の通信制御部155は、HSS(Home Subscriber Server)への位置登録を行う。位置登録とは、操縦装置1等の無線通信装置を呼び出し可能な基地局、又は無線通信装置を呼び出し可能な基地局が属する基地局のグループをHSSに登録することである。同様に、飛行装置2の通信制御部262も、HSSへの位置登録を行う。
【0053】
管理サーバ3は、操縦装置1及び飛行装置2を特定するための識別子を保持している。管理サーバ3は、第2無線通信方式を用いて操縦装置1と飛行装置2との間で直接データを送受信するためのIP(Internet Protocol)アドレス等の宛先識別子、並びに操縦装置1及び飛行装置2が他方の宛先識別子を取得するために用いる接続用識別子を保持している。
【0054】
接続用識別子は、操縦装置1及び飛行装置2に固有な第1識別子であり、例えば、SIM(Subscriber Identity Module)に記録された電話番号であるが、SIMカード識別子及び端末識別番号であってもよい。例えば、管理サーバ3は、操縦装置1と飛行装置2とを予めペアリングしたペアリング情報において操縦装置1の接続用識別子と飛行装置2の接続用識別子とを関連付けて保持している。
【0055】
宛先識別子は第2識別子に対応し、操縦装置1と飛行装置2との間で直接データを送受信する際に用いられる。操作受付部152が第2無線通信方式による通信W2を有効にするユーザ操作を受け付けた場合(S11)、操縦装置1の通信制御部155は、SIMに記録された操縦装置1の接続用識別子と、記憶部14内に保持されている飛行装置2の接続用識別子とを管理サーバ3へ送信する。通信制御部155は、これらの接続用識別子を送信することで、管理サーバ3に対し、第2無線通信方式による通信W2のP2Pセッションの確立を要求する。
【0056】
管理サーバ3は、操縦装置1及び飛行装置2の接続用識別子を操縦装置1からそれぞれ受信し、操縦装置1の接続用識別子と、飛行装置2の接続用識別子とが、ペアリング情報において関連付けられているか否かを判定する。管理サーバ3は、操縦装置1の接続用識別子と飛行装置2の接続用識別子とが、ペアリング情報において関連付けられている場合に、管理サーバ3は、IPデータベースから操縦装置1及び飛行装置2のIPアドレスを取得して、それぞれ操縦装置1及び飛行装置2の接続用識別子に関連付けて一時的に記憶する。
【0057】
さらに、管理サーバ3は、取得したIPアドレスを、宛先識別子として操縦装置1及び飛行装置2に通知する。つまり、管理サーバ3は、操縦装置1からP2Pセッション確立要求を受信したことに応じて、飛行装置2に割り当てた宛先識別子を操縦装置1へ送信する。また、管理サーバ3は、操縦装置1に割り当てた宛先識別子を飛行装置2へ送信する。操縦装置1の通信制御部155は、飛行装置2の宛先識別子を受信すると、飛行装置2の宛先識別子を通信先として指定するP2Pセッションによる飛行装置2との通信W2を開始する。なお、管理サーバ3は、操縦装置1に割り当てた宛先識別子を操縦装置1にも送信し、飛行装置2に割り当てた宛先識別子を飛行装置2にも送信してもよい。
【0058】
通信制御部155は、第2無線通信方式による通信W2において、通信を維持するためのキープアライブ信号を飛行装置2へ送信する。飛行装置2の通信制御部262は、受信したキープアライブ信号に応答して、Ack信号を操縦装置1へ送信する。その後、操縦装置1の通信制御部155は、飛行装置2へ第2無線通信方式による通信W2において通信部23を介してキープアライブ信号を繰り返し送信することにより、第2無線通信方式による通信W2を維持する。
【0059】
通信制御部155が飛行装置2との間において通信W2を維持している状態において、接続状態検出部154が通信W1の切断を検出した場合(S12)、表示制御部151は、飛行装置2へ飛行用データを送信するための無線通信方式を切り替え中であることを示す情報を表示部11に表示させる(S13)。次に、操縦装置1の通信制御部155は、通信W2において飛行用データを飛行装置2へ送信する。
【0060】
飛行装置2の通信制御部262は、受信した飛行用データに応答して、Ack信号を操縦装置1へ送信する。また、接続状態検出部154が通信W1の切断を検出した後に、通信制御部155が通信W2において飛行装置2からのAck信号を受信した場合に、操縦装置1の表示制御部151は、第2無線通信方式を使用して飛行用データを送信していることを示す情報を表示部11に表示させる。その後、操縦装置1の通信制御部155は、通信W2において飛行装置2への飛行用データの送信を繰り返す。
【0061】
本実施の形態によれば、接続状態検出部154が通信W1の切断を検出した場合に、操縦装置1の通信部13が、第1無線通信方式から第2無線通信方式へのハンドオーバーを行って、第2無線通信方式を用いて飛行装置2へ飛行用データを送信することができる。このため、通信制御部155は、第1無線通信方式による通信W1の回復を待つことなく、飛行用データを飛行装置2へ送信することができ、飛行装置2へ飛行用データが送信されていない期間を短縮することができる。
【0062】
また、本実施の形態によれば、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出する前に、通信制御部155が、第2無線通信方式を用いる通信W2を飛行装置2との間で確立する。したがって、通信制御部155が、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出してから、第2無線通信方式を用いて飛行装置2への飛行用データの送信を開始するまでの期間をさらに短縮することができる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、表示制御部151は、第1無線通信方式及び第2無線通信方式のうち、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式と、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式とは異なる無線通信方式との使用の可否を表示部11に表示させる。このため、ユーザは、操縦装置1の通信部13が飛行用データの通信に使用している無線通信方式を把握することができる。また、ユーザは、飛行用データの通信に使用されている無線通信方式による通信の切断を接続状態検出部154が検出した場合に、代わりに使用可能な無線通信方式の有無を把握することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、操縦装置1の通信制御部155が、飛行装置2へキープアライブ信号を送信する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、飛行装置2の通信制御部262が、操縦装置1へキープアライブ信号を送信し、操縦装置1の通信制御部155が、受信したキープアライブ信号に応答してAck信号を飛行装置2へ送信する構成であってもよい。
【0065】
また、操縦装置1の通信部13が第1無線通信方式及び第2無線通信方式の両方により飛行装置2と通信可能である場合に、操縦装置1の通信制御部155は、第1無線通信方式を用いて飛行装置2へ飛行用データを送信し、第2無線通信方式を用いて飛行装置2から非飛行用データを受信する構成であってもよい。例えば、通信制御部155は、第1無線通信方式を用いて飛行用データを送信している間に、第2無線通信方式を用いて、飛行装置2に搭載されたカメラで撮影された画像データを受信する。
【0066】
また、本実施の形態では、操縦装置1の通信制御部155は、操作受付部152が第2無線通信方式による通信W2を有効にするユーザ操作を受け付けた場合に、管理サーバ3に対し、飛行装置2の宛先識別子を要求する構成について説明した。しかしながら、本発明は、第2無線通信方式による通信W2を有効にする操作が宛先識別子の要求のためのトリガーである場合に限定されない。例えば、ユーザが、操縦装置1及び飛行装置2の両方に電源投入する操作を行った場合や、操作受付部152が、操縦装置1において操縦用アプリを起動するユーザ操作を受け付けた場合に、操縦装置1の通信制御部155は、管理サーバ3に対し、飛行装置2の宛先識別子を要求する構成であってもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、操縦装置1の通信制御部155が、SIMに記録された操縦装置1の接続用識別子と、記憶部14内に保持されている飛行装置2の接続用識別子とを管理サーバ3へ通信部13により送信させることにより、管理サーバ3に対し、操縦装置1と飛行装置2との間における通信W2の確立を要求する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、通信制御部155が記憶部14内から飛行装置2の接続用識別子を読み出す構成に限定されない。例えば、操作受付部152が、操作部12へ接続用識別子を入力するユーザの操作入力により、飛行装置2の接続用識別子を取得し、通信制御部155は、操縦装置1の接続用識別子とともに、操作受付部152が取得した飛行装置2の接続用識別子を管理サーバ3へ送信してもよい。
【0068】
[実施の形態2]
実施の形態1では、操縦装置1の通信制御部155は、飛行装置2の宛先識別子を通信先として指定するP2Pセッションにおいて、飛行装置2との間において第2無線通信方式により通信する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、セッション維持サーバ4と飛行装置2との間、及び、セッション維持サーバ4と操縦装置1との間の2つの通信路で通信を確立する点で、実施の形態1と異なる。この場合、操縦装置1は、セッション維持サーバ4の宛先識別子を取得するが、飛行装置2の宛先識別子を取得せず、セッション維持サーバ4を介して飛行用データ及び非飛行用データを送受信する。
【0069】
図6は、本実施の形態に係る飛行システムS2の構成の一例を示す図である。飛行システムS2では、操縦装置1及び飛行装置2は、第2無線通信方式による通信W2を維持するためのセッション維持サーバ4と通信する。操縦装置1は、実施の形態1と同様に、第1無線通信方式による通信W1においては、セッション維持サーバ4を経由することなく、飛行用データを飛行装置2へ送信する。また、操縦装置1は、第2無線通信方式による通信W2においては、セッション維持サーバ4の宛先識別子を用いることにより、セッション維持サーバ4を経由して、飛行用データを飛行装置2へ送信する。
【0070】
図7は、
図6の飛行システムS2の動作の一例を示すシーケンス図である。この処理手順は、操縦装置1及び飛行装置2にそれぞれ電源が投入されたときに開始される。以下、
図7を参照しながら、操縦装置1の通信制御部155が、第1無線通信方式により飛行用データを飛行装置2へ送信し、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した後、第2無線通信方式を用いて、セッション維持サーバ4を経由して、飛行用データを飛行装置2へ送信する場合の例について説明する。
【0071】
操縦装置1の通信制御部155は、セッション維持サーバ4との間において第2無線通信方式による通信W2を確立する。同様に、飛行装置2の通信制御部262は、セッション維持サーバ4との間において第2無線通信方式による通信W2を確立する。
【0072】
次に、操縦装置1の通信制御部155は、飛行装置2の接続用識別子として、例えば、飛行装置2の電話番号をセッション維持サーバ4へ送信することにより、セッション維持サーバ4に対し、操縦装置1と飛行装置2との間において第2無線通信方式による通信W2を確立するように要求する。セッション維持サーバ4は、操縦装置1の接続用識別子と飛行装置2の接続用識別子とを関連付けるペアリング情報を保持しており、操縦装置1から受信した操縦装置1及び飛行装置2の接続用識別子が、ペアリング情報において関連付けられているか否かを判定する。セッション維持サーバ4は、操縦装置1から受信した操縦装置1及び飛行装置2の接続用識別子が関連付けられていると判定した場合に、操縦装置1と、飛行装置2との間の通信を確立する。
【0073】
セッション維持サーバ4は、操縦装置1と飛行装置2との間において通信を確立したことを示す接続完了通知を操縦装置1及び飛行装置2へそれぞれ送信する。また、セッション維持サーバ4は、キープアライブ信号を操縦装置1及び飛行装置2へ繰り返し送信することにより、操縦装置1と飛行装置2との間の通信を維持する。
【0074】
接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した場合(S21)、表示制御部151は、飛行装置2へ飛行用データを送信するための無線通信方式を切り替え中であることを示す情報を表示部11に表示させる(S22)。
【0075】
また、操縦装置1の通信制御部155は、第2無線通信方式においてセッション維持サーバ4へ飛行用データを送信し、セッション維持サーバ4は、受信した飛行用データを、第2無線通信方式を用いて飛行装置2へ送信する。一方、飛行装置2の通信制御部262は、受信した飛行用データに応答して、Ack信号を、第2無線通信方式を用いてセッション維持サーバ4へ送信する。セッション維持サーバ4は、受信したAck信号を、第2無線通信方式を用いて操縦装置1へ送信する。同様に、飛行装置2の通信制御部262は、第2無線通信方式を用いて、セッション維持サーバ4を経由して、カメラ21により撮影された画像データ等の非飛行用データを操縦装置1へ送信する。
【0076】
なお、本実施の形態では、セッション維持サーバ4が、キープアライブ信号を操縦装置1及び飛行装置2へ送信することにより、操縦装置1と飛行装置2との間の通信を維持する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、操縦装置1の通信制御部155が、第2無線通信方式においてキープアライブ信号をセッション維持サーバ4へ送信し、かつ、飛行装置2の通信制御部262が、第2無線通信方式においてキープアライブ信号をセッション維持サーバ4へ送信することにより、第2無線通信方式による操縦装置1と飛行装置2との間の通信W2を維持する構成であってもよい。
【0077】
また、実施の形態1及び2では、操縦装置1の通信制御部155は、接続状態検出部154において第1無線通信方式による通信の切断を検出する前に、飛行装置2との第2無線通信方式を用いる通信W2を確立する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、操縦装置1の通信制御部155は、接続状態検出部154において第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した後に、飛行装置2との第2無線通信方式を用いる通信W2を確立する構成であってもよい。
【0078】
[実施の形態3]
実施の形態1及び2では、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した場合に、通信制御部262が第2無線通信方式により飛行用データを飛行装置30へ送信する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、第1無線通信方式による通信W1の切断後に、飛行装置30の通信部23が第2無線通信方式により管制装置5から飛行用データを受信する場合の例について説明する。
【0079】
図8は、本実施の形態に係る飛行システムS3の構成の一例を示す図である。飛行システムS3における飛行装置30は、操縦装置1との間における第1無線通信方式による通信W1の切断後に、第1無線通信方式による通信W1の切断を検出したことを示す通信切断信号を、第2無線通信方式を用いて管制装置5へ送信する。管制装置5は、この通信切断信号に応答して、予め登録された目的地の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを、第2無線通信方式を用いて飛行装置30へ送信する。
【0080】
図9は、
図8の飛行装置30の構成を示す図である。
図9は、
図4の飛行装置2と比較すると、飛行装置30の制御部26が、接続状態検出部301をさらに備える点が異なっている。
図4の飛行装置2と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。接続状態検出部301は、第1無線通信方式を用いる操縦装置1との通信W1において、操縦装置1との接続状態を検出する。接続状態検出部301は、通信部23による機器情報の送信後、所定期間内に操縦装置1からAck信号を受信しない場合に、第1無線通信方式による通信W1が切断したと判定する。接続状態検出部301は、検出した接続状態を通信制御部262へ通知する。通信制御部262は、接続状態検出部301が第1無線通信方式を用いる通信W1の切断を検出した場合に、第1無線通信方式による通信W1の切断を検出したことを示す通信切断信号を、第2無線通信方式を用いて管制装置5へ送信する。また、通信制御部262は、管制装置5からの飛行用データを、第2無線通信方式を用いて受信する。
【0081】
図10は、
図8の管制装置5の構成を示す図である。管制装置5は、通信部51と、記憶部52と、制御部53とを有する。制御部53は、取得部531と、推定部532と、管制部533と、通信制御部534とを有する。通信部51は、第2無線通信方式を用いて飛行装置30と通信するための通信モジュールである。記憶部52は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部52は、制御部53が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部52は、制御部53のワークメモリとして使用される。
【0082】
制御部53は、例えばCPUであり、記憶部52に記憶された各種のプログラムを実行する。また、取得部531は、通信部51を介して、飛行装置30の飛行状態を示す機器情報である位置情報、高さ、飛行速度、飛行の方向、並びに、飛行装置30が飛行に用いる電力を供給する電池の残量等のように、飛行装置30の飛行のために用いられる飛行用データや、気圧及び気温等の飛行装置30の飛行のためには用いられない非飛行用データを取得する。また、取得部531は、位置情報の一例として、飛行装置30の現在位置や、飛行装置30が飛行を開始した飛行開始位置を取得する。
【0083】
推定部532は、予め登録された飛行装置30の目的地を記憶部52から読み出し、飛行装置30の現在位置から目的地まで飛行装置30が移動するのに要する所要電力を推定する。なお、操縦装置1の通信制御部155が、第2無線通信方式を用いて、管制装置5へ飛行装置30の目的地を示す情報を送信してもよい。
【0084】
管制部533は、通信部51が飛行装置30からの通信切断信号を受信した場合に、予め登録された飛行装置30の目的地を記憶部52から読み出し、この目的地の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを生成する。より詳しくは、管制部533は、取得部531が取得した電池の残量と、推定部532が推定した所要電力とに基づいて、飛行装置30が目的地まで到達できるか否かを判定する。管制部533は、飛行装置30が目的地まで到達可能であると判定した場合に、目的地の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを生成する。一方、管制装置5は、飛行装置30が目的地まで到達できないと判定した場合に、飛行開始位置の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを生成する。
【0085】
通信制御部534は、管制部533により生成された飛行用データを飛行装置30へ送信する。また、通信制御部534は、飛行装置30が目的地まで到達可能であると管制部533が判定した場合に、目的地の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを飛行装置30へ送信する。一方、通信制御部534は、飛行装置30が目的地まで到達できないと管制部533が判定した場合に、飛行開始位置の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを飛行装置30へ送信する。
【0086】
本実施の形態によれば、管制部533が、目的地の方向へ飛行装置30を飛行させるための飛行用データを生成し、生成した飛行用データを飛行装置30に送信する。したがって、操縦装置1と飛行装置30との間における第1無線通信方式による通信W1の切断に起因して、操縦装置1の通信制御部155が飛行装置30へ飛行用データを送信できない場合であっても、飛行装置30を目的地へ飛行させることができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、管制部533は、飛行装置30が目的地まで到達できるか否かを判定し、判定した結果に基づいて飛行データを生成する。したがって、管制装置5からの飛行用データにより飛行装置30を飛行させている状態において、飛行装置30が目的地に到達する途中で電池残量の不足により飛行を継続できなくなることを抑制することできる。
【0088】
なお、本実施の形態では、第1無線通信方式による通信W1の切断後に、飛行装置30の通信制御部262が第2無線通信方式により管制装置5と通信する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、第1無線通信方式による通信W1の切断前に、飛行装置30の通信制御部262が第2無線通信方式を用いて管制装置5と通信する構成であってもよい。
【0089】
この場合、飛行装置30の通信制御部262は、第1無線通信方式を用いて操縦装置1から飛行用データを受信し、飛行制御部263は、受信した飛行用データを用いて飛行機構24を制御することにより、飛行状態を制御する。通信制御部262は、第2無線通信方式を用いて、飛行装置30の飛行中に飛行装置30の現在位置を管制装置5へ送信する。
【0090】
管制装置5の管制部533は、飛行が禁止されている飛行禁止エリアを記憶部52から読み出し、飛行装置30が飛行禁止エリア付近を飛行中であるかを判定する。管制部533は、取得部531が飛行装置30から取得した現在位置が飛行禁止エリア付近である場合に、操縦装置1及び飛行装置30へ通知する。このとき、操縦装置1の表示制御部151は、飛行禁止エリアから離れたエリアへ飛行装置30を移動させることを促すメッセージを表示部11に表示させる。
【0091】
このような構成を採用することにより、操縦装置1の表示制御部151は、飛行禁止エリアから離れたエリアへ飛行装置30を移動させることを促すメッセージを表示部11に表示させるので、ユーザが気付かない間に飛行装置30が飛行禁止エリアへ進入することを抑制することができる。
【0092】
また、実施の形態1〜3では、通信制御部155は、接続状態検出部154が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した場合に、第2無線通信方式を用いて、飛行装置2へ飛行用データを送信する例について説明した。しかしながら、本発明は、操縦装置1から飛行装置2へ無線通信方式の切り替えを指示する構成に限定されない。例えば、飛行装置2の接続状態検出部301が第1無線通信方式による通信W1の切断を検出した場合に、飛行装置2の通信制御部262は、操縦装置1に対し、第2無線通信方式により飛行用データを送信することを要求する構成であってもよい。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。