特許第6698930号(P6698930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉田の特許一覧

<>
  • 特許6698930-ストラップ 図000002
  • 特許6698930-ストラップ 図000003
  • 特許6698930-ストラップ 図000004
  • 特許6698930-ストラップ 図000005
  • 特許6698930-ストラップ 図000006
  • 特許6698930-ストラップ 図000007
  • 特許6698930-ストラップ 図000008
  • 特許6698930-ストラップ 図000009
  • 特許6698930-ストラップ 図000010
  • 特許6698930-ストラップ 図000011
  • 特許6698930-ストラップ 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6698930
(24)【登録日】2020年5月1日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】ストラップ
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/30 20060101AFI20200518BHJP
【FI】
   A45C13/30 G
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-199779(P2019-199779)
(22)【出願日】2019年11月1日
【審査請求日】2019年11月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年5月14〜17日、21日〜22日開催の展示会 「2019Autumn/Winter Exhibition」において発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398018526
【氏名又は名称】株式会社吉田
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松原 賢一郎
(72)【発明者】
【氏名】村林 麗子
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−077252(JP,A)
【文献】 特開2009−165773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ調節可能に設けられたストラップであって、
長手方向に伸びる帯状の本体ストラップと、
前記本体ストラップを通過させて、前記本体ストラップを折り返す第1環状部材と、
前記本体ストラップの中間領域に配置される第2環状部材と、
折り返された前記本体ストラップの先端に取り付けられる操作部材と、
を備え、
前記第2環状部材は、第1外軸、前記第1外軸に並行に配置される中間軸、前記中間軸に並行に配置される第2外軸、前記第1外軸、前記中間軸および前記第2外軸のそれぞれの一端側を連結する第1連結軸、前記第1外軸、前記中間軸および前記第2外軸のそれぞれの他端側を連結する第2連結軸を含み、前記第1外軸と前記中間軸との間に前記本体ストラップを通過させる第1通過孔が形成され、前記第2外軸と前記中間軸との間に前記本体ストラップを通過させる第2通過孔が形成され、
前記第2環状部材において、前記本体ストラップを前記中間軸を超えるように前記第1通過孔および前記第2通過孔を通過させた後に、前記第1環状部材によって折り返された前記本体ストラップの先端側領域を、前記第1外軸および前記第2外軸の間に位置する領域を前記本体ストラップから離れる方向に隆起させるようにして、前記第1外軸および前記第2外軸に固定し、前記隆起させた前記本体ストラップの頂部に前記操作部材が取り付けられている、ストラップ。
【請求項2】
前記本体ストラップの前記先端側領域は、
前記第1外軸および前記第2外軸に巻き付くように取付けられ、
前記第1外軸および前記第2外軸に巻付いた前記本体ストラップの前記第1通過孔および前記第2通過孔を通過する前記本体ストラップへの押圧力は、前記頂部から見て前記第2環状部材側に向けて前記頂部から重なるように折り曲げられた前記本体ストラップの前記先端側領域の重なり領域が縫合された締結位置が前記中間軸に近づくほど強くなる、請求項1に記載のストラップ。
【請求項3】
前記操作部材は、環状軸であり、
前記本体ストラップの前記先端側領域は、
前記第1外軸、前記第2外軸および前記環状軸に巻き付くように取付けられ、
前記第1外軸および前記第2外軸に巻付いた前記本体ストラップの前記第1通過孔および前記第2通過孔を通過する前記本体ストラップへの押圧力は、前記環状軸から見て前記第2環状部材側に向けて前記環状軸から重なるように折り曲げられた前記本体ストラップの前記先端側領域の重なり領域が縫合された締結位置が、前記中間軸に近づくほど強くなる、請求項1または請求項2に記載のストラップ。
【請求項4】
前記第1外軸と前記環状軸との距離と、前記第2外軸と前記環状軸の距離とは、略等しく設けられている、請求項3に記載のストラップ。
【請求項5】
前記第1外軸と前記環状軸との距離が、前記第2外軸と前記環状軸との距離よりも短く設けられている、請求項3に記載のストラップ。
【請求項6】
前記第1外軸と前記環状軸との距離が、前記第2外軸と前記環状軸との距離よりも長く設けられている、請求項3に記載のストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向の長さ調節可能な構造を備えるストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
長さ調節可能な構造を備えるストラップに関する発明が、特開2015−077252号公報(特許文献1)、特開2014−008172号公報(特許文献2)、および特開2009−165773号公報(特許文献3)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−077252号公報
【特許文献2】特開2014−008172号公報
【特許文献3】特開2009−165773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記いずれの特許文献に開示されるストラップにおいても、ストラップ本体の途中領域に設けられた長さ調節用器具を用いて、ストラップ全体の長さが調節可能に設けられていいる。
【0005】
ストラップ全体の長さは、長さ調節用器具をストラップ本体の長さ方向にスライドさせることにより調節される。この場合、ストラップ全体の長さを調節する際には、長さ調節用器具の近傍に位置するストラップ本体を一旦緩める必要がある。また、ストラップに鞄等の荷物を吊り下げた状態では、ストラップ本体を一旦緩める作業も容易ではない。
【0006】
この発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、ストラップ全体の長さを容易に調節することのできる構造を備えるストラップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づくストラップは、長さ調節可能に設けられたストラップであって、以下の構成を備える。
【0008】
長手方向に伸びる帯状の本体ストラップと、上記本体ストラップを通過させて、上記本体ストラップを折り返す第1環状部材と、上記本体ストラップの中間領域に配置される第2環状部材と、折り返された上記本体ストラップの先端に取り付けられる操作部材と、を備える。
【0009】
上記第2環状部材は、第1外軸、上記第1外軸に並行に配置される中間軸、上記中間軸に並行に配置される第2外軸、上記第1外軸、上記中間軸および上記第2外軸のそれぞれの一端側を連結する第1連結軸、上記第1外軸、上記中間軸および上記第2外軸のそれぞれの他端側を連結する第2連結軸を含む。
【0010】
上記第1外軸と上記中間軸との間に上記本体ストラップを通過させる第1通過孔が形成され、上記第2外軸と上記中間軸との間に上記本体ストラップを通過させる第2通過孔が形成される。
【0011】
上記第2環状部材において、上記本体ストラップを上記中間軸を超えるように上記第1通過孔および上記第2通過孔を通過させた後に、上記第1環状部材によって折り返された上記本体ストラップの先端側領域を、上記第1外軸および上記第2外軸の間に位置する領域を上記本体ストラップから離れる方向に隆起させるようにして、上記第1外軸および上記第2外軸に固定し、上記隆起させた上記本体ストラップの頂部に上記操作部材が取り付けられている。
【0012】
他の形態においては、前記本体ストラップの前記先端側領域は、前記第1外軸および前記第2外軸に巻き付くように取付けられ、前記第1外軸および前記第2外軸に巻付いた前記本体ストラップの前記第1通過孔および前記第2通過孔を通過する前記本体ストラップへの押圧力は、前記頂部の前記第2環状部材側に設けられる前記本体ストラップの締結位置が前記中間軸に近づくほど強くなる。
【0013】
他の形態においては、上記操作部材は、環状軸であり、上記本体ストラップの上記先端側領域は、上記第1外軸、上記第2外軸および上記環状軸に巻き付くように取付けられ、記第1外軸および上記第2外軸に巻付いた上記本体ストラップの上記第1通過孔および上記第2通過孔を通過する上記本体ストラップへの押圧力は、上記環状軸に巻付く上記本体ストラップの締結位置が、上記中間軸に近づくほど強くなる。
【0014】
他の形態においては、上記第1外軸と上記環状軸との距離と、上記第2外軸と上記環状軸との距離とは、略等しく設けられている。
【0015】
他の形態においては、前記第1外軸と前記環状軸との距離が、前記第2外軸と前記環状軸との距離よりも短く設けられている。
【0016】
他の形態においては、前記第1外軸と前記環状軸との距離が、前記第2外軸と前記環状軸との距離よりも長く設けられている。
【発明の効果】
【0017】
この開示によれば、ストラップ全体の長さを容易に調節することのできる構造を備えるストラップの提供を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態のストラップを鞄に装着した状態を示す斜視図である。
図2】実施の形態のストラップの斜視図である。
図3】実施の形態のストラップに用いられる第2環状部材の斜視図である。
図4】実施の形態のストラップの長さ調節部の断面斜視図である。
図5】実施の形態のストラップの長さ調節部の断面図である。
図6】実施の形態のストラップの長さ調節を示す第1図(短い状態)である。
図7】実施の形態のストラップの長さ調節を示す第2図(長い状態)である。
図8】実施の形態のストラップの使用状態を示す第1図(短い状態)である。
図9】実施の形態のストラップの使用状態を示す第2図(長い状態)である。
図10】他の実施の形態のストラップの長さ調節部の断面図である。
図11】他の実施の形態のストラップの長さ調節部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に基づいた各実施の形態のストラップについて、以下、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
【0020】
また、図面を用いた説明において、説明の便宜上見える側を表側、隠れる側を裏側と表現しているが、表側はあくまでも一方側であり、裏側は他方側を意味するものであり、表裏の表現に限定して解釈されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、本実施の形態におけるストラップ20について説明する。図1は、ストラップ20を鞄10に装着した状態を示す斜視図、図2は、ストラップ20の斜視図である。
【0022】
図1を参照して、本実施の形態におけるストラップ20は、典型的には、鞄10に設けられた係止具12,14に対して着脱可能に取付られるものである。鞄10の形態は、図示するものに限定されず、様々な形態を有する公知の鞄に対して本実施の形態のストラップ20を適用することが可能である。
【0023】
図2を参照して、本実施の形態におけるストラップ20は、長手方向(図2中の矢印Lで示す方向)の長さ調節可能に設けられ、長手方向に伸びる帯状の本体ストラップ21の一端側においては、本体ストラップ21を通過させて、本体ストラップ21を折り返す第1環状部材25(通称、コキカン)と、本体ストラップ21の中間領域に配置される第2環状部材23(通称、コキ)と、折り返された本体ストラップ21の先端に取り付けられる操作部材24とを備える。
【0024】
第1環状部材25には、補助ストラップ27が取り付けられ、この補助ストラップ27の先端部27aにはナスカン28が設けられている。なお、補助ストラップ27を設けることなく、第1環状部材25にナスカン28が取り付けられた部品を用いることも可能である。他方、本体ストラップ21の他端側においては、その先端部21aにナスカン29が固定されている。
【0025】
鞄10に設けられた係止具12,14への着脱の観点から、ストラップ20の両端には、ナスカン28,29が取付られているが、ナスカン28,29に限定されることはなく、たとえば、環状の紐部材をストラップ20の両端に設けるようにしてもよい。
【0026】
図3を参照して、第2環状部材23について説明する。図3は、第2環状部材23の斜視図である。
【0027】
第2環状部材23は、第1外軸23a、この第1外軸23aに並行に配置される中間軸23e、この中間軸23eに並行に配置される第2外軸23b、第1外軸23a、中間軸23eおよび第2外軸23bのそれぞれの一端側を連結する第1連結軸23c、および、第1外軸23a、中間軸23eおよび第2外軸23bのそれぞれの他端側を連結する第2連結軸23dを含む。第2環状部材23は、外観においては、第1外軸23a、第2外軸23b、第1連結軸23cおよび第2連結軸23dにより矩形形状を有している。
【0028】
第1外軸23aと中間軸23eとの間には、本体ストラップ21を通過させる第1通過孔23h1が形成され、第2外軸23bと中間軸23eとの間には、本体ストラップ21を通過させる第2通過孔23h2が形成されている。
【0029】
次に、図4および図5を参照して、本体ストラップ21の第2環状部材23への取り回し、および、操作部材24の取付状態について説明する。図4は、ストラップ20の長さ調節部の断面斜視図、図5は、ストラップ20の長さ調節部の断面図である。
【0030】
第2環状部材23において、本体ストラップ21を中間軸23eを超えるように第1通過孔23h1および第2通過孔23h2を通過させる。これにより、図4に示す方向から見た場合には、中間軸23eは、本体ストラップ21の裏側(一方側)に位置し、第1外軸23aおよび第2外軸23bは表側(他方側)に位置する。
【0031】
第1環状部材25によって折り返された本体ストラップ21の先端側領域22を、第1外軸23aおよび第2外軸23bの間に位置する領域を本体ストラップ21から離れる方向に隆起させるようにして、第1外軸23aおよび第2外軸23bに固定する。隆起させた本体ストラップ21の頂部22aに操作部材24が取り付けられている。操作部材24は、環状軸24aである。
【0032】
具体的には、本体ストラップ21の先端側領域22の一定長さを二重に折り曲げ、先端側領域22の二重箇所を、環状軸24aに巻き付けて、その重なり領域S1を縫合する。これにより、上述の頂部22aが環状軸24aに形成される。
【0033】
先端側領域22を二重に折り曲げた領域の最先端22bにおいては、重なる本体ストラップ21の間に第1外軸23aを通過させ、第1外軸23aの内側の重なり領域S2を縫合する。さらに、本体ストラップ21そのものの先端部22cは、第2外軸23bを挟み込むようにして、重なり領域S3,S4を縫合する。これにより、本体ストラップ21の先端側領域22において長さ調節部が形成される。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態では、第1外軸23aと環状軸24aとの距離L1と、第2外軸23bと環状軸24aとの距離L2とは、略等しく設けられている。上記距離は、軸芯間の距離である。その結果、側面視において、第1外軸23a、環状軸24aおよび第2外軸23bとによって、略二等辺三角形が形成される。
【0035】
長さ調節部の本体ストラップ21の長手方向へスライドの操作性は、第2環状部材23の第1外軸23aおよび第2外軸23bに巻付く本体ストラップ21の先端側領域22の本体ストラップ21への押圧力(図5中の矢印F方向への力)の調節によって決定される。
【0036】
この押圧力は、(条件i)本体ストラップ21に用いられるベルト部材の表面状態と、(条件ii)環状軸24aに巻付く本体ストラップ21の重なり領域S1(縫合位置)とによって決定される。
【0037】
(条件i)については、本体ストラップ21に用いるベルト材料に起因することとなる。(条件ii)については、重なり領域S1と中間軸23eとの間の距離(図中L3で示す距離)によって決定され、L3が短いほど、つまり、重なり領域S1が中間軸23eに近づくほど強くなる。よって、長さ調節部の本体ストラップ21の長手方向へスライドの操作性は、上記(条件i)および/または(条件ii)に基づき調節すればよい。
【0038】
次に、図6および図7を参照して、本実施の形態のストラップ20の長さ調節について説明する。図6および図7は、ストラップ20の長さ調節を示す第1図(短い状態)および第2図(長い状態)である。
【0039】
図6を参照して、ストラップ20の操作部材24が、図示において、最も右側に位置している。この状態では、ストラップ20の全長は最も短くなる。他方、図7を参照して、ストラップ20の操作部材24を、第1環状部材25側にスライドさせた状態を示している。操作部材24を、第1環状部材25側にスライドさせることで、容易にストラップ20の全長の長さを調節することができる。
【0040】
本実施の形態においては、図5に示したように、第1外軸23a、環状軸24aおよび第2外軸23bとによって、略二等辺三角形が形成される。その結果、操作部材24を操作していない状態(本体ストラップ21に荷物等の張力が働いている状態)においては、第1外軸23aおよび第2外軸23bから本体ストラップ21に押圧力が加わり、操作部材24の移動は抑制される。
【0041】
他方、操作部材24を操作する際には、操作部材24を本体ストラップ21から引き離す方向に移動させることとなる。その結果、第1外軸23aおよび第2外軸23bから本体ストラップ21に向かう押圧力が減少し、操作部材24を容易に操作(スライド)すことが可能となり、ストラップ20の長さ調節を容易に行なうことができる。
【0042】
図8および図9を参照して、ストラップ20の使用状態について説明する。図8および図9は、ストラップ20の使用状態を示す第1図(短い状態)および第2図(短い状態)である。
【0043】
ストラップ20に鞄10を取付、使用者が肩にストラップ20を掛けた状態を示している。ストラップ20に鞄10の荷重が加わり、本体ストラップ21に荷物の張力が働いている状態であっても(図8に示す状態)、片手で操作部材24を操作することで、図9に示すように、ストラップ20の長さ調節を容易に実施することができる。
【0044】
(他の実施の形態)
図10および図11を参照して、他の実施の形態のストラップについて説明する。図10および図11は、それぞれ他の実施の形態のストラップの長さ調節部の断面図である。
【0045】
上記実施の形態では、図5に示したように、第1外軸23a、環状軸24aおよび第2外軸23bとによって、略二等辺三角形が形成される。その結果、操作部材24を操作していない状態(本体ストラップ21に荷物等の張力が働いている状態)においては、第1外軸23aおよび第2外軸23bから本体ストラップ21に加わる押圧力は略均等であり、また、操作部材24の移動方向に関係なく、操作性は均等になる。
【0046】
他方、図10に示す構成においては、第1外軸23aと環状軸24aとの距離L1が、第2外軸23bと環状軸24aとの距離L2よりも短くなるように設けられている。その結果、第1外軸23aおよび第2外軸23bの本体ストラップ21への押圧力は、第2外軸23b側よりも第1外軸23a側の方が高くなる。これにより、操作部材24の第1外軸23a側(A1方向)への移動の操作性は、第2外軸23b側(A2方向)への移動の操作性よりも困難になる。
【0047】
また、図11に示す構成においては、第1外軸23aと環状軸24aとの距離L1が、第2外軸23bと環状軸24aとの距離L2よりも長くなるように設けられている。その結果、第1外軸23aおよび第2外軸23bの本体ストラップ21への押圧力は、第1外軸23a側よりも第2外軸23b側の方が高くなる。これにより、操作部材24の第2外軸23b側(A2方向)への移動の操作性は、第1外軸23a側(A1方向)への移動の操作性よりも困難になる。
【0048】
このように、図10および図11に示す構成においては、操作部材24による操作(スライド)性をスライド方向によって異ならせることが可能となる。
【0049】
なお、上記各実施の形態では、操作部材24として環状軸24aを用いた場合について説明しているが、この形態に限定されない。たとえば、帯状の部材を本体ストラップ21の頂部22aに取り付けるようにしてもよい。この場合、上述の距離L1、L2の環状軸24aまでの距離は、頂部22aまでの距離として読み替えるとよい。
【0050】
以上、各実施の形態において本開示のストラップについて説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 鞄、12,14 係止具、20 ストラップ、21 本体ストラップ、21a 先端部、22 先端側領域、22a 頂部、22b 最先端、22c 先端部、23 第2環状部材、23a 第1外軸、23b 第2外軸、23c 第1連結軸、23d 第2連結軸、23e 中間軸、23h1 第1通過孔、23h2 第2通過孔、24 操作部材、24a 環状軸、25 第1環状部材、27 補助ストラップ、27a 先端部、28,29 ナスカン、S1,S2,S3,S4 重なり領域。
【要約】
【課題】ストラップ全体の長さを容易に調節することのできる構造を備えるストラップを提供する。
【解決手段】このストラップは、第2環状部材23において、本体ストラップ21を中間軸23eを超えるように第1通過孔23h1および第2通過孔23h2を通過させた後に、第1環状部材によって折り返された本体ストラップ21の先端側領域22を、第1外軸23aおよび第2外軸23bの間に位置する領域を本体ストラップ21から離れる方向に隆起させるようにして、第1外軸23aおよび第2外軸23bに固定し、隆起させた本体ストラップ21の頂部22aに操作部材24が取り付けられている。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11