【実施例】
【0030】
図1は本発明棺桶移送保管ボックスの実施例を示す正面図であり、
図2同上平面図である
。1は棺桶移送保管ボックス、2はボックス本体、3は上蓋、4は底板、31は上蓋の接
合片、32は上蓋の一文字取っ手、33は覗き窓、41は底板の接合片、42は底板の紐
状取っ手である。
覗き窓33の2枚の扉331が観音開きに開くように布製関節片332で上蓋3と扉33
1に縫い目334で縫合されて固定されている。333は扉331のつまみである。
【0031】
図3は
図2のA−A線による縦断面図で、底板4、ボックス本体2、上蓋3が3層に重ね
られている。上蓋3の内面の段差部34はボックス本体2の上内面の段差部23と嵌合し
てぴったりと蓋が閉まるようになっている。底板4の内面の段差部43はボックス本体の
下内面の段差部24と嵌合してぴったりと底板4がボックス本体2に嵌め込まれるように
なっている。
【0032】
図4に示すように、上蓋3の接合片31は布製外皮37を延長してダブレット状に加工し
たもので、その内面に平面ファスナー311が取り付けられている。ボックス本体2の上
部の外面には平面ファスナー用の接合帯211が取り付けられている。
【0033】
上蓋3は直方形の断熱構造体36の上に布製外皮37が張り付けられている。断熱構造体
36は発泡合成樹脂製の断熱材361の上を表面にアルミニウム蒸着した断熱シート36
2でくるみ、その上面に厚手の布製外皮37を張り付けて構成されている。断熱材361
には例えば押出成形した発泡ポリエチレンが用いられ、断熱シート362には例えばPE
Tフイルムの表面にアルミニウムを蒸着したシートが用いられる。布製外皮37には、合
成樹脂例えばナイロンの長繊維をオックスフォード織りした通称ナイロンオックスの50
0デニールのものが使用される。シリコーン樹脂で防水加工したものが好ましい。
【0034】
ボックス本体2も上蓋3と同様の断熱材261を断熱シート262でくるんだ断熱構造体
26及び布製外皮27で構成されている。底板4も同様に断熱材461を断熱シート46
2でくるんだ断熱構造体46及び布製外皮47で構成されている。
【0035】
底板4とボックス本体2は底板の接続片41の裏側に付いた平面フアスナー411とボッ
クス本体2の下側の平面フアスナー用の接合帯211で着脱自在にしかも強固に結合され
る。
【0036】
上蓋3の内面には保冷剤収納袋38が取り付けられている。収納袋38
図6に示されてい
るように編み目の袋を5個連結したもので、平面ファスナー(図示せず)で上蓋3の内面に
着脱自在に取り付けられている。収納袋38には袋の入り口381があり保冷剤382を
出し入れすることができる。
【0037】
図8に示すように、底板4には縦横に紐製の取っ手42が2個ずつ取り付けられている。
この取っ手42は遺体を収納した棺桶5を納めた棺桶移送保管ボックス1を数人で持ち上
げる際に使用する。この取って42は
図3に示すように断熱構造体46と布製外皮47の
間に敷き詰められその先端の輪の部分は布製外皮47を突きぬけて外部に突出している。
【0038】
底板4には
図3及び
図8に示すように、棒状突起44が6個取り付けられている。この棒
状突起44は底板4の内面と棺桶5の底面の間に空隙を作り冷気の流通をよくするために
設けられたものである。
【0039】
図5、
図6に示すように、上蓋3は覗き窓33のある部分391または保冷剤収納袋38
のある部分392のいずれか一方が選択的に上方に二つ折りできるように構成されている
。そのために、上蓋3の断熱構造体36が切れ目39によって覗き窓33のある部分39
1と保冷剤収納袋38のある部分392の2つに分割されている。しかし、布製外皮37
は分割されていないので、覗き窓33のある部分391と保冷剤収納袋38のある部分3
92とは分離されていない。覗き窓33のある部分391を上方に引き上げると
図5の点
線393に沿って覗き窓33のある部分391は二つ折りに開くことができる。同様に保
冷剤収納袋38のある部分392を上方に引き上げると点線393に沿って保冷剤収納袋
38のある部分392は二つ折りに開くことができる。
【0040】
上蓋3の接合片31の内側には上述のように覗き窓33のある部分391の接続片31に
は平面ファスナー311が取り付けられているが、保冷剤収納袋38のある部分392の
接続片31には平面ファスナーの代わりにマグネット312が取り付けられている。従っ
て、
図7に示すように、マグネット312に対応するボックス本体2の上外面には金属帯
212が接合されている。なお、
図7中の22はボックス本体に取り付けられた一文字取
っ手、28はネームプレート、61はデジタル温度計のセンサー、63は表示画面である
。
【0041】
保冷剤収納袋38のある部分392も
図5の折れ線393に沿って上方に二つ折りに開く
ことができる。保冷剤収納袋38のある部分392で平面ファスナーの代わりにマグネッ
ト312を使用した理由は、平面ファスナーは接合力が強いので開け閉めに労力を要する
が、それに対してマグネット312の方が開け閉めが容易なので、保冷剤の交換作業を容
易にするためである。
【0042】
図9は本棺桶移送保管ボックスに付設された電池内内蔵型デジタル温度計6のシステム構
成図を示すもので、サーミスター等の温度感知センサー61、センサーで検出された信号
を温度数値に変換する演算手段62、温度数値に変換された信号をデジタル表示する液晶
画面の表示手段63及び演算手段62及び表示手段63を作動するための内蔵電池64よ
り構成されている。センサー61をボックス内に設置し、演算手段62、表示手段63及
び電池64を含む温度計本体をボックス外面に設置し両者を配線で結ぶ。その結果、ボッ
クス内温度を常に表示装置63の液晶表示部で読み取ることができる。