特許第6698983号(P6698983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6698983
(24)【登録日】2020年5月7日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】棺桶移送保管ボックス
(51)【国際特許分類】
   A61G 17/04 20060101AFI20200518BHJP
   A61G 17/00 20060101ALI20200518BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20200518BHJP
   F25D 3/00 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   A61G17/04 C
   A61G17/00 Z
   B65D81/18 B
   F25D3/00 D
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-157310(P2017-157310)
(22)【出願日】2017年8月17日
(65)【公開番号】特開2019-33910(P2019-33910A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2019年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】317012776
【氏名又は名称】株式会社愛寿物流
(74)【代理人】
【識別番号】100066441
【弁理士】
【氏名又は名称】川島 順
(72)【発明者】
【氏名】岡田 功二
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−224176(JP,A)
【文献】 特開2007−210666(JP,A)
【文献】 特開平07−213567(JP,A)
【文献】 特開2014−210086(JP,A)
【文献】 特開2015−109897(JP,A)
【文献】 実開昭61−014687(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/00−19/00
B65D 81/00−81/38
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面が解放された長方形体のボックス本体、上記ボックス本体の上面に嵌合構造
を介して結合される長方形の上蓋及び上記ボックス本体の下面に嵌合構造を介して結合さ
れる長方形の底板とよりなり、上記上蓋はその四周に上記ボックス本体の四周の上辺と接
合するための接合片を備えると共に該上蓋の内面に保冷剤を収容するための保冷剤収納袋
を備え、上記底板はその四周に上記ボックス本体の四周の下辺に接合するための接合片を
備え、且、上記ボックス本体はその四周の上辺に上記上蓋の接合片と接合するための接合
帯を、又その四周の下辺には上記底板の接合片と接合するための接合帯をそれぞれ備えた
ことを特徴とする棺桶移送保管ボックス。
【請求項2】
上記ボックス本体は発泡合成樹脂製の断熱材の表面をアルミニウム蒸着した断熱シートで
被覆した断熱構造体の上面に厚手の布製外皮を上張りして構成され、上記上蓋は発泡合成
樹脂製の断熱材の表面をアルミニウム蒸着した断熱シートで被覆した断熱構造体の上面に
厚手の布製外皮を上張りして構成され、且、上記底板は発泡合成樹脂製の断熱材の表面を
アルミニウム蒸着した断熱シートで被覆した断熱構造体の上面に厚手の布製外皮を上張り
して構成されたことを特徴とする請求項1に記載の棺桶移送保管ボックス。
【請求項3】
上記接合片及び接合帯は帯状の平面ファスナーの雌型及び雄型の対及び帯状のマグネット
及び該マグネットに吸着される金属片の対よりなる群より選ばれたいずれか一つの対より
なることを特徴とする請求項1に記載の棺桶移送保管ボックス。
【請求項4】
上記上蓋は、棺桶内部の遺体を覗き見できる覗き窓を備えたことを特徴とする請求項1に
記載の棺桶移送保管ボックス。
【請求項5】
上記上蓋は、覗き窓を備えた部分と保冷剤を収容する部分のいずれか一方を上方に回動し
て二つ折りできるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の棺桶移送保管ボッ
クス。
【請求項6】
上記底板は、該底板と収容される棺桶の底との間に若干の間隙ができるように複数個の突
起を備えたことを特徴とする請求項1に記載の棺桶移送保管ボックス。
【請求項7】
上記底板は、該底板の四辺にそれぞれ紐状の取っ手を備えたことを特徴とする請求項1に
記載の棺桶移送保管ボックス。
【請求項8】
上記ボックス本体は、収容される棺桶内の温度を表示する温度計を備えたことを特徴と
する請求項1に記載の棺桶移送保管ボックス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺体を収納した棺桶を移送したり保管したりするための棺桶移送保管ボックス
に関するものある。
【背景技術】
【0002】
遺体を収容した棺桶の冷却用には通常ドライアイスが用いられている。しかし、最近の地
球温暖化の影響を極力少なくするためにドライアイスの使用はなるべく少なくすることが
提唱されている。
【0003】
その一環として、腐敗しやすいものを移送するために冷却ユニットを備えたコンテナーは
既に提案されている(特開平06−048481)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−048481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特開平06−048481号公報記載の腐敗しやすいものを移送するためのコンテ
ナーは、内容物の腐敗を防止するために容器の断熱材パネルの内に冷却コイルを内蔵し、
この冷却コイルに外部の冷却装置から送られてくる低温の液体を送り込み、容器内部を低
温に維持している。
【0006】
したがって、このコンテナーは冷却装置を装備していない輸送装置では使用できない。ま
た、冷却装置を装備した輸送装置を利用した場合でも輸送装置より外に運びだした場合に
は冷却コイルは作動しなくなる等の欠点がある。
【0007】
本発明は、電源や冷却装置を備えていない環境でも棺桶内の遺体を長時間低温状態に維持
できる棺桶専用の移送または保管用のボックスを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、遺体を納めた棺桶を少ない労力で極めて容易に収納することができる棺桶移送
保管ボックスを安価に得ることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の棺桶移送保管ボックスは、上面及び下面が解放された長方形体のボックス本体、
上記ボックス本体の上面に嵌合構造を介して結合される長方形の上蓋及び上記ボックス本
体の下面に嵌合構造を介して結合される長方形の底板とよりなり、上記上蓋はその四周に
上記ボックス本体の四周の上辺と接合するための接合片を備えると共に該上蓋の内面に保
冷剤を収容するための保冷剤収納袋を備え、上記底板はその四周に上記ボックス本体の四
周の下辺に接合するための接合片を備え、且、上記ボックス本体はその四周の上辺に上記
上蓋の接合片と接合するための接合帯を、又その四周の下辺には上記底板の接合片と接合
するための接合帯をそれぞれ備えたことを特徴とする。
【0010】
上記ボックス本体は発泡合成樹脂製の断熱材の表面をアルミニウム蒸着した断熱シートで
被覆した断熱構造体の上面に厚手の布製外皮を上張りして構成され、上記上蓋は発泡合成
樹脂製の断熱材の表面をアルミニウム蒸着した断熱シートで被覆した断熱構造体の上面に
厚手の布製外皮を上張りして構成され、且、上記底板は発泡合成樹脂製の断熱材の表面を
アルミニウム蒸着した断熱シートで被覆した断熱構造体の上面に厚手の布製外皮を上張り
して構成されている。
【0011】
上記発泡合成樹脂製の断熱材には、例えば、発泡ポリエチレンや硬質発泡ポリウレタン等
が用いられる。
【0012】
アルミニウム蒸着した断熱シートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイ
ルムやポリエステルフイルムの表面にアルミニウムを蒸着したものが好ましく用いられる
【0013】
厚手の布製外皮としては、合成樹脂製の長繊維をオックスフォード織りした厚手の生地が
用いられる。長繊維の繊維としてはナイロン繊維やポリエステル繊維が用いられる。糸の
太さは420〜500デニールのものが好ましい。シリコーン樹脂の防水加工したものが
好ましい。
【0014】
上記上蓋の接合片は厚手の布製外皮をフラップ状に延長して構成される。その内側には帯
状の平面ファスナーの雌型又は雄型の一方が取り付けられ、ボックス本体の四周の上側に
は平面ファスナーの雌型又は雄型の他方が取り付けられる。平面ファスナーの代わりにマ
グネットとそれに吸着される金属片を使用することもできる。
【0015】
上記底板の接合片も同様にして厚手の布製外皮をフラップ状に延長して構成される。その
内側には帯状の平面ファスナーの雌型又は雄型の一方が取り付けられ、ボックス本体の四
周の下側には平面ファスナーの雌型又は雄型の他方が取り付けられる。
【0016】
上記上蓋は、棺桶内部の遺体を覗き見できる覗き窓を備えている。この覗き窓は、観音開
き式に両開きできるものや、落とし蓋式に嵌め込むものがある。覗き窓の下面にはボック
ス内部の冷気が外に逃げないように、ガラスやアクリル製の遮断板が張り付けられている
【0017】
上記上蓋の内面には保冷剤を収容するための保冷剤収納袋が取り付けられている。保冷剤
としては市版のものが用いられる。通常保冷剤は約99パーセントの水と高吸水性樹脂(
ポリアクリル樹脂)、防腐剤、形状安定剤が含まれている。保冷剤は大型の2kg/個程
度のものが4〜6個必要である。従って、保冷剤を取り付けた上蓋の全重量は10kg以
上となり非常に重くなる。従って、上蓋は、覗き窓のある部分と保冷剤収納袋が取り付け
られた部分のいずれか一方が上方に回動して二つ折りできるように構成されている。その
ために上蓋の断熱構造体は、覗き窓のある部分と保冷収納袋を取り付ける部分とが2つに
切断されている。しかし、断熱構造体は布製外皮で覆われているので、覗き窓のある部分
と保冷収納袋を取り付ける部分とが2つに分離されることはない。切断部分の布製外皮が
二つ折りの関節の役目を果たすことになる。
【0018】
上記底板は、冷気の流通をよくするために底板と収容される棺桶の底との間に若干の間隙
ができるように複数個の棒状突起を備えている。この棒状突起は、横列に整列された断面
山形をした横棒4〜6本で構成される。
【0019】
遺体を収容した棺桶を納めたボックスは相当の重量になるので、このボックスを移動させ
る際に持ち上げるための紐状の取っ手をこの底板の四辺にそれぞれ備えている。
【0020】
上記ボックス本体は、収容された棺桶内の温度をセンサーで検出し、それをボックスの外
面で表示するための温度計を備えている。
【発明の効果】
【0021】
(1)遺体を収容した棺桶は非常に重いので、ボックス本体の上から挿入する場合はかな
りの労力を必要とする。本発明の棺桶移送保管ボックスは、上蓋、ボックス本体及び底板
と3分割されているので、上蓋及びボックス本体を底板から取り外し、棺桶を直接底板の
上に載せた後、ボックス本体を被せ、最後に上蓋を被せて、底板、上板の接合片の両面フ
ァスナーをボックス本体の両面ファスナーの接合帯に接合すれば極めて簡単に遺体を収納
した棺桶をボックス内に納めることができる。
【0022】
(2)本発明の棺桶移送保管ボックスは、上蓋、ボックス本体及び底板がそれぞれ、発泡
合成樹脂製の断熱材の表面をアルミニウム蒸着した断熱シートで被覆した断熱構造体の表
面に厚手の布製外皮を上張りして構成されているので、極めて軽量であるにもかかわらず
強度が強く、さらに、断熱構造体の存在によって、断熱効果が高く、さらにアルミニウム
蒸着した断熱シートによって冷気が外部に拡散することを防止しているので、保冷剤の使
用量が少なくても長時間棺桶内温度を低温に保つことができる。
【0023】
(3)本発明の棺桶移送保管ボックスでは、棺桶の冷却に保冷剤を使用しているので、ド
ライアイスを使用した場合の急激な温度低下による遺体の凍結を防ぐと共に、ドライアイ
スによる低温火傷の危険性を軽減することができる。また、ドライアイスの使用量を削減
することにより、国が目指す炭酸ガスの削減政策にも寄与することができる。保冷剤使用
により、棺桶内温度を0℃〜5℃に24時間維持することができる。また、保冷剤は繰り
返し使用できるので非常に経済的である。
【0024】
(4)本発明の棺桶移送保管ボックスでは、上蓋に覗き窓が備えられているので、遺体を
収容した棺桶をボックス内に納めた後でも、故人の顔を拝観することができる。
【0025】
(5)本発明の棺桶移送保管ボックスでは、上蓋の覗き窓が備えられた部分か保冷剤を収
容する部分のいずれか一方を上方に回動して二つ折りにできように構成されているので、
遺体を収容した棺桶をボックス内に納めた後でも、遺族等が故人に触れたい場合や遺品等
を棺桶に入れる場合に、重たい蓋を取り外さなくとも、簡単に覗き窓の部分だけを開ける
ことができる。また保冷剤を交換する場合は、保冷剤を収容する部分のみを二つ折りして
上方に回動して開閉できるので、重たい上蓋全部を取り外さないでその目的を達成できる
。また、上蓋を開ける必要がる場合、上蓋の覗き窓が備えられた部分か保冷剤を収容する
部分のいずれか一方だけを開けば目的を達成できるので、上蓋全体を開けた場合に比べて
、ボックス内の冷気が外部に逃げる量を少なく抑えられるので、保冷剤の使用量を少なく
することができる。
【0026】
(6)本は発明の棺桶移送保管ボックスは、接合片及び接合帯は帯状の平面ファスナーの
雌型及び雄型の対及び帯状のマグネットとそれに吸着される金属片の対よりなる群より選
ばれたいずれか一つの対を選択的に使用することができるので、例えば、上蓋の覗き窓が
備えられた部分にファスナーを使用し、保冷剤を収容する部分にマグネットを使用すれば
、保冷剤を交換する場合、マグネットは開閉が容易であるので、保冷剤の交換作業を迅速
にしかも容易に行うことができる。
【0027】
(7)本は発明の棺桶移送保管ボックスは、棺桶内の温度を表示する温度計が備えられて
いるので、棺桶内の温度を恒に監視することができ、保冷剤の交換時期を誤ることがなく
なる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】発明の棺桶移送保管ボックスの正面図
図2】同上平面図
図3図2のA−A線による縦断面図
図4図3の一部拡大縦断面図
図5】発明の棺桶移送保管ボックスの上蓋の斜面図
図6】同上裏面図
図7】発明の棺桶移送保管ボックスのボックス本体の斜面図
図8】発明の棺桶移送保管ボックスの底板の斜面図
図9】温度計のシステム構成図
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の棺桶移送保管ボックスの最良の実施形態を次の実施例によって説明する。
【実施例】
【0030】
図1は本発明棺桶移送保管ボックスの実施例を示す正面図であり、図2同上平面図である
。1は棺桶移送保管ボックス、2はボックス本体、3は上蓋、4は底板、31は上蓋の接
合片、32は上蓋の一文字取っ手、33は覗き窓、41は底板の接合片、42は底板の紐
状取っ手である。
覗き窓33の2枚の扉331が観音開きに開くように布製関節片332で上蓋3と扉33
1に縫い目334で縫合されて固定されている。333は扉331のつまみである。
【0031】
図3図2のA−A線による縦断面図で、底板4、ボックス本体2、上蓋3が3層に重ね
られている。上蓋3の内面の段差部34はボックス本体2の上内面の段差部23と嵌合し
てぴったりと蓋が閉まるようになっている。底板4の内面の段差部43はボックス本体の
下内面の段差部24と嵌合してぴったりと底板4がボックス本体2に嵌め込まれるように
なっている。
【0032】
図4に示すように、上蓋3の接合片31は布製外皮37を延長してダブレット状に加工し
たもので、その内面に平面ファスナー311が取り付けられている。ボックス本体2の上
部の外面には平面ファスナー用の接合帯211が取り付けられている。
【0033】
上蓋3は直方形の断熱構造体36の上に布製外皮37が張り付けられている。断熱構造体
36は発泡合成樹脂製の断熱材361の上を表面にアルミニウム蒸着した断熱シート36
2でくるみ、その上面に厚手の布製外皮37を張り付けて構成されている。断熱材361
には例えば押出成形した発泡ポリエチレンが用いられ、断熱シート362には例えばPE
Tフイルムの表面にアルミニウムを蒸着したシートが用いられる。布製外皮37には、合
成樹脂例えばナイロンの長繊維をオックスフォード織りした通称ナイロンオックスの50
0デニールのものが使用される。シリコーン樹脂で防水加工したものが好ましい。
【0034】
ボックス本体2も上蓋3と同様の断熱材261を断熱シート262でくるんだ断熱構造体
26及び布製外皮27で構成されている。底板4も同様に断熱材461を断熱シート46
2でくるんだ断熱構造体46及び布製外皮47で構成されている。
【0035】
底板4とボックス本体2は底板の接続片41の裏側に付いた平面フアスナー411とボッ
クス本体2の下側の平面フアスナー用の接合帯211で着脱自在にしかも強固に結合され
る。
【0036】
上蓋3の内面には保冷剤収納袋38が取り付けられている。収納袋38図6に示されてい
るように編み目の袋を5個連結したもので、平面ファスナー(図示せず)で上蓋3の内面に
着脱自在に取り付けられている。収納袋38には袋の入り口381があり保冷剤382を
出し入れすることができる。
【0037】
図8に示すように、底板4には縦横に紐製の取っ手42が2個ずつ取り付けられている。
この取っ手42は遺体を収納した棺桶5を納めた棺桶移送保管ボックス1を数人で持ち上
げる際に使用する。この取って42は図3に示すように断熱構造体46と布製外皮47の
間に敷き詰められその先端の輪の部分は布製外皮47を突きぬけて外部に突出している。
【0038】
底板4には図3及び図8に示すように、棒状突起44が6個取り付けられている。この棒
状突起44は底板4の内面と棺桶5の底面の間に空隙を作り冷気の流通をよくするために
設けられたものである。
【0039】
図5図6に示すように、上蓋3は覗き窓33のある部分391または保冷剤収納袋38
のある部分392のいずれか一方が選択的に上方に二つ折りできるように構成されている
。そのために、上蓋3の断熱構造体36が切れ目39によって覗き窓33のある部分39
1と保冷剤収納袋38のある部分392の2つに分割されている。しかし、布製外皮37
は分割されていないので、覗き窓33のある部分391と保冷剤収納袋38のある部分3
92とは分離されていない。覗き窓33のある部分391を上方に引き上げると図5の点
線393に沿って覗き窓33のある部分391は二つ折りに開くことができる。同様に保
冷剤収納袋38のある部分392を上方に引き上げると点線393に沿って保冷剤収納袋
38のある部分392は二つ折りに開くことができる。
【0040】
上蓋3の接合片31の内側には上述のように覗き窓33のある部分391の接続片31に
は平面ファスナー311が取り付けられているが、保冷剤収納袋38のある部分392の
接続片31には平面ファスナーの代わりにマグネット312が取り付けられている。従っ
て、図7に示すように、マグネット312に対応するボックス本体2の上外面には金属帯
212が接合されている。なお、図7中の22はボックス本体に取り付けられた一文字取
っ手、28はネームプレート、61はデジタル温度計のセンサー、63は表示画面である
【0041】
保冷剤収納袋38のある部分392も図5の折れ線393に沿って上方に二つ折りに開く
ことができる。保冷剤収納袋38のある部分392で平面ファスナーの代わりにマグネッ
ト312を使用した理由は、平面ファスナーは接合力が強いので開け閉めに労力を要する
が、それに対してマグネット312の方が開け閉めが容易なので、保冷剤の交換作業を容
易にするためである。
【0042】
図9は本棺桶移送保管ボックスに付設された電池内内蔵型デジタル温度計6のシステム構
成図を示すもので、サーミスター等の温度感知センサー61、センサーで検出された信号
を温度数値に変換する演算手段62、温度数値に変換された信号をデジタル表示する液晶
画面の表示手段63及び演算手段62及び表示手段63を作動するための内蔵電池64よ
り構成されている。センサー61をボックス内に設置し、演算手段62、表示手段63及
び電池64を含む温度計本体をボックス外面に設置し両者を配線で結ぶ。その結果、ボッ
クス内温度を常に表示装置63の液晶表示部で読み取ることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 棺桶移送保管ボックス
2 ボックス本体
211 接合帯
23 段差部
26 断熱構造体
261 断熱材
262 断熱シート
27 布製外皮
3 上蓋
31 接合片
311 平面ファスナー
33 覘き窓
38 保冷剤収納袋
4 底板
41 接合片
411 平面ファスナー
43 段差部
44 棒状突起
5 棺桶
6 デジタル温度計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9