(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6699051
(24)【登録日】2020年5月7日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】支持構造、撮像装置、及び移動体
(51)【国際特許分類】
G03B 11/00 20060101AFI20200518BHJP
G03B 15/00 20060101ALI20200518BHJP
G03B 17/14 20060101ALI20200518BHJP
G03B 17/02 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
G03B11/00
G03B15/00 U
G03B17/14
G03B17/02
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-99398(P2019-99398)
(22)【出願日】2019年5月28日
【審査請求日】2019年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 大
【審査官】
井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−135830(JP,A)
【文献】
特開2018−5176(JP,A)
【文献】
特開2006−80979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/00
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルタを保持する保持枠を着脱可能に支持し、開口を含む第1面を有する支持構造であって、
前記開口を囲むように前記第1面上に配置される弾性部材と
前記保持枠を前記第1面に沿ってスライド可能にガイドする第1ガイド構造と、
前記保持枠を前記開口の方向にガイドして前記保持枠を前記弾性部材に押し付ける第2ガイド構造と
を備える、支持構造。
【請求項2】
前記第1ガイド構造が前記保持枠の第1端部を前記第1面に沿ってガイドした後、前記第2ガイド構造が前記保持枠の前記第1端部を前記開口の方向にガイドする、請求項1に記載の支持構造。
【請求項3】
前記第1ガイド構造は、前記保持枠の前記第1端部を前記第1面に沿ってスライド可能にガイドするガイド面を有し、
前記第2ガイド構造は、前記保持枠の前記第1端部を前記開口の方向にガイドするように前記ガイド面に対して前記開口の方向に傾斜する傾斜面を有する、請求項2に記載の支持構造。
【請求項4】
前記保持枠は、前記保持枠が前記第1ガイド構造にガイドされ、前記第1面に沿ってスライドするとき、前記ガイド面に接触する突起構造を、前記ガイド面に対向する被ガイド面に有し、
前記第1ガイド構造は、前記保持枠が前記第2ガイド構造により前記開口の方向にガイドされると、前記突起構造を収容する収容構造を前記ガイド面に有する、請求項3に記載の支持構造。
【請求項5】
前記突起構造は、前記第1端部に隣接して設けられる第1突起部分と、前記第1端部から前記第1突起部分より離れて設けられる第2突起部分とを含み、
前記収容構造は、前記保持枠が前記第2ガイド構造により前記開口の方向にガイドされると、前記第1突起部分を収容する第1収容部分及び前記第2突起部分を収容する第2収容部分を含む、請求項4に記載の支持構造。
【請求項6】
前記第1突起部分の前記ガイド面に接触する部分の前記保持枠がスライドする方向の幅は、前記第2突起部分の前記ガイド面に接触する部分の前記保持枠がスライドする方向の幅より広い、請求項5に記載の支持構造。
【請求項7】
前記第1ガイド構造が前記保持枠の前記第1端部を前記第1面に沿ってガイドした後、前記保持枠の前記第1端部と反対側の第2端部を前記開口の方向にガイドする第3ガイド構造をさらに備える、請求項2に記載の支持構造。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1つに記載の支持構造と、
前記開口に対向する位置に配置されるイメージセンサと
を備える撮像装置。
【請求項9】
前記光学フィルタと、
前記保持枠と
をさらに備える請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
請求項9に記載の撮像装置を備えて移動する移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持構造、撮像装置、及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、カートリッジ式のNDフィルタを着脱可能に装着可能なカメラが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[非特許文献1] インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20190130084444/https://www.cinema5d.com/craft-camera-an-innovative-modular-camera-system/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
NDフィルタなどの光学フィルタを着脱可能に撮像装置に装着可能な構造において、塵埃などの異物が、撮像装置の内部に侵入することを防止することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る支持構造は、光学フィルタを保持する保持枠を着脱可能に支持し、開口を含む第1面を有する支持構造でよい。支持構造は、開口を囲むように第1面上に配置される弾性部材を備えてよい。支持構造は、保持枠を第1面に沿ってスライド可能にガイドする第1ガイド構造を備えてよい。支持構造は、保持枠を開口の方向にガイドして保持枠を弾性部材に押し付ける第2ガイド構造を備えてよい。
【0005】
第1ガイド構造が保持枠の第1端部を第1面に沿ってガイドした後、第2ガイド構造が保持枠の第1端部を開口の方向にガイドしてよい。
【0006】
第1ガイド構造は、保持枠の第1端部を第1面に沿ってスライド可能にガイドするガイド面を有してよい。第2ガイド構造は、保持枠の第1端部を開口の方向にガイドするようにガイド面に対して開口の方向に傾斜する傾斜面を有してよい。
【0007】
保持枠は、保持枠が第1ガイド構造にガイドされ、第1面に沿ってスライドするとき、ガイド面に接触する突起構造を、ガイド面に対向する被ガイド面に有してよい。
【0008】
第1ガイド構造は、保持枠が第2ガイド構造により開口の方向にガイドされると、突起構造を収容する収容構造をガイド面に有してよい。
【0009】
突起構造は、第1端部に隣接して設けられる第1突起部分と、第1端部から第1突起部分より離れて設けられる第2突起部分とを含んでよい。収容構造は、保持枠が第2ガイド構造により開口の方向にガイドされると、第1突起部分を収容する第1収容部分及び第2突起部分を収容する第2収容部分を含んでよい。
【0010】
第1突起部分のガイド面に接触する部分の保持枠がスライドする方向の幅は、第2突起部分のガイド面に接触する部分の保持枠がスライドする方向の幅より広くよい。
【0011】
支持構造は、第1ガイド構造が保持枠の第1端部を第1面に沿ってガイドした後、保持枠の第1端部と反対側の第2端部を開口の方向にガイドする第3ガイド構造をさらに備えてよい。
【0012】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記支持構造と、開口に対向する位置に配置されるイメージセンサとを備えてよい。
【0013】
撮像装置は、光学フィルタと、保持枠とをさらに備えてよい。
【0014】
本発明の一態様に係る移動体は、撮像装置を備えて移動する移動体でよい。
【0015】
本発明の一態様によれば、光学フィルタを保持する保持枠を着脱可能に支持し、開口を含む第1面を有する支持構造において、塵埃などの異物が、開口を介して内部に侵入することを防止できる。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】撮像装置の撮像面側から見た外観斜視図である。
【
図2】撮像装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】撮像装置の外装カバーを取り外し、光学フィルタ装置が支持構造から抜かれた状態を示す図である。
【
図4】撮像装置の外装カバーを取り外した状態を示す図である。
【
図5】光学フィルタ装置が抜かれた状態の支持構造の斜視図である。
【
図6】
図5で示す符号450で示す部分の拡大図である。
【
図7】光学フィルタ装置が挿入される途中の支持構造の斜視図である。
【
図8】光学フィルタ装置が挿入された状態の支持構造の斜視図である。
【
図9】外装カバーが取り外された状態の撮像装置の正面図である。
【
図11】光学フィルタ装置が支持構造に挿入される途中を示すA−A'断面図である。
【
図13】光学フィルタ装置が支持構造に挿入される途中を示すB−B'断面図である。
【
図14】無人航空機及び遠隔操作装置の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る撮像装置100の撮像面側から見た外観斜視図である。撮像装置100は、イメージセンサ120と、撮像装置100に交換レンズを着脱可能に連結するマウント800とを備える。撮像装置100は、交換レンズを装着した状態で、撮像装置100の姿勢を調整するジンバルなどの支持機構に支持されてよい。撮像装置100は、移動体に搭載されてよい。撮像装置100は、支持機構を介して移動体に搭載されてよい。移動体とは、空中を移動する飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。空中を移動する飛行体とは、無人航空機(UAV)の他、空中を移動する他の航空機、飛行船、ヘリコプター等を含む概念である。
【0021】
図2は、撮像装置100の機能ブロックの一例である。撮像装置100は、撮像制御部110、イメージセンサ120、メモリ130、光学フィルタ装置140、光学フィルタ装置500、支持構造400及びマウント800を備える。イメージセンサ120は、CCDまたはCMOSにより構成されてよい。イメージセンサ120は、交換レンズを介して結像された光学像を撮像し、撮像された画像を撮像制御部110に出力する。イメージセンサ120は、光学フィルタ装置500を通過した光を受光する。撮像制御部110は、CPUまたはMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。撮像制御部110は、撮像装置100の動作命令に応じて、撮像装置100を制御してよい。
【0022】
メモリ130は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、USBメモリ、及びソリッドステートドライブ(SSD)などのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ130は、撮像制御部110がイメージセンサ120などを制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ130は、撮像装置100の筐体の内部に設けられてよい。メモリ130は、撮像装置100の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0023】
マウント800は、交換レンズを撮像装置100に着脱可能に連結するための機械的構造を有する。マウント800は、イメージセンサ120の撮像面に対向する位置に配置される。マウント800は、ロックピン801、及び電気接点802を有する。ロックピン801は、ばねなどの弾性体により物体側に付勢されて設けられている。交換レンズがロックピン801を撮像面側に押し付けながら回転して、交換レンズが予め定められた位置まで回転すると、ロックピン801が交換レンズの位置決め用の挿入孔に嵌り、交換レンズが撮像装置100にロックされる。また、交換レンズが予め定められた位置まで回転すると、電気接点802と、交換レンズの電気接点とが電気的に接続される。
【0024】
光学フィルタ装置140は、少なくとも1つの光学フィルタと、少なくとも1つの光学フィルタを保持する保持枠を、少なくとも1つの光学フィルタが撮像装置100の光路に対して挿入または退避するように移動可能に支持する支持構造とを備える。支持構造は、例えば、保持枠を間に挟んで摺動可能に支持する一対の摺動軸と、少なくとも1つの光学フィルタを光路に対して挿入または退避させるように電動機からの動力を保持枠に伝達するギアなどの伝達機構とを含む。光学フィルタ装置140は、例えば、支持構造400の内部に収容されてよい。少なくとも1つの光学フィルタは、減光フィルタ(NDフィルタ)、偏光フィルタ(PLフィルタ)、及び赤外透過フィルタ(IRフィルタ)などでよい。
【0025】
光学フィルタ装置500は、撮像装置100に着脱可能に装着されるアダプタである。光学フィルタ装置500は、光学フィルタ504と、光学フィルタ504を保持する保持枠502とを備える。光学フィルタ504は、減光フィルタ(NDフィルタ)、偏光フィルタ(PLフィルタ)、及び赤外透過フィルタ(IRフィルタ)などでよい。支持構造400は、開口404を含む面402を有する。支持構造400は、保持枠502を支持する。開口404は、イメージセンサ120の撮像面に対向する位置にある。支持構造400は、面402と反対側の面403に、開口404に対向するガラス板430を有する。支持構造400は、保持枠502をスライドさせて撮像装置100内に挿入することをガイドするガイド構造410を有する。本実施形態では、支持構造400は、内部に光学フィルタ装置140を備える例について説明する。しかしながら、保持枠502を着脱可能に支持する機械的構造であれば、光学フィルタ装置140を備えていなくてもよい。支持構造400は、保持枠502をスライドさせて撮像装置100の筐体内に挿入して、支持できる機械的構造であればよい。
【0026】
ここで、保持枠502と支持構造400の面402との間に隙間があると、その隙間を介して開口404から塵埃などの異物が支持構造400の内部に侵入する可能性がある。そこで、支持構造400は、開口404を囲むように面402上に配置される弾性部材406を備える。ガイド構造410が、保持枠502を開口404の方向にガイドして、保持枠502を弾性部材406に押し付ける。これにより、保持枠502と支持構造400の面402との間に隙間がなくなり、開口404から塵埃などの異物が支持構造400の内部に侵入することを防止することができる。
【0027】
図3は、撮像装置100の外装カバーを取り外し、光学フィルタ装置500が支持構造400から抜かれた状態を示す図である。
【0028】
保持枠502は、保持枠502のスライド方向550の一方の第1端部5021から支持構造400内に挿入される。光学フィルタ装置500は、保持枠502の第1端部5021と反対側の第2端部5022に把手部506をさらに有する。ユーザは、把手部506を掴みながら、保持枠502を支持構造400に対して着脱させることができる。
【0029】
図4は、撮像装置100の外装カバー及びマウント800を取り外した状態を示す。支持構造400の面402上に、開口404を囲むように弾性部材406が配置されている。弾性部材406は、シリコンゴムなどでよい。
【0030】
図5は、光学フィルタ装置500が抜かれた状態の支持構造400の斜視図を示す。
図6は、
図5で示す符号450で示す部分の拡大図である。
図7は、光学フィルタ装置500が挿入される途中の支持構造400の斜視図を示す。
図8は、光学フィルタ装置500が挿入された状態の支持構造400の斜視図を示す。
【0031】
ガイド構造410は、保持枠502を面402に沿ってスライド可能にガイドする第1ガイド構造411と、保持枠502を開口404の方向にガイドして保持枠502を弾性部材406に押し付ける第2ガイド構造412とを有する。第1ガイド構造411は、保持枠502の側部をガイドするレール状の構造でよい。
【0032】
第1ガイド構造411は、保持枠502の第1端部5021を面402に沿ってスライド可能にガイドするガイド面413を有する。第1ガイド構造411は、保持枠502の側部に対向する位置に溝を有し、溝の撮像装置100の光路の方向に対向するそれぞれの側壁がガイド面413でよい。
【0033】
第2ガイド構造412は、保持枠502の第1端部5021を開口404の方向にガイドするようにガイド面413に対して開口404の方向に傾斜する傾斜面414を有する。傾斜面414は、開口404側のガイド面4131に対向するガイド面4132から開口404の方向に傾斜するように伸びる面でよい。保持枠502がスライド方向に進むと、保持枠502の第1端部5021が傾斜面414に接触して、傾斜面414に沿って保持枠502の第1端部5021が開口404の方向に移動する。
【0034】
第1ガイド構造411が保持枠502の第1端部5021を面402に沿ってガイドした後、第2ガイド構造412が保持枠502の第1端部5021を開口404の方向にガイドする。これにより、保持枠502が弾性部材406に押し付けられる。
【0035】
支持構造400は、第1ガイド構造411が保持枠502の第1端部5021を面402に沿ってガイドした後、保持枠502の第2端部5022を開口404の方向にガイドする一対の固定ピン420をさらに有する。一対の固定ピン420は、保持枠502が挿入される入口付近に設けられてよい。一対の固定ピン420は、把手部506の裏面に形成された穴に嵌り、保持枠502の第2端部5022を開口404の方向にガイドする。一対の固定ピン420は、第3ガイド構造の一例である。なお、第3ガイド構造は、第1ガイド構造411が保持枠502の第1端部5021を面402に沿ってガイドした後、保持枠502の第2端部5022を開口404の方向にガイドすることが可能であれば、他の機械的構造でもよい。
【0036】
図9は、外装カバーが取り外された状態の撮像装置100の正面図である。
図10は、
図9に示すA−A'断面図である。
図11は、光学フィルタ装置500が支持構造400に挿入される途中を示すA−A'断面図である。
図12は、
図9に示すB−B'断面図である。
図13は、光学フィルタ装置500が支持構造400に挿入される途中を示すB−B'断面図である。
【0037】
保持枠502が支持構造400内を第1ガイド構造411にガイドされてスライドするとき、保持枠502が弾性部材406に接触していると、保持枠502がスライドしにくい。また、保持枠502が弾性部材406に接触していると、保持枠502が第1ガイド構造411にガイドされてスライドするときに、弾性部材406を巻き込んで弾性部材406が面402から剥がれる可能性がある。
【0038】
そこで、保持枠502は、ガイド面4131に対向する被ガイド面508に突起構造510を有する。突起構造510は、保持枠502が第1ガイド構造411にガイドされ、面402に沿ってスライドするとき、ガイド面4131に接触する。突起構造510は、第1端部5021に隣接して設けられる第1突起部分511と、第1端部5021から第1突起部分511より離れて設けられる第2突起部分512とを含む。
【0039】
第1ガイド構造411は、保持枠502が第2ガイド構造412により開口404の方向にガイドされると突起構造510を収容する収容構造418を含む。収容構造418は、保持枠502が第2ガイド構造412により開口404の方向にガイドされると第1突起部分511を収容する第1収容部分415及び第2突起部分512を収容する第2収容部分416を含む。第1収容部分415及び第2収容部分416は、ガイド面4131に設けられる穴、または溝でよい。
【0040】
第1突起部分511のガイド面4131に接触する部分の保持枠502がスライドするスライド方向550の幅は、第2突起部分512のガイド面4131に接触する部分の保持枠502がスライドするスライド方向550の幅より広い。これにより、保持枠502は、第1ガイド構造411にガイドされて安定してスライドできる。
【0041】
保持枠502が突起構造510を有することで、保持枠502が支持構造400内を第1ガイド構造411にガイドされてスライドするときに、保持枠502が弾性部材406に接触しない。そして、保持枠502が第2ガイド構造412により開口404の方向にガイドされると、突起構造510は、収容構造418内に収容されるので、保持枠502が弾性部材406に押し付けられる。
【0042】
以上、本実施形態によれば、保持枠502が弾性部材406に押し付けられた状態で、支持構造400に支持される。これにより、保持枠502と支持構造400の開口404との間に、外部に連通する隙間がなくなる。よって、開口404を介して支持構造400の内部に塵埃などの異物が混入することを防止できる。
【0043】
上記のような撮像装置100は、移動体に搭載されてもよい。撮像装置100は、
図14に示すような、無人航空機(UAV)に搭載されてもよい。UAV10は、UAV本体20、ジンバル50、複数の撮像装置60、及び撮像装置100を備えてよい。ジンバル50、及び撮像装置100は、撮像システムの一例である。UAV10は、推進部により推進される移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機などの飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0044】
UAV本体20は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体20は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV10を飛行させる。UAV本体20は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV10を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV10は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0045】
撮像装置100は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。ジンバル50は、撮像装置100を回転可能に支持する。ジンバル50は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル50は、撮像装置100を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル50は、撮像装置100を、アクチュエータを用いて更にロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル50は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置100を回転させることで、撮像装置100の姿勢を変更してよい。
【0046】
複数の撮像装置60は、UAV10の飛行を制御するためにUAV10の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV10の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置60が、UAV10の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV10の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV10が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV10は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV10は、UAV10の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像装置100で設定できる画角より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0047】
遠隔操作装置300は、UAV10と通信して、UAV10を遠隔操作する。遠隔操作装置300は、UAV10と無線で通信してよい。遠隔操作装置300は、UAV10に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV10の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV10の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV10が位置すべき高度を示してよい。UAV10は、遠隔操作装置300から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV10を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV10は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV10は、上昇命令を受け付けても、UAV10の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0048】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0049】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0050】
10 UAV
20 UAV本体
50 ジンバル
60 撮像装置
100 撮像装置
110 撮像制御部
120 イメージセンサ
130 メモリ
140 光学フィルタ装置
300 遠隔操作装置
400 支持構造
402 面
403 面
404 開口
406 弾性部材
410 ガイド構造
411 第1ガイド構造
412 第2ガイド構造
413 ガイド面
414 傾斜面
415 第1収容部分
416 第2収容部分
418 収容構造
430 ガラス板
420 固定ピン
500 光学フィルタ装置
502 保持枠
5021 第1端部
5022 第2端部
504 光学フィルタ
506 把手部
508 被ガイド面
510 突起構造
511 第1突起部分
512 第2突起部分
800 マウント
801 ロックピン
802 電気接点
【要約】
【課題】NDフィルタなどの光学フィルタを着脱可能に撮像装置に装着可能な構造において、塵埃などの異物が撮像装置の内部に侵入する可能性がある。
【解決手段】支持構造は、光学フィルタを保持する保持枠を着脱可能に支持し、開口を含む第1面を有する支持構造でよい。支持構造は、開口を囲むように第1面上に配置される弾性部材を備えてよい。支持構造は、保持枠を第1面に沿ってスライド可能にガイドする第1ガイド構造を備えてよい。支持構造は、保持枠を開口の方向にガイドして保持枠を弾性部材に押し付ける第2ガイド構造を備えてよい。
【選択図】
図5