(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来のブレイク装置では、ある方向のブレイクを終えるとテーブルを90°回転させる必要があるが、テーブルが回転可能な角度は約90°に留まっていた。従ってブレイクを開始する前に既に形成されているスクライブラインがブレイクバーと正確に平行となるようにダイシングリングを載置し、ブレイクバーと平行な全てのスクライブラインに沿ったブレイクを全て終えた後、テーブルを90°回転させてブレイクバーと他のスクライブラインとを平行とした後にブレイクをすることが必要であった。
【0005】
最初にスクライブラインがブレイクバーと正確に平行となるようには載置せず、テーブルに適宜ダイシングリングを載置する方が短時間で載置が完了する。この場合にスクライブラインがブレイクバーと平行となるように回転させてからブレイクすると、そのブレイクが終了した後、更にテーブルを90°回転させて残りのスクライブラインに沿ってブレイクする必要がある。従ってこの方法では最大限でテーブルを180°回転させることが必要であった。
【0006】
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであって、テーブルを180°以上回転させることができるブレイク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明のブレイク装置は、スクライブが形成された脆性材料基板を分断するブレイク装置であって、前記脆性材料基板を保持するテーブルと、前記テーブルを少なくとも180°回転させる回動手段と、前記テーブルをその面に沿って平行移動する平行移動手段と、前記テーブル上の脆性材料基板のスクライブラインに対してブレイクバーを昇降させる昇降手段と、前記回動手段によって前記テーブルを回転させ、前記平行移動手段により前記テーブルを水平移動させてスクライブラインに一致させてブレイクバーを降下させるように制御する制御手段と、を具備するものである。
【0008】
ここで前記ブレイク装置は、前記テーブル上に保持されている脆性材料基板のスクライブラインをモニタするカメラを具備し、前記制御手段は、前記カメラから得られた脆性材料基板の画像に基づいてスクライブラインとブレイクバーとが平行となるように前記回動手段によってテーブルを回転させるものとしてもよい。
【0009】
ここで前記回動手段は、前記テーブルを回転自在に保持するベースリングと、駆動歯車を有し、前記テーブルを回転させる駆動ユニットと、前記ベースリングに設けられ、少なくとも180°の歯が形成され前記駆動ユニットの駆動歯車と噛合する歯車と、を有するものとしてもよい。
【0010】
ここで前記回動手段は、駆動歯車を有し、前記テーブルを回転させる駆動ユニットと、貫通孔及び前記駆動ユニットを保持するベースと、前記ベースの貫通孔に外輪が取付けられ内輪を回転自在とする円形のクロスローラと、前記クロスローラの内輪に取付けられたベースリングと、前記ベースリングの外周に設けられ、少なくとも180°の歯が形成され、前記駆動ユニットの駆動歯車と噛合する歯車と、前記ベースリングに保持されたテーブルと、前記ベースリングのテーブルの外周部に設けられ、回動自在のアームによって前記脆性材料基板を有するダイシングリングを保持するリング収めユニットと、を有するものとしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
このような特徴を有する本発明のブレイク装置によれば、テーブルを180°以上にわたって回転させることができる。また請求項2の発明では、テーブル上にダイシングリングを任意の角度で配置してもカメラによってリング上のスクライブラインを確認することができる。そのためスクライブラインがブレイクバーと平行となるように回転駆動させた後、ブレイクすることができる。こうすればダイシングリングをテーブルに載置する際に基板にスクライブラインとブレイクバーとを正確に平行に配置する必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明の実施の形態によるブレイク装置の概略斜視図である。
【
図2】
図2は本実施の形態の回転機構のテーブル部分の平面図である。
【
図3】
図3は本実施の形態の回転機構を示す斜視図である。
【
図4】
図4は本実施の形態の回転機構の上部ブロックと下部ブロックとを切り離して示す斜視図である。
【
図5】
図5は本実施の形態の回転機構の下部ブロックの組立構成図である。
【
図6】
図6は本実施の形態の回転機構の上部ブロックの詳細を示す組立構成図である。
【
図7】
図7は本実施の形態による回転機構の側面図である。
【
図8】
図8は本実施の形態の回転機構の上ベースリングにテーブルを固定する状態を示す部分斜視図である。
【
図9】
図9は本実施の形態の回転機構のリング収めユニットとその周辺部分を示す斜視図(その1)である。
【
図10】
図10は本実施の形態の回転機構のリング収めユニットとその周辺部分を示す斜視図(その2)である。
【
図11】
図11は本実施の形態のブレイク装置においてダイシングリングの取り換え過程を示す平面図(その1)である。
【
図12】
図12は本実施の形態のブレイク装置においてダイシングリングの取り換え過程を示す平面図(その2)である。
【
図13】
図13は本実施の形態のブレイク装置においてダイシングリングの取り換え過程を示す平面図(その3)である。
【
図14】
図14は本実施の形態のブレイク装置においてダイシングリングの取り換え過程を示す平面図(その4)である。
【
図15】
図15は本実施の形態のブレイク装置においてダイシングリングの取り換え過程を示す平面図(その5)である。
【
図16】
図16は本実施の形態のブレイク装置の概略図を示す側面図である。
【
図17】
図17は本実施の形態のブレイク装置のコントローラを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明の実施の形態によるブレイク装置10について説明する。ブレイク装置10は、
図1に示すy軸の正及び負方向へ移動することが可能なステージ11を有している。ステージ11の下方にはステージ11をその面に沿ってy軸方向に移動させ、更にその面に沿って回転させるY軸移動機構12が設けられている。ステージ11の上部にはコ字状の水平固定部材13が設けられ、その上部にはサーボモータ14が保持されている。サーボモータ14の回転軸にはボールネジ15が直結され、ボールネジ15の下端は、ボールネジ15が回転できるように別の水平固定部材16にて支持されている。上移動部材17は中央部にボールネジ15に螺合する雌ネジ18を備え、その両端部から下方に向けて支持軸19a,19bを備えている。支持軸19a,19bは水平固定部材16の一対の貫通孔を貫通して下移動部材20に連結されている。下移動部材20の下面には図示しないブレイクバーが取付けられている。ブレイクバーは細長い平板で先端を鋭くした金属製の刃物状の部材であり、先端部分が下方となるようにステージ11の面に垂直に下移動部材20に取付けられる。こうすればサーボモータ14によりボールネジ15を回転させた場合、上移動部材17と下移動部材20とが一体となって上下動し、ブレイクバーも同時に上下動することとなる。ここでサーボモータ14と水平固定部材13,16、上下の移動部材17,20はブレイクバーを昇降させる昇降機構を構成している。
【0014】
次にステージ11に設けられる回転機構30について説明する。
図2は回転機構30の平面図であり、
図3はその斜視図、
図4はその上部ブロックと下部ブロックとを切り離した状態を示す斜視図である。又
図5は下部ブロックの組立構成図である。
図5に示すように下部のベース31には円形の段付きの貫通孔31aと、側方の切欠き31bとが設けられている。
図4に示すようにベース31の側方に円弧状のブラケット32とケーブルチェーン33(ケーブルガイドともいい、ケーブルベア(登録商標)を含む)が取付けられる。ケーブルチェーン33は柔軟な部材であり、後述するリング収めユニットに電源を供給するためのものである。又ベース31の切欠き31bには、テーブルを回転させるためのモータやギアが設けられた駆動ユニット34が取付けられる。
【0015】
次に
図6は
図4に示す上部ブロックの詳細を示す分解斜視図である。上部ブロックの最下部には環状ベアリングであるクロスローラ41と、その上部にリング42が設けられる。クロスローラ41は内輪と外輪とがベアリングを介して連結されており、外輪を固定することで摩擦を少なくして内輪を自由に回転させることができる。クロスローラ41はベース31の貫通孔31a内に挿入され、その下部は段差部分で保持される。リング42はクロスローラ41の外輪を上部から挟み込んでベース31にねじ止めすることで、クロスローラ41の外輪を固定するものである。下ベースリング43は環状のリングと下方に少し径の小さく突出した突出リング部分が一体化したものであり、下部の突出部がクロスローラ41の内輪の内側に挿入されて上部より内輪に固定される。又下ベースリング43の上部には上ベースリング44が固定される。上ベースリング44は環状のリング44aとその上方に径の小さく突出したリング44bが一体化したものであり、上部の突出リング44bには四方に切欠き44c〜44fが設けられている。上ベースリング44の上部の突出リング44bの外周部分には、歯車45が取付けられる。歯車45は図示のように全周に歯車が形成された環状の歯車であって、駆動ユニット34の駆動歯車と噛合させている。上ベースリング44には別のリング46が取付けられる。リング46の内側には段が形成されており、この段差の内側に透明ガラス製のテーブル47が嵌め込んで保持される。テーブル47はブレイクする基板を保持する円形の部材であり、ダイシングリングとほぼ同一の径を有するものとし、ここでは約12インチ径とする。
【0016】
次に
図7はこの回転機構全体を示す側面図であり、ブラケット32を除いた状態を示している。本図に示すようにベース31上にはケーブルチェーン33が設けられ、ケーブルチェーン33の上部に歯車45が設けられている。ここではテーブル47上に8インチ用のダイシングリングを取付けた状態を示している。ここで下ベースリング43と上ベースリング44とによって、テーブル47と歯車45とをベース31の上面より高く保持するベースリングを構成している。
【0017】
図8は後述するリング収めユニット60を取付ける前にテーブル47を上ベースリング44に取付けた状態を示す斜視図である。テーブル47の外周には、
図6に示すように4つのテーブル固定ブロック48と4つのブロック49が設けられる。テーブル固定ブロック48はテーブル47を保持するためのL字状のブロックであり、リング46を介して上ベースリング44にボルトで固定されている。ブロック49はダイシングリングを保持するためのものであり、リング46を介して上ベースリング44にボルトで固定されている。
【0018】
さてテーブル47上に12インチの基板用の第1のダイシングリング51を設置する場合には、
図6に示すようにテーブル47の上面に第1の弾性板52を介して直接ダイシングリング51を取付け固定する。テーブル47上に8インチの基板を保持する第2のダイシングリングを取付ける場合には、保護位置決め板53を用いる。保護位置決め板53は第2のダイシングリングより大きい外径、ここではテーブルのサイズにほぼ等しい約12インチの環状の薄い平板であり、中央部分に第2の弾性板54が挿入される開口が設けられている。8インチの基板を保持する第2のダイシングリング55を取付ける場合に、保護位置決め板53をテーブル47上に保持し、その開口に第2の弾性板54を挿入し、その上部より8インチ用のダイシングリング55を取付ける。第1のダイシングリング51又は第2のダイシングリング55は、テーブル47の周囲のブロック49に載せた後、テーブルの周囲に設けられる4つのリング収めユニット60で保持される。第1,第2の弾性板52,54はゴム製等の弾性を有する円板であって、下側のカメラから基板のスクライブラインが確認できるように透明体とする。
【0019】
図9,
図10はリング収めユニット60とその周辺部分の詳細を示す斜視図である。リング収めユニット60は上ベースリング44の4つの切欠き44c〜44fに夫々取付けられているが、
図9,
図10ではその1つを示している。
図9,
図10では上ベースリング44の上部リング44bの切欠き44cにリング収めユニット60が取付けられる。リング収めユニット60はL字形のブラケット61にシリンダ62が取付けられる。シリンダ62はモータを内蔵し、その軸を90°回動させるものである。シリンダ62の軸にはアーム63が設けられる。アーム63には押さえ板65を介してボルト66で押さえアーム64又は67が取付けられる。
【0020】
テーブル47上に12インチ用の第1のダイシングリング51を保持するためには、
図9に示すようにアーム63には押さえアーム64を押さえ板65を介してボルト66によって固定する。テーブル47上に8インチ用の第2のダイシングリング55を保持するためには、
図10に示すようにアーム63には押さえアーム67を押さえ板65を介してボルト66によって固定する。アーム63と押さえアーム64又は67はシリンダ62内のモータによって時計方向及び反時計方向に90°回転する。そして押さえアームの先端がブロック49の上部に当接し、この間で図示しないダイシングリングの端部を挟み込むことによってダイシングリング51又は55を固定するものである。ここで4つのリング収めユニット60には前述したケーブルチェーン33を介して電源が供給される。
【0021】
本実施の形態では、ブレイクの対象となる脆性材料基板を半導体ウエハとする。半導体ウエハはチップに分離するため円環の枠状体であるダイシングリング51又は55によって保持されている。夫々のダイシングリングの内側には上向きに粘着材を有する粘着テープが貼り付けられており、その上面中央には分断の対象となる円形の半導体ウエハが保持されている。半導体ウエハにはあらかじめ多数のスクライブラインが格子状に形成されているものとする。
【0022】
本実施の形態の回転機構30では、テーブル47を180°以上回転できるようにするため、全周にギアが設けられた歯車45を用いている。又テーブルの回転機構を
図7に示すようにケーブルチェーン33の上部に位置するように配置しており、ケーブルチェーン33の長さを従来より長くすることによって回転機構全体のサイズを大きくすることなく180°以上の回転角度を確保している。
【0023】
図11〜
図15は12インチ用ダイシングリング51から8インチ用のダイシングリング55に交換する過程を示す図である。まず
図11では12インチのダイシングリング51がテーブル47上に取付けられており、リング収めユニット60の12インチ用の短い押さえアーム64によってダイシングリング51の周囲が固定されている。これを第1の状態とする。ここで12インチのダイシングリング51から8インチ用のダイシングリング55に代える場合には、まず
図12に示すように4つのリング収めユニット60の押さえアーム64を90°回動させて上向きとする。これによって12インチのダイシングリング51が取り外し可能となる。そこでダイシングリング51とその下部の弾性板52を同時に取り去る。次いで
図13に示すように環状の保護位置決め板53をガラステーブル47の上部に載せる。更に
図14に示すようにリング収めユニット60のアームを長い8インチ用の押さえアーム67に交換する。次いで保護位置決め板53の中央の開口部分に8インチ用の弾性板54を載せ、
図15に示すようにダイシングリング55をブロック49の上に配置し、押さえアーム67を回動させることによってダイシングリング55の周囲を固定する。これを第2の状態とする。こうすれば同一のブレイク装置を用いて8インチ用と12インチ用のいずれかのダイシングリング51又は55をテーブル47上に固定することができる。
【0024】
さてこの実施の形態では、
図16にブレイク装置全体の概略図を示すように、水平固定部材13に水平に支柱71が設けられ、この支柱71にはカメラ72が下方に向けて設置されている。このカメラ72はダイシングリング上の半導体ウエハのスクライブラインの状態を検出するものである。又図中に破線で示すように、水平固定部材13の下方のブレイクバーが押し下げられる位置の横下に、下方からテーブル上の半導体ウエハに向けて撮像し、スクライブラインを検出するカメラ73が設けられている。
【0025】
次に本実施の形態によるブレイク装置のコントローラの構成についてブロック図を用いて説明する。
図17はブレイク装置のコントローラ80のブロック図である。コントローラ80はテーブルの回転と平行移動及びブレイクバーの昇降を制御する制御手段である。本図においてカメラ72,73からの出力は、コントローラ80の画像処理部81を介して制御部82に与えられる。入力部83は脆性材料基板のブレイクについてのデータを入力するものである。制御部82にはモニタ84と、ブレイクバーを上下動させるためのブレイクバー駆動部85、テーブルを回転させるためのテーブル回転駆動部86及びY軸駆動部87が接続されている。ブレイクバー駆動部85はサーボモータ14を駆動し、ブレイクバーを上下動させるものである。又テーブル回転駆動部86はベース31に設けられている駆動ユニット34のモータ88を駆動するものである。Y軸駆動部87はステージ11をy軸方向に駆動させるモータ89を駆動するものである。
【0026】
ここで前述した
図2に示す回転機構30と
図17に示すテーブル回転駆動部86及びモータ88は、テーブルを少なくとも180°回転させる回動手段を構成している。Y軸移動機構12とY軸駆動部87及びモータ89はステージをy軸方向に移動させる平行移動手段を構成している。又前述した昇降機構とブレイクバー駆動部85とは、スクライブラインに対してブレイクバーを昇降させる昇降手段を構成している。
【0027】
次に半導体ウエハの分断方法について説明する。まずステージ11に回転機構のテーブル47上にいずれかのダイシングリング、例えばダイシングリング51を設置する。ダイシングリング51にはあらかじめ半導体ウエハが載置されているものとする。この状態で
図16に示すようにカメラ72で半導体ウエハのスクライブラインを検出する。次いで形成されているスクライブラインとブレイクバーとが平行となるように、テーブル回転駆動部86を介して制御ユニット34のモータ88を駆動し、テーブル47を回転させる。
【0028】
ブレイクバーとスクライブラインとが平行状態となれば、Y軸駆動部87を駆動し、ブレイクバーの真下に最も外側のスクライブラインが位置するようにステージ11をy軸方向に移動する。スクライブラインがブレイクバーの真下となれば、ブレイクバー駆動部85を用いてサーボモータ14を駆動し、上移動部材17と下移動部材20とを同時に低下させてブレイクバーをステージ11に対して垂直に保ちつつ徐々に降下させ、半導体ウエハのスクライブラインに沿って刃先を押し付けることでブレイクする。こうすれば弾性板52がブレイクバーに押されてV字状にわずかに変形する。そしてブレイクバーを十分降下させることによって、スクライブラインに沿って分断が完了することとなる。分断が完了すると、サーボモータ14を逆転させてブレイクバーを上昇させる。そしてブレイクバーを一旦上昇させ、Y軸駆動部87を駆動し、テーブルを隣接するスクライブラインの間隔に相当する長さだけ移動し、ブレイクバーの真下にいずれかのスクライブラインが位置するようにする。そして隣接するスクライブラインとブレイクバーが平行状態となれば、ブレイクバー駆動部85を用いてブレイクバーを下方向に駆動し、半導体ウエハのスクライブラインに沿って刃先を押し付けることでブレイクする。このようにブレイクバーの昇降とy軸方向への移動を折り返すことにより、一定方向のスクライブラインについて全てのブレイクを完了することができる。
【0029】
次にこの一定方向のブレイクを完了すると、テーブル回転駆動部86によりステージ11を現在の位置から90°回転させ、再び既にブレイクしたスクライブラインと垂直なスクライブラインがブレイクバーに平行となるように設定する。そして同様にしてブレイクバーをスクライブラインに沿って押し下げることによってブレイクを行うことができる。そしてステージ11をy軸方向にブレイクラインのピッチ分だけ移動させて、同様にしてブレイクバー21を降下させる。このようにブレイクバーの昇降とy軸方向への移動を折り返すことにより、全面の分断が完了し、格子状に半導体ウエハを分断することができる。
【0030】
このようにすればダイシングリングを設置する工程でスクライブラインとブレイクバーとが正確に平行となるように載置する必要がなくなり、作業工程を大幅に簡略化することができるという効果が得られる。
【0031】
尚この実施の形態では、分断の対象となる脆性材料基板を半導体ウエハとして説明しているが、他の脆性材料基板であっても同様に本発明を適用することができる。
【0032】
尚この実施の形態では、180°回転可能なテーブル上にスクライブされた半導体ウエハを載置しているので、載置する際にはスクライブラインをダイシングリングの直線状の縁と平行になるように載置の際に合わせる必要はなく、単にテーブル47上に載置すれば足りる。その後適宜テーブル47を回転させることによってダイシングリング上の半導体ウエハのスクライブラインとブレイクバーを平行とすることができ、スクライブラインに沿ってブレイクすることができる。
【0033】
尚本実施の形態では歯車45は全周に歯を形成したものとしていたが、テーブル47を180°以上回転させるように構成すればよく、歯車45は少なくとも半周以上の外周部に歯が形成された歯車であってもよい。
【0034】
又本実施の形態ではスクライブラインは直交するものとしているが、必ずしも直交するように形成されている必要はない。スクライブラインが任意の角度で交差するように形成されていても、そのラインに合わせてブレイクすることができ、菱形や三角形等の形状のチップを得ることも可能となる。
【0035】
更にこの実施の形態では、半導体ウエハを環状のダイシングリングに張った粘着テープ上に保持するようにしているが、テーブル上に保持できるものであれば足りるので、必ずしもダイシングリング等を用いる必要はない。
【0036】
テーブルを単に180°以上回転させるものとする場合には、カメラ72,73は必ずしも必要ではない。又カメラ72を用いない場合にはテーブル上にいずれかのダイシングリングを保持してY軸駆動部87でテーブル47をブレイクバーの真下に移動させた後、カメラ73によってスクライブラインを検出してブレイクバーと平行になるようにテーブルを回転させるようにしてもよい。このようにスクライブラインを検出してスクライブラインとブレイクバーとを平行にする場合であっても、いずれか一方のカメラがあれば足りる。
【0037】
又この実施の形態ではテーブルを大きな歯車状に保持しているが、テーブルを回転自在とするには歯車の駆動に限られるものではなく、例えばベルトやターンテーブルを用いて回転自在としてもよい。