(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで従来の第2の特別図柄の優先変動の遊技構成においては、大当り遊技終了後の遊技状態が普通電動役物の開放時間が延長される開放延長遊技状態となったときには第1の特別図柄の先読み演出が禁止されている。これは、第1の特別図柄の保留記憶に大当りの可能があることを報知すると、遊技者は第2の特別図柄の保留記憶を発生させないように発射を止めたり、逆に既に当りが確定していることから第2の特別図柄の保留記憶を切らさないように打ち続けたり、遊技者の意のままに当るタイミングを調整できてしまうためであり、このような「遊技の結果に影響を与える機能」を禁じている。しかしながら、遊技者にしてみれば、第2の特別図柄では先読み演出が実施されるのに、第1の特別図柄は先読み演出が実施されないことに違和感を持つおそれがあり、また十分に先読み演出を活用できていないといった問題があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、遊技の結果に影響を与えることなく効果的に先読み演出を用いることができ面白みが増す遊技機を実現することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
遊技球が常時入球可能な第1の始動口と、
普通図柄の抽選結果に応じて
開閉作動する普通電動役物により遊技球の入球が困難な状 普通図柄の抽選結果に応じて所定の開放態様で開放可能な普通電動役物と、
第1始動口
と第2始動口と、
前記第1始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第1特別図柄の保留記憶として記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第2特別図柄の保留記憶として記憶する第2保留記憶手段と、
前記第1特別図柄の保留記憶に応じて第1特別図柄の当否判定を実行し、且つ前記第2特別図柄の保留記憶に応じて第2特別図柄の当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が
当りであれば、大入賞口を開放する
当り遊技を実施する
当り遊技実施手段と、
前記
当り遊技終了後に、遊技状態を前記普通電動役物の開放時間を延長する開放延長遊技状態へ移行可能とする開放延長制御手段と、を備え、
前記当否判定手段により前記第1特別図柄よりも第2特別図柄の当否判定が優先して実施される遊技機において、
前記普通電動役物に設けられ遊技球が入球可能な第1作動領域と、
前記普通電動役物に設けられ遊技球が入球可能な第2作動領域と、
前記普通電動役物に設けられ前記第1作動領域又は前記第2作動領域へ向けて遊技球を振り分ける振分手段と、
前記第1作動領域への入球により開放可能な第1非電動役物と、
前記第2作動領域への入球により開放可能な第2非電動役物と、を備え、
前記第1始動口として、常時入球可能な入球口と、前記第1非電動役物内で該第1非電動役物の開放時に入球可能な入球口とが設けられ、
前記第2始動口は前記第2非電動役物内で該第2非電動役物の開放時に入球可能に設けられ、
前記振分手段は一定の振分動作を行い、該振分動作と前記普通電動役物の開閉動作の組み合わせにより、前記開放延長遊技状態に遊技球が前記第1作動領域に誘導されやすい第1入球容易状態と、前記第2作動領域に誘導されやすい第2入球容易状態とに設定可能で、
当り時の
当り図柄に応じて前記第1又は第2入球容易状態を設定するようになし、
且つ、前記当否判定手段による当否判定が行われる前
に前記乱数値の内容を確認する先読み判定手段を備え、
前記
当り遊技終了後に前記第1入球容易状態となる
当り遊技時、保留記憶が前記第1特別図柄の保留記憶のみであることを条件に、前記先読み判定手段にて特定の判定内容がなされた保留記憶があることを示唆する第1特別図柄の保留内予告演出を実施可能としたことを要旨とする。
尚、前記第1非電動役物及び第2非電動役物は、他の入球口を作動領域として、入球した遊技球の重みが機械的に作用して開放動作する役物装置が望ましい。
第1特図の保留内予告演出の開始タイミングは、
当り遊技中の所定のラウンド遊技時、
当り遊技終了時、
当り遊技開始時、大入賞口内に設けられた所定の領域への入球時、などを起因に開始することが望ましい。
【0008】
この発明によれば、先読み演出たる第1特別図柄の保留内予告演出を、
当り遊技後に第1入球容易状態となる
当り遊技時であり、且つ第1特別図柄の保留記憶しかない状態の時だけに演出を行うので、遊技の結果に影響を与えない状態を確保したままで第1特別図柄の先読み演出の有効活用が可能となる。この場合、第1特別図柄の保留内予告演出が行なわれるのは
当り遊技中のため、
当り遊技中に第2特別図柄の保留が発生することはまずないので、第1特別図柄の保留内予告演出を行う条件が達成されやすい。また第1特別図柄の保留内予告演出を実施してもその
当り遊技終了後は第1入球容易状態となるため、第2特別図柄の保留記憶が発生することはなく、現在記憶されている保留記憶も第1特別図柄のみであるため、保留記憶内の当選を告知しても、遊技者の操作により保留記憶の消化を遅らせたりすることはできない。よって遊技の結果に影響を与えずに済む。
【0009】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の遊技機において、
前記
当り遊技に実施される
当り遊技演出として、
当り遊技終了後に前記第1入球容易状態又は前記第2入球容易状態のいずれに設定されるか演出する容易状態昇格演出を実施可能となし、
前記第1特別図柄の保留内予告演出は、前記容易状態昇格演出が行なわれる
当り遊技時には容易状態昇格演出が行なわれた後に行う構成としたことを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、遊技の結果に影響を与えることなく、第1特別図柄の保留内予告演出及び容易状態昇格演出を好適に実施することができる。また保留内予告演出と容易状態昇格演出とを二つ備えても、お互いの演出内容を阻害することなく実施できる。尚、先に容易状態昇格演出を行うようにするのは、保留内予告演出を先に行なうと、遊技者は予告演出が行なわれたのは
当り遊技後に第1入球容易状態となるからだと把握し、その後に容易状態昇格演出を行っても何ら意味を成さないことになるからである。
【0015】
請求項
3に記載の発明は、
普通図柄の抽選結果に応じて所定の開放態様で開放可能な普通電動役物と、
第1始動口と第2始動口と、
前記第1始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第1特別図柄の保留記憶として記憶する第1保留記憶手段と、
前記第2始動口への入球に起因して抽出された乱数値を第2特別図柄の保留記憶として記憶する第2保留記憶手段と、
前記第1特別図柄の保留記憶に応じて第1特別図柄の当否判定を実行し、且つ前記第2特別図柄の保留記憶に応じて第2特別図柄の当否判定を実行する当否判定手段と、
前記当否判定の結果が
当りであれば、大入賞口を開放する
当り遊技を実施する
当り遊技実施手段と、
前記
当り遊技終了後に、遊技状態を前記普通電動役物の開放時間を延長する開放延長遊技状態へ移行可能とする開放延長制御手段と、を備え、
前記当否判定手段により前記第1特別図柄よりも第2特別図柄の当否判定が優先して実施される遊技機において、
前記普通電動役物に設けられ遊技球が入球可能な第1作動領域と、
前記普通電動役物に設けられ遊技球が入球可能な第2作動領域と、
前記普通電動役物に設けられ前記第1作動領域又は前記第2作動領域へ向けて遊技球を振り分ける振分手段と、
前記第1作動領域への入球により開放可能な第1非電動役物と、
前記第2作動領域への入球により開放可能な第2非電動役物と、
該第2非電動役物が開放状態であるかを検出する開放状態検出手段と、を備え、
前記第1始動口として、常時入球可能な入球口と、前記第1非電動役物内で該第1非電動役物の開放時に入球可能な入球口とが設けられ、
前記第2始動口は前記第2非電動役物内で該第2非電動役物の開放時に入球可能に設けられ、
前記振分手段は一定の振分動作を行い、該振分動作と前記普通電動役物の開閉動作の組み合わせにより、前記開放延長遊技状態に遊技球が前記第1作動領域に誘導されやすい第1入球容易状態と、前記第2作動領域に誘導されやすい第2入球容易状態とに設定可能で、
当り時の
当り図柄に応じて前記第1又は第2入球容易状態を設定するようになし、
且つ、前記当否判定手段による当否判定が行われる前
に前記乱数値の内容を確認する先読み判定手段を備え、
前記第1入球容易状態の時に、保留記憶が前記第1特別図柄の保留記憶のみであるとともに前記第2非電動役物が開放していないことを条件に、前記先読み判定手段にて特定の判定内容がなされた保留記憶があることを示唆する第1特別図柄の先読み演出を実施可能
としたことを要旨とする。
尚、前記第1特図の先読み演出は、第1特図の保留記憶の有無及び個数を示す保留記憶
表示にて他の表示とは区別された特定の表示を行うことが望ましい。
【0016】
この発明によれば、第1特別図柄の先読み演出を、第1入球容易状態であり、第1特別図柄の保留記憶しかない状態で且つ第2非電動役物が開放していない時だけ演出を行うので、遊技の結果に影響を与えない状態を確保した状態で第1特別図柄の先読み演出が可能となる。この場合、第1特別図柄の先読み演出が行なわれるのは第1入球容易状態のため、
当り遊技中に第2特別図柄の保留が発生することはまずないので、第1特別図柄の先読み演出を行う条件が達成されやすい。また第1特別図柄の先読み演出を実施しても第1入球容易状態であるため、第2特別図柄の保留記憶が発生することはなく、現在記憶されている保留記憶も第1特別図柄のみであるため、保留記憶内の当選を告知しても、遊技者の操作により保留記憶の消化を遅らせたりすることはできない。よって遊技の結果に影響を与えずに済む。
【0017】
請求項
4に記載の発明は、
請求項
3に記載の遊技機において、
前記先読み判定手段にて特定の判定内容がなされた前記第2特別図柄の保留記憶があることを示唆する第2特別図柄の先読み演出を実施可能となし、
該第2特別図柄の先読み演出は、前記第1特別図柄の保留記憶の有無や前記第1入球容易状態であるか前記第2入球容易状態であるかに拘わらず、前記先読み判定手段にて前記第2特別図柄の保留記憶に関する特定の判定内容がなされたときに実施可能としたことを
要旨とする。
尚、前記第2特図の先読み演出は、第2特図の保留記憶の有無及び個数を示す保留記憶
表示にて他の表示とは区別された特定の表示を行うことが望ましい。
【0018】
この発明によれば、第1特別図柄の先読み演出は、遊技の結果に影響を与えないように配慮するとともに、第2特別図柄の先読み演出は制限なく行うことにより、開放延長遊技状態時の演出力を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を適用した実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けられている。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図2)が設けられている。
【0021】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113の他、遊技の異常を報知するLED類が設けられている。
【0022】
前枠11の下半部には遊技球貯留皿である上皿12と下皿13とが一体に形成されている。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けられ、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に貯まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0023】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接されている。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び精算表示装置173が設けられている。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な演出ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0024】
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には図示しない風車や多数の遊技釘が植設されている。
遊技領域20の中央部にはセンターケース200が配置されている。センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが設けられている。またセンターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0025】
遊技領域20は、センターケース200により左右に分けられ、遊技球を弱めの第1の発射強度で発射したときに遊技球が流下可能な左側の遊技領域と、前記第1の発射強度よりも強い第2の発射強度で発射したときに遊技球が流下可能な右側の遊技領域とに分けられ、センターケース200の左右両側の遊技領域にはそれぞれ遊技球が流下可能な流下路が設けられている。
遊技球をセンターケース200の左側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を弱めに発射する「左打ち」を行う。これにより、センターケース200の左側面に設けられたワープ入口よりワープ樋を通して、センターケース200の中央直下位置に設けられた第1特図始動口a23Aへの入球を狙える。第1特図始動口a23Aは、常時、遊技球の入球が可能で、入球により第1特別図柄(以下、単に第1特図という)の当否判定が実行される。
【0026】
一方、遊技球をセンターケース200の右側の流下路へ流下させるには発射ハンドル14を操作して遊技球を強く発射する「右打ち」を行う。右側の流下路には、常時、遊技球が通過可能に設けられた作動ゲート22、大入賞口25、普通電動役物26、これと連通する普通電動役物26の入球装置、該入球装置内に設けられた第1作動領域27Aと第2作動領域27B、これらへ向けて遊技球を振り分ける振分部材261、普通電動役物26の下流側に設けられた第1非電動役物70A、及び第2非電動役物70Bを備えている。
【0027】
作動ゲート22は遊技球の通過により普通図柄(以下、単に普図という)の抽選が実行される起因となるゲートである。
大入賞口25は大当り遊技に所定の開放態様で開閉作動する。
普通電動役物(普電役物)26は、普図の抽選結果に応じて所定の開閉態様で開閉作動する。
【0028】
図3に基づいて前記普電役物26内の入球装置を説明する。
図3(a)に示すように、該入球装置は、普電役物26の開放時に入球した遊技球を装置内へ取り入れる取入口260を備え、これより内部へ取り込まれる。
【0029】
普電役物26内の入球装置内には、下半部の左右両側に第1作動領域27Aと第2作動領域27Bとが設置されており、第1作動領域27Aは入球により第1非電動役物70Aを開放させ、第2作動領域27Bは入球により第2非電動役物70Bを開放させる役割をなす。
そして、第1作動領域27Aへ向けて遊技球を案内する左側の通路と、第2作動領域27Bへ向けて遊技球を案内する右側の通路とがそれぞれ左右に設けられ、更に前記取入口260の直下位置には左右方向に揺動可能に振分部材261が設けられ、振分部材261により遊技球を左側又は右側の通路へ振り分けるように構成されている。
【0030】
即ち
図3(b)に示すように、振分部材261をその先端が右斜め上方へ向く傾斜姿勢とすることで、遊技球を左側の通路から第1作動領域27Aへ案内する。一方、
図3(c)に示すように、振分部材261をその先端が左斜め上方へ向く傾斜姿勢とすることで、遊技球を右側の通路から第2作動領域27Bへ案内する。
【0031】
第1作動領域27A及び第2作動領域27Bはそれぞれ遊技球が入球可能な入球装置からなる構成である。第1作動領域27A又は第2作動領域27Bへ入球した遊技球は遊技盤内へ取り込まれる。
尚、本実施形態では、振分部材261は、一定の作動により先端が右斜め上方へ向く傾斜姿勢と先端が左斜め上方へ向く傾斜姿勢とに繰返し切替るように構成されている。また、本実施形態では、普電役物26に入球した遊技球を検出するためのスイッチを特に示していないが、普電役物26への入球数の上限や賞球を払い出すために設けておくのが好適である。その場合、取入口260の辺りに設ける事が考えられる。
【0032】
図2に戻って、前記第1非電動役物70Aは、図略ではあるが、機械式の連動機構により前記第1作動領域27Aと連結されており、第1作動領域27Aへの入球により第1非電動役物70Aが開放する。尚、第1非電動役物70A内には開放時にのみ入球が可能な第1特図始動口b23Bが設けられ、第1特図始動口a23Aと同様に、入球により第1特図の当否判定が実行される。
尚、第1非電動役物70Aは、開放後、入球した遊技球の重量により閉鎖する構成であり、本実施形態では、2球の入球(2カウント)により閉鎖する構成とされている(
図6(b)参照)。
【0033】
一方、前記第2非電動役物70Aは、図略ではあるが、機械式の連動機構により前記第2作動領域27Bと連結されており、第2作動領域27Bへの入球により第2非電動役物70Bが開放する。尚、第1非電動役物70B内には開放時にのみ入球が可能な第2特図始動口24が設けられ、入球により第2特別図柄(以下、単に第2特図という)の当否判定が実行される。
尚、第1非電動役物70Aは、開放後、入球した遊技球の重量により閉鎖する構成であり、本実施形態では、2球の入球(2カウント)により閉鎖する構成とされている(
図6(b)参照)。
【0034】
また遊技領域20の前記左側の流下路には、通常、入球が可能な複数の普通入賞口27が配置してある。また遊技領域20の中央下端部で盤面最下部にはアウト口203が設けられている。
【0035】
遊技盤2の右下部にはレール201の外部の遊技領域20外に表示部が設けられ、これには第1特図が変動表示される第1特図表示装置28A、第2特図が変動表示される第2特図表示装置28B、第1特図の保留記憶が表示される第1特図保留数表示装置281、第2特図の保留記憶が表示される第2特図保留数表示装置282、前記普図が変動表示される普図表示装置29、及び普図の保留記憶が表示される普図保留数表示装置291が配設されている。
【0036】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0037】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0038】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するため)の端子と枠側(外枠10、前枠11、内枠30から出力される信号をホールコンピュータへ出力するため)の端子の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0039】
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0040】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が閉鎖しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1特図始動口SW1 503、第1特図始動口23Bへの入球を検出する第1特図始動口SW2 504、第2特図始動口24への入球を検出する第2特図始動口SW505、作動ゲート22への入球を検出する普図作動SW506、普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW507、大入賞口25への入球を検出するカウントSW508、第1作動領域27Aへの入球を検出する第1作動領域SW509、及び第2作動領域27Bへの入球を検出する第2作動領域SW510等の検出信号が入力される。
【0041】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して前記の第1特図表示装置28A、第2特図表示装置28B、普図表示装置29、第1特図保留数表示装置281、第2特図保留数表示装置282、及び普図保留数表示装置291等の表示制御を行う。
【0042】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、大入賞口SOL(ソレノイド)511、普電役物SOL512、及びシャッターSOL513が接続されている。
主制御装置40は、大入賞口SOL511を制御して大入賞口25を開閉作動せしめ、普電役物SOL512を制御して普電役物26の開閉作動せしめ、更にシャッターSOL513を制御して普電役物26の前記入球装置内の振分部材261を切り替え作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0043】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニットCRと電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニットCRとデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニットCRに挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0044】
発射制御装置44は、発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号及び発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0045】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、演出ボタン15やジョグダイヤル16の操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113等の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や第1特図又は第2特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0046】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0047】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、第1特図始動口a23A又は第1特図始動口b23Bへの入球に起因して第1特図の当否判定が実行され、第2特図始動口24への入球に起因して第2特図の当否判定が実行される。当否判定に応じて第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。その後、第1又は第2特図表示装置28A,28Bに第1又は第2特図の確定図柄を、演出図柄表示装置21に第1又は第2特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して第1又は第2特図の当否判定の結果を報知する。
第1特図、第2特図いずれも判定結果が大当りとなると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口25が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0048】
大当り遊技終了後には、遊技状態として、第1特図及び第2特図の当選確率が高確率となる確変遊技状態及び普電役物の当選確率が高確率となり且つ普電役物の開放時間が延長される普電役物の開放延長遊技状態に移行可能である。尚、確変遊技状態及び開放延長遊技状態へ移行するか否かは大当り発生時に決定された大当り図柄に応じて設定することが望ましい。尚、確変遊技状態と開放延長遊技状態とは、個別に移行されるようにしてもよいが、両者同時に機能する構成が望ましい。
前記開放延長遊技状態では、普電役物26の開放を制御して、常に一定に振分作動する振分部材261と普電役物26の開放タイミングの組み合わせにより、遊技球が第1作動領域27Aへ向けて誘導され第1作動領域27Aへ入球し易い第1入球容易状態、又は遊技球が第2作動領域27Bへ向けて誘導され第2作動領域27Bへ入球し易い第2入球容易状態とに設定可能とされている。尚、第1入球容易状態、第2入球容易状態に設定するか否かは大当り発生時に決定された大当り図柄に応じて設定することが望ましい。
尚、振分部材261は一定動作する構成で説明したが、設定された入球容易状態に合わせて普電役物26開放時に設定された作動領域に誘導する方向に可動する構成としたり、開放延長遊技状態が開始されると設定された入球容易状態に合わせて誘導先を変更し、開放延長遊技状態が終了するまでその姿勢を維持したりする構成も考えられる。このようにすれば普電役物26の開放タイミングを合わせて入球容易状態を作り出す必要がなくなる。
【0049】
図6(a)は本パチンコ機1の遊技仕様を示し、通常遊技状態の大当り確率は第1特図及び第2特図ともに「300分の1」とされ、確変遊技状態の大当り確率は第1特図及び第2特図ともに「50分の1」とされている。
前記開放延長遊技状態を制限するための開放延長の回数(制限回数)は、第1特図及び第2特図ともに当否判定に伴う特図の変動回数が「100回」又は次回の大当りが生起するまでとされている。
通常遊技状態からの大当り遊技の終了後に開放延長遊技状態に移行する確率(開放延長付与率)は、第1特図及び第2特図ともに「60%」とされている。
大当り遊技は、所定の開放態様での大入賞口25の開作動を1ラウンドするラウンド遊技を、第1特図では8ラウンド実施され、第2特図では15ラウンド実施される構成である。
第1入球容易状態の設定確率は、第1特図の大当り後には50%の確率で設定され、第2特図の大当り後には設定されない。一方、第2入球容易状態の設定確率は、第1特図の大当り後には50%の確率で設定され、第2特図の大当り後には100%の確率で設定される構成である。
このように、通常遊技状態では第1特図の大当りを狙う遊技がメインであるため、如何に確変及び開放延長となる大当り図柄で当るか、及びその際に第2入球容易状態での大当りを目指し、第1入球容易状態となったとしても次回の大当りでは50%の確率で第2入球容易状態に設定(昇格)される可能性があり、ひとたび第2入球容易状態が設定されると、第2特図で大当りを狙うこととなるので、確変及び開放延長遊技状態ではほぼ100%の確率で第2入球容易状態が設定され続けることとなる。よって確変及び開放延長遊技状態でも入球容易状態によっては2段階で遊技者にとって有利な度合いが昇格していく遊技性となる。
【0050】
そして、本パチンコ機1は、第1特図始動口a23A,b23Bへの入球に起因して抽出された第1特図の当否判定用等の乱数値を第1特図保留記憶として記憶するとともに、第2特図始動口24への入球に起因して抽出された第2特図の当否判定用等の第2特図乱数値を保留記憶として記憶するようになし、且つ各保留記憶に対して当否判定が行われる前に乱数値の内容を確認する先読み判定を行い、大当り遊技終了後に第1入球容易状態となる大当り遊技時、第2特図の保留記憶が記憶されておらず、保留記憶が第1特図の保留記憶のみであることを条件に、先読み判定にて特定の判定内容がなされた保留記憶があることを示唆する第1特図の保留内予告演出を実施可能とする。
一方、第2特図に関する保留内予告演出は、第1特別図柄の保留記憶の有無や第1入球容易状態であるか第2入球容易状態であるかに拘わらず、第2特図の保留記憶内に先読み判定にて特定の判定内容がなされた第2特別図柄の保留記憶があるときに実施可能とする。
更に大当り遊技中に実施される大当り遊技演出として、大当り遊技終了後に第1入球容易状態又は前記第2入球容易状態のいずれに設定されるか否かを演出する容易状態昇格演出を実施可能となし、且つ第1特図の保留内予告演出は、前記容易状態昇格演出が行なわれる大当り遊技時には容易状態昇格演出が行なわれた後に行う構成としている。
【0051】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図7は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0052】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1又は第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、第1又は第2特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、第1又は第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、第1又は第2特図の変動パターン(変動時間)に関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0053】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S108)、当否判定処理(S109)及び各出力処理(S110)の一部のサブルーチンについて説明する。
図8に示す「特図始動入賞確認処理」は、第1特図始動口a23A又は第2特図始動口b23Bに遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を第1特図保留記憶とし、第2特図始動口24に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を第2特図保留記憶として主制御装置40に記憶する。そして各特図始動口23A,23B,24への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態において、第1特図保留記憶、第2特図保留記憶として記憶可能な保留記憶数は各々4個ずつである。
【0054】
尚、第1特図保留記憶、第2特図保留記憶の処理は同一の処理内容であり、以下の「特図始動入賞確認処理」では区別することなく説明する。先ず、S200の処理において前記第1特図始動口SW1 503、前記第1特図始動口SW2 504により第1特図始動口a23A、第1特図始動口b23Bへの入球を検出したか否か、又は前記第2特図始動口SW505により第2特図始動口24への入球を検出したか否かを確認する。入球が無ければ(S200:no)、リターンする。入球が有れば(S200:yes)、S201の処理において主制御装置40に格納されている特図の各保留記憶の数が満杯か否かを確認する。満杯であれば(S201:yea)、リターンする。
保留記憶が満杯でなければ(S201:no)、S202の処理において特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を特図の保留記憶として記憶し、保留記憶数を示す保留記憶カウンタに1を加算する。該S202の処理は特許請求の範囲に記載の「第1保留記憶手段」、「第2保留記憶手段」に相当する。
【0055】
続くS203の処理において「先読み判定処理」を実行する。本処理は特許請求の範囲に記載の「先読み判定手段」に相当する。続くS204の処理で加算した第1保留記憶カウンタの値や、先読み判定の結果等を示す特図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信し、リターンする。
【0056】
図9乃至
図12は「特図当否判定処理」のフローチャートを示し、この処理において第1特図又は第2特図の当否判定は個別に実行される。尚、以降の説明において、第1特図又は第2特図を区別する必要がある場合を除き、両者を同等と見做して単に「特図」という。
図9に示すように「特図当否判定処理」は、先ず、S300の処理において役物連続作動装置の作動を確認して大当り遊技中であるか否かを確認し、大当り遊技中でなければ(S300:no)、S301の処理において特図が変動中であるか否かを確認する。変動中でなければ(S301:no)、S302の処理において特図の確定図柄が確定表示中であるか否かを確認する。尚、役物連続作動装置が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0057】
前記S302の処理で特図の確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図10に示すように、S310の処理において先ず第2特図の保留記憶があるか確認する。第2特図の保留記憶があれば(S310:yes)、S311の処理において第2特図の保留記憶数を減算し、第2特図の保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第2特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0058】
特図の保留記憶がなければ(S310:no)、S312の処理において先ず第1特図の保留記憶があるか確認する。第1特図の保留記憶があれば(S312:yes)、S313の処理において第1特図の保留記憶数を減算し、第1特図の保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により第1特図の保留記憶のうちで最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
このように、第1特図の保留記憶よりも第2特図の保留記憶を優先的に当否判定する構成である。
尚、第1特図及び第2特図の保留記憶がいずれもなければ(S312:no)、「特別遊技処理」に移行する。
【0059】
次にS314の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S314:yes)、S315の処理において確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して、所定の高確率に基づいて大当りか否か当否判定を行う。
確変中でなければ(S314:no)、S316の処理において通常確率の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う。
【0060】
続くS317の処理では、前記S315又はS316の処理の当否判定が大当り(特図当り)か否かの確認を行う。該S317の処理は特許請求の範囲に記載の「当否判定手段」に相当する。
大当りであれば(S317:yes)、S318の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
続くS319の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特図の大当り図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。
【0061】
変動パターンの決定後、S320で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、例えば、大当り遊技終了後の確変遊技状態への移行や開放延長遊技状態への移行、第1入球容易状態の設定や第2入球容易状態の設定、演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間等の設定がなされる。
【0062】
前記S317の処理において、大当りでなくハズレであれば(S317:no)、S321の処理において特図のハズレ図柄の変動時間等といった変動パターンを決定する。続くS322の処理においてハズレ設定処理を行う。
【0063】
前記S320の処理又はS320の処理の後、S322の処理において当否判定後の保留記憶の情報(例えば当否判定実行後の保留記憶の減少を示す情報など)をサブ統合制御装置42に送信する処理を行う。
続くS322の処理では、特図表示装置28の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。尚、前記変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0064】
前記
図9のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図11に示すように、S330の処理において図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、S331の確定図柄表示処理において、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の変動表示を終了させる制御を行う。その後、「特別遊技処理」へ移行する。
【0065】
前記
図9のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図12のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了の処理により第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似演出図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0066】
続いてS342の処理において特図の図柄が大当りになる組合せであるか否かを確認し、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、S343の処理で確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、S344の処理において確変フラグに「0」をセットする。次に、S345の処理で開放延長フラグが「1」であれば(S345:yes)、S346の処理で開放延長フラグに「0」をセットする。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での確変及び開放延長に関する遊技状態を通常状態にリセットする。
【0067】
続くS347の処理において条件装置の作動を開始させる。尚、条件装置は特図の当否判定が大当りとなり大当り図柄が確定表示されることにより作動して大当り遊技の開始条件を成立させるものであり、且つ、大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置である。続く348の処理において役物連続作動装置の作動を開始するとともに、S349の処理において大当り開始演出処理を行ない、「特別遊技処理」へ移行する。
【0068】
前記S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、S350の処理で確変フラグが「1」であるか確認し、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、S351の処理において確変の継続期間をカウントする確変カウンタ(確変回数)を減算し、減算した後の確変カウンタが「0」であるか否かを確認する。確変カウンタが「0」であれば(S351:yes)S352の処理において確変フラグを「0」にリセットする。
続くS353の処理で開放延長フラグが「1」であれば(S353:yes)、S354の処理において時短の継続期間をカウントする開放延長カウンタ(開放延長回数)を減算し、減算した後の開放延長カウンタが「0」であるか否かを確認する。開放延長カウンタが「0」であれば(S354:yes)、S355の処理において開放延長フラグを「0」にリセットする。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0069】
図13に示す「特別遊技処理」は、特許請求の範囲に記載の「大当り遊技実行手段」に相当し、先ず、S400の処理において前記役物連続作動装置が作動中か否かを確認し、作動中であれば(S400:yes)、S401の処理で大入賞口25が開放中か否かを確認する。役物連続作動装置が作動中でなければ(S400:no)リターンする。
前記S401の処理で大入賞口25が開放中でなければ(S401:no)、S402の処理で大当り遊技のインターバル中か否かを確認し、インターバル中でなければ(S402:no)、S403の処理で特図大当り終了演出中か否かを確認し、大当り終了演出中でなければ(S403:no)、S404の処理で大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し、大当り開始演出時間の経過を確認すれば(S404:yes)、S405の大入賞口開放処理で第1ラウンドの大入賞口25を開放してリターンする。
【0070】
前記S401の処理で大入賞口開放中であれば(S401:yes)、
図14に示すように、大入賞口25に入賞があったか否か(規定入賞数)の確認(S410)、又は大入賞口25の開放時間が終了したか否かを確認して(S411)、いずれか確認できればS412の処理において大入賞口25を閉鎖し、S413の処理において大当りインターバル処理を実行して、リターンする。
【0071】
前記S402の処理で大当りのインターバル中であれば(S402:yes)、
図15に示すように、S420の処理において大当りインターバル時間が経過したか否かを確認し、経過していれば(S420:yes)、S421の処理において最終ラウンド(例えば第15ラウンド)であるか否かを確認し、最終ラウンドであれば、(S421:yes)、S422の大当り終了演出の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
一方、最終ラウンドでなければ、(S421:no)、S423の大入賞口25の開放処理により次のラウンドの大入賞口25の開放を実行してリターンする。
【0072】
前記S403の処理で大当り終了演出中であれば(S403:yes)、
図16に示すように、S430の処理において大当り終了演出時間が経過したか否かを確認し)、該時間の経過を確認すれば(S430:yes)、S431の役物連続作動装置の作動を停止する処理を実行し、続くS432の条件装置の作動を停止する処理を実行する。
【0073】
続く、S433の処理において前記大当り図柄に応じて大当り遊技終了後に確変とする設定があるか否かを確認し、確変の設定があれば(S433:yes)、S434の処理において確変遊技の繰り返し回数(100回)を設定し、S435の処理において確変フラグに「1」をセットする。これにより大当り遊技終了後に確変遊技が付与される。
次にS436の処理では前記大当り図柄に応じて開放延長設定があるか否かを確認し、開放延長設定があれば(S436:yes)、開放延長遊技の繰り返し回数(100回)を設定し(S437)、開放延長フラグに「1」をセットする(S438)。これにより大当り遊技終了後に開放延長遊技が付与される。該S438の処理は特許請求の範囲に記載の「開放延長制御手段」に相当する。その後、特図の大当り終了コマンド送信の処理(S439)を実行し、この処理でサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43に大当り終了コマンドを送信し、大当り遊技を終了してリターンする。
【0074】
大当り遊技終了後の前記開放延長遊技状態では、普図の抽選に応じて普電役物26が頻繁且つ長く開放するので普電役物26への入球が容易になる。更に、大当り図柄に応じて、一定に振分作動する振分部材261と普電役物26の開放タイミングの組み合わせにより、遊技球が第1作動領域27Aへ向けて誘導され第1作動領域27Aへ入球し易い第1入球容易状態、又は遊技球が第2作動領域27Bへ向けて誘導され第2作動領域27Bへ入球し易い第2入球容易状態が設定される。即ち、普電役物26の開放作動を振分部材261が右斜め上方へ向く傾斜姿勢(
図3(b))となるタイミングに合わせることで第1入球容易状態となり、普電役物26の開放作動を振分部材261が左斜め上方へ向く傾斜姿勢(
図3(c))となるタイミングに合わせることで第2入球容易状態となる。
【0075】
第1入球容易状態となると、第1作動領域27Aへ入球により第1非電動役物70Aが開放されて第1特図始動口b23Bへの入球が容易になるので、第1特図始動口b23Bへの入球に起因して記憶される第1特図保留記憶を増やすことができる。一方、第2入球容易状態となると、第2作動領域27Bへ入球により第2非電動役物70Bが開放されて第2特図始動口24への入球が容易になるので、第2特図保留記憶を増やすことができる。
記憶された1特図保留記憶及び2特図保留記憶はそれぞれ、当否判定が行われる前に乱数値の内容を確認する先読み判定が実施される。
【0076】
そして、大当り遊技終了後に第1入球容易状態となる大当り遊技の最中に、第2特図の保留記憶が記憶されておらず保留記憶が第1特図の保留記憶のみであることを条件に、第1特図の保留記憶の中に先読み判定にて大当り又はリーチとなるなどの特定の判定内容がなされた保留記憶があるときにはこれを示唆する第1特図の保留内予告演出が実施される。尚、第1特図の保留内予告演出は大当り遊技のラウンド遊技中の演出として行ってもよいし、最終ラウンドや、大当り遊技終了インターバル中などに行なうことが考えられる。
ラウンド遊技中の演出ならば複数のラウンドに渡って、物語性を持たせて演出することが考えられる。
最終ラウンドや大当り遊技終了インターバルならば、大当り遊技が終わり、次の当りを意識する頃に保留内に大当りがあることを示唆するため、一層驚きと喜びを与えることができる。
一方、第1特別図柄の保留記憶の有無や大当り遊技後に第1入球容易状態になるか第2入球容易状態になるかに拘わらず、第2特図の保留記憶内に先読み判定にて特定の判定内容がなされた第2特図の保留記憶があるときには第2特図に関する保留内予告演出が実施される。尚、第2図の保留内予告演出もラウンド遊技中の演出として行ってもよいし、最終ラウンドや、大当り遊技終了インターバルなどに行なうことが考えられる。
【0077】
更に大当り遊技中に実施される大当り遊技演出として、大当り図柄に応じて、大当り遊技終了後に第1入球容易状態又は前記第2入球容易状態のいずれに設定されるか否かを演出する容易状態昇格演出が実施される。この場合、第1特図の保留内予告演出は、容易状態昇格演出が行なわれた後の大当り遊技中に行われる。例えば、大当り遊技の5ラウンド目に容易状態昇格演出を行い、その後の8ラウンド目に保留内予告演出を行うことが望ましい。容易状態昇格演出の前に保留内予告演出にて第1特図の保留内に当りがあることを示唆すると、第1特図の保留内予告演出の実施条件を知っている遊技者は、その地点で大当り遊技後の遊技状態は第1入球容易状態であることが分ってしまい、その後に容易状態昇格演出を行っても無意味な演出となってしまうためである。そのため、この順番で行なえば、まず入球容易状態がどちらになるか容易状態昇格演出で楽しみ、残念ながら第1入球容易状態であるとなってしまっても、今度は第1特図の保留内に大当りがあるか楽しむことができる。
【0078】
以下、第1特図の保留内予告演出、第2特図の保留内予告演出、及び容易状態昇格演出についての詳細を説明する。
図17に示す「第1特図保留記憶内予告処理1」はサブ統合制御装置42にて実行される処理で、大当り遊技中の第1特図の保留記憶内予告に関する表示制御を行う。この処理では、先ず、S500の処理において大当り遊技のラウンド数が8ラウンド目であるか否かを確認する。ラウンド数が8ラウンド目であれば(S500:yes)、S501の処理において大当り遊技終了後に前記第1入賞容易状態が設定されるか否かを確認する。大当り遊技終了後に第1入賞容易状態となるのであれば(S501:yes)、S502の処理において第1特図の保留記憶が記憶されているか否かを確認する。
【0079】
第1特図の保留記憶があれば(S502:yes)、S503の処理において第2特図の保留記憶が記憶されていないかを確認し、第2特図の保留記憶がなければ(S503:yes)、S504の処理において第1特図の先読み判定の内容を参照し、続くS505の処理において大当り又はリーチとなるなどの特定の判定がなされた保留記憶がないか確認する。そして特定判定があれば(S505:yes)、続くS506の処理におい第1特図の保留内予告演出を実施するように演出図柄制御装置43へ指令を送り、これにより演出図柄表示装置21にて第1特図の保留内予告演出が実施される。
【0080】
次に、
図18に示す「第2特図保留記憶内予告処理」はサブ統合制御装置42にて実行され、第2特図の保留記憶内予告に関する表示制御を行う。この処理では、先ず、S600の処理において大当り遊技のラウンド数が8ラウンド目であるか否かを確認する。ラウンド数が8ラウンド目であれば(S600:yes)、S601の処理において第1特図の保留記憶が記憶されているか否かを確認する。第2特図の保留記憶があれば(S601:yes)、S602の処理において第2特図の先読み判定の内容を参照し、続くS603の処理において大当り又はリーチとなるなどの特定判定がなされた保留記憶がないか確認する。そして特定判定があれば(S603:yes)、続くS604の処理において第2特図の保留内予告演出を実施するように演出図柄制御装置43へ指令を送り、これにより演出図柄表示装置21にて第2特図の保留内予告演出が実施される。
【0081】
図19乃至
図21に基づいて、本パチンコ機1の演出図柄表示装置21にて実施される演出表示の各種の表示態様を説明する。
図19(a)は通常遊技状態における第1特図の図柄変動の表示態様を示すもので、演出図柄表示装置21の表示画面にはその上部右側に本パチンコ機の第1のキャラクタの「くまの達吉」700が表示され、表示画面の中央には第1特図に対応する3桁の数字からなる第1特図の擬似演出図柄701が変動表示される。更に表示画面の下部左側には第1特図の保留記憶数を示す第1特図保留記憶表示703が、下部右側は第2特図の保留記憶数を示す第2特図保留記憶表示704が実施される。
【0082】
図19(b)は第1入球容易状態動における第1特図の図柄変動の表示態様を示すもので、演出図柄表示装置21の表示画面にはその上部左側に確変中(開放延長状態を含む)を示唆するとともに右側に第1特図の擬似演出図柄701が変動表示される。そして表示画面の中央には第2のキャラクタの空手家とボクサーとが対戦するボクシングモードの演出705が実施される。この場合、優先変動する第2の特図の保留が消化された後に第1の特図が実行され、しかも第1入球容易状態のため始動口への入球は第1特図始動口b23Bのみとなるで、保留表示は第1特図保留記憶表示704のみが実施される。
【0083】
図19(c)は第2入球容易状態における第2特図の図柄変動の表示態様を示すもので、演出図柄表示装置21の表示画面にはその上部左側に確変中(開放延長状態を含む)を示唆するとともに右側に第2特図に対応する3桁の数字からなる第2特図の擬似演出図柄702が変動表示される。そして表示画面の中央には第2のキャラクタの空手家と敵のキャラクタのボスを探すボス捜索モードの演出706が実施される。尚、図例では第1特図の保留表示はされていないが、第2特図は第1特図に先立って優先変動されるので、第1特図の保留記憶があれば下部左側に第1特図保留記憶表示されることもある。
【0084】
図20(a)は第1特図の変動から発生した大当りにおける大当り遊技中の大当り演出の表示態様を示すもので、演出図柄表示装置21の表示画面には大当り遊技のラウンド数を示唆するラウンド数表示708を表示するとともに、大当りを示す3桁の数字が揃った第1特図の擬似演出図柄701が確定表示される。そして表示画面の中央には空手家と敵のボスとが対決する対決モードの演出707が実施される。この場合、前記第1入球容易状態のボクシングモードで空手家が勝利することで大当りとなり、大当り遊技でボスと対決するストーリーの演出とされている。
尚、第2特図の変動から発生した大当り遊技の演出も対決モードの演出707が実施され、この場合、前記第2入球容易状態のボス捜索モードでボスを探し出すことで大当りとなり、大当り遊技でボスと対決するストーリーの演出とされる。
【0085】
図20(b)に示すように、大当り遊技が進行して5ラウンド目となると前記容易状態昇格演出が実施される。この場合、キャラクタの「くまの達吉」が「昇」の文字を捕まえるか否かの演出709が実施され、うまく捕まえることができれば、大当り遊技終了後に第2入球容易状態に設定されることとなる。基本、容易状態昇格演出は第2入球容易状態に設定され時に行うことが望ましい。即ち、大当り前の遊技状態が第2入球容易状態であった場合に、大当り遊技終了後に第1入球容易状態となっても昇格の意味をなさいためである。
【0086】
そして、大当り遊技の最終の8ラウンド目において、大当り遊技終了後に第1入球容易状態になることが決定しており、第2特図の保留記憶がなく、先読み判定により第1特図の保留記憶に大当り又はリーチとなるなどの前記特定の判定の保留記憶があるときには、
図21(a)に示すように前記第1特図の保留内予告演出が実施される。第1特図の保留内予告演出では、演出図柄表示装置21の表示画面に満面の笑みの「くまの達吉」を表示することで第1特図の保留記憶内に大当り又はリーチがある可能性を示唆する。勿論、必ずしも大当り又はリーチとなる必要はない。即ち、ガセ情報でもよい。
【0087】
大当り遊技の最終ラウンドで、第1特別図柄の保留記憶の有無や大当り遊技後に第1入球容易状態になるか第2入球容易状態になるかに拘わらず、第2特図の保留記憶内に先読み判定にて大当り又はリーチとなるなどの前記特定の判定の保留記憶があるときには、
図21(b)に示すように第2特図に関する保留内予告演出が実施される。第2特図の保留内予告演出では、演出図柄表示装置21の表示画面に満面の笑みでガッツポーズをする空手家を表示することで第2特図の保留記憶内に大当り又はリーチがある可能性を示唆する。勿論、必ずしも大当り又はリーチとなる必要はない。即ち、ガセ情報でもよい。尚、本実施形態では第1特図の保留内予告演出と第2特図の保留内予告演出を異なる演出としたが、同一のものであってもよい。
【0088】
本実施形態のパチンコ機1によれば、第1特図の保留内に大当りやリーチなどがある場合の先読み演出たる第1特図の保留内予告演出を、大当り遊技後に第1入球容易状態となる大当り遊技時であり、且つ第1特図の保留記憶しかない状態の時だけに行うので、遊技の結果に影響を与えずに第1特図の先読み演出の有効活用が可能となる。この場合、第1特図の保留内予告演出が行なわれるのは大当り遊技中のため、大当り遊技中に第2特図の保留記憶が発生することはまずないので、第1特図の保留内予告演出を行う条件が達成されやすい。また第1特図の保留内予告演出を実施してもその大当り遊技終了後は第1入球容易状態となるため、第2特図の保留記憶が発生することはなく、現在記憶されている保留記憶も第1特図のみであるため、保留記憶内の大当りを告知しても、遊技者の操作により保留記憶の消化を遅らせたりすることはできない。よって遊技の結果に影響を与えずに済む。
【0089】
また、大当り遊技演出として、大当り遊技終了後に前記第1入球容易状態又は前記第2入球容易状態のいずれに設定されるか演出する容易状態昇格演出を実施するようにし、且つ第1特図の保留内予告演出を、容易状態昇格演出が行なわれる大当り遊技時には容易状態昇格演出が行なわれた後に行う構成としたので、遊技の結果に影響を与えることなく、第1特図の保留内予告演出及び容易状態昇格演出を好適に実施することができる。また保留内予告演出と容易状態昇格演出とを二つ備えても、お互いの演出内容を阻害することなく実施できる。
【0090】
更に、第2特図は、第1特図よりも優先的に当否判定が行われるので、第1特図の保留記憶の有無や入球容易状態の違いに影響を受けないため、単純に先読み判定の内容だけで第2特図の保留内予告演出を実行することができる。
【0091】
本発明の他の実施形態を説明する。本実施形態は、第1の特別図柄の先読み演出がより確実に「遊技の結果に影響を与える機能」とならないようにするために、第1特図の保留内予告演出を実施する条件として、大当り遊技後に第1入球容易状態となる大当り遊技時であり、且つ第1特図の保留記憶しかない状態であり、更に第2特図始動口24の第2非電動役物70Bが閉鎖していることも条件に追加した構成である。
【0092】
尚、基本構成は先の実施形態のそれと同様で、相違点を中心に説明する。
即ち、
図22に示すようにサブ統合制御装置42にて実行される「第1特図保留記憶内予告処理2」で、大当り遊技中の第1特図の保留記憶内予告に関する表示制御を行う。この処理では、先ず、S550の処理において大当り遊技のラウンド数が8ラウンド目であるか否かを確認する。ラウンド数が8ラウンド目であれば(S550:yes)、S551の処理において大当り遊技終了後に前記第1入賞容易状態が設定されるか否かを確認する。大当り遊技終了後に第1入賞容易状態となるのであれば(S551:yes)、S552の処理において第1特図の保留記憶が記憶されているか否かを確認する。
【0093】
第1特図の保留記憶があれば(S552:yes)、S553の処理において第2特図の保留記憶が記憶されていないかを確認し、第2特図の保留記憶がなければ(S503:yes)、S554の処理において第2非電動役物70Bに設けられた開放状態検出スイッチ(開放状態検出手段)等により第2非電動役物が開放中であるか否かを確認する。第2非電動役物70Bが開放中でなければ(S554:no)、S555の処理において第1特図の先読み判定の内容を参照し、続くS556の処理において大当り又はリーチとなるなどの特定の判定がなされた保留記憶がないか確認する。そして特定判定があれば(S556:yes)、続くS557の処理におい第1特図の保留内予告演出を実施するように演出図柄制御装置43へ指令を送り、これにより演出図柄表示装置21にて第1特図の保留内予告演出が実施される。
【0094】
非電動役物は遊技球が入球しない限り開きっ放しとなるため、大当り遊技後に第1入球容易状態となる大当り遊技時であり、且つ第1特別図柄の保留記憶しかない状態の時だけの条件を達成していても第2特図の保留が発生する可能性がある、即ち、現時点で特2の保留がなくても、第2非電動役物が開放している時は特2の保留が発生する可能性がある。この場合、本実施形態は第1特図の保留内予告演出を行わないので、遊技の結果に影響を与えることをより確実に防ぐことができる。
【0095】
本発明の更に他の実施形態を説明する。尚、基本構成は前記実施形態のそれとほぼ同じであり、相違点を中心に説明する。本実施形態では、第1入球容易状態の遊技中において、第2特図の保留記憶がなく第1特図の保留記憶しかない状態であり、且つ第2特図始動口24の第2非電動役物70Bが閉鎖していることを条件に、第1特図の保留記憶の中に先読み判定にて大当り又はリーチとなるなどの特定の判定内容がなされた保留記憶があるときには、
図23(a)に示すように、先読み演出として演出図柄表示装置21の表示画面の第1特図保留記憶表示703において、前記特定の判定内容がなされた保留記憶を示す先読み図柄表示713を表示する。勿論、必ずしも大当り又はリーチとなる必要はない。即ち、ガセ情報でもよい。
【0096】
一方、第1特別図柄の保留記憶の有無や、第1入球容易状態、第2入球容易状態になるかに拘わらず、第2特図の保留記憶内に先読み判定にて大当り又はリーチとなるなどの前記特定の判定の保留記憶があるときには、
図23(b)に示すように、先読み演出として演出図柄表示装置21の表示画面の第2特図保留記憶表示704において、前記特定の判定内容がなされた保留記憶を示す先読み図柄表示714を表示する。図例は第2入球容易状態でボス捜索モード演出での表示態様を示す。勿論、先読み演出は必ずしも大当り又はリーチとなる必要はない。即ち、ガセ情報でもよい。
【0097】
本実施形態によれば、第1特図の先読み演出を、第1入球容易状態であり、第1特図の保留記憶しかない状態で且つ第2非電動役物が開放していない時だけ演出を行うので、遊技の結果に影響を与えない状態を確保した状態で第1特図の先読み演出が可能となる。この場合、第1特図の先読み演出が行なわれるのは第1入球容易状態のため、大当り遊技中に第2特図の保留が発生することはまずないので、第1特図の先読み演出を行う条件が達成されやすい。また第1特別図柄の先読み演出を実施しても第1入球容易状態であるため、第2特別図柄の保留記憶が発生することはなく、現在記憶されている保留記憶も第1特別図柄のみであるため、保留記憶内の当選を告知しても、遊技者の操作により保留記憶の消化を遅らせたりすることはできない。よって遊技の結果に影響を与えずに済む。
【0098】
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。