(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る物干し1A〜1Cについて、図を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る物干しの第一の例を示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る物干しの第二の例を示す斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る物干しの第三の例を示す斜視図である。
図1〜3に示すように、本実施形態に係る物干しは、例えば、タオル等の洗濯物を干すための物干し1A(
図1)、衣類等を干すための物干し1B(
図2)、洗濯物を干すための物干し1C(
図3)等である。
図1に示すように、物干し1Aは、取手10と、取手10に取り付けられた物干し本体20Aとを備えている。
取手10は、物干し竿、ロープ等の被吊下物Aに物品を吊り下げるための構成である。本実施形態では、
図1に示すように、被吊下物Aを取手10に通すことにより、物干し1Aを被吊下物Aに吊り下げる。
物干し本体20Aは、物干し1Aを被吊下物Aに吊り下げた際に取手10の重力方向下方側(
図1の−Z側)に配置されるように、取手10に取り付けられている。物干し本体20Aは、例えばタオル等を掛ける複数のアームを有している。
本実施形態において、物干し本体20Aは取手10を介して被吊下物Aに吊り下げられる物品の一例である。
【0015】
図2に示すように、物干し1Bは、取手10と、取手10に取り付けられた物干し本体20Bとを備えている。
取手10は、物干し1Aと同様の構成である。
物干し本体20Bは、物干し1Bを被吊下物Aに吊り下げた際に取手10の重力方向下方側(
図2の−Z側)に配置されるように、取手10に取り付けられている。物干し本体20Bは、例えば衣類等を掛けるハンガーを有している。本実施形態において、物干し本体20Bは取手10を介して被吊下物Aに吊り下げられる物品の一例である。
【0016】
図3に示すように、物干し1Cは、取手10と、取手10に取り付けられた物干し本体20Cとを備えている。
取手10は、物干し1Aと同様の構成である。
物干し本体20Cは、物干し1Cを被吊下物Aに吊り下げた際に取手10の重力方向下方側(
図3の−Z側)に配置されるように、取手10に取り付けられている。物干し本体20Cは、例えば矩形のフレームと、当該フレームに取り付けられた複数のピンチとを有している。本実施形態において、物干し本体20Cは取手10を介して被吊下物Aに吊り下げられる物品の一例である。
【0017】
なお、物干し1A〜1Cは、本実施形態に係る物干しの一例であって、この形状に限られることはない。他の実施形態においては、円形の物干し本体、複数のハンガーを連ねた物干し本体等、異なる形状の物干し本体を有していてもよい。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態に係る取手の第一の正面図である。
図5は、本発明の一実施形態に係る取手の第二の正面図である。
次に、
図4〜
図5を参照して、本実施形態に係る取手10の構成について説明する。
図4に示すように、取手10は、吊下部100と、軸部110と、レバー部120と、突起部130と、脚部140と、付勢部150とを有している。
【0019】
吊下部100は、吊下部100の幅方向一方側(
図4の+X方向)から他方側(
図4の−X側)に向かって凹むように湾曲する湾曲面101Aが形成された本体部101と、
吊下部100の幅方向他方側(
図4の−X方向)を向く平面102Aが形成された可動部102とを有している。吊下部100には、本体部101の湾曲面101Aと可動部102の平面102Aとにより、物干し竿等の被吊下物Aを通すための第一孔部104が形成されている。第一孔部104は、第一孔部104の延在方向(
図4のY方向)から見てD字形状を有している。
また、本体部101には、湾曲面101Aの全域に渡って幅方向他方側(
図4の−X側)に凹み、重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部において可動部102を向く方向に開口する溝160(
図1〜
図3参照)が形成されている。溝160は、本体部101の延在方向に直交する断面から見て、第一孔部104に向かって開口するU字状に形成されている。
可動部102は、重力方向下方側(
図4の−Z側)において、後述する軸部110により、本体部101に第一孔部104を開閉可能に取り付けられている。具体的には、可動部102は、軸部110を回転軸として、重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部が幅方向(
図4のX方向)に移動して、第一孔部104を開放又は閉塞する。
また、可動部102は、重力方向上方側(
図4の+Z側)に、本体部101に向かって突出し、本体部101の溝160に挿入可能に形成された爪部102Bを有している。
なお、本実施形態では、吊下部100の外周は、第一孔部104の延在方向(
図4のY方向)から見てD字形状に形成されているが、これに限られることはない。他の実施形態においては、第一孔部104がD字形状を有していればよく、吊下部100の外周は円形状に形成されていてもよいし、矩形状に形成されていてもよい。
また、本実施形態では、可動部102の平面102Aが重力方向(
図4のZ方向)に対し、幅方向(
図4のX方向)に傾くように形成されているが、これに限られることはない。可動部102の平面102Aは、重力方向(
図4のZ方向)に対して平行となるように形成されていてもよい。
【0020】
また、本体部101の湾曲面101Aには、重力方向上方側(
図4の+Z側)において、第一孔部104の延在方向(
図4のY方向)の全域に渡って溝部103が形成されている。
図5に示すように、溝部103は、湾曲面101Aから重力方向上方側(
図4の+Z側)に向かって凹む円弧面103Aと、可動部102から近い側の湾曲面101Aに位置する第一端縁103Bと、可動部102から遠い側の湾曲面101Aに位置する第二端縁103Cとを有している。
図5に示すように、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cのうち少なくとも一方は、第一孔部104を構成する可動部102の平面102Aに直交する仮想線L1上に位置するように配置されている。本実施形態では、第二端縁103Cが、第一孔部104を構成する可動部102の平面102Aに直交する仮想線L1上に位置するように配置されている。
また、溝部103の円弧面103Aは、物干し本体20A〜20C(物品)の重心を通る重力方向に延びる仮想線L2上に、当該円弧面103Aの基準となる円の中心が位置するように形成されている。即ち、第一端縁103Bは仮想線L2より幅方向一方側(
図5の+X側)に配置され、第二端縁103Cは仮想線L2より幅方向他方側(
図5の−X側)に配置される。
なお、溝部103の位置は、仮想線L1及び仮想線L2の位置に応じて変化してもよいが、湾曲面101Aの重力方向における中間位置よりも上側(
図5の+Z側)に形成されることが望ましい。
【0021】
本体部101の湾曲面101Aよりも重力方向下方側(
図4の−Z側)には、幅方向他方側(
図4の−X側)に凹む切欠き171が形成されている。また、可動部102の重力方向下方側(
図4の−Z側)には、本体部101の切欠き171に対応する位置に、幅方向一方側(
図4の+X側)に凹む切欠き172が形成されている。本体部101の切欠き171と、可動部102の切欠き172とにより、ロープ等の被吊下物Aを通すための第二孔部170が形成されている。第二孔部170は、第二孔部170の延在方向(
図4のY方向)から見て略O字形状を有している。
また、第二孔部170は、軸部110を回転軸として可動部102を幅方向(
図4のX方向)に移動させることにより、第二孔部170の内面を形成する本体部101の切欠き171の重力方向上方側の端部171Aと、可動部102の切欠き172の重力方向上方側の端部172Aとを近接又は離間させる。なお、本体部101の切欠き171の重力方向上方側の端部171Aと、可動部102の切欠き172の重力方向上方側の端部172Aとを近接させる際、これらの端部171A、172Aが隙間を有して近接するようにしてもよいし、接触するようにしてもよい。
【0022】
軸部110は、吊下部100の重力方向下方側(
図4の−Z側)に設けられ、可動部102から第一孔部104の延在方向の両側(
図1〜
図3の+Y側及び−Y側)に向かって凸状に形成されている。軸部110は、本体部101に設けられた軸孔101Bに挿入されて本体部101と可動部102とを回動可能に連結する。なお、本実施形態において、軸部110は、可動部102に一体に形成されている。
【0023】
レバー部120は、吊下部100の可動部102から連続し、重力方向下方側(
図4の−Z方向)、且つ、吊下部100の幅方向一方側(
図4の+X方向)に向かって延出する。レバー部120は、幅方向(
図4のX方向)に移動することにより、可動部102の重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部を、軸部110を回転軸として幅方向(
図4のX方向)に移動させる。
【0024】
突起部130は、吊下部100の本体部101から連続し、本体部101の重力方向下方側(
図4の−Z側)において、吊下部100の幅方向他方側(
図4の−X側)に向かって突出する。
【0025】
脚部140は、吊下部100の本体部101から連続し、突起部130の重力方向下方側(
図4の−Z側)において、重力方向下方側(
図4の−Z方向)に向かって延出する。脚部140は、吊下部100の幅方向一方側(
図4の+X方向)の面が、重力方向上方側(
図4の+Z側)では幅方向他方側(
図4の−X側)に向かって凹むように湾曲し、重力方向下方側(
図4の−Z側)では幅方向一方側(
図4の+X側)に向かって突出するように湾曲し、重力方向下方側(
図4の−Z側)の端部では重力方向に沿って下方側(
図4の−Z側)へ向かって伸びるように形成されている。
本実施形態では、
図5に示すように、脚部140の重力方向下方側(
図4の−Z側)の端部は、幅方向(
図5のX方向)の中心が物干し本体20A〜20Cの重心を通る重力方向に延びる仮想線L2上に位置するように形成されている。また、脚部140の重力方向下方側(
図4の−Z方向)の端部には、物干し本体20A〜20Cの何れかが取り付けられている(
図1〜
図3参照)。
【0026】
なお、本実施形態において、吊下部100の本体部101と、突起部130と、脚部140とは一体に形成されている。そして、突起部130及び脚部140の幅方向一方側(
図4の+X側)を向く面とのうち、少なくとも脚部140の幅方向一方側(
図4の+X側)を向く面には、本体部101の湾曲面101Aと同様に幅方向他方側(
図4の−X側)に向かって凹む溝160(
図1〜
図3参照)が形成されている。
また、吊下部100の可動部102と、レバー部120とは、一体に形成されている。そして、可動部102の平面102Aと、レバー部120の幅方向他方側(
図4の−X側)を向く面とのうち、少なくともレバー部120の幅方向他方側(
図4の−X側)を向く面には、幅方向一方側(
図4の+X側)に向かって凹む溝160が形成されている。なお、可動部102の平面102Aにも、同様に溝160が形成されていてもよい。
【0027】
付勢部150は、
図4に示すように、軸部110に支持されるとともに、レバー部120及び脚部140の溝160(
図1〜
図3参照)の内部に収容されている。
付勢部150は、本実施形態では、ねじりばねであり、レバー部120を幅方向一方側(
図4の+X側)に向かって付勢することにより、吊下部100の可動部102の重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部を、幅方向他方側(
図4の−X側)に向かって付勢する。この結果、吊下部100の可動部102は、重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部において本体部101に接触して第一孔部104を閉塞する。また、可動部102の切欠き172の重力方向上方側の端部172Aは、本体部101の切欠き171の重力方向上方側の端部171Aに近接又は接触する。
また、レバー部120を幅方向他方側(
図4の−X側)に向かって押圧すると、付勢部150がねじれてレバー部120が幅方向他方側(
図4の−X側)に移動する。レバー部120の移動に伴い、吊下部100の可動部102の重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部は、軸部110を回転軸として幅方向一方側(
図4の+X側)に向かって移動する。この結果、吊下部100の可動部102は、第一孔部104と、第二孔部170とを開放する。
なお、付勢部150は、可動部102の重力方向上方側(
図4の+Z側)の端部が第一孔部104及び第二孔部170を閉塞するように付勢することができればどのような部材であってもよく、コイルばね、板ばね等であってもよい。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態に係る取手が被吊下物に掛けられている状態を示す第一の図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る取手が被吊下物に掛けられている状態を示す第二の図である。
次に、物干し1A〜1Cを被吊下物Aに吊り下げる際の取手10の状態について、
図6〜
図7を参照して説明する。
まず、物干し1A〜1Cを被吊下物Aに吊り下げる場合、レバー部120を幅方向他方側(
図6の−X側)に向かって押圧して、吊下部100の可動部102の重力方向上方側(
図6の+Z側)の端部を幅方向一方側(
図6の+X方向)に移動させる。これにより、吊下部100の第一孔部104の重力方向上方側(
図6の+Z側)の一部及び第二孔部170の重力方向上方側(
図6の+Z側)の一部が開放されるため、当該開放された部分から第一孔部104内又は第二孔部170内に被吊下物Aを通す。より具体的には、被吊下物Aが、溝部103の円弧面103Aの内径(円弧面の基準となる円の直径)よりも大きい外径を有する物干し竿等である場合は、当該被吊下物Aを第一孔部104内に通す。一方、被吊下物Aが、溝部103の円弧面103Aの内径よりも小さく、且つ第二孔部170の内径よりも小さい外径を有するロープ等である場合は、当該被吊下物Aを第二孔部170内に通す。このとき、突起部130を指等で支持することにより、レバー部120を押圧する操作、物干し1A〜1Cを重力方向(
図6のZ方向)へ移動する操作等が容易となる。
被吊下物Aを第一孔部104内又は第二孔部170内に通した後、レバー部120を解放することにより、レバー部120が付勢部150により付勢され、連動して可動部102の重力方向上方側(
図6の+Z側)の端部が幅方向他方側(
図6の−X方向)に移動する。これにより、吊下部100の第一孔部104及び第二孔部が閉塞される。このとき、可動部102の爪部102Bが本体部101の溝160に挿入されることにより、可動部102が第一孔部104の延在方向(
図6のY方向)に移動してガタつくことを抑制する。
【0029】
そして、被吊下物Aが、溝部103の円弧面103Aの内径(円弧面の基準となる円の直径)よりも大きい外径を有する物干し竿等である場合、
図6に示すように、第一孔部104内に通された被吊下物Aの外面は、本体部101の湾曲面101Aに形成された溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cの双方に接触する。このため、取手10は、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cの二点において被吊下物Aに支持される。また、可動部102の平面102Aが被吊下物Aの外面に接触する場合は、取手10は、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cと、可動部102の平面102Aとの三点において被吊下物Aに支持される。
【0030】
なお、被吊下物Aの外径が大きい場合は、
図7に示すように、可動部102が被吊下物Aの外面に押圧されて、可動部102の重力方向上方側(
図6の+Z側)の端部が幅方向一方側(
図7の+X方向)に移動する。即ち、可動部102は、第一孔部104を閉塞する位置(
図7の破線部)から、第一孔部104の一部を開放する位置(
図7の実線部)に移動するとともに、可動部102の平面102Aが付勢部150の付勢力により被吊下物Aに押し付けられる。この場合、本体部101の湾曲面101Aに形成された溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cと、可動部102の平面102Aとの三点が被吊下物Aの外面に接触する。
このため、取手10は、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cと、可動部102の平面102Aとの三点において被吊下物Aに支持される。
【0031】
また、被吊下物Aが、溝部103の円弧面103Aの内径よりも小さく、且つ第二孔部170の内径よりも小さい外径を有するロープ等である場合は、被吊下物Aは第一孔部104に通してもよいし、第二孔部170に通してもよい。被吊下物Aを第二孔部170に通した場合、取手10は、第二孔部170の内周面において被吊下物Aに支持される。これにより、被吊下物Aがロープ等のように小さい外径を有する場合であっても、取手10を介して物干し本体20A〜20Cを被吊下物Aに吊り下げることが可能となる。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る物干し1A〜1Cの取手10は、本体部101の湾曲面101Aと、可動部102の平面102Aとを有して延在方向から見てD字形状を有する第一孔部104が形成されている吊下部100と、第一孔部104の延在方向の全域で湾曲面101Aから凹み、物干し本体20A〜20C(物品)の何れかを吊り下げた状態で被吊下物Aの外面に接触可能な第一端縁103B及び第二端縁103Cを有する溝部103と、を備える。
このようにすることで、物干し1A〜1Cが、風等により吊下部100の幅方向(
図6のX方向)に向かう外力を受けた場合であっても、被吊下物Aの外面が溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cの少なくとも一方に接触することにより、被吊下物Aの外面が第一端縁103B及び第二端縁103Cの少なくとも一方に引っ掛かり、取手10の第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って移動することを抑制する。
【0033】
具体的には、例えば、
図6に示すように、被吊下物Aの外径が溝部103の円弧面103Aの内径(円弧面103Aの基準となる円の直径)以上である場合、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103C双方が、被吊下物Aの外面に接触する。この場合、取手10及び物干し本体20A〜20Cの重量により、第一端縁103Bから被吊下物Aの外面に対して重力方向下方側(
図6の−X側)及び幅方向他方側(
図6の−X側)に向かう力が与えられ、第二端縁103Cから被吊下物Aの外面に対して重力方向下方側(
図6の−X側)及び幅方向一方側(
図6の+X側)に向かう力が与えられる。
このため、物干し1A〜1Cに対して幅方向一方側(
図6の+X側)に向かう外力が与えられた場合、第一端縁103Bが当該外力を受け止める。これにより、被吊下物Aの外面が第一端縁103Bに引っ掛かり、第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って幅方向一方側(
図6の+X側)へ移動することを抑制する。
一方、物干し1A〜1Cに対して幅方向他方側(
図6の−X側)に向かう外力が与えられた場合、第二端縁103Cが当該外力を受け止める。これにより、被吊下物Aの外面が第二端縁103Cに引っ掛かり、第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って幅方向他方側(
図6の−X側)移動することを抑制する。
更に、可動部102の平面102Aが被吊下物Aの外面が幅方向一方側(
図6の+X側)から接触する場合は、第一端縁103Bと、第二端縁103Cと、可動部102の平面102Aとの三点により被吊下物Aの外面を保持するため、第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って移動することを抑制する効果が向上する。
【0034】
また、吊下部100の可動部102は、本体部101に第一孔部104を開閉可能に取り付けられている。また、吊下部100は、レバー部120を吊下部100の幅方向一方側(
図6の+X側)に付勢することにより、可動部102が第一孔部104を閉塞するように可動部102を付勢する付勢部150を有する。
このようにすることで、被吊下物Aの外径が大きい場合であっても、可動部102が移動して第一孔部104が開くとともに、可動部102の平面102Aが付勢部150の付勢力により被吊下物Aの外面に押し付けられる。これにより、外径が異なる被吊下物Aを使用した場合であっても、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cが被吊下物Aの外面に接触しつつ、可動部102の平面102Aが被吊下物Aの外面に接触するので、第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って移動することを更に抑制して、物品の揺れを低減させることができる。
更に、吊下部100の可動部102は、本体部101に第二孔部170を開閉可能に取り付けられている。このようにすることで、被吊下物Aがロープ等のように小さい外径を有する場合であっても、取手10を介して物干し本体20A〜20Cを被吊下物Aに吊り下げることが可能となる。
【0035】
また、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cのうち少なくとも一方は、第一孔部104を構成する可動部102の平面102Aに直交する仮想線L1上に位置する。
このようにすることで、付勢部150により第一孔部104を閉塞する方向に付勢された可動部102の平面102Aが、被吊下物Aの外面を溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cの少なくとも一方に向かって押し付ける力が向上する。これにより、第一孔部104が被吊下物Aの外面に沿って移動することを更に抑制して物品の揺れを低減させることができる。
【0036】
また、溝部103には円弧面103Aが形成されている。また、円弧面103Aは、物干し本体20A〜20Cの重心を通る重力方向に延びる仮想線L2上に円弧面103Aの基準となる円の中心が位置するように形成されている。
このようにすることで、被吊下物Aに取手10を介して物干し本体20A〜20Cを吊り下げた際に、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cに物干し本体20A〜20Cの重量が略均等に配分される。これにより、溝部103の第一端縁103B及び第二端縁103Cが被吊下物の外面を略均等の力で押し付けるため、取手の孔部が被吊下物Aの外面に沿って移動することを更に抑制して物干し本体20A〜20Cの揺れを低減させることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、上述の実施形態において、吊下部100の本体部101と、突起部130と、脚部140とは一体に形成され、吊下部100の可動部102と、レバー部120とは、一体に形成されている例について説明したが、これに限られることはなく、各構成が異なる部材として形成されていてもよい。
また、上述の実施形態において、吊下部100の可動部102を幅方向一方側(
図4の+X側)、本体部101を幅方向他方側(
図4の−X側)に配置する例について説明したが、これに限られることはなく、吊下部100の本体部101を幅方向一方側(
図4の+X側)、可動部102を幅方向他方側(
図4の−X側)に配置するようにしてもよい。
このような構成によっても、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0038】
また、上述の実施形態において、溝160が本体部101の延在方向に直交する断面から見て、第一孔部104に向かって開口するU字状に形成されている態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態においては、溝160は、例えば、第一孔部104の延在方向(
図4のY方向)に向かって開口するU字状に形成されていてもよい。また、例えば、本体部101の延在方向に直交する断面から見てH字状に形成されていてもよい。