(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有蓋有底筒状をなし蓋面にシャワー状の吐水を行うシャワー面を有するヘッド部と、前記ヘッド部へ送水を行うハンドル部とを備え、シャワー状の吐水を直線状の吐水に切替え可能なシャワーヘッドであって、
前記ヘッド部の側壁から直線状の吐水を行う線状ノズルを有し、
前記ヘッド部及び前記ハンドル部が互いに回動不能に設けられており、
前記ヘッド部は、シャワー状の吐水と直線状の吐水を切替える摺動弁体と前記摺動弁体を操作する操作部と、前記線状ノズルに送水するノズル送水口と、前記ノズル送水口より前記シャワー面に近接して設けられるシャワー送水口とを有し、
前記摺動弁体は、前記シャワー面に接離する方向に摺動して、前記ハンドル部から供給された水を前記シャワー面、又は前記線状ノズルに択一的に送水するよう構成されていることを特徴とするシャワーヘッド。
有蓋有底筒状をなし蓋面にシャワー状の吐水を行うシャワー面を有するヘッド部と、前記ヘッド部へ送水を行うハンドル部とを備え、シャワー状の吐水を直線状の吐水に切替え可能なシャワーヘッドであって、
前記ヘッド部の側壁から直線状の吐水を行う線状ノズルを有し、
前記ヘッド部及び前記ハンドル部が互いに回動不能に設けられており、
前記側壁は、前記線状ノズルからの吐水が通過するノズル窓を有することを特徴とするシャワーヘッド。
有蓋有底筒状をなし蓋面にシャワー状の吐水を行うシャワー面を有するヘッド部と、前記ヘッド部へ送水を行うハンドル部とを備え、シャワー状の吐水を直線状の吐水に切替え可能なシャワーヘッドであって、
前記ヘッド部の側壁から直線状の吐水を行う線状ノズルを有し、
前記ヘッド部及び前記ハンドル部が互いに回動不能に設けられており、
前記線状ノズルの前方を開閉する開閉扉を備えることを特徴とするシャワーヘッド。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一の実施形態に係るシャワーヘッドの(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【
図2】
図1のシャワーヘッドの前側から見た分解斜視図である。
【
図3】
図1のシャワーヘッドの後側から見た分解斜視図である。
【
図4】
図1のシャワーヘッドにおいて、シャワー面から吐水を行うべく摺動杆を円弧状スリットの平坦部に移動した様子をシャワー部を外して示した(a)正面図、(b)平面図である。
【
図7】(a)
図6におけるIII−III線断面図である。(b)(a)の円弧状スリットを示した要部拡大図である。
【
図8】
図1のシャワーヘッドにおいて、線状ノズルから吐水を行うべく摺動杆を円弧状スリットの傾斜部に移動した様子をシャワー部を外して示した(a)正面図、(b)平面図である。
【
図9】
図8(b)におけるIV−IV線断面図である。
【
図13】
図1のシャワーヘッドにおいて、摺動杆が円弧状スリットの平坦部の傾斜側端部に位置する状態を、シャワー部を外して示した(a)正面図、(b)平面図である。
【
図14】
図2の操作部を示した要部分解斜視図である。
【0017】
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一の実施形態に係るシャワーヘッド100を示している。シャワーヘッド100は、
図1に示したように、シャワー面131を有するヘッド部10と、ハンドル部20と、線状ノズル32から線状の吐水を行う線状吐水部30とを主に備え、ヘッド部10の側壁10bから線状の吐水を行うよう構成されている。
尚、以下の説明において、ヘッド部10のシャワー面131側、底面11a側を、それぞれ単に「上側」、「下側」といい、ヘッド部10からハンドル部が延出する方向を単に「後側」といい、「後側」の逆側を単に「前側」というものとする。
【0018】
ヘッド部10は、
図2に示すように、ケーシング11、回動部12、及びシャワー部13とで形成される有蓋有底円筒状の箱体内部に、線状の吐水を行う線状吐水部30と、シャワー状の吐水と直線状の吐水を切り替える摺動弁40と、摺動弁40を操作する操作部50とを収容している。
【0019】
ケーシング11は、
図2に示すように、底面11aと、側壁11bとを有し、上側に開口した扁平の有底円筒状をなしている。ケーシング11の側壁11bの外面には、ハンドル部20に連結する管状のハンドル接続部11cが突設され、ハンドル接続部11cと径方向の反対側に一対の円形貫通孔からなるノズル窓11d,11dが設けられている。ケーシング11の内部には、ハンドル接続部11cから供給された水を摺動弁40へ送水する連結口11eが設けられている。
【0020】
回動部12は、
図3に示すように、ヘッド部10の周方向に沿って回動操作される円環状の回動操作部12aと、回動操作部12aから下方へ延出する2本の柱状部12b,12cと、2本の柱状部12b,12cの下端を連結する梁部12dと、梁部12dの中央から下方に突出する軸部12eとを備えている。回動部12は、ケーシング11の底面11aの内面に設けられる円筒状の軸受け部11f(
図5参照)の内部に軸部12eを差し込み、
図6に示すように、柱状部12b,12cをケーシング11の側壁11bの内面に当接するようにして、ケーシング11に嵌合される。
【0021】
回動部12の回動操作部12aは、
図3に示すように、径方向内側かつ上方に突出する上側円弧状部126を備え、上側円弧状部126には、平面視で軸部12eを中心とした円の一部からなる円弧状をなす上側円弧状スリット126aが設けられている。
また、柱状部12cは、
図2に示すように、隣接する着脱板12fと合わせてノズル窓11dを開閉する開閉扉122を構成する。着脱板12fは、回動部12の内部へ収容される線状吐水部30や、摺動弁40等を収容する際に取り外せるよう、回動部12とは別体に形成されている。
【0022】
シャワー部13は、
図5に示すように、多数の散水孔が分散配置された円盤状のシャワー面131と、シャワー面131とともにシャワー吐水室134を形成する扁平の有底円筒状の基部133と、基部133に螺合されて基部133とともにシャワー面131を挟持する押え蓋132とを備えている。基部133の底壁中央には、
図2に示すように、ネジ孔133aを取り囲むようにして4つの扇形の貫通孔からなるシャワー吐水室流入口133bが設けられている。
【0023】
ハンドル部20は、略円筒状をなし、
図5に示すように、内部を通してヘッド部10へ水を供給する。ハンドル部20は、不図示のホースにより給水栓に連結される上流端側がシャワー面側に湾曲し、下流端側が、ヘッド部10のハンドル接続部11cに嵌合され、接着剤やボルト・ナット等により固定されている。ハンドル部20は、一対の切替えボタン21,21により、スライドバルブ22を往復操作することにより、使用者の手元でシャワーヘッドの吐水と止水を切替えられるよう構成されている。
【0024】
線状吐水部30は、
図6に示すように、略直方体の箱状をなすノズルケース31と、ケーシング11のノズル窓11d,11dに先端を臨ませた一対の線状ノズル32,32とを備えている。線状ノズル32は、
図6に示すように、略円錐状の外ノズル321と、釣鐘状の内ノズル322とを有している。線状吐水部30は、外ノズル321の内側に内ノズル322を収容する一対の略円錐状の内ノズル旋回室311,311を有し、一対の内ノズル旋回室311,311の後方(
図6の右側)に、一対の内ノズル旋回室311,311の両方に連通するノズル用分配室312を有している。ノズル用分配室312は、
図3に示すように、後方に流入口312aを有している。ノズル用分配室312から内ノズル旋回室311へは、内ノズル旋回室311の軸心から偏心して設けられた4つの射出孔311aから水が供給される。
【0025】
摺動弁40は、
図2、
図5に示すように、摺動弁体44と、弁箱45とを備えている。
摺動弁体44は、
図5に示すように、下側が開口した略直方体の箱状をなし、前面(
図5では左側の面)に横長矩形の貫通孔からなる切替え窓44aを備えている。摺動弁体44は、摺動杆52が上下方向に貫通するようにして固定され、摺動杆52とともに上下方向に摺動する。
【0026】
弁箱45は、
図2、
図5に示すように、摺動弁体44より一回り大きな上側に開口した略直方体の箱状をなす弁箱本体451と、長板状の弁蓋452とからなる。弁箱本体451は、下側にケーシング11の連結口11eに連結される円形の連結口451aを備え、前面に、ノズル用分配室312の流入口312aに連通する矩形のノズル送水口451bを備えている。また、弁箱本体451は、上面側開口451cの前側端縁から前方へ舌状部451dを延出させ、上面側開口451cと舌状部451dを立壁451eで囲繞するよう構成している。
【0027】
弁蓋452は、
図2に示すように、長板状をなし、前後方向の中央から上方へ延出する連結部452cに、4つのシャワー吐水室流入口133bに接続される横断面がC字のシャワー送水口452dが設けられている。弁蓋452は、
図5に示すように、弁箱本体451の上面側開口451cをシャワー送水口452dに連通する連通路453を備えている。
【0028】
操作部50は
図14に示すように、回動操作部12aの周方向(回動方向)に沿った円弧状をなす円弧状スリット51と、摺動杆52と、摺動片53とを主に備えている。
円弧状スリット51は、
図7(b)に示すように、上下方向に貫通するスリットの中間に断面が略円形の円形トンネル部51aを備え、円形トンネル部51aは、長手方向の一端側(
図14の左側)に上下方向に傾斜する傾斜部51cを備え、長手方向の他端側(
図14の右側)に上下方向について平坦な平坦部51dを備えている。円弧状スリット51のかかる形状は、回動部12と一体的に設けられている上側円弧状部126と、下側円弧状部56を重ね合わせることにより形成されている。
【0029】
つまり、上側円弧状部126は、
図7(b)に示すように、その上下方向に貫通する上側円弧状スリット126aを有し、上側円弧状スリット126aの下側の開口に沿って横断面が略半円をなす上側円弧状凹部126bを有している。そして、上側円弧状凹部126bは、一端側に上下方向に傾斜する傾斜部126cを有し、他端側に上下方向に平坦な平坦部126dを有している。
【0030】
また、下側円弧状部56は、
図2に示すように、円弧状に湾曲した棒状をなし、上側円弧状スリット126aと同様に、その上下方向に貫通する下側円弧状スリット56aを有している。下側円弧状スリット56aは、上側円弧状スリット126aと同形をなし、上側の開口に沿って、横断面が略半円をなす下側円弧状凹部56bを有している。また、
図7(b)に示すように、下側円弧状部56も、上側円弧状部126と同様に、一端側に上下方向に傾斜する傾斜部56cを有し、他端側に上下方向に平坦な平坦部56dを有している。
かかる形状の上側円弧状スリット126aと下側円弧状スリット56aを重ね合わせることで円弧状スリット51、円形トンネル部51a、円形トンネル部の傾斜部51c、及び平坦部51dが形成される。
【0031】
摺動杆52は、
図14に示すように、棒状をなし、上端部に、略球形の摺動片53がC字ワッシャーにより固着されている。摺動杆52は、摺動片53を円形トンネル部51aに収容するようにして、かつ長手方向を上下方向にして円弧状スリット51に挿通され、円形トンネル部51aを摺動する摺動片53により上下方向の動きを制御されながら円弧状スリット51に沿って摺動する。
【0032】
次に、上記のような構成を有するシャワーヘッド100の使用方法、及び各部の構成による作用・効果について説明する。
シャワーヘッド100を使用する際には、まず、不図示の水栓を開いて不図示のホースを通じハンドル部20の内部へ水を供給する。続けて切替えボタン21を操作して、スライドバルブ22を開いて、
図9に示すように、ハンドル部20からヘッド部10へと送水を行う。ハンドル部20からヘッド部10へ供給された水は、ケーシング11の連結口11e、及び弁箱本体451の連結口451aを介して摺動弁体44の内部へ流入する。
【0033】
ここで、線状の吐水をシャワー状の吐水に切り替える場合には、回動操作部12aを平面視で左回りに回動させる。すると、
図8(b)に示すように、摺動片53が、円弧状スリット51の一端側(
図8(b)の右上側)に当接した状態から、円弧状スリット51の他端側へ相対的に摺動する。そして、
図13(b)に示すように、摺動片53が、傾斜部51cから平坦部51dに移動すると、
図5に示すように、摺動片53とともに摺動杆52が、ヘッド部10の上側へ摺動して、摺動弁体44を上側へ摺動させる。こうして、摺動弁体44の切替え窓44aが上面側開口451c、連通路453を介して、シャワー送水口452dに連通し、ハンドル部20から摺動弁体44の内部へ供給された水が、シャワー吐水室流入口133bを通ってシャワー面131に供給される。
【0034】
また、このように、摺動片53が円弧状スリット51の傾斜部51cから平坦部51dに移った直後においては、
図13(a)に示すように、ノズル窓11dは開いている。この後、回動操作部12aを平面視で左側の回動範囲限界まで、即ち、
図4(b)に示すように、摺動片53が、円弧状スリット51の他端側(
図4(b)の右下)に当接するまで回動すると、回動操作部12aとともに、開閉扉122(12c,12f)が回動して、
図4(a)に示すように、ノズル窓11dを閉鎖する。
【0035】
逆に、シャワー状の吐水から線状の吐水に切り替える場合には、
図4(b)の状態から
図8(b)の状態となるよう、回動操作部12aを平面視で右回りに回動させる。途中、
図13(b)に示したように、摺動片53が平坦部51dの傾斜部51c側との境界部まで摺動すると、回動操作部12aとともに開閉扉122が回動して、
図13(a)に示すように、ノズル窓11dが開放される。
【0036】
しかるのち、さらに回動操作部12aを平面視右側へ回動すると、
図8(b)に示すように、摺動片53が、円弧状スリット51に対し相対的に摺動し、円弧状スリット51の一端側(
図8(b)の右上側)の傾斜部51cを下降する。すると、摺動杆52が、
図9に示すように、ヘッド部10の下側へ摺動して、摺動弁体44を下側へ摺動させる。こうして、摺動弁体44の切替え窓44aが弁箱45のノズル送水口451bに連通し、ハンドル部20から摺動弁体44へ供給された水が、ノズル送水口451b、ノズル分配室の流入口312aを通り、さらに、
図10、
図11に示すように、ノズル用分配室312、内ノズル旋回室の射出孔311a、及び内ノズル旋回室311を通って、ノズル孔321aに供給される。
【0037】
射出孔311aは、内ノズル旋回室311の軸心から変位した位置に設けられているため、射出孔311aから射出された水は、内ノズル旋回室311内でその軸周りに回流し、内ノズル322を首振り状に旋回させる。こうして、内ノズル322のノズル孔322aからの吐水が首振り状に旋回する。
【0038】
シャワーヘッド100は、ヘッド部10の蓋面10aからシャワー状の吐水を行い、側壁10bから線状の吐水を行い、かつヘッド部10がハンドル部20に対し回動不能に設けられているので、シャワーを浴びようとして誤って線状の吐水を浴びてしまうことを抑制できる。
【0039】
また、線状ノズル32がヘッド部10からハンドル部20の延出する方向と逆側の側面(前側の側面)10bに設けられているので、線状の吐水をより広い範囲に行うことができる。
【0040】
また、摺動弁40は、シャワー送水口452dがノズル送水口451bよりシャワーに近接して設けられ、摺動弁体44の切替え窓44aがシャワー面131に接離する方向に摺動するので、シャワー送水口452dからシャワー面131までの送水路と、ノズル送水口451bからの線状ノズル32までの送水路が交差することが無い。
【0041】
また、ヘッド部10の側壁の周方向に回動する円弧状スリット51により、摺動弁40を操作するようにしたので、ヘッド部10の側壁10bに吐水方法を切替えるレバー等を配設できる。
【0042】
さらに、円弧状スリット51を回動操作する回動操作部12aは、ヘッド部10の側壁10bの一部を構成するため、ヘッド部10の水密性を十分に確保することができる。
【0043】
本発明のシャワーヘッドは、上記の実施形態に限られず、例えば、シャワーヘッドは円筒形に限らず、角筒形等、各種の断面形状を有する筒型を用いることができる。ノズル部はハンドル部の延出する方向と逆側でない方向に向けるようにしてもよい、摺動弁に限らず、他の公知の弁を用いて吐水方向を切替えてもよい。摺動弁は、円弧状スリットに限らず、他のカム機構等、公知の機構を適宜に用いて操作してもよい。線状ノズルは、首振り式でなくともよいし、1個でも、3個以上でもよい。摺動弁体は、箱状でなく板状等他の形状を有していてもよく、切替え窓を2つ以上設けてもよい。