(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
天板部と、底板部と、長手方向に沿って前記天板部と前記底板部とを接続するように延びる複数の仕切部と、前記複数の仕切部に隣接して前記長手方向に沿って設けられる複数の空洞部と、を有する樹脂製の基材と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記天板部に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記底板部に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板と、
前記天板部および前記底板部のいずれか一方と一体に形成された断面かぎ状の形態の1以上の受け部であって、前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板のいずれか一方が内側に差し込まれる1以上の受け部と、
前記1以上の第1補強板と、前記1以上の第2補強板と、の間の位置で前記複数の空洞部内に充填された多孔質の樹脂充填材と、
を備える電磁波透過性補強棚板。
前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板は、前記長手方向と交差する方向に関する中央部から外れた位置に設けられる請求項1に記載の電磁波透過性補強棚板。
前記複数の空洞部のいずれかの内部に設けられ、前記1以上の第1補強板と、前記1以上の第2補強板と、を連結する金属製の1以上の連結板を備える請求項1に記載の電磁波透過性補強棚板。
前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板のそれぞれは、前記基材の前記長手方向に関して略全長に亘って設けられる請求項1に記載の電磁波透過性補強棚板。
前記1以上の第1補強板、前記1以上の第2補強板、および前記1以上の連結板は、前記基材の厚み方向と交差する方向に関する外側に向けて開放した開放部を有する請求項10に記載の電磁波透過性補強棚板。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような棚板は、補強桟の数を増加することで、撓みにくい高剛性の棚板を実現できる。しかしながら、補強桟の数を増加させると、棚板の重量が増大する問題がある。また、金属製の補強桟が電磁波を遮断してしまうために、補強桟の数を増加させると、棚板に対する電磁波の透過性が悪くなるといった問題がある。
【0005】
従って、本発明の課題の一つは、軽量かつ高剛性で電磁波の透過性が良好な電磁波透過性補強棚板、ラック、電磁波透過性補強棚板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)の電磁波透過性補強棚板は、天板部と、底板部と、長手方向に沿って前記天板部と前記底板部とを接続するように延びる複数の仕切部と、前記複数の仕切部に隣接して前記長手方向に沿って設けられる複数の空洞部と、を有する樹脂製の基材と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記天板部に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記底板部に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板と、
前記1以上の第1補強板と、前記1以上の第2補強板と、の間の位置で前記複数の空洞部内に充填された多孔質の樹脂充填材と、
を備える。
【0007】
また、本発明(2)の電磁波透過性補強棚板は、(1)記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板は、前記長手方向と交差する方向に関する中央部から外れた位置に設けられる。
【0008】
また、本発明(3)の電磁波透過性補強棚板は、(1)記載の陳列棚用表示具であって、
前記複数の空洞部のいずれかの内部に設けられ、前記1以上の第1補強板と、前記1以上の第2補強板と、を連結する金属製の1以上の連結板を備える。
【0009】
また、本発明(4)の電磁波透過性補強棚板は、(3)記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記1以上の連結板は、前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板とともにU字形の断面をなしている。
【0010】
また、本発明(5)の電磁波透過性補強棚板は、(4)記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記1以上の連結板は、前記複数の仕切部のいずれかに沿うように配置され、
前記1以上の第1補強板、前記1以上の第2補強板、および前記1以上の連結板は、前記基材の厚み方向と交差する方向に開放した開放部を有する。
【0011】
また、本発明(6)の電磁波透過性補強棚板は、(1)記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記基材の前記長手方向の両端部に設けられ、前記複数の空洞部を密封する複数の封止部材を備え、
前記複数の封止部材のそれぞれは、前記複数の空洞部に対応するように設けられた複数の貫通孔であって、硬化前の前記多孔質の樹脂充填材を前記複数の空洞部内に案内する複数の貫通孔を有する。
【0012】
また、本発明(7)の電磁波透過性補強棚板は、(1)に記載の電磁波透過性補強棚板であって、前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板のそれぞれは、前記基材の前記長手方向に関して略全長に亘って設けられる。
【0013】
また、本発明(8)の電磁波透過性補強棚板は、(1)に記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記多孔質の樹脂充填材は、発泡ウレタンである。
【0014】
また、本発明(9)の電磁波透過性補強棚板は、(5)に記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記複数の仕切部は、2個である。
【0015】
また、本発明(10)の電磁波透過性補強棚板は、(9)に記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記1以上の第1補強板、前記1以上の第2補強板、および前記1以上の連結板は、前記基材の厚み方向と交差する方向に関する外側に向けて開放した開放部を有する。
【0016】
また、本発明(11)の電磁波透過性補強棚板は、(10)に記載の電磁波透過性補強棚板であって、
前記2個の仕切部は、3個の前記空洞部を前記長手方向と交差する方向に関して均等な長さに規定する。
【0017】
また、本発明(12)のラックは、1以上の電磁波透過性補強棚板と、
前記電磁波透過性補強棚板を支持するフレームと、
を備え、
前記1以上の電磁波透過性補強棚板のそれぞれは、
天板部と、底板部と、長手方向に沿って前記天板部と前記底板部とを接続するように延びる複数の仕切部と、前記仕切部に隣接して前記長手方向に沿って設けられる複数の空洞部と、を有する樹脂製の基材と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記天板部に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板と、
前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記底板部に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板と、
前記1以上の第1補強板と、前記1以上の第2補強板と、の間の位置で前記空洞部内に充填された多孔質の樹脂充填材と、
を備える。
【0018】
また、本発明(13)の電磁波透過性補強棚板の製造方法は、樹脂製の基材の複数の空洞部に対して、長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で前記基材の天板部を裏打ちするように1以上の第1補強板を差し込み、
樹脂製の前記基材の前記複数の空洞部に対して、前記長手方向と交差する方向に関する前記両端部から外れた位置で前記基材の底板部を裏打ちするように1以上の第2補強板を差し込み、
前記1以上の第1補強板と前記1以上の第2補強板との間の位置に未硬化の多孔質の樹脂充填材を充填し、その位置で前記多孔質の樹脂充填材を硬化させる。
【0019】
また、本発明(14)の電磁波透過性補強棚板の製造方法は、(13)に記載の電磁波透過性補強棚板の製造方法であって、
前記1以上の第1補強板および前記1以上の第2補強板は、前記長手方向と交差する方向に関する中央部から外れた位置に差し込まれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、軽量かつ高剛性で電磁波の透過性が良好な電磁波透過性補強棚板を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の電磁波透過性補強棚板の実施形態について説明する。本発明の電磁波透過性補強棚板は、商店等に設置されるラック(棚)に対して着脱可能に構成されるものである。また、本発明の電磁波透過性補強棚板は、内蔵する補強板によって十分な剛性を確保しつつ、電磁波の透過性と低重量とを併せ持つ棚板を実現するものである。
[第1実施形態]
【0023】
図1から
図14を参照して、第1実施形態の電磁波透過性補強棚板11およびそれを備えたラック12について説明する。
【0024】
図1、
図2に示すように、ラック12は、柱状部材13Aを直方体形に枠組みして形成された金属製のフレーム13と、フレーム13の縦に延びる一対の柱状部材13A間に横方向に渡された金属製の複数の係合部14と、一対の係合部14間に横方向に渡された複数の電磁波透過性補強棚板11と、を備える。フレーム13は、電磁波透過性補強棚板11を支持することができる。
図14に示すように、係合部14は、断面L字形に形成されている。係合部14は、載置面14Aを有し、この載置面14Aに電磁波透過性補強棚板11が載置される。載置面14Aは、上方向に向けて突出した複数のピン15を有する。電磁波透過性補強棚板11の底面には、この複数のピン15と相補的な形状の凹部16が設けられる(
図4、
図5参照)。
【0025】
図11に示すように、電磁波透過性補強棚板11の上面には、複数の商品17を載置することができる。本実施形態では、商品17は、例えば衣料品で構成されているが、商品17の例は衣料品に限られるものではない。商品17は、例えば、生活雑貨、鞄、靴、帽子、飲食物、医薬品、電子機器、本、その他であってもよい。本実施形態の電磁波透過性補強棚板11は、次に述べるように補強部材21(第1補強板21A、第2補強板21B)を有するために、商品17を載置した状態でも、撓み量が小さくなるように十分な剛性を有する。
【0026】
図2に示すように、電磁波透過性補強棚板11のそれぞれは、一対の係合部14に対して着脱可能に構成されている。電磁波透過性補強棚板11は、ラック12の長手方向Lに沿って細長く延びている。
【0027】
図3から
図6に示すように、電磁波透過性補強棚板11のそれぞれは、樹脂材料(合成樹脂材料)によって一体的に成形された基材22を有する。基材22は、平板状をなした天板部23と、天板部23と対向するとともに平板状をなした底板部24と、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lに沿って天板部23と底板部24とを接続するように延びる複数の仕切部25と、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lに沿って天板部23と底板部24とを接続するように延びる複数の側壁部26と、一対の仕切部25に隣接して電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lに沿って設けられる複数の空洞部27と、天板部23の空洞部27に対向する面に設けられる第1受け部31と、底板部24の空洞部27に対向する面に設けられる第2受け部32と、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lの両端部の近傍で底板部24に設けられる円形の複数の通し穴33と、を有する。基材22は、例えば、押出成形によって形成されてもよい。
【0028】
図6に示すように、複数の仕切部25は、天板部23および底板部24と交差(直交)する方向に延びている。複数の仕切部25は、基材22の内部空間を等分に分割するように設けられている。本実施形態では、2個の仕切部25は、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lと交差する方向Sに関して、基材22の内部空間を例えば、均等な長さ(寸法A)の3個の空洞部27として規定している。複数(2個)の側壁部26は、天板部23および底板部24と交差(直交)する方向に延びている。複数(2個)の側壁部26は、天板部23、底板部24、および後述する化粧板34とともに、電磁波透過性補強棚板11の外殻を構成している。
【0029】
図6に示すように、複数の空洞部27は、互いに容積を略同一にするように設けられている。第1受け部31は、断面かぎ状の形態をなして天板部23と一体に形成されている。第2受け部32は、断面かぎ状の形態をなして底板部24と一体に形成されている。
【0030】
図4から
図6に示すように、電磁波透過性補強棚板11のそれぞれは、複数の空洞部27のいずれかの内側に配置される複数の補強部材21と、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lの両端部に設けられる複数(2個)の封止部材35と、封止部材35の外側に固着された化粧板34と、基材22の通し穴33に差し込まれて固定される有底円筒形のキャップ部材36と、補強部材21の後述する第1補強板21Aと第2補強板21Bとの間の位置で空洞部27内に充填された多孔質の樹脂充填材37と、を備える。
図12に示すように、複数の補強部材21のそれぞれは、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lに沿って設けられている。
【0031】
図6に示すように、複数の補強部材21のそれぞれは、長手方向Lと交差する方向Sに関する電磁波透過性補強棚板11の端部11A(両端部)から外れた位置に設けられている。また、補強部材21は、長手方向Lと交差する方向Sに関する電磁波透過性補強棚板11の中央部11Bから外れた位置に設けられている。
図12に示すように、複数の補強部材21のそれぞれは、基材22の長手方向Lに関して略全長に亘って設けられる。このため、電磁波透過性補強棚板11の剛性が向上しており、電磁波透過性補強棚板11上に商品17が載置された場合でも、商品17の重さによって電磁波透過性補強棚板11が撓みにくい高剛性の電磁波透過性補強棚板11が実現される。ここで、略全長は、長手方向Lに関する電磁波透過性補強棚板11の長さ寸法(全長)と同等か、それよりも若干小さい寸法であって基材22の内部に実質的に収納可能な寸法、であってもよい。
【0032】
図6に示すように、補強部材21は、天板部23に沿って設けられる第1補強板21Aと、底板部24に沿って設けられる第2補強板21Bと、第1補強板21Aと第2補強板21Bとを連結する連結板21Cと、を有する。補強部材21は、断面略U字形で一体的に形成されている。補強部材21は、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。補強部材21は、製造コストおよび強度のバランスから、鉄で構成されることが好ましい。第1補強板21Aは、第2補強板21Bと略平行に設けられている。
【0033】
第1補強板21Aは、平板状に形成され、天板部23を内側から裏打ちするように配置される。第1補強板21Aの第1先端部21AAは、第1受け部31の内側に差し込まれて保持される。第2補強板21Bは、平板状に形成され、底板部24を内側から裏打ちするように配置される。第2補強板21Bの第2先端部21BAは、第2受け部32の内側に差し込まれて保持される。連結板21Cは、仕切部25に沿って配置され、仕切部25と当接するように配置される。補強部材21は、基材22の厚み方向と交差する方向に開放した開放部21Dを有する。
【0034】
本実施形態では、開放部21Dは、基材22の厚み方向と交差する方向で、且つ外側に向けて配置されているが、開放部21Dの配置位置はこれに限られるものではない。例えば、基材22の内部を4等分するように空洞部27および仕切部25を設けて、中央部11Bに位置する2個の空洞部27内に補強部材21を配置し、開放部21Dを中央部に向けるように補強部材21を配置してもよい。
【0035】
図4に示すように、複数の封止部材35のそれぞれは、基材22の長手方向Lの両端部に設けられた開口部38を塞ぐ蓋状に形成されている。封止部材35は、基材22に装着された際に、空洞部27の内部を密封することができる。
図8に示すように、複数の封止部材35のそれぞれは、平板状の基部41と、基部41から長方形の枠状に突出した複数の枠部42と、枠部42の内側で複数の空洞部27に対して1対1で対応するように基部41に設けられる複数の円形の貫通孔43と、を有する。封止部材35は、例えば、樹脂材料(合成樹脂材料)によって一体的に成形されてもよい。貫通孔43は、例えば、空洞部27の中心に対応する位置に設けられている。枠部42は、封止部材35を基材22に固定する際に、空洞部27内に差し込まれて保持される。
【0036】
図4に示すように、複数の化粧板34のそれぞれは、例えば、樹脂材料(合成樹脂材料)によって平板状に形成されている。化粧板34は、例えば、両面テープによって封止部材35と一体になるように封止部材35に接着されることが好ましい。或いは、化粧板34は、封止部材35の貫通孔43からはみ出した多孔質の樹脂充填材37を用いて、化粧板34と封止部材35との間で樹脂充填材37を硬化させることで、封止部材35と一体になるように接着されてもよい。
【0037】
図4、
図5に示すように、複数のキャップ部材36のそれぞれは、例えば、樹脂材料(合成樹脂材料)又は金属材料によって有底の円筒形に形成されている。キャップ部材36は、中心部に、係合部14のピン15を受容可能な凹部16を有している。
【0038】
多孔質の樹脂充填材37は、例えば、硬質の発泡ウレタン(ウレタンフォーム)で構成されている。多孔質の樹脂充填材37は、注入機器を用いて、貫通孔43を介して空洞部27内に充填(注入)され、空洞部27内で硬化されることで、空洞部27内を隙間なく密封できる。
【0039】
硬質の発泡ウレタンは、一般的な市販の発泡ウレタン(ウレタンフォーム)を用いることができる。発泡ウレタンは、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを混合するとともに、これにその他の成分として整泡剤(シリコーンオイル)、水、触媒(アミン化合物)、発泡剤(代替フロン、炭酸ガス)、架橋剤(グリセリン)等を混合し、硬化させたい箇所で所定時間放置することで硬化させることができる。
【0040】
続いて、
図6から
図10を参照して、本実施形態の電磁波透過性補強棚板の製造方法について説明する。
【0041】
図7に示すように、基材22の空洞部27のうち、長手方向Lと交差する方向Sに関する外側に位置する2個の空洞部27に1対1で対応するように2個の補強部材21を差し込む。その際、
図6に示すように、基材22の天板部23を裏打ちするように2個の第1補強板21Aを差し込み、基材22の底板部24を裏打ちするように2個の第2補強板21Bを差し込むようにする。作業者は、第1補強板21Aの第1先端部21AAを第1受け部31の内側に位置させ、第2補強板21Bの第2先端部21BAを第2受け部32の内側に位置させるように補強部材21を差し込む。このとき、連結板21Cは、仕切部25に沿うように空洞部27内に差し込まれる。
【0042】
補強部材21を完全に空洞部27内に差し込んだ後に、
図8に示すように、基材22の長手方向Lの両端部の開口部38を塞ぐように、基材22に対して封止部材35を固定する。
【0043】
図9に示すように、複数のキャップ部材36を複数の通し穴33内に差し込む。この状態で、作業者は、多孔質の樹脂充填材37(発泡ウレタン)の注入用の注入機器のノズルを貫通孔43に差し込む。多孔質の樹脂充填材37の空洞部27への注入は、一方の貫通孔43から行われることが好ましいが、一個の空洞部27に対して両方の貫通孔43から同時に行われてもよい。
【0044】
一方の貫通孔43から多孔質の樹脂充填材37の空洞部27への注入を行った場合には、作業者は、封止部材35の貫通孔43を介して、空洞部27への多孔質の樹脂充填材37の注入を行い、この多孔質の樹脂充填材37が反対側に位置する封止部材35の貫通孔43から漏れ出したときに、空洞部27内に隙間なく多孔質の樹脂充填材37が充填されたものとみなして、多孔質の樹脂充填材37の注入を停止する。同様のやり方によって、他の2個の空洞部27へも多孔質の樹脂充填材37を注入する。隣接する3個の空洞部27に対して同時に多孔質の樹脂充填材37を充填するようにしてもよい。
【0045】
図10に示すように、貫通孔43からはみ出した多孔質の樹脂充填材37を用いて、化粧板34を封止部材35に固定する。所定時間を経て、多孔質の樹脂充填材37が硬化することによって、基材22に対して封止部材35、キャップ部材36、化粧板34が固定される。また、補強部材21の第1補強板21Aと第2補強板21Bとの間に多孔質の樹脂充填材37が配置されるために、第1補強板21Aが天板部23に対して隙間なく密着し、第2補強板21Bが底板部24に対して隙間なく密着する。また、内部で膨張した多孔質の樹脂充填材37が第1補強板21Aおよび第2補強板21Bを内側から支持する構造となる。これらの構造によって、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bを厚み方向に撓みにくい構造にすることができる。このため、補強部材21全体としても電磁波透過性補強棚板11の厚み方向に撓みにくい構成にすることができる。
【0046】
図11から
図14を参照して、本実施形態の電磁波透過性補強棚板11を備えるラック12の作用について説明する。
【0047】
図11に示すように、本実施形態のラック12の電磁波透過性補強棚板11には、複数の商品17(衣料品)を載置することができる。複数の商品17は、ラック12の表側44に位置する電磁波透過性補強棚板11と、ラック12の裏側45に位置する電磁波透過性補強棚板11と、の両方に載置できる。
【0048】
図12に示すように、商品17は、電磁波透過性補強棚板11の上面に載置される。本実施形態では、電磁波透過性補強棚板11は、商品17の寸法に合わせて、商品17の縦方向の寸法よりもやや大きい寸法となるように設計されている。商品17のタグ17Aには、RFタグ(RFID)等のチップが埋め込まれている。RFタグ(RFID)等のチップには、電子情報(商品名称、商品識別番号、価格、製造年月日、製造地)が記憶されている。店舗管理者は、図示しない管理用端末(リーダライタ)を用いて、ラック12に向けてスキャン用の電磁波を射出し、RFタグからの応答信号の電磁波を取得することで、無線的に商品17の在庫数を瞬時に把握できる。また、管理用端末(リーダライタ)は、店舗管理者が手で把持して操作するのではなく、例えば、店舗の天井部分や床部分などに据え付けて設置されてもよい。管理用端末(リーダライタ)は、ラック12の上方又は下方から、ラック12に向けて例えば所定の時間間隔でスキャン用の電磁波を射出し、RFタグからの応答信号の電磁波を取得して商品の在庫数を自動的に把握してもよい。
【0049】
商品17のタグ17Aは、商品17の種類によって配置が異なる場合がある。
図12に示すように、第1態様の商品17では、商品17のネック部、すなわち電磁波透過性補強棚板11の奥行方向Sにおける奥部に配置される。或いは、
図13に示すように、第2態様の商品17では、商品17の裾部、すなわち電磁波透過性補強棚板11の奥行方向Sにおける手前部に配置される。
【0050】
一方、電磁波透過性補強棚板11の補強部材21(第1補強板21A、第2補強板21B)は、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部11A(奥行方向Sにおける奥部、手前部)および中央部11Bから外れた位置に配置されている。このため、店舗管理者は、管理用端末(リーダライタ)を用いて、ラック12に向けて電磁波を射出した場合でも、電磁波透過性補強棚板11の補強部材21(第1補強板21A、第2補強板21B)によって当該電磁波がシールド(遮断)されてしまうことを極力防止できる。これによって、商品在庫数に検出誤差を生じることを極力防止できる。
【0051】
さらに、店舗管理者は、
図14に示すように、必要に応じて商品17を載置したまま、電磁波透過性補強棚板11の位置の入れ替え作業を行うことができる。店舗管理者は、電磁波透過性補強棚板11を持ち上げて、係合部14のピン15に対してキャップ部材36の凹部16を位置合わせして嵌め込むことで、フレーム13に対して電磁波透過性補強棚板11を簡単に固定することができる。その際、電磁波透過性補強棚板11の重量が大きくないために、例えば、女性の店舗管理者でも容易に電磁波透過性補強棚板11を持ち上げることができる。
【0052】
また、
図4、
図5に示すように、キャップ部材36は、電磁波透過性補強棚板11の長手方向Lの両端部に、4個横並びに設けられている。係合部14の載置面14Aの2個のピン15は、この4個のキャップ部材36のいずれか2個に差し込むことができる。このため、店舗管理者は、電磁波透過性補強棚板11をフレーム13から取り外し後に、例えば、電磁波透過性補強棚板11の中央部を中心に、水平面内で電磁波透過性補強棚板11を180°回転した位置(電磁波透過性補強棚板11の手前側と奥側を入れ替えた位置)で、再びラック12の同じ係合部14に対して電磁波透過性補強棚板11を装着することもできる。
【0053】
本実施形態によれば、以下のことがいえる。電磁波透過性補強棚板11は、天板部23と、底板部24と、長手方向Lに沿って天板部23と底板部24とを接続するように延びる複数の仕切部25と、複数の仕切部25に隣接して長手方向Lに沿って設けられる複数の空洞部27と、を有する樹脂製の基材22と、複数の空洞部27のいずれかの内部で、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部から外れた位置で天板部23に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板21Aと、複数の空洞部27のいずれかの内部で、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部から外れた位置で底板部24に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板21Bと、1以上の第1補強板21Aと、1以上の第2補強板21Bと、の間の位置で複数の空洞部27内に充填された多孔質の樹脂充填材37と、を備える。
【0054】
ラック12は、1以上の電磁波透過性補強棚板11と、電磁波透過性補強棚板11を支持するフレーム13と、を備え、1以上の電磁波透過性補強棚板11のそれぞれは、天板部23と、底板部24と、長手方向Lに沿って天板部23と底板部24とを接続するように延びる複数の仕切部25と、仕切部25に隣接して長手方向Lに沿って設けられる複数の空洞部27と、を有する樹脂製の基材22と、複数の空洞部27のいずれかの内部で、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部から外れた位置で天板部23に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板21Aと、複数の空洞部27のいずれかの内部で、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部から外れた位置で底板部24に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板21Bと、1以上の第1補強板21Aと、1以上の第2補強板21Bと、の間の位置で空洞部27内に充填された多孔質の樹脂充填材37と、を備える。
【0055】
これらの構成によれば、金属製の第1補強板21Aおよび第2補強板21Bが両端部から外れた位置に設けられるために、商品17の在庫を電磁波で無線的に把握する際に、当該電磁波を第1補強板21Aおよび第2補強板21Bによって遮断(シールド)してしまうことを防止できる。これによって、商品17の在庫数の検出誤差を生じることを防止できる。また、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bの間に、多孔質の樹脂充填材37が介在されるために、商品17の重さによって電磁波透過性補強棚板11が厚さ方向に荷重が加えられる場合でも、多孔質の樹脂充填材37によって第1補強板21Aおよび第2補強板21Bを内側から支持することができる。これによって、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bが折れ曲がるのを防止して、厚み方向への圧縮にも強い高剛性の電磁波透過性補強棚板11を実現できる。さらに、空洞部27内に充填される樹脂充填材37は、樹脂製であり、且つ、多孔質でもあるので、極めて軽量であり、電磁波透過性補強棚板11の重量増加を防ぐことができる。これによって、たとえ女性の店舗管理者であっても、電磁波透過性補強棚板11に商品17を載せた状態のまま、ラック12内で棚板の位置を入れ替える作業を比較的に容易に行うことができる。また、充填材が、多孔質の樹脂充填材37であるために、電磁波透過性補強棚板11の電磁波透過性に悪影響を及ぼすことがない。
【0056】
この場合、1以上の第1補強板21Aおよび1以上の第2補強板21Bは、長手方向Lと交差する方向Sに関する中央部から外れた位置に設けられる。この構成によれば、電磁波透過性補強棚板11の中央部を通る電磁波を第1補強板21Aおよび第2補強板21Bによって遮断(シールド)してしまうことを防止できる。これによって、上方又は下方から電磁波を射出する場合でも、途中にある第1補強板21Aおよび第2補強板21Bによってスキャン用の電磁波が遮断され、中段に位置する電磁波透過性補強棚板11にまで電磁波が届かなくなる不具合を極力防止できる。
【0057】
電磁波透過性補強棚板11は、複数の空洞部27のいずれかの内部に設けられ、1以上の第1補強板21Aと、1以上の第2補強板21Bと、を連結する金属製の1以上の連結板21Cを備える。この構成によれば、連結板21Cを設けることによって、第1補強板21A、第2補強板21B、および連結板21Cの断面係数(断面二次モーメント)を大きくして、電磁波透過性補強棚板11の厚み方向に関して第1補強板21Aおよび第2補強板21Bがさらに曲がりにくい構成を実現できる。これによって、電磁波透過性補強棚板11の重量増加を極力防止しつつ、高剛性の電磁波透過性補強棚板11を実現できる。
【0058】
1以上の連結板21Cは、1以上の第1補強板21Aおよび1以上の第2補強板21BとともにU字形の断面をなしている。この構成によれば、第1補強板21A、第2補強板21B、および連結板21Cを含む構造の断面係数(断面二次モーメント)を大きくして、これらを曲がりにくい構造にすることができる。これによって、高剛性の電磁波透過性補強棚板11を実現できる。
【0059】
1以上の連結板21Cは、複数の仕切部25のいずれかに沿うように配置され、1以上の第1補強板21A、1以上の第2補強板21B、および1以上の連結板21Cは、基材22の厚み方向と交差する方向に開放した開放部21Dを有する。
【0060】
この構成によれば、第1補強板21A、第2補強板21B、および連結板21Cによって、空洞部27の内部をさらに細かく区切ってしまうことがない。このため、多孔質の樹脂充填材37を空洞部27に充填する際に、1回の作業で充填を完了することができ、電磁波透過性補強棚板11を製造する際の作業効率を向上できる。
【0061】
電磁波透過性補強棚板11は、基材22の長手方向Lの両端部に設けられ、複数の空洞部27を密封する複数の封止部材35を備え、複数の封止部材35のそれぞれは、複数の空洞部27に対応するように設けられた複数の貫通孔43であって、硬化前の多孔質の樹脂充填材37を複数の空洞部27内に案内する複数の貫通孔43を有する。この構成によれば、貫通孔43を介して硬化前の多孔質の樹脂充填材37を空洞部27内に充填することで、高剛性かつ軽量な電磁波透過性補強棚板11を簡単に製造することができる。
【0062】
1以上の第1補強板21Aおよび1以上の第2補強板21Bのそれぞれは、基材22の長手方向Lに関して略全長に亘って設けられる。この構成によれば、電磁波透過性補強棚板11の剛性を向上でき、電磁波透過性補強棚板11上に多くの商品17が載置された場合でも、、電磁波透過性補強棚板11が大きく撓んでしまうことを防止できる。
【0063】
多孔質の樹脂充填材37は、発泡ウレタンである。この構成によれば、使い勝手の良い発泡ウレタンを用いることで、高剛性かつ軽量な電磁波透過性補強棚板11を実現できる。
【0064】
複数の仕切部25は、2個である。この構成によれば、基材22の内部を3つの空洞部27に仕切ることができる。これによって、空洞部33の数を最小限にして、空洞部33内に多孔質の樹脂充填材37を配置させる際の作業工数を最小限にできる。これによって、電磁波透過性補強棚板11の製造効率を向上できる。
【0065】
1以上の第1補強板21A、1以上の第2補強板21B、および1以上の連結板21Cは、基材22の厚み方向と交差する方向に関する外側に向けて開放した開放部21Dを有する。この構成によれば、空洞部33を連結部21Cによってさらに細かく仕切ってしまう恐れがなく、空洞部33内に多孔質の樹脂充填材37を配置させる際の作業工数を最小限にできる。これによって、電磁波透過性補強棚板11の製造効率を向上できる。
【0066】
2個の仕切部25は、3個の空洞部27を長手方向Lと交差する方向Sに関して均等な長さに規定する。この構成によれば、隣接する空洞部27間で、極端に剛性が異なってしまうことがなく、長手方向Lと交差する方向Sに関して略均一な剛性を有する電磁波透過性補強棚板11を実現できる。
【0067】
本実施形態の電磁波透過性補強棚板の製造方法は、樹脂製の基材22の複数の空洞部27に対して、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部11Aから外れた位置で基材22の天板部23を裏打ちするように1以上の第1補強板21Aを差し込み、樹脂製の基材22の複数の空洞部27に対して、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部11Aから外れた位置で基材22の底板部24を裏打ちするように1以上の第2補強板21Bを差し込み、1以上の第1補強板21Aと1以上の第2補強板21Bとの間の位置に未硬化の多孔質の樹脂充填材37を充填し、その位置で多孔質の樹脂充填材37を硬化させる。
【0068】
この構成によれば、第1補強板21Aと第2補強板21Bとの間の位置で多孔質の樹脂充填材37を充填し、その位置で硬化させることで、極めて簡単に第1補強板21Aを天板部23に密着するように固定できるとともに、第2補強板21Bを底板部24に密着するように固定できる。そして、第1補強板21Aと第2補強板21Bとの間の位置に多孔質の樹脂充填材37が充填されるために、電磁波透過性補強棚板11に曲げ荷重が加えられた際にも第1補強板21Aおよび第2補強板21Bが曲がりにくい高剛性の電磁波透過性補強棚板11を製造できる。また、充填物が多孔質の樹脂充填材37で構成されるために、電磁波透過性補強棚板11の重量増加を極力防止できるとともに電磁波透過性に悪影響を及ぼすことがない。さらに、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bは、長手方向Lと交差する方向Sに関する両端部11Aから外れた位置に配置されるために、この両端部11Aの位置で電磁波透過性を発揮できる。
【0069】
この場合、1以上の第1補強板21Aおよび1以上の第2補強板21Bは、長手方向Lと交差する方向Sに関する中央部11Bから外れた位置に差し込まれる。この構成によれば、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bは、長手方向Lと交差する方向Sに関する中央部11Bから外れた位置に配置されるために、この中央部の位置で電磁波透過性を発揮できる。これによって、さらにこの方法で製造される電磁波透過性補強棚板11の電磁波透過性を良好にすることができ、電磁波透過性補強棚板11を多段で設置するラック12に電磁波透過性補強棚板11を用いる場合でも、中段の電磁波透過性補強棚板11にまで電磁波を届きやすくすることができる。
【0070】
以下の変形例および実施形態では、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
(変形例)
【0071】
図15に、変形例に係る電磁波透過性補強棚板およびそれを備えたラック12を示す。本変形例では、ラック12の側部に第2電磁波透過性補強棚板51およびそれを支持する金属製で腕木状の第2係合部52を配置している。この第2電磁波透過性補強棚板51は、第1実施形態の電磁波透過性補強棚板11とはその長手方向に関する長さが異なっているものの、それ以外は同様の構成を有する。すなわち、第2電磁波透過性補強棚板51の長手方向に関する長さは、第1実施形態の電磁波透過性補強棚板11の長手方向に関する長さよりも小さい。本変形例によっても、電磁波の透過性を確保した軽量・高剛性の第2電磁波透過性補強棚板51およびそれを備えたラック12を実現できる。
[第2実施形態]
【0072】
図16を参照して、電磁波透過性補強棚板11の第2実施形態について説明する。本実施形態では、補強部材21のそれぞれの構成が第1実施形態とは異なっている。
【0073】
補強部材21のそれぞれは、天板部23に沿って設けられる第1補強板21Aと、底板部24に沿って設けられ第1補強板21Aと対向する第2補強板21Bと、を有している。本実施形態の補強部材21は、第1実施形態とは異なり、連結板21Cを有しておらず、互いに分離した第1補強板21Aおよび第2補強板21Bを有する。複数の補強部材21のそれぞれは、基材22の長手方向Lに関して略全長に亘って設けられる。このため、電磁波透過性補強棚板11の剛性が向上しており、電磁波透過性補強棚板11上に商品17が載置された場合でも、商品17の重さによって電磁波透過性補強棚板11が撓みにくい高剛性の電磁波透過性補強棚板11が実現される。ここで、略全長は、長手方向Lに関する電磁波透過性補強棚板11の長さ寸法(全長)と同等か、それよりも若干小さい寸法であって基材22の内部に実質的に収納可能な寸法、であってもよい。
【0074】
補強部材21は、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属材料によって形成されている。補強部材21は、製造コストおよび強度のバランスから、鉄で構成されることが好ましい。第1補強板21Aは、第2補強板21Bと略平行に設けられている。第1補強板21Aは、平板状に形成され、天板部23を内側から裏打ちするように配置される。第2補強板21Bは、平板状に形成され、底板部24を内側から裏打ちするように配置される。補強部材21は、基材22の厚み方向と交差する方向に開放した開放部21Dを有する。
【0075】
第1受け部31は、断面かぎ状の形態をなして天板部23と一体に形成されている。第2受け部32は、断面かぎ状の形態をなして底板部24と一体に形成されている。第3受け部53は、天板部23の近傍で、仕切部25から天板部23と略平行に突出する板状に形成されている。第4受け部54は、底板部24の近傍で、仕切部25から底板部24と略平行に突出する板状に形成されている。
【0076】
続いて、本実施形態の電磁波透過性補強棚板11の製造方法について説明する。
図15に示すように、基材22の空洞部27のうち、長手方向Lと交差する方向Sに関する外側に位置する2個の空洞部27に1対1で対応するように2個の補強部材21を差し込む。その際、基材22の天板部23を裏打ちするように2個の第1補強板21Aを差し込み、基材22の底板部24を裏打ちするように2個の第2補強板21Bを差し込むようにする。作業者は、第1補強板21Aの第1先端部21AAを第1受け部31の内側に位置させ、第1補強板21Aの第1先端部21AAとは反対側の第1基部21ABを第3受け部53の内側に位置させるように補強部材21を差し込む。同様に、作業者は、第2補強板21Bの第2先端部21BAを第2受け部32の内側に位置させ、第2補強板21Bの第2先端部21BAとは反対側の第2基部21BBを第4受け部54の内側に位置させるように補強部材21を差し込む。これ以降の工程は、第1実施形態と同様である。
【0077】
本実施形態の電磁波透過性補強棚板11の作用について説明する。本実施形態の電磁波透過性補強棚板11は、補強部材21に連結板21Cが設けられない分、剛性に関して若干第1実施形態の電磁波透過性補強棚板11よりも劣る。しかしながら、第1補強板21Aと第2補強板21Bとの間に多孔質の樹脂充填材37が配置され、これが第1補強板21Aおよび第2補強板21Bを内側から支える構造となっている。このため、電磁波透過性補強棚板11に曲げ荷重が加えられた場合でも、第1補強板21Aおよび第2補強板21Bが折れ曲がることが極力防止される。したがって、本実施形態によっても、十分に高い剛性の電磁波透過性補強棚板11が実現される。
【0078】
上記した実施形態は、種々の置き換えや変形を加えて実施できる。また、上記実施形態同士を適宜に組み合わせて発明を実現することも当然にできる。
【解決手段】電磁波透過性補強棚板11は樹脂製の基材22と、複数の空洞部27のいずれかの内部で、長手方向と交差する方向に関する両端部11A、11Aから外れた位置で天板部23に沿って設けられる金属製の1以上の第1補強板21Aと、前記複数の空洞部のいずれかの内部で、前記長手方向と交差する方向に関する両端部から外れた位置で底板部24に沿って設けられる金属製の1以上の第2補強板21Bと、前記1以上の第1補強板と前記1以上の第2補強板との間の位置で前記複数の空洞部内に充填された多孔質の樹脂充填材37と、を備える。