特許第6701568号(P6701568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6701568-標準規格外の誘導電動機 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6701568
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】標準規格外の誘導電動機
(51)【国際特許分類】
   H02K 16/00 20060101AFI20200518BHJP
   H02K 17/36 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   H02K16/00
   H02K17/36
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-86364(P2016-86364)
(22)【出願日】2016年4月22日
(65)【公開番号】特開2017-195747(P2017-195747A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年4月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】藤原 なるみ
(72)【発明者】
【氏名】岡本 靖子
(72)【発明者】
【氏名】濱中 恵理子
(72)【発明者】
【氏名】中山 葵
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−290596(JP,A)
【文献】 特開平03−150053(JP,A)
【文献】 特開平09−019116(JP,A)
【文献】 米国特許第05838135(US,A)
【文献】 実公昭38−015208(JP,Y1)
【文献】 中国実用新案第205583964(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 16/00
H02K 17/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、該ケーシング内に仕切壁を設けることなく任意の間隔をおいて設けた二個の固定子と、該二個の固定子にそれぞれ対峙して設けられる二個のかご形回転子と、該二個のかご形回転子を同一軸線上に配置して回転させる回転子軸とを備えた誘導電動機において、
前記回転子軸の負荷側を前記ケーシングから突出するよう軸受により支持し、前記二個の固定子及び二個のかご形回転子のうち、少なくとも前記反負荷側の固定子及かご形回転子を、容量の近接した他の誘導電動機の固定子及びかご形回転子と組み替えて、標準規格とは異なる容量の誘導電動機に形成したことを特徴とする標準規格外の誘導電動機。
【請求項2】
前記ケーシングは、前記固定子及び前記かご形回転子の組み替えが容易となるよう、前記二個の固定子が配設される中間位置において、前記回転子軸の軸方向で負荷側と反負荷側とに二分割可能に形成されている請求項1記載の標準規格外の誘導電動機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標準規格外の誘導電動機に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導電動機は、三相交流電源から動力を得て、電磁誘導によって固定子(一次側)から回転子(二次側)に電力を送り、これを利用して動力を発生させるものである。電動機は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機械であり、エネルギー変換の際、その一部が熱エネルギーとして電動機内部で消費されることになる。この電動機内部で熱エネルギーとして消費され、動力として利用できないものがエネルギー損失となる。損失が大きい場合、電動機入力に対する出力が小さくなり、無駄な電力を消費することになる。入力と出力との比が電動機の効率となり、この効率が高いほど、無駄な電力の削減に寄与できる。
【0003】
近年では、電動機の効率化の算定方法を規定するIEC(国際電気標準会議)60034−2−1が2007年に発行され、効率クラスを規定するIEC60034−30が2008年10月に発行された。ここで効率クラスとは、効率基準値をクラスで分類したものであり、最も高い効率からIE4(スーパープレミアム効率)、IE3(プレミアム効率)、IE2(高効率)、及びIE1(標準効率)が規定されている。
【0004】
国際的には、米国で2010年12月にIE3の電動機適用義務化が始まり、欧州においても2015年にIE3またはIE3+インバータの適用義務化が決められている。一方で、我が国では、IE3の効率レベルを備えた電動機の採用の努力義務が2015年4月に始まったばかりである。
【0005】
電機メーカでは、高効率の電動機を設計・製造する上で、以下の問題が生じる。
(1)従来の標準効率と新しい高効率化電動機との間で互換性を持たせる必要がある。
(2)IE3の効率レベルの製品を製造すると、効率特性を満足させるために、部品の質・量ともに増加し、更なる枠番アップ・体格アップが生じる。
(3)上記(2)の理由により、製造コストアップとなる。
【0006】
そこで、特許文献1では、効率の異なる複数のシリーズの電動機間で、電動機を構成する部品を共通化することを目的として、シリーズの異なる電動機間で電動機ケーシング及び反負荷側カバーを共通化する一方、シリーズ間で異なる部品であるブッシュ及び軸受については、それぞれ専用のブッシュ及び軸受により回転軸を支持する、という技術的手段を講じている。
【0007】
これにより、効率の異なる複数のシリーズの電動機間で、部品の共通化を図ることができ、電動機製造の低コスト化、納期短縮、部品の在庫圧縮を図ることができるといった作用・効果がある。
【0008】
しかし、上記特許文献1では、効率の異なる複数のシリーズの電動機間で、部品の共通化を図ることができるものの、効率の異なる複数のシリーズ間で、容量が大きいサイズの電動機のケーシング及びカバー基準にして部品を共通化しているため、容量の小さいサイズの電動機であっても体格が大型化してしまい、設計寸法が大きくなる問題があった。
【0009】
一方で、無駄な電力の消費原因として、従来のJIS規格などで規定されている既存電動機のラインナップ商品をそのまま選択し、産業機械などの機械機能要求よりも大きい容量の電動機を選択し、過剰性能(オーバースペック)としてしまうことが挙げられる。例えば、ラインナップ商品としてJIS規格で規定されている5.5kw、7.5kw、11kw、15kw、18.5kw、22kw、30kw…等が商品群として品揃(ぞろ)えされていたとき、産業機械の機械機能要求が26kwであった場合は、少しだけ容量の大きい30kwの電動機を選択せざるを得なかった。これを解決すべく、機械機能要求を26kwに合わせた専用の電動機を製作することも考えられるが、専用の電動機を製作することは、量産効果が得られない場合、金型費用が無駄になる問題がある。さらには、納期の長期化、部品の在庫拡大化等の懸念もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014−183626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題点にかんがみ、無駄な電力の消費を防止するとともに、体格を小型化することが可能な標準規格外の誘導電動機及びその作成方法を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明は、ケーシングと、該ケーシング内に仕切壁を設けることなく任意の間隔をおいて設けた二個の固定子と、該二個の固定子にそれぞれ対峙して設けられる二個のかご形回転子と、該二個のかご形回転子を同一軸線上に配置して回転させる回転子軸とを備えた誘導電動機において、
前記回転子軸の負荷側を前記ケーシングから突出するよう軸受により支持し、前記二個の固定子及び二個のかご形回転子のうち、少なくとも前記反負荷側の固定子及かご形回転子を、容量の近接した他の誘導電動機の固定子及びかご形回転子と組み替えて、標準規格とは異なる容量の誘導電動機に形成する、という技術的手段を講じた。
【0013】
請求項2記載の発明は、前記ケーシングが、前記固定子及び前記かご形回転子の組み替えが容易となるよう、前記二個の固定子が配設される中間位置において、前記回転子軸の軸方向で負荷側と反負荷側とに二分割可能に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ケーシングと、該ケーシング内に任意の間隔をおいて設けた二個の固定子と、該二個の固定子にそれぞれ対峙して設けられる二個のかご形回転子と、該二個のかご形回転子を同一軸線上に配置して回転させる回転子軸とを備えた誘導電動機であって、前記二個の固定子及び二個のかご形回転子のうち、少なくとも一個の固定子及び少なくとも一個のかご形回転子を他の誘導電動機のものと組み替えて、標準規格とは異なる容量の誘導電動機に形成するものであるから、従来のJIS規格などで規定されている既存誘導電動機のラインナップ商品に、標準規格とは異なる標準規格外の誘導電動機を補完するものとなり、産業機械などの機械機能要求に合致した誘導電動機を選択することができる。
【0016】
このため、機械機能要求よりも大きい容量の電動機を選択した場合の、過剰性能(オーバースペック)分の無駄な電力の消費を防止することができる。また、産業機械への専用の誘導電動機を製作するものでもないため、金型費用が無駄になることもない。また、納期の長期化、部品の在庫拡大化等の問題もない。
【0017】
また、請求項2記載の発明によれば、前記ケーシングが、前記固定子及び前記かご形回転子の組み替えが容易となるよう、前記二個の固定子が配設される中間位置において前記回転子軸の軸方向に二分割可能に形成されているので、回転子軸に対するかご形回転子への組み付けや、ケーシングに対する固定子の組み付けが容易となり、また、かご形回転子の組み替えや、固定子の組み替えが可能となり、標準規格外の誘導電動機の作成が容易に行えるようになる。
【0018】
さらにケーシングと、該ケーシング内に任意の間隔をおいて設けた二個の固定子と、該二個の固定子にそれぞれ対峙して設けられる二個のかご形回転子と、該二個のかご形回転子を同一軸線上に配置して回転させる回転子軸とを備えた誘導電動機の作成方法であって、前記誘導電動機は複数種類の容量を含む標準規格品のラインナップ商品であり、このラインナップ商品から容量が近接する二つの誘導電動機を選択し、該二つの誘導電動機のうちの一方の誘導電動機の固定子及びかご形回転子を、他方の誘導電動機の固定子及びかご形回転子のものと組み替えて、標準規格とは異なる容量の誘導電動機に形成するものであり、これにより、従来のJIS規格などで規定されている既存誘導電動機のラインナップ商品に、標準規格とは異なる標準規格外の誘導電動機を補完するラインナップ商品となる。
【0019】
すなわち、産業機械などの機械機能要求に合致した誘導電動機を選択することで、過剰性能(オーバースペック)分の無駄な電力の消費を防止することができる。そして、ラインナップ商品としては、従来のJIS規格などで規定された標準規格の2倍以上の品揃えとなり、産業機械分野の顧客に対し、機械機能要求に合致した誘導電動機の提案が可能となる。
【0020】
さらには、標準規格品のラインナップ商品から任意(容量が接近するものが好ましい)の二つの誘導電動機を選択して標準規格外の誘導電動機を作成するものであるから、容量が大きいサイズの誘導電動機のケーシングを用いて部品を共通化するのではなく、容量の小さいサイズの誘導電動機のケーシングを用いることもできるので、体格が大型化することはなく、設計寸法も大きくなる問題はない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の標準規格外の誘導電動機を示す側断面図である。
図2】本発明の標準規格外の誘導電動機の作成方法を示す工程図である。
図3】本発明の標準規格外の誘導電動機を基本シリーズに加入したときのラインナップ数を示す表(参考例)である。
図4】従来の標準規格の基本シリーズに係る誘導電動機の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の標準規格外の誘導電動機を示す側断面図であり、図2は本発明の標準規格外の誘導電動機の作成方法を示す工程図であり、図3は本発明の標準規格外の誘導電動機を基本シリーズに加入したときのラインナップ数を示す表であり、図4は従来の標準規格の基本シリーズに係る誘導電動機の側断面図である。
【0023】
まず、図4を参照して従来の標準規格の基本シリーズに係る誘導電動機の構成を説明する。誘導電動機101は、二個の短絡環106,107の間を多数の導体棒108にて連結して二個のかご形回転子102,103を形成し、該二個のかご形回転子102,103を任意の間隔を設けて回転子軸104に装着して一体的な回転子105を形成する。
【0024】
二個のかご形回転子102,103に対向する外側部には、巻線109,110を巻装した第一固定子111と第二固定子112とを並列させ、それぞれケーシング113に固定する。
【0025】
前記一体的な回転子105は、軸受115,117がそれぞれ内挿された軸受ブラケット114,116により回転可能に支持される。
【0026】
前記第一固定子111及び第二固定子112の巻線109,110は、その結線形態をスター結線、デルタ―結線あるいは直列、並列のいずれを採用することもできる。
【0027】
符号118は回転子軸104中央付近に軸着された冷却フィンであり、該冷却フィン118によりかご形回転子102,103(又は巻線109,110)に滞留した熱を回転子軸104を介して放熱することができる。そして、図4に示す従来の標準規格の誘導電動機105は、冷却フィン118を中心にして二個のかご形回転子102,103が線対称となり、かつ、二個の第一固定子111,第二固定子112が線対称となっている。そして、これら回転子及び固定子は、それぞれが独立の構造となっていて、二台の誘導電動機を結合して一台にしたような構造である。この構造を利用すれば、半分の出力特性により始動することを実現できる。また、始動電流は最大でスターデルタ始動の約二分の一であり、直入れ始動の約六分の一に抑えることが可能となるのである。
また、それぞれの回転磁界間の位相差を切換えることにより、スムーズな起動と低速から高速にかけて高トルクを発生させる誘導電動機とすることができる。
【0028】
次に、図1及び図2を参照して本発明の標準規格外の誘導電動機の構造と、その作成方法について説明する。まず、図1を参照して、本発明の標準規格外の誘導電動機の構造を説明する。図1の符号1乃至符号18は図4の百番台の符号を除いたものと同様のものである。すなわち、1は誘導電動機、2,3はかご形回転子、4は回転子軸、5は回転子、6,7は短絡環、8は導体棒、9,10は巻線、11は第一固定子、12は第二固定子、13はケーシング、14,16はブラケット、15,17は軸受、18冷却フィンである。
【0029】
図1図4とを対比すると、図4では冷却フィン118を中心にして二個のかご形回転子102,103が線対称となり、かつ、二個の第一固定子111,第二固定子112が線対称となっていて、軸方向に同じ長さのかご形回転子102,103と軸方向に同じ長さの第一固定子111,第二固定子を備えている。一方、図1では冷却フィン18を中心に非対称であり、負荷側(図1の左半分)のかご形回転子2の長さがLであるが、反負荷側(図1の右半分)のかご形回転子3の長さが0.73Lと短く形成されている。同様に負荷側の第一固定子11の長さがLであるが、反負荷側の第一固定子12の長さが0.73Lと短く形成されている。
【0030】
さらに図4と異なる点として、図1ではケーシング13が負荷側(図1の左半分)と反負荷側(図1の右半分)とに分割可能に形成されている点が挙げられる。すなわち、ケーシング13は中央部分で左側ケーシング部19と右側ケーシング部20とに分割され、それぞれのケーシング部19,20にはフランジ部21,22を設けるとともに、該フランジ部21,22を貫通する孔を設ける。そして、複数のボルト23とナット24とにより、ケーシング部19,20を固着する。ボルト及びナットの締結に限定されることはなく、ケーシング部19,20を着脱自在となるよう適宜選択することができる。
【0031】
以上のように構成すると、回転子軸4に対するかご形回転子2,3への組み付けや、ケーシング13に対する第一固定子11,第二固定子12の組み付けが容易となり、また、二個のかご形回転子2,3のいずれか一方の組み替えや、二個の第一固定子11,第二固定子12のいずれか一方の組み替えが可能となり、標準規格外の誘導電動機の作成も容易に行うことが可能となる。
【0032】
図2は、標準規格外の誘導電動機の作成方法を示す工程図であり、図3は本発明の標準規格外の誘導電動機を基本シリーズに加入したときのラインナップ数を示す表である。図2を参照して標準規格外の誘導電動機の作成方法を説明する。
【0033】
図2(a)において、例えば、標準規格に係る30kwの誘導電動機100aと、標準規格に係る22kwの誘導電動機100bとを準備する。標準規格に係る30Kwの誘導電動機100aは、それぞれ軸方向に同じ大きさ(長さL)のかご形回転子102a,103aと、軸方向に同じ大きさ(長さL)の第一固定子111a,第二固定子112aを備えている。一方、標準規格に係る22Kwの誘導電動機100bは、それぞれ軸方向に同じ大きさのかご形回転子102b,103bを備えているが、30kwのそれよりも小さく、長さ0.73Lの大きさである。同様に軸方向に同じ大きさの第一固定子111b,第二固定子112bを備えているが、30kwのそれよりも小さく、長さ0.73Lの大きさである。
【0034】
いま、標準規格外の26kwの誘導電動機1を作成しようとすれば(図2(c)参照)、標準規格に係る30kwの誘導電動機100aの二個のかご形回転子102a,103aのうち、いずれか一方を22kwの誘導電動機100bのかご形回転子102b,103bに組み替えるとともに、標準規格に係る30kwの誘導電動機100aの二個の固定子111a,112aのうち、いずれか一方を22kwの誘導電動機100bの固定子111b,112bに組み替えるとよい。すなわち、容量(出力)としては、
30(kw)×1/2=15(kw)、22(kw)×1/2=11(kw)
15(kw)+11(kw)=26(kw)
となるのである。
【0035】
標準規格外の26kwの誘導電動機1の設計が完了すれば、図2(b)に示す組み付け作業に至る。左側ケーシング部19には、30kw用の第一固定子111a、巻線109aを組み付ける一方、右側ケーシング部20には、22kw用の第二固定子112b、巻線110bを組み付ける。そして、回転子軸104aには、反負荷側にある30kw用のかご形回転子103aを取り外し、26kw用のかご形回転子103bを嵌装させる。次に、回転子軸104aの両側から左側ケーシング部19および右側ケーシング部20を挿入するとともに、フランジ部21,22同士を固着すれば、標準規格外の誘導電動機1が組み上がる(図2(c))。
この組み付けにおいては、図1の左側ケーシング部19側に容量の大きい第一固定子111aを、右側ケーシング部20側に容量の小さい第二固定子112bを組み付けるのがよい。
【0036】
図3では、上記作成方法により組み上がった標準規格外の誘導電動機を、標準規格の誘導電動機である基本シリーズに加入することを示している。標準規格外の誘導電動機の作成では、容量(出力)が隣接している誘導電動機をそれぞれ分解し、該分解したものをベースとして組み付けていくとよい。なぜなら、容量が隣接していない誘導電動機では、極端に容量が異なれば、ケーシングの大きさも異なるために、組み付け不能となる可能性があるからである。
【0037】
図3を参照すれば、従来は、標準規格の誘導電動機である基本シリーズが計14機種存在していた。そして、容量が異なる誘導電動機を分解して組み付けすれば標準規格外の誘導電動機として計13機種を作成することができた。すなわち、標準規格と標準規格外とを合わせたシリーズとして計27機種の品揃えを実現することが可能となった。これは、従来の基本シリーズのみの在庫を揃えておけば、新たな在庫を備えることなく、従来の2倍以上のラインナップ数の品揃えが可能となる利点がある。
【0038】
また、図3を参照すると、標準規格品のラインナップ商品から容量が接近する二つの誘導電動機を選択して標準規格外の誘導電動機を作成するものとなっているから、容量が大きいサイズの誘導電動機のケーシングを用いて部品を共通化するのではなく、容量の小さいサイズの誘導電動機では、この容量に接近した誘導電動機のケーシングを用いるため、体格が大型化することはなく、設計寸法が大きくなる問題は生じない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、誘導電動機のほか、他の電動機(例えば、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機械)、他の発電機(例えば、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する機械)にも適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 誘導電動機
2 かご形回転子
3 かご形回転子
4 回転子軸
5 回転子
6 短絡環
7 短絡環
8 導体棒
9 巻線
10 巻線
11 第一固定子
12 第二固定子
13 ケーシング
14 ブラケット
15 軸受
16 ブラケット
17 軸受
18 冷却フィン
19 左側ケーシング部
20 右側ケーシング部
21 フランジ部
22 フランジ部
23 ボルト
24 ナット
101 誘導電動機
102 かご形回転子
103 かご形回転子
104 回転子軸
105 回転子
106 短絡環
107 短絡環
108 導体棒
109 巻線
110 巻線
111 第一固定子
112 第二固定子
113 ケーシング
114 ブラケット
115 軸受
116 ブラケット
117 軸受
118 冷却フィン
































図1
図2
図3
図4