(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用済みタイヤのトレッド部をバフ処理して成ると共に複数の交差ベルトを有する台タイヤと、前記台タイヤのバフ処理面に設置されてトレッド面を構成するトレッドとを備える更生タイヤであって、
タイヤ接地端からタイヤ接地幅の25[%]の位置を境界としてトレッド部のセンター領域および左右のショルダー領域を定義し、前記ショルダー領域にエッジ部を有する前記交差ベルトのうちタイヤ径方向の最も外側に積層された前記交差ベルトを最外交差ベルトとして定義し、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記最外交差ベルトのエッジ部からトレッドプロファイルに引いた垂線L1を定義するときに、
タイヤ赤道面上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2<T1の関係を有し、且つ、
タイヤ赤道面上におけるトレッドゲージTcと、垂線L1上におけるトレッドゲージTsとが、Tc<Tsの関係を有することを特徴とする更生タイヤ。
トレッドプロファイルの曲率半径Ra1と、前記台タイヤのバフ処理面の曲率半径Ra2とが、Ra1<Ra2の関係を有する請求項1〜3のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
トレッドプロファイルの曲率半径Ra1と、前記台タイヤのバフ処理面の曲率半径Ra2とが、1.1≦Ra2/Ra1≦2.0の関係を有する請求項4に記載の更生タイヤ。
前記センター領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1と、前記ショルダー領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG2とが、G2<G1の関係を有する請求項1〜5のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
前記センター領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1、および、前記ショルダー領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦G1≦3.5[mm]かつ1.0[mm]≦G2≦3.5[mm]の範囲にある請求項1〜6のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
前記センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGc、および、前記ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsが、4.5[mm]≦Gc≦7.5[mm]かつ4.5[mm]≦Gs≦7.5[mm]の範囲にある請求項1〜7のいずれか一つに記載の更生タイヤ。
使用済みタイヤのトレッド部をバフ処理して成ると共に複数の交差ベルトを有する台タイヤと、前記台タイヤのバフ処理面に設置されてトレッド面を構成するトレッドとを備える更生タイヤであって、
タイヤ接地端からタイヤ接地幅の25[%]の位置を境界としてトレッド部のセンター領域および左右のショルダー領域を定義し、前記ショルダー領域にエッジ部を有する前記交差ベルトのうちタイヤ径方向の最も外側に積層された前記交差ベルトを最外交差ベルトとして定義し、タイヤ子午線方向の断面視にて、前記最外交差ベルトのエッジ部からトレッドプロファイルに引いた垂線L1を定義するときに、
タイヤ赤道面上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2<T1の関係を有し、
前記センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGcおよび新ゴム溝下ゲージG1が、1.0[mm]≦Gc-G1の関係を有し、
前記ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsおよび新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦Gs-G2の関係を有し、且つ、
前記センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGc、および、前記ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsが、4.5[mm]≦Gc≦7.5[mm]かつ4.5[mm]≦Gs≦7.5[mm]の範囲にあることを特徴とする更生タイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0010】
[更生タイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる更生タイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。同図は、タイヤ径方向の片側領域の断面図を示している。また、同図は、更生タイヤの一例として、リモールド方式により製造された商用車用タイヤを示している。
【0011】
同図において、タイヤ子午線方向の断面とは、タイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLは、タイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向にかかるタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいう。
【0012】
更生タイヤ10は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムを貼り替えて再利用されるタイヤであり、例えば、トラック、バスなどに装着される重荷重用更生タイヤ、小型トラックなどに装着される商用車用更生タイヤなどに分類される。
【0013】
更生タイヤ10は、タイヤ回転軸を中心とする環状構造を有し、台タイヤ20と、トレッド30とを備える。台タイヤ20は、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムの一部およびサイドウォールゴムの一部を切除し、その外周面をバフ処理して成形された部材である。トレッド30は、更生タイヤ10の新たなトレッド部を構成するゴム部材であり、台タイヤ20に貼り付けられて設置される。かかる更生タイヤ10は、後述するように、リモールド方式あるいはプレキュア方式により製造される。
【0014】
また、更生タイヤ10は、一般的な構成要素として、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、一対のサイドウォールゴム16、16と、一対のリムクッションゴム17、17とを備える(
図1参照)。これらの構成要素のうち、トレッドゴム15は、新たなトレッド30と、台タイヤ20に残留した使用済みタイヤのトレッドゴムの一部(符号省略)とから構成される。また、サイドウォールゴム16およびリムクッションゴム17は、台タイヤ20に含まれる。
【0015】
カーカス層13は、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。また、カーカス層13は、スチールあるいは有機繊維材(例えば、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど)から成る複数のカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、絶対値で85[deg]以上95[deg]以下のカーカス角度(タイヤ周方向に対するカーカスコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。なお、
図1の構成では、カーカス層13が単一のカーカスプライから成る単層構造を有するが、これに限らず、カーカス層13が複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有しても良い。
【0016】
ベルト層14は、複数のベルトプライを積層して成り、カーカス層13の外周に掛け廻されて配置される。複数のベルトプライは、コートゴムで被覆されたスチールあるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードを圧延加工して構成され、所定のベルト角度(タイヤ周方向に対するベルトコードの長手方向の傾斜角として定義される)を有する。また、複数のベルトプライは、絶対値で10[deg]以上55[deg]以下のベルト角度を有すると共に相互に異符号のベルト角度を有する一対の交差ベルト141、142を含む。また、絶対値で45[deg]以上70[deg]以下のベルト角度を有すると共に一対の交差ベルトの径方向外側に積層されるベルトカバー(図示省略)、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有すると共に交差ベルトの左右のエッジ部を覆って配置される一対のベルトエッジカバー(図示省略)などが配置されても良い。
【0017】
例えば、
図1の構成では、更生タイヤ10が商用車用タイヤであり、ベルト層14が、スチール製のベルトコードから成る一対の交差ベルト141、142を積層して構成される。
【0018】
トレッドゴム15は、カーカス層13およびベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム16、16は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。一対のリムクッションゴム17、17は、左右のビードコア11、11およびカーカス層13の巻き返し部のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されて、リムフランジに対する左右のビード部の接触面を構成する。
【0019】
また、
図1の構成では、更生タイヤ10が、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、22と、これらの周方向主溝に区画されて成る複数の陸部31〜33とをトレッド面に備えている。また、これらの周方向主溝21、22および陸部31〜33が、タイヤ赤道面CLを中心として左右対称に配置されている。また、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の陸部33、33が、1本の周方向細溝23をそれぞれ有している。
【0020】
周方向主溝は、JATMAに規定されるウェアインジケータの表示義務を有する溝であり、重荷重用更生タイヤおよび商用車用更生タイヤでは、一般に4.0[mm]以上の溝幅および6.5[mm]以上25.5[mm]以下の溝深さを有する。
【0021】
溝幅は、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、溝開口部における左右の溝壁の距離の最大値として測定される。陸部が切欠部や面取部をエッジ部に有する構成では、溝長さ方向を法線方向とする断面視にて、トレッド踏面と溝壁の延長線との交点を基準として、溝幅が測定される。また、溝がタイヤ周方向にジグザグ状あるいは波状に延在する構成では、溝壁の振幅の中心線を基準として、溝幅が測定される。
【0022】
溝深さは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にて、トレッド踏面から溝底までの距離の最大値として測定される。また、溝が部分的な凹凸部やサイプを溝底に有する構成では、これらを除外して溝深さが測定される。
【0023】
規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。ただし、JATMAにおいて、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。
【0024】
[リモールド方式による更生タイヤ]
リモールド方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド30が、材料段階にて未加硫のゴムであり、製品段階にて更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド30が、例えば、ストリップ状の未加硫ゴム、板状の未加硫ゴムなどから構成され得る。
【0025】
かかるリモールド方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
【0026】
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ20が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
【0027】
次に、トレッド30が、台タイヤ20の外周面に配置される。このとき、(a)ストリップ状の未加硫ゴムが台タイヤ20の外周面に螺旋状に巻き付けられて、トレッド30が形成されても良いし、(b)基礎となる板状のゴム部材が台タイヤ20の外周面に巻き付けられ、その外周にストリップ状の未加硫ゴムが螺旋状に巻き付けられて、トレッド30が形成されても良い。後者(b)の場合には、前者(a)の場合と比較して、トレッド30の設置工程に要する時間を短縮できる。
【0028】
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド30および台タイヤ20の組立体が、タイヤ成形金型を有するタイヤ加硫モールド(図示省略)に充填される。次に、トレッド30および台タイヤ20の組立体が加圧装置により径方向外方に拡張されて、トレッド30がタイヤ成形金型に押圧される。また、トレッド30および台タイヤ20の組立体が加熱されることにより、トレッド30が加硫されて、タイヤ成形金型の形状がトレッド30に転写される。その後に、加硫後のタイヤがタイヤ加硫モールドから取り出される。
【0029】
[プレキュア方式による更生タイヤ]
プレキュア方式により製造される更生タイヤ10では、トレッド30が、材料段階にて加硫済みのトレッドゴム(いわゆるプレキュアトレッド)であり、更生タイヤ10のトレッド部を構成する。また、トレッド30が、板状構造あるいは環状構造を有し、その外周面に更生タイヤ10の新品時のトレッドパターンを予め有する。
【0030】
かかるプレキュア方式による更生タイヤ10は、以下の工程により製造される(図示省略)。
【0031】
まず、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤ20が取得される。このバフ処理は、タイヤに内圧を付与した状態で行われる。
【0032】
次に、クッションゴム(図示省略)が、台タイヤ20の外周面の全周に渡って貼り付けられる。クッションゴムは、材料段階にてシート状の未加硫ゴムである。その後に、トレッド30が、台タイヤ20の外周面に配置されてクッションゴムを介して台タイヤ20に接着される。
【0033】
このとき、トレッド30が板状構造を有する場合には、トレッド30が台タイヤ20を一周して巻き付けられて、固定部材(図示省略)により両端部を仮止めして固定される。一方、トレッド30が環状構造を有する構成では、トレッド30が専用の拡縮径装置(図示省略)により拡径および縮径されて台タイヤ20の外周に嵌め合わされて配置される。
【0034】
次に、加硫工程が行われる。この加硫工程では、トレッド30および台タイヤ20の組立体が加硫缶(図示省略)に収容されて、加硫缶内の空気が真空吸引され、その後に、加熱および加圧が行われて、クッションゴムが加硫される。その後に、加硫後のタイヤが加硫缶から取り出される。
【0035】
[トレッド構造]
上記のように、更生タイヤの製造工程では、残溝が寿命に達したタイヤのトレッドゴムが切除され、その外周面にバフ処理が施されて、台タイヤが取得される。このとき、一般的なタイヤ構造では、トレッド部センター領域におけるバフ処理の削り厚を適正に設定すると、ショルダー領域におけるバフ処理の削り厚が大きくなる傾向がある。すると、ショルダー領域にある最外ベルトプライの端部が露出し、あるいは、ショルダー領域における旧ゴムゲージが薄くなり、更生タイヤの耐久性が悪化する。逆に、ショルダー領域におけるバフ処理の削り厚を適正に設定すると、センター領域における旧ゴムゲージが過剰になり、更生タイヤの低発熱性が悪化する。
【0036】
そこで、この更生タイヤ10は、耐久性および低発熱性を向上するために、以下のトレッド構成を備えている。
【0037】
図2および
図3は、
図1に記載した更生タイヤのトレッド部を示す拡大図である。これらの図において、
図2は、タイヤ赤道面CLを境界とする片側領域の拡大断面図を示し、
図3は、トレッド面に形成された溝付近の拡大断面図を示している。なお、
図2において、点Tは、タイヤ接地端である。また、
図2の構成では、更生タイヤ10がスクエアショルダーを有するため、タイヤ接地端とトレッド端(トレッド幅の測定点として定義される)とが同位置にある。
【0038】
図2において、タイヤ接地端Tからタイヤ接地幅TWの25[%]の位置を境界としてトレッド部のセンター領域および左右のショルダー領域を定義する。
【0039】
タイヤ接地幅TWは、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を付与すると共に静止状態にて平板に対して垂直に置いて規定荷重に対応する負荷を付与したときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離として測定される。
【0040】
また、ショルダー領域にエッジ部を有する交差ベルト141、142のうちタイヤ径方向の最も外側に積層された交差ベルト142を、最外交差ベルトとして定義する。なお、ベルト層14が、3層以上の交差ベルトを備えても良い(図示省略)。また、センター領域にエッジ部を有する(すなわち、ショルダー領域にエッジ部を有さない)交差ベルトは、最外交差ベルトの定義から除外される。
【0041】
交差ベルトのエッジ部は、タイヤ子午線方向の断面視にて、交差ベルトを構成するベルトコードのうちタイヤ幅方向の最も外側にあるベルトコードにより定義される。
【0042】
また、タイヤ子午線方向の断面視にて、最外交差ベルト142のエッジ部からトレッドプロファイルに引いた垂線L1を定義する。より具体的には、垂線L1は、最外交差ベルト142のエッジ部にあるベルトコードの中心を通りトレッドプロファイルに垂直な直線として定義される。
【0043】
トレッドプロファイルは、タイヤ子午線方向の断面視におけるトレッド面の輪郭線であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にてレーザープロファイラを用いて計測される。レーザープロファイラとしては、例えば、タイヤプロファイル測定装置(株式会社マツオ製)が使用される。
【0044】
このとき、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2<T1の関係を有する。具体的には、新ゴムゲージT1、T2の実寸法が、0.2[mm]≦T1−T2の関係を満たすことを要する。また、新ゴムゲージT1、T2が、T2/T1≦0.93の関係を有することが好ましい。比T2/T1の下限は、特に限定がないが、後述するトレッドゲージTc、Tsなどとの関係により制約を受ける。トレッド部ショルダー領域に周方向主溝を備える一般的な重荷重用タイヤでは、比T2/T1が、0.30≦T2/T1の範囲にある。
【0045】
新ゴムゲージT1、T2は、更生により新たに追加されたトレッド30のゴムゲージであり、タイヤ子午線方向の断面視にて、トレッドプロファイルから台タイヤのバフ処理面までの距離として測定される。
【0046】
なお、一般的な重荷重用タイヤでは、
図2に示すように、一対の交差ベルト141、142のエッジ部が、最外周方向主溝22(タイヤ幅方向の最も外側にある周方向主溝22として定義される)の溝中心線よりもタイヤ幅方向外側に延在して、トレッド部ショルダー領域に位置している。しかし、これに限らず、一部の交差ベルトが最外周方向主溝22よりもタイヤ幅方向内側に位置しても良い(図示省略)。
【0047】
また、
図2において、タイヤ赤道面CL上におけるトレッドゲージTcと、垂線L1上におけるトレッドゲージTsとが、0.80≦Ts/Tc≦1.30の関係を有する。
【0048】
さらに、トレッドゲージTc、Tsが、Tc<Tsの関係を有することが好ましい。具体的には、トレッドゲージTc、Tsの実寸法が、0.2[mm]≦Ts−Tcの関係を満たすことが好ましい。この場合には、タイヤ赤道面CL上における台タイヤ20の旧ゴムゲージTc−T1と、垂線L1上における台タイヤ20の旧ゴムゲージTs−T2とが、必然的にTc−T1<Ts−T2の関係を有する。
【0049】
また、トレッド部ショルダー領域において、垂線L1上における新ゴムゲージT2およびトレッドゲージTsが、1.0[mm]≦Ts−T2≦5.0[mm]の関係を有することが好ましく、2.0[mm]≦Ts−T2≦4.0[mm]の関係を有することがより好ましい。
【0050】
トレッドゲージTc、Tsは、新たなトレッド30の新ゴムゲージT1、T2と台タイヤ20に残存するトレッドゴムの旧ゴムゲージとの和であり、タイヤ子午線方向の断面視にて、トレッドプロファイルと、ベルト層14の最外層を構成するベルトコードのタイヤ径方向外側の頂面を滑らかに結んだ仮想線との距離として測定される。
【0051】
なお、一般的な重荷重用タイヤでは、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1およびトレッドゲージTcが、7.5[mm]≦T1≦31.0[mm]および8.5[mm]≦Tc≦36.5[mm]の範囲にある。
【0052】
上記の構成では、更生により新たに追加されたトレッド30におけるタイヤ赤道面CL上の新ゴムゲージT1と垂線L1上の新ゴムゲージT2とがT2<T1の関係を有するので、台タイヤ20における垂線L1上の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)を確保できる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142の端部の露出が回避され、また、最外交差ベルト142の端部付近における台タイヤ20の旧ゴムゲージが確保される。これにより、タイヤの耐久性が向上する。
【0053】
また、
図2の構成では、トレッドプロファイルの曲率半径Ra1と、台タイヤ20のバフ処理面の曲率半径Ra2とが、Ra1<Ra2の関係を有する。具体的には、曲率半径Ra1、Ra2が、1.1≦Ra2/Ra1≦2.0の関係を有することが好ましく、1.3≦Ra2/Ra1≦1.7の関係を有することがより好ましい。
【0054】
バフ処理面の曲率半径Ra2は、台タイヤ20のバフ処理面のうちトレッドプロファイルに対向する部分のタイヤ子午線方向の断面視における曲率半径であり、タイヤを規定リムに装着して規定内圧を充填した無負荷状態にてレーザープロファイラを用いて計測される。したがって、サイドウォール部に面するバフ処理面は、曲率半径の測定対象から除外される。
【0055】
また、
図3において、センター領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1、および、ショルダー領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦G1≦3.5[mm]かつ1.0[mm]≦G2≦3.5[mm]の範囲にある。
【0056】
さらに、新ゴム溝下ゲージG1、G2が、G2<G1の関係を有することが好ましい。具体的には、新ゴム溝下ゲージG1、G2の実寸法が、0.5[mm]≦G1−G2の関係を満たし、且つ、1.5[mm]≦G1≦3.5[mm]かつ1.0[mm]≦G2≦3.0[mm]の範囲にあることが好ましい。
【0057】
新ゴム溝下ゲージG1、G2は、溝の最大溝深さ位置における新たなトレッド30のゴムゲージであり、タイヤ子午線方向の断面視にて、溝の最大溝深さ位置から台タイヤ20のバフ処理面までの距離として測定される。また、各領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1、G2が測定対象となる。溝には、例えば、周方向主溝21、22、周方向細溝23、ラグ溝(図示省略)などが含まれる。
【0058】
また、
図3において、センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGc、および、ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsが、4.5[mm]≦Gc≦7.5[mm]かつ4.5[mm]≦Gs≦7.5[mm]の範囲にある。なお、トータル溝下ゲージGc、Gsの相互関係は、特に限定がないが、各領域に配置された最も深い溝の最大溝深さHc、Hs、新たなトレッド30のトレッドゲージの比Ts/Tc、上記した曲率半径の比Ra2/Ra1などとの関係により制約を受ける。
【0059】
トータル溝下ゲージGc、Gsは、新たなトレッド30の新ゴム溝下ゲージG1、G2と台タイヤ20に残存するトレッドゴムの旧ゴムゲージとの和であり、タイヤ子午線方向の断面視にて、溝の最大溝深さ位置と、ベルト層14の最外層を構成するベルトコードのタイヤ径方向外側の頂面を滑らかに結んだ仮想線との距離として測定される。
【0060】
また、センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGcおよび新ゴム溝下ゲージG1が、1.0[mm]≦Gc-G1の関係を有する。また、ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsおよび新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦Gs-G2の関係を有する。すなわち、台タイヤ20に残存するトレッドゴムの旧ゴムゲージGc-G1、Gs-G2が、1.0[mm]以上である。旧ゴムゲージGc-G1、Gs-G2の上限は、特に限定がないが、トータル溝下ゲージGc、Gsおよび新ゴム溝下ゲージG1、G2の数値範囲との関係により制約を受ける。
【0061】
[変形例]
図4は、
図1に記載した更生タイヤの変形例を示す説明図である。同図は、ベルト層14が、ベルトエッジカバー143を有する場合を示している。
【0062】
図1の構成では、
図2に示すように、最外交差ベルト142が、ベルト層14の最外層に位置している。そして、トレッドゲージTc、Tsおよびトータル溝下ゲージGc、Gsが、最外交差ベルト142の外周面を測定点として測定されている。
【0063】
これに対して、ベルト層14が、最外層にベルトカバーおよびベルトエッジカバーの一方あるいは双方を備えても良い。ベルトカバーおよびベルトエッジカバーは、スチールあるいは有機繊維材から成るベルトコードをコートゴムで被覆して構成され、絶対値で0[deg]以上10[deg]以下のベルト角度を有する。また、ベルトカバーおよび一対のベルトエッジカバーは、例えば、1本あるいは複数本のベルトコードをコートゴムで被覆して成るストリップ材であり、このストリップ材を交差ベルト141、142の外周面に対してタイヤ周方向に複数回かつ螺旋状に巻き付けて構成される。また、ベルトカバーは、交差ベルト141、142の全域を覆って配置され、一対のベルトエッジカバーは、交差ベルト141、142の左右のエッジ部のみを覆って配置される。
【0064】
ベルト層14が、上記したベルトカバーあるいはベルトエッジカバーを備える構成では、トレッドゲージTc、Tsおよびトータル溝下ゲージGc、Gsが、ベルト層14の最外層にあるベルトカバーあるいはベルトエッジカバーの外周面を測定点として測定される。具体的には、ベルトカバーあるいはベルトエッジカバーを構成するベルトコードのタイヤ径方向外側の頂面を滑らかに結んだ仮想線が、測定点となる。したがって、ベルトカバーおよびベルトエッジカバーの厚さは、トレッドゲージTc、Tsおよびトータル溝下ゲージGc、Gsの測定対象から除外される。
【0065】
例えば、
図4の変形例では、ベルト層14が、最外交差ベルト142の左右のエッジ部を覆う一対のベルトエッジカバー143を備えている。また、これらのベルトエッジカバー143が、ベルト層14の最外層を構成している。そして、最外交差ベルト142のエッジ部からトレッドプロファイルに引いた垂線L1と、ベルトエッジカバー143の外周面との交点を測定点として、トレッドゲージTsが測定されている。
【0066】
図5は、
図1に記載した更生タイヤの変形例を示す説明図である。同図は、トレッド部ショルダー領域に配置された最外周方向主溝22および周方向細溝23の拡大図を示している。
【0067】
図1の構成では、
図3に示すように、トレッド部ショルダー領域にある最外周方向主溝22および周方向細溝23が、同一の最大溝深さHsを有している。そして、周方向細溝23の最大溝深さ位置を測定点として、新ゴム溝下ゲージG2およびトータル溝下ゲージGsが測定されている。
【0068】
これに対して、
図5の構成では、周方向細溝23が浅溝であり、最外周方向主溝22が周方向細溝23よりも深い最大溝深さHsを有している。このため、最外周方向主溝22の最大溝深さ位置を測定点として、新ゴム溝下ゲージG2およびトータル溝下ゲージGsが測定される。
【0069】
なお、一般的な重荷重用タイヤでは、
図2および
図5に示すように、最外周方向主溝22が、トレッド部ショルダー領域に位置している。また、最外周方向主溝22の溝深さは、他の周方向細溝23やラグ溝の溝深さに対して同等以上である。
【0070】
[効果]
以上説明したように、この更生タイヤ10は、使用済みタイヤのトレッド部をバフ処理して成ると共に複数の交差ベルト141、142を有する台タイヤ20と、台タイヤ20のバフ処理面に設置されてトレッド面を構成するトレッド30とを備える(
図1参照)。また、タイヤ接地端Tからタイヤ接地幅TWの25[%]の位置を境界としてトレッド部のセンター領域および左右のショルダー領域を定義し、ショルダー領域にエッジ部を有する交差ベルト141、142のうちタイヤ径方向の最も外側に積層された交差ベルト142を最外交差ベルトとして定義し、タイヤ子午線方向の断面視にて、最外交差ベルト142のエッジ部からトレッドプロファイルに引いた垂線L1を定義する(
図2参照)。このとき、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2<T1の関係を有する。
【0071】
かかる構成では、更生により新たに追加されたトレッド30におけるタイヤ赤道面CL上の新ゴムゲージT1と垂線L1上の新ゴムゲージT2とがT2<T1の関係を有するので、最外交差ベルト142のエッジ部における台タイヤ20の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)を確保できる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142の端部の露出が回避され、また、最外交差ベルト142の端部付近における台タイヤ20の旧ゴムゲージが確保される。これにより、タイヤの耐久性が向上する利点がある。
【0072】
また、この更生タイヤ10では、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2/T1≦0.93の関係を有する(
図2参照)。かかる構成では、最外交差ベルト142のエッジ部における新ゴムゲージT2が小さく設定されるので、最外交差ベルト142のエッジ部における台タイヤ20の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)を確保できる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出が適正に回避される利点がある。
【0073】
また、この更生タイヤ10では、タイヤ赤道面CL上におけるトレッドゲージTcと、垂線L1上におけるトレッドゲージTsとが、0.80≦Ts/Tc≦1.30の関係を有する(
図2参照)。これにより、トレッドゲージTc、Tsが均一化される利点がある。すなわち、0.80≦Ts/Tcであることにより、トレッド部センター領域のトレッドゲージTcが過大となることに起因するセンター摩耗が抑制される。また、Ts/Tc≦1.30であることにより、トレッド部ショルダー領域のトレッドゲージTsが過大となることに起因するショルダー摩耗が抑制される。
【0074】
また、この更生タイヤ10では、タイヤ赤道面CL上におけるトレッドゲージTcと、垂線L1上におけるトレッドゲージTsとが、Tc<Tsの関係を有する(
図2参照)。かかる構成では、垂線L1上のトレッドゲージTsが大きく設定されるので、最外交差ベルト142のエッジ部における台タイヤ20の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)を確保できる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出が適正に回避される利点がある。
【0075】
また、この更生タイヤ10では、トレッドプロファイルの曲率半径Ra1と、台タイヤ20のバフ処理面の曲率半径Ra2とが、Ra1<Ra2の関係を有する(
図2参照)。かかる構成では、台タイヤ20のバフ処理面の曲率半径Ra2が大きいので、最外交差ベルト142のエッジ部における台タイヤ20の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)を確保できる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出が適正に回避される利点がある。
【0076】
また、この更生タイヤ10では、トレッドプロファイルの曲率半径Ra1と、台タイヤ20のバフ処理面の曲率半径Ra2とが、1.1≦Ra2/Ra1≦2.0の関係を有する(
図2参照)。これにより、台タイヤ20のバフ処理面の曲率半径Ra2が適正化される利点がある。すなわち、1.1≦Ra2/Ra1であることにより、バフ処理面の曲率半径Ra2が確保されて、最外交差ベルト142のエッジ部における台タイヤ20の旧ゴムゲージ(
図2におけるTs−T2)が確保される。また、Ra2/Ra1≦2.0であることにより、ショルダー領域における台タイヤ20の旧ゴムゲージの増加に起因してタイヤの低発熱性が悪化する事態を抑制できる。
【0077】
また、この更生タイヤ10では、センター領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1と、前記ショルダー領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG2とが、G2<G1の関係を有する(
図3参照)。かかる構成では、ショルダー領域の新ゴム溝下ゲージG2が小さいので、ショルダー領域における台タイヤ20の旧ゴムゲージGsーG2を大きくできる。これにより、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出を適切に回避できる利点がある。
【0078】
また、この更生タイヤ10では、センター領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG1、および、ショルダー領域に配置された最も深い溝の新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦G1≦3.5[mm]かつ1.0[mm]≦G2≦3.5[mm]の範囲にある(
図3参照)。これにより、新ゴム溝下ゲージG1、G2が適正化される利点がある。すなわち、1.0[mm]≦G1および1.0[mm]≦G2により、新ゴム溝下ゲージG1、G2が適正に確保されて、グルーブクラックの発生が抑制される。また、G1≦3.5[mm]およびG2≦3.5[mm]により、台タイヤ20の旧ゴムゲージGc−G1、GsーG2が確保されて、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出を適切に回避できる。
【0079】
また、この更生タイヤ10では、センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGc、および、ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsが、4.5[mm]≦Gc≦7.5[mm]かつ4.5[mm]≦Gs≦7.5[mm]の範囲にある(
図3参照)。これにより、トータル溝下ゲージGc、Gsが適正化される利点がある。すなわち、4.5[mm]≦Gcおよび4.5[mm]≦Gsであることにより、台タイヤ20の旧ゴムゲージGc−G1、GsーG2が確保されて、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出を適切に回避できる。また、Gc≦7.5[mm]およびGs≦7.5[mm]であることにより、トータル溝下ゲージGc、Gsが過大となることに起因するタイヤの低発熱性の悪化が抑制される。
【0080】
また、この更生タイヤ10では、センター領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGcおよび新ゴム溝下ゲージG1が、1.0[mm]≦Gc-G1の関係を有し、且つ、ショルダー領域に配置された最も深い溝のトータル溝下ゲージGsおよび新ゴム溝下ゲージG2が、1.0[mm]≦Gs-G2の関係を有する(
図3参照)。これにより、台タイヤ20の旧ゴムゲージGc−G1、GsーG2が確保されて、台タイヤ20のバフ処理時における最外交差ベルト142のエッジ部の露出を適切に回避できる。
【0081】
また、この更生タイヤ10は、リモールド方式により製造される。リモールド方式では、未加硫ゴムを台タイヤに取り付けて加硫成形が行われるため、タイヤが変形し易い。このため、更生タイヤの低発熱性がプレキュア方式と比較して劣るという課題がある。したがって、かかるリモールド方式の更生タイヤ10を適用対象とすることにより、低発熱性の向上作用を顕著に得られる利点がある。
【実施例】
【0082】
図6は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
【0083】
この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、耐久性能に関する評価が行われた。また、タイヤサイズ205/85R16 117/115L LTRの試験タイヤがJATMA規定の適用リムに組み付けられ、この試験タイヤにJATMA規定の最高空気圧および最大負荷が付与される。また、試験タイヤが、試験車両である最大積載量3[ton]のトラックの総輪に装着される。そして、試験車両が、平均速度30[km/h]にて50、000[km]の一般舗装路を走行する。その後に、最外交差ベルトのエッジ部に発生した周辺ゴムのセパレーションの周長が測定されて、従来例を基準(10)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が小さいほど、発生したセパレーションが小さく、好ましい。また、評価が2以下であれば、セパレーションの抑制効果が得られているといえる。
【0084】
実施例1〜8の試験タイヤは、
図1〜
図3の構成を備え、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T2<T1の関係を有する。また、タイヤ接地幅TWがTW=200[mm]であり、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1およびトレッドゲージTcが、T1=13.5[mm]およびTc=16[mm]であり、センター領域におけるトレッドプロファイルの曲率半径Ra1がRa1=500[mm]であり、各周方向主溝21、22および周方向細溝23の溝深さが10[mm]である。また、センター領域にある周方向主溝21の新ゴム溝下ゲージG1およびトータル溝下ゲージGcがG1=3.5[mm]およびGc=6[mm]である。
【0085】
従来例、比較例1および比較例2の試験タイヤは、実施例1の試験タイヤにおいて、タイヤ赤道面CL上における新ゴムゲージT1と、垂線L1上における新ゴムゲージT2とが、T1<T2の関係を有する。
【0086】
試験結果が示すように、実施例1〜8の試験タイヤでは、タイヤの耐久性能が向上することが分かる。