(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基端であるリップ基端が前記庇部の先端である庇先端に接続しており、先端であるリップ先端が前記リップ基端から前記壁部に近づく斜め上方に延出しており、前記上辺に沿う方向に設けられるリップ部を有することを特徴とする請求項1に記載のロードポート装置。
前記庇折り返し部には、前記庇折り返し部を水平方向に貫通する折り返しスリット又は折り返し貫通孔が、前記上辺に沿う方向に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のロードポート装置。
基端である第2リップ基端が前記庇先端に接続しており、先端である第2リップ先端が前記第2リップ基端から前記壁部に対して遠ざかる斜め下方に延出しており、前記上辺に沿う方向に設けられる第2リップ部を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のロードポート装置。
前記第2リップ先端は、前記折り返しスリット又は前記折り返し貫通孔より、前記上下方向に関して上方に位置することを特徴とする請求項5に記載のロードポート装置。
前記スリット又は前記貫通孔は、前記庇部の上面に形成される上面開口と、前記庇部の下面に形成されており前記上面開口より前記壁部からの距離が遠い下面開口と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロードポート装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のような上部庇を設ける技術では、ダウンフロー自体を停止する効果はあるものの、上部庇の近傍で乱流が形成されるという新たな問題が生じる場合がある。すなわち、上部庇を設ける従来の技術は、このような乱流が容器内への清浄化ガスの導入を妨げる場合があるため、容器内への清浄化ガスの円滑な導入という観点では、新たな課題を有している。
【0007】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、容器内への清浄化ガスの円滑な導入を実現し得るロードポート装置及びこのようなロードポート装置を有するEFEMを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るロードポート装置は、
ウエハを出し入れするための主開口が側面に形成された容器を載置する載置台と、
前記主開口に連通する装置開口が形成されており、前記容器に対向する外側面と前記外側面とは反対方向を向く内側面とを有する壁部と、
前記主開口を開閉するための開閉部と、
前記容器の内部に清浄化ガスを導入するガス導入部と、
前記内側面における前記装置開口の上辺の上方に、前記上辺に沿って設けられており、前記内側面に対して略垂直に突出する庇部と、を有しており、
前記庇部には、前記庇部を上下方向に貫通するスリット又は貫通孔が、前記上辺に沿う方向に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るロードポート装置が有する庇部には、庇部を上下方向に貫通するスリット又は貫通孔が、上辺に沿う方向に形成されているため、庇部の下方、すなわち装置開口の周辺で乱流が形成される問題を防止できる。したがって、本発明に係るロードポート装置は、容器内への清浄化ガスの円滑な導入を実現することができる。これは、スリット又は貫通孔を通過する気流と、庇部の外側を通過する気流との間で気圧差が生じ、スリット又は貫通孔を通過する気流の方が庇部の外側を通過する気流に比べて気圧が高くなることから、庇部の下方の気流が装置開口から離間する方向に引っ張られるためであると考えられる。
【0010】
また、例えば、本発明に係るロードポート装置は、基端であるリップ基端が前記庇部の先端である庇先端に接続しており、先端であるリップ先端が前記リップ基端から前記壁部に近づく斜め上方に延出しており、前記上辺に沿う方向に設けられるリップ部を有してもよい。
【0011】
このようなリップ部を設けることにより、庇部を通過する気流と庇部の外側を通過する気流との間の圧力差が大きくなり、庇部の下方の気流が装置開口から離間する方向に強く引っ張られるようになるため、装置開口の周辺で乱流が形成される問題を効果的に防止できる。
【0012】
また、例えば、本発明に係るロードポート装置は、基端である折り返し部基端が前記庇先端に接続しており、先端である折り返し部先端が前記庇先端から下方に延出する庇折り返し部を有してもよい。
【0013】
このような庇折り返し部は、庇部の下部への気流の巻き込みを防止し、装置開口付近での乱流の発生を抑制することができる。
【0014】
また、例えば、前記庇折り返し部には、前記庇折り返し部を水平方向に貫通する折り返しスリット又は折り返し貫通孔が、前記上辺に沿う方向に形成されていてもよい。
【0015】
折り返し部に折り返しスリットを形成することにより、スリットを通過した気流を装置開口から効果的に遠ざけることが可能となり、装置開口付近での乱流の発生を抑制することができる。
【0016】
また、例えば、本発明に係るロードポート装置は、基端である第2リップ基端が前記庇先端に接続しており、先端である第2リップ先端が前記第2リップ基端から前記壁部に対して遠ざかる斜め下方に延出しており、前記上辺に沿う方向に設けられる第2リップ部を有してもよい。
【0017】
第2リップ部を設けることにより、スリット又は貫通孔を通過して庇部の下方に形成される気流と、第1リップ部及び第2リップ部の斜め上側の表面を流れる気流との関係を調整し、装置開口付近での乱流の発生を効果的に抑制することができる。
【0018】
また、例えば、前記第2リップ先端は、前記折り返しスリット又は前記折り返し貫通孔より、前記上下方向に関して上方に位置してもよい。
【0019】
第2リップ先端が、前記折り返しスリット又は前記折り返し貫通孔より上方に位置することにより、前記折り返しスリット又は前記折り返し貫通孔を通過して前記装置開口から離れる方向へ流れる気流を強めることができるため、このようなロードポート装置は、スリットを通過した気流を装置開口から効果的に遠ざけることができる。
【0020】
また、例えば、前記スリット又は前記貫通孔は、前記庇部の上面に形成される上面開口と、前記庇部の下面に形成されており前記上面開口より前記壁部からの距離が遠い下面開口と、を有してもよい。
【0021】
このようなスリット又は貫通孔が形成された庇部では、庇部を通過する気流と庇部の外側を通過する気流との間の圧力差が大きくなり、庇部の下方の気流が装置開口から離間する方向に強く引っ張られるようになるため、装置開口の周辺で乱流が形成される問題を効果的に防止できる。
【0022】
本発明に係るEFEMは、上記いずれかのロードポート装置と、
前記ロードポート装置が端部に設けられるウエハ搬送室内および前記ウエハ搬送室にダウンフローを形成するファンフィルタユニットを有するミニエンバイロメント装置と、を有する。
【0023】
本発明に係るEFEMでは、ファンフィルタユニットによるダウンフローを庇部が弱めるとともに、庇部にスリット又は貫通孔が形成されていることにより装置開口近傍で乱流が形成される問題を防止することができる。したがって、このようなEFEMに備えられるロードポート装置は、容器内への清浄化ガスの円滑な導入を実現できる。
【0024】
また、発明の第2の観点に係るEFEMは、ウエハを出し入れするための主開口が側面に形成された容器を載置する載置台と、
前記主開口に連通する装置開口が形成されており、前記容器に対向する外側面と前記外側面とは反対方向を向く内側面とを有する壁部と、
前記主開口を開閉するための開閉部と、
前記容器の内部に清浄化ガスを導入するガス導入部と、を有するロードポート装置と、
前記ロードポート装置が端部に設けられるウエハ搬送室内および前記ウエハ搬送室にダウンフローを形成するファンフィルタユニットを有するミニエンバイロメント装置と、を有しており、
前記ウエハ搬送室は、前記装置開口の上辺の上方に、前記上辺に沿って設けられており、前記内側面に対して略垂直に突出する庇部と、を有しており、
前記庇部には、前記庇部を上下方向に貫通するスリット又は貫通孔が、前記上辺に沿う方向に形成されていることを特徴とする。
【0025】
スリットが形成された庇部は、ロードポート装置の壁部に設けられていてもよく、ロードポート装置の壁部の上方に連続しており、壁部と同方向を向くウエハ搬送室の壁面に設けられていても良い。また、庇部と合わせて、リップ部、第2リップ部及び庇折り返し部等についても、ウエハ搬送室の壁部に設けられていてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るロードポート装置10及びロードポート装置10を含むEFEM50の概略図である。EFEM(イーフェム、Equipment front end module)50は、ロードポート装置10の他に、ミニエンバイロメント装置51を有する。
【0028】
ミニエンバイロメント装置51は、ウエハ搬送室52と、ウエハ搬送機54と、ファンフィルタユニット56等を有する。ウエハ搬送機54は、ウエハ1を掴むことができるアーム54aと、アーム54aを移動させるアーム駆動部(不図示)を有しており、ウエハ1を搬送する。ウエハ搬送機54は、フープ2の内部に収容してあるウエハ1を、クリーン状態に維持されたウエハ搬送室52を介して、図示しない処理室の内部に移動させることができる。また、ウエハ搬送機54は、処理室において処理が終了したウエハ1を、処理室からフープ2の内部に移動させることができる。
【0029】
ウエハ搬送室52は、ウエハ1を搬送する容器としてのフープ2と処理室(不図示)とを連結する空間である。後述するロードポート装置10は、ウエハ搬送室52の端部に設けられており、ロードポート装置10の壁部11は、ウエハ搬送室52の外壁に形成された開口を塞ぐように、ウエハ搬送室52に組み込まれている。
【0030】
ウエハ搬送室52の天井部には、送風手段としてのファン56aとフィルタ56bとを有するファンフィルタユニット56が設けられており、ファンフィルタユニット56は、ウエハ搬送室52にダウンフローを形成する。ファン56aは、例えば、回転方向に対して傾斜した羽根と、羽根を回転させるためのモータを有する。ファン56aは、フィルタ56bの直上に設けられる。フィルタ56bとしては特に限定されないが、たとえばパーティクル除去フィルタとケミカルフィルタとを組み合わせたものを用いることができ、ウエハ搬送室52を満たす気体中に存在するパーティクルや汚染物質を除去することができる。なお、ファンフィルタユニット56は、ファン56aのような送風手段とフィルタ56bを有していればよく、ファンフィルタユニット56には、送風手段とフィルタとが別々に配置されるものも含まれる。
【0031】
ロードポート装置10は、フープ(Front Opening Unified Pod)2を載置する載置台14を有している。フープ2は、例えば天井搬送システム等によって、載置台14の上まで搬送される。
【0032】
載置台14の上部に載置されるフープ2は、収容物としての複数のウエハ1を密封して保管及び搬送する。フープ2の内部には、ウエハ1を内部に収めるための空間が形成されている。フープ2は、箱状の形状を有しており、フープ2が有する複数の側面の一つには、フープ2の内部に収容したウエハ1を出し入れする主開口2bが形成されている。また、フープ2は、主開口2bを密閉するための蓋4を備えている。
【0033】
ロードポート装置10は、載置台14に載置されたフープ2の主開口2bを、ウエハ搬送室52に気密に接続することができる。すなわち、ロードポート装置10は、装置開口13が形成された壁部11と、フープ2の主開口2bを開閉するための開閉部18とを有している。ロードポート装置10は、載置台14を移動させることにより、
図1に示すように、フープ2の主開口2bを装置開口13に接続する。フープ2の主開口2bおよび壁部11に形成される装置開口13は、いずれも略矩形である。
【0034】
さらに、ロードポート装置10の開閉部18は、装置開口13に接続した主開口2bを閉鎖している蓋4を主開口2bから取り外し、主開口2bおよび装置開口13を介して、フープ2内部とウエハ搬送室52とを連通させることができる。すなわち、開閉部18は、装置開口を閉鎖するドア18aとドア駆動部18bとを有しており、ドア駆動部18bは、ドア18aとともに、ドア18aに係合したフープ2の蓋4をウエハ搬送室52の内部に移動させることができる。
【0035】
また、ロードポート装置10は、フープ2の内部に清浄化ガスを導入するガス導入部としてのボトムガス導入部16と、フロントガス導入部17とを有している。ボトムガス導入部16は、フープ2の底面に設けられた底孔5、6に対して、載置台14から突出して接続可能なガス導入ノズルを有しており、底孔5、6から清浄化ガスをフープ2内に導入する。なお、ボトムガス導入部16は、フープ2内部とウエハ搬送室52とが連通した状態において、フープ2内部に清浄化ガスを導入することができるが、このような場合だけでなく、フープ2の主開口2bが蓋4で閉鎖されている状態でも、フープ2内部に清浄化ガスを導入することができる。
【0036】
一方、フロントガス導入部17は、壁部11の内側面11aに備えられるガス放出ノズルを有しており、主開口2bおよび装置開口13を介して、清浄化ガスをフープ2内に導入する。したがって、フロントガス導入部17は、ボトムガス導入部16とは異なり、フープ2内部とウエハ搬送室52とが連通した状態のみで、フープ2内部に清浄化ガスを導入することができる。
【0037】
ボトムガス導入部16およびフロントガス導入部17には、図示しない配管部を介して清浄化ガスが供給される。ボトムガス導入部16およびフロントガス導入部17によってフープ2内部に導入される清浄化ガスは特に限定されないが、例えば窒素ガス等が好適に用いられる。
【0038】
図2は、
図1に示すロードポート装置10を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。なお、
図2では、説明の便宜上、
図1に示すフロントガス導入部17、開閉部18およびフープ2については図示していない。
【0039】
図2に示すように、ロードポート装置10の壁部11は、載置台14の載置されるフープ2に対向する外側面11bと、外側面11bとは反対方向であるウエハ搬送室52側を向く内側面11aとを有している。内側面11aにおける装置開口13の上辺13aの上方には、内側面11aに対して略垂直に突出する庇部20が設けられている。
【0040】
庇部20は、上辺13aと略平行な長辺を有する略矩形平板状の外形状を有しており、装置開口13の上辺13aに沿って設けられている。庇部20には、庇部20を上下方向に貫通するスリット22が、上辺13aに沿う方向に形成されている。なお、スリット22は、上辺13aに沿う方向に断続的に形成される貫通孔であってもよい。
【0041】
図2に示すように、庇部20には、リップ部30が接続されている。リップ部30の基端であるリップ基端32は、庇部20の先端である庇先端24に接続しており、リップ部30の先端であるリップ先端34は、リップ基端32から壁部11に近づく斜め上方に延出している。リップ部30は、庇部20と同様に、上辺13aと略平行な長辺を有する略矩形平状の外形状を有しており、装置開口13の上辺13aに沿って設けられている。
【0042】
図3は、
図2に示すロードポート装置10における庇部20およびリップ部30の周辺を拡大して表示した拡大断面図である。スリット22は、庇部20の上面20aに形成される上面開口22aと、庇部20の下面20bに形成される下面開口22bとを有している。スリット22は、庇部20を鉛直方向に貫通しているため、上面開口22aと下面開口22bとは、壁部11から等距離に位置する。
【0043】
ここで、ウエハ搬送室52内に形成されるダウンフローのうち、
図3に示す庇部20へ向かうものは、庇部20のスリット22を通過する気流Aと、リップ部30に沿って庇部20の外側を通過する気流Bに分かれると考えられる。そして、スリット22を通過する気流Aは、庇部20の外側を通過する気流Bに比べて気圧が高くなるため、
図3に示すように、庇部20の下方の気流Aが、装置開口13から離間する方向に引っ張られる。したがって、
図2に示すようなスリット22が形成された庇部20は、ダウンフローを止める庇部の下方に気流を巻き込む形態の乱流が形成されるという従来の問題を、効果的に防止することができる。また、これにより、
図1〜
図3に示すロードポート装置10は、装置開口13の周辺に、ダウンフローが直接流れてきたり、又は気流の乱れが生じたりする問題を防止し、容器内への清浄化ガスの円滑な導入を実現することができる。
【0044】
図3に示すリップ先端34の位置は特に限定されないが、気流Aおよび気流Bが適切に形成されるように、壁部11からの距離で考えた場合、庇部20の中心位置Cより庇先端24側に配置されることが好ましい。また、リップ部30と庇部20との間に形成される角度θも特に限定されないが、気流Aと気流Bの気圧差を好適に形成する観点から、30〜60度とすることが好ましい。また、スリット22は、庇部20の中心位置Cより庇先端24側に形成されていることが、気流B側へ引っ張られる気流Aを好適に形成する観点から好ましい。
【0045】
以上のように、本発明に係るロードポート装置10及びEFEM50を、実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではなく、様々な変形例を含むものであることは言うまでもない。
【0046】
図4は、第1変形例に係るロードポート装置110における庇部120の周辺を拡大して表示した拡大断面図である。ロードポート装置110は、庇部120におけるスリット122の形状が異なり、リップ部を有しないことを除き、
図1〜
図3に示すロードポート装置10と同様であるため、ロードポート装置110については、ロードポート装置10との相違点のみ説明する。
【0047】
図4に示すように、庇部120に形成されるスリット122は、庇部20の上面120aに形成される上面開口122aと、庇部120の下面120bに形成される下面開口122bとを有している。スリット122は、庇部120を斜めに貫通しており、下面開口122bは、上面開口122aより壁部11からの距離が遠い。
【0048】
このような庇部120でも、
図4に示すように、スリット122を通過する気流Aが、庇部120の外側を通過する気流Bに比べて気圧が高くなるため、庇部120の下方の気流Aが、装置開口13から離間する方向に引っ張られる現象が生じる。また、
図4に示すように庇部120を斜めに貫通するスリット122は、
図3に示すような庇部20を鉛直方向に貫通するスリット22に比べて、気流Aと気流Bとの間の気圧差を大きくするか、または気流Aを装置開口13から離間する方向へ効果的に導くことができる。したがって、第1変形例に係るロードポート装置110も、実施形態に係るロードポート装置10と同様の効果を奏する。
【0049】
図5は、第2変形例に係るロードポート装置210を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。ロードポート装置210は、庇折り返し部225を有することを除き、
図1〜
図3に示すロードポート装置10と同様であるため、ロードポート装置10との相違点のみ説明する。
【0050】
ロードポート装置210は、庇部20の先端である庇先端24から下方に延出する庇折り返し部225を有している。庇折り返し部225は、装置開口13の上辺13aと略平行な長辺を有する略矩形平板状の外形状を有している。庇折り返し部225には、庇折り返し部225を水平方向に貫通する折り返しスリット226が形成されている。
【0051】
庇折り返し部225は、庇部20の下部への気流の巻き込みを防止し、装置開口13付近での乱流の発生を抑制することができる。また、折り返しスリット226が形成されているため、
図3に示すような気流Aが装置開口13から離れる現象が生じやすく、
図1〜
図3に示すロードポート装置10と同様の効果を奏する。
【0052】
図6は、第3変形例に係るロードポート装置310を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。ロードポート装置310は、一対の側方庇部327を有することを除き、
図1〜
図3に示すロードポート装置10と同様であるため、ロードポート装置10との相違点のみ説明する。
【0053】
ロードポート装置310は、内側面11aにおける装置開口13の一対の側辺13b(鉛直方向の辺)に隣接して設けられており、内側面11aに対して略垂直に突出する側方庇部327を有している。側方庇部327は、装置開口13の側辺13bに略平行な長辺を有する矩形平板状の外形状を有している。
【0054】
側方庇部327は、装置開口13の両サイドからのダウンフローの流入を防止することができるため、ロードポート装置310によるフープ2内部への清浄化ガスの円滑な導入に資する。また、ロードポート装置310は、
図1〜
図3に示すロードポート装置10と同様の効果を奏する。
【0055】
図7は、第4変形例に係るロードポート装置410を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。ロードポート装置410は、一対の側方庇部427を有することを除き、
図5に示すロードポート装置210と同様であるため、ロードポート装置210との相違点のみ説明する。
【0056】
ロードポート装置410は、内側面11aにおける装置開口13の一対の側辺13b(鉛直方向の辺)に隣接して設けられており、内側面11aに対して略垂直に突出する側方庇部427を有している。側方庇部427は、装置開口13の側辺13bに略平行な長辺を有する矩形平板状の外形状を有している。側方庇部427には、側方庇部427を水平方向に貫通する側方スリット428が形成されている。
【0057】
側方庇部427は、
図6に示す側方庇部327と同様に、装置開口13の両サイドからのダウンフローの流入を防止することができるため、ロードポート装置410によるフープ2内部への清浄化ガスの円滑な導入に資する。また、側方スリット428は、側方から装置開口13への気流を調整し、乱流等が形成される問題を抑制できる。また、ロードポート装置410は、
図5に示すロードポート装置210と同様の効果を奏する。
【0058】
図8は、第5変形例に係るロードポート装置510を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。ロードポート装置510は、一対の側方庇折り返し部529を有することを除き、
図7に示すロードポート装置410と同様であるため、ロードポート装置410との相違点のみ説明する。
【0059】
ロードポート装置510は、側方庇部427の先端から水平方向かつ装置開口13側へ延出する側方庇折り返し部529を有しており、側方庇折り返し部529は、装置開口13の側辺13bと略平行な長辺を有する略矩形平板状の外形状を有している。
【0060】
側方庇折り返し部529は、側方庇部427と同様に、装置開口13の両サイドからのダウンフローの流入を防止することができるため、ロードポート装置510によるフープ2内部への清浄化ガスの円滑な導入に資する。また、ロードポート装置510は、
図7に示すロードポート装置210と同様の効果を奏する。なお、側方庇折り返し部529には、側方庇部427と同様に、気流を調整するためのスリット又は貫通孔が形成されていてもよい。
【0061】
図9は、本発明の第6変形例に係るロードポート装置610を、壁部11の内側面11a側から見た概略斜視図である。また、
図10は、ロードポート装置610における庇部20の周辺を拡大して表示した拡大断面図である。ロードポート装置610は、庇折り返し部625及び第2リップ部635を有する点を除き、第1実施形態に係るロードポート装置10と同様であるため、ロードポート装置10との相違点のみ説明する。
【0062】
図9および
図10に示すように、ロードポート装置610は、基端である折り返し部基端625aが庇先端24(
図10参照)に接続しており、先端である折り返し部先端625bが庇先端24から下方に延出する庇折り返し部625を有する。庇折り返し部625は、庇部20に対して下方へ向かって略垂直に折り返された矩形平板状であり、庇折り返し部625は壁部11に対して略平行になるように設けられている。
【0063】
庇折り返し部625には、庇折り返し部625を水平方向に貫通する折り返しスリット626が、装置開口13の上辺13aに沿う方向に形成されている。
図10に示すように、庇部20に形成されたスリット22を通過した気流Aの一部は、装置開口13から離れる方向に、折り返しスリット626を通過した後、下方に流れる。
【0064】
図9及び
図10に示すように、ロードポート装置610は、基端である第2リップ基端636が庇先端24に接続しており、先端である第2リップ先端637が第2リップ基端636から壁部11に対して遠ざかる斜め下方に延出しており、上辺13aに沿う方向に設けられる第2リップ部635を有する。第2リップ基端636は、リップ部30のリップ基端32(
図3参照)と同様に庇先端24に接続しているが、リップ先端34が斜め上方に延出しているのに対して、第2リップ先端637は斜め下方に延出している。第6変形例では、リップ部30と第2リップ部635は別箇の板材で構成されており、それぞれの基端が庇先端24に固定されている。ただし、リップ基端32と第2リップ基端636は繋がっていても良く、リップ部30と第2リップ部635とは連続する一体の部材で構成されていてもよい。
【0065】
図10に示すように、ウエハ搬送室内に形成されるダウンフローのうち、庇部20へ向かうものは、庇部20のスリット22を通過する気流Aと、リップ部30及び第2リップ部635に沿って庇部20の外側を通過する気流Bに分かれると考えられる。
図10に示す第6変形例でも、第1実施形態と同様に、スリット22を通過する気流Aは、庇部20の外側を通過する気流Bに比べて気圧が高くなるため、庇部20の下方の気流Aが、装置開口13から離間する方向に引っ張られる。特に、第6変形例では、庇部20に形成されたスリット22を通過した気流Aの一部は、装置開口13から離れる方向に、折り返しスリット626を通過する。そのため、ロードポート装置610は、スリット22を通過した気流Aを装置開口13から効果的に遠ざけることが可能となり、装置開口13付近での乱流の発生を抑制することができる。また、リップ部30と第2リップ部635の両方を有するロードポート装置610は、
図10に示すような気流を形成し、装置開口13付近での乱流の発生を効果的に抑制することができる。
【0066】
リップ部30と庇部20との間に形成される角度θ1と、第2リップ部635と庇折り返し部625との間に形成される角度θ2とは特に限定されず、ダウンフローが装置開口13付近で乱流を生じないように調整される。例えば、角度θ1は60度以下とし、角度θ2は40度以下とすることが、スリット22を通過した気流Aを装置開口13から効果的に遠ざける観点から好ましい。また、同様の理由から、角度θ2は、角度θ1より小さいことが好ましく、また、角度θ1と角度θ2との和は、90度より小さいことが好ましい。
【0067】
さらに、第2リップ先端637は、折り返しスリット626より、上下方向に関して上方に位置してもよい。第2リップ先端637が、折り返しスリット626より上方に位置することにより、折り返しスリット626を通過して装置開口13から離れる方向へ流れる気流を強めることができるため、このようなロードポート装置610は、スリット22を通過した気流Aを装置開口13から効果的に遠ざけることができる。また、第6変形例に係るロードポート装置610も、第1実施形態に係るロードポート装置10と同様の効果を奏する。なお、折り返しスリット626は、上辺13aに沿う方向に断続的に形成される貫通孔で構成される折り返し貫通孔であってもよい。
【0068】
実施形態及び変形例で示される庇部20、120やリップ部30等の組み合わせは、任意に変更することができる。例えば、第6変形例に係る庇部20、リップ部30、庇折り返し部625及び第2リップ部635は、他の変形例で示した側方庇部327、427や、側方庇折り返し部529と共に用いられても良く、また、第1実施形態及び第2〜第6変形例で採用される庇部20に代えて、第1変形例に示す庇部120を用いることも可能である。
【0069】
上述した実施形態および変形例は、本発明に含まれる実施形態の例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。また、
図3に示す庇部20は、装置開口13の上辺から、ファンフィルタユニット51までの間の任意の場所に配置することができる。たとえば、庇部20は、ロードポート装置10における壁部11の内側面11aではなく、内側面11aの上方に続くウエハ搬送室52の壁面に設けられていても良い。