(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、第1の群管理制御において、割当済・未応答の乗場呼びの各々について、前記複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の当該乗場呼びに対する応答時間を求め、前記複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の応答時間よりも短い応答時間を有する号機が存在するときは、最小の応答時間を有する号機に割当変更を行う、
請求項1に記載のエレベータの群管理制御装置。
前記制御部は、第2の群管理制御において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、前記複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の割当適性に関する評価値を求め、前記複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることを条件として、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更を行う、
請求項1または請求項2に記載のエレベータの群管理制御装置。
前記制御部は、第2の群管理制御において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、前記複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の割当適性に関する評価値及び当該乗場呼びに対する応答時間を求め、前記複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機の応答時間が現在割り当てられている号機の応答時間よりも所定時間以上短いことを条件として、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更を行う、
請求項1または請求項2に記載のエレベータの群管理制御装置。
前記制御部は、前記特定階で乗場呼びが発生したときであっても、所定の混雑状態が検知されまたは所定の混雑時間帯にあるときは、当該乗場呼びに対して前記第2の群管理制御を実行する、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの群管理制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係るエレベータシステムは、エレベータ60−1、60−2、60−3と、群管理制御装置10と、乗場呼び登録装置30と、号機制御装置40−1、40−2、40−3と、階床インジケータ70と、ホールランタン80とを有する。
【0013】
エレベータ60−1、60−2、60−3は、それぞれ、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。なお、エレベータ60−1、60−2、60−3に関し、説明において特に区別する必要がない場合、適宜「エレベータ60」あるいは「号機」という。
【0014】
本実施形態のエレベータシステムでは、各階床において、乗場呼び登録装置30の上方向ボタンまたは下方向ボタンにより上方向または下方向の乗場呼びを登録する方式を採用している。群管理制御装置10は、各階の乗場呼び登録装置30において新規に登録された乗場呼びを、複数台の号機のいずれかに割り当てる制御を行う。また、群管理制御装置10は、複数台の号機の運行を統合的に制御する。
【0015】
1−2.エレベータシステムの構成
1−2−1.群管理制御装置
群管理制御装置10は、複数台の号機の運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置10は、乗場呼び登録装置30において利用者により登録(指定)された乗場呼びを、複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる。
【0016】
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13とを備える。
【0017】
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0018】
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
【0019】
入出力インタフェース13は、群管理制御装置10において、乗場呼び登録装置30、号機制御装置40(40−1〜40−3)、階床インジケータ70、及びホールランタン80との間で各種信号を入出力するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して乗場呼び登録装置30、号機制御装置40、階床インジケータ70、及びホールランタン80に出力する。また、入出力インタフェース13は、乗場呼び登録装置30、号機制御装置40(40−1〜40−3)から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
【0020】
1−2−2.号機制御装置
号機制御装置40−1〜40−3は、群管理制御装置10からの制御信号に基づいて、対応するエレベータ60(号機)をそれぞれ駆動制御する。また、号機制御装置40−1〜40−3は、対応するエレベータ60(号機)のかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報を含むかご状態信号を群管理制御装置10に出力する。なお、号機制御装置40−1〜40−3に関し、説明において特に区別する必要がない場合、適宜「号機制御装置40」という。
【0021】
1−2−3.乗場呼び登録装置
乗場呼び登録装置30は、ビルの各階床のエレベータ乗場に配置されている。乗場呼び登録装置30は、利用者による乗場呼びの登録を受け付ける。乗場呼び登録装置30は、上方向ボタンと、下方向ボタンと、信号出力部とを有する。信号出力部は、上方向ボタンまたは下方向ボタンが押下されると、押下されたボタンに対応する、上方向乗場呼び登録依頼信号または下方向乗場呼び登録依頼信号を群管理制御装置10に出力する。
【0022】
1−2−4.階床インジケータ
階床インジケータ70は、ビルの特定階のエレベータ乗場に配置されている。特定階は、例えばビルの外部に通じるロビー階である。階床インジケータ70は、エレベータ60−1、60−2、60−3(号機)の各々に対応付けて設けられている。階床インジケータ70は、対応する号機が現在位置している階床を示す情報を、群管理制御装置10から受信し、受信した情報が示す階床名を表示する。なお、階床インジケータ70は、当該号機が現在位置している階床を示す情報を、対応する号機の号機制御装置40から受信してもよい。
【0023】
1−2−5.ホールランタン
ホールランタン80は、ビルの特定階以外の各階床のエレベータ乗場に配置されている。ホールランタン80は、エレベータ60−1、60−2、60−3(号機)の各々に対応付けて設けられている。ホールランタン80は、群管理制御装置10から点灯制御信号を受信すると点灯する。なお、ホールランタン80は、対応する号機の号機制御装置40から点灯制御信号を受信してもよい。
【0024】
2.動作
2−1.動作の概要
本実施形態に係るエレベータシステムの動作の概要について説明する。本システムでは、乗場呼び登録装置30において乗場呼び(上方向また下方向の呼び)の登録を受け付けると、受け付けた乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる。そして、割り当てた号機(割当号機)を、乗場呼びの登録階に走行させる。割当号機が登録階に到着し、かご内の行先階ボタンにおいて利用者により行先階が指定されると、指定された行先階へ当該割当号機を走行させる。
【0025】
2−2.群管理制御装置の動作
群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びに対する号機の割当処理を行う。号機の割当処理は、乗場呼び登録装置30を利用して登録された乗場呼びを、複数台の号機のうちのいずれかの号機に割り当てる処理である。具体的に、制御部11は、乗場呼び登録装置30から入出力インタフェース13を介して割当依頼信号を受信すると、乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる割当処理を行う。割当依頼信号は、乗場呼び登録装置30で登録された乗場呼びを、複数台の号機のうちのいずれかの号機に割り当てることを要求する信号である。割当依頼信号は、乗場呼びの登録操作が行われた階床(登録階)を示す情報を含む。
【0026】
制御部11は、割り当てた号機(割当号機)に対応する号機制御装置40に、割り当てた乗場呼びの登録階(出発階)への走行及び当該登録階での停止を指示する制御信号を出力する。群管理制御装置10からの制御信号を受信した号機制御装置40は、対応するエレベータ(号機)を、群管理制御装置10からの制御信号に基づいて、駆動制御する。
【0027】
ここで、本実施形態のエレベータシステムでは、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式の群管理制御(第1の群管理制御)と即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)とを実行可能である。群管理制御装置10の制御部11は、複数台の号機の現在位置を示す階床インジケータ70が配置された特定階で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して簡易方式の群管理制御を実行し、特定階以外の階床で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して即時予報方式の群管理制御を実行する。以下において詳しく説明する。
【0028】
2−2−1.即時予報方式
即時予報方式の群管理制御において、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びの発生時、各号機の運行状態を示す複数のパラメータに基づいて、各号機の当該乗場呼びに対する割当適性に関する評価値を求め、複数台の号機のうち最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に乗場呼びを割り当てる。
【0029】
具体的に、群管理制御装置10の制御部11は、まず、各号機の運行情報に基づいて、乗場呼びを割り当てる号機を選択するための評価値を、複数台の号機の各々について算出する。各号機の運行情報には、例えば、各号機のかご状態(かごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含む)、乗場呼びに対する応答時間(現在から割当号機が出発階に到着するまでの時間(待ち時間))、各号機に割当済みの呼びの乗場呼びの数、各号機の乗車人数予測値(かご荷重)などを示す情報が含まれる。応答時間は、例えば、(1)かごが現在位置から乗場呼びの登録階まで移動するのに要する移動時間と、(2)かごが現在位置から乗場呼びの登録階に到着するまでの間に、他の乗場呼びの利用者によりかご内の行先階ボタンを利用して登録されたかご呼びに応答して停止している時間と、(3)かごが現在位置から乗場呼びの登録階に到着するまでの間に、途中階の乗場呼びに応答して停止している時間と、を合計することで求めることができる。上記評価値の算出後、制御部11は、複数台の号機のうち最も小さい評価値を有する号機を選択し、選択した号機に乗場呼びを割り当てる。
【0030】
群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式の群管理制御により乗場呼びに対して号機の割り当てを行ったとき、即座に、登録階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0031】
また、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式の群管理制御において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、所定時間周期で、複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の割当適性に関する評価値を求め、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることを条件として、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更を行う。即時予報方式では、乗場呼びの登録時に割当号機を案内するため、その後に割当号機を変更すると、利用者が混乱する可能性がある。そのため、割当変更の実施を上記条件が満たされる場合だけに制限している。なお、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることという条件に代えて、例えば、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機の応答時間が現在割り当てられている号機の応答時間よりも所定時間以上短いことを条件としてもよい。例えば、割当変更によって応答時間(利用者の待ち時間)が10秒程度短縮されるだけでは割当変更を実施せず、応答時間が1分程度短縮されるならば割当変更を実施する。なお、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることを条件とする場合には、所定値を、例えば、割当変更の発生頻度が、応答時間が1分程度短縮された場合に割当変更を行うときの割当変更の発生頻度と同程度の発生頻度となるように設定する。
【0032】
群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式の群管理制御により、割当済で未応答の乗場呼びに対して号機の割当変更を行ったとき、即座に、登録階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0033】
上述のような即時予報方式では、乗場呼びに対して必ずしも最短の応答時間で応答する号機が割り当てられるわけではないが、簡易方式と比較して、エレベータシステム全体として良好な運行効率が得られる。
【0034】
2−2−2.簡易方式
簡易方式の群管理制御において、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びの発生時、乗場呼びを複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の運行情報に基づいて、各号機の当該乗場呼びに対する応答時間(現在位置から割当号機が出発階に到着するまでの時間)を求め、複数台の号機のうち最小の応答時間を有する号機に乗場呼びを割り当てる。
【0035】
また、群管理制御装置10の制御部11は、割り当てた号機(割当号機)に対応する号機制御装置40に、割り当てた乗場呼びの登録階(出発階)への走行及び当該登録階での停止を指示する制御信号を出力する。
【0036】
群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式の群管理制御において、割当済・未応答の乗場呼びの各々について、所定時間周期で、複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の当該乗場呼びに対する応答時間を求め、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の応答時間よりも短い応答時間を有する号機が存在するときは、最小の応答時間を有する号機に割当変更を行う。そのため最小の応答時間を有する号機に、比較的頻繁に割当変更が行われる。
【0037】
ここで、本実施形態では、特定階にはホールランタン80が設置されていないので、新たな乗場呼びに対する割当号機を決定した際や、割当変更を行った際に、号機の案内が行われることはない。なお、本実施形態では特定階にホールランタン80を設置していないが、特定階にホールランタン80を設置してもよい。そして、群管理制御装置10の制御部11は、割当号機が登録階としての特定階に到着する直前に特定階のホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させてもよい。
【0038】
2−3.具体的動作
実施形態1に係るエレベータの群管理制御装置10により行われる処理についてフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0039】
2−3−1.乗場呼びに対する号機割当処理
まず、群管理制御装置10による乗場呼びに対する号機割当処理について説明する。
図2は、実施形態1における群管理制御装置10による乗場呼びに対する号機割当処理を説明するフローチャートである。本フローチャートによる処理は、所定時間周期で繰り返し実行される。
【0040】
群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びが発生したか否かを判断する(S11)。具体的に、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼び登録装置30から上方向乗場呼び登録依頼信号または下方向乗場呼び登録依頼信号を受信した場合、乗場呼びが発生したと判断する。
【0041】
乗場呼びが発生していない場合(S11でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、本フローチャートによる処理を終了する。
【0042】
乗場呼びが発生した場合(S11でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びの登録階が特定階か否かを判断する(S12)。
【0043】
乗場呼びの登録階が特定階である場合(S12でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S13)。
【0044】
乗場呼びの登録階が特定階でない場合(S12でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S14)。また、群管理制御装置10の制御部11は、割当てを行うと即座に、登録階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0045】
2−3−2.簡易方式での号機割当の具体的処理
図3は、実施形態1における群管理制御装置10により、
図2のステップS13で行われる簡易方式での号機割当処理を説明するフローチャートである。
【0046】
群管理制御装置10の制御部11は、号機1〜nにそれぞれ乗場呼びを仮割当てして、号機1〜nの応答時間を計算する(S21)。なお、本実施形態の
図1等では、nが3の場合を示している。
【0047】
群管理制御装置10の制御部11は、応答時間が最小の号機に乗場呼びを実際に割り当てる(S22)。
【0048】
2−3−3.即時予報方式での号機割当の具体的処理
図4は、実施形態1における群管理制御装置10により、
図2のステップS14で行われる即時予報方式での号機割当処理を説明するフローチャートである。
【0049】
群管理制御装置10の制御部11は、号機1〜nにそれぞれ乗場呼びを仮割当てして、号機1〜nの評価値を計算する(S31)。
【0050】
群管理制御装置10の制御部11は、評価値が最小の号機に乗場呼びを実際に割り当てる(S32)。
【0051】
2−3−4.乗場呼びの割当変更処理
登録済で未応答の乗場呼びにはそれぞれ管理のための呼び番号が付されており、群管理制御装置10の制御部11は、登録済の乗場呼びのそれぞれについて個別に割当変更の要否の判断を行う。
図5は、実施形態1における群管理制御装置10による割当変更処理を説明するフローチャートである。本フローチャートによる処理は、所定時間周期で繰り返し実行される。
【0052】
群管理制御装置10の制御部11は、登録済の乗場呼びCiの呼び番号iとして1を設定する(S41)。
【0053】
群管理制御装置10の制御部11は、呼び番号iの乗場呼びCiの登録階が特定階か否かを判断する(S42)。
【0054】
呼び番号iの乗場呼びCiの登録階が特定階である場合(S42でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S43)。
【0055】
呼び番号iの乗場呼びCiの登録階が特定階でない場合(S42でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S44)。
【0056】
群管理制御装置10の制御部11は、現在の呼び番号iに1を加算した番号を新たな呼び番号iとして設定する(S45)。
【0057】
群管理制御装置10の制御部11は、呼び番号iが号機台数imaxよりも大きいか否かを判断する(S46)。
【0058】
呼び番号iが号機台数imaxよりも大きくない場合(S46でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS42以後の処理を繰り返す。
【0059】
呼び番号iが号機台数imaxよりも大きい場合(S46でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、本フローチャートの処理を終了する。
【0060】
2−3−5.簡易方式での割当変更処理の具体的処理
図6は、実施形態1における群管理制御装置10により、
図5のステップS43で行われる簡易方式での割当変更処理の具体的処理を説明するフローチャートである。
【0061】
群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びCiを号機1〜nにそれぞれ仮割当てして、号機1〜nの応答時間を計算する(S51)。
【0062】
群管理制御装置10の制御部11は、計算した号機1〜nの応答時間の中で、現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の応答時間が最小であるか否かを判断する(S52)。
【0063】
現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の応答時間が最小でない場合(S52でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びCiを、最小の応答時間を有する号機に割当変更して(S53)、
図6のフローチャートによる処理を終了し、
図5のステップS45の処理を行う。
【0064】
現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の応答時間が最小である場合(S52でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、
図6のフローチャートによる処理を終了し、
図5のステップS45の処理を行う。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、当該乗場呼びCiについては割当変更を行わない。
【0065】
2−3−6.即時予報方式での割当変更処理の具体的処理
図7は、実施形態1における群管理制御装置10により、
図5のステップS44で行われる即時予報方式での割当変更の具体的処理を説明するフローチャートである。
【0066】
群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びCiを号機1〜nにそれぞれ仮割当てして、号機1〜nの評価値を計算する(S61)。
【0067】
群管理制御装置10の制御部11は、計算した号機1〜nの評価値の中で、現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の評価値が最小であるか否かを判断する(S62)。
【0068】
現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の評価値が最小でない場合(S62でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、最小の評価値と、現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の評価値との差が、所定値よりも大きいか否かを判断する(S63)。
【0069】
評価値の差が所定値よりも大きい場合(S63でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、乗場呼びCiを、最小の評価値を有する号機に割当変更して(S64)、
図7のフローチャートによる処理を終了し、
図5のステップS45の処理を行う。なお、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS64で割当変更を行った際、即座に、登録階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。なお、割当変更を行った場合、言うまでもなく、割当変更前の割当号機についてホールランタン80が点灯されることはない。
【0070】
現在乗場呼びCiが割り当てられている号機の評価値が最小である場合(S62でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、
図7のフローチャートによる処理を終了し、
図5のステップS45の処理を行う。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、当該乗場呼びCiについては割当変更を行わない。
【0071】
また、評価値の差が所定値よりも大きくない場合(S63でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、
図7のフローチャートによる処理を終了し、
図5のステップS45の処理を行う。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、当該乗場呼びCiについては割当変更を行わない。即時予報方式において割当変更を安易に行うと、利用者に混乱を生じさせる懸念があるためである。
【0072】
3.作用
上述のように、即時予報方式によると、エレベータシステム全体での運行効率を高くできるというメリットがある。しかし、即時予報方式では、利用者がある階で新規の上方向または下方向の乗場呼びを登録したようなときに、必ずしも登録階の最も近くにいる号機が応答するとは限らない。そのため即時予報方式の群管理システムにおいて、エレベータ乗場に階床インジケータ70を設けると、このような状況を利用者が視認可能となり、視認した利用者が、登録階の最も近くに存在する号機が応答しないことについて違和感を持つ可能性がある。
【0073】
そこで、階床インジケータ70を設けた場合には、エレベータシステムの群管理制御方式として、上述のような簡易方式を採用することが考えられる。しかし、簡易方式では、個別の乗場呼びの応答時間のみに基づいて号機割当の判断を行うため、一つの乗場呼びにおいて応答時間が最短となるように制御すると、他の乗場呼びの応答時間が長くなる場合がある。また、割当変更が複数台の号機間で繰り返し行われて複数台の号機の運行がほぼ同じになり、いわゆる団子運転が生じる場合がある。したがって、エレベータシステム全体では、即時予報方式と比べて十分な運行効率を得にくいという問題がある。
【0074】
そこで、本実施形態のエレベータの群管理制御装置10の制御部11は、複数台の号機の現在位置を示す階床インジケータ70が配置された特定階で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して簡易方式の群管理制御を実行し、特定階以外の階床で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して即時予報方式の群管理制御を実行する。
【0075】
このような制御によると、階床インジケータ70が配置された特定階で乗場呼びが発生した場合、最小の応答時間を有する号機が割り当てられる。そのため、特定階に近い位置に存在する号機が割り当てられる可能性が高くなる。したがって、特定階で階床インジケータ70を目視しながら待っている利用者が違和感を持つことが抑制される。
【0076】
一方、特定階以外の階床で乗場呼びが発生した場合、各号機の運行状態を示す複数のパラメータに基づいて、各号機の当該乗場呼びに対する割当適性に関する評価値が求められ、複数台の号機のうち最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に乗場呼びが割り当てられる。そのため、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0077】
このように、本発明によれば、特定階における利用者の違和感を抑制しつつ、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0078】
(実施形態2)
実施形態1では、特定階において必ず簡易方式が適用される。これに対し、本実施形態では、特定階において、所定の混雑時間帯以外の時間帯のみ簡易方式を適用し、所定の混雑時間帯は即時予報方式を適用する。以下、そのための構成等について実施形態1との相違点を中心に説明する。
【0079】
本実施形態では、特定階において、上記の階床インジケータ70とともに、ホールランタン80が配置されている。これは、即時予報方式による号機の案内を行うためである。
【0080】
図8は、実施形態2における群管理制御装置10による乗場呼びに対する号機割当処理を説明するフローチャートである。本実施形態では、ステップS112の処理が追加で行われる。なお、実施形態1と同一の処理を実行するステップについては、同一のステップ番号を付している。
【0081】
図8のステップS12において乗場呼びの登録階が特定階である場合(S12でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、現時刻が所定の混雑時間帯にあるか否かを判断する(S112)。所定の混雑時間帯は、例えば午前8時〜9時の出勤時間帯、12時〜13時の昼食時間帯である。
【0082】
そして、現時刻が所定の混雑時間帯にない場合(S112でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S13)。そして、群管理制御装置10の制御部11は、割当号機が特定階に到着する直前に、特定階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0083】
一方、現時刻が所定の混雑時間帯にある場合(S112でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S14)。群管理制御装置10の制御部11は、割当てを行うと即座に、特定階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
このように、本実施形態では、群管理制御装置10の制御部11は、特定階の乗場呼びに割当てを行った場合にもホールランタン80を点灯させるが、群管理方式が即時予報方式か簡易方式かによってホールランタン80を点灯させるタイミングが異なる。
【0084】
図9は、実施形態2における群管理制御装置10による割当変更処理を説明するフローチャートである。本実施形態では、ステップS142の処理が追加で行われる。なお、実施形態1と同一の処理を実行するステップについては、同一のステップ番号を付している。
【0085】
図9のステップS42において呼び番号iの乗場呼びCiの登録階が特定階である場合(S42でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、現時刻が所定の混雑時間帯にあるか否かを判断する(S142)。
【0086】
現時刻が所定の混雑時間帯にない場合(S142でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S43)。簡易方式で割当変更を実行する場合、群管理制御装置10の制御部11は、割当変更先の号機が特定階に到着する直前に、特定階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。なお、割当変更を行った場合、言うまでもなく、割当変更前の割当号機についてホールランタン80が点灯されることはない。
【0087】
一方、現時刻が所定の混雑時間帯にある場合(S142でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S44)。群管理制御装置10の制御部11は、割当て変更を行うと即座に、特定階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0088】
本実施形態によると、乗場呼びが特定階で発生した場合であっても、所定の混雑時間帯においては、即時予報方式の群管理制御が実行される。そのため、所定の混雑時間帯において、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0089】
(実施形態3)
実施形態1では、特定階において必ず簡易方式が適用される。これに対し、本実施形態では、特定階において、所定の混雑状態が検知されていないときのみ簡易方式を適用し、所定の混雑状態が検知されているときは即時予報方式を適用する。以下、そのための構成等について実施形態1との相違点を中心に説明する。
【0090】
本実施形態では、実施形態2同様、特定階において、上記の階床インジケータ70とともに、ホールランタン80が配置されている。これは、即時予報方式による号機の案内を行うためである。
【0091】
図10は、実施形態3における群管理制御装置10による乗場呼びに対する号機割当処理を説明するフローチャートである。本実施形態では、ステップS212の処理が追加で行われる。なお、実施形態1と同一の処理を実行するステップについては、同一のステップ番号を付している。
【0092】
図10のステップS12において乗場呼びの登録階が特定階である場合(S12でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、現在所定の混雑状態にあるか否かを判断する(S212)。現在所定の混雑状態にあるか否かは、例えば、エレベータシステム全体としての乗場呼びの発生頻度(単位時間当たり発生回数)が所定頻度以上か否かに基づいて判断する。
【0093】
そして、現在所定の混雑状態にない場合(S212でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S13)。そして、群管理制御装置10の制御部11は、割当号機が特定階に到着する直前に、特定階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0094】
一方、現在所定の混雑状態にある場合(S212でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で乗場呼びを複数台の号機のうちのいずれかに割り当てる(S14)。群管理制御装置10の制御部11は、割当てを行うと即座に、特定階の、割当号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
このように、本実施形態では、群管理制御装置10の制御部11は、特定階の乗場呼びに割当てを行った場合にも、ホールランタン80を点灯させるが、群管理方式が即時予報方式か簡易方式かによってホールランタン80を点灯させるタイミングが異なる。
【0095】
図11は、実施形態3における群管理制御装置10による割当変更処理を説明するフローチャートである。本実施形態では、ステップS242の処理が追加で行われる。なお、実施形態1と同一の処理を実行するステップについては、同一のステップ番号を付している。
【0096】
図11のステップS42において呼び番号iの乗場呼びCiの登録階が特定階である場合(S42でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、現在所定の混雑状態にあるか否かを判断する(S242)。
【0097】
現在所定の混雑状態にない場合(S242でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、簡易方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S43)。簡易方式で割当変更を実行する場合、群管理制御装置10の制御部11は、割当変更先の号機が特定階に到着する直前に、特定階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。なお、割当変更を行った場合、言うまでもなく、割当変更前の割当号機についてホールランタン80が点灯されることはない。
【0098】
一方、現在所定の混雑状態にある場合(S242でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、即時予報方式で呼び番号iの乗場呼びCiの割当変更を判断する(S44)。群管理制御装置10の制御部11は、割当て変更を行うと即座に、特定階の、割当変更先の号機に対応するホールランタン80に点灯制御信号を出力し、当該ホールランタン80を点灯させる。
【0099】
本実施形態によると、乗場呼びが特定階で発生した場合であっても、所定の混雑状態が検知されているときは、即時予報方式の群管理制御が実行される。そのため、所定の混雑状態にあるときに、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0100】
(実施形態1〜3のまとめ)
(1)実施形態1〜3のエレベータの群管理制御装置10は、複数台の号機の運行を統合的に制御する。
群管理制御装置10は、簡易方式の群管理制御(第1の群管理制御)と即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)とを実行可能な制御部11を備える。
制御部11は、
簡易方式の群管理制御(第1の群管理制御)において、乗場呼びの発生時、乗場呼びを複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の当該乗場呼びに対する応答時間を求め、複数台の号機のうち最小の応答時間を有する号機に乗場呼びを割り当て、
即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)において、乗場呼びの発生時、各号機の運行状態を示す複数のパラメータに基づいて、各号機の当該乗場呼びに対する割当適性に関する評価値を求め、複数台の号機のうち最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に乗場呼びを割り当てるように構成されている。
制御部11は、
複数台の号機の現在位置を示す階床インジケータ70が配置された特定階で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して簡易方式の群管理制御(第1の群管理制御)を実行し、
特定階以外の階床で乗場呼びが発生したときは、当該乗場呼びに対して即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)を実行する。
【0101】
本実施形態のエレベータの群管理制御装置10によれば、階床インジケータ70が配置された特定階で乗場呼びが発生した場合、最小の応答時間を有する号機が割り当てられる。そのため、特定階に近い位置に存在する号機が割り当てられる可能性が高くなる。したがって、特定階で階床インジケータ70を目視しながら待っている利用者が違和感を持つことが抑制される。
【0102】
一方、特定階以外の階床で乗場呼びが発生した場合、各号機の運行状態を示す複数のパラメータに基づいて、各号機の当該乗場呼びに対する割当適性に関する評価値が求められ、複数台の号機のうち最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に乗場呼びが割り当てられる。そのため、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0103】
このように、本発明によれば、特定階における利用者の違和感を抑制しつつ、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0104】
(2)実施形態1〜3におけるエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、簡易方式の群管理制御(第1の群管理制御)において、割当済・未応答の乗場呼びの各々について、複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の当該乗場呼びに対する応答時間を求め、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の応答時間よりも短い応答時間を有する号機が存在するときは、最小の応答時間を有する号機に割当変更を行う。
【0105】
これにより、特定階で登録された乗場呼びについては、割当後において、適宜、応答時間が最も短い号機に割当変更が行われることとなる。そのため、各号機の運行状態が時間の経過に伴い変化した場合でも、最終的には、特定階に近い位置に存在する号機が割り当てられる可能性が高くなる。そのため、特定階で階床インジケータ70を目視しながら待っている利用者が違和感を持つことがより一層抑制される。
【0106】
(3)実施形態1〜3におけるエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の割当適性に関する評価値を求め、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることを条件として、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更を行う。
【0107】
これにより、即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、は、割当後において、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更が行われる。そのため、各号機の運行状態が時間の経過に伴い変化した場合でも、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0108】
特に、本実施形態によれば、最も高い割当適性を示す評価値と現在割り当てられている号機の評価値との差が所定値以上であることを条件として、割当変更が行われることとなる。そのため、頻繁に割当変更が行われることが回避される。そのため、割当変更による利用者の利便性の低下等が極力抑制される。
【0109】
(4)実施形態1〜3におけるエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、複数台の号機の各々に仮割当てして、各号機の割当適性に関する評価値及び当該乗場呼びに対する応答時間を求め、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機の応答時間が現在割り当てられている号機の応答時間よりも所定時間以上短いことを条件として、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更を行う。
【0110】
これにより、即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)において、割当済で未応答の乗場呼びの各々について、は、割当後において、複数台の号機の中に、現在割り当てられている号機の評価値よりも高い割当適性を示す評価値を有する号機が存在するときは、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機に割当変更が行われる。そのため、号機の運行状態が時間の経過に伴い変化した場合でも、エレベータシステム全体としての運行効率を適切に確保できる。
【0111】
特に、本実施形態によれば、最も高い割当適性を示す評価値を有する号機の応答時間が現在割り当てられている号機の応答時間よりも所定時間以上短いことを条件として、割当変更が行われることとなる。そのため、頻繁に割当変更が行われることが回避される。そのため、割当変更による利用者の利便性の低下等が極力抑制される。
【0112】
(5−1)実施形態2におけるエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、特定階で乗場呼びが発生したときであっても、所定の混雑時間帯にあるときは、当該乗場呼びに対して即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)を実行する。
【0113】
これにより、所定の混雑時間帯にあるときにおいて、エレベータシステム全体としての運行効率を向上させることができる。
【0114】
(5−2)実施形態3におけるエレベータの群管理制御装置10において、
制御部11は、特定階で乗場呼びが発生したときであっても、所定の混雑状態が検知されているときは、当該乗場呼びに対して即時予報方式の群管理制御(第2の群管理制御)を実行する。
【0115】
これにより、所定の混雑状態にあるときにおいて、エレベータシステム全体としての運行効率を向上させることができる。
【0116】
(6)実施形態1〜3のエレベータシステムは、
複数台の号機と、
実施形態1〜3のいずれかのエレベータの群管理制御装置10と、を有する。
【0117】
これにより、エレベータシステムとして上記の効果が得られる。
【0118】
(その他の実施形態)
前記実施形態では、即時予報方式の群管理制御での号機の案内のためにホールランタン80を設けているが、ホールランタン80に代えてあるいはそれとともにチャイムを設けてもよい。
【0119】
前記実施形態では、制御部11は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部12から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現している。つまり、制御部11は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されている。しかし、制御部11は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成してもよい。