特許第6702156号(P6702156)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6702156画像形成装置、広告選択プログラム、情報処理システムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702156
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】画像形成装置、広告選択プログラム、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200518BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20200518BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   G06Q30/02 438
   G06Q30/08
   H04N1/00 J
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-227785(P2016-227785)
(22)【出願日】2016年11月24日
(65)【公開番号】特開2018-84965(P2018-84965A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】渡▲瀬▼ 慎一郎
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−142476(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103975353(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0303459(US,A1)
【文献】 特開2003−122997(JP,A)
【文献】 特開2016−062297(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0332317(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
表示部と、
前記表示部に表示可能な1以上の広告が記憶された記憶部と、
原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出するOCR処理部と、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から前記表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加する1以上の入札スクリプトであって、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、前記広告に使う予算から落札に関する前記広告料を差し引き、前記広告に使う予算が0またはマイナスになると入札する前記広告料として0を提示することを特徴とする、1以上の入札スクリプトと、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを前記1以上の入札スクリプトに渡し、前記1以上の入札スクリプトに前記競争入札に参加させ、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として前記記憶部に蓄積させる広告選択部と
を備えた
画像形成装置。
【請求項2】
操作部と、
表示部と、
前記表示部に表示可能な1以上の広告が記憶された記憶部と、
原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出するOCR処理部と、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から前記表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加する1以上の入札スクリプトであって、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、前記広告に使う予算から落札に関する前記広告料を差し引き、前記広告に使う予算が0またはマイナスになると入札する前記広告料として0を提示することを特徴とする、1以上の入札スクリプト
として動作する制御回路と
を備えた画像形成装置の前記制御回路を、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを前記1以上の入札スクリプトに渡し、前記1以上の入札スクリプトに前記競争入札に参加させ、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として前記記憶部に蓄積させる広告選択部
として動作させる
広告選択プログラム。
【請求項3】
ネットワーク接続された、1以上の店舗サイトの各々に設置された画像形成装置と、本部サイトに設置された本部サーバーとを含み、
前記画像形成装置の各々は、
前記本部サーバーと通信可能な通信部と、
操作部と、
表示部と、
前記表示部に表示可能な1以上の広告が記憶された記憶部と、
原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、
前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出するOCR処理部と、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から前記表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加する1以上の入札スクリプトであって、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、前記広告に使う予算から落札に関する前記広告料を差し引き、前記広告に使う予算が0またはマイナスになると入札する前記広告料として0を提示することを特徴とする、1以上の入札スクリプトと、
前記OCR処理部により抽出された前記文字データを前記1以上の入札スクリプトに渡し、前記1以上の入札スクリプトに前記競争入札に参加させ、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として前記記憶部に蓄積させる広告選択部と、
を備えた
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムであって、
前記画像形成装置の各々は、
前記記憶部に蓄積された前記選択結果情報を予め定められたタイミングで前記本部サーバーにアップロードする選択結果報告部を更に備え、
前記本部サーバーは、
各画像形成装置からアップロードされた選択結果情報を集計し、各広告主に集計した広告料を請求する
情報処理システム。
【請求項5】
ネットワーク接続された、1以上の店舗サイトの各々に設置された画像形成装置と、本部サイトに設置された本部サーバーとを含んだ情報処理システムにおける、前記画像形成装置の各々により実行される情報処理方法であって、
前記画像形成装置の各々の原稿読取部が、原稿を読み取り画像データを生成し、
前記画像形成装置の各々のOCR処理部が、前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出し、
前記画像形成装置の各々の広告選択部が、前記OCR処理部により抽出された前記文字データを1以上の入札スクリプトに渡し、前記1以上の入札スクリプトに競争入札に参加させ、
前記画像形成装置の各々の前記1以上の入札スクリプトが、前記OCR処理部から渡された文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加し、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、前記広告に使う予算から落札に関する前記広告料を差し引き、前記広告に使う予算が0またはマイナスになると入札する前記広告料として0を提示することを特徴とし、
前記画像形成装置の各々の前記広告選択部が、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として記憶部に蓄積させる
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象の内容に応じた広告を表示させる情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子広告、特に、インターネット広告については、ソフトウェア・ハードウェアの両面において技術の進歩が著しく、既に一大産業を形成している。
一方、昨今多くの機器に液晶パネルが搭載されるようになり、広告表示に活用されている。具体例としては、コンビニエンスストアのPOS(Point of Sales)端末や通勤電車の車内モニターなどがある。複合機やコピー機においても、液晶パネルが搭載され、将来的な広告需要が予想される。
しかし、実際のところ、コンビニエンスストアなどに設置された複合機では利用者のプロフィールが分からないため、利用者に合った適切な広告を表示することは困難である。
広告主の立場で考えれば、対象の客層ではない相手への広告は無駄であるため、高単価の広告主を募ることが難しい。結果、コンビニエンスストア内の商品やコンビニエンスストア自体のサービスに関する広告ばかりになる。
このように、複合機上に表示させる広告は難しく、大学内のコピー機に限定した「タダコピ」を除いて成功例は無い。
なお、電子広告では、コピーする原稿や表示させるWebページなどの処理対象の内容に応じて適切な広告をユーザーに提示するための様々な工夫がなされてきた。
例えば、特許文献1において開示されている技術は、アフィリエイト・サイトの内容とそのサイトに掲載する広告コンテンツの内容とを合致させるというものである。アフィリエイト・サイトの内容に基づいて設定されたキーワードを用いて広告配信コンピューターと通信を行い、適切な広告を表示させている。
また、例えば、特許文献2の技術では、視聴者が番組を閲覧している間に関心のある項目を見たとき、視聴者は、その項目についての情報要求(RFI)を開始する。RFIが入力されると、セットトップボックスなどクライアント装置はそのRFIを検出し、閲覧されたチャネル、タイムスタンプ、またクローズドキャプションデータを含め、RFIデータをサーバーに送信する。RFIデータは、番組時刻コード情報、番組ガイド情報、番組情報および/または広告情報と相互参照され、RFIのコンテキスト、すなわちユーザーの見たものを決定する。ユーザーの見た項目についての情報が、システムメッセージ、電子メールメッセージ、郵便などによって視聴者に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4570921号公報
【特許文献2】特許4625656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献において開示されている技術では、適切な広告を選択しユーザーに提示するためには別途、独立したサーバーを立てる必要があった。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、広告表示のための独立したサーバーを立てる事なく処理対象の内容に応じた広告を表示できる情報処理システムおよび情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムは、ネットワーク接続された、1以上の店舗サイトの各々に設置された情報処理装置と、本部サイトに設置された本部サーバーとを含み、前記情報処理装置の各々は、前記本部サーバーと通信可能な通信部と、操作部と、表示部と、前記表示部に表示可能な1以上の広告が記憶された記憶部と、原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取部と、前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出するOCR部と、前記OCR部から渡された文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から前記表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加する1以上の入札スクリプトと、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として前記記憶部に蓄積させる広告選択部とを備える。
【0007】
そのため、広告表示のための独立したサーバーを立てる事なく処理対象の内容に応じた広告を表示できる。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムでは、前記情報処理装置の各々は、前記記憶部に蓄積された前記選択結果情報を予め定められたタイミングで前記本部サーバーにアップロードする選択結果報告部を更に備え、前記本部サーバーは、各情報処理装置からアップロードされた選択結果情報を集計し、各広告主に集計した広告料を請求する構成でもよい。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムでは、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、前記各広告主から提供される構成でもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理システムでは、前記1以上の入札スクリプトのそれぞれは、広告の予算がなくなったとき、競争入札への参加を取りやめる構成でもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理方法は、ネットワーク接続された、1以上の店舗サイトの各々に設置された情報処理装置と、本部サイトに設置された本部サーバーとを含んだ情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記情報処理装置の各々の原稿読取部が、原稿を読み取り画像データを生成し、前記情報処理装置の各々のOCR部が、前記原稿読取部により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出し、前記情報処理装置の各々の前記1以上の入札スクリプトが、前記OCR部から渡された文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告の中から表示部に表示させる事を希望する広告を選択し、選択した前記広告の広告料を提示して競争入札に参加し、前記情報処理装置の各々の広告選択部が、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプトを選択し、選択された前記入札スクリプトが希望する広告を前記表示部に表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプトが提示した広告料とを選択結果情報として記憶部に蓄積させる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、独立したサーバーを立てる事なく処理対象の内容に応じた広告を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
図2】画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
図3】情報処理システム1におけるデータの流れを説明するための図である。
図4】複数の入札スクリプト21cにより行われる競争入札の詳細について説明するための図である。
図5】各広告主から提供され、競争入札を行う入札スクリプト21cの例を示す図である。
図6】情報処理システム1における処理のうち、ユーザーが画像形成装置20に原稿を読ませる毎に行われる処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
図7】情報処理システム1における処理のうち、広告主への広告料の請求処理に関する部分の処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにおいて、各店舗サイトに設置される情報処理装置の例として、画像形成装置を用いて説明する。
[全体構成]
最初に、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
情報処理システム1は、本部サイトに設置された本部サーバー10と、各店舗サイトに設置された画像形成装置20を含んで構成されている。本部サーバー10と各画像形成装置20はネットワークで接続されている。
本部サーバー10は、各画像形成装置20上で表示された広告の広告料を集計して広告主に請求するために用いられる。
各画像形成装置20は、ユーザーがコピーする原稿の内容に合わせて操作パネル上の表示部に広告を表示する。
なお、上記の構成で注意すべき点は、本部サーバー10は、広告料をまとめて広告主に請求するための処理に用いられるものであり、広告の選択と表示には一切関係していない点である。広告の選択処理と表示処理は、各画像形成装置20で独立して行われる。
以上、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を説明した。
【0015】
[画像形成装置20の構成]
次に、画像形成装置20の構成について説明する。図2は、画像形成装置20の構成を概略的に示す構成図である。
【0016】
画像形成装置20は、制御部21を備える。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置20の全体的な動作制御を司る。
【0017】
制御部21は、原稿読取部22、画像処理部23、画像メモリー24、画像形成部25、操作部26、表示部26a、ファクシミリ通信部27、通信部28、記憶部29等と接続されている。制御部21は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0018】
制御部21は、ユーザーから、操作部26またはネッワーク接続されたPC等を通じて入力されるジョブの実行指示に従って、スキャナ機能、印刷機能、コピー機能、およびファクシミリ送受信機能などの各機能についての動作制御を実行するために必要な機構の駆動及び処理を制御する。
【0019】
また、制御部21は、OCR(Optical Character Recognition)部21a、広告選択部21b、入札スクリプト21c、および選択結果報告部21dを有している。OCR部21a、広告選択部21b、入力スクリプト21c、および選択結果報告部21dは、ROMなどからRAMにロードされたプログラムがCPUにより実行されることで実現される機能ブロックである。
【0020】
OCR部21aは、原稿読取部22により読み込まれた画像データをOCR処理し、文字データを抽出する。
【0021】
広告選択部21bは、表示部26aに広告29aを表示させるにあたり、OCR部21aにより抽出された文字データを各入札スクリプト21cに渡し、各入札スクリプト21cから広告料を競争入札させ、最も高い広告料を入札した入札スクリプト21cの広告29aを表示させることを決定する。
【0022】
また、どの広告29aが表示されたか、広告料は幾らだったかを、選択結果情報29bとして記憶部29に記憶させる。
【0023】
入札スクリプト21cは、各広告主から提供されるスクリプト(プログラム)であり、OCR部21aから入力される文字データの内容を分析して、複数準備してある広告の中から表示させる広告を選択したり、競争入札にあたり入札に用いる広告料を決定したりする。
【0024】
選択結果報告部21dは、記憶部29に記憶されている選択結果情報29bを定期的にまたは予め定められたタイミングで本部サーバー10にアップロードする。
【0025】
原稿読取部22は、原稿から画像を読み取る。
【0026】
画像処理部23は、原稿読取部22で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部23は、原稿読取部22により読み取られた画像が画像形成された後の品質を向上させるために、シェーディング補正等の画像処理を行う。
【0027】
画像メモリー24は、原稿読取部22による読み取りで得られた原稿画像のデータを一時的に記憶したり、画像形成部25での印刷対象となるデータを一時的に記憶したりする領域である。
【0028】
画像形成部25は、原稿読取部22で読み取られた画像データ等の画像形成を行う。
【0029】
操作部26は、画像形成装置20が実行可能な各種動作及び処理についてユーザーからの指示を受け付けるタッチパネル部および操作キー部を備える。タッチパネル部は、タッチパネルが設けられたLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部26aを備えている。
【0030】
ファクシミリ通信部27は、図示しない符号化/復号化部、変復調部、およびNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行う。
【0031】
通信部28は、LANボード等の通信モジュールから構成され、通信部28に接続されたLAN等を介して、本部サーバー10やPCなどの装置と種々のデータの送受信を行う。
【0032】
記憶部29は、原稿読取部22によって読み取られた原稿画像、表示部26aに表示される広告29a、選択結果情報29bなどを記憶する。記憶部29は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
【0033】
以上、画像形成装置20の構成について説明した。なお、本部サーバー10は一般的なコンピューターを用いれば良いので、構成の詳細に関する説明は省略する。
【0034】
[データの流れ]
次に、情報処理システム1におけるデータの流れを説明する。図3は、情報処理システム1におけるデータの流れを説明するための図である。
【0035】
流れは大きく2つに分けられる。1つは、画像形成装置20のユーザーが原稿をコピーする流れである。
【0036】
原稿読取部22で読み取られた画像データは、画像形成部25に送られ、印刷される。この流れにより、ユーザーは原稿をコピーすることが出来る。なお、ここではユーザーが行う処理をコピー処理としたが、これに限らず、原稿を読み込ませる処理であれば、ユーザーが行う処理はFAX送信などでもよい。
【0037】
もう1つの流れは、原稿読取部22で読み取られた画像データを用いて表示部26aに広告を表示させる処理の流れである。
【0038】
原稿読取部22で読み取られた画像データに対しOCR部21aがOCR処理を施して文字データを抽出し、広告選択部21bで各入札スクリプト21cに広告を表示する権利を競争入札させる。最も高い広告料を入札した入札スクリプト21cが表示部26aに広告を表示させる権利を獲得し広告表示が行われる。
【0039】
広告表示後は、表示された広告が何であるか、およびその広告の広告料が記憶部29に選択結果情報29bとして蓄積される。蓄積された選択結果情報29bは、予め定められたタイミングで本部サーバー10にアップロードされる。本部サーバー10で集計された広告料は、各広告主に請求される。
【0040】
以上、情報処理システム1におけるデータの流れを説明した。
【0041】
[競争入札について]
次に、複数の入札スクリプト21cにより行われる競争入札の詳細について説明する。図4は、複数の入札スクリプト21cにより行われる競争入札の詳細について説明するための図である。
【0042】
各入札スクリプト21cには、OCR部21aから文字データが入力される。各入札スクリプト21cは、それぞれ独立して文字データを解析し、表示させたい広告の選択と入札する広告料を決定する。
【0043】
図に示した例では、広告主1から提供された入札スクリプト1が広告1−3(広告主1が提供した3番の広告)を表示することを希望し、広告料として0.21円を提示している。
【0044】
また、広告主nから提供された入札スクリプトnは、広告n−mを表示することを希望し、広告料として0.16円を提示している。
【0045】
各入札スクリプト21cからの広告料の入札が完了した後、広告選択部21bは、最も高い広告料を提示した入札スクリプト21cに表示部26aへ広告を表示する権利を与える。
【0046】
図に示した例では、広告主4の入札スクリプト4が0.28円と最も高い広告料を提示しているので、表示部26aへ広告を表示する権利を落札し、広告4−2を表示する。
【0047】
以上、複数の入札スクリプト21cにより行われる競争入札の詳細について説明した。
【0048】
[入札スクリプトの例]
次に、各広告主から提供され、競争入札を行う入札スクリプト21cの例を説明する。図5は、各広告主から提供され、競争入札を行う入札スクリプト21cの例を示す図である。なお、ここで例示に使用している言語は、特定の言語を用いたものでは無く、処理の内容を例示するために便宜上使用するものである。
【0049】
まず、上のスクリプトSC1が競争入札時に使用されるものであり、OCR部21aから入力された文字データに「免許証」の文字列が含まれている場合、1番の自動車保険に関する広告を表示することを希望し、広告料として0.5円を提示している。
【0050】
また、OCR部21aから入力された文字データに「登記簿」の文字列が含まれている場合、2番の火災保険に関する広告を表示することを希望し、広告料として0.2円を提示している。
【0051】
次に、下のスクリプトSC2が広告を表示する権利の落札に成功した場合に実行されるスクリプトであり、広告に使う予算から今回の落札に関する広告料を差し引いている。そして広告に使う予算(leftBudget)が0かマイナスになると、入札スクリプトSC1は入札を止める(入札する広告料の価格として0を返す)。
【0052】
なお、上記の例は最も簡単な入札スクリプト21cの例であり、処理内容は、語句の使用頻度に応じて処理内容を変更するなど、各広告主が自由に記述できるものであってよい。そうすることにより、広告主は、より正確なターゲット広告を表示させることが出来る。
【0053】
以上、各広告主から提供され、競争入札を行う入札スクリプト21cの例を説明した。
【0054】
[処理の流れ(その1)]
次に、情報処理システム1における処理のうち、ユーザーが画像形成装置20に原稿を読ませる毎に行われる処理の流れについて説明する。図6は、情報処理システム1における処理のうち、ユーザーが画像形成装置20に原稿を読ませる毎に行われる処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0055】
まず、OCR部21aが、原稿読取部22におけるスキャンにより得られた画像データを取得する(ステップS1)。
【0056】
次に、OCR部21aが、取得した画像データに対しOCR処理を施し、文字データを抽出する(ステップS2)。
【0057】
次に、OCR部21aが、抽出した文字データを各入札スクリプト21cへ入力する(ステップS3)。
【0058】
次に、各入札スクリプト21cが、受け付けた文字データを解析し、表示を希望する広告と、広告料を提示し、競争入札を行う(ステップS4)。
【0059】
次に、広告選択部21bが、最も高い広告料を提示した入札スクリプト21cを決定する(ステップS5)。
【0060】
次に、広告選択部21bが、決定した(落札に成功した)入札スクリプト21cが希望している広告を表示部26aに表示させる(ステップS6)。
【0061】
次に、広告選択部21bが、どの広告を幾らの広告料で表示させたかを、選択結果情報29bとして記憶部29に蓄積する(ステップS7)。
【0062】
以上、情報処理システム1における処理のうち、ユーザーが画像形成装置20に原稿を読ませる毎に行われる処理の流れについて説明した。
【0063】
[処理の流れ(その2)]
次に、情報処理システム1における処理のうち、広告主への広告料の請求処理に関する部分の処理の流れについて説明する。図7は、情報処理システム1における処理のうち、広告主への広告料の請求処理に関する部分の処理の流れについて説明するためのフローチャートである。
【0064】
まず、選択結果報告部21dが、記憶部29に蓄積された選択結果情報29bを、予め定められたタイミングで本部サーバー10にアップロードする(ステップS10)。
【0065】
次に、本部サーバー10が、アップロードされた選択結果情報29bに基づいて、各広告主に広告料を請求する(ステップS11)。
【0066】
以上、情報処理システム1における処理のうち、広告主への広告料の請求処理に関する部分の処理の流れについて説明した。
【0067】
[補足事項]
以上のように、本発明に係る情報処理システム1は、ネットワーク接続された、1以上の店舗サイトの各々に設置された情報処理装置20と、本部サイトに設置された本部サーバー10とを含み、前記情報処理装置20の各々は、前記本部サーバー10と通信可能な通信部28と、操作部26と、表示部26aと、前記表示部26aに表示可能な1以上の広告29aが記憶された記憶部29と、原稿を読み取り画像データを生成する原稿読取部22と、前記原稿読取部22により生成された前記画像データをOCR処理し文字データを抽出するOCR部21aと、前記OCR部21aから渡された文字データを分析し、分析結果に基づいて、前記1以上の広告29aの中から前記表示部26aに表示させる事を希望する広告29aを選択し、選択した前記広告29aの広告料を提示して競争入札に参加する1以上の入札スクリプト21cと、前記競争入札の結果に基づき、最も高い広告料を提示した入札スクリプト21cを選択し、選択された前記入札スクリプト21cが希望する広告29aを前記表示部26aに表示させ、前記選択の結果と選択された前記入札スクリプト21cが提示した広告料とを選択結果情報29bとして前記記憶部29に蓄積させる広告選択部21bとを備える。
【0068】
そのため、広告表示のための独立したサーバーを立てる事なく処理対象の内容に応じた広告を表示できる。
【0069】
その他、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
1 … 情報処理システム
10 … 本部サーバー
20 … 画像形成装置
21 … 制御部
21a… OCR部
21b… 広告選択部
21c… 入札スクリプト
21d… 選択結果報告部
22 … 原稿読取部
23 … 画像処理部
24 … 画像メモリー
25 … 画像形成部
26 … 操作部
26a… 表示部
27 … ファクシミリ通信部
28 … 通信部
29 … 記憶部
29a… 広告
29b… 選択結果情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7