(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
[インクジェット記録装置10の概略構成]
まず、
図1〜
図4を参照しつつ、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の概略構成について説明する。ここで、
図1はインクジェット記録装置10の構成を示す断面模式図である。また、
図2は記録部3の構成を示す平面図である。また、
図3及び
図4はインク供給部9の構成を示す斜視図である。なお、
図3では第1排出配管63、第2供給配管93、及び第4供給配管97の記載が省略されている。
【0011】
なお、説明の便宜上、インクジェット記録装置10が使用可能な設置状態(
図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図1に示されるインクジェット記録装置10の紙面手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態のインクジェット記録装置10の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0012】
インクジェット記録装置10は、インクジェット方式で画像を形成可能なプリンターである。なお、本発明は、インクジェット方式で画像を形成可能なファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などのインクジェット記録装置に適用されてもよい。
【0013】
図1及び
図3に示されるように、インクジェット記録装置10は、シート載置部1、給紙部2、記録部3、インクコンテナ部4、搬送ユニット5、パージ装置6、排紙部7、制御部8、及びインク供給部9を備える。
【0014】
シート載置部1には、インクジェット記録装置10において印刷対象となるシートが載置される。
図1に示されるように、シート載置部1は、給紙カセット11〜14、及び手差しトレイ15を有する。例えば、給紙カセット11〜14、及び手差しトレイ15の各々に載置されるシートは、紙、コート紙、ハガキ、封筒、及びOHPシートなどのシート材料である。
【0015】
給紙部2は、シート載置部1に載置されるシートを記録部3に供給する。
図1に示されるように、給紙部2は、搬送路21、ピックアップローラー22A〜22E、搬送ローラー23、及びレジストローラー24を備える。搬送路21は、給紙カセット11〜14、及び手差しトレイ15の各々から記録部3までの間のシートの移動通路である。ピックアップローラー22Aは、給紙カセット11に対応して設けられ、給紙カセット11からシートを一枚ずつ取り出す。ピックアップローラー22B〜22Eは、給紙カセット12〜14、及び手差しトレイ15の各々に対応して設けられ、ピックアップローラー22Aと同様に、対応するシート載置部からシートを一枚ずつ取り出す。搬送ローラー23は、ピックアップローラー22A〜22Eによって取り出されたシートをレジストローラー24まで搬送する。レジストローラー24は、所定の搬送タイミング(画像の書き出しタイミング)でシートを記録部3に搬送する。
【0016】
記録部3は,給紙部2から供給されるシートに画像を記録する。
図1に示されるように、記録部3は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応するラインヘッド31〜34と、これらを支持するヘッドフレーム35とを備える。ヘッドフレーム35はインクジェット記録装置10の筐体に支持されている。なお、記録部3の備えるラインヘッドの数は、1つであってもよく、4を除く複数であってもよい。
【0017】
ラインヘッド31〜34は、所謂ラインヘッド型の記録ヘッドである。即ち、インクジェット記録装置10は、所謂ラインヘッド型のインクジェット記録装置である。
図2に示されるように、ラインヘッド31〜34は前後方向D2に長尺である。具体的に、ラインヘッド31〜34各々は、前後方向D2において、シート載置部1に載置可能なシートのうち最大サイズのシートの幅に対応する長さを有する。ラインヘッド31〜34各々は、左右方向D3に沿って所定間隔を隔てられて、ヘッドフレーム35に固定されている。
【0018】
図2に示されるように、ラインヘッド31〜34各々は、複数の記録ヘッド30を有する。記録ヘッド30は、搬送ユニット5によって搬送されるシートへ向けてインクを吐出する。具体的に、記録ヘッド30における搬送ユニット5によって搬送されるシートとの対向面には、開口を有するインク吐出用の多数のノズル301が設けられている。また、記録ヘッド30は、ノズル301各々に対応する加圧室(不図示)、前記加圧室各々に対応して設けられる圧電素子(不図示)、及び前記加圧室各々と連通する連通流路(不図示)を備える。前記圧電素子は、電圧の印加に応じてノズル301からインクを吐出させる。具体的に、前記圧電素子は、前記加圧室に収容されているインクを加圧することで、ノズル301からインクを吐出させる。
【0019】
本実施形態では、ラインヘッド31は、前後方向D2に沿って3つの記録ヘッド30が千鳥状に配列されている。また、他のラインヘッド32〜34各々も、ラインヘッド31と同様に、前後方向D2に沿って3つの記録ヘッド30が千鳥状に配列されている。
【0020】
インクコンテナ部4は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色に対応するインクが収容されたインクコンテナ41〜44を備える。インクコンテナ41〜44は、インク供給部9を介して同色のラインヘッド31〜34各々に接続されている。ここに、インクコンテナ41〜44各々が、本発明におけるインク収容部の一例である。
【0021】
搬送ユニット5は、記録部3によって画像が形成されるシートを搬送する。具体的に、搬送ユニット5は、シートを記録ヘッド30の前記対向面に対向させつつ搬送する。
図1に示されるように、搬送ユニット5は、搬送ベルト51、及び張架ローラー52〜53を備える。
【0022】
張架ローラー52〜53は、ラインヘッド31〜34の下方において左右方向D3に離間して設けられる。搬送ベルト51は、張架ローラー52〜53によってラインヘッド31〜34の下方で張架される。例えば、搬送ベルト51と記録ヘッド30の前記対向面との間隙は、画像記録時のシートの表面と前記対向面との間隙が1mmとなるように調整される。張架ローラー52は、不図示のモーターの回転軸に連結されている。張架ローラー52が、前記モーターの駆動により反時計回りに回転されると、搬送ベルト51がシートを左右方向D3における左方向へ搬送可能な方向に回動する。これにより、給紙部2から供給されたシートは、搬送ベルト51の回動によって記録部3を経て排紙部7へ搬送される。なお、搬送ユニット5には、シートを搬送ベルト51に吸着させるべく、搬送ベルト51に形成された多数の貫通孔から吸気を行う吸引ユニット(不図示)なども設けられている。
【0023】
排紙部7は、搬送ユニット5によって搬送されるシートをインクジェット記録装置10の装置外部へ排出する。
図1に示されるように、排紙部7は、搬送ベルト71、張架ローラー72〜73、搬送路74、搬送ローラー75、排紙ローラー76、及び排紙トレイ77を備える。張架ローラー72〜73は、搬送ユニット5より左側において左右方向D3に離間して設けられる。搬送ベルト71は、張架ローラー72〜73によって搬送ユニット5の左側において張架される。搬送ベルト71は、張架ローラー72が前記モーターの駆動によって反時計回りに回転されることで、搬送ユニット5から搬送されたシートを左右方向D3における左方向へ搬送する。搬送路74は、搬送ベルト71におけるシートの搬送終了位置から排紙トレイ77までの間のシートの移動通路である。搬送ローラー75は、搬送路74においてシートを搬送する。排紙ローラー76は、搬送路74を搬送されるシートを排紙トレイ77へ排出する。なお、排紙部7には、シートに付着したインクを乾燥させる不図示の乾燥装置なども設けられている。
【0024】
パージ装置6は、ラインヘッド31〜34各々の記録ヘッド30の機能を回復させるパージ処理に用いられる。
図1、
図3、及び
図4に示されるように、パージ装置6は、インクトレイ61、キャリッジ62、第1排出配管63、ポンプ64、第2排出配管65、及び廃インクタンク66を備える。また、パージ装置6は、記録ヘッド30各々の前記対向面を清掃するワイパー部材(不図示)を備える。
【0025】
インクトレイ61は、記録ヘッド30各々のノズル301から排出されるインクを受ける。キャリッジ62は、インクトレイ61及び前記ワイパー部材を支持する。インクトレイ61及びキャリッジ62は、搬送ベルト71の下方に設けられる。キャリッジ62は、不図示の移動機構により左右方向D3及び上下方向D1に移動可能に支持されている。例えば、前記移動機構は、モーターの回転軸に連結されたギアの回転運動を直線運動に変換するラック−ピニオン機構を利用してキャリッジ62を移動させるような従来周知の駆動機構である。
【0026】
また、インクジェット記録装置10において、搬送ユニット5は、不図示の昇降機構によって上下方向D1に移動可能に設けられている。搬送ユニット5は、前記パージ処理が実行される場合に、前記昇降機構によって下方向に移動される。また、キャリッジ62は、前記昇降機構によって搬送ユニット5が下方向に移動された後に、前記移動機構によって右方向に移動されてラインヘッド31〜34の下方へ配置される。そして、キャリッジ62は、前記移動機構によって上方向に移動されて前記パージ処理を実行可能なパージ位置に配置される。
【0027】
キャリッジ62が前記パージ位置に配置されると、前記パージ処理が実行される。具体的に、前記パージ処理では、制御部8によって後述のポンプ96が駆動制御されることで、記録ヘッド30各々のノズル301からインクトレイ61に向けてインクが排出される。前記パージ処理が実行されることで、記録ヘッド30各々のノズル301内に残留する高粘度のインクが排出され、ノズル301の目詰まりが解消される。
【0028】
第1排出配管63は、インクトレイ61の底部とポンプ64とを接続するインクの移動通路である。例えば、第1排出配管63は、一端がインクトレイ61に接続され、他端がポンプ64に接続される樹脂製のチューブである。ポンプ64は、インクトレイ61に排出されたインクを吸引して廃インクタンク66に供給する。第2排出配管65は、ポンプ64と廃インクタンク66とを接続するインクの移動通路である。例えば、第2排出配管65は、一端がポンプ64に接続され、他端が廃インクタンク66に接続される樹脂製のチューブである。廃インクタンク66には、前記パージ処理によってインクトレイ61に排出されたインクが収容される。
【0029】
制御部8は、不図示のCPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。前記RAMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。制御部8では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、インクジェット記録装置10が制御部8により統括的に制御される。例えば、制御部8は、予め定められた実行条件を充足する場合に前記パージ処理を実行する。
【0030】
ところで、インクジェット記録装置10では、インクの温度が低下すると、温度低下によるインクの粘性の増加によって記録ヘッド30におけるインクの吐出量が低下して、シートに形成される画像の画質が低下することがある。これに対し、インクを加熱するヒーターを備える構成が知られている。例えば、前記ヒーターは、インクコンテナ41〜44各々、インクコンテナ41〜44各々からラインヘッド31〜34各々までの間のインクの供給経路上に設けられるサブインクタンク94(
図3参照)、又は記録ヘッド30に設けられる。
【0031】
ここで、記録ヘッド30に前記ヒーターが設けられる場合には、記録ヘッド30の構成が複雑化する。一方、インクコンテナ41〜44各々、又はサブインクタンク94に前記ヒーターが設けられる場合には、記録ヘッド30に前記ヒーターが設けられる構成と比較して、記録ヘッド30内のインクが印刷可能な温度に達するまでの時間が長期化する。そのため、インクジェット記録装置10の電源投入時等において、ユーザーの待ち時間が長期化する。
【0032】
これに対し、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10では、以下に説明するように、記録ヘッド30の構成が複雑化することなく、ユーザーの待ち時間を低減することが可能である。
【0033】
[インク供給部9の構成]
次に、
図3〜
図5を参照しつつ、インク供給部9について説明する。ここで、
図5は第4供給配管97及び加熱部98の構成を示す斜視図である。なお、以下の説明では、インクコンテナ41〜44を総称してインクコンテナ4Xということがある。また、ラインヘッド31〜34を総称してラインヘッド3Xということがある。
【0034】
インク供給部9は、インクコンテナ部4に収容されているインクを記録部3のラインヘッド31〜34各々に供給する。
図3及び
図4に示されるように、インク供給部9は、第1供給配管91、ポンプ92、第2供給配管93、サブインクタンク94、第3供給配管95、ポンプ96、第4供給配管97、及び加熱部98を備える。ここに、第1供給配管91、第2供給配管93、第3供給配管95、及び第4供給配管97が、本発明における供給配管の一例である。また、第1供給配管91、及び第2供給配管93が、本発明における第1配管の一例である。また、第3供給配管95、及び第4供給配管97が、本発明における第2配管の一例である。
【0035】
第1供給配管91は、インクコンテナ4Xからポンプ92へ移動するインクの移動通路である。
図3に示されるように、第1供給配管91は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。例えば、第1供給配管91は、一端がインクコンテナ4Xに接続され、他端がポンプ92に接続される樹脂製のチューブである。
【0036】
ポンプ92は、第1供給配管91及び第2供給配管93(
図4参照)を介して、インクコンテナ4Xからサブインクタンク94にインクを供給可能である。
図3に示されるように、ポンプ92は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。例えば、ポンプ92は、シリンダー、ピストン、及び逆流防止弁を有する。前記逆流防止弁は、ポンプ92における第1供給配管91及び第2供給配管93との接続部各々に設けられ、サブインクタンク94からインクコンテナ4Xへのインクの逆流を規制する。ポンプ92では、前記ピストンが前記シリンダー内を往復動されることで、インクコンテナ4Xに収容されているインクが第1供給配管91を介して前記シリンダー内に汲み上げられて、第2供給配管93を介してサブインクタンク94に供給される。
【0037】
第2供給配管93は、ポンプ92からサブインクタンク94へ移動するインクの移動通路である。
図4に示されるように、第2供給配管93は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。例えば、第2供給配管93は、一端がポンプ92に接続され、他端がサブインクタンク94に接続される樹脂製のチューブである。
【0038】
サブインクタンク94は、インクコンテナ4Xとラインヘッド3Xとの間に設けられ、ラインヘッド3Xに供給されるインクを貯留する。
図3に示されるように、サブインクタンク94は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。サブインクタンク94は、水面センサーを有する。制御部8は、前記水面センサーを用いてポンプ92の駆動を制御し、サブインクタンク94内におけるインクの水面の位置を予め定められた範囲内に維持する。これにより、記録ヘッド30のノズル301における開口とサブインクタンク94内におけるインクの水面との高低差が前記範囲内に維持されて、ノズル301内のインクの水圧が所定の水圧(負圧)に設定される。ここに、サブインクタンク94が、本発明における中間貯留部の一例である。
【0039】
第3供給配管95は、サブインクタンク94からポンプ96へ移動するインクの移動通路である。
図3に示されるように、第3供給配管95は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。例えば、第3供給配管95は、一端がサブインクタンク94に接続され、他端がポンプ96に接続される樹脂製のチューブである。
【0040】
ポンプ96は、サブインクタンク94及びラインヘッド3Xを中継する。ポンプ96は、第4供給配管97を介して接続される記録ヘッド30のノズル301内のインクの水圧を上昇させて、ノズル301からインクを排出させることが可能である。ポンプ96は、制御部8によって実行される前記パージ処理に用いられる。例えば、ポンプ96は、ポンプ92と同様の構成を備える。ここに、ポンプ96が、本発明における中継部の一例である。なお、本発明における中継部は、ポンプとは異なる構成であってもよい。なお、インク供給部9にポンプ96が設けられていなくてもよい。
【0041】
第4供給配管97は、ポンプ96からラインヘッド3Xへ移動するインクの移動通路である。第4供給配管97は、インクコンテナ41〜44各々に対応して設けられる。例えば、第4供給配管97は、
図5に示されるように、一端がポンプ96に接続され、他端がラインヘッド3Xに接続される樹脂製のチューブである。
図5に示されるように、複数の第4供給配管97は、後述する伝熱部98Bによって一部が集結する状態で配置される。
【0042】
加熱部98は、インクコンテナ4Xからラインヘッド3Xまでの間に設けられる第1供給配管91、第2供給配管93、第3供給配管95、及び第4供給配管97の少なくとも一部でインクを加熱する。
【0043】
具体的に、加熱部98は、サブインクタンク94及びラインヘッド3Xを接続する第3供給配管95、及び第4供給配管97の少なくとも一部を加熱する。より具体的に、加熱部98は、ポンプ96よりインク供給部9におけるインクの供給方向の下流側の位置で第4供給配管97を加熱する。これにより、加熱部98が第3供給配管95を加熱する構成と比較して、記録ヘッド30内のインクを印刷可能な温度まで上昇させるために必要な時間を短縮させることが可能である。なお、加熱部98が第3供給配管95を加熱する構成が他の実施形態として考えられる。また、本発明は、インクコンテナ4Xからラインヘッド3Xまでの間のインクの供給経路上に、サブインクタンク94のような中間貯留部を備えないインクジェット記録装置に適用されてもよい。
【0044】
図5に示されるように、加熱部98は、ヒーター98A、及び伝熱部98Bを備える。例えば、ヒーター98Aは電熱線ヒーターである。また、ヒーター98Aは、ハロゲンヒーターなどの他のヒーターであってもよい。
【0045】
伝熱部98Bは、ヒーター98A及び第4供給配管97各々に接触して設けられ、ヒーター98Aの熱を第4供給配管97各々に伝達する。例えば、伝熱部98Bは、アルミニウム、及び銅などの熱伝導率の高い金属で形成される。
図5に示されるように、伝熱部98Bは、載置面98B1、及び複数の壁部98B2を有する。載置面98B1には、第4供給配管97各々が載置される。複数の壁部98B2は、載置面98B1に載置される第4供給配管97各々の両側部と接触可能に設けられる。例えば、壁部98B2各々は、載置面98B1において、第4供給配管97の直径より少し長い距離を隔てて設けられる。ヒーター98Aは、伝熱部98Bの載置面98B1の下側において伝熱部98Bに接触して設けられる。第4供給配管97各々が伝熱部98Bの載置面98B1、及び壁部98B2各々に接触して配置されることで、複数の第4供給配管97は伝熱部98Bの配置位置に集結される。そのため、ヒーター98Aは、第4供給配管97各々が集結する位置で第4供給配管97各々を加熱することが可能である。換言すると、一つのヒーター98Aで複数の第4供給配管97を加熱することが可能である。また、第4供給配管97各々が載置面98B1、及び壁部98B2各々に接触して配置されることで、伝熱部98Bと第4供給配管97各々との接触面積が増加して、ヒーター98Aから第4供給配管97各々への熱移動の効率性を向上させることが可能である。
【0046】
なお、載置面98B1における第4供給配管97との接触部各々は、第4供給配管97の外周面に沿った円弧状に形成されてもよい。また、壁部98B2各々における第4供給配管97との接触部各々は、第4供給配管97の外周面に沿った円弧状に形成されてもよい。また、伝熱部98Bは、ヒーター98Aの上部及び側部に接触するものであってもよい。また、伝熱部98Bは、ヒーター98Aを収容可能な内部空間を有するものであってもよい。
【0047】
[加熱部98の変形例]
次に、
図6を参照しつつ、加熱部98の変形例について説明する。ここで、
図6は加熱部98の変形例を示す図である。
【0048】
図6に示される加熱部98は、
図5に示される加熱部98とは異なり、伝熱部98Bを備えていない。また、
図6に示される加熱部98は、ヒーター98Cを備える。ヒーター98Cは、ヒーター98Aと同様の原理で第4供給配管97各々を加熱する。また、ヒーター98Cは、円柱形状に形成されている。変形例に係る加熱部98では、第4供給配管97各々が円柱形状に構成されたヒーター98Cの周面に巻き付けられている。これにより、伝熱部98Bを設けることなく、ヒーター98Cから第4供給配管97各々への熱移動の効率性を向上させることが可能である。また、第4供給配管97各々がヒーター98Cの周面に巻き付けられることで、複数の第4供給配管97は伝熱部98Bの配置位置に集結される。なお、ヒーター98Cが多角柱形状に形成される構成が加熱部98の他の変形例として考えられる。また、第4供給配管97各々がヒーター98Cの周面に巻きつくことなくヒーター98Cに接触する構成が加熱部98の他の変形例として考えられる。
【0049】
例えば、変形例に係る加熱部98では、ヒーター98Cの周面が第4供給配管97各々によって覆われている。これにより、ヒーター98Cの周面の一部が露出する構成と比較して、ヒーター98Cから第4供給配管97各々への熱移動の効率性をより向上させることが可能である。なお、ヒーター98Cの周面の一部が露出する構成が加熱部98の他の変形例として考えられる。
【0050】
また、変形例に係る加熱部98では、第4供給配管97各々が同じ巻き数でヒーター98Cの周面に巻き付けられている。これにより、第4供給配管97各々におけるヒーター98Cによる温度上昇のバラつきを抑制することが可能である。なお、第4供給配管97各々でヒーター98Cの周面における巻き数が異なる構成が加熱部98の他の変形例として考えられる。
【0051】
以上に説明したように、インクジェット記録装置10には、インクコンテナ4Xからラインヘッド3Xまでの間に設けられる第4供給配管97でインクを加熱するヒーター98Aが設けられている。これにより、記録ヘッド30にヒーター98Aが設けられる構成と比較して、記録ヘッド30の構成の複雑化を回避することが可能である。また、インクコンテナ41〜44各々、又はサブインクタンク94にヒーター98Aが設けられる構成と比較して、記録ヘッド30内のインクが印刷可能な温度に達するまでの時間を短縮させることが可能である。従って、記録ヘッド30の構成が複雑化することなく、ユーザーの待ち時間を低減させることが可能である。
【0052】
なお、本発明は、カラー印刷を実行可能なインクジェット記録装置に限られず、一つのラインヘッド3Xを備えるモノクロ印刷を実行可能なインクジェット記録装置に適用されてもよい。