特許第6702376号(P6702376)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702376
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】送風制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20200525BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20200525BHJP
【FI】
   F24F11/79
   F24F11/64
【請求項の数】10
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2018-164961(P2018-164961)
(22)【出願日】2018年9月3日
(65)【公開番号】特開2020-38029(P2020-38029A)
(43)【公開日】2020年3月12日
【審査請求日】2019年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】北川 慧太
(72)【発明者】
【氏名】半田 陽一
【審査官】 町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−271426(JP,A)
【文献】 特開2017−122539(JP,A)
【文献】 特開2003−205724(JP,A)
【文献】 特開2019−128127(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/189867(WO,A1)
【文献】 特開2007−057231(JP,A)
【文献】 特開2001−355898(JP,A)
【文献】 特開2014−035178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/79
F24F 11/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機(20)を制御する送風制御装置(60、60a)であって、
対象空間(SP)に設置される撮影機器(40)によって撮影された画像データ(D3)を取得する取得部(62)と、
前記取得部が取得した前記画像データに基づき、前記送風機の送風によって動く物である特定物品(X3)を検出する検出部(63)と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記送風機が送風する風(AF)の風向及び風量の少なくとも一方を制御する第1処理を実行する制御部(65)と、
を備え、
前記第1処理は、前記特定物品が前記送風機の送風によって動かないように、前記送風機が送風する風の風向及び風量の少なくとも一方を制御することを特徴とする、
送風制御装置(60、60a)。
【請求項2】
送風機(20)を制御する送風制御装置(60、60a)であって、
対象空間(SP)に設置される撮影機器(40)によって撮影された画像データ(D3)を取得する取得部(62)と、
前記取得部が取得した前記画像データに基づき、前記送風機の送風によって動く物である特定物品(X3)を検出する検出部(63)と、
前記検出部の検出結果に基づいて前記送風機が送風する風(AF)の風向及び風量の少なくとも一方を制御する第1処理を実行する制御部(65)と、
前記特定物品に関する物品情報(D2)を記憶する記憶部(61)と、
前記第1処理に関する学習をする学習部(651)と、
を備え、
前記検出部は、前記記憶部に記憶されている前記物品情報に基づいて前記特定物品を検出し、
前記学習部は、前記第1処理の実行結果に基づき、前記特定物品が動くことが抑制される風量及び風量の少なくとも一方を学習する、
送風制御装置(60、60a)。
【請求項3】
前記特定物品は、紙、布、繊維、灰、すす、塵及び埃の少なくともいずれかを含む、
請求項に記載の送風制御装置(60)。
【請求項4】
前記物品情報を更新する更新部(68)をさらに備える、
請求項2又は3に記載の送風制御装置(60、60a)。
【請求項5】
前記第1処理は、前記送風機が前記特定物品に対して送風する風の風量を低減させることを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載の送風制御装置(60、60a)。
【請求項6】
前記検出部は、前記送風機に対する前記特定物品の位置を検出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の送風制御装置(60、60a)。
【請求項7】
前記検出部は、前記送風機と前記特定物品との距離を検出する、
請求項に記載の送風制御装置(60、60a)。
【請求項8】
前記検出部は、前記取得部によって取得された前記画像データに基づき、前記対象空間に存在する人(PS)をさらに検出する、
請求項1からのいずれか1項に記載の送風制御装置(60、60a)。
【請求項9】
請求項1からのいずれかに記載の送風制御装置(60、60a)を備える、
空気調和機(10)。
【請求項10】
送風機(20)と、
対象空間(SP)に設置される撮影機器(40)と、
請求項1からのいずれかに記載の送風制御装置(60、60a)と、
を備える、
送風制御システム(100、100a)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送風制御装置、又は送風制御装置を有する空気調和機若しくは送風制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象空間に設置され送風を行う送風機がある。例えば特許文献1(特開2018−76974号公報)には、送風機に関して吹出口から送風される風を適宜制御する思想が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、送風機が設置される対象空間においては、送風機から送風される風によって動く物が存在しうる。例えば、紙、灰、すす、塵又は埃等については、ユーザの意に反して送風機から送風される風で飛ばされることが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の送風制御装置は、送風機を制御する送風制御装置であって、取得部と、検出部と、制御部と、を備える。取得部は、画像データを取得する。画像データは、撮影機器によって撮影された対象空間の画像を含む情報である。撮影機器は、対象空間に設置される。検出部は、取得部が取得した画像データに基づき、特定物品を検出する。特定物品は、送風機の送風によって動く物である。制御部は、第1処理を実行する。第1処理は、検出部の検出結果に基づいて、送風機が送風する風の風向及び風量の少なくとも一方を制御する処理である。これにより、対象空間に設置される撮影機器の撮影画像を用いて特定物品(送風機から送風される風で動く物)が検出され、特定物品がユーザの意に反して動かないように送風機の風向及び風量の少なくとも一方を制御することが可能となる。
【0005】
ここでの「送風機」には、風を送る機器である限り特に限定されない。「送風機」は、例えば、エアコンの室内機、空気清浄機、除湿機、扇風機又は換気装置等である。
【0006】
ここでの「画像データ」には、静止画像及び動画の少なくともいずれかに係る情報が含まれる。
【0007】
ここでの「特定物品」は、ユーザの意に反して送風機から送風される風によって動かされることが想定される物である。具体的に、「特定物品」は、送風機の最大風量以下の風量によって動く物である。「特定物品」には、例えば紙、布、繊維、幕、灰、すす、塵又は埃等が含まれる。
【0008】
ここでの「送風機の送風によって動く」には、実際に送風機の送風によって動いている状態、及び送風機の送風によって動く可能性がある状態のいずれか又は全てが含まれる。より具体的に、「特定物品」は、送風機から送風される風によって実際に動いている状態にある物、送風機から送風される風によって動く可能性がある物、及び送風機から送風される風によって動くことが想定される物として予め登録されている物、のいずれか又は全てである。また、ここでの「動く」には、飛ぶ、移動する、振動する、及び揺れることの少なくともいずれかが含まれる。
【0009】
第2観点の送風制御装置は、第1観点の送風制御装置であって、第1処理は、特定物品が送風機の送風によって動かないように、送風機が送風する風の風向及び風量の少なくとも一方を制御することを特徴とする。
【0010】
第3観点の送風制御装置は、第1観点又は第2観点の送風制御装置であって、第1処理は、送風機が特定物品に対して送風する風の風量を低減させることを特徴とする。ここでの「送風機が特定物品に対して送風する風の風量を低減させる」ことには、送風機の風量を低減させることによって送風機から特定物品に送られる風を弱めること、及び送風機から特定物品に送られる風の風向を変更することによって送風機から特定物品に送られる風を弱めること、のいずれか又は全てが含まれる。これにより、送風機から送風される風によって特定物品が動かないように送風機を制御することが可能となる。
【0011】
第4観点の送風制御装置は、第1観点から第3観点のいずれかの送風制御装置であって、検出部は、送風機に対する特定物品の位置を検出する。ここでの「送風機に対する特定物品の位置」については、送風機本体に対する特定物品の位置、及び送風機の吹出口に対する特定物品の位置のいずれか又は全てが含まれる。これにより、送風機に対する特定物品の位置を把握することで第1処理をより正確に行うことが可能となる。
【0012】
第5観点の送風制御装置は、第4観点の送風制御装置であって、検出部は、送風機と特定物品との距離を検出する。ここでの「送風機と特定物品との距離」については、送風機本体と特定物品との距離、及び送風機の吹出口と特定物品との距離のいずれか又は全てが含まれる。これにより、第1処理において送風機と特定物品との距離を把握することで第1処理をより正確に行うことが可能となる。
【0013】
第6観点の送風制御装置は、第1観点から第5観点のいずれかの送風制御装置であって、記憶部をさらに備える。記憶部は、物品情報を記憶する。物品情報は、特定物品に関する情報である。検出部は、記憶部に記憶されている物品情報に基づいて、特定物品を検出する。これにより、第1処理の対象となる特定物品に関する情報を任意に予め登録しておき、当該物品に関してより確実に第1処理を行うことが可能となる。
【0014】
なお、ここでの「記憶部」には、物品データを一時的に記憶する主記憶部、及び物品データを蓄積する大容量の補助記憶部のいずれか又は全てが含まれる。
【0015】
また、ここでの「物品情報」は、特定物品に関する情報であって特定物品の検出が行われる際に用いられる情報である限り特に限定されないが、例えば、特定物品の品目、カテゴリ、形状、及び他の特徴等の少なくともいずれかを特定する情報である。
【0016】
第7観点の送風制御装置は、第6観点の送風制御装置であって、特定物品は、紙、布、繊維、幕、灰、すす、塵及び埃の少なくともいずれかを含む。これにより、送風機から送風される風によって動くことをユーザが望まない物に関して第1処理を行うことが可能となる。
【0017】
第8観点の送風制御装置は、第6観点又は第7観点の送風制御装置であって、学習部をさらに備える。学習部は、第1処理に関する学習をする。学習部は、第1処理の実行結果に基づき、特定物品が動くことが抑制される風量及び風量の少なくとも一方を学習する。学習部の学習により、対象空間に存在する特定物品に関して、第1処理の精度が高められ、動くことがより確実に抑制される。
【0018】
第9観点の送風制御装置は、第6観点から第8観点のいずれかの送風制御装置であって、更新部をさらに備える。更新部は、物品情報を更新する。これにより、第1処理の対象となる特定物品に関する情報を適宜更新することが可能となる。
【0019】
第10観点の送風制御装置は、第1観点から第9観点のいずれかの送風制御装置であって、検出部は、取得部によって取得された画像データに基づき、対象空間に存在する人をさらに検出する。これにより、特定物品と人との関係を加味した細やかな制御が可能となる。
【0020】
第11観点の空気調和機は、第1観点から第10観点のいずれかの送風制御装置を備える。これにより、空気調和機の送風に関して、特定物品がユーザの意に反して動かないように風向及び風量の少なくとも一方を制御することが可能となる。
【0021】
第12観点の送風制御システムは、送風機と、撮影機器と、第1観点から第10観点のいずれかの送風制御装置と、を備える。撮影機器は、対象空間に設置される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る空調システムの概略構成を示したブロック図。
図2】対象施設における各機器の設置態様の一例を示した模式図。
図3】対象空間の一例を示した模式図。
図4】対象空間における機器及び物品の設置態様の一例を示した模式図。
図5】コントローラの構成態様を概略的に表わした模式図。
図6】記憶部に含まれる記憶領域を概略的に表わした模式図。
図7】撮影ユニット設置データの一例である撮影ユニットテーブルの模式図。
図8】対象物品データの一例である対象物品テーブルの模式図。
図9】検出データの一例である検出テーブルの模式図。
図10】運動物品データの一例である運動物品テーブルの模式図。
図11】特定物品データの一例である特定物品テーブルの模式図。
図12】学習データの一例である風向・風量テーブルの模式図。
図13】第1検出部による検出処理の一例を概略的に示した模式図。
図14】コントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図15】変形例1に係る対象空間における機器及び物品の設置態様の一例を示した模式図。
図16】変形例3に係るコントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図17】変形例4に係るコントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図18】変形例5に係るコントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図19】第2実施形態に係る空調システムの概略構成を示したブロック図。
図20】第2実施形態に係るコントローラの処理の流れの一例を示したフローチャート。
図21】第2実施形態に係るコントローラの処理の流れに関して他の一例を示したフローチャート。
図22】第2実施形態に係るコントローラの処理の流れに関してさらに他の一例を示したフローチャート。
図23】第2実施形態に係るコントローラの処理の流れに関してさらに他の一例を示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、具体例であって、技術的範囲を限定するものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0024】
[第1実施形態]
(1)空調システム100(送風制御システム)
図1は、空調システム100の概略構成を示したブロック図である。図2は、対象施設1における各機器の設置態様の一例を示した模式図である。空調システム100は、対象空間SPの空調を行うシステムである。空調システム100は、対象空間SP内を撮影し、撮影結果に基づき運転時に送風機(室内ユニット20)が送風する風で動く可能性がある特定物品X3を検出し、当該特定物品X3の動きを抑制すべく風の制御を行う。
【0025】
本実施形態において、空調システム100は、対象施設1に適用されている。対象施設1は、対象空間SPを含む。本実施形態において、対象施設1は、複数の対象空間SPを含んでいる。対象空間SPは、例えば図3に示されるように人物PSが活動する空間であり、例えばオフィスとして使用される空間である。ただし、これに限定されるものではなく、対象空間SPは、例えば飲食店等の商業施設、学校、工場、病院又は住居等として用いられてもよい。ここでの人物PSは、対象施設1で勤務・学習・生活する人や、対象施設1を訪問した来訪者等である。また、ここでの物品OBは、人物PSの私物及び共用物、又は対象施設1の備品等である。
【0026】
空調システム100は、主として、空気調和機10と、複数の撮影ユニット40と、コントローラ60と、を有している。
【0027】
(1−1)空気調和機10
空気調和機10は、対象空間SPにおいて冷房や暖房等の空気調和を実現する装置である。空気調和機10は、冷媒回路において蒸気圧縮方式の冷凍サイクルを行うことにより、対象空間SPの冷房又は暖房を行う。
【0028】
空気調和機10は、主として、熱源ユニットとしての室外ユニット15と、利用ユニットとしての複数台の室内ユニット20と、複数のリモコン30と、を備えている。なお、空気調和機10における室外ユニット15、室内ユニット20及びリモコン30の台数については、特に限定されず、適宜変更が可能である。例えば空気調和機10は、複数台の室外ユニット15を有していてもよい。また空気調和機10は、1台のみの室内ユニット20を有していてもよい。また空気調和機10は、1のみのリモコン30を有していてもよい。空気調和機10では、室外ユニット15と室内ユニット20とがガス連絡配管GP及び液連絡配管LPで接続されることで冷媒回路が構成されている。
【0029】
(1−1−1)室外ユニット15
室外ユニット15は、対象空間SPの外部に設置される。室外ユニット15は、主として、冷媒回路を構成する要素として、複数の冷媒配管、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁等を有している(図示省略)。また、温度センサ及び圧力センサ等の各種センサや、ファン等の機器を有している。
【0030】
室外ユニット15は、室外ユニット15内の各種アクチュエータの動作を制御する室外ユニット制御部18を有している。室外ユニット制御部18は、RAMやROM等のメモリやCPUを含むマイクロコンピュータ、通信モジュール、各種電子部品及び電気部品を有する。室外ユニット制御部18は、各種アクチュエータや各種センサと、配線を介して電気的に接続されている。
【0031】
室外ユニット制御部18は、室内ユニット20の室内ユニット制御部25(後述)と、通信線cb1を介して接続されており、互いに信号の送受信を行う。また、室外ユニット制御部18は、インターネット等のWAN(Wide Area Network)を含む広域ネットワークNW1に通信線cb2を介して接続されており、広域ネットワークNW1に接続される機器(例えばサーバ50)と互いに信号の送受信を行う。
【0032】
(1−1−2)室内ユニット20(送風機)
室内ユニット20は、対象空間SPの天井CIに設置される天井埋込型、又は天井CI付近に設置される天井吊下型の空調室内機である。図4は、対象空間SPにおける機器の設置態様の一例を示した模式図である。図4では、対象空間SPにおいて、室内ユニット20はその本体部分の一部(例えば化粧パネルやフラップ23等)が天井CIから露出するように設置されている。室内ユニット20は、冷媒回路を構成する要素として室内熱交換器や室内膨張弁等を有している。また、室内ユニット20は、対象空間SP内の温度や、冷媒の温度を検出する温度センサや圧力センサ等の各種センサを有している。
【0033】
室内ユニット20は、対象空間SPに送風される風を生成する室内ファン21を有している。室内ユニット20から送風される風を室内空気流AFとする。室内ファン21は、駆動源である室内ファンモータ21aを含み、室内ファンモータ21aに連動して回転する。室内ファンモータ21aは、回転数を適宜制御される。室内ファンモータ21aは、例えばインバータ制御可能なモータである。室内空気流AFの風量は、室内ファン21の回転数に応じて変更される。室内ファン21の回転数は、室内ユニット制御部25によって制御される。
【0034】
室内ユニット20には、室内空気流AFを吹き出すための吹出口22が形成されている。室内ユニット20の吹出口22は、対象空間SPに連通している。
【0035】
室内ユニット20は、吹出口22から吹き出される室内空気流AFの風向を調節するためのフラップ23を有している。フラップ23は、吹出口22を開閉する板状の部材である。フラップ23は、水平軸及び鉛直軸の少なくとも一方に対して回動可能に構成されている。フラップ23は、例えばステッピングモータ等の駆動源を含み、開閉角度を制御可能に構成されている。室内空気流AFの風向は、フラップ23が回動することによって変更される。フラップ23の動作や姿勢は、室内ユニット制御部25によって制御される。
【0036】
室内ユニット20は、室内ユニット20内の各種アクチュエータ(例えば室内ファン21やフラップ23等)の動作を制御する室内ユニット制御部25を有している。室内ユニット制御部25は、RAMやROM等のメモリやCPUを含むマイクロコンピュータ、通信モジュール、各種電子部品及び電気部品を有する。室内ユニット制御部25は、各種アクチュエータ及び各種センサと、配線を介して電気的に接続されており、互いに信号の送受信を行う。室内ユニット制御部25は、室外ユニット制御部18又は他の室内ユニット制御部25と、通信線cb1を介して接続されており、互いに信号の送受信を行う。また、室内ユニット制御部25は、通信線cb3を介して、対応するリモコン30のリモコン制御部35(後述)と接続されており、互いに信号の送受信を行う。また、室内ユニット制御部25は、通信線cb4(図5)を介して、対応する撮影ユニット40と接続されており、互いに信号の送受信を行う。
【0037】
(1−1−3)リモコン30
リモコン30は、いずれかの室内ユニット20と対応付けられており、対応する室内ユニット20と同一の対象空間SPの側壁SWに設置されている。リモコン30は、例えば有線式のリモートコントロール装置であって、通信線cb3を介して、対応する室内ユニット20(室内ユニット制御部25)と接続されている。リモコン30は、各種設定に係るコマンドを、空気調和機10に入力するための入力装置として機能する。また、リモコン30は、空気調和機10の運転状態や設定項目を表示する表示装置としても機能する。各リモコン30は、リモコン30の動作を制御するリモコン制御部35を有している。
【0038】
(1−2)撮影ユニット40(撮影機器)
空調システム100は、複数の撮影ユニット40を有している。撮影ユニット40は、対応する対象空間SP内を撮影し、撮影結果を含むデータ(撮影データD3)を生成し出力するユニットである。撮影ユニット40は、対応する対象空間SPに配置される。本実施形態において、撮影ユニット40は、対応する対象空間SPに設置される室内ユニット20に配置されている。すなわち、撮影ユニット40は、天井CI又は天井付近(床面よりも天井CIに近い部分)に設置されている。
【0039】
撮影ユニット40は、撮影部41と、撮影データ生成部42と、撮影データ出力部43と、を有している。撮影部41は、対応する対象空間SPの所定範囲を撮影するためのレンズ(特に限定されないが例えば魚眼レンズや固定焦点レンズ等)及び撮像素子を含む。撮影データ生成部42は、撮影部41の撮像素子によって出力された電気信号をA/D変換し、所定のフォーマットに沿った撮影データD3を生成する。撮影データD3は、対象空間SPの所定範囲を所定のピクセルで表わした画像データ(動画データ)を含む。すなわち、撮影データD3は、対象空間SPに設置される撮影ユニット40によって撮影された対象空間SPの画像を含む情報である。撮影データ出力部43は、生成された撮影データD3を圧縮してコントローラ60(直接的には室内ユニット制御部25)に出力する。
【0040】
(1−3)コントローラ60(送風制御装置)
コントローラ60は、空調システム100の動作を統括的に管理する制御装置である。コントローラ60は、入力されたコマンドに応じて処理を行う。本実施形態において、コントローラ60は、図5に示されるように、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35及びサーバ50が通信ネットワークを介して接続されることで構成される。すなわち、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35及びサーバ50は、コントローラ60を構成する。
【0041】
サーバ50は、空調システム100において、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25及びリモコン制御部35とともにコントローラ60を構成するコンピュータである。サーバ50は、対象空間SPから離れた遠隔地に配置されている。サーバ50は、通信線によって広域ネットワークNW1に接続されており、広域ネットワークNW1を介して室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25及びリモコン制御部35と通信可能に構成されている。
【0042】
コントローラ60は、撮影ユニット40及び端末90と、互いにデータの送受信を行う。コントローラ60は、撮影データD3に基づいて処理を行う。より具体的に、コントローラ60は、撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBを個別に検出して、検出結果に応じて処理を行う。
【0043】
(2)端末90
空調システム100は、広域ネットワークNW1又は他のローカルネットワークを介して端末90と接続可能である。端末90は、管理者や利用者が保持する情報端末である。端末90は、スマートフォンやタブレットPC等の携帯端末や、ラップトップパソコン等のパーソナルコンピュータが想定されるが、他の情報処理機器であってもよい。
【0044】
端末90は、通信モジュールを有しており、他のユニットと通信可能に構成されている。例えば、端末90は、無線通信又は有線通信によって室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35、又はサーバ50と通信を行う。
【0045】
端末90は、コマンドを入力するための入力部を有している。空調システム100においては、端末90を、コマンドを入力するための「コマンド入力部」として機能させることが可能である。例えば端末90は、所定のアプリケーションプログラムをインストールすることで、コントローラ60に対してコマンドを入力することが可能となる。ユーザは、端末90を用いてコマンドを入力することで、撮影ユニット40やコントローラ60の動作を適宜制御可能である。
【0046】
また、端末90は、情報を表示(出力)する表示部を有している。空調システム100においては、端末90を、情報を出力する「出力部」として機能させることが可能である。ユーザは、端末90によって、空調システム100の動作状況や処理結果を把握可能である。
【0047】
(3)コントローラ60の詳細
コントローラ60は、撮影ユニット40の撮影データD3に基づき、所定の処理を実行する。例えば、コントローラ60は、撮影データD3に基づき、対象空間SPに存在する人物PS及び物品OBを検出する。また、コントローラ60は、撮影データD3に基づき、特定物品X3を検出する。特定物品X3は、ユーザの意に反して室内ユニット20の送風(室内空気流AF)によって動く物品OBである。なお、ここでの「室内ユニット20の送風によって動く」は、物品OBが実際に室内ユニット20の送風によって動いている状態、及び物品OBが室内ユニット20の送風によって動く可能性がある状態のいずれか又は全てである。また、ここでの「動く」には、飛ぶ、移動する、振動する、及び揺れることの少なくともいずれかが含まれる。
【0048】
コントローラ60は、複数の制御モードを有し、遷移している制御モードに応じて各機器の動作を制御する。例えば、コントローラ60は、制御モードに応じて室内ファン21の回転数やフラップ23の角度を制御する。すなわち、コントローラ60は、制御モードに応じて室内ユニット20から対象空間SPに吹き出される風量や風向を制御する。
【0049】
本実施形態において、コントローラ60は、制御モードとして、第1制御モードと、第2制御モードと、を有している。コントローラ60は、通常時に第1制御モードに遷移する。ここでの「通常時」は、対象空間SPにおいて特定物品X3が検出されない場合である。コントローラ60は、対象空間SPにおいて特定物品X3が検出された時には、第2制御モードに遷移する。
【0050】
コントローラ60は、主として、記憶部61、取得部62、検出部63、モード制御部64、機器制御部65、駆動信号出力部66、受付部67及び更新部68等の機能部を含んでいる。これらの各機能部は、コントローラ60の構成機器(ここでは、室外ユニット制御部18、各室内ユニット制御部25、各リモコン制御部35及びサーバ50)のいずれか又は全てが動作することによって実現される。各機能部は、室外ユニット制御部18、各室内ユニット制御部25、各リモコン制御部35及びサーバ50のそれぞれ又はいずれかが有する。コントローラ60は、独自に或いは他の装置から時刻をリアルタイムに取得可能に構成される。
【0051】
(3−1)記憶部61
記憶部61は、コントローラ60の構成機器のいずれか又は全てに含まれるROM、RAM、フラッシュメモリ、及びハードディスク等のメモリによって構成される。記憶部61は、複数の記憶領域を含み、情報を一時的に記憶する揮発性の記憶領域や、各種情報を蓄積する不揮発性の記憶領域を有している。
【0052】
記憶部61には、所定のビット数を有する複数のフラグが設けられている。例えば、記憶部61には、対象空間SPにおける運動物品X2の有無を判別可能な運動物品フラグF1が設けられている。また例えば、記憶部61には、コントローラ60が遷移する制御モードを判別可能な制御モードフラグF2が設けられている。制御モードフラグF2は、制御モードの数に応じたビット数を含み、遷移する制御モードに対応するビットを立てられる。
【0053】
また、記憶部61には、図6に示されるように、プログラム情報記憶領域M1、環境情報記憶領域M2、システム情報記憶領域M3、対象物品情報記憶領域M4、撮影データ記憶領域M5、検出データ記憶領域M6、運動物品情報記憶領域M7、特定物品情報記憶領域M8、入力情報記憶領域M9、特徴データ記憶領域M10、及び学習データ記憶領域M11等の記憶領域が含まれている。各記憶領域に記憶されている情報は、適宜更新が可能である。
【0054】
プログラム情報記憶領域M1には、コントローラ60の各部において実行される各種処理を定義した制御プログラムや、各ユニット間における通信に使用される通信プロトコル等が記憶されている。プログラム情報記憶領域M1に記憶されている制御プログラム等は、サーバ50や端末90等を介して、適宜更新が可能である。
【0055】
環境情報記憶領域M2には、対象施設1に関する情報(環境情報)が記憶されている。環境情報には、例えば対象施設1に含まれる各対象空間SPの数、位置、大きさ等を個別に特定する情報が含まれる。
【0056】
システム情報記憶領域M3には、空調システム100に含まれる各機器に関する情報が記憶されている。例えば、システム情報記憶領域M3には、対象施設1に配置される撮影ユニット40に関する情報(撮影ユニット設置データD1)が記憶されている。撮影ユニット設置データD1には、対象施設1に設置される撮影ユニット40のID、通信アドレス、配置位置及び配置態様等を特定する情報が含まれる。撮影ユニット設置データD1は、例えば図7に示されるような撮影ユニットテーブルTB1として記憶される。図7の撮影ユニットテーブルTB1では、IDが「0120」の撮影ユニット40の通信アドレスが「172.16.**.01」であり、配置空間が「(対象空間)SP1」であり、配置態様として「室内ユニット20aに内蔵」されること等が特定されている。なお、撮影ユニット設置データD1は、必ずしも図7に示される態様で生成される必要はなく、撮影ユニット設置データD1の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、撮影ユニット設置データD1は、撮影ユニット40の対象空間SPにおける具体的な配置位置を特定する情報を含んでいてもよい。
【0057】
対象物品情報記憶領域M4には、対象物品データD2が記憶されている。対象物品データD2(物品情報)は、後述の学習処理又は送風制御の対象となる物品OB(対象物品X1)を特定する情報である。対象物品X1は、室内空気流AFによって動くことがユーザの意に反する物品としてユーザ又は管理者によって予め登録される物品である。換言すると、対象物品X1は、特定物品X3として検出される物品OBである。対象物品データD2には、各対象物品X1の種別、カテゴリ、形状、及びその他の特徴のいずれかを特定する情報が含まれる。対象物品データD2は、例えば図8に示されるような対象物品テーブルTB2として記憶される。図8の対象物品テーブルTB2では、各行において、対象物品X1に関する情報が個別に示されている。より具体的に、図8の対象物品テーブルTB2では、各対象物品X1の「品目」、「カテゴリ」、「所属グループ」、及び「特徴」等が特定されている。例えば、図8の対象物品テーブルTB2では、対象物品X1の品目として「書類」、「七輪」、「灰皿」、「植物」、「ごみ袋」、「伝票」、「塵取り」、及び「カーテン」等が登録されている。また、図8の対象物品テーブルTB2では、「書類」又は「伝票」のカテゴリが「紙」であり、「塵取り」のカテゴリが「塵、埃」であり、「七輪」のカテゴリが「すす、灰」であり、「灰皿」のカテゴリが「灰」であり、「植物」のカテゴリが「葉」であり、「ゴミ袋」のカテゴリが「合成繊維」であり、「カーテン」のカテゴリが「幕」であること等が登録されている。すなわち、図8の対象物品テーブルTB2では、対象物品X1のカテゴリとして「紙」、「塵、埃」、「すす」、「灰」、「葉」、「合成繊維」、及び「幕」等が登録されている。また、図8の対象物品テーブルTB2では、各対象物品X1は、ユーザ又は管理者の設定に応じた所属グループを登録されている。また、図8の対象物品テーブルTB2では、各対象物品X1は、それぞれの特徴が登録されている。ここでの特徴は、例えば対象物品X1の形状やサイズ等である。なお、対象物品データD2は、必ずしも図8に示される態様で生成される必要はなく、対象物品データD2の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、対象物品データD2は、図8に示される情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0058】
撮影データ記憶領域M5には、各撮影ユニット40から出力された撮影データD3が記憶されている。撮影データ記憶領域M5においては、撮影ユニット40毎に撮影データD3が蓄積される。
【0059】
検出データ記憶領域M6には、撮影ユニット40から出力された撮影データD3から検出された人物PS及び物品OBを特定するデータ(検出データD4)が記憶されている。検出データD4は、撮影データD3の送信元である撮影ユニット40毎に生成される。より詳細には、検出データD4は、受信した撮影データD3毎に生成される。検出データD4は、例えば図9に示されるような検出テーブルTB3として記憶される。図9の検出テーブルTB3では、各行において、検出された物品OB又は人物PSに関する情報が示されている。より具体的に、図9に示される検出テーブルTB3では、検出した物品OB又は人物PSのID、名称(品目)、カテゴリ、所在空間、所在位置、室内ユニット20の吹出口22からの距離、及び所在日時等を特定する情報を含んでいる。例えば、図9に示される検出テーブルTB3では、検出された一の物品OBに関して、IDが「5678921」であり、名称が「書類1」であり、カテゴリが「紙」であり、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(120,112,0)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1650mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であること等が特定されている。また、図9に示される検出テーブルTB3では、例えば、検出された一の人物PSに関して、IDとして「01139」であり、名称として「人物1」であり、カテゴリが「人」であり、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(195,101,51)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1450mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であること等が特定されている。なお、検出データD4は、必ずしも図9に示される態様で生成される必要はなく、検出データD4の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、検出データD4は、図9に示される情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0060】
運動物品情報記憶領域M7には、対象空間SPにおいて検出された運動物品X2を個別に特定するデータ(運動物品データD5)が個別に記憶されている。運動物品X2は、対象空間SPにおいて検出される物品OBのうち、室内空気流AFによって動いている状態にあると想定されるものである。運動物品データD5は、例えば図10に示されるような運動物品テーブルTB4として記憶される。図10の運動物品テーブルTB4では、各行において、検出された運動物品X2に関する情報が個別に示されている。より具体的に、図10に示される運動物品テーブルTB4では、検出された各運動物品X2のID、名称(品目)、カテゴリ、所在空間、所在位置、吹出口22からの距離、及び所在日時等を特定する情報が含まれている。例えば図10に示される運動物品テーブルTB4では、検出された一の運動物品X2に関して、IDとして「5678921」が割り当てられ、名称として「書類1」が割り当てられ、カテゴリが「紙」であることが検出され、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(120,112,0)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1650mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であること等が特定されている。また、図10に示される運動物品テーブルTB4では、例えば、検出された他の運動物品X2に関して、IDとして「9065893」が割り当てられ、名称として「紙コップ1」が割り当てられ、カテゴリが「紙」であることが検出され、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(289,313,65)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1750mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であること等が特定されている。なお、運動物品データD5は、必ずしも図10に示される態様で生成される必要はなく、運動物品データD5の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、運動物品データD5は、図10に示される情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0061】
特定物品情報記憶領域M8には、対象空間SPにおいて検出された特定物品X3を個別に特定するデータ(特定物品データD6)が個別に記憶されている。特定物品X3は、後述するが、対象空間SPにおいて検出された運動物品X2のうち対象物品X1に該当するものである。特定物品データD6は、例えば図11に示されるような特定物品テーブルTB5として記憶される。図11に示される特定物品テーブルTB5では、検出された特定物品X3のID、名称(品目)、カテゴリ、所在空間、所在位置、室内ユニット20の吹出口22からの距離、及び所在日時等を特定する情報が含まれている。図11に示される特定物品テーブルTB5では、例えば、検出された特定物品X3に関して、IDとして「5678921」が割り当てられ、名称として「書類1」が割り当てられ、カテゴリが「紙」であることが検出され、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(120,112,0)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1650mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であること等が特定されている。なお、特定物品データD6は、必ずしも図11に示される態様で生成される必要はなく、特定物品データD6の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、特定物品データD6は、図11に示される情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0062】
入力情報記憶領域M9には、コントローラ60に入力された情報が記憶されている。例えば、入力情報記憶領域M9には、端末90を介して入力されたコマンドが記憶されている。
【0063】
特徴データ記憶領域M10は、人物PS若しくは物品OBの一般的な特徴、又は対象空間SPで検出された人物PS及び物品OBの固有の特徴が個別に特定された特徴データD7が記憶されている。特徴データD7は、人物PS又は物品OB毎に作成される。ここでの「特徴」は、人物PS又は物品OBを一意に特定するのに利用される情報である。人物PSの「特徴」は、様々であり、例えば人物PSの部位(例えば頭、つむじ、顔、肩、腕、脚等)の形状、寸法、色、又は動作(動作速度、動作範囲、動作角度)等である。また、物品OBの「特徴」は、様々であり、例えば物品OBの形状、寸法、色、又は動作等である。
【0064】
学習データ記憶領域M11は、対象空間SPにおいて検出された特定物品X3に関して限界風向・限界風量が個別に特定された学習データD8が記憶されている。ここでの限界風向・限界風量は、特定物品X3が動くことが抑制される風向、風量又はこれらの組合せである。学習データD8は、例えば図12に示されるような風向・風量テーブルTB6として記憶される。図12に示される風向・風量テーブルTB6では、検出された特定物品X3のID、所在空間、所在位置、室内ユニット20の吹出口22からの距離、所在日時及び限界風向・限界風量等を特定する情報が含まれている。図12に示される風向・風量テーブルTB6では、例えば、検出された特定物品X3に関して、IDとして「5678921」が割り当てられ、所在空間が「SP2」であり、所在位置が「(120,112,0)」であり、室内ユニット20の吹出口22からの距離が「1650mm」であり、所在日時が「2018/03/05/17:55」であり、限界風向・風量が「風向1」に対して「風量最小」であり「風向2」に対して「風量中」であり「風向4」に対して「風量大」であること等が特定されている。本実施形態において、風向・風量テーブルTB6においては、限界風向、限界風量、及びその組合せが、特定物品X3毎に複数定義されている。すなわち、学習データD8には、各特定物品X3に関して、動くことが抑制される風量及び風向を特定する情報が複数含まれている。なお、学習データD8は、必ずしも図12に示される態様で生成される必要はなく、学習データD8の生成態様については適宜変更が可能である。例えば、学習データD8は、図12に示される風向・風量テーブルTB6に含まれる情報以外の情報を含んでいてもよい。
【0065】
(3−2)取得部62
取得部62は、各撮影ユニット40から出力される撮影データD3を取得して撮影データ記憶領域M5に適宜格納する。
【0066】
(3−3)検出部63
検出部63は、撮影データ記憶領域M5に記憶されている撮影データD3に基づき、人物PS及び物品OBを検出する機能部である。検出部63は、第1検出部631と、第2検出部632と、判定部633と、を含んでいる。
【0067】
第1検出部631は、撮影データ記憶領域M5に記憶されている撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBを検出して検出データD4を生成する機能部である。第1検出部631は、撮影データ記憶領域M5に記憶されている撮影データD3に含まれている人物PS及び物品OBを個別に検出する処理(検出処理)を行う。第1検出部631は、毎時、検出処理を行う。但し、第1検出部631が検出処理を行うタイミングについては適宜変更が可能である。検出処理は、撮影データD3毎に行われる。すなわち、検出処理は、撮影データD3の送信元の撮影ユニット40毎に行われる。
【0068】
第1検出部631は、機械学習を行えるように構成されている。具体的に、第1検出部631は、「ニューラルネットワーク」や「ディープラーニング」等の手段を用いて機械学習を行う。係る学習はいわゆる教師あり学習及び教師なし学習のいずれであってもよい。
【0069】
第1検出部631による検出処理は、所定の手段(公知技術を含む)を用いて行われる。例えば、第1検出部631は、人物PS又は物品OBが持つ特徴を予め定義される特徴データD7に基づいて人物PS又は物品OBを検出して特定する。例えば、第1検出部631は、撮影データD3において、人物PS又は物品OBが持つ特徴を識別することで人物PS又は物品OBを検出し、識別される特徴と特徴データD7に定義される特徴とを比較することで人物PS又は物品OBを一意に特定する。
【0070】
第1検出部631による検出処理の一例を、図13に示す。図13では、第1検出部631が、複数のニューラルネットワーク(N1、N2、N3、N4)を用いて、対象空間SPにおける人物PS又は物品OBを検出する例が示されている。
【0071】
図13では、まず、撮影データD3が第1ニューラルネットワークN1に入力される。第1ニューラルネットワークN1は、撮影データD3に含まれる各要素間の距離をそれぞれ検出(推定)する処理P1を実行する。
【0072】
また、第2ニューラルネットワークN2には、撮影データD3とともに処理P1の結果が入力される。第2ニューラルネットワークN2は、処理P1の結果に基づき、撮影データD3に含まれる人物PS又は物品OBの範囲を検出(推定)する処理P2を実行する。人物PS又は物品OBの範囲の検出が可能な場合、人物PS又は物品OBの移動を検出可能であり、後述の処理P3において当該人物PS又は物品OBが有する特徴を取得可能である。
【0073】
さらに、第3ニューラルネットワークN3には、処理P1の結果とともに処理P2の結果が入力される。第3ニューラルネットワークN3は、処理P1及び処理P2の結果に基づき、撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBの特徴を検出し特定する処理P3を実行する。処理P3では、検出される人物PS又は物品OBの特徴と、特徴データ記憶領域M10に記憶される特徴データD7と、に基づいて人物PS又は物品OBが一意に特定される。例えば、処理P3では、検出される人物PS又は物品OBの各特徴と、特徴データ記憶領域M10に記憶されている各特徴データD7と、の類似度が算出され、算出された類似度が所定の閾値以上となる特徴データD7の人物PS又は物品OBが、検出された特徴に一致する人物PS又は物品OBとして検出され、人物PS又は物品OBが一意に特定される。また、検出される人物PS又は物品OBの特徴と、類似度が所定の閾値以上である特徴データD7が特徴データ記憶領域M10に記憶されていない場合には、当該特徴を有する人物PS又は物品OBに関して新たに特徴データD7を生成して新規に検出された人物PS又は物品OBとして記憶する。処理P3の結果、生成される特徴データD7は、例えば100次元のベクトルデータである。
【0074】
さらに、第4ニューラルネットワークN4には、処理P1の結果とともに処理P2の結果が入力される。第4ニューラルネットワークN4は、処理P1及び処理P2の結果に基づき、撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBの対象空間SPにおける位置(座標)を検出する処理P4を実行する。
【0075】
このような態様で検出処理が行われる場合、第1検出部631は、検出処理において撮影データD3から各要素間の距離を推定し、推定した距離に基づき人物PS又は物品OBを抽出している。また、第1検出部631は、各物品OBの対象空間SPにおける位置を検出している。より詳細には、第1検出部631は、対象空間SPにおける室内ユニット20に対する各物品OBの位置を検出している。また、第1検出部631は、室内ユニット20の吹出口22と各物品OBとの距離を検出している。
【0076】
第1検出部631は、各種情報(例えば撮影データD3や広域ネットワークNW1を介して取得可能な情報)を用いて、各人物PS及び物品OBの特徴を適宜学習する。例えば、第1検出部631は、撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBの特徴を個別具体的に学習し、対応する特徴データD7を適宜更新する。これにより、人物PS又は物品OBの特徴の変動(例えば服装や髪型の変化や、物体の色の劣化等)に因る検出結果のゆらぎが抑制される。
【0077】
第1検出部631は、検出処理の結果に基づき、検出データD4(図9)を生成する。第1検出部631は、検出データD4において、検出された人物PS又は物品OBのID、名称(品目)、カテゴリ、所在空間、検出位置(所在位置)、及び検出日時(所在日時)等を特定する情報を組み入れる。第1検出部631は、撮影データD3の送信元の撮影ユニット40毎に検出データD4を生成する。
【0078】
第2検出部632及び判定部633は、撮影データD3に基づき対象空間SPに存在する特定物品X3を検出するための機能部である。すなわち、第2検出部632及び判定部633を含む検出部63は、撮影ユニット40の撮影結果に基づき特定物品X3を検出する処理(特定物品検出処理)を行う。
【0079】
第2検出部632は、対象空間SPに存在する運動物品X2を検出する機能部である。第2検出部632は、特定物品検出処理のうち、運動物品X2の検出処理(運動物品検出処理)を行う。第2検出部632は、運動物品検出処理において、検出データ記憶領域M6に記憶されている各検出データD4に基づき運動物品X2を検出する。換言すると、第2検出部632は、撮影ユニット40の撮影結果に基づき運動物品X2を検出する。第2検出部632は、所定のタイミングで運動物品検出処理を行う。例えば、第2検出部632は、10秒周期で運動物品検出処理を行う。但し、運動物品検出処理が行われるタイミングについては、適宜変更が可能である。
【0080】
第2検出部632は、運動物品検出処理において、各検出データD4に含まれる各物品OBの位置をそれぞれ時系列的に比較して所定の閾値(移動量)を超えて動いているか否かを判定することで、運動物品X2の有無を判断する。係る閾値は、物品OBの種別や設計仕様及び設置環境等に応じて適宜設定され、制御プログラムにおいて定義されている。
【0081】
第2検出部632は、運動物品検出処理の結果、運動物品X2を検出した場合には、運動物品フラグF1を立てる。また、第2検出部632は、運動物品データD5(図10)を生成又は更新する。第2検出部632は、運動物品データD5において、検出された運動物品X2のID、名称(品目)、カテゴリ、所在空間、所在位置(検出位置)、吹出口22からの距離、及び所在日時(検出日時)等を特定する情報を組み入れる。第2検出部632は、生成又は更新した運動物品データD5を運動物品情報記憶領域M7に格納する。
【0082】
判定部633は、運動物品検出処理の結果に基づき、対象空間SPに存在する特定物品X3を検出する機能部である。判定部633は、特定物品検出処理のうち、第2検出部632によって検出された運動物品X2が対象物品X1に該当するか否かを判定する処理(特定物品判定処理)を実行する。判定部633は、特定物品判定処理により、検出された運動物品X2が特定物品X3であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態において、特定物品X3は、対象空間SPに存在する物品OBのうち、室内空気流AFによって動いている状態にある運動物品X2であって、予め登録されている対象物品X1に該当するものである。
【0083】
判定部633は、対象物品情報記憶領域M4に記憶されている対象物品データD2、及び運動物品情報記憶領域M7に記憶されている運動物品データD5に基づき、特定物品判定処理を実行する。換言すると、判定部633は、撮影ユニット40の撮影結果、及び予め登録されている特定物品に関する情報に基づき、特定物品判定処理を実行する。判定部633は、運動物品フラグF1が立てられているときには、所定のタイミングで特定物品判定処理を実行する。例えば、判定部633は、10秒周期で特定物品判定処理を行う。但し、特定物品判定処理が行われるタイミングについては、適宜変更が可能である。
【0084】
判定部633は、特定物品判定処理において、運動物品データD5に含まれる各運動物品X2について、対象物品情報記憶領域M4に記憶されている対象物品データD2において登録されている対象物品X1のいずれかに該当するか否かを個別に判定することで、特定物品X3を検出する。
【0085】
判定部633は、運動物品検出処理において検出された各運動物品X2に関して特定物品判定処理が完了すると、運動物品フラグF1をクリアする。判定部633は、特定物品判定処理の結果、特定物品X3を検出した場合には、係る特定物品X3の情報を含めた特定物品データD6を生成し、特定物品情報記憶領域M8に格納する。また、判定部633は、特定物品判定処理の結果、特定物品X3を検出した場合には、第2制御モードに対応するビットをたてる。判定部633は、特定物品判定処理の結果、特定物品X3が検出されなかった場合には、制御モードフラグF2において第1制御モードに対応するビットをたてる。
【0086】
(3−4)モード制御部64
モード制御部64は、制御モードを切り換える機能部である。モード制御部64は、制御モードフラグF2の状態に基づき、制御モードを切り換える。モード制御部64は、制御モードフラグF2において第1制御モードに対応するビットが立てられているときには、制御モードを第1制御モードに切り換える。モード制御部64は、制御モードフラグF2において第2制御モードに対応するビットが立てられているときには、制御モードを第2制御モードに切り換える。
【0087】
(3−5)機器制御部65(制御部)
機器制御部65は、制御プログラムに沿って、状況に応じて、空調システム100に含まれる各機器(例えば室内ファン21やフラップ23等)の動作を制御する。また、機器制御部65は、制御モードフラグF2を参照することで遷移している制御モードを判別し、判別した制御モードに基づき各機器の動作を制御する。
【0088】
機器制御部65は、学習部651を有しており、学習を行えるように構成されている。学習部651は、第2制御モード時に学習処理を実行する。学習処理は、対象空間SPにおいて特定物品X3が存在する場合に、特定物品X3が室内空気流AFによって動くことが抑制されるように、室内空気流AFの風量及び風向の一方又は双方を制御し、当該特定物品X3に関して限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理である。係る学習処理は、例えば、「ニューラルネットワーク」や「ディープラーニング」等の手段を用いて機械学習を行うものである。係る学習処理はいわゆる教師あり学習及び教師なし学習のいずれであってもよい。また、例えば、係る学習処理は、「ニューラルネットワーク」や「ディープラーニング」を用いない学習であってもよい。以下の説明は、学習処理の一例である。
【0089】
学習部651は、学習処理において、特定物品情報記憶領域M8に記憶されている特定物品データD6を参照し、検出された特定物品X3の所在空間及び所在位置を判別する。そして、学習部651は、対応する室内ユニット20の室内ファン21の回転数及びフラップ23の一方又は双方を制御する学習送風制御を実行する。例えば、学習部651は、学習送風制御において、学習送風制御の対象となっている特定物品X3に送られる風の風量が低減するように、室内ファン21の回転数を低減させる。また例えば、当該制御に代えて又は当該制御とともに、学習部651は、学習送風制御において、室内空気流AFの風向を変えて特定物品X3に送られる風の風量が低減するように、フラップ23を制御する。
【0090】
学習部651は、学習送風制御において、室内ユニット20に対する特定物品X3の位置に応じて、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。特に、学習部651は、学習送風制御において、室内ユニット20(吹出口)と特定物品X3との距離に応じて、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。例えば、学習部651は、室内ファン21の回転数又はフラップ23の変化の度合いを、室内ユニット20に対する特定物品X3の位置、又は室内ユニット20(吹出口)と特定物品X3との距離に応じて増減させる。すなわち、学習部651は、室内ユニット20に対する特定物品X3の位置、又は室内ユニット20(吹出口)と特定物品X3との距離を加味して学習処理を行う。
【0091】
また、学習部651は、学習送風制御において、対象空間SPにおける人物PSの所在位置に応じて、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。例えば、学習部651は、室内ファン21の回転数又はフラップ23の変化の度合いを、対象空間SPにおける人物PSの所在位置に応じて増減させる。すなわち、学習部651は、対象空間SPにおける人物PSの所在位置を加味して学習処理を行う。
【0092】
学習部651は、係る学習送風制御の実行後、所定時間の経過を待って、運動物品情報記憶領域M7に記憶されている特定物品データD6を参照する。係る所定時間は、例えば、検出部63によって特定物品データD6が更新される周期以上の時間である。そして、学習送風制御実行後に更新された最新の特定物品データD6において当該学習送風制御の対象となった特定物品X3が依然として含まれていれば、改めて学習送風制御を実行する。学習部651は、係る学習送風制御を、最新の特定物品データD6において当該学習送風制御の対象となった特定物品X3が含まれなくなるまで繰り返す。すなわち、学習部651は、学習送風制御の対象となった特定物品X3が対象空間SPにおいて検出されなくなる(動かなくなる)まで、学習送風制御を繰り返す。つまり、学習部651は、学習送風制御の対象となった特定物品X3に関して限界風向又は限界風量が特定されるまで、学習送風制御を繰り返す。
【0093】
機器制御部65は、係る学習処理によって、特定物品データD6に含まれる特定物品X3に関して限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する。そして、機器制御部65は、学習処理の対象となった物品OB(すなわち特定物品X3として検出された物品OB)に関して、学習データD8において限界風向・限界風量に係る情報を登録又は更新する。機器制御部65は、係る学習処理の後、制御モードフラグF2において第2制御モードに対応するビットをクリアして第1制御モードに対応するビットをたてる。
【0094】
機器制御部65は、第1制御モード時には、入力コマンドや各センサの検出値等に応じて、圧縮機の運転容量、室外ファン、膨張弁の開度、室内ファン21の回転数、及びフラップ23の動作等をリアルタイムに制御する。特に、機器制御部65は、第1制御モード時に、学習処理の結果に基づき送風制御(第1処理)を実行する。機器制御部65は、送風制御において、検出データ記憶領域M6に記憶されている検出データD4及び学習データ記憶領域M11に記憶されている学習データD8を参照し、学習処理の対象となった物品OBが対象空間SPに存在するか否かを判別する。そして、機器制御部65は、学習処理の対象となった物品OBが対象空間SPに存在する場合には、係る物品OBに対して学習データD8において定義されている限界風向・限界風量に沿った室内空気流AFが送られるように、室内ファン21及びフラップ23の一方又は双方を制御する。
【0095】
すなわち、機器制御部65は、第1制御モード時に、特定物品X3が動くことが抑制されるように、特定物品X3に対して送られる室内空気流AFの風量を制御する送風制御を実行する。また、機器制御部65は、送風制御において、室内ユニット20(吹出口22)に対する特定物品X3の位置に基づき、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。特に、機器制御部65は、送風制御において、室内ユニット20(吹出口22)と特定物品X3との距離に応じて、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。さらに、機器制御部65は、送風制御において、対象空間SPにおける人物PSの所在位置に応じて、室内ファン21の回転数又はフラップ23を制御する。
【0096】
(3−6)駆動信号出力部66
駆動信号出力部66は、機器制御部65の制御内容に応じて、各機器(例えば室内ファン21やフラップ23等)に対して対応する駆動信号(駆動電圧)を出力する。駆動信号出力部66には、インバータ(図示省略)が複数含まれており、特定の機器(例えば室内ファン21)に対しては、対応するインバータから駆動信号を出力する。
【0097】
(3−7)受付部67
受付部67は、コントローラ60に入力される情報を取得して入力情報記憶領域M9に格納する。コントローラ60に対して入力される情報は、例えば、空調システム100の運転に関するコマンドである。また、コントローラ60に対して入力される情報は、例えば、対象物品データD2において対象物品X1の追加又は削除等を指示するコマンド(更新コマンド)である。更新コマンドにおいては、更新に係る対象物品X1及び更新内容が指示される。
【0098】
(3−8)更新部68
更新部68は、入力情報記憶領域M9に記憶される更新コマンドに基づき、対象物品データD2の更新を行う。更新部68は、更新後の対象物品データD2を対象物品情報記憶領域M4に格納する。
【0099】
(4)コントローラ60による処理の流れ
以下、図14を参照して、コントローラ60の処理の流れの一例を説明する。図14は、コントローラ60の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0100】
コントローラ60は、図14のステップS101からステップS111に示すような流れで処理を実行する。なお、図14に示す処理の流れは、適宜変更が可能であり、処理が適正に行われる限り、いずれかのステップの順序を入れ換えてもよいし、いずれかのステップが同時に実行されてもよいし、図示しない他のステップが追加されてもよい。
【0101】
ステップS101において、コントローラ60は、運転開始を指示する運転コマンドが入力されていない場合(ここではNOの場合)には、ステップS101に戻る。一方、運転開始を指示する運転コマンドが入力されている場合(ここではYESの場合)には、コントローラ60は、ステップS102へ進む。
【0102】
ステップS102において、コントローラ60は、第1制御モードに遷移する、又は第1制御モードを維持する。その後、コントローラ60は、ステップS103へ進む。
【0103】
ステップS103において、コントローラ60(機器制御部65)は、入力されているコマンド、設定温度、及び各センサの検出値等に応じて、各機器の状態をリアルタイムに制御することで運転を行わせる。また、コントローラ60は、特定物品X3として検出された物品OBが動くことが抑制されるように送風制御を実行し、当該物品OBに対して送られる室内空気流AFの風量を制御する。具体的に、コントローラ60は、特定物品X3として検出された物品OBが対象空間SPに存在する場合には、学習データD8に基づき当該物品OBに対して限界風向・限界風量に沿った風が送られるように、室内ファン21及びフラップ23の一方又は双方を制御する。その後、コントローラ60は、ステップS104へ進む。
【0104】
ステップS104において、コントローラ60は、撮影データD3を取得していない場合、つまり記憶部61に新たな撮影データD3が記憶されない場合(ここではNOの場合)には、ステップS106へ進む。一方、コントローラ60は、撮影データD3を取得している場合(ここではYESの場合)には、ステップS105へ進む。
【0105】
ステップS105において、コントローラ60(第1検出部631)は、取得した撮影データD3に含まれる人物PS及び物品OBを検出する検出処理を実行する。コントローラ60は、検出処理において検出された人物PS又は物品OBに関して、検出データD4を生成する。また、コントローラ60は、検出処理において検出された人物PS又は物品OBに関して特徴を学習し、特徴データD7を生成又は更新する。その後、コントローラ60は、ステップS106へ進む。
【0106】
ステップS106及びステップS107において、コントローラ60(検出部63)は、対象空間SPにおける特定物品X3を検出する特定物品検出処理を実行する。
【0107】
ステップS106において、コントローラ60(第2検出部632)は、運動物品検出処理を実行する。コントローラ60は、運動物品検出処理において対象空間SPにおいて運動物品X2が検出されない場合(ここではNOの場合)には、ステップS110へ進む。コントローラ60は、運動物品検出処理において対象空間SPにおいて運動物品X2が検出された場合(ここではYESの場合)には、ステップS107へ進む。
【0108】
ステップS107において、コントローラ60(判定部633)は、特定物品判定処理を実行し、検出された運動物品X2が対象物品X1に該当するか否かを判別する。コントローラ60は、特定物品判定処理において、運動物品X2が対象物品X1に該当しない場合(ここではNOの場合)には、ステップS110へ進む。コントローラ60は、特定物品判定処理において、運動物品X2が対象物品X1に該当する場合、つまり特定物品X3が検出される場合(ここではYESの場合)には、ステップS108へ進む。
【0109】
ステップS108において、コントローラ60は、第2制御モードに遷移する。その後、コントローラ60は、ステップS109へ進む。
【0110】
ステップS109において、コントローラ60(学習部651)は、学習処理を実行して、特定物品X3に関して限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習し、学習データD8を生成又は更新する。その後、コントローラ60は、ステップS110へ進む。
【0111】
ステップS110において、コントローラ60は、更新コマンドを入力されていない場合(ここではNOの場合)には、ステップS101に戻る。一方、コントローラ60は、更新コマンドを入力されている場合(ここではYESの場合)には、ステップS111へ進む。
【0112】
ステップS111において、コントローラ60(更新部68)は、入力されている更新コマンドに基づき、対象物品データD2の更新を行う。その後、コントローラ60は、ステップS101に戻る。
【0113】
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態に係るコントローラ60は、対象空間SPにおけう撮影データD3(撮影画像)を取得する取得部62と、室内ユニット20の送風によって動く特定物品X3を撮影データD3に基づき検出する検出部63と、送風制御を実行する機器制御部65と、を有している。機器制御部65は、送風制御において、検出部63の検出結果に基づいて、室内ユニット20が送風する風(室内空気流AF)の風向及び風量の少なくとも一方を制御する。これにより、対象空間SPにおける撮影データD3を用いて室内ユニット20の送風で動く特定物品X3が検出されるようになっており、特定物品X3がユーザの意に反して動かないように室内ユニット20の風向及び風量の少なくとも一方を制御することが可能となっている。
【0114】
(5−2)
上記実施形態において、機器制御部65は、送風制御において、特定物品X3が室内ユニット20の送風によって動かないように、室内ユニット20が送風する風の風向及び風量の少なくとも一方を制御している。これにより、特定物品X3がユーザの意に反して動かないように室内ユニット20の風向及び風量の少なくとも一方が制御されるようになっている。
【0115】
(5−3)
上記実施形態において、機器制御部65は、室内ユニット20が特定物品X3に対して送風される風(室内空気流AF)の風量が低減されるように、送風制御を実行している。これにより、室内ユニット20から送風される風によって特定物品X3が動かないように室内ユニット20を簡潔に制御することが可能となっている。
【0116】
(5−4)
上記実施形態において、検出部63は、室内ユニット20に対する特定物品X3の位置を検出する。これにより、室内ユニット20に対する特定物品X3の位置を加味して精度の高い送風制御が可能となっている。
【0117】
(5−5)
上記実施形態において、検出部63は、室内ユニット20と特定物品X3との距離を検出する。これにより、室内ユニット20と特定物品X3との距離を加味して精度の高い送風制御が可能となっている。
【0118】
(5−6)
上記実施形態において、コントローラ60は特定物品X3に関する情報である対象物品データD2を記憶する記憶部61を有しており、検出部63は記憶部61に記憶されている対象物品データD2に基づいて特定物品X3を検出している。これにより、第1処理の対象となる特定物品X3に関する情報を任意に予め登録しておき、当該物品に関してより確実に送風制御を行うことが可能となっている。
【0119】
(5−7)
上記実施形態において、特定物品X3として検出される対象物品X1については、紙、繊維、幕、灰、すす、塵及び埃の少なくともいずれかが含まれている。これにより、室内ユニット20の送風によって動くことをユーザが望まない物品OBに関して送風制御を行うことが可能となっている。
【0120】
(5−8)
上記実施形態において、コントローラ60は学習部651を有しており、学習部651は、学習送風制御(学習処理)の実行結果に基づき、特定物品X3が動くことが抑制される風量及び風量の少なくとも一方を学習するように構成されている。これにより、対象空間SPに存在する特定物品X3に関して、送風制御の精度が高められ、より確実に動くことが抑制されるようになっている。
【0121】
(5−9)
上記実施形態において、コントローラ60は、対象物品データD2を更新する更新部68を有している。これにより、第1処理の対象となる特定物品X3に関する情報を適宜更新することが可能となっている。
【0122】
(5−10)
上記実施形態において、検出部63は、取得部62によって取得された撮影データD3に基づき、対象空間SPに存在する人物PSを検出している。これにより、特定物品X3と人物PSとの関係を加味した細やかな制御が可能となっている。
【0123】
(5−11)
上記実施形態において、空気調和機10はコントローラ60を有している。これにより、空気調和機10において、室内ユニット20の送風に関して、特定物品X3がユーザの意に反して動かないように風向及び風量の少なくとも一方を制御することが可能となっている。
【0124】
(5−12)
上記実施形態においては、室内ユニット20と、対象空間SPに設置される撮影ユニット40と、コントローラ60と、を有することで、特定物品X3がユーザの意に反して動かないように風向及び風量の少なくとも一方を制御する空調システム100が構築されている。
【0125】
(6)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0126】
(6−1)変形例1
上記実施形態では、「紙」が特定物品X3として検出され、学習処理及び送風制御が行われる場合について説明されている。しかし、特定物品X3として検出される物品OBについては必ずしも「紙」に限定されない。例えば、対象空間SPにおいて、図15に示されるような七輪(OB1)が存在する場合には、七輪又は七輪内に存在するすす若しくは灰が、特定物品X3として検出され、これに関連して学習処理又は送風制御が行われてもよい。特に、飲食店等においては、七輪内に存在するすす又は灰が、ユーザの意に反して送風機から送風される風によって飛ばされたり舞い上がる事態が生じうるが、本開示の思想によりこのような事態が抑制される。
【0127】
(6−2)変形例2
上記実施形態では、対象物品データD2において登録される対象物品X1が、「紙(ここでは書類又は伝票)」、「すす(ここでは七輪)」、「灰(ここでは七輪又は灰皿)」、「葉(ここでは植物)」、「合成繊維(ここではごみ袋)」、「塵、埃(ここでは塵取り)」、又は「幕(ここではカーテン)」であることが説明されている。しかし、対象物品データD2において登録される対象物品X1は、必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。すなわち、対象物品データD2において登録される対象物品X1には、上記実施形態で説明された物品以外の物品が含まれていてもよい。例えば、対象物品データD2において登録される対象物品X1は、布、ブラインドカーテン、本若しくはその他の書物、卓上カレンダ、お札、他の繊維、調理器具、又は照明器具のスイッチ切換用の引き紐等であってもよい。また例えば、対象物品データD2において登録される対象物品X1には、調理器具や灰皿等から流出する煙が含まれていてもよい。
【0128】
(6−3)変形例3
上記実施形態では、特定物品検出処理として、図14に示すような流れで処理を行っている。しかし、コントローラ60は、図14とは異なる流れで特定物品検出処理を実行し特定物品X3を特定してもよいことはもちろんである。なお、コントローラ60が図14に示される以外の処理を実行する場合には、コントローラ60に含まれる各機能部の処理が適宜追加又は変更される。
【0129】
例えば、コントローラ60は、第1検出部631が検出した検出データD4に保存された物品OBの情報が対象物品X1に該当するかどうかを判定部633が判定することによって特定物品判定処理を実行してもよい。つまり、上記実施形態とは異なり、第2検出部による運動物品X2の検出を行うことなく特定物品判定処理を実行してもよい。具体的には、図16に示すようにステップS106を省略したフローで処理を実行してもよい。図16のステップS101からS105及びステップS110からS111の処理については、上記実施形態と同様である。図16では、ステップS107からS109に代えて、ステップS107A、S108A及びS109Aが実行される。
【0130】
図16に示すステップS107Aにおいては、対象空間SPにおける対象物品X1の存在の有無が判別される。例えば、ステップS107Aにおいては、第1検出部631によって検出された物品OBが対象物品X1であるかどうかが判定部633によって判定される。ここで、物品OBが対象物品X1であると判定された物品を特定物品X3として判定する。ステップS107Aに第1検出部631が検出した物品OBが対象物品X1であると判定部633に判定された場合(YESの場合)には、コントローラ60はステップS108Aへ進む。ステップS107Aにおいて第1検出部が検出した物品OBが対象物品X1ではないと判定部633に判定された場合(NOの場合)には、コントローラ60はステップS110へ進む。
【0131】
ステップS108Aにおいては、コントローラ60が第2制御モードに遷移する。係る場合の第2制御モードは、対象空間SPにおいて対象物品X1が検出されたときに当該対象物品X1が運動物品X2であるか否かに関わりなく遷移する制御モードである。そして、コントローラ60はステップS109Aへ進む。
【0132】
ステップS109Aにおいては、コントローラ60が学習処理を実行する。係る場合の学習処理は、対象空間SPにおいて対象物品X1が検出されたときに、当該対象物品X1に対して風を送り、対象物品X1に関して限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理である。すなわち、係る場合の学習処理は、室内ユニット20の送風で動いていない対象物品X1に関して、積極的に風を送り限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理を含む。例えば、係る学習処理においては、学習部651によって、対象空間SPにおける室内空気流AFによって動いていない対象物品X1に対して、所定風量の風が送られるように室内空気流AFの風向及び風量の一方又は双方が制御されることで、対象物品X1に関して限界風向又は限界風量が学習される。また、例えば、係る学習処理においては、上記実施形態と同様に、学習部651によって、室内空気流AFによって動いている状態の対象物品X1に関しても、限界風向又は限界風量が学習される。さらに例えば、学習部651は、学習処理において、対象物品X1に送られる風(室内空気流AF)を対象物品X1が動くまで段階的に増大させる。学習部651は、学習処理の結果を学習データD8において保存する。そして、コントローラ60はステップS110へ進む。
【0133】
このような態様の学習処理が行われる場合にも、機器制御部65が、学習処理の結果に基づき対象物品X1に対する限界風向・限界風量に沿って、送風制御を行う。すなわち、ここでは、対象空間SPにおいて検出される対象物品X1が、室内ユニット20の送風で動いているか否かに関わりなく、対象物品X1を特定物品X3であると判断する。また、ここでの特定物品X3は、対象空間SPにおいて検出された、室内空気流AFによって動くことが想定される物として予め登録されている物品OBである。
【0134】
なお、このような流れで処理が行われる場合には、第2検出部632については、適宜省略されてもよい。
【0135】
(6−4)変形例4
また、特定物品検出処理として、上記実施形態と上記変形例とは異なる流れで特定物品検出処理を実行し、特定物品X3を特定してもよい。例えば、第2検出部632が検出した運動物品データD5に保存されている物品OBを判定部633が特定物品X3と判定することによって特定物品判定処理を実行してもよい。上記実施形態は異なり、対象物品データD2と運動物品データD5とが一致するかどうかを判定部633が判定することなく特定物品判定処理を実行してもよい。
【0136】
例えば、コントローラ60は、図17に示すようにステップS107を省略したフローで処理を実行してもよい。図17のステップS101からS106及びステップS110からS111の処理については、上記実施形態と同様である。図17では、ステップS108及びS109に代えて、ステップS108B及びS109Bが実行される。
【0137】
図17に示すステップS106において第2検出部632が運動物品X2を検出しない場合(NOの場合)には、コントローラ60はステップS110へ進む。ステップS106において第2検出部632が運動物品X2を検出し判定部633が運動物品X2を特定物品X3と判定した場合(YESの場合)には、コントローラ60はステップS108Bへ進む。
【0138】
ステップS108Bにおいては、コントローラ60が第2制御モードに遷移する。係る場合の第2制御モードは、対象空間SPにおいて特定物品X3が検出されたときに、遷移する制御モードである。そして、コントローラ60はステップS109Bへ進む。
【0139】
ステップS109Bにおいては、コントローラ60が学習処理を実行する。係る場合の学習処理は、対象空間SPにおいて特定物品X3が検出されたときに、当該特定物品X3に対して風を送り、特定物品X3に関して限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理である。すなわち、係る場合の学習処理は、室内ユニット20の送風で動いている物品OBに関して対象物品X1に該当するか否かに関わりなく、積極的に風を送り限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理を含む。例えば、係る学習処理においては、学習部651によって、特定物品X3に対して、所定風量の風が送られるように室内空気流AFの風向及び風量の一方又は双方が制御されることで、当該特定物品X3に関して限界風向又は限界風量が学習される。また、例えば、係る学習処理においては、上記実施形態と同様に、学習部651によって、対象物品X1に該当する特定物品X3に関しても、限界風向又は限界風量が学習される。学習部651は、学習処理の結果を学習データD8において保存する。そして、コントローラ60はステップS110へ進む。
【0140】
つまり、ここでの特定物品X3は、対象空間SPにおいて室内空気流AFによって動いている状態にある物品OBである。また、ここでの特定物品X3は、対象空間SPにおいて室内空気流AFによって動く可能性がある物品OBでもある。
【0141】
このように、コントローラ60は、対象物品X1以外の物品OBを、特定物品X3として検出するように構成されてもよい。すなわち、対象物品X1以外の物品OBであっても、室内ユニット20の送風で動く物品OBについては、学習処理により限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習し、学習結果に応じて送風制御を行うようにしてもよい。
【0142】
(6−5)変形例5
また例えば、コントローラ60は、図18に示すようにステップS106及びS107の双方を省略したフローで処理を実行してもよい。図18のステップS101からS105及びステップS110からS111の処理については、上記実施形態と同様である。図18では、ステップS108及びS109に代えて、S108C及びS109Cが実行される。また、図18では、ステップS105とステップS108Cの間にステップS105Cが含まれている。
【0143】
図18に示すステップS105Cにおいては、検出処理の結果に基づき、対象空間SPに物品OBが存在するか否かが判定される。係る判定は、例えば判定部633によって行われるようにしてもよい。物品OBが検出されない場合(NOの場合)には、コントローラ60はステップS110へ進む。ステップS106において物品OBが検出された場合(YESの場合)には、コントローラ60はステップS108Cへ進む。
【0144】
ステップS108Cにおいては、コントローラ60が第2制御モードに遷移する。係る場合の第2制御モードは、対象空間SPにおいて物品OBが検出されたときに、当該物品OBが対象物品X1又は運動物品X2に該当するか否かに関わりなく遷移する制御モードである。そして、コントローラ60はステップS109Cへ進む。
【0145】
ステップS109Cにおいては、コントローラ60が学習処理を実行する。係る場合の学習処理は、対象空間SPにおいて物品OBが検出されたときに、当該物品OBに対して風を送り、限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理である。すなわち、係る場合の学習処理は、対象空間SPに存在する物品OBに関して、対象物品X1及び運動物品X2に該当するか否かに関わりなく、積極的に風を送り限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習する処理を含む。例えば、係る学習処理においては、学習部651によって、対象物品X1及び運動物品X2に該当しない物品OBに対して、所定風量の風が送られるように室内空気流AFの風向及び風量の一方又は双方が制御されることで、当該物品OBに関して限界風向又は限界風量が学習される。また、例えば、係る学習処理においては、上記実施形態又は上記「変形例3」若しくは「変形例4」と同様に、学習部651によって、対象物品X1及び/又は運動物品X2に該当する物品OBに関しても、限界風向又は限界風量が学習される。学習部651は、学習処理の結果を学習データD8において保存する。そして、コントローラ60はステップS110へ進む。
【0146】
このような態様の学習処理が行われる場合にも、機器制御部65が、学習処理の結果に基づき物品OBに対する限界風向・限界風量に沿って、送風制御を行う。すなわち、ここでは、対象空間SPにおいて検出される物品OBが、対象物品X1及び運動物品X2に該当するか否かに関わりなく、特定物品X3である。つまり、ここでの特定物品X3は、対象空間SPにおいて室内空気流AFによって動く可能性がある物品OBである。
【0147】
このように、コントローラ60は、ある送風条件では対象物品X1及び運動物品X2として検知できない物品であっても、異なる送風条件時に動く物品を特定物品X3として検出するように構成されてもよい。また、対象物品X1または運動物品X2として登録されている物品の類似の特長を特徴データD7から抽出し、類似の特長を有する物品OBを特定物品X3と検出するように構成されていてもよい。
【0148】
対象物品X1及び運動物品X2以外の物品OBであっても、室内ユニット20の送風で動く可能性がある物品OBについては、学習処理により限界風向及び限界風量の一方又は双方を学習し、学習結果に応じて送風制御を行うようにしてもよい。
【0149】
なお、ここでの特定物品X3には、上記実施形態と同様に、対象空間SPにおいて室内空気流AFによって動いている状態にある物品OBも含まれうる。また、ここでの特定物品X3は、対象空間SPにおいて検出された、室内空気流AFによって動くことが想定される物として予め登録されている物品OBも含まれうる。
【0150】
(6−6)変形例6
上記実施形態においては、特定物品検出処理において、撮影データD3に基づき検出された物品OBに関して運動物品X2が検出され(運動物品検出処理)、運動物品X2が登録されている対象物品X1に該当するか否かを判定すること(特定物品判定処理)によって、特定物品X3が検出されている。しかし、特定物品検出処理における特定物品X3の検出態様については、必ずしも係る態様には限定されず、適宜変更が可能である。例えば、検出部63は、撮影データD3から直接的に特定物品X3を検出してもよい。例えば、検出部63は、撮影データD3において直接的に対象物品X1を抽出しその対象物品X1が室内ユニット20の送風で動いていると想定される程度に運動していることを検出することによって、特定物品X3を検出してもよい。すなわち、撮影データD3における物品OBの動作状態に基づき特定物品X3が直接的に抽出されてもよい。
【0151】
(6−7)変形例7
上記実施形態では、検出処理が図13に示すような態様で行われる例について説明されている。しかし、検出処理は、他の態様によって行われてもよいことはもちろんである。例えば、検出処理は、ニューラルネットワーク以外の手段を用いて実行されてもよい。例えば、管理者等によって予め登録されている人物PS及び物品OBの特徴を定義したデータに基づいて、係る特徴が撮影データD3から検出されることで人物PS及び物品OBが検出・特定されてもよい。また、検出処理において用いられる人物PS又は物品OBの特徴については適宜変更が可能である。また、検出処理は、必ずしも毎時行われる必要はなく、所定のタイミングで行われてもよい。例えば、検出処理は、定期的に(例えば5分周期で)行われてもよい。また、検出処理においては、必ずしも人物PSが検出される必要はなく、物品OBのみが検出されてもよい。
【0152】
(6−8)変形例8
上記実施形態では、コントローラ60は、空気調和機10に含まれる各機器の動作を制御可能に構成されている。しかし、コントローラ60は、送風に関する動作を行う機器のみの制御を行うように構成されてもよい。例えば、コントローラ60は、室内ファン21及びフラップ23の一方又は双方のみの制御を行うように構成されてもよい。
【0153】
(6−9)変形例9
記憶部61の各記憶領域に記憶されているデータは、プログラム情報記憶領域M1に記憶される制御プログラムとして定義されてもよい。
【0154】
例えば、対象物品データD2は、必ずしも対象物品情報記憶領域M4に記憶されている必要はない。例えば、対象物品データD2は、プログラム情報記憶領域M1において制御プログラムとして定義されていてもよい。すなわち、コントローラ60は、対象物品X1として検出する物品OBを特定する情報を制御プログラムとして保持していてもよい。例えば、コントローラ60は、対象物品X1として検出する物品OBの形状や大きさ等の特徴を特定する情報を制御プログラムとして保持していてもよい。
【0155】
また例えば、学習データD8は、必ずしも学習データ記憶領域M11に記憶されている必要はない。例えば、学習データD8は、プログラム情報記憶領域M1において制御プログラムとして定義されていてもよい。すなわち、コントローラ60は、検出された特定物品X3に応じた限界風量・限界風向を制御プログラムとして保持していてもよい。例えば、コントローラ60は、特定物品X3の形状や大きさ等の特徴、及び/又は、特定物品X3の位置や吹出口22からの距離に応じて定義された限界風量・限界風向を、制御プログラムとして保持していてもよい。
【0156】
(6−10)変形例10
上記実施形態では、第1検出部631は、撮影データD3に基づき人物PS及び物品OBの特徴を学習するように構成されている。しかし、第1検出部631は、必ずしも係る態様で構成される必要はない。すなわち、第1検出部631は、必ずしも検出処理において検出された人物PS又は物品OBに関して特徴を学習する必要はない。また、コントローラ60は、制御プログラムやテーブル等として、人物PSや物品OBに関して既に学習済みの特徴を特定する情報を保持していてもよい。
【0157】
(6−11)変形例11
上記実施形態では、撮影データD3は、対象空間SPの所定範囲を所定のピクセルで表わした画像データ(動画データ)を含んでいる。しかし、撮影データD3の形式については設置環境や設計仕様等に応じて適宜変更が可能である。例えば、撮影データD3は、対象空間SPの所定範囲を所定のピクセルで表わした画像データ(静止画)であってもよい。
【0158】
(6−12)変形例12
上記実施形態では、一の対象空間SPに1台の撮影ユニット40が配置されている。しかし、撮影ユニット40の配置態様については、必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、一の対象空間SPに複数台の撮影ユニット40が配置されてもよい。係る場合、複数の撮影ユニット40が撮影した各撮影データD3に基づき物品OB又は人物PSが識別される。すなわち、一の対象空間SPにおいて異なる撮影角度で撮影された撮影データD3に基づいて検出処理が行われることから、物品OB又は人物PSの検出を高精度に行うことが可能である。
【0159】
(6−13)変形例13
上記実施形態では、撮影ユニット40は、対象空間SPの天井CIに埋めこまれる天井埋込型の室内ユニット20内に配置されている。しかし、撮影ユニット40の配置態様は、必ずしもこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、いずれか又は全ての撮影ユニット40は、対象空間SPの天井から吊り下げられる天井吊下型の室内ユニット20内に配置されてもよいし、対象空間SPの側壁SWに設置される壁掛型の室内ユニット20内に配置されてもよい。また、例えば、いずれか又は全ての撮影ユニット40は、必ずしも室内ユニット20内に配置される必要はなく、他の機器内に配置されてもよいし、独立して設置されてもよい。
【0160】
(6−14)変形例14
上記実施形態では、空調システム100が、複数の対象空間SPを含む対象施設1において適用されている。しかし、空調システム100が適用される対象施設1における対象空間SPの数については適宜変更が可能である。例えば、空調システム100は、単一の対象空間SPを含む対象施設に適用されてもよい。
【0161】
(6−15)変形例15
上記実施形態では、各ユニット間(例えば、室外ユニット制御部18―室内ユニット制御部25間、室内ユニット制御部25―室内ユニット制御部25間、室内ユニット制御部25―リモコン制御部35間、及び室内ユニット制御部25―撮影ユニット40間)において、通信線を用いて通信ネットワークが構成されている。しかし、各ユニット間においては、通信線に加えて又は通信線に代えて、電波や赤外線を用いた無線通信によって通信ネットワークが構成されてもよいことはもちろんである。また、室外ユニット制御部18及びサーバ50を含む各機器は、通信線に加えて又は通信線に代えて、無線通信によって広域ネットワークNW1に接続されてもよい。
【0162】
(6−16)変形例16
上記実施形態では、サーバ50は、広域ネットワークNW1を介して室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25及びリモコン制御部35と通信可能に構成されているが、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介してこれらのユニットと通信可能に構成されてもよい。
【0163】
(6−17)変形例17
上記実施形態では、コントローラ60は、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35及びサーバ50が通信ネットワークを介して接続されることで構成されている。しかし、コントローラ60の構成態様は、必ずしもこれに限定されず、他の態様で構成されてもよい。例えば、コントローラ60の構成機器として、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35及びサーバ50のいずれかが省略されてもよい。例えば、コントローラ60は、室外ユニット制御部18、リモコン制御部35、及び室内ユニット制御部25のいずれか又は全てによって構成されてもよい。係る場合、空気調和機10は、コントローラ60を有している。
【0164】
また、例えば、室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、リモコン制御部35及びサーバ50、のいずれかに代えて又はいずれかとともに、別の機器が通信ネットワークを介して接続されることでコントローラ60が構成されてもよい。また、コントローラ60は、必ずしも広域ネットワークNW1に跨って構成される必要はなく、LANに接続される機器のみで構成されてもよい。
【0165】
(6−18)変形例18
上記実施形態では、本開示に係る思想が「送風機」である空気調和機10の室内ユニット20に関して適用されている。しかし、必ずしもこれに限定されず、本開示に係る思想は他の「送風機」に関して適用可能である。すなわち、本開示に係る思想を適用可能な「送風機」は、風を送る機器である限り特に限定されず、例えば、空気清浄機、除湿機、扇風機又は換気装置等であってもよい。
【0166】
また、「送風機」は、その本体が必ずしも対象空間SPに設置される必要はなく、ダクト等を介して風を送るように配置されてもよい。すなわち、「送風機」の吹出口が対象空間SPに連通している限り、「送風機」の配置場所については特に限定されない。
【0167】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態に係るコントローラ60a及び空調システム100aについて第1実施形態に係る空調システム100と異なる部分を主として説明する。なお、以下の説明において、説明を省略している部分については、特にことわりのない限り、第1実施形態に係るコントローラ60又は空調システム100と同様である。
【0168】
図19は、空調システム100a(送風制御システム)の概略構成を示したブロック図である。空調システム100a(送風制御システム)は、コントローラ60の代わりにコントローラ60aを有している。コントローラ60a(送風制御装置)は、空調システム100aの動作を統括的に管理する制御装置である。
【0169】
コントローラ60aにおいては、記憶部61の学習データ記憶領域M11(図6)において、室内ユニット20の送風で動く可能性がある物品OBに関して、既に学習済みの限界風向・限界風量が個別に特定された学習データD8が記憶されている。ここでの学習データD8には、各物品OBの室内ユニット20の吹出口22からの距離及び/又は位置に応じた限界風向・限界風量を特定する情報が含まれている。また、ここでの学習データD8に含まれる、限界風向、限界風量、及びその組合せは、物品毎に複数あってもよい。
【0170】
コントローラ60aにおいて、機器制御部65は、第1実施形態とは異なり、学習部651を有していない。また、本実施形態における機器制御部65は、第2制御モード時に、送風制御(第1処理)を実行する。ここでの送風制御は、特定物品X3が対象空間SPに存在する場合に、係る特定物品X3に対して学習データD8において定義されている限界風向・限界風量に沿った室内空気流AFが送られるように、室内ファン21及びフラップ23の一方又は双方を制御する処理である。
【0171】
すなわち、本実施形態では、機器制御部65は、第2制御モード時に、特定物品X3が動くことが抑制されるように、特定物品X3に対して送られる室内空気流AFの風量を制御する送風制御を実行する。
【0172】
以下、図20を参照して、コントローラ60aの処理の流れの一例を説明する。図20は、コントローラ60aの処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【0173】
コントローラ60aは、図20のステップS101からステップS112に示すような流れで処理を実行する。なお、図20に示す処理の流れは、適宜変更が可能であり、処理が適正に行われる限り、いずれかのステップの順序を入れ換えてもよいし、いずれかのステップが同時に実行されてもよいし、図示しない他のステップが追加されてもよい。
【0174】
図20のステップS101、S102、S104からS108、及びS110については、第1実施形態(図14)と同様である。本実施形態においては、第1実施形態におけるステップS103、S109及びS111に代えて、ステップS103a、S109a及びS111aが実行され、ステップS112がさらに含まれている。
【0175】
ステップS103aにおいて、コントローラ60a(機器制御部65)は、入力されているコマンド、設定温度、及び各センサの検出値等に応じて、各機器の状態をリアルタイムに制御することで運転を行わせる。ステップS103aにおいて、コントローラ60aは、第2制御モードに遷移している場合には、送風制御を優先的に実行する。その後、コントローラ60aは、ステップS104へ進む。
【0176】
ステップS109aにおいて、コントローラ60a(機器制御部65)は、特定物品X3として検出された物品OBが動くことが抑制されるように送風制御を実行し、当該物品OBに対して送られる室内空気流AFの風量を制御する。具体的に、コントローラ60aは、特定物品X3として検出された物品OBが対象空間SPに存在する場合には、学習データD8に基づき当該物品OBに対して限界風向・限界風量に沿った風が送られるように、室内ファン21及びフラップ23の一方又は双方を制御する。その後、コントローラ60aは、ステップS110へ進む。
【0177】
ステップS111aにおいて、コントローラ60a(更新部68)は、入力されている更新コマンドに基づき、対象物品データD2の更新を行う。その後、コントローラ60aは、ステップS112へ進む。
【0178】
ステップS112において、コントローラ60は、運転停止を指示する停止コマンドが入力されていない場合(ここではNOの場合)には、ステップS103aに戻る。一方、運転停止を指示する停止コマンドが入力されている場合(ここではYESの場合)には、コントローラ60は、ステップS101に戻る。
【0179】
本実施形態においても、第1実施形態の「(5)特徴」において説明した事項に関して実現可能である。なお、第2実施形態に係る空調システム100aにおいても、第1実施形態における変形例1から18の各思想を類推して適用可能であり、また矛盾が生じない範囲で複数の変形例を組み合わせて適用されてもよい。
【0180】
ここで、コントローラ60aは、図20とは異なる流れで処理を実行してもよい。コントローラ60aが図20に示される以外の処理を実行する場合には、コントローラ60aに含まれる各機能部の処理が適宜追加又は変更される。
【0181】
例えば、コントローラ60aは、第1実施形態に係る「(6−3)変形例3」(図16)と同様に、ステップS106を省略して図21に示すようなフローで処理を実行してもよい。
【0182】
また例えば、コントローラ60aは、第1実施形態に係る「(6−4)変形例4」(図17)と同様に、ステップS107を省略して図22に示すようなフローで処理を実行してもよい。図22のステップS101からS106及びステップS110からS112の処理については、図20と同様である。図22では、ステップS108及びS109aに代えて、ステップS108c及びS109cが実行される。図22に示すステップS108cの処理については、第1実施形態に係る「(6−4)変形例4」(図17)のステップS108Bと同様である。ステップS109cにおいては、コントローラ60aが学習データD8に基づき、送風制御(第1処理)を実行する。
【0183】
また例えば、コントローラ60aは、第1実施形態に係る「(6−5)変形例5」(図18)と同様に、ステップS106及びS107の双方を省略して図23に示すようなフローで処理を実行してもよい。図23のステップS101からS105及びステップS110からS112の処理については、図20と同様である。図23では、ステップS108及びS109aに代えて、S108d及びS109dが実行される。また、図23では、ステップS105とステップS108dの間にステップS105dが含まれている。図23に示すステップS105d及びS108dの処理については、第1実施形態に係る「(6−5)変形例5」(図18)のステップS105C及びS108Cと同様である。ステップS109dにおいては、コントローラ60aが送風制御を実行する。
【0184】
なお、本実施形態においても、記憶部61の各記憶領域に記憶されているデータは、プログラム情報記憶領域M1に記憶される制御プログラムとして定義されてもよい。
【0185】
例えば、対象物品データD2は、必ずしも対象物品情報記憶領域M4に記憶されている必要はない。例えば、対象物品データD2は、プログラム情報記憶領域M1において制御プログラムとして定義されていてもよい。すなわち、コントローラ60aは、対象物品X1として検出する物品OBを特定する情報を制御プログラムとして保持していてもよい。例えば、コントローラ60aは、対象物品X1として検出する物品OBの形状や大きさ等の特徴を特定する情報を制御プログラムとして保持していてもよい。
【0186】
また例えば、学習データD8は、必ずしも学習データ記憶領域M11に記憶されている必要はない。例えば、学習データD8は、プログラム情報記憶領域M1において制御プログラムとして定義されていてもよい。すなわち、コントローラ60aは、特定物品X3に応じた限界風量・限界風向を制御プログラムとして保持していてもよい。例えば、コントローラ60aは、特定物品X3の形状や大きさ等の特徴、及び/又は、特定物品X3の位置や吹出口22からの距離に応じて定義された限界風量・限界風向を、制御プログラムとして保持していてもよい。
【0187】
また、コントローラ60aは、広域ネットワークNW1を介して構成される必要はなく、各機能部が室外ユニット制御部18、室内ユニット制御部25、及びリモコン制御部35のいずれか又は全てで構成されてもよい。すなわち、対象施設1又は対象空間SPに配置される機器のみでコントローラ60aが構成されてもよい。また、各室内ユニット20が、室内ユニット制御部25において、学習データD8を、制御プログラム又はテーブル等として保持していてもよい。
【0188】
[備考]
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本開示は、送風制御装置、空気調和機又は送風制御システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0190】
1 :対象施設
10 :空気調和機
15 :室外ユニット
18 :室外ユニット制御部
20 :室内ユニット(送風機)
21 :室内ファン
21a :室内ファンモータ
22 :吹出口
23 :フラップ
25 :室内ユニット制御部
35 :リモコン制御部
40 :撮影ユニット
50 :サーバ
60、60a:コントローラ(送風制御装置)
61 :記憶部
62 :取得部
63 :検出部
64 :モード制御部
65 :機器制御部(制御部)
66 :駆動信号出力部
67 :受付部
68 :更新部
100、100a:空調システム(送風制御システム)
631 :第1検出部
632 :第2検出部
633 :判定部
651 :学習部
AF :室内空気流(風)
CI :天井
D1 :撮影ユニット設置データ
D2 :対象物品データ(物品情報)
D3 :撮影データ(画像データ)
D4 :検出データ
D5 :運動物品データ
D6 :特定物品データ
D7 :特徴データ
D8 :学習データ
F1 :運動物品フラグ
F2 :制御モードフラグ
NW1 :広域ネットワーク
OB :物品
PS :人物
SP :対象空間
TB1 :撮影ユニットテーブル
TB2 :対象物品テーブル
TB3 :検出テーブル
TB4 :運動物品テーブル
TB5 :特定物品テーブル
TB6 :風量テーブル
X1 :対象物品
X2 :運動物品
X3 :特定物品
cb1―cb4:通信線
【先行技術文献】
【特許文献】
【0191】
【特許文献1】特開2018−76974号公報
図1
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図10
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