(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
略棒状のハンドル部の一端部に毛束が植設された歯ブラシに関する所定の物理量を検出するセンサ部と、前記センサ部により検出された物理量を示す無線信号を送信する無線送信部とを備える歯ブラシモジュールと、
押圧力を前記歯ブラシモジュールの動作を開始させるための開始指示として受け付ける指示受付部と、
前記ハンドル部の他端部側を受け入れ可能であって、前記受け入れられたハンドル部をエラストマの弾性力によって弾性的に保持する保持部とを備え、
前記保持部は、前記ハンドル部の他端部側を受け入れるように、深さ方向が前記ハンドル部の軸方向に沿う挿入穴を備え、
前記挿入穴の底には、その挿入穴を閉塞する底部が形成され、
前記指示受付部は、前記ハンドル部の前記他端部で前記底部が押された場合にその押圧力を前記開始指示として受け付ける歯ブラシ用アタッチメント。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の電動歯ブラシによれば、電動歯ブラシの筐体に設けられた液晶表示器やLED(Light Emitting Diode)等の出力手段によって、ブラッシングに関する情報が報知される。しかしながら、歯磨き中には、電動歯ブラシの筐体は、視界に入りにくい位置に位置することになるため、ユーザがその情報を見難いという、不都合があった。
【0005】
本発明の目的は、歯磨き中でも、ユーザの歯磨き行動に関する情報を知ることが容易な歯ブラシモジュール、歯ブラシ用アタッチメント、歯磨き補助システム、歯磨き評価システム、歯磨き補助装置、及び歯磨き補助プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る歯ブラシモジュールは、歯ブラシに関する所定の物理量を検出するセンサ部と、前記センサ部により検出された物理量を示す無線信号を送信する無線送信部とを備える。
【0007】
この構成によれば、センサ部により検出された物理量を示す無線信号を外部に送信することができるので、歯磨き中でも、手元から離れた位置で無線信号を受信して、その無線信号に基づきユーザの歯磨き行動に関する情報を報知することができるので、歯磨き中でも、ユーザの歯磨き行動に関する情報を知ることが容易となる。
【0008】
また、本発明に係る歯ブラシ用アタッチメントは、上述の歯ブラシモジュールと、所定の物理量を検出するセンサ部と、前記センサ部により検出された物理量を示す無線信号を送信する無線送信部と、前記センサ部及び前記無線送信部を収容する筐体部と、歯ブラシに対して前記筐体部を着脱可能に取り付ける連結機構とを備える。
【0009】
この構成によれば、手動の歯ブラシに対して、連結機構により歯ブラシ用アタッチメントを取り付けることができる。歯ブラシに歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられると、歯ブラシと歯ブラシ用アタッチメントの筐体部とが一体に動くので、ユーザが歯ブラシを用いて歯磨きを行うと、その歯磨き行動の動きが筐体部に収納されたセンサ部に伝わる。従って、センサ部において、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。このようにして得られたユーザの歯磨き行動に関する情報を、無線送信部によって外部に送信することができるので、ユーザが手動の歯ブラシを用いた場合であっても、ユーザの歯磨き行動に関する情報を外部で取得することができる。
【0010】
また、前記歯ブラシは、略棒状のハンドル部の一端部に毛束が植設されたヘッド部が設けられたものであり、前記連結機構は、前記ハンドル部の他端部側と前記筐体部とを連結することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、歯ブラシの、ヘッド部とは反対側の他端部側に歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられるので、歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられた歯ブラシを用いて歯磨きをする際に、歯ブラシ用アタッチメントが邪魔になるおそれが低減される。
【0012】
また、前記センサ部は、前記物理量として加速度を検出する加速度センサを備えることが好ましい。
【0013】
加速度センサによれば、ユーザの歯磨き時のブラッシングに伴う歯ブラシの動きを示す情報を、加速度により取得することができるので、加速度センサをセンサ部として好適に用いることができる。
【0014】
また、前記筐体部の外壁面には、押圧力を前記歯ブラシモジュールの動作を開始させるための開始指示として受け付ける指示受付部が設けられ、前記連結機構は、前記ハンドル部の他端部を前記指示受付部に向けて前記歯ブラシを弾性的に保持することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、指示受付部に向けて歯ブラシが弾性的に保持されているので、ユーザは、歯ブラシのハンドルを指示受付部に向けて押し込むことによって指示受付部に開始指示として押圧力を加えることができる。これにより、簡単な操作で歯ブラシモジュールの動作を開始させることができる。
【0016】
また、前記連結機構は、エラストマによって構成され、前記エラストマが、前記筐体部を受け入れる凹部と、前記ハンドル部の他端部側を受け入れ可能であって、前記受け入れられたハンドル部を前記エラストマの弾性力によって弾性的に保持する保持部とを構成していることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、エラストマは弾性部材であるので、ハンドル部の他端部を指示受付部に向けて歯ブラシを弾性的に保持することが容易である。
【0018】
また、前記筐体部は、略平坦な底面と、前記底面とは反対側の上面と、前記底面と前記上面とをつなぐ側面とを有し、前記凹部は、前記上面と前記側面とを覆うように前記筐体部を受け入れて前記エラストマの弾性力によって前記筐体部を保持するようにされており、前記指示受付部は、前記上面に配設され、前記保持部は、前記凹部によって受け入れられた前記筐体部の前記上面側で、前記底面に対して前記ハンドル部の軸方向が略垂直になるように前記ハンドル部を保持することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、底面に対してハンドル部の軸方向が略垂直になるようにハンドル部が保持されているので、底面を下にして平坦な場所に置くことで、歯ブラシを自立させることができる。この状態で、ユーザは、歯ブラシを下方向に押し込むことによって、指示受付部に開始指示として押圧力を加えることができる。これにより、簡単な操作で歯ブラシモジュールの動作を開始させることができる。
【0020】
また、前記保持部は、前記ハンドル部の他端部側を受け入れるように、深さ方向が前記ハンドル部の軸方向に沿う挿入穴を備え、前記挿入穴の底には、その挿入穴を閉塞する底部が形成されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、歯ブラシのハンドル部が差し込まれる挿入穴の底が閉塞されているので、歯ブラシを伝わった水が筐体部にかかるおそれが低減される。
【0022】
また、本発明に係る歯磨き補助システムは、上述の歯ブラシ用アタッチメントと、前記無線信号を受信する無線端末装置とを備え、前記無線端末装置は、前記無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいて前記歯ブラシによるユーザの歯磨きを補助するように画像又は音を出力する出力部とを備える。
【0023】
この構成によれば、無線端末装置は、歯ブラシ用アタッチメントから送信された無線信号からユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。その結果、無線端末装置は、その物理量に基づいて、歯ブラシによるユーザの歯磨きを補助するように画像又は音を出力することが可能となる。
【0024】
また、前記出力部は、前記物理量に基づいて音を出力する音出力部を含むことが好ましい。
【0025】
この構成によれば、ユーザは、歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられた歯ブラシの動かし方に基づく音を、音出力部から出力させることができる。そして、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、その音により歯磨きが補助される。また、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、歯磨きの興趣性が高められる。
【0026】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価部をさらに備え、前記音出力部は、音楽を表す音楽情報を記憶する音楽情報記憶部と、前記音楽情報記憶部に記憶された音楽情報に基づき音楽を出力する音楽出力部とを備え、前記音楽出力部は、前記磨き方評価部により評価された評価結果に基づいて前記音楽の出力態様を変化させることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、磨き方評価部によって、物理量に基づきユーザの歯磨きが評価される。また、音楽出力部により音楽が出力され、その音楽の出力態様が、歯磨きの評価結果に基づき変化される。これにより、ユーザは、音楽を聴きながら自分の歯磨きの善し悪しを知ることができるので、楽しみながら、歯磨きの質を向上させることが容易となる。
【0028】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいてユーザの歯磨きによる清掃効果を累積的に評価する清掃効果評価部と、所定の表示画面に画像を表示する表示部とをさらに備え、前記出力部は、前記清掃効果評価部による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、前記表示画面に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合、前記キャラクタを消去するキャラクタ表示制御部を含むことが好ましい。
【0029】
この構成によれば、清掃効果評価部による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、すなわち歯が適切に磨けていないと考えられる場合、表示画面に所定のキャラクタが表示される。そして、清掃評価結果が基準清掃レベルを超えた場合、すなわち歯が適切に磨けたと考えられる場合、そのキャラクタが消去される。これによれば、ユーザが適切に歯磨きを行うことでキャラクタが消去されるので、あたかも歯磨きによりキャラクタを倒すゲームを行っているような感覚で歯磨きを行うことができる。そのため、ゲームにより歯磨きが補助され、歯磨きの興趣性が向上し、ユーザは楽しみながら、歯磨きの質を向上させることができる。その結果、歯磨きを習慣づけることが容易となる。
【0030】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯ブラシによるユーザの歯のブラッシング位置を判定するブラッシング位置判定部をさらに備え、前記清掃効果評価部は、前記ブラッシング位置判定部により判定された前記ブラッシング位置毎に、前記清掃効果を累積的に評価し、前記キャラクタ表示制御部は、前記表示画面を複数の領域に分割し、前記ブラッシング位置と前記複数の領域とを対応させ、前記清掃効果評価部による清掃評価結果が前記基準清掃レベルに満たないブラッシング位置に対応する領域に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合にそのブラッシング位置に対応する領域に表示されたキャラクタを消去することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、ブラッシング位置毎に、その位置の清掃度合いに応じてそのブラッシング位置に対応する表示画面の位置にキャラクタが表示される。そのため、ユーザは、ゲーム感覚でキャラクタの表示位置に応じたブラッシング位置でブラッシングすることで、キャラクタを消去することができる。その結果、ユーザは、楽しみながら適切な歯磨きを行うことが可能となる。その結果、歯磨きを習慣づけることが容易となる。
【0032】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて、前記ユーザにより歯磨きが開始されたか否かを判定する歯磨開始判定部と、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたとき、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの経過時間の計時を開始する計時部とをさらに備え、前記出力部は、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたときから、前記経過時間が前記判定時間に達するまでの間に、所定の情報を報知する報知部を含むことが好ましい。
【0033】
この構成によれば、歯磨きが開始されてから、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの間、所定の情報が報知される。その結果、ユーザは歯磨き中に情報を入手することができ、時間の有効活用ができるので、歯磨きを習慣づけることが容易となる。また、情報が報知されている時間の間、歯磨きを続けることにより歯磨き時間が適切となる。これにより、歯磨きが補助され、歯磨きの質が向上する。
【0034】
また、本発明に係る歯磨き評価システムは、上述の歯ブラシ用アタッチメントと、前記無線信号を受信する無線端末装置とを備え、前記無線端末装置は、前記無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する評価部とを備える。
【0035】
この構成によれば、無線端末装置は、歯ブラシ用アタッチメントから送信された無線信号からユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。その結果、その物理量に基づいて、歯ブラシによるユーザの歯磨きを評価することが可能となる。
【0036】
また、本発明に係る歯磨き補助システムは、上述の歯ブラシモジュールと、前記無線信号を受信する無線端末装置とを含み、前記無線端末装置は、前記無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいて、ユーザの興趣性を高める態様で画像又は音を出力する出力部とを備える。
【0037】
この構成によれば、無線端末装置は、歯ブラシ用アタッチメントから送信された無線信号からユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。そして、出力部によって、その物理量に基づいて、すなわち歯ブラシによるユーザの歯磨き動作に対応して、ユーザの興趣性を高める態様で画像又は音を出力される。その結果、ユーザによる歯磨きの興趣性を高めることができる。
【0038】
また、前記出力部は、前記物理量に基づいて音を出力する音出力部を含むことが好ましい。
【0039】
この構成によれば、ユーザは、歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられた歯ブラシの動かし方に基づく音を、音出力部から出力させることができる。そして、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、歯磨きの興趣性が高められる。また、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、その音により歯磨きが補助される。
【0040】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価部をさらに備え、前記音出力部は、音楽を表す音楽情報を記憶する音楽情報記憶部と、前記音楽情報記憶部に記憶された音楽情報に基づき音楽を出力する音楽出力部とを備え、前記音楽出力部は、前記磨き方評価部により評価された評価結果に基づいて前記音楽の出力態様を変化させることが好ましい。
【0041】
この構成によれば、磨き方評価部によって、物理量に基づきユーザの歯磨きが評価される。また、音楽出力部により音楽が出力され、その音楽の出力態様が、歯磨きの評価結果に基づき変化される。これにより、ユーザは、音楽を聴きながら自分の歯磨きの善し悪しを知ることができるので、楽しみながら、歯磨きの質を向上させることが容易となる。
【0042】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいてユーザの歯磨きによる清掃効果を累積的に評価する清掃効果評価部と、所定の表示画面に画像を表示する表示部とをさらに備え、前記出力部は、前記清掃効果評価部による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、前記表示画面に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合、前記キャラクタを消去するキャラクタ表示制御部を含むことが好ましい。
【0043】
この構成によれば、清掃効果評価部による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、すなわち歯が適切に磨けていないと考えられる場合、表示画面に所定のキャラクタが表示される。そして、清掃評価結果が基準清掃レベルを超えた場合、すなわち歯が適切に磨けたと考えられる場合、そのキャラクタが消去される。これによれば、ユーザが適切に歯磨きを行うことでキャラクタが消去されるので、あたかも歯磨きによりキャラクタを倒すゲームを行っているような感覚で歯磨きを行うことができる。そのため、ゲームにより歯磨きが補助され、歯磨きの興趣性が向上し、ユーザは楽しみながら、歯磨きの質を向上させることができる。その結果、歯磨きを習慣づけることが容易となる。
【0044】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯ブラシによるユーザの歯のブラッシング位置を判定するブラッシング位置判定部をさらに備え、前記清掃効果評価部は、前記ブラッシング位置判定部により判定された前記ブラッシング位置毎に、前記清掃効果を累積的に評価し、前記キャラクタ表示制御部は、前記表示画面を複数の領域に分割し、前記ブラッシング位置と前記複数の領域とを対応させ、前記清掃効果評価部による清掃評価結果が前記基準清掃レベルに満たないブラッシング位置に対応する領域に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合にそのブラッシング位置に対応する領域に表示されたキャラクタを消去することが好ましい。
【0045】
この構成によれば、ブラッシング位置毎に、その位置の清掃度合いに応じてそのブラッシング位置に対応する表示画面の位置にキャラクタが表示される。そのため、ユーザは、ゲーム感覚でキャラクタの表示位置に応じたブラッシング位置でブラッシングすることで、キャラクタを消去することができる。その結果、ユーザは、楽しみながら適切な歯磨きを行うことが可能となる。その結果、歯磨きを習慣づけることが容易となる。
【0046】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて、前記ユーザにより歯磨きが開始されたか否かを判定する歯磨開始判定部と、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたとき、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの経過時間の計時を開始する計時部とをさらに備え、前記出力部は、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたときから、前記経過時間が前記判定時間に達するまでの間に、所定の情報を報知する報知部を含むことが好ましい。
【0047】
この構成によれば、歯磨きが開始されてから、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの間、所定の情報が報知される。その結果、ユーザは歯磨き中に情報を入手することができ、時間の有効活用ができるので、歯磨きを習慣づけることが容易となる。また、情報が報知されている時間の間、歯磨きを続けることにより歯磨き時間が適切となる。これにより、歯磨きが補助され、歯磨きの質が向上する。
【0048】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価部をさらに備え、前記物理量は、前記歯ブラシに加えられる加速度を含み、前記磨き方評価部は、前記歯ブラシの往復運動における一往復での片道の移動距離に基づいて前記歯磨きを評価することが好ましい。
【0049】
バス法では、歯一本分の幅以下の小刻みな歯ブラシの往復運動をさせることが好ましいとされている。そこで、磨き方評価部は、歯ブラシの往復運動における一往復の片道、すなわち往復の幅での移動距離に基づいて歯磨きを評価することによって、ユーザの歯磨き行動を適切に評価することが可能となる。
【0050】
また、前記無線端末装置は、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価部をさらに備え、前記磨き方評価部は、前記歯ブラシの往復運動の周期と、前記歯ブラシの往復運動における移動速度とに基づいて前記歯磨きを評価することが好ましい。
【0051】
この構成によれば、ブラッシングの往復繰り返しの速さとブラッシング速度を含めて歯磨きを評価することができるので、歯磨き行動をより適切に評価することができる。
【0052】
また、本発明に係る歯磨き補助装置は、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいて音を出力する音出力部とを備える。
【0053】
また、本発明に係る歯磨き補助プログラムは、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信手段、前記物理量に基づいて音を出力する音出力手段としてコンピュータを機能させる。
【0054】
これらの構成によれば、ユーザは、歯ブラシ用アタッチメントが取り付けられた歯ブラシの動かし方に基づく音を出力させることができる。そして、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、歯磨きの興趣性が高められる。また、ユーザがその音を聞きながら歯磨きを行うことで、その音により歯磨きが補助される。
【0055】
また、上述の歯磨き補助装置は、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価部をさらに備え、前記音出力部は、音楽を表す音楽情報を記憶する音楽情報記憶部と、前記音楽情報記憶部に記憶された音楽情報に基づき音楽を出力する音楽出力部とを備え、前記音楽出力部は、前記磨き方評価部により評価された評価結果に基づいて前記音楽の出力態様を変化させることが好ましい。
【0056】
また、上述の歯磨き補助プログラムは、前記物理量に基づいて前記歯磨きを評価する磨き方評価手段としてさらにコンピュータを機能させ、前記音出力手段は、音楽を表す音楽情報を記憶する音楽情報記憶手段と、前記音楽情報記憶手段に記憶された音楽情報に基づき音楽を出力する音楽出力手段とを含み、前記音楽出力手段は、前記磨き方評価手段により評価された評価結果に基づいて前記音楽の出力態様を変化させることが好ましい。
【0057】
これらの構成によれば、物理量に基づきユーザの歯磨きが評価され、音楽が出力され、その音楽の出力態様が、歯磨きの評価結果に基づき変化される。これにより、ユーザは、音楽を聴きながら自分の歯磨きの善し悪しを知ることができるので、楽しみながら、歯磨きの質を向上させることが容易となる。
【0058】
また、本発明に係る歯磨き補助装置は、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいてユーザの歯磨きによる清掃効果を累積的に評価する清掃効果評価部と、所定の表示画面に画像を表示する表示部と、前記清掃効果評価部による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、前記表示画面に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合、前記キャラクタを消去するキャラクタ表示制御部とを備えることが好ましい。
【0059】
また、本発明に係る歯磨き補助プログラムは、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信手段、前記物理量に基づいてユーザの歯磨きによる清掃効果を累積的に評価する清掃効果評価手段、所定の表示画面に画像を表示する表示手段、前記清掃効果評価手段による清掃評価結果が予め定められた基準清掃レベルに満たない場合、前記表示画面に所定のキャラクタを表示し、前記清掃評価結果が前記基準清掃レベルを超えた場合、前記キャラクタを消去するキャラクタ表示制御手段としてコンピュータを機能させる。
【0060】
これらの構成によれば、ブラッシング位置毎に、その位置の清掃度合いに応じてそのブラッシング位置に対応する表示画面の位置にキャラクタが表示される。そのため、ユーザは、ゲーム感覚でキャラクタの表示位置に応じたブラッシング位置でブラッシングすることで、キャラクタを消去することができる。その結果、ユーザは、楽しみながら適切な歯磨きを行うことが可能となる。その結果、歯磨きを習慣づけることが容易となる。
【0061】
また、本発明に係る歯磨き補助装置は、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信部と、前記物理量に基づいて、前記ユーザにより歯磨きが開始されたか否かを判定する歯磨開始判定部と、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたとき、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの経過時間の計時を開始する計時部と、前記歯磨開始判定部によって前記歯磨きが開始されたと判定されたときから、前記経過時間が前記判定時間に達するまでの間に、所定の情報を報知する報知部とを備える。
【0062】
また、本発明に係る歯磨き補助プログラムは、歯ブラシに関する所定の物理量を示す無線信号を受信して前記物理量を取得する無線受信手段、前記物理量に基づいて、前記ユーザにより歯磨きが開始されたか否かを判定する歯磨開始判定手段、前記歯磨開始判定手段によって前記歯磨きが開始されたと判定されたとき、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの経過時間の計時を開始する計時手段、前記歯磨開始判定手段によって前記歯磨きが開始されたと判定されたときから、前記経過時間が前記判定時間に達するまでの間に、所定の情報を報知する報知手段としてコンピュータを機能させることが好ましい。
【0063】
この構成によれば、歯磨きが開始されてから、好適な歯磨き時間として予め設定された判定時間が経過するまでの間、所定の情報が報知される。その結果、ユーザは歯磨き中に情報を入手することができ、時間の有効活用ができるので、歯磨きを習慣づけることが容易となる。また、情報が報知されている時間の間、歯磨きを続けることにより歯磨き時間が適切となる。これにより、歯磨きが補助され、歯磨きの質が向上する。
【発明の効果】
【0064】
このような構成のブラシモジュール、歯ブラシ用アタッチメント、歯磨き補助システム、歯磨き評価システム、歯磨き補助装置、及び歯磨き補助プログラムによれば、歯磨き中でも、ユーザの歯磨き行動に関する情報を知ることが容易である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
ところで、近年電動歯ブラシが普及しつつあるものの、まだまだ手動の歯ブラシを利用しているユーザの方が多いのが実情である。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、手動の歯ブラシから歯磨き行動に関する情報を取得することが容易でなく、従って、ユーザが手動の歯ブラシを用いて歯磨きを行った場合、その歯磨き行動に関する情報を取得することができないという、不都合があった。
【0067】
従って、ユーザが手動の歯ブラシを用いた場合であっても、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる歯ブラシ用アタッチメント、歯磨き補助システム、及び歯磨き評価システムを提供することが好ましい。
【0068】
また、多くのユーザにとっては、歯磨きを行うこと自体が煩雑であり、歯磨きが楽しくないという、不都合があった。
【0069】
そのため、歯磨きの興趣性を高めることができる歯磨き補助システム、歯磨き補助装置、及び歯磨き補助プログラムを提供することが好ましい。
【0070】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯ブラシ用アタッチメントを用いた歯磨き補助システムの構成の一例を示す概念図である。
【0071】
図1に示す歯磨き補助システム1は、歯ブラシ用アタッチメント2と、無線端末装置3とを備えている。無線端末装置3は、例えば携帯型の無線通信端末装置であり、無線端末装置3としては、いわゆるスマートフォンやタブレット端末、眼鏡型やリストバンド型等のウェアラブル端末装置、携帯型パーソナルコンピュータ、あるいは携帯電話端末装置等の無線通信機能を有する端末装置を用いることができる。なお、無線端末装置3は、携帯型の端末装置に限らず、デスクトップパソコン等の固定型の無線通信端末装置であってもよい。無線端末装置3は、本発明の一実施形態に係る歯磨き補助装置の一例に相当している。
【0072】
歯ブラシ用アタッチメント2は、防水構造の筐体201(筐体部)内に、後述するセンサ部21、無線送信部22、及び図略の電池等を含む回路ブロック207が収容されて構成されている。回路ブロック207は、歯ブラシモジュールの一例に相当している。筐体201には、歯ブラシ4に筐体201を連結するための連結機構202が設けられている。歯ブラシ用アタッチメント2は、連結機構202によって、
図2に示すように、歯ブラシ4に対して着脱可能に構成されている。
【0073】
歯ブラシ4は、略棒状のハンドル部41の一端部に、毛束421が植設されたヘッド部42が設けられて構成されている。連結機構202は、ハンドル部41のヘッド部42とは反対側の端部411側を把持するように構成されている。連結機構202が端部411側を把持することにより、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とが連結され、歯ブラシ4に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられる。歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられると、ユーザの歯磨きに伴い歯ブラシ4と一体に動くようになっている。歯ブラシ4は、例えば電動歯ブラシの替えブラシであってもよい。
【0074】
歯ブラシ用アタッチメント2は、略平坦な底面203を有している。底面203は、歯ブラシ用アタッチメント2が歯ブラシ4に取り付けられた状態でハンドル部41の長尺方向に対して略垂直となる。従って、歯ブラシ4を立てて底面203をテーブルなどにおくことで、歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられた歯ブラシ4を立てて置くことができる。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシスタンドとして用いることができる。
【0075】
歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源は、例えばボタン電池のような小型の一次電池を用いて交換可能にしてもよく、二次電池を内蔵して充電可能にしてもよい。歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源として二次電池を用いる場合、例えば
図3に示すように、充電器5を底面203に取り付け可能とし、歯ブラシ4を立てた状態で例えば非接触充電方式で充電するようにしてもよい。
【0076】
図4は、
図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2の斜視図である。
図5は、
図4に示す歯ブラシ用アタッチメント2のV−V線断面図である。筐体201は、例えば樹脂材料で構成され、略円柱形状を有している。筐体201内の略中央部には、歯ブラシ4の端部411を受け入れるための筒状に形成された筒状部201aが配設されている。そして、筒状部201aと筐体201との間に挟まれた空間内に、回路ブロック207が例えば樹脂モールドされて防水状態で収納されている。筐体201の側面には、例えば歯ブラシ用アタッチメント2の動作状態を示すためのLED(Light Emitting Diode)表示部204が設けられている。底面203には、充電器5に形成された突起部と嵌合する位置決め用の孔や凹部等が形成されている。
【0077】
筐体201の外周部は、底面203と反対側に筒状に延設されて、筒状の連結フレーム205が構成されている。連結フレーム205の内周部には、複数、例えば8個の弾性部材206が取り付けられている。弾性部材206は、例えばシリコンゴム、天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有するエラストマから構成されている。連結フレーム205と弾性部材206とから、連結機構202が構成されている。複数の弾性部材206で取り囲まれた空間内に歯ブラシ4のハンドル部41の端部411を挿入することで、複数の弾性部材206でハンドル部41の端部411側が把持されて、筐体201とハンドル部41とが連結される。歯ブラシ4は、連結機構202の把持力に抗して歯ブラシ4を連結機構202から引き抜くことで、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とを分離可能にされている。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に対して着脱可能にされている。
【0078】
なお、歯ブラシ用アタッチメント2は、
図4、
図5に示す構造に限らない。
図6、
図8は、歯ブラシ用アタッチメント2の他の一例を示す斜視図である。
図7は、
図6に示す歯ブラシ用アタッチメント2のVII−VII線断面図である。
図9は、
図8に示す歯ブラシ用アタッチメント2のIX−IX線断面図である。
【0079】
図6、
図7に示す歯ブラシ用アタッチメント2は、連結フレーム205が扁平な筒状に構成されている。連結フレーム205の一端側には、筐体201を包み込むように裾状に拡がる把持部208が設けられている。
図7に示す筐体201は、例えば略円筒形とされ、その両端が底板と上蓋とで塞がれた構造とされている。把持部208が筐体201を把持することにより、筐体201に連結フレーム205が取り付けられている。弾性部材206は、連結フレーム205の軸方向に沿って延びる突条にされている。連結フレーム205、弾性部材206、及び把持部208は、例えばシリコンゴム、天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有するエラストマにより一体成形されて構成されている。
【0080】
図8、
図9に示す歯ブラシ用アタッチメント2は、
図6、
図7に示す歯ブラシ用アタッチメント2とは、複数の弾性部材206が、連結フレーム205の内周に沿って環状に形成された突条とされている点で異なる。
図8、
図9に示す歯ブラシ用アタッチメント2のその他の構成は
図6、
図7に示す歯ブラシ用アタッチメント2と同様であるのでその説明を省略する。
【0081】
図10は、
図1に示す歯磨き補助システム1の電気的構成の一例を示すブロック図である。歯ブラシ用アタッチメント2は、センサ部21と、無線送信部22とを備えている。センサ部21は、歯ブラシ4に関する所定の物理量を検出する。具体的には、センサ部21として、加速度を検出する加速度センサを用いることができる。加速度センサとしては、三方向の加速度を検出する三軸加速度センサを好適に用いることができる。
【0082】
歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられた状態で歯ブラシ4と一体に動くので、センサ部21は、歯ブラシ4の動きに伴う加速度を、歯ブラシ4に関する物理量として検出する。
【0083】
また、センサ部21は、地球の重力により生じる重力加速度を検出する。歯ブラシ用アタッチメント2は歯ブラシ4と一体に動くので、歯ブラシ4の姿勢変更に応じて歯ブラシ用アタッチメント2が姿勢変更し、センサ部21で検出される重力加速度の方向が変化する。従って、センサ部21で検出される重力加速度の方向から、歯ブラシ4の姿勢を検出することができる。以下、説明を簡略化するために、センサ部21で検出された重力加速度の方向に基づき歯ブラシの姿勢を検出することを、単に、センサ部21で歯ブラシの姿勢を検出する、と記載する。
【0084】
なお、センサ部21は加速度センサに限らない。センサ部21は、例えば歯ブラシ4の回転角や角速度を検出するジャイロセンサ、地磁気を検出する磁気コンパス、位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)、毛束421のユーザの歯への押圧力を検出する圧力センサ、距離を計測する距離センサ、あるいはマイクなどのセンサであってもよく、これらのセンサを複数含んでいてもよい。
【0085】
歯ブラシ用アタッチメント2によれば、手動の歯ブラシ4に対して、連結機構202により歯ブラシ用アタッチメント2を取り付けることができる。歯ブラシ4に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられると、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2の筐体201とが一体に動くので、ユーザが歯ブラシ4を用いて歯磨きを行うと、その歯磨き行動の動きが筐体201に収納されたセンサ部21に伝わる。従って、センサ部21において、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。このようにして得られたユーザの歯磨き行動に関する情報を、無線送信部22によって外部に送信することができるので、ユーザが手動の歯ブラシ4を用いた場合であっても、ユーザの歯磨き行動に関する情報を外部で取得することができる。
【0086】
無線送信部22は、例えばBluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の電磁波による無線通信回路や、赤外線通信、可視光通信等、種々の無線通信方式を用いることができる。無線送信部22は、センサ部21により検出された加速度(物理量)を示す無線信号を送信する。
【0087】
無線端末装置3は、無線受信部31、タッチパネルディスプレイ32(表示部)、スピーカ33、カメラCAM(撮像部)、及び制御部34を備えている。無線受信部31は、無線送信部22と同じ無線通信方式により無線信号を受信する無線通信回路である。無線受信部31は、無線送信部22から無線信号を受信し、その無線信号からセンサ部21で検出された加速度を示す加速度情報を取得し、制御部34へ出力する。
【0088】
タッチパネルディスプレイ32は、例えば液晶表示装置と、その液晶表示装置の表示画面上をユーザがタッチした位置を検出するタッチパネルとが組み合わされて構成されている。なお、タッチパネルディスプレイ32の代わりに、例えば液晶表示装置等の表示器と、キーボード等の操作入力装置とを備えてもよい。
【0089】
スピーカ33は、制御部34から出力された信号に応じて音を出力する。カメラCAMは、無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32側を撮影するいわゆるインカメラであり、タッチパネルディスプレイ32を見ているユーザの顔付近を撮像するようになっている。
【0090】
制御部34は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、例えばフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性の記憶部、タイマ回路、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。記憶部には、本発明の一実施形態に係る歯磨き補助プログラム、所定の制御プログラムやアプリケーションプログラム等のプログラム、及びデータ等が記憶されている。なお、歯磨き補助プログラムは、光ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体に記憶されていてもよく、歯磨き補助プログラムを記憶した記憶媒体として構成されていてもよい。
【0091】
制御部34は、例えば上述の歯磨き補助プログラムを実行することにより、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37として機能する。音楽演奏部35は、主に、ブラッシング位置判定部351、磨き方評価部352(評価部)、音楽出力部354(音出力部、出力部)、及び音楽情報記憶部353を含む。音楽情報記憶部353は、上述のRAMや記憶部を用いて構成されている。ゲーム部36は、主に、ブラッシング位置判定部361、清掃効果評価部362(評価部)、及びキャラクタ表示制御部363(出力部)を含む。歯磨きタイマ部37は、主に、歯磨開始判定部371、計時部372、及び報知部373(出力部)を含む。これらのプログラムは、例えば図略の無線電話回線やインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードされる構成としてもよい。
【0092】
タッチパネルディスプレイ32には、例えば音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37にそれぞれ対応する図略のアイコンが表示され、音楽演奏部35に対応するアイコンがタッチされた場合に音楽演奏部35が実行を開始し、ゲーム部36に対応するアイコンがタッチされた場合にゲーム部36が実行を開始し、歯磨きタイマ部37に対応するアイコンがタッチされた場合に歯磨きタイマ部37が実行を開始するようになっている。タッチパネルディスプレイ32は、このような機能選択操作や各種モード選択操作等のユーザの操作を受け付ける入力部としても用いられる。
【0093】
まず、音楽演奏部35について説明する。
図11(
図29)は、
図10に示す音楽演奏部35によって、タッチパネルディスプレイ32に表示される表示画面の一例を示す画面図である。音楽演奏部35は、概略的に、ソングモードとフリーモードとを実行可能にされている。
【0094】
ソングモードでは、音楽演奏部35は、加速度情報に応じて、うまく歯が磨けているときは音楽が適切に演奏され、うまく歯が磨けていないときは音楽の音程を外したり、ハーモニーを外したり、あるいはリズムを外したりして音楽の出力態様を変化させる。
【0095】
フリーモードでは、音楽演奏部35は、無線受信部31で得られた加速度情報に応じて出力する音を変化させることにより、ユーザが歯ブラシ4を楽器のように用いて、あたかも音楽を演奏するように歯磨きを楽しむことができる。
【0096】
ソングモードとフリーモードとは、例えば
図11(a)(
図29(a))に示す選択画面G1で選択可能にされている。例えば、ユーザがソングモードボタンB1をタッチ操作することでソングモードが選択され、ユーザがフリーモードボタンB2をタッチ操作することでフリーモードが選択される。
【0097】
以下、具体的に説明すると、ブラッシング位置判定部351は、無線受信部31によって取得された加速度情報に基づいて、歯ブラシ4によるユーザの歯のブラッシング位置を判定する。ブラッシング位置は、例えば、下の右側奥歯、下の左側奥歯、上の右側奥歯、上の左側奥歯、及び上下の前歯の5つのいずれかに判定される。なお、ブラッシング位置は、上述の5つの位置のいずれかに判定される例に限らない。ブラッシング位置判定部351は、ブラッシング位置を、例えば、下の右側奥歯、下の左側奥歯、上の右側奥歯、及び上の左側奥歯の4つのいずれかに判定するようにしてもよく、6つ以上の位置により詳細に判定するようにしてもよい。
【0098】
ブラッシング位置判定部351によるブラッシング位置の判定方法としては、例えば、特表2011−524756号公報(WO2009/141489)、特許第4543663号公報、特開2009−240760号公報(US2011010876)、特開2011−139844号公報(US2012266397)等に記載の方法を用いることができる。
【0099】
ソングモード又はフリーモードが選択された後、制御部34によって、タッチパネルディスプレイ32に、
図11(b)(
図29(b))に示す歯磨き中画面G2が表示される。歯磨き中画面G2には、カメラCAMによって撮像されたユーザの画像であるユーザ画像G21と、ブラッシング位置判定部351により判定されたブラッシング位置を表示するブラッシング位置表示画像G22とが表示される。ブラッシング位置表示画像G22は、例えば人の歯形を模した画像のうち、ブラッシング位置に対応する部分の色が変色することで、ブラッシング位置を表示するようになっている。ソングモード又はフリーモードが終了すると、
図11(c)(
図29(c))に示す終了画面G3がタッチパネルディスプレイ32に表示される。
【0100】
以下の説明において、画像は、静止画像であってもよく、動画画像であってもよい。
【0101】
磨き方評価部352は、無線受信部31で得られた加速度情報に基づいてユーザの歯磨きの磨き方の巧拙を評価する。歯磨きの評価方法として、加速度情報から、例えば単位時間当たりの往復運動回数(ブラッシング周波数)を算出し、この往復運動回数が、予め設定された適正回数範囲内であるか否かによって、歯磨きが良好か否かを評価することができる。あるいは、センサ部21で検出された歯ブラシの姿勢が、予め設定された適切な姿勢であるか否かによって、歯磨きが良好か否かを評価してもよい。
【0102】
なお、磨き方評価部352は、ユーザによる歯磨きが良好か否かを評価することができればよく、その評価方法は限定されない。磨き方評価部352は、加速度情報に基づいて評価を行う例に限られず、圧力や温度など、他の物理量に基づいて評価を行ってもよい。
【0103】
また、例えば、ブラッシング位置(清掃部位)毎に、正しい歯磨き行動に対応する基準物理量を例えば実験的に求めて予め記憶部に記憶させておき、磨き方評価部352は、記憶部を参照してブラッシング位置判定部351により判定された現在のブラッシング位置に対応する基準物理量を取得し、無線受信部31で得られた物理量と基準物理量の差に基づいて、評価を実行するようにしてもよい。評価は、良否判定に限られない。磨き方評価部352は、例えば、歯磨き行動の良好さの程度を指標化することにより得られた評価指標を評価結果として求める構成であってもよい。例えば、例えば歯磨き行動が良好であるほど値が大きくなるような数値を評価指標として用いることができる。
【0104】
音楽情報記憶部353には、予め音楽を演奏するための音楽データが記憶されている。音楽データは、例えば図略の無線電話回線やインターネットを介して音楽情報記憶部353にダウンロードされる構成としてもよい。音楽情報記憶部353には、複数の曲に対応した複数の音楽データを記憶してもよい。また、音楽情報記憶部353は、同じ音楽を互いに異なる楽器を用いて演奏した複数の音楽データを記憶してもよい。
【0105】
音楽出力部354は、ソングモードでは、音楽情報記憶部353に記憶された音楽情報に基づきスピーカ33から音楽を出力させる。音楽出力部354は、例えば出力する曲を選択する曲選択指示や、楽器を選択する楽器選択指示等を受け付けて、受け付けられた指示に応じた曲や楽器によって音楽を出力するようにしてもよい。そして、音楽出力部354は、ソングモードでは、磨き方評価部352により評価された評価結果に基づいて音楽の出力態様を変化させる。
【0106】
一方、フリーモードでは、音楽出力部354は、無線受信部31で得られた加速度情報に基づいて音を出力する音出力部として機能する。
【0107】
図12は、本発明の一実施形態に係る歯磨き補助プログラムに関する音楽出力部354の動作の一例を示すフローチャートである。まず、例えば無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32に表示された音楽演奏部35に対応するアイコンがユーザによってタッチされると、音楽演奏部35が動作を開始し、音楽演奏部35によって
図11(a)(
図29(a))に示す選択画面G1が表示される。そして、ユーザが選択画面G1のソングモードボタンB1をタッチして歯磨きを開始すると(ステップS1でソングモード)、音楽演奏部35はソングモードの実行を開始し、
図11(b)(
図29(b))に示す歯磨き中画面G2を表示し、図略のタイマ回路によって経過時間tpの計時を開始させる(ステップS2)。
【0108】
タッチパネルディスプレイ32に歯磨き中画面G2が表示されると、ユーザは、ブラッシング位置表示画像G22によってブラッシング位置を確認しながら、ユーザ画像G21を見て自分の歯磨き行動をリアルタイムで動画映像で確認できるので、自分の歯磨き行動を適切に修正することが容易である。
【0109】
なお、ブラッシング位置表示画像G22には、ブラッシング位置判定部351により判定されたブラッシング位置が表示される例に限らない。制御部34は、好適な歯磨き時間例えば三分間で、例えば下の右側奥歯、下の左側奥歯、上の右側奥歯、上の左側奥歯、及び上下の前歯の各ブラッシング位置について、適切な時間配分でバランスよくブラッシングできるように、ブラッシング位置表示画像G22によって、ブラッシングすべきブラッシング位置を順次指示するようにしてもよい。
【0110】
制御部34は、例えばユーザに下の右側奥歯のブラッシングを指示するときは、ブラッシング位置表示画像G22の下の右側奥歯に対応する部分の色を赤色に変化させる。そして、下の右側奥歯を磨かせたい時間、例えば35秒間、その部分を赤色に維持する。これにより、ユーザに、下の右側奥歯を35秒間磨かせることができる。このようにして、順次、各ブラッシング位置を指示することにより、ユーザに適切な歯磨き行動を指導することが可能となる。
【0111】
次に、磨き方評価部352によって、無線受信部31で得られた加速度情報に基づいてユーザの歯磨きの磨き方が評価される(ステップS3)。なお、磨き方評価部352による磨き方評価は、音楽演奏部35によるソングモードの動作が終了するまで継続され、性能的なタイムラグはあるものの実質的にリアルタイムでその評価結果が音楽出力部354(出力部)へ出力される。
【0112】
なお、ブラッシング位置表示画像G22によってブラッシングすべきブラッシング位置を順次指示するようにした場合、磨き方評価部352は、ブラッシング位置表示画像G22の指示位置と、ブラッシング位置判定部351により判定されたブラッシング位置とが、一致している場合に歯磨きが良好(評価指標が高い)と判定し、一致していない場合に歯磨きが良好でない(評価指標が低い)と評価してもよい。あるいは、磨き方評価部352は、複数の評価方法を組み合わせて総合的に、歯磨きが良好か否かの評価、又は評価指標の生成を行うようにしてもよい。
【0113】
次に、音楽出力部354によって、音楽情報記憶部353に記憶された音楽情報に基づきスピーカ33から音楽が出力されると共に、磨き方評価部352の評価結果に基づいて音楽の出力態様が実質的にリアルタイムで変化される(ステップS4)。
【0114】
具体的には、例えば磨き方評価部352の評価結果が良好であれば、音楽情報で表される、本来の音楽、すなわちユーザにとって心地よい音楽が出力される。一方、例えば磨き方評価部352の評価結果が良好でなければ、音楽出力部354は、音楽の本来の音程からずれた音程で音楽を出力したり、ハーモニーを外したり、あるいはリズムを外したりすることにより、ユーザに対して不快感や違和感を感じさせるような態様に音楽を変化させて出力する。
【0115】
磨き方評価部352が、評価結果を上述の評価指標として求める場合、評価指標で示される評価が低いほど、音楽出力部354は、音程のずらし量、ハーモニーの外れる程度、あるいはリズムの外れる程度を大きくするようにしてもよい
【0116】
なお、制御部34(出力部)は、無線受信部31で得られた物理量に基づいて、歯ブラシ4の使用方法が適切であるか否かを示すメッセージや画像をタッチパネルディスプレイ32に表示させてもよい。また、制御部34は、歯ブラシ4の適切な使用方法を示す画像をタッチパネルディスプレイ32に表示させてもよい。これにより、ユーザに適切な歯磨き行動を指導することが可能となる。また、ユーザが音楽や音を聞きながら、さらに画像で自分の実際の歯磨き行動やその評価結果、あるいは適切な歯磨き方法を確認しながら歯磨きを行うことで、ユーザは、楽しみながら、適切な歯磨き方法を学習することができる。
【0117】
ステップS4の実行中、音楽出力部354は、出力された音楽を例えばRAMに記憶させておくようにしてもよい。また、ステップS4の実行中、制御部34は、ユーザ画像G21を動画データとしてRAMに記憶させておくようにしてもよい。
【0118】
これにより、ユーザが適切に歯磨きができていないときは、ユーザは音楽から不快感や違和感を感じるので、ユーザは、ごく自然に音楽を良好な態様に戻してその不快感や違和感を取り除こうとする。ユーザの歯磨きが適切になると、磨き方評価部352の評価結果が良好になり、本来の心地よい音楽に変化するので、ユーザは音楽による心地よさと共に歯磨きがうまくできたという達成感を得ることができ、楽しみながら歯磨きを行うことができる。
【0119】
音楽演奏部35は、経過時間tpが、適切な歯磨き時間として予め設定された判定時間tj、例えば3分以上になると(ステップS5でYES)、ソングモードの実行を終了し、
図11(c)(
図29(c))に示す終了画面G3をタッチパネルディスプレイ32に表示する。
【0120】
音楽出力部354や制御部34が、出力された音楽やユーザ画像G21の動画データを記憶していた場合、音楽演奏部35は、その記憶された音楽を保存したりシェアしたりする指示を受け付ける保存ボタンB3及びシェアボタンB4を終了画面G3に表示させる。そして、例えば保存ボタンB3がユーザによってタッチされると、音楽演奏部35は、その歯磨き中に記憶された音楽や動画データを、例えば無線端末装置3の記憶部や、ネットワーククラウドに設けられた記憶装置等に記憶させるようにしてもよい。
【0121】
一方、ユーザが選択画面G1のフリーモードボタンB2をタッチして歯磨きを開始すると(ステップS1でフリーモード)、音楽演奏部35は、フリーモードの実行を開始し、
図11(b)(
図29(b))に示す歯磨き中画面G2を表示し、図略のタイマ回路によって経過時間tpの計時を開始させる(ステップS11)。
【0122】
次に、音楽出力部354は、無線受信部31で得られた加速度情報に応じた音を、実質的にリアルタイムでスピーカ33から出力させる(ステップS12)。具体的には、例えば、ブラッシング位置判定部351により判定可能な複数のブラッシング位置に対応して、互いに異なる音を予め対応付けておき、加速度情報に基づきブラッシング位置判定部351により判定されたブラッシング位置に対応する音をスピーカから出力するようにしてもよい。
【0123】
これにより、ユーザは、歯ブラシ4でブラッシングする位置を変えることで、任意の音をスピーカから出力させることができるので、あたかも音楽を演奏するように歯磨きを楽しむことができる。
【0124】
なお、音楽出力部354は、ブラッシング位置に対応する音をスピーカから出力する例に限られず、例えば加速度情報で示される加速度の大小や方向、歯ブラシ4の姿勢などに応じて音を変化させてもよい。
【0125】
ステップS4の実行中と同様、ステップS12の実行中、音楽出力部354は、出力された音楽を例えばRAMに記憶させておくようにしてもよい。また、ステップS12の実行中、制御部34は、ユーザ画像G21を動画データとしてRAMに記憶させておくようにしてもよい。
【0126】
音楽演奏部35は、経過時間tpが、適切な歯磨き時間として予め設定された判定時間tj、例えば3分以上になると(ステップS13でYES)、フリーモードの実行を終了し、上述のソングモードの場合と同様、
図11(c)(
図29(c))に示す終了画面G3をタッチパネルディスプレイ32に表示する。そして、例えば保存ボタンB3がユーザによってタッチされると、音楽演奏部35は、その歯磨き中に記憶された音楽を、例えば無線端末装置3の記憶部や、ネットワーククラウドに設けられた記憶装置等に記憶させるようにしてもよい。
【0127】
これにより、ユーザは、歯磨き中に歯ブラシ4を使って自分で演奏した音楽を、保存してあとで楽しむことができるので、歯磨きの楽しみを増大させることができる。
【0128】
以上のように、歯ブラシ用アタッチメント2は、手動の一般的な歯ブラシ4に取り付けることができ、歯ブラシ4に関する物理量、すなわちユーザの歯磨き行動に関する情報を無線信号として送信することができるので、普通の歯ブラシ4を、歯磨き行動に関する情報を送信する情報端末にすることができる。
【0129】
また、ステップS1〜S13の処理(音楽演奏部35)によれば、ソングモードではユーザによる歯磨きの巧拙に応じて音楽が変化するので、歯磨きを楽しみながら適切な歯磨き方法を身に付けることができる。フリーモードではユーザが歯ブラシ4を楽器のように用いて音楽を演奏することができるので、楽しみながら歯磨きを行うことができる。その結果、ユーザに、自然に歯磨き習慣を身に付けさせることが可能となる。
【0130】
次に、ゲーム部36について大略的に説明する。
図14(
図30)は、ゲーム部36によって、タッチパネルディスプレイ32に表示される表示画面の一例を示す画面図である。
図14(
図30)に示すゲーム画面G11は、例えば領域A1,A2,A3,A4,A5の5つの領域に分割されている。各領域は、ユーザの歯のブラッシング位置に対応付けられている。各領域には、例えば虫歯菌をイメージしたキャラクタ画像Cが表示されている。そして、ユーザの歯磨きの進行に応じて、適切に磨かれたブラッシング位置に対応する領域のキャラクタ画像Cが消去されるようになっている。これにより、ユーザは、ゲーム感覚で歯磨きを楽しむことができる。
【0131】
また、ユーザは、タッチパネルディスプレイ32を操作することによって、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37のいずれを動作させるかを選択することができるので、例えば子供やシミュレーション感覚を好むユーザは、ゲーム部36を選択することによって、ユーザの嗜好に応じて楽しみながら歯磨きを行うことが可能となる。
【0132】
次に、
図10を参照してゲーム部36の各部について具体的に説明する。ブラッシング位置判定部361は、ブラッシング位置判定部351と同様であるのでその説明を省略する。なお、音楽演奏部35がブラッシング位置判定部351を備え、ゲーム部36がブラッシング位置判定部361を備える例を示したが、同一のブラッシング位置判定部を音楽演奏部35とブラッシング位置判定部351とで共用してもよい。
【0133】
清掃効果評価部362は、ブラッシング位置判定部361により判定された、下の右側奥歯、下の左側奥歯、上の右側奥歯、上の左側奥歯、及び上下の前歯の5つのブラッシング位置毎に、ユーザのブラッシングによる清掃効果を累積的に評価する。具体的には、清掃効果評価部362は、例えば、加速度情報に基づき1回のブラッシングの移動距離を算出する。
【0134】
清掃効果評価部362は、このようにして得られたブラッシングの移動距離を、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置毎に積算する。ブラッシングの移動距離は、ブラッシングによる歯の清掃効果に対応すると考えられる。従って、ブラッシング位置毎の移動距離の積算値Sxは、ブラッシング位置毎の清掃効果を表している。そこで、清掃効果評価部362は、積算値Sxを、ブラッシング位置毎のブラッシングによる累積的な清掃評価結果として用いることができる。
【0135】
なお、清掃効果評価部362は、積算値Sxを累積的な清掃評価結果として用いる例に限らない。例えば、ブラッシングの移動距離に、磨き方評価部352の評価結果を加味した評価指標を算出し、その積算値を累積的な清掃評価結果として用いてもよく、他の評価方法を用いてもよい。
【0136】
キャラクタ表示制御部363は、各ブラッシング位置を適切に清掃するために必要な、ブラッシングの移動距離を判定基準値Sj(基準清掃レベル)として予め設定し、清掃効果評価部362による清掃評価結果である積算値Sxが判定基準値Sj以下のブラッシング位置に対応する領域にキャラクタ画像Cを表示し、積算値Sxが判定基準値Sjを超えた場合にそのブラッシング位置に対応する領域に表示されたキャラクタ画像Cを消去する。キャラクタ画像Cは、静止画であってもよく動画であってもよい。キャラクタ表示制御部363は、静止画又は動画の画像を出力する出力部の一例に相当している。
【0137】
図13は、本発明の一実施形態に係る歯磨き補助プログラムに関するゲーム部36の動作の一例を示すフローチャートである。まず、例えば無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32に表示されたゲーム部36に対応するアイコンをユーザがタッチして歯磨きを開始すると、ゲーム部36がゲームを開始する(ステップS21でYES)。
【0138】
次に、キャラクタ表示制御部363は、まだ積算値Sxの積算が開始されておらず、従って各領域に対応する積算値Sx(1)〜Sx(5)は判定基準値Sj以下であるから、例えば
図14(
図30)に示すゲーム画面G11のように、ゲーム画面G11の各領域A1,A2,A3,A4,A5に、それぞれキャラクタ画像Cを表示する(ステップS22)。
【0139】
次に、清掃効果評価部362によって、ブラッシング位置判定部361により判定された、下の右側奥歯、下の左側奥歯、上の右側奥歯、上の左側奥歯、及び上下の前歯の5つのブラッシング位置毎に、加速度情報に基づき1回のブラッシングの移動距離が算出される。そして、清掃効果評価部362によって、このようにして得られたブラッシングの移動距離が、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置毎に積算される(ステップS23)。
【0140】
ここで、例えば、下の右側奥歯に対応する積算値Sxを積算値Sx(1)、下の左側奥歯に対応する積算値Sxを積算値Sx(2)、上の右側奥歯に対応する積算値Sxを積算値Sx(3)、上の左側奥歯に対応する積算値Sxを積算値Sx(4)、上下の前歯に対応する積算値Sxを積算値Sx(5)とする。
【0141】
一方、ゲーム画面G11の各領域は、領域A1が下の右側奥歯に対応し、領域A2が下の左側奥歯に対応し、領域A3が上の右側奥歯に対応し、領域A4が上の左側奥歯に対応し、領域A5が上下の前歯に対応している。従って、同じブラッシング位置に対応する領域Aと積算値Sxとが対応し、領域A1,A2,A3,A4,A5が積算値Sx(1),Sx(2),Sx(3),Sx(4),Sx(5)にそれぞれ対応している。
【0142】
図15(
図31)は、ユーザが歯磨き中の表示画面G12の一例を示す画面図である。
図15(
図31)の態様例として、例えばユーザが上の奥歯を歯ブラシ4でブラッシングすると、キャラクタ表示制御部363(表示制御部)によって、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置に対応する領域A3の画像が
図15(
図31)に示すように拡大表示される。さらに、キャラクタ表示制御部363(表示制御部)によって、領域A3のキャラクタ画像Cと重ね合わせ、あるいはその近傍に、例えば泡のような泡画像Caが表示される。泡画像Caのように、ユーザに対して清掃や、きれいになるイメージを連想させるような画像を表示することにより、ユーザに対して、自分のブラッシング動作と表示画面G12とが連動している感覚を呼び起こさせることができる。その結果、ユーザを、泡画像Caにより自分の歯がきれいになっているような心地よい気持ちにさせることができる。
【0143】
ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置に対応する領域の画像がキャラクタ表示制御部363によって拡大表示されるので、ユーザが歯磨き位置を変更することにより表示画面が変化する。また、例えば加速度情報に基づき歯ブラシ4によるブラッシング動作が検出された場合、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置に対応する領域にキャラクタ画像Cが存在している場合のみ、キャラクタ表示制御部363(表示制御部)によって、泡画像Caがキャラクタ画像Cと重ね合わせ若しくは近傍に表示される。さらに、ユーザが歯磨位置を変えた場合、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置に対応する領域の画面がキャラクタ表示制御部363(表示制御部)によって拡大表示される。このようにユーザの歯磨き行動に応じて表示画面を変化させることにより、歯磨きの興趣性を高めることができる。
【0144】
また、
図15(
図31)の別の態様例として、例えば各ブラッシング位置(清掃部位)をどのような順番でブラッシングすべきかを示す清掃順序情報を、予め記憶部に記憶させておいてもよい。そして、例えば加速度情報に基づき歯ブラシ4によるブラッシング動作が検出された場合、キャラクタ表示制御部363(表示制御部)は、清掃順序情報で示される順番で、清掃すべきブラッシング位置に対応する領域の画像を順次拡大表示することにより、ユーザに対して、その拡大表示された領域に対応するブラッシング位置を磨くように誘導するようにしてもよい。
【0145】
このように、画像の拡大表示によりユーザのブラッシング位置が誘導され、正しくそのブラッシング位置でブラッシングされると、ブラッシング位置判定部361により判定されるブラッシング位置と、拡大表示された領域に対応するブラッシング位置とが一致することになる。そこで、キャラクタ表示制御部363(表示制御部)は、拡大表示された領域に対応するブラッシング位置とブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置とが一致し、かつブラッシング位置に対応する領域にキャラクタ画像Cが存在している場合のみ泡画像Caがキャラクタ画像Cと重ね合わせ若しくは近傍に表示する。
【0146】
これにより、ユーザが泡画像Caを表示させたいと思う場合、画像の拡大表示による誘導の通りのブラッシング位置で歯を磨く必要があるので、結果的に、清掃順序情報で示される順番で各ブラッシング位置の歯磨きを行うことになる。その結果、ユーザに対して好ましい歯ブラシ動作を身に付けさせることができる。
【0147】
なお、泡画像Caは、必ずしもキャラクタ画像Cが存在している場合のみ表示される例に限らない。キャラクタ表示制御部363(表示制御部)は、キャラクタ画像Cの有無に関わらず、ブラッシング位置判定部361により判定されたブラッシング位置に対応する画像位置(領域)に表示されるようにしてもよい。この場合、ユーザは、自分がブラッシングしている位置を、泡画像Caが表示されている位置によって知ることができる。従って、ユーザは、画面に表示された泡画像Caが、キャラクタ画像Cの方へ移動するように、ブラッシング位置を変更することで、正しいブラッシング位置で歯磨きすることができるようになる。
【0148】
次に、キャラクタ表示制御部363によって、積算値Sx(1)〜Sx(5)がそれぞれ判定基準値Sjと比較され、判定基準値Sjを超えた積算値Sxがあった場合、その積算値Sxに対応する領域、すなわち積算値Sxが判定基準値Sjを超えた領域に表示されていたキャラクタ画像Cが消去される(ステップS24)。
【0149】
図16(
図32)は、積算値Sx(3)が判定基準値Sjを超えた場合の表示画面G13の一例を示す画面図である。
図16(
図32)に示すように、積算値Sx(3)が判定基準値Sjを超えた場合、キャラクタ表示制御部363によって、領域A3からキャラクタ画像Cが消去される。これにより、ユーザは、領域A3に対応する上の右側奥歯が適切に歯磨きできたことが判る。また、ユーザに対してゲーム感覚で虫歯菌のキャラクタ画像Cをやっつけたような感覚を与えることができるので、歯磨きの興趣性を高めることができる。これにより、ユーザの興趣性を高める態様で、ユーザの歯磨き行動に関する情報を報知することができる。
【0150】
次に、ゲーム部36によって、積算値Sx(1)〜Sx(5)がそれぞれ判定基準値Sjと比較され、積算値Sx(1)〜Sx(5)のうちにまだ判定基準値Sjを超えていない積算値Sxがあった場合(ステップS25でNO)、再びステップS23〜S25が繰り返される。一方、積算値Sx(1)〜Sx(5)が全て判定基準値Sjを超えた場合(ステップS25でYES)、ゲーム部36によって、例えば
図17(
図33)に示すようなゲーム終了画面G14が表示される(ステップS26)。
【0151】
なお、ゲーム部36は、ステップS21でゲームが開始された後の経過時間tpを計時し、経過時間tpが適切な歯磨き時間として予め設定された判定時間tj(例えば3分)以上になったとき、ステップS26へ移行する構成としてもよい。
【0152】
これにより、歯の磨きすぎを防止することができる。また、適切な歯磨き時間で歯磨きするように、ユーザを指導することができる。
【0153】
ゲーム終了画面G14には、例えば「モンスターをやっつけた!」若しくは「モンスター退治の成功率はXX%です」といった、ゲームの達成感を高めるようなメッセージが表示されることが好ましい。これにより、ゲームと一体となった歯磨きの達成感が高められ、再び歯磨きゲームをしたいという気持ちを起こさせることにより、歯磨きを習慣化に導くことが可能となる。
【0154】
次に、ゲーム部36によって、例えば
図18(
図34)に示すような得点画面G15が表示される(ステップS27)。ゲーム部36は、例えば積算値Sx(1)〜Sx(5)の値を積算値が大きいほど得点が高くなるように得点を算出したり、例えばゲーム部36に磨き方評価部352を備えて磨き方評価部352によって歯磨きが良好と判断されていた時間が予め設定された時間に近いほど得点が高くなるように得点を算出したりすることができる。
【0155】
このように、歯磨きの得点を表示することにより、ユーザに対して得点を高めたいという気持ちを誘起させることができ、再び歯磨きゲームをしたいという気持ちを起こさせることにより、歯磨きを習慣化に導くことが可能となる。
【0156】
なお、ゲーム部36は、得点やさらに詳細な評価結果等を、記憶部にロギングする構成としてもよい。また、ゲーム部36は、一回のゲーム(歯磨き)毎、あるいはユーザが指定するなどした所定の期間内で平均するなどして、その結果を数字やランキング、あるいはその他の表現方法により、タッチパネルディスプレイ32やスピーカ33で報知するようにしてもよい。また、例えば図略の無線電話回線やインターネット等の通信ネットワークを介して無線端末装置3からアクセス可能なサーバ装置を備え、ゲーム部36は、このサーバ装置に上述の得点やさらに詳細な評価結果、平均データ等を記憶させたりロギングしたりする構成としてもよい。
【0157】
また、複数のユーザの無線端末装置3からサーバ装置にこれらの得点等を送信し、サーバ装置で複数ユーザ間のランキングを算出したり、他のユーザと比較したりする構成としてもよい。そして、サーバ装置は、そのランキングや比較結果を各ユーザの無線端末装置3へ送信する構成としてもよい。これにより、歯磨きの興趣性を高めることができる。このような、評価結果のランキングやロギング等は、正しい歯磨き行動を身に付けたいユーザや、子供などに正しい歯磨き行動を体得させたいユーザにとって、特に利便性が高い。
【0158】
次に、
図10を参照して歯磨きタイマ部37の各部について具体的に説明する。歯磨開始判定部371は、無線受信部31で得られた加速度情報に基づいて、ユーザにより歯磨きが開始されたか否かを判定する。具体的には、歯磨開始判定部371は、例えば、加速度情報に基づいて、歯ブラシ4の長手方向に沿った加速度が、予め設定された開始判定値STを超えたとき、歯磨きが開始されたと判定する。
【0159】
計時部372は、歯磨開始判定部371によって歯磨きが開始されたと判定されたとき、好適な歯磨き時間として例えば3分に予め設定された判定時間tjが経過するまでの経過時間tpの計時を開始する。
【0160】
報知部373は、歯磨開始判定部371によって歯磨きが開始されたと判定されたときから、経過時間tpが判定時間tjに達するまでの間に、スピーカ33やタッチパネルディスプレイ32によって、所定の情報を音声及び/又は文字画像で報知させる。文字画像は、静止画であってもよく、文字が流れるような動画であってもよい。また、報知部373は、タッチパネルディスプレイ32に、所定の情報に関する静止画や動画の画像を表示させてもよい。
【0161】
図19は、本発明の一実施形態に係る歯磨き補助プログラムに関する歯磨きタイマ部37の動作の一例を示すフローチャートである。
図20は、無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32に表示される表示画面の一例を示す画面図である。まず、例えば無線端末装置3のタッチパネルディスプレイ32に表示された歯磨きタイマ部37に対応するアイコンをユーザがタッチすると、
図20(a)に示す開始画面G31が表示され、報知部373は、ユーザの歯磨き中に報知するための報知情報を取得する(ステップS31)。
【0162】
具体的には、報知部373は、例えば図略の無線電話回線やインターネットを介して外部サーバに記憶された報知情報を取得する。例えば、報知部373は、Web(World Wide Web)の機能を外部から利用するためのインターフェースであるAPI(Application Programming Interface)を用いて外部から報知情報を取得することができる。
【0163】
報知情報としては、例えば天気予報、ニュースや、雨傘指数、洗濯指数、日傘指数などの指数、占い、スケジュール、ゴミ収集日、及び交通機関運行情報等がある。
【0164】
次に、ユーザが例えば開始画面G31のネクストボタンG32をタッチすると、歯磨開始判定部371が、歯磨きが開始されたか否かを判定する(ステップS32)。そして、歯磨開始判定部371によって歯磨きが開始されたと判定されると(ステップS32でYES)、計時部372によって、経過時間tpの計時が開始される(ステップS33)。
【0165】
次に、報知部373によって、例えば
図20(b)、(c)に示すように、報知情報が文字情報としてタッチパネルディスプレイ32に表示される(ステップS34)。また、報知部373によって、報知情報が音声でスピーカ33から出力される(ステップS35)。ステップS31において、報知情報を音声で表したデータを取得してそのデータに基づき報知情報を音声で報知してもよく、文字列データとして取得された報知情報を音声に変換して読み上げることにより音声で報知してもよい。
【0166】
なお、例えば
図20(b)、(c)に示す表示画面に、経過時間tpを、文字又はアナログ時計を模した画像などによって表示する構成としてもよい。
【0167】
報知部373は、ステップS31で取得された報知情報を、判定時間tj内で報知可能なように、その音声出力の速度を適宜調節してスピーカ33から出力させる。この場合、判定時間tjに略等しく、例えば判定時間tjの90%以上から判定時間tjまでの範囲内になるように、報知情報の音声出力がなされる時間が調節されることが好ましい。報知情報の音声出力がなされる時間が、判定時間tjと略等しくされることにより、ユーザは、報知情報の音声出力がなされている間、歯磨きを継続することによって、適切な歯磨きを行うことができる。
【0168】
次に、計時部372によって、経過時間tpと判定時間tjとが比較され(ステップS36)、経過時間tpが判定時間tjに満たなければ(ステップS36でNO)、計時部372は再びステップS34〜S36を繰り返し、経過時間tpが判定時間tj以上になると(ステップS36でYES)、図略の終了画面を表示して処理を終了する。
【0169】
以上、ステップS31〜S36の処理により、ユーザが歯磨きを開始してから歯磨きに適切な判定時間tjの間、報知情報が報知されるので、ユーザは報知情報が報知されている間歯磨きを行うことで、適切に歯磨きを行うことができる。また、歯磨き中、報知情報が報知されるので、ユーザは、歯磨き時間を有効に活用することができる。また、報知情報が音声で出力されるので、報知情報を聞きつつ鏡を見ながら歯磨きを行うことができる。
【0170】
また、加速度情報に基づいて歯磨開始判定部371によって歯磨きが開始されたと判定されてから経過時間tpの計時が開始されるので、例えばユーザがスタートボタンを操作して計時を開始する場合よりも、経過時間tpの計時精度が向上する。また、加速度情報に基づいて報知部373による報知情報の報知が開始されるので、ユーザの興趣性を高める態様で、報知情報の画像及び音のうち少なくとも一方が出力される。
【0171】
なお、報知部373は、ステップS34及びS35のうち、いずれか一方のみ実行する構成であってもよい。また、報知部373は、音声出力の速度を適宜調節して報知情報を判定時間tj内で報知可能なようにする例に限らない。例えば報知情報を要約したり、取捨選択したりして判定時間tj内で報知可能なようにしてもよい。
【0172】
また、歯磨きタイマ部37は、歯磨開始判定部371を備えず、例えばステップS32において、ユーザが例えばネクストボタンG32(開始指示受付部)をタッチすることにより、ユーザが歯磨きを開始したものとしてステップS33が実行されるようにしてもよい。
【0173】
また、例えば音楽演奏部35が歯磨開始判定部371を備え、ステップS1によるモードの判定後、歯磨開始判定部371によって歯磨きが開始されたと判定されてから、ステップS2又はステップS11が実行されるようにしてもよい。
【0174】
なお、歯ブラシ用アタッチメント2は、ブラシ部と把持部(ハンドル)等が一体に成型されている通常の手動の歯ブラシに対して着脱可能な構成を示した態様以外にも、ブラシ部を含む部材と把持部を含む部材が脱着可能に構成された手動の歯ブラシにおいて、把持部を含む部材が歯ブラシ用アタッチメント2として構成される態様であってもよい。また、歯ブラシ用アタッチメント2は、電動歯ブラシに対して着脱可能に構成されていてもよい。特に例えばブラシ部に微振動を生じさせるだけで清掃能力の低い電動歯ブラシの場合、電動歯ブラシを手で往復運動させてブラッシングする必要がある。このような手動のブラッシング動作を必要とする電動歯ブラシに歯ブラシ用アタッチメント2を取り付けることで、手動歯ブラシに歯ブラシ用アタッチメント2を取り付けた場合と同様、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができ、歯磨きの興趣性を高めたり、正しい歯磨き方法を指導したりすることができる。
【0175】
また、無線端末装置3(歯磨き補助装置)は、ゲーム部36及び歯磨きタイマ部37を備えていなくてもよい。音楽演奏部35は、ソングモードとフリーモードとのうち、いずれか一方のみを実行する構成であってもよい。また、無線端末装置3は、音楽演奏部35及び歯磨きタイマ部37を備えていなくてもよく、音楽演奏部35及びゲーム部36を備えていなくてもよい。
【0176】
また、回路ブロック207(歯ブラシモジュール)は、電動歯ブラシと一体に構成され、あるいは電動歯ブラシに内蔵されていてもよい。電動歯ブラシは、手動のブラッシング動作を不要とするものであってもよく、手動のブラッシング動作を必要とするものであってもよい。
【0177】
また、無線端末装置3は、例えばカレンダーや風景写真等、種々の画像を記憶する画像記憶部を備え、制御部34は、ユーザの歯磨き中に、タッチパネルディスプレイ32にこれらの画像を表示させる構成としてもよい。
【0178】
また、無線端末装置3(制御部34)は、無線受信部31で得られた物理量から、歯ブラシ4のブラシ部分(毛束421)特にブラシの毛先部分が歯茎や歯牙表面へ接触する接触角度、歯ブラシ4を反復運動(ブラッシング)させる動作の変位の大きさ等、をユーザの歯磨き行動に関する情報として算出したり、これらの情報に基づき各清掃部位ごとにおける清掃行為の評価を実行したり、それらの情報や評価結果をタッチパネルディスプレイ32やスピーカ33によって報知したりする構成としてもよい。
【0179】
無線端末装置3(制御部34)は、ユーザの歯磨き行動に関する情報を画像化し、歯ブラシ4の模式化された画像によって、その接触角度、ブラッシングの変位の大きさ等をタッチパネルディスプレイ32に表示させる構成としてもよい。
【0180】
歯磨き補助システム1は、音楽出力部354やキャラクタ表示制御部363を含まない歯磨き評価システムとして構成されていてもよい。
【0181】
次に、磨き方評価部352による歯の磨き方の評価方法について、具体的に説明する。なお、磨き方評価部352は、音楽演奏部35の一部として動作する例に限らず、磨き方評価部352が、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37に含まれていてもよく、磨き方評価部352が、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37とは別に、ユーザの歯磨き行動を評価してもよい。
【0182】
磨き方評価部352による歯の磨き方の評価方法として、例えば以下のような評価方法を用いることができる。
【0183】
まず、歯磨きの方法としては、歯ブラシ4の毛束421を、歯ぐきの側に45度傾けて水平方向に往復させるバス法、毛束421を歯に垂直に当てて水平方向に往復させるスクラッビング法、毛束421の毛の脇腹部分を歯ぐきに当て、かみ合わせの面に向かって回転させるローリング法等、種々の歯磨き方法が知られている。中でも、バス法が基本的な歯磨き法とされている。
【0184】
バス法では、歯ブラシを小刻みに往復させてブラッシングを行う。このとき、ブラシの動きの幅、すなわち往復運動の片道の移動距離が、歯の幅一本分以下の小刻みな動きとなることが望ましく、ブラシの動きの幅が小さいほど歯磨きの質が高く歯磨きが上手であることを意味し、ブラシの動きの幅が大きいほど歯磨きの質が低く歯磨きが下手であることを意味すると考えられる。
【0185】
そこで、ユーザの歯の磨き方の巧拙を評価する一つの指標として、ブラシの動きの幅を用いることができる。
【0186】
また、歯科医師や、歯科衛生士等の歯磨きの専門家による歯磨き行動、すなわち理想的と考えられる歯磨き行動との比較に基づいて、ユーザの歯の磨き方を評価するようにしてもよい。具体的には、例えば予め、歯科医師や、歯科衛生士等の歯磨きの専門家による歯磨き行動について測定し、そのブラッシング動作をデータ化する。このようにして得られたデータに基づきユーザの歯磨き行動を判定するための判定基準テーブル(LUT:ルックアップテーブル)を予め設定し、予め制御部34の記憶部に記憶させておく。
【0187】
そして、判定基準テーブルに基づき、歯ブラシ用アタッチメント2によって得られたユーザの歯磨き行動を示すデータと専門家による歯磨き行動を示すデータとの差が、小さいほど歯磨きが上手であり、大きいほど歯磨きが下手であると判定するようにユーザの歯磨き行動を評価するためのクオリティ評価基準を定め、磨き方評価部352は、このクオリティ評価基準に基づきユーザの歯の磨き方を評価することが好ましい。
【0188】
具体的には、判定基準テーブルは、例えば、専門家が歯磨きを行うときのブラッシングの速度を示すブラッシングスピード情報と、専門家がその速度でブラッシングしたときの、そのブラッシングの所定時間(例えば1秒)内の往復回数であるブラッシング周波数を判定するための周波数判定値とを組み合わせて対応付けたルックアップテーブルとすることができる。
【0189】
周波数判定値とブラッシングスピード情報、及びその組み合わせは、例えば以下のようにして設定することができる。例えば上述の専門家による歯磨き行動における、歯ブラシの往復運動の繰り返し周波数と、その繰り返し周波数が得られたときのブラシの移動速度を示すブラッシングスピード情報との各組み合わせについて、例えばその各組み合わせにおける繰り返し周波数に対して所定の範囲、例えばプラスマイナス5%程度の範囲を示す上限値と下限値とを、各組み合わせに対する周波数判定値として設定することができる。判定基準テーブルは、このようにして得られた周波数判定値とブラッシングスピード情報とを組み合わせを対応付けたルックアップテーブルとすることができる。ブラシの移動速度は加速度と相関関係があるので、ブラッシングスピード情報として速度の代わりに加速度を用いてもよい。
【0190】
歯磨きの専門家による歯磨き行動は、ブラシの動きの幅が小さいと考えられるので、上述の判定基準テーブルに基づく評価方法によれば、結果的に、ブラッシング時のブラシの動きの幅が、小さいほど歯磨きが上手であり、大きいほど歯磨きが下手であると判定することになると考えられる。
【0191】
図21、
図22は、
図10に示す磨き方評価部352によって、判定基準テーブルに基づく評価方法を行う場合の動作の一例を示すフローチャートである。まず、磨き方評価部352は、歯ブラシ用アタッチメント2によって検出され、送信され、無線受信部31で得られた加速度情報を取得する(ステップS41)。加速度情報を検出するセンサ部21は三軸加速度センサとされており、互いに直交するX、Y、Zの三方向の加速度をそれぞれ検出する。例えば、Y方向はハンドル部41の軸方向とされ、X方向は毛束421の延びる方向とされ、Z方向はX及びY方向に対して直交する方向とされている。これにより、X、Y、Zの各方向の加速度を示す加速度情報が取得される。
【0192】
次に、磨き方評価部352は、このようにして得られた加速度情報を、例えば制御部34の記憶部に時系列に沿って累積的に記憶させる(ステップS42)。すなわち、ユーザが歯磨きを行うと、その歯磨き中に歯ブラシ用アタッチメント2によって検出、送信され、無線受信部31で受信された加速度情報が累積的に記憶部に記憶される。
【0193】
次に、磨き方評価部352は、予め設定された設定時間内の加速度、すなわち予め設定された設定時間内に検出されたX,Y,Z方向の加速度をそれぞれ平均し、X、Y、Zの三次元のベクトルで表される平均加速度を算出する(ステップS43)。地球の重力は、センサ部21によって常時加速度として検出される。従って、時系列に累積記憶された加速度を平均すると、常時検出されている重力成分の加速度が大きく現れる。その結果、平均加速度は略重力加速度を示すこととなる。
【0194】
このようにして得られた平均加速度は、重力方向を示す情報として用いられ、例えば上述した歯ブラシ4の姿勢を検出するために用いられる。
【0195】
次に、磨き方評価部352は、ステップS41で得られた加速度情報、すなわち現時点でのリアルタイムの加速度情報と、ステップS43で得られた平均加速度との差分を抽出し(ステップS44)、差分加速度を取得する(ステップS45)。上述したとおり、平均加速度は、略重力加速度に等しいと考えられるから、差分加速度は、ブラッシングにより歯ブラシ4に加わる加速度を示すこととなる。なお、バス法やスクラッビング法では、歯ブラシをそのハンドルの軸方向に沿う方向に動かすのが基本となる。そこで、バス法やスクラッビング法を想定した磨き方評価を行う場合、上述の加速度情報と平均加速度との差分から、さらにハンドルの軸方向に沿うY方向成分の加速度を抽出して差分加速度とすることが好ましい。これにより、歯磨き行動に伴い歯ブラシ4に生じる加速度の検出精度が向上する。
【0196】
磨き方評価部352は、このようにして得られた差分加速度を、例えば制御部34の記憶部に時系列に沿って累積的に記憶させる(ステップS46)。すなわち、ユーザが歯磨きを行うと、その歯磨き中の歯ブラシ4の動きを示す差分加速度が、時系列に沿って累積的に記憶部に記憶される。これにより、歯磨き中の所定の期間内の歯ブラシ4の動き、すなわち歯磨き行動を示す差分加速度が、記憶部に記憶される。
【0197】
次に、累積記憶された差分加速度に含まれる周波数成分、すなわちブラッシングの往復運動の頻度を示すブラッシング周波数が、例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって解析され(ステップS51)、ブラッシング周波数と差分加速度とからブラシの動きの幅が算出される(ステップS52)。具体的には、ブラッシング周波数の逆数はブラッシング周期となり、ブラッシング周期の1/2はブラッシングの往復運動の片道の時間を示している。従ってブラッシング周期の1/2と差分加速度とを乗算すれば、ブラッシングの移動速度が得られる。さらにこの移動速度とブラッシング周期の1/2の時間とを乗算することによって、ブラッシングにおけるブラシの動きの幅、すなわち歯ブラシの往復運動における一往復での片道の移動距離が算出される。
【0198】
このようにして得られたブラシの動きの幅は、ブラッシングを評価する指標となり、ブラッシングの評価結果の一つとして例えば音楽出力部354によって音楽の出力態様を変化させるための評価結果として用いられたり、タッチパネルディスプレイ32にその評価結果が表示されたりする。
【0199】
なお、ブラッシング周波数の算出には、種々の解析手法を用いることができ、高速フーリエ変換を用いる例に限らない。また、このようにして得られたブラッシング周波数を、音楽演奏部35による音楽演奏のテンポに反映させてもよい。これにより、ユーザはリズムに乗って歯磨きすることが容易になる。
【0200】
次に、磨き方評価部352は、ステップS51で得られたブラッシング周波数、すなわち現時点での最新のブラッシング周波数を、例えば制御部34の記憶部に時系列に沿って累積的に記憶させる(ステップS53)。すなわち、ユーザが歯磨きを行うと、その歯磨き中のブラッシング周波数、すなわち歯ブラシ4の往復運動の周期が、時系列に沿って累積的に記憶部に記憶される。
【0201】
次に、磨き方評価部352は、累積的に記憶されたブラッシング周波数のうち最大の周波数をブラッシングサイクルBCとして取得する(ステップS54)。ブラッシングサイクルBCは、ユーザの歯磨き行動における往復運動の繰り返しの速さを表す指標であり、必ずしも最大周波数をブラッシングサイクルBCとする必要はなく、例えば累積的に記憶されたブラッシング周波数の平均値であってもよい。
【0202】
しかしながら、ユーザのブラッシング行動において、素早くブラシを往復運動させる動作は意識的に行わなければ難しい。そのため、その往復運動の繰り返しの速さであるブラッシング周波数の最大値は、適切なブラッシング方法の知識がないなどして歯磨きが下手な人と、適切なブラッシング方法の知識を有し、素早くブラシを往復運動させようとする歯磨きが上手な人とで差が出やすい。従って、最大周波数は、ユーザの歯磨き行動を評価するための指標であるブラッシングサイクルBCとして適している。
【0203】
次に、磨き方評価部352は、ステップS46で記憶された差分加速度の累積データから最大の差分加速度を検索し(ステップS55)、検索された最大差分加速度をブラッシングスピード情報BSとして取得する(ステップS56)。
【0204】
ブラッシングスピード情報BSは、ユーザの歯磨き行動におけるブラシの移動速度を表す指標であり、必ずしも最大の差分加速度をブラッシングスピード情報BSとする必要はなく、例えば累積的に記憶された差分加速度の平均値であってもよい。
【0205】
しかしながら、ユーザのブラッシング行動において、素早くブラシを往復運動させる動作は意識的に行わなければ難しい。そのため、その往復運動におけるブラシの移動速度を間接的に表す差分加速度の最大値は、適切なブラッシング方法の知識がないなどして歯磨きが下手な人と、適切なブラッシング方法の知識を有し、素早くブラシを往復運動させようとする歯磨きが上手な人とで差が出やすい。従って、差分加速度の最大値は、ユーザの歯磨き行動を評価するための指標であるブラッシングスピード情報BSとして適している。
【0206】
次に、磨き方評価部352は、記憶部に記憶されている判定基準テーブルを参照する。上述したように、判定基準テーブルは、上限値と下限値とで所定の周波数範囲を示す周波数判定値と、その周波数判定値に対応するブラッシングスピード情報とを対応付ける。磨き方評価部352は、判定基準テーブルに基づき、ブラッシングサイクルBCをその範囲内に含む周波数判定値を検索し、検索された周波数判定値と対応付けられたブラッシングスピード情報、すなわちブラッシングサイクルBCに該当する周波数判定値と対応付けられたブラッシングスピード情報をベストブラッシングスピード情報として取得する(ステップS57)。
【0207】
次に、磨き方評価部352は、ステップS57で得られたベストブラッシングスピード情報と、ユーザのブラッシングスピード情報BSとに基づき、クオリティ評価基準に従って、ユーザの歯磨きの巧拙を、ブラッシングクォリティとして点数化する(ステップS58)。これにより、磨き方評価部352は、歯ブラシの往復運動の周期と、歯ブラシの往復運動における移動速度とに基づいて歯磨き行動の巧拙を評価する。
【0208】
具体的には、クオリティ評価基準は、例えばベストブラッシングスピード情報で示される加速度と、ブラッシングスピード情報BSにより示される加速度との差が、基準値A以下(例えば0)であれば100点、基準値Aを超え基準値B以下であれば80点、基準値Bを超え基準値C以下であれば60点、基準値Cを超えれば40点(A<B<C)、というように、その差が大きくなるほど点数が小さくなるように定められている。
【0209】
あるいは、クオリティ評価基準は、例えばベストブラッシングスピード情報で示される加速度と、ブラッシングスピード情報BSにより示される加速度との差が、基準値A以下(例えば0)であれば「BEST」、基準値Aを超え基準値B以下であれば「GOOD」、基準値Bを超えれば「BAD」というように、その差が大きくなるほど評価が低くなるように定められていてもよい。
【0210】
このようにして得られた評価結果、すなわちブラッシングクォリティは、ブラッシングを評価する指標となり、ブラッシングの評価結果の一つとして例えば音楽出力部354によって音楽の出力態様を変化させるための評価結果として用いられたり、タッチパネルディスプレイ32にその評価結果が表示されたりする。
【0211】
なお、ブラッシングを評価する指標としては、ステップS52で算出されたブラシの動きの幅を用いてもよい。
図26は、ブラシの動きの幅に基づく評価結果をタッチパネルディスプレイ32に表示する報知画面G4の一例を示す画面図である。
【0212】
磨き方評価部352は、ブラシの動きの幅を、所定のブラッシング幅評価基準に従い評価する。ブラッシング幅評価基準は、例えばブラシの動きの幅を点数化するための基準、さらにその点数を評価する基準などを含むことができる。
【0213】
例えば、磨き方評価部352は、ブラッシング幅評価基準に従って、平均的な大人の歯の幅との対比に基づき例えば10点刻みで点数化する。ブラッシング幅評価基準は、例えば、ブラシの動きの幅が、歯の幅一本分以下の場合100点、歯の幅一本分を超え二本分以下の場合90点、歯の幅二本分を超え三本分以下の場合60〜80点、歯の幅三本分を超え四本分以下の場合40〜60点というものである。
【0214】
さらに磨き方評価部352は、この点数を、ブラッシング幅評価基準に従って例えば「BEST」、「GOOD」、「BAD」の三ランクに評価する。ブラッシング幅評価基準は、例えば「BEST」と判定するための点数を80〜100点、「GOOD」と判定するための点数を60〜70点、「BAD」と判定するための点数を0〜50点とすることができる。
【0215】
図26に示す評価バーG41は、ブラシの動きの幅を視覚的に表した矢印の画像と、「BEST」、「GOOD」、「BAD」の評価結果を示す表示とから構成されている。磨き方評価部352は、点数の判定結果に応じた評価バーG41をタッチパネルディスプレイ32に表示させる。「BEST」の評価バーは矢印が短くされており、歯ブラシを小刻みに動かして歯磨きするイメージが表現されている。そして、「GOOD」、「BAD」と評価が下がるに従って、評価バーの矢印が長くされ、歯ブラシを動かす幅が大きいイメージが表現されている。これにより、評価バーG41によれば、歯ブラシを動かす幅の大小を示す図と、歯磨きの評価結果とが対になって表示されるので、ユーザは、自分の歯磨き行動の評価結果を知ると共に、歯ブラシを動かす幅を小さくした方がよいことをユーザに知らせることができる。また、評価結果表示画像G42として、その「BEST」、「GOOD」、「BAD」の評価結果と、点数とが直接的に表示され、ユーザに対して歯磨きの評価結果がわかり易く報知される。
【0216】
音楽演奏部35は、ユーザの歯磨き中にタッチパネルディスプレイ32に歯磨きの評価結果を表示させる構成としてもよい。
図27は、ユーザの歯磨き中に、音楽演奏部35によってタッチパネルディスプレイ32に表示される表示画面の一例である。
図27に示す表示画面G5には、
図26に示す評価バーG41と略同様の評価バーG51と、評価点数G52とが表示されている。これにより、ユーザは、音楽演奏を楽しみながら、歯磨きの善し悪しの評価結果を知ることができる。
【0217】
ゲーム部36は、ゲーム中、すなわち歯磨き中に、タッチパネルディスプレイ32に歯磨きの評価結果を表示させる構成としてもよい。
図28は、ユーザの歯磨き中に、ゲーム部36によってタッチパネルディスプレイ32に表示される表示画面の一例である。
図28に示すゲーム画面G16には、
図26に示す評価バーG41と略同様の評価バーG17が表示されている。これにより、ユーザは、ゲーム感覚で歯磨きをしながら歯磨きの善し悪しの評価結果を知ることができる。
【0218】
歯磨きタイマ部37は、歯磨き中に、例えば
図20に示すタッチパネルディスプレイ32の表示画面に、例えば
図26に示す評価バーG41と略同様の評価バーを表示するなどして歯磨きの評価結果を表示させる構成としてもよい。これにより、ユーザは、歯磨きをしながら報知情報を得つつ、歯磨きの善し悪しの評価結果を知ることができる。
【0219】
また、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37は、ブラッシングクォリティの評価の点数、ブラシの動きの幅に基づく評価の点数等の評価結果に応じて、タッチパネルディスプレイ32に表示させる表示画面を変化させたり、スピーカ33から出力される音を変化させたりしてもよい。
【0220】
音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37は、例えば80点以上の高得点のときやブラシの動きの幅が歯の幅1本分以下のときなどに、スピーカ33から歓声などの良好な印象を与える音を出力したり、賞賛を表すような画像をタッチパネルディスプレイ32に表示したりしてもよい。また、音楽演奏部35、ゲーム部36、及び歯磨きタイマ部37は、例えば50点以下の低得点のときやブラシの動きの幅が歯の幅4本分以上のときなどに、スピーカ33からブーイングなどのよくない印象を与える音を出力したり、よくない印象の画像をタッチパネルディスプレイ32に表示したりしてもよい。
【0221】
また、低得点の場合、「磨きすぎ」、「強すぎ」といった警告をタッチパネルディスプレイ32に表示又はスピーカ33から出力して報知してもよい。これにより、適切なブラッシング方法を習得できるように教育することが可能となる。
【0222】
また、磨き方評価の厳しさを、ゲームの対象年齢や歯磨きの上達レベルなどに応じて変化させてもよく、ユーザが設定できるようにしてもよい。具体的には、ブラッシング幅評価基準、及びクオリティ評価基準の少なくとも一方を変更することによって、磨き方評価の厳しさを変更することができる。具体的には、クオリティ評価基準の基準値A,B,Cを、小さくすることで磨き方評価が厳しく、すなわち低い評価になり易くなり、ブラッシング幅評価基準における歯の本数に対応する点数を小さくすることで磨き方評価が厳しく、すなわち低い評価になり易くなり、ブラッシング幅評価基準における評価結果(「BEST」、「GOOD」、「BAD」)を判定するための点数を大きくすることで磨き方評価が厳しく、すなわち低い評価になり易くなる。逆に、クオリティ評価基準の基準値A,B,Cを、大きくすることで磨き方評価が易しく、すなわち高い評価になり易くなり、ブラッシング幅評価基準における歯の本数に対応する点数を大きくすることで磨き方評価が易しく、すなわち高い評価になり易くなり、ブラッシング幅評価基準における評価結果(「BEST」、「GOOD」、「BAD」)を判定するための点数を小さくすることで磨き方評価が易しく、すなわち高い評価になり易くなる。
【0223】
例えばゲーム部36が、子供向け、大人向け等、対象年齢の異なる複数種類のゲームを実行可能とし、磨き方評価部352が、その対象年齢が低いほど、高い評価になり易く、対象年齢が高いほど低い評価になり易くなるようにブラッシング幅評価基準、及びクオリティ評価基準の少なくとも一方を変更してもよい。これにより、ユーザの年齢に応じた適切な評価が可能となる。
【0224】
また、ユーザの歯磨きを上達させるには、ユーザの上達に応じて評価を厳しくすることで、さらなる上達を促すようにしてもよい。具体的には、評価結果を記憶部に記憶しておき、磨き方評価部352は、前回の評価結果が高いほど、評価を厳しく、低い評価になり易くなるようにブラッシング幅評価基準、及びクオリティ評価基準の少なくとも一方を変更してもよい。
【0225】
また、上級のブラッシング方法としては、バス法と呼ばれる、ブラシの動きの幅が0.5mm〜1mm程度の小刻みで、歯と歯茎の境目に45度程度の角度でブラシを当てて歯磨きする方法が知られている。このようなさらに上級のブラッシング方法の習得を促すために、ブラッシング位置判定部351,361等による歯磨き位置の判定精度を向上させ、例えば歯磨き中の位置を歯1本単位で特定可能とし、ユーザの歯磨きが上述のような上級のブラッシング方法に近づくほど、評価が高くなるように、ブラッシング幅評価基準やクオリティ評価基準を設定してもよい。
【0226】
また、ユーザによる歯磨きの実行時間を累積的に計時してもよい。ユーザは、歯磨きの累積時間が長くなるほど歯磨きが上達したと考えられるから、制御部34が、その累積時間をタッチパネルディスプレイ32に表示することで、ブラッシングの上達度を可視化することが可能となる。
【0227】
また、歯ブラシ4は、使用されて劣化するほどブラシの清掃性が低下し、ユーザが同じように歯磨きしていても、実際の歯磨き効果は低下する。そこで、無線端末装置3は、歯ブラシ4が交換されたことを例えばユーザ操作により受け付けたり、歯ブラシ用アタッチメント2に歯ブラシ4の脱着を検出するスイッチやセンサを設けたりすることにより、歯ブラシ4が交換されたことを検知可能とし、歯ブラシ4の交換時からの累積使用時間を計時する計時部を備えてもよい。そして、磨き方評価部352は、その累積時間が長くなるほど、評価が低くなるように、評価結果を補正したり、ブラッシング幅評価基準やクオリティ評価基準を変更したりしてもよい。
【0228】
図23、
図24は、
図8、
図9に示す歯ブラシ用アタッチメント2の別の一例を示す説明図である。
図23における(a)は、歯ブラシ用アタッチメント2bに歯ブラシ4を取り付けた状態を示している。
図23における(b)は、筐体201bを上面から見た上面図である。
図24は、
図23に示す歯ブラシ4を下方に押し込んだ状態を示す説明図である。
【0229】
歯ブラシ用アタッチメント2bは、
図9に示す歯ブラシ用アタッチメント2とは、連結機構202bを構成するエラストマが、光を半透過する材料で構成されている点、筐体201bの構成、及び回路ブロック207bの構成が異なる。連結機構202bは、連結フレーム205b(保持部)と把持部208bとを備えている。把持部208bの内側は、筐体201bを受け入れる凹部とされている。連結フレーム205bは、ハンドル部41の後端側を受け入れ可能な筒状に形成されている。連結フレーム205bには、ハンドル部41の後端部側を受け入れるように、深さ方向がハンドル部41の軸方向に沿う挿入穴202cが形成されている。連結フレーム205bは、受け入れられたハンドル部41をエラストマの弾性力によって、弾性的に保持する。連結フレーム205bは、ハンドル部41の後端部を後述する電源スイッチSWへ向けて歯ブラシ4を保持する。挿入穴202cの底は、底部205cによって閉塞されている。
【0230】
挿入穴202cの底が、底部205cによって閉塞されていることによって、歯磨きをした際の水が、歯ブラシ4を伝って回路ブロック207bの収納された筐体201bにかかることが防止されている。
【0231】
その他の点では
図9に示す歯ブラシ用アタッチメント2と同様に構成されているため、その説明を省略し、歯ブラシ用アタッチメント2bの特徴的な構成について説明する。
【0232】
筐体201bは、筐体201と同様、例えば略円筒形とされ、その両端が底板201cと上蓋201dとで塞がれた構造とされている。すなわち底板201c(底面)と上蓋201d(上面)とが側面でつながれている。
【0233】
また、上蓋201dは、光を透過する樹脂材料などにより構成されており、上蓋201dの略中央に開口部Hが形成され、上蓋201dの周縁付近にレンズ201eが形成されている。上蓋201dの上面には、開口部Hを覆うように、弾性を有するエラストマシート201fが貼付されている。エラストマシート201fは、レンズ201eを避けるように配置されている。
【0234】
筐体201bの外壁に形成された開口部Hの下方には、本体から上方に突出した突起部を備えた押しボタン式の電源スイッチSWが配設されている。電源スイッチSWは、その突起部が押し込まれることによってオンするようにされている。電源スイッチSWの突起部は、開口部Hの上方へ突出し、開口部Hを覆うエラストマシート201fを上方へ押し上げる。これにより、エラストマシート201fは、開口部Hで上方へ盛り上がるようにされている。
【0235】
レンズ201eの下方には、LED204bが配設されている。LED204bが発光すると、その光がレンズ201eによって筐体201bの外部へ放射され、半透過材料で構成された連結機構202bを透過して、連結機構202bの外部からLED204bの発光が認識できるようにされている。
【0236】
図23、
図24では、回路ブロック207bにおける電源スイッチSWとLED204b以外の記載を省略している。
【0237】
連結フレーム205bは、把持部208bによって受け入れられた筐体201bの上面側で、底面に対してハンドル部41の軸方向が略垂直になるようにハンドル部41を保持する。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2bは、歯ブラシ4が取り付けられた状態で、底板201cを下にして、例えば机などの平坦な場所に自立可能にされている。このように自立した状態で、ユーザが歯ブラシ4を下方に押し込むと、
図24に示すように、歯ブラシ4の後端部で底部205cが押されて電源スイッチSWの突起部が押下され、電源スイッチSWがオンするようにされている。
【0238】
図25は、
図23に示す歯ブラシ用アタッチメント2bの電気的構成の一例を示すブロック図である。歯ブラシ用アタッチメント2bは、センサ部21、無線送信部22、電池12、電源スイッチSW(指示受付部)、及びLED(Light Emitting Diode)204bを備えている。電源制御部11は、例えばトランジスタ等の半導体スイッチ回路やタイマ回路等を用いて構成され、電源スイッチSWがオンすると、電池12から動作用電源電圧をセンサ部21と、無線送信部22と、LED204bとへ供給する。これにより、センサ部21と、無線送信部22は動作を開始し、すなわち回路ブロック207が動作を開始し、LED204bが発光する。
【0239】
電源スイッチSWは、押圧力を回路ブロック207の動作を開始させるための開始指示として受け付ける指示受付部の一例に相当している。また、電源制御部11は、例えばタイマ回路を備え、電源供給の開始から予め設定された電源オン時間が経過すると、センサ部21と無線送信部22とLED204bとへの電源供給を停止する。電源オン時間は、通常、歯磨きを終えることができる程度の時間、例えば10分程度の時間とされている。
【0240】
なお、電源制御部11は、例えばセンサ部21の出力信号を監視し、電源供給の開始後に予め設定された時間の間、センサ部21からの出力信号が停止した状態が継続した場合、あるいはセンサ部21によって重力加速度以外の加速度が検出されない状態が継続した場合、センサ部21と無線送信部22とLED204bとへの電源供給を停止するようにしてもよい。
【0241】
これにより、ユーザは、歯ブラシ用アタッチメント2bに取り付けられて自立した歯ブラシ4を、下向きに押し下げるという、簡単な操作で歯ブラシ用アタッチメント2bの動作を開始させることができる。また、電源オン時間が経過した後、予め設定された時間の間、センサ部21からの出力信号が停止した状態が継続した場合、あるいはセンサ部21によって重力加速度以外の加速度が検出されない状態が継続した場合にセンサ部21と無線送信部22とへの電源供給が停止されるので、消費電力を低減できる。