【実施例】
【0102】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。なお、「質量部」は「部」、「質量%」は「%」と記載する。
本明細書において下記実施例中、実施例32、46、52、58、64、66、67、71、72、および76は、参考例である。
【0103】
実施例で使用したポリオレフィン(数平均分子量30,000以上)を以下に示す。
(C−1)ポリエチレン(サンテックLD M2270、MFR=7g/10min、旭化成ケミカルズ社製)
(C−2)ポリエチレン(ノバテックUJ790、MFR=50g/10min、日本ポリエチレン社製)
(C−3)ポリプロピレン(ノバテックPP FA3EB、MFR=10.5g/10min、日本ポリプロ社製)
(C−4)ポリプロピレン(プライムポリプロJ226T、MFR=20g/10min、プライムポリマー社製)
【0104】
また実施例で使用したワックスを以下に示す。
(D−1)ポリエチレンワックス(サンワックス131−P 数平均分子量3500、融点105℃、三洋化成工業社製)
(D−2)ポリエチレンワックス(ハイワックス405MP 数平均分子量4500、融点120℃、三井化学社製)
(D−3)ポリプロピレンワックス(ハイワックスNP056 数平均分子量7200、融点130℃、三井化学社製)
【0105】
さらに、実施例で使用したポリオレフィン以外の熱可塑性樹脂を以下に示す。
(E−1)ポリカーボネート(ユーピロンS3000、MFR=15g/10min、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)
(E−2)ポリメタクリル樹脂(アクリペットMF、MFR=14g/10min、三菱レイヨン社製)
(E−3)ポリエステル(三井ペットSA135、三井化学社製)
(E−4)シクロオレフィン樹脂(TOPAS5013L−10、三井化学社製)
【0106】
[紫外線吸収性不飽和単量体の製造例]
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−1))
【0107】
【化15】
【0108】
上記の中間体1について、塩化シアヌルと3−ブトキシフェノールを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体1を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−1)を得た。
【0109】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−2))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−1)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−2)を得た。
【0110】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−3))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−1)の製造における中間体1を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、先の中間体1を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−3)を得た。
【0111】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−4))
【化16】
【0112】
上記の中間体2について、塩化シアヌルと2−メチルレソルシノールと1−ブロモヘキサンを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−4)を得た。
【0113】
紫外線吸収性不飽和単量体(A−4)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:BRUKER AVANCE400
共振周波数:400MHz(1H−NMR)
溶媒:テトラヒドロフラン−d
8
1H−NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、ddはdoubledoublet、tはtriplet、mはmultipletの略とする。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=13.39(s,2H,−OH),8.34(d,2H,J=9.0Hz,phenyl−H),8.11(d,1H,J=9.0Hz,phenyl−H),7.11(d,1H,J=9.0Hz,phenyl−H),6.67(d,2H,J=9.0Hz,phenyl−H),6.52(d,1H,J=3.2Hz,−CH=CHH),6.52(d,1H,J=8.8Hz,−CH=CHH),5.94(dd,1H,J=8.8Hz,J=3.2Hz,−CH=CHH),4.19(t,2H,J=6.4Hz,−O−CH
2−CH
2−),4.13(t,4H,J=6.4Hz,−O−CH
2−CH
2−),2.19(s,6H,phenyl−CH
3),2.16(s,3H,phenyl−CH
3),1.84−1.94(m,6H,−O−CH
2−CH
2−),1.54−1.62(m,6H,−O−CH
2−CH
2−CH
2−),1.38−1.47(m,12H,−O−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
3),0.95−1.00(m,9H,−O−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−CH
3)
【0114】
上記の通り、本明細書では、NMRによる紫外線吸収性不飽和単量体(A−4)の構造同定を例に説明した。他の紫外線吸収性不飽和単量体も紫外線吸収性不飽和単量体(A−4)と同様にNMRで構造同定を行ったがデータは省略する。
【0115】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−5))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−4)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−5)を得た。
【0116】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−6))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、中間体2を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−6)を得た。
【0117】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−7))
【0118】
【化17】
【0119】
上記の中間体3について、塩化シアヌルとレソルシノールと2−ブロモプロピオン酸と1−オクタノールを原料とし、WO2001/047900などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−7)を得た。
【0120】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−8))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−7)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−8)を得た。
【0121】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−9))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、中間体3を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−9)を得た。
【0122】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−10))
【0123】
【化18】
【0124】
上記の中間体4について、塩化シアヌルとレソルシノールと1−ブロモブタンを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、中間体4を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−10)を得た。
【0125】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−11))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−10)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−11)を得た。
【0126】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−12))
温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、中間体4を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−12)を得た。
【0127】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−13))
【0128】
【化19】
【0129】
上記の中間体5について、塩化シアヌルと2−メチルレソルシノールと1−ブロモブタンを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体2を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−13)を得た。
【0130】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−14))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−13)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−14)を得た。
【0131】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−15))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−13)の製造における中間体5を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、中間体2を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−15)を得た。
【0132】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−16))
【0133】
【化20】
【0134】
上記の中間体6について、塩化シアヌルとレソルシノールと2−ブロモプロピオン酸と1−オクタノールを原料とし、WO2001/047900などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体3を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−16)を得た。
【0135】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−17))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−16)の製造において、アクリロイルクロリドの代わりにメタクリロイルクロリドを滴下した以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収性不飽和単量体(A−17)を得た。
【0136】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−18))
紫外線吸収性不飽和単量体(A−16)の製造における中間体3を用いて、以下の反応を行った。温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、N−メチルピロリドンを100g、中間体6を28.6mmol、メチルヒドロキノンを0.01mmol仕込み、エアーをバブリングしながら120℃で撹拌した。その後、グリシジルメタクリレートを62.9mmol、N,N−ジメチルベンジルアミンを0.6mmol添加し、120℃で8時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、紫外線吸収性不飽和単量体が析出させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−18)を得た。
【0137】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−19))
【0138】
【化21】
【0139】
上記の中間体7について、塩化シアヌルと3−ペンタデシルフェノールを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体7を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−19)を得た。
【0140】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−20))
【0141】
【化22】
【0142】
上記の中間体8について、塩化シアヌルと3−フェニルフェノールを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体8を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−20)を得た。
【0143】
(紫外線吸収性不飽和単量体(A−21))
【0144】
【化23】
【0145】
上記の中間体9について、塩化シアヌルと3−シクロヘキシル−フェノールを原料とし、特開平11−71356や特表2018−504479などの実施例の合成法に準じて合成を行った。
続いて、温度計、攪拌機を具備した200mL4つ口フラスコに、テトラヒドロフランを100g、先の中間体9を28.6mmol仕込み、室温で撹拌した。その後、アクリロイルクロリドを62.9mmol、少しずつ滴下した。その後、トリエチルアミンを85.7mmol、少しずつ滴下し、室温で1時間撹拌した。一方、500mLビーカーに水を300g仕込み、先の反応液を少しずつ滴下し、加熱撹拌して紫外線吸収性不飽和単量体が析出するまでテトラヒドロフランを揮発させ、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。得られたウエットケーキを水300g中に戻して室温で30分リスラリーを行い、ろ過した。その後、水300gでふりかけ洗浄を行った。40℃で減圧乾燥を行い、紫外線吸収性不飽和単量体(A−21)を得た。
【0146】
[紫外線吸収性ポリマーの製造例]
(紫外線吸収性ポリマー(B−1))
温度計、攪拌機、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン75.0部を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。別途、紫外線吸収性不飽和単量体(A−1)を10部、ジシクロペンタニルメタクリレートを45部、スチレンを45部、2.2’−アゾビス(イソ酪酸メチル)を5.0部、およびメチルエチルケトン20.0部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上である事を確
認し、50℃へ冷却した。このようにして不揮発分が50質量%の紫外線吸収性ポリマー(B−1)を得た。
【0147】
(紫外線吸収性ポリマー(B−2)〜(B−32))
表1に示すように、紫外線吸収性ポリマー(B−1)と同様にして、(B−2)〜(B−32)を製造した。
なお、以下の不飽和単量体も用いた。
【0148】
アデカスタブLA−82(ADEKA製)
【化24】
【0149】
<紫外線吸収性ポリマー(B−33)>
温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン9.0部、を仕込み窒素気流下で4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸メチルを1.0部、一般式(A−1)で示す単量体を10.0部、を仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。そこに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.12部およびメチルエチルケトン5.0部を8時間かけて滴下し、Aブロックを合成した。その後、ジシクロペンタニルメタクリレートを45.0部、スチレンを45.0部、メチルエチルケトン77.5部を仕込み、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.12部およびメチルエチルケトン10.0部を8時間かけて滴下し、Bブロックを合成した。滴下終了後、24時間反応を継続した。その後、サンプリングを行い重合収率が99%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして不揮発分が50質量%の紫外線吸収性ポリマー(B−33)を得た。
【0150】
<紫外線吸収性ポリマー(B−34)>
温度計、攪拌機、滴下ロート、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン21.6部、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドを3.5部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を1.9部仕込み窒素気流下で70℃に昇温し、2時間反応させた。そこに一般式(A−1)で示す単量体を50.0部仕込み窒素気流下で75℃に昇温した。そこに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.31部およびメチルエチルケトン10.0部を8時間かけて滴下し、Aブロックを合成した。その後、ジシクロペンタニルメタクリレートを25.0部、スチレンを25.0部、メチルエチルケトン12.5部を仕込み、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.31部およびメチルエチルケトン10.0部を8時間かけて滴下し、Bブロックを合成した。滴下終了後、24時間反応を継続した。その後、サンプリングを行い重合収率が99%以上である事を確認し、50℃へ冷却した。このようにして不揮発分が50質量%の紫外線吸収性ポリマー(B−34)を得た。
【0151】
<紫外線吸収性ポリマー(B−35)>
表1に示すように、紫外線吸収性ポリマー(B−34)と同様にして、紫外線吸収性ポリマー(B−35)を作製した。なお、紫外線吸収性ポリマー(B−33)〜(B−35)は。ブロックポリマーである。
【0152】
【表1】
【0153】
(実施例1)
〔マスターバッチの製造〕
ワックス(D‐1)100質量部、および紫外線吸収性ポリマー(B−1)100質量部を混合し、3本ロールミルを使用して160℃で混練を行い紫外線吸収性ポリマー(B−1)の分散体を得た。次いで、ポリオレフィン(C−1)100質量部と共に得られた上記分散体10質量部をヘンシェルミキサーで混合した。次いで、スクリュー径30mmの単軸押出機にて180℃で溶融混練した後、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチを得た。
【0154】
[フィルム成形]
希釈樹脂としてポリオレフィン(C−1)100質量部に対して、得られたマスターバッチ10質量部を混合した。次いで、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度180℃で溶融混合し成形を行い厚さ250μmのフィルムを得た。
【0155】
(実施例2〜40、比較例1)
実施例1の材料を表2に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例2〜40、比較例1のフィルム及びボトルをそれぞれ製造した。なお、比較例では、実施例1の紫外線吸収性ポリマー(B−1)の代わりに、紫外線吸収性不飽和単量体(A−1)を合成する際に用いた中間体1を用いた。
【0156】
[フィルム成形]
希釈樹脂としてポリオレフィン(C−1)100質量部に対して、得られたマスターバッチ10質量部を混合した。次いで、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度180℃で溶融混合し成形を行い厚さ250μmのフィルムを得た。
【0157】
【表2】
【0158】
(実施例41)
(マスターバッチの製造)
紫外線吸収性ポリマー(B−1)を真空乾燥機で50℃12時間乾燥し、紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品を得た。
ポリオレフィン(C−1)100部と紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品20部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして成形用樹脂組成物(マスターバッチ)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリオレフィン(C−1)100部に対して、得られた成形用樹脂組成物10部を混合し、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度230℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルムを成形した。
【0159】
(実施例42)
(マスターバッチの製造)
ポリカーボネート(E−1)100部と紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品20部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして成形用樹脂組成物(マスターバッチ)を作製した。
【0160】
[フィルム成形]
希釈樹脂のポリカーボネート(E−1)100部に対して、得られた成形用樹脂組成物10部を混合し、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルムを成形した。
【0161】
(実施例43〜47、比較例2)
実施例42の材料を表3に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例42と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例43〜47、比較例2のフィルム及びボトルをそれぞれ製造した。
なお、表3に示す紫外線吸収性ポリマー(B−2)〜(B−4)、(B−27)、(B−33)の乾燥品は、紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品と同様に、真空乾燥機で50℃12時間乾燥して得た。
【0162】
(実施例48)
(マスターバッチの製造)
ポリメタクリル樹脂(E−2)100部と紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品20部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして成形用樹脂組成物(マスターバッチ)を作製した。
【0163】
[フィルム成形]
希釈樹脂のメタクリル樹脂(E−2)100部に対して、得られた成形用樹脂組成物10部を混合し、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT−ダイフィルムを成形した。
【0164】
(実施例49〜53、比較例3)
実施例48の材料を表3に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例46と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例49〜53、比較例3のフィルム及びボトルをそれぞれ製造した。
【0165】
(実施例54)
(マスターバッチの製造)
ポリエステル(E−3)100部と紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品20部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、280℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして成形用樹脂組成物(マスターバッチ)を作製した。
【0166】
(フィルム成形)
希釈樹脂のポリカーボネート(E−3)100部に対して、得られた成形用樹脂組成物10部を混合し、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルムを成形した。
【0167】
(実施例55〜59、比較例4)
実施例54の材料を表3に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例52と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例55〜59、比較例4のフィルム及びボトルをそれぞれ製造した。
【0168】
(実施例60)
(マスターバッチの製造)
シクロオレフィン樹脂(E−4)100部と紫外線吸収性ポリマー(B−1)乾燥品20部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングして成形用樹脂組成物(マスターバッチ)を作製した。
【0169】
(フィルム成形)
希釈樹脂のシクロオレフィン樹脂(E−4)100部に対して、得られた成形用樹脂組成物10部を混合し、T−ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT−ダイフィルムを成形した。
【0170】
(実施例61〜65、比較例5)
実施例60の材料を表3に示す材料および配合量に変更した以外は、実施例60と同様にして、マスターバッチを製造し、次いで実施例61〜65、比較例5のフィルム及びボトルをそれぞれ製造した。
【0171】
[紫外線吸収性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。透過率は白色標準板に対しての分光透過率を測定した。
以下の条件を満たすか否かを評価した。なお、以下、3つの光学特性を満たすと紫外線および短波長側の可視光を大きく遮断しつつ、前記波長の長波長側の可視光を透過できる。
〇:波長280〜380nmの光透過率が全領域にわたって2%以下:良好
△:波長280〜380nmの光透過率が一部2%以上:実用域
×:波長280〜380nmの光透過率が全領域にわたって2%以上:実用不可
【0172】
[透明性]
得られたフィルムの透過性を目視評価した。なお評価基準は以下のりである。
◎:濁りが全く認められない。非常に良好
〇:濁りがほとんど認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
【0173】
[経時品質]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300〜400nmが60W/m
2の照度で1500時間暴露した。
〇:黄変が全く認められない。良好
△:黄変がわずかに認められる。実用域
×:明らかに黄変が認められる。実用不可
【0174】
[マイグレーション評価]
得られたフィルムを2枚の軟質塩化ビニルシートで挟み、熱プレス機を使用して圧力100g/cm
2・温度170℃30秒間の条件で加熱圧着した。次いで、直ちにフィルムを外して軟質塩化ビニルシートへのマイグレーションを紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて評価した。評価は、上記の処理を行った軟質塩化ビニルシート上の場所5点を選び、紫外領域の吸光度を測定し、その平均を算出することで行った。
○:280〜380nmにおける吸光度が検出されない(0.05未満)。良好
△:280〜380nmにおける吸光度が0.05以上0.2未満。実用域
×:280〜380nmにおける吸光度が0.2以上。実用不可
【0175】
【表3】
【0176】
(粘着性樹脂の製造例F−1)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn−ブチルアクリレート96.0部と、2−ヒドロキシルエチルアクリレート4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’−アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例F−1を得た。得られた製造例E−1の粘着剤樹脂の重量平均分子量は50万、不揮発分は40%、粘度は3,200mPa・sであった。
【0177】
(粘着性樹脂の製造例F−2)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn−ブチルアクリレート96.0部と、アクリル酸4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’−アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例E−2を得た。得られた製造例F−2の粘着剤樹脂の重量平均分子量は60万、不揮発分は40%、粘度は4,000mPa・sであった。
【0178】
(実施例66)
粘着性樹脂として、製造例F−1の粘着性樹脂の不揮発分100部に対して、紫外線吸収性ポリマー(B−27)2部を混合し、シランカップリング剤としてKBM−403(信越化学工業製)を0.1部、硬化剤(D)としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(略号:TDI−TMP、NCO価=13.2、不揮発分=75%)を0.4部加え、よく攪拌し粘着剤を得た。その後、この粘着剤を厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート基材の剥離フィルム上に、乾燥後の厚みが50μmになるように塗布し、100℃の熱風オーブンで2分間乾燥させた。そして、粘着剤層側に25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、この状態で室温にて7日間エージングさせ、粘着シートを得た。
【0179】
(実施例67〜70、比較例6)
表4に示すように、実施例66と同様に調整して、それぞれ実施例67〜70、比較例6の粘着シートを得た。
【0180】
(粘着シートの評価)
(1)粘着力
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。23℃、相対湿度50%雰囲気下、前記粘着シートから剥離性フィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り付け、2kgロールで1往復圧着した。24時間放置した後に引張試験機を用いて180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験において粘着力を測定し、下記の評価基準に基づいて評価を行った。(JIS Z0237:2000に準拠)
◎:「粘着力が15N以上であり、非常に良好。」
○:「粘着力が10N以上15N未満であり、良好。」
×:「粘着力が10N未満であり、実用不可。」
【0181】
(2)保持力
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。JIS Z0237:2000に準拠して前記粘着シートから剥離性シートを剥がして、研磨した幅30mm・縦150mmのステンレス板の下端部幅25mm・横25mmの部分に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒放置することで保持力を測定した。評価は、粘着シート貼付面上端部が下にずれた長さを測定した。
評価基準
○:「ずれた長さが0.5mm未満である。良好。」
×:「ずれた長さが0.5mm以上である。実用不可。」
(3)透明性
得られた粘着シートから剥離性シートを剥がして、粘着剤層の透明性を目視にて評価した。粘着剤層の外観に関しては、下記の3段階の評価 基準に基づいて評価を行った。
○:「粘着剤層は透明で良好」
△:「粘着剤層はわずかに白化しているが、実用域」
×:「粘着剤層が白化しており、実用不可である」
【0182】
(4)マイグレーション性評価
得られた粘着シートを幅100mm・縦100mmの大きさに準備した。23℃、相対湿度50%雰囲気下、前記粘着シートから剥離性フィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り付け、2kgロールで1往復圧着した。ついで、同環境下で48時間放置し、ついで粘着シートを剥がして、ガラスへの紫外線吸収材料のマイグレーション性に関して、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて評価した。評価は、上記の処理を行ったガラス上の場所5点を選び、紫外領域の吸光度を測定し、その平均を算出することで行った。
○:280〜380nmにおける吸光度が検出されない(0.05以下)。良好
△:280〜380nmにおける吸光度が0.05より上0.2以下。実用域
×:280〜380nmにおける吸光度が0.2より上。実用不可
【0183】
【表4】
【0184】
<塗料>
(実施例71)
以下の組成で、撹拌混合を行い塗料を調整した。
紫外線吸収性ポリマー(B−27) 1.0部
ポリエステル(バイロンGK250、東洋紡社製) 9.0部
メチルエチルケトン 90.0部
【0185】
(実施例72〜75、比較例7〜8)
表5に示すように、実施例71と同様に調整し、それぞれ実施例72〜75、比較例7〜8の塗料を得た。
【0186】
(塗工物の作製)
得られた塗料を厚さ1000μmのガラス基板にバーコーターを用いて乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布し、100℃2分で乾燥させて塗膜を形成した。
(塗工物の評価)
得られた塗工物を、以下の方法で評価した。
【0187】
[光学特性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。透過率は白色標準板に対しての分光透過率を測定した。
以下の条件を満たすか否かを評価した。
〇:波長280〜380nmの光透過率が全領域にわたって2%以下:良好
△:波長280〜380nmの光透過率が一部2%を超え10%以下:実用域
×:波長280〜380nmの光透過率が一部10%以上もしくは全領域にわたって2%より上:実用不可
【0188】
[透明性評価]
得られた基板の透明性を目視評価した。
○:まったく濁りが認められない。良好
×:濁りが認められる。実用不可
【0189】
[マイグレーション評価]
得られた塗工物の塗膜面に軟質塩化ビニルシートを載せ、熱プレス機を使用して圧力100g/cm
2・温度170℃30秒間の条件で加熱圧着した。次いで、直ちにフィルムを外して軟質塩化ビニルシートへのマイグレーションを紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて評価した。評価は、上記の処理を行った軟質塩化ビニルシート上の場所5点を選び、紫外領域の吸光度を測定し、その平均を算出することで行った。
○:280〜380nmにおける吸光度が検出されない(0.05以下)。良好
△:280〜380nmにおける吸光度が0.05より上0.2以下。実用域
×:280〜380nmにおける吸光度が0.2を超える。実用不可
【0190】
【表5】
【0191】
<光硬化性組成物>
(実施例76)
以下の組成で、各原料を撹拌混合し、光硬化性組成物を調整した。
紫外線吸収性ポリマー(B−27) 10.0部
光重合性化合物(多官能アクリレート「KAYARAD DPHA」日本化薬社製)
9.0部
光重合開始剤(IGM ResinBV製「Omnirad184」)1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
【0192】
(実施例77〜79、比較例9)
表6に示すように、実施例76と同様に調整し、それぞれ実施例77〜79、比較例9の光硬化性組成物を得た。
【0193】
(塗工物の作製)
上記の光硬化性組成物をバーコーターを用いて厚さ1mmのガラス基板に乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布した。得られた塗布層を、100℃1分で乾燥したのち、高圧水銀ランプで400mJ/cm
2の紫外線を照射して硬化し塗工物を作製した。
【0194】
(塗工物の評価)
得られた塗工物を、以下の方法で評価した。
【0195】
[光学特性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定した。透過率は白色標準板に対しての分光透過率を測定した。
以下の条件を満たすか否かを評価した。
〇:波長280〜380nmの光透過率が全領域にわたって2%以下:良好
△:波長280〜380nmの光透過率が2%を超え10%以下:実用域
×:波長280〜380nmの光透過率が一部10%以上もしくは全領域にわたって2%より上:実用不可
【0196】
[耐擦傷性]
塗工物を学振試験機にセットし、スチールウールを用いて、荷重250gで10回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の5段階の目視評価に従って判断した。数値が大きいほど、硬化膜の耐擦傷性が良好であることを示す。
5:キズが全くない。
4:僅かにキズが付いている。
3:キズは付いているが、基材は見えていない。
2:キズが付き、一部硬化膜が剥がれている。
1:硬化膜が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態。
【0197】
[鉛筆硬度]
JIS−K5600に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製Scratching Tester HEIDON−14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、塗工物の硬化膜に対して荷重500gにて5回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷が付く時の芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。評価基準は以下の通りである。
A:2H以上。
B:H。
C:Hより低い。
【0198】
[透明性]
得られた塗工物の透明性を、目視評価した。
○:まったく濁りが認められない。良好
△:わずかに濁りが認められる。実用域
×:濁りが多く認められる。実用不可
【0199】
[マイグレーション評価]
得られた塗工物を2枚の軟質塩化ビニルシートで挟み、熱プレス機を使用して圧力100g/cm
2・温度170℃30秒間の条件で加熱圧着した。次いで、直ちにフィルムを外して軟質塩化ビニルシートへのマイグレーションを紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて評価した。評価は、上記の処理を行った軟質塩化ビニルシート上の場所5点を選び、紫外領域の吸光度を測定し、その平均を算出することで行った。
○:280〜380nmにおける吸光度が検出されない(0.05以下)。良好
△:280〜380nmにおける吸光度が0.05より0.2以下。実用域
×:280〜380nmにおける吸光度が0.2より上。実用不可
【0200】
【表6】