【実施例】
【0062】
以下、実施例により本発明の効果を詳細に説明する。実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り、それぞれ「質量部」および「質量%」を示す。
【0063】
実施例および比較例に用いた材料は以下のとおりである。
(1)パルプ
LBKP:アカシアパルプ、ユーカリパルプ
NBKP:ダグラスファー、ラジアータパイン、スギ
(2)熱可塑性樹脂
PE:日本ポリエチレン社製LDPE、品番LC522
【0064】
以下に、紙基材およびラミネート紙について実施した測定方法を示す。なお特別な記載が無い限り、測定はJIS P8111:1998に記載の温度23℃±1℃、湿度50±2%の環境で行った。
【0065】
(1)繊維形態は、JIS P8226:2006に従い、投影長さ加重平均繊維長と粗度を測定した。測定には繊維長測定装置 (メッツォオートメーション社製、カヤーニファイバーラボVer4.0)を用いた。
(2)坪量:JIS P8124:2011に準じて測定した。
(3)厚さ:JIS P8118:2014に従い、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm
2)に加えた際の厚さを測定した。
(4)密度:JIS P8118:2014に従い測定した。なお厚さは、100kPa±10kPaの圧力を試験片の円形領域(200mm
2)に加えた際の厚さを測定した。
(5)水分:JIS P8127:2010に従い測定した。
【0066】
直鎖脂肪酸および直鎖アルコールの含有量の測定は以下のように行った。
紙基材30mm×30mmを切り出し、精量した。切り出した試験片を厚さ方向に層剥離した後、その全量を10mm×10mmの小断片に分割した。分割した試験片の全てをガラス容器に入れ、濃塩酸(12規定)0.1ml、及びクロロホルム2ml加え、30分間超音波処理を行った。このとき得られた抽出液をメンブレンフィルタ(ポア径0.2μm)で濾過した。上記濾液を用いて高速液体クロマトグラフィーにより分析を行った。溶離液としてメタノール:トリフルオロ酢酸を0.1%含んだアセトン=50:50を用い、流量1ml/分とした。使用カラムはウォーターズ社製X Bridge C18, 250mm×4.6mm I.Dで、温度は30℃とし、濾液を2μl注入した。検出器は荷電化粒子検出器を用いて、直鎖アルコール及び直鎖脂肪酸を検出し、それぞれについて下記の計算式により試料中濃度を求め、合計を算出した。各成分のピーク面積値は、ベーズラインと各ピークで囲まれた部分であるが、部分的に重複するピークについてはJIS K 0124の垂線法によりピーク分離し求めた。
計算式:試料中濃度(ppm)={標品濃度÷標品ピーク面積値}×試料ピーク面積値×2(ml)÷{(試料質量(mg)÷1000)}
【0067】
[実施例1]
(紙基材)
パルプ原料としてLBKP100部(アカシア材80%、ユーカリ材20%)を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を1.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量274g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
【0068】
(熱可塑性樹脂層)
得られた紙基材の外内両面に対し、熱可塑性樹脂としてLDPE(LC522)をラミネートした。熱可塑性樹脂層のラミネートは押し出しラミネート法により、ラミネート温度を330℃、ラミネート速度を200m/分の条件で行った。熱可塑性樹脂層の厚さ、質量は表1に記載の通りとし、ラミネート紙を得た。
【0069】
(紙容器)
得られたラミネート紙の表面にオフセット印刷を施したのち、必要箇所に罫線を設け、所定の形状に打ち抜き、ブランク材を得た。次に、フレームシールによりブランク材の一部の樹脂材料を溶融し、胴部を貼り合わせて、筒状のスリーブを得た。続いて、この筒状スリーブを液体充填機に供給し、充填機上でボトム部を形成した後、トップ部をシールし、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0070】
[実施例2]
パルプ原料としてLBKP100部(アカシア材70%、ユーカリ材30%)を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を1.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量476g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0071】
[実施例3]
パルプ原料としてLBKP80部(アカシア材60%、ユーカリ材40%)、NBKP20部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を3.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量152g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0072】
[実施例4]
パルプ原料としてLBKP80部(アカシア材40%、ユーカリ材60%)、NBKP20部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を4.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を3.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量370g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0073】
[実施例5]
パルプ原料としてLBKP50部(アカシア材50%、ユーカリ材50%)、NBKP50部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を4.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を3.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量226g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0074】
[実施例6]
パルプ原料としてLBKP50部(アカシア材50%、ユーカリ材50%)、NBKP50部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を4.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を4.0g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量374g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0075】
[実施例7]
パルプ原料としてLBKP10部(アカシア材30%、ユーカリ材70%)、NBKP90部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量424g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0076】
[実施例8]
パルプ原料としてLBKP10部(アカシア材20%、ユーカリ材80%)、NBKP90部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量453g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0077】
[比較例1]
パルプ原料としてLBKP80部(アカシア材100%)、NBKP20部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて4層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量278g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0078】
[比較例2]
パルプ原料としてLBKP80部(アカシア材90%、ユーカリ材10%)、NBKP20部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量466g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0079】
[比較例3]
パルプ原料としてLBKP50部(アカシア材85%、ユーカリ材15%)、NBKP50部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて3層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量119g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0080】
[比較例4]
パルプ原料としてLBKP50部(アカシア材15%、ユーカリ材85%)、NBKP50部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、それぞれダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量377g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0081】
[比較例5]
パルプ原料としてNBKP100部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量421g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0082】
[比較例6]
パルプ原料としてNBKP100部(ダグラスファー50%、ラジアータパイン30%、スギ20%)を、ダブルディスクレファイナーを使用して叩解し、パルプスラリーを得た。得られたパルプスラリー100部に対して、内添紙力増強剤としてカチオン化澱粉0.60部(固形分換算)、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー系サイズ剤0.30部(固形分換算)、硫酸バンドを0.20部(固形分換算)、湿潤紙力剤として、ポリアミド・アミンエピクロロヒドリン系湿潤紙力剤を0.10質量部(固形分換算)を添加し紙料を調製した。この紙料を用いて5層抄きの長網抄紙機を用いて抄紙した。抄紙工程中、層間スプレーにて、各層間にバレイショ澱粉を3.0質量部(固形分換算)吹き付けるとともに、5層抄き合わせ後に、紙基材の表面にサイズプレスで酸化澱粉を2.3g/m
2(固形分換算)塗布し、坪量514g/m
2の紙基材を得た。得られた紙基材には、表1に記載の直鎖脂肪酸および直鎖アルコールが含まれていた。
得られた紙基材に、厚さ、質量を表1に記載の条件となるよう熱可塑性樹脂層をラミネートした以外は実施例1と同様にして、ゲーブルトップ型紙容器を得た。
【0083】
以上のようにして得られたラミネート紙について以下の性能評価を行った。性能評価は、ラミネート紙の平滑性、ラミネート紙の剥離性、抄紙汚れの発生程度については、◎、○または△のとき合格と判定した。ラミネート紙の接着性については、◎または○のとき合格と判定した。評価結果は表1に記載のとおりであった。
【0084】
(ラミネート紙の平滑性)
実施例および比較例で得られたゲーブルトップ型紙容器のラミネート紙について、JIS P8155:2010に従い、王研式平滑度を測定した。王研式平滑度が250秒以上であれば◎、200秒以上であれば○、100秒以上であれば△、100秒未満であれば×とした。
【0085】
(ラミネート紙の接着性)
実施例および比較例で得られたゲーブルトップ型紙容器のラミネート紙について、熱可塑性樹脂層のラミネート後、23℃50%の調湿条件で1ヶ月保管した後に、、JIS K6854−3:1999に従い、熱可塑性樹脂層と紙基材間の接着強度を測定した。試験片幅25mm、接着部の長さを150mmとし、接着部の両端25mmを除く100mmの領域における剥離の程度を目視にて◎、○、△、×で評価した。剥離がみられず、十分に接着していれば◎、極一部の箇所でのみ剥離がみられれば○、極一部の箇所で剥離がみられ、かつその剥離範囲が広い場合は△、剥離が複数個所でみられた場合は×と評価した。
【0086】
(ラミネート紙の剥離性)
実施例および比較例で得られたゲーブルトップ型紙容器のラミネート紙について、熱可塑性樹脂層のラミネート後、23℃50%の調湿条件で12ヶ月保管した後に、5cm角の紙片に裁断し、JISP8220−1:2012に記載の標準離解機を用いて、23℃の水で1分間離解を行った。1分経過後の離解紙片を回収し、その8割以上の紙片において、端部から2.0cm以上の領域に掛けて熱可塑性樹脂層と紙基材の剥離がみられれば◎、1.5cm以上2.0cm以下の剥離が見られれば○、1.0cm以上1.5cm以下の剥離がみられれば△、剥離が1.0cm以下であれば×と評価した。
【0087】
(抄紙汚れの発生程度)
実施例および比較例で得た紙基材を抄造した際の抄紙汚れの発生頻度を◎、○、△、×で評価した。得られた紙基材100gに相当する面積における、0.05mm
2以上のチリ個数を測定し、チリの数が0であれば◎、1〜2個であれば○、3〜5個であれば△、5個以上であれば×とした。
【0088】
【表1】
【0089】
表1の結果から分かるように、実施例1〜実施例8のラミネート紙は、原紙の平滑性、ラミネート紙の接着性、ラミネート紙の剥離性、抄紙汚れの発生程度において、いずれも優れていた。比較例1〜6のラミネート紙は、原紙の平滑性、ラミネート紙の接着性、ラミネート紙の剥離性、抄紙汚れの発生程度のいずれかの性能において劣っていた。