(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
目標を観測する複数のセンサがそれぞれ観測している目標のローカル座標系またはグローバル座標系の目標状態値である航跡データと、前記複数のセンサのグローバル座標系のセンサ状態値とに基づいて、時刻同期と同一目標判定を行って、同一目標と判定された一方のセンサの時刻同期した航跡データに対応するローカル座標系の目標位置とグローバル座標系のセンサ位置と、他方のセンサの時刻同期した航跡データに対応するローカル座標系の目標位置とグローバル座標系のセンサ位置とからなるデータセットを作成して、同一目標データセットとして出力し、
前記同一目標データセットを集めて複数同一目標データセットを生成し、前記複数同一目標データセットに基づいて最小二乗法により前記複数のセンサそれぞれのバイアスを推定するセンサバイアス推定方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置が適用されるマルチセンサシステムの構成を示すブロック図である。このマルチセンサシステムは、それぞれ目標を観測するM個のセンサ1
1〜1
Mと、それぞれセンサ1
1〜1
Mに対応して設けられ、観測データから目標の追跡処理を行って航跡データを求める追跡装置2
1〜2
Mと、追跡装置2
1〜2
Mによって得られた目標の航跡データから各センサ1
1〜1
Mのバイアスを推定するセンサバイアス推定装置3とを備える。
【0012】
上記センサバイアス推定装置3は、同一目標データ生成部31と、バイアス推定部32とを備える。
【0013】
上記同一目標データ生成部31は、追跡装置2
1〜2
Mから必ずしも同一目標ではないあるいは時刻同期していない航跡データを入力し、航跡データの同一目標判定と時刻同期を行って、同一目標のデータセットを生成する。
【0014】
上記バイアス推定部32は、同一目標データ生成部31で生成された複数の同一目標のデータセットに基づいて、最小二乗法により各センサ1
1〜1
Mのバイアスを推定する。
【0015】
図2は、第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に沿って、上記センサバイアス推定装置3の処理の流れを説明する。
【0016】
なお、ここでは、マルチセンサシステムが2個のセンサ1
i(i=1,2)を備え、1個の移動目標T
j(j=1)を観測している状況を想定して説明する。
【0017】
まず、同一目標データ生成部31は、
図2に示すステップS101〜S104の処理を実行する。
【0018】
すなわち、センサ1
iが観測している目標T
jに対する時刻t
k−1のローカル座標系の目標状態ベクトルy
ij(k−1)である航跡データと共に、センサ1
iの時刻t
k−1のグローバル座標系のセンサ状態ベクトルz
i(k−1)を入力する(ステップS101)。
【0019】
次に、入力された航跡データについて、航跡データ間の時刻同期を行う(ステップS102)。具体的には、センサ1
1とセンサ1
2が目標T
1を同時に観測しているか判定する。判定の結果、目標T
1を同時に観測していない場合には、ローカル座標系またはグローバル座標系の目標状態ベクトルの時刻が異なるため、同期時刻t
kを決定すると共に、航跡データ間の時刻同期処理として、センサ1
1,1
2それぞれの目標T
1の同期時刻t
kにおけるグローバル座標系の目標状態ベクトルを算出する。
【0020】
このとき、同期時刻をt
kとすると、以下の(1)式により、センサ1
iの目標T
jに対する同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)(便宜上、数式のxの上に示される〜をx〜で表す)を算出する。
【数1】
【0021】
ここで、f
1(・)は、ローカル座標系の目標状態ベクトルy
ij(k−1)、グローバル座標系のセンサ状態ベクトルz
i(k−1)、時刻差Δtから、グローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)を算出する関数を表す。
【0022】
次に、同期時刻t
kにおけるグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に基づいて、目標状態ベクトルが同一目標からのものであるか否かを判定する(ステップS103)。例えば相関ゲートにより同一目標の判定を行う場合、(2)式に示す統計的距離が閾値以下であれば、同一目標データ生成部31は、2つの目標状態ベクトルが同一目標からのものであると判定する。
【0023】
このとき、センサ1
1の目標T
j(便宜上、センサ1
1の目標T
jをj
1で表す)とセンサ1
2の目標T
j(便宜上、センサ1
2の目標T
jをj
2で表す)の統計的距離をd(j
1,j
2)とすると、統計的距離d(j
1,j
2)は、以下の(2)式により算出する。
【数2】
【0024】
ここで、a
Tはベクトルaの転置、S
−1は共分散行列Sの逆行列を表す。
【0025】
次に、同一目標の判定の結果、センサ1
1の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
11(k)とセンサ1
2の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
21(k)が、同一目標からのものであると判定されたとする。このとき、同一目標のデータセットとして、センサ1
1の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
11(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
11〜(k)とセンサ位置ベクトルz
1〜(k)、センサ1
2の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
21(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
21〜(k)とセンサ位置ベクトルz
2〜(k)に基づいて、同一目標のデータセットp
1k={y
11〜(k),y
21〜(k),z
1〜(k),z
2〜(k)}を生成する(ステップS104)。
【0026】
なお、センサ1
iの目標T
jの同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
ij〜(k)は、以下の(3)式により算出する。
【数3】
【0027】
ここで、f
2(・)は、ローカル座標系の目標状態ベクトルy
ij(k−1)と時刻差Δtから、ローカル座標系の目標位置ベクトルy
ij〜(k)を算出する関数を表す。
【0028】
同様に、センサ1
iの目標T
jの同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に対応するグローバル座標系のセンサ位置ベクトルz
i〜(k)は、以下の(4)式により算出する。
【数4】
【0029】
ここで、f
3(・)は、グローバル座標系のセンサ状態ベクトルz
i(k−1)と時刻差Δtから、グローバル座標系のセンサ位置ベクトルz
i〜(k)を算出する関数を表す。
【0030】
なお、上記の同一目標データ生成部31では、時刻同期したセンサ航跡データ(センサ1
iの目標T
jの同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k))との間で同一目標判定を行う例を示したが、センサ航跡データからシステム航跡データを生成し、センサ航跡データと時刻同期したシステム航跡データとの間で同一目標判定を実施し、その後、システム航跡データと同一目標と判定された異なるセンサからのセンサ航跡データを時刻同期するように構成するようにしてもよい。
【0031】
すなわち、システム航跡データと相関しないセンサ航跡データがあれば、システム航跡データを生成し、システム航跡データと相関するセンサ航跡データがあれば、このセンサ航跡データを用いて、システム航跡データを更新する。通常の追跡処理における観測データと航跡データの関係が、ここではセンサ航跡データとシステム航跡データの関係となる。
【0032】
次に、バイアス推定部32は、
図2に示すステップS105〜S106の処理を実行する。
【0033】
まず、バッチ処理の開始が指示されない場合(ステップS105のNO)、同一目標データ生成部31で生成された同一目標のデータセットを蓄積して、複数の同一目標のデータセットを生成する。このとき、複数の同一目標のデータセットをPとすると、複数の同一目標のデータセットPは、{p
1(k−1),p
1k}で表される。すなわち、移動目標に対する複数の同一目標のデータセットPは、少なくとも2つの異なる同期時刻(上記の例では、同期時刻t
(k−1)と同期時刻t
k)の時刻差によって異なる目標位置となった同一目標のデータセットから構成される。勿論、複数の同一目標のデータセットPは、3以上の同一目標のデータセットから構成できる。
【0034】
次に、バッチ処理の開始について、ユーザ操作による指示入力または他装置からの指示入力があった場合(ステップS105のYES)、生成した複数の同一目標のデータセットを用いて、最小二乗法により、各センサのバイアスを推定する(ステップS106)。
【0035】
このとき、以下の式(5)により、バイアスベクトルbを推定する。
【数5】
【0036】
ここで、f
4(P,b)は、センサ間の目標位置の残差を表す関数である。すなわち、バイアス推定部32は、センサ間の目標位置の残差を表す関数f
4(P,b)の二乗和が最小となるバイアスベクトルbを推定する。
【0037】
上記の第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3をマルチセンサシステムに適用すれば、複数の固定目標の略同期観測や、複数の略固定目標の同期観測の代わりに、単一の移動目標を非同期観測するような場合でも、センサそれぞれのバイアスを推定することができる。特に、固定目標や略固定目標の代わりに、移動目標を用いることができるため、クラッタ等の影響により、MTI(Moving Target Indicator)処理を行わなければならない環境でも、センサそれぞれのバイアスを推定することができるという効果がある。また、複数の固定目標や複数の略固定目標の代わりに、単一の移動目標を用いることができるため、データ取得を行うための目標条件を緩和できるという効果がある。
【0038】
また、非同期の観測データから得られた航跡データを用いることができるため、観測の同期機能を持たないマルチセンサシステムに適用できるほか、データ取得とバイアス推定を別々の時刻で行うオフライン処理にも対応しているため、リアルタイム通信機能(準リアルタイム通信機能を含む)を有さないマルチセンサシステムにも適用でき、マルチセンサシステムに必要な条件を緩和できるという効果がある。
【0039】
ここで、リアルタイム通信機能(準リアルタイム通信機能を含む)を有するマルチセンサシステムに第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3を適用する場合において、第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3の処理の流れの変形例を、
図3に示すフローチャートを参照して説明する。この場合、データ取得がある程度進んだ時点で、同一目標データセットの生成処理(S104)の後、ミニバッチ/バッチ処理の開始を指示(ステップS107のYES)して、ミニバッチ処理によるバイアス推定(ステップS106)を行うことにより、データ取得中であってもバイアス推定の状況を確認することができる。
【0040】
また、上記構成によるセンサバイアス推定装置3の処理動作について、2個のセンサ1
i(i=1,2)から構成されるマルチセンサシステムに適用された場合に、2個の略固定目標T
j(j=1,2)を観測している状況を想定して説明する。
【0041】
同一目標データ生成部31において、まず、センサ1
iが観測している目標T
jに対する時刻t
k−1のローカル座標系の目標状態ベクトルy
ij(k−1)、センサ1
iの時刻t
k−1のグローバル座標系のセンサ状態ベクトルz
i(k−1)を入力する。次に、センサ1
1とセンサ1
2の目標状態ベクトルの時刻が異なる場合、同期時刻t
k(後述のように、同期時刻t
kは、目標毎に異なっていてもよい)を決定すると共に、センサ1
1,1
2の目標T
1,T
2の同期時刻t
kにおけるグローバル座標系の目標状態ベクトルを算出する。このとき、同期時刻をt
kとすると、前述の(1)式により、センサ1
iの目標T
jに対する同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)を算出する。
【0042】
次に、同期時刻t
kにおけるグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に基づいて、目標状態ベクトルが同一目標からのものであるか否かを判定する。相関ゲートにより同一目標の判定を行う場合、統計的距離が閾値以下であれば、2つの目標状態ベクトルが同一目標からのものであると判定する。このとき、センサ1
1の目標T
jとセンサ1
2の目標T
jの統計的距離をd(j
1,j
2)として、この統計的距離d(j
1,j
2)を前述の(2)式により算出する。
【0043】
同一目標の判定の結果、センサ1
1の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
11(k)とセンサ1
2の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
21(k)が、同一目標からのものであると判定されたとすると、同一目標のデータセットとして、センサ1
1の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
11(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
11〜(k)とセンサ位置ベクトルz
1〜(k)、センサ1
2の目標T
1の同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
21(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
21〜(k)とセンサ位置ベクトルz
2〜(k)に基づいて、同一目標のデータセットp
1k={y
11〜(k),y
21〜(k),z
1〜(k),z
2〜(k)}を生成する。
【0044】
同様に、同一目標の判定の結果、センサ1
1の目標T
2の同期時刻t
k+1のグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
12(k+1)とセンサ1
2の目標T
2の同期時刻t
k+1のグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
22(k+1)が、同一目標からのものであると判定されたとすると、同一目標のデータセットとして、センサ1
1の目標T
2の同期時刻t
k+1のグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
12(k+1)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
12〜(k+1)とセンサ位置ベクトルz
1〜(k+1)、センサ1
2の目標T
2の同期時刻t
k+1のグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
22(k+1)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
22〜(k+1)とセンサ位置ベクトルz
2〜(k+1)に基づいて、同一目標のデータセットp
2(k+1)={y
12〜(k+1),y
22〜(k+1),z
1〜(k+1),z
2〜(k+1)}を生成する。
【0045】
なお、センサ1
iの目標T
jの同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に対応するローカル座標系の目標位置ベクトルy
ij〜(k)は、前述の(3)式により算出する。同様に、センサ1
iの目標T
jの同期時刻t
kのグローバル座標系の目標状態ベクトルx〜
ij(k)に対応するグローバル座標系のセンサ位置ベクトルz
i〜(k)は、前述の(4)式により算出する。
【0046】
次に、バイアス推定部32において、同一目標データ生成部31で生成された複数の同一目標のデータセットに基づいて、最小二乗法により各センサのバイアスを推定する。このとき、複数の同一目標のデータセットをPとすると、複数の同一目標のデータセットPは、{p
1k,p
2(k+1)}で表される。
【0047】
すなわち、略固定目標に対する複数の同一目標のデータセットPは、少なくとも位置の異なる複数目標(2以上)の同一目標のデータセットから構成される。勿論、複数の同一目標のデータセットPは、複数の同期時刻の同一目標のデータセットと複数目標の同一目標のデータセットから構成することができる。このとき、バイアス推定部32では、前述の式(5)により、バイアスベクトルbを推定する。すなわち、バイアス推定部32は、センサ間の目標位置の残差を表す関数f
4(P,b)の二乗和が最小となるバイアスベクトルbを推定する。
【0048】
以上のように、目標を観測する複数センサからなるマルチセンサシステムにおいて、上記第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3を適用すれば、2個の目標T
j(j=1,2)を観測している状況を例にとって説明したように、複数の固定目標の略同期観測や、複数の略固定目標の同期観測の代わりに、複数の固定/略固定/移動目標の非同期観測によっても、センサそれぞれのバイアスを推定することができる。
【0049】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置が適用されるマルチセンサシステムの構成を示すブロック図である。このマルチセンサシステムは、それぞれ目標を観測するM個のセンサ1
1〜1
M、第2の実施形態に係り、センサ1
1〜1
Mによって得られた目標の観測データから各センサ1
1〜1
Mのバイアスを推定するセンサバイアス推定装置3から構成される。
【0050】
第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3は、追跡処理部33、同一目標データ生成部31、バイアス推定部32から構成される。
【0051】
第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3に用いられる追跡処理部33は、第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置が適用されるマルチセンサシステムにおける追跡装置2
1〜2
Mの代わりを担うものであり、センサ1
1〜1
Mに対応して観測データから目標の追跡処理を行って、目標の状態推定値を航跡データとして出力する。
【0052】
ここで、上記同一目標データ生成部31は、追跡装置2
1〜2
Mの代わりに追跡処理部33から航跡データを入力することを除き、第1の実施形態に係る同一目標データ生成部31と同じであるので、その説明を省略する。また、上記バイアス推定部32は、第1の実施形態に係るバイアス推定部32と同じであるので、その説明を省略する。
【0053】
図5は、第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3の処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図に沿って、上記センサバイアス推定装置3の処理の流れを説明する。
【0054】
まず、追跡処理部33において、センサ1
iが観測している目標T
jに対する時刻t
k−1のローカル座標系の目標観測ベクトルy
0ij(k−1)である観測データと共に、センサ1
iの時刻t
k−1のグローバル座標系のセンサ状態ベクトルz
i(k−1)を入力する(ステップS201)。次に、第1の実施形態における追跡装置2
1〜2
Mと同様に、センサ1
1〜1
Mに対応して入力される観測データから目標の追跡処理を行って、ローカル座標系の目標観測ベクトルy
0ij(k−1)からローカル座標系の目標状態ベクトルy
ij(k−1)を算出することで、目標の航跡データを求める(ステップS202)。以後に続くステップS203〜ステップS207の処理は、第1の実施形態におけるステップS102〜ステップS106の処理と同じであるので、その説明を省略する。
【0055】
以上のように、目標を観測する複数のセンサからなるマルチセンサシステムにおいて、第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3を適用すれば、非同期観測の観測データを用いて、センサそれぞれのバイアスを推定することができる。
【0056】
第2の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3によれば、第1の実施形態に係るセンサバイアス推定装置3の効果に加え、観測データから目標の追跡処理を行って、目標の状態推定値を航跡データとして出力する追跡処理部33を備えているので、追跡装置2
1〜2
Mを備えていないマルチセンサシステムにも適用することができ、システムに必要な条件を緩和できるという効果がある。
【0057】
上記実施形態に係るセンサバイアス推定装置3は、同一目標データ生成部31、バイアス推定部32、追跡処理部33それぞれの処理機能をコンピュータに実行させるプログラムとして構成することができる。
【0058】
上記実施形態は、いずれもレーダ装置、ソナー装置等の目標を観測する複数センサからなるマルチセンサシステムのセンサバイアス推定装置に適用可能である。
【0059】
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。