特許第6702580号(P6702580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6702580
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   B66B11/02 P
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-52274(P2019-52274)
(22)【出願日】2019年3月20日
【審査請求日】2019年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テー コク ロン
(72)【発明者】
【氏名】西田 岳人
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−124938(JP,A)
【文献】 特開2002−135434(JP,A)
【文献】 特開2014−235181(JP,A)
【文献】 特開2000−059655(JP,A)
【文献】 特開2006−243566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00─11/08
H04M 1/00
H04M 1/24─ 1/82
H04M 99/00
H04N 5/222─5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗籠のドア装置の上に配置され、乗場側に面した外壁と、前記乗籠の内側に面した内壁と、前記外壁と前記内壁を連結すると共に窓部を設けた底壁とを有する幕板と、
前記窓部の上部に配置され、前記ドア装置のドア扉が開かれた状態で前記窓部から前記乗場を撮像するカメラ装置を備え、
前記カメラ装置は、カメラを装着したカメラ基板と、画像処理ユニットと、インターフェイスユニットとを筐体内に有し、
前記筐体は、前記カメラ基板及び前記各ユニットを固定したベースを有し、前記ベースに前記カメラのレンズを配置するレンズ穴が形成してあり、前記レンズ穴の中心は、前記ベースの巾方向中央に位置すると共に前記ベースの長手方向では、前記レンズ穴の前記中心から一端までの寸法が、他端までの寸法よりも短く、
前記レンズ穴の前記中心から一端までの寸法は、前記ドア装置が左右一方の片開きの場合には前記ベースの前記一端を前記幕板のドア扉開き側端に配置したときに、ドア扉の戸先枠に対して前記レンズ穴が適正位置に配置される規定寸法としてあり、前記ドア装置が左右他方の片開きの場合には、前記カメラ装置の左右を反転して前記ベースの前記一端を前記幕板のドア開き側端に配置することで、前記レンズ穴がドア扉の戸先枠に対して前記適正位置に配置されるエレベータ。
【請求項2】
前記画像処理ユニットには、回路基板と、外部機器を接続するコネクタが設けてあり、前記コネクタは、前記筐体の上部に配置してある請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記画像処理ユニットの前記回路基板は面を縦置きにしてあり、前記コネクタは前記回路基板の上端に取付けてある請求項2に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータを利用する人の動きを撮影するカメラを乗籠に備えるエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗籠の上に設けた幕板に、カメラを設けて、エレベータを利用する人の動きを撮影することが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6046284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラは別に設けた制御装置に配線で接続し、カメラの撮像信号は、制御装置で処理する構造であるため、設置に手間がかかるものであった。
【0005】
そこで、カメラの設置が容易なエレベータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るエレベータは、乗籠のドア装置の上に配置され、乗場側に面した外壁と、前記乗籠の内側に面した内壁と、前記外壁と前記内壁を連結すると共に窓部を設けた底壁とを有する幕板と、前記窓部の上部に配置され、前記ドア装置のドア扉が開かれた状態で前記窓部から前記乗場を撮像するカメラ装置を備え、前記カメラ装置は、カメラを装着したカメラ基板と、画像処理ユニットと、インターフェイスユニットとを筐体内に有し、前記筐体は、前記カメラ基板及び前記各ユニットを固定したベースを有し、前記ベースに前記カメラのレンズを配置するレンズ穴が形成してあり、前記レンズ穴の中心は、ベースの巾方向中央に位置すると共に長手方向で偏心した位置にある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態にかかるエレベータの概略構成を示す縦断面である。
図2図1に示すエレベ−タを乗籠の室内側から見た斜視図である。
図3】カメラ装置を装着した幕板の縦断面図である。
図4】カメラ装置の概観を示す斜視図である。
図5図4に示すカメラ装置のカバーを外した状態の斜視図である。
図6図5に示すカメラ装置において、インターフェイスユニットを除いて示す斜視図であって、図5と反対の方向から見た斜視図である。
図7】カメラ基板を固定したベースの平面図である。
図8】ベースを上から見た斜視図である。
図9】ベースを下から見た斜視図である。
図10図4に示すカメラ装置を装着した左片開きドア装置の乗籠を、乗籠の内側から見た斜視図である。
図11図4に示すカメラ装置を装着した右片開きドア装置の乗籠を、乗籠の内側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係るエレベータ1について、添付図面を参照して説明する。図1に示すように、エレベータ1は、任意の階の乗場3に着床する乗籠5を備えている。尚、本明細書において、説明の便宜上、乗籠の中を「内側」、乗場側を「外側」と呼ぶことがある。また、重力が作用する方向を基準に「上」及び「下」を定義する。
このエレベータ1は、カメラ7(図3参照)で取得された映像情報に基づいて、乗場3の近くにいる人の動きを判定して、乗場3側のドア装置9及び乗籠5側のドア装置11の開閉制御を行う。図1において、一点鎖線Aで示しているのは、カメラ7の画角を例示している。また、図2に示すように、この実施の形態のエレベータ1では、ドア装置9、11のドア扉8、8は、両開き扉である。
【0009】
図1及び図2に示すように、乗籠5のドア装置11の上には、幕板13が設けてあり、幕板13にカメラ装置15が設置されている。
図3に示すように、幕板13は、乗場側に面した外壁13aと、乗籠5の内側に面した内壁13bと、外壁13aと内壁13bを連結する底壁13cとを有し、底壁13cの上にカメラ装置15が設置されている。
底壁13cには、左右のドア扉8、8(図2参照)の戸先が閉まるときの突き当り位置に、窓部13dが設けてある。窓部13dは貫通孔に透明樹脂材17を嵌め込んで形成されている。
外壁13aの上端の高さH1は、カメラ装置15の点灯窓14(後述する)の位置よりも低い寸法である。
【0010】
図4に示すように、カメラ装置15は、ベース15aと、一方側カバー15bと、他方側カバー15cとを備え、ベース15aと、一方側カバー15bと、他方側カバー15cとで筐体16を形成している。尚、一方側カバー15bの上部に設けているのは、コネクタ37(後述する)に外部機器の端子を接続する為の開閉蓋12である。また、一方側カバー15bの側部にはカメラ装置15の作動時に点灯する点灯窓14が設けてある。
図5及び図6に示すように、ベース15aには、カメラ基板19(図6参照)と、画像処理ユニット35と、インターフェイスユニット31とが設けてある。
【0011】
ここで、カメラ基板19及びその固定部について説明する。
図3に示すように、カメラ基板19には、その下面にレンズ7aを下向きにしたカメラ7が装着されている。
図7に示すように、カメラ基板19は、平面視四角形状を成し、一対の一方側コーナー部19aと、一対の他方側コーナー部19bと、一方側コーナー部19aと他方側コーナー部19bとの間に位置する一対の辺部19cとを有している。一方側コーナー部19a、19aは、コーナー支持部21の段差部(後述する)の形状に沿って凹み状に湾曲した形状である(図7のB参照)。尚、図7のBは、カメラ基板19の一方側コーナー部19aであって、締付具25を除いた状態を示し、図7のCは辺支持部23であって、締付具25を除いた状態を示している。
【0012】
図6に示すように、カメラ基板19はベース15aに立設された一対のコーナー支持部21、21と、一対の辺支持部23、23とに、それぞれ上から止める締付具25により固定されている。締付具25は例えば、ネジ又はボルトである。また、ベース15aには、一対の辺支持部23、23に対して一対のコーナー支持部21、21と反対側には、カメラ基板19の他方側コーナー部19b、19bに当接する当接部27、27が設けてある。
図8に示すように、各コーナー支持部21、21と各辺支持部23、23は、ベース15aから突設された筒状体であり、ベース15aに一体成型されている。
【0013】
一対のコーナー支持部21、21の先端には、互いに対向する側に段差部21aが形成されている。段差部21aは、各コーナー支持部21の先端から凹んで形成されており、平面視扇形状(図7参照)を成している。本実施の形態では略90度の扇形状である。
一対のコーナー支持部21、21間における対向する段差部21aで長手方向の端26、26間の寸法X1と、一方のコーナー支持部21の段差部21aで巾方向の端30と当接部27との間の寸法Y1とで、カメラ基板19のXY方向が位置決めされている。また、ベース15の内表面28と、一対のコーナー支持部21、21の各段差部21aの底面24及び一対の辺支持部23、23の各段差部23aの底面24との間の寸法Z1で高さ方向(Z方向)が位置決めされている。
各段差部21a、23aの深さは、カメラ基板19の厚みよりも浅くしてある。
【0014】
図7に示すように、一対のコーナー支持部21、21の中心間の間隔Mは、一対の辺支持部23、23の中心間の間隔Nと異なっている。具体的には、間隔Nは間隔Mよりも大きい。これにより、一対のコーナー支持部21、21及び一対の辺支持部23、23が成す形状が台形となっている。このように、間隔Nと間隔Mが異なっているのは、コーナー支持部21、21がカメラ基板19の一方側コーナー部19a、19aを支持しており、一対の辺支持部23、23がカメラ基板19の辺部19cを支持している関係から生じている。
【0015】
次に、ベース15aにおいて、カメラ7のレンズ7aが配置されるレンズ穴29について説明する。
図8及び図9に示すように、ベース15aには、カメラ基板19の取り付け位置に対応して、レンズ穴29が形成されている。図9に示すように、レンズ穴29の中心29aはベース15aの巾寸法Wにおいてその中央位置W/2に位置している。また、レンズ穴29の中心29aはベース15aの長手方向Lに対して偏心しており、レンズ穴29の中心29aから長手方向の一端20までの寸法L1が長手方向の他端22までの寸法L2よりも短くなっている。
寸法L1は、カメラ装置15を幕板13に設置するときに、ドア扉が片開きドアであるときに、カメラ装置15においてベース15aの一端20を幕板13の端に合わせるとレンズ穴29がドア扉の戸先枠に対して適正位置に配置される寸法(規定寸法)としてある。
【0016】
次に、カメラ装置15内に配置されている画像処理ユニット35及びインターフェイスユニット31について説明する。図5に示すように、画像処理ユニット35は、回路基板35aと、回路基板35aに設置された各種モジュール36から構成されており、インターフェイスユニット31は、回路基板31aと、回路基板31aに設置された各種モジュール36から構成されている。
画像処理ユニット35は、ベース15aに回路基板35aの面を垂直に縦置きして取付けてあり、上端部にコネクタ37が設けてある。図6に示すように、回路基板35aの裏面には補助部材39が取り付けてある。コネクタ37は保守点検時に作業員が使用するUSBメモリーやその他の端子を接続するものである。
この画像処理ユニット35は、カメラ7(図3参照)の出入力信号を入力して、画像処理を行うものであり、処理した画像は、インターフェイスユニット31を介して、エレベータの駆動を制御するエレベータシステムに送信される。
インターフェイスユニット31は、回路基板31aの面をベース15aの内表面28(図8参照)と平行に横置きして、カメラ基板19の上方及び画像処理ユニット35の裏側に亘って取付けてある。インターフェイスユニット31は、エレベータシステムとの通信を行うものであり、エレベータシステムから受信したデータ又は信号を画像処理ユニット35に送信し、画像処理ユニット35から受信したデータ又は信号をエレベータシステムに送信する。尚、回路基板31aには、点灯窓14に対応する位置に発光素子34が設けてあり、画像処理ユニット31の作動時に点灯する。
【0017】
カメラ装置15の組立及び設置について説明する。
カメラ装置15の組立は、図7及び図8に示すように、ベース15aにおいて、一対のコーナー支持部21、21の各段差部21aにカメラ基板19の一方側コーナー部19a、19a(図7参照)を配置し、一対の辺支持部23、23の各段差部23aにカメラ基板19の対向する辺部19c、19cを配置すると共に、当接部27、27に他方側コーナー部19b、19bを当接させて、配置する。
次に、図6に示すように、各コーナー支持部21、21、辺支持部23、23に上から締付具25を取り付けて、対応するカメラ基板19の対応する一方側コーナー部19a、19a及び辺部19c(図7参照)を締付具25の頭25aで締め付けて固定する。
【0018】
その後、図6に示すように、画像処理ユニット35の回路基板35aに補助部材39を取り付け、回路基板35aの面を縦置きにした状態で、補助部材39をベース15aの補助部材支持部42に締付具44で固定する。
次に、図5に示すように、カメラ基板19の上方にインターフェイスユニット31の回路基板31aを、ベース15aに一体形成してある基板支持部39(図8参照)及び基板支持部45(図8参照)に面を横置きにして配置し、締付具41、41、47(図6参照)で締め付けて固定する。
最後に、図4に示すように、ベース15aに一方側カバー15bと他方側カバー15cとを固定する。
【0019】
次に、カメラ装置15の幕板13への設置について説明する。
図2に示すように、エレベータのドア扉が両開きの場合には、幕板13の底壁13cには、ドア扉の開閉方向の略中央に窓部13d(図3参照)を設け、そのドア扉の突き合わせ位置にカメラ装置15のレンズ穴29を配置し、幕板13の底壁13cにカメラ装置15のベース15aをボルト等の固定具で固定する。
【0020】
図10に示すように、左片開き(乗籠の室内側から見て左開き)の場合には、長手方向で偏心しているレンズ穴29の寸法が長手方向の端から短い側である一端20(図9参照)を左にして、一端20を幕板13の左端に配置して、ボルト等の固定部材で固定する。これにより、カメラ装置15では、レンズ穴29が戸先枠51から規定寸法L1の位置に固定される。
図11に示すように、右片開き(乗籠の室内側から見て右開き)の場合には、図10に示す左片開きの場合に対して、カメラ装置15を水平に180°反転し、長手方向で偏心しているレンズ穴29の中心が長手方向の端から短い側である一端20(図9参照)を右にして、一端20を幕板13の右端に配置して、ボルト等の固定部材で固定する。これにより、カメラ装置15では、レンズ穴29が戸先枠51から規定寸法L1の位置に固定される。
【0021】
次に、実施形態の作用効果について説明する。
図6に示すように、上述した実施形態によれば、ベース15aに対するカメラ基板19の取付けは、カメラ基板19の一方側コーナー部(縁)19a、19aをベース15aに設けたコーナー支持部(支持部)21、21の段差部21a(図8参照)に載置して締付具25(図6参照)で固定できるので、カメラ7の設置が容易できる。また、カメラ基板19には従来技術のような固定具の挿通孔を形成しなくて良いので、加工が容易である。
カメラ基板19はコーナー支持部(支持部)21、21及び辺支持部23に締付具25の頭25aで締め付けて固定しているから、カメラ基板19への負荷を軽減させることができ、基板の大型化を防止できる。
【0022】
図7に示すように、カメラ基板19は、その一方側コーナー部19a、19aをベース15aのコーナー支持部21、21で、辺部19cをベース15aの辺支持部23で受けて締付具25の頭25a(図6参照)で締め付けて固定しているから、乗籠5の揺れ等に対して強固に固定できる。
図8に示すように、コーナー支持部21、21の段差部21aは互いに対向する側に形成した平面視扇状の段差であり、X方向の端26、26の位置及びY方向の端30の位置を規定すると共に、段差部21aの底面24の高さZ1を規定することで、XYZ方向の位置決めができる。したがって、カメラ7を設置するときの現場での位置調整が不要となり、組立工場内でカメラ基板19を固定することができるから、現場での作業時間の短縮ができる。更に、故障時やメンテナンス時におけるカメラ基板19の交換作業も容易にできる。
【0023】
図7に示すように、一対のコーナー支持部21、21間の寸法Mと、一対の辺支持部23、23間の寸法Nとが異なっており、全体として台形形状を成しているので、略矩形のカメラ基板19はその一方側コーナー部19a、19aをコーナー支持部21、21間(台形の上辺側)に対応させて配置し、コーナー支持部21、21と、辺支持部23、23との間に落とし込むように配置すれば良いので、カメラ基板19の取り付けが容易にできる。また、カメラ基板19は、一方側コーナー部19a、19aと他方側コーナー部19b、19bの形状が異なると共に、一方側コーナー部19a、19aの形状がコーナー支持部21、21の段差部21aの形状と一致していることが容易に判別できるから、取り付け位置の間違いを防止できる。
【0024】
カメラ装置15は、カメラ7を装着したカメラ基板19と、画像処理ユニット35と、インターフェイスユニット31とを一体に備えるから、カメラ装置15を幕板13に取り付けることで、カメラ7の設置が容易にできる。
図9に示すように、カメラのレンズ穴29の中心29aは、ベース15aの巾方向Wの中央に位置すると共に、長手方向Lで偏心した位置にあるので、図10に示すように左片開き扉(乗籠の内部から見て左開)の場合には、長手方向一端20側を幕板13の左端に合わせて設置し、図11に示すように、右片開き扉(乗籠の内部から見て右開)の場合には、長手方向で180度反転して用い、長手方向一端20側を幕板13の右端に合わせることで、レンズ穴29位置を戸先側で同じにできるから、左片開き及び右片開きのいずれにも対応できるので使い勝手が良い。
【0025】
図3に示すように、画像処理ユニット35に設けたコネクタ37は、カメラ装置15の上部に配置してあるから、カメラ装置15を幕板13に設置したときに、保守点検で使用するUSBメモリー等の外部機器との接続が幕板13の上方からできるので接続が容易にできる。
図5に示すように、画像処理ユニット35の回路基板35aは、面を縦置きにして、コネクタ37をその上端に取付けているので、コネクタ37にUSBメモリー等の外部機器を接続するときの力を縦置きにした回路基板35aで受けるから、回路基板35aの損傷を防止できる。
【0026】
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上述の実施形態において、辺支持部23(図6参照)は対向して2つ設けることに限らず、いずれか一つであっても良いし、3つでも良いし、4つ設けても良い。また、コーナー支持部21、21と対向する側の辺を支持する位置に設けても良い。
【符号の説明】
【0027】
1…エレベータ、5…乗籠、7…カメラ、7a…レンズ、13…幕板、13a…外壁、13b…内壁、13c…底壁、13d…窓部、15…カメラ装置、15a…ベース、19…カメラ基板、31…インターフェイスユニット、29…レンズ穴、29a…レンズ穴の中心、35…画像処理ユニット、L1…レンズ穴の中心から長手方向の一端までの寸法、L2…レンズ穴の中心から長手方向の他端までの寸法。
【要約】
【課題】カメラの設置が容易なエレベータを提供することにある。
【解決手段】エレベータは、乗籠のドア装置の上に配置され、乗場側に面した外壁と、乗籠の内側に面した内壁と、外壁と内壁を連結すると共に窓部を設けた底壁とを有する幕板と、窓部の上部に配置され、ドア装置のドア扉が開かれた状態で窓部から乗場を撮像するカメラ装置を備えている。カメラ装置は、カメラを装着したカメラ基板と、画像処理ユニットと、インターフェイスユニットとを筐体内に有し、筐体は、前記カメラ基板及び各ユニットを固定したベースを有し、ベースにカメラのレンズを配置するレンズ穴が形成してあり、レンズ穴の中心は、ベースの巾方向中央に位置すると共に長手方向で偏心した位置にある。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11