特許第6702598号(P6702598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECソリューションイノベータ株式会社の特許一覧

特許6702598航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム
<>
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000002
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000003
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000004
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000005
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000006
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000007
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000008
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000009
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000010
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000011
  • 特許6702598-航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702598
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20200525BHJP
   G01S 7/12 20060101ALI20200525BHJP
   B64F 1/36 20170101ALI20200525BHJP
【FI】
   G08G5/00 A
   G01S7/12 200
   B64F1/36
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-230919(P2015-230919)
(22)【出願日】2015年11月26日
(65)【公開番号】特開2017-97720(P2017-97720A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】特許業務法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】大熊 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】大浦 洋明
(72)【発明者】
【氏名】岩井 祐子
【審査官】 藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−174499(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/112138(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0211701(US,A1)
【文献】 特開2008−056086(JP,A)
【文献】 特開平06−224697(JP,A)
【文献】 特開2005−284651(JP,A)
【文献】 特開2002−365126(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/010601(WO,A1)
【文献】 特開2000−030068(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0241902(US,A1)
【文献】 特開2002−221570(JP,A)
【文献】 特表平10−501059(JP,A)
【文献】 特開平07−198408(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2944921(EP,A1)
【文献】 中国特許出願公開第104867172(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 5/00 〜 5/06
G01S 7/12
B64F 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するための装置であって、
前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報、前記設定領域に存在する空港において前記航空機が使用する滑走路を少なくとも特定する運航実績情報、前記航空機の前記空港における離陸日時又は着陸日時を少なくとも特定する航空機フライト情報、を取得する、情報取得部と、
前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、航跡作成部と、
作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、航跡描画部と、
を備え
前記航跡作成部が、前記航空機フライト情報に基づいて、前記空港が出発空港及び到着空港のいずれであるかを判定し、判定結果と前記運航実績情報とに基づいて、前記航空機の出発点又は終着点を特定し、更に、前記運航実績情報に基づいて、前記航空機が使用する滑走路を特定し、特定した前記滑走路上に仮想の通過点を設定し、
前記出発点を特定した場合は、前記出発点を始点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成し、
前記終着点を特定した場合は、前記終着点を終点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成する、
ことを特徴とする航跡描画装置。
【請求項2】
前記航跡作成部が、特定した前記通過点と前記通過点との間をスプライン曲線で結ぶことによって、前記航跡を作成する、
請求項1に記載の航跡描画装置。
【請求項3】
前記航跡描画部が、前記航跡上にオブジェクトを描画し、更に、前記通過点毎の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させることによって、前記航跡の一部又は全部を前記画面上に描画する、
請求項1または2に記載の航跡描画装置。
【請求項4】
前記情報取得部が、更に、前記設定領域内に設置されている騒音測定局から、騒音の測定値と測定時刻とを特定する騒音情報を取得し、
前記航跡作成部が、前記通過点の位置及びその前記通過時刻と、予め設定されている前記騒音測定局の位置、前記測定値、及び前記測定時刻とを対比し、対比の結果に応じて、前記通過点における前記通過時刻を補正し、
前記航跡描画部は、前記通過点毎の補正後の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させ、更に、前記騒音情報に含まれる前記測定時刻に基づいて、時系列に沿って前記測定値を前記画面上に描画する、
請求項に記載の航跡描画装置。
【請求項5】
前記航跡作成部が、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の直線で結んだ際に、前記仮想の直線によって、いずれかの通過点を頂点とする鋭角が形成された場合に、前記鋭角の頂点となった通過点を除去して、前記航空機の航跡を作成する、請求項1〜のいずれかに記載の航跡描画装置。
【請求項6】
前記情報取得部が、前記航空機位置情報として、前記通過点及び前記時刻に加えて前記航空機の高度を更に特定する情報を取得し、
前記航跡描画部は、前記航空機位置情報に基づいて、前記航跡に加え、前記航空機の高度を時系列に沿って前記画面上に描画し、その際、描画対象となる高度の値が設定条件を満たさない場合に、前記描画対象となる高度の値を補正し、補正後の値を前記画面上に描画する、請求項1〜のいずれかに記載の航跡描画装置。
【請求項7】
設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するための方法であって、
(a)前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報、前記設定領域に存在する空港において前記航空機が使用する滑走路を少なくとも特定する運航実績情報、及び、前記航空機の前記空港における離陸日時又は着陸日時を少なくとも特定する航空機フライト情報を取得する、ステップと、
(b)前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、ステップと、
(c)作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、ステップと、
を有し、
前記(b)のステップにおいて、前記航空機フライト情報に基づいて、前記空港が出発空港及び到着空港のいずれであるかを判定し、判定結果と前記運航実績情報とに基づいて、前記航空機の出発点又は終着点を特定し、更に、前記運航実績情報に基づいて、前記航空機が使用する滑走路を特定し、特定した前記滑走路上に仮想の通過点を設定し、
前記出発点を特定した場合は、前記出発点を始点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成し、
前記終着点を特定した場合は、前記終着点を終点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成する、
ことを特徴とする航跡描画方法。
【請求項8】
前記(b)のステップにおいて、特定した前記通過点と前記通過点との間をスプライン曲線で結ぶことによって、前記航跡を作成する、
請求項に記載の航跡描画方法。
【請求項9】
前記(c)のステップにおいて、前記航跡上にオブジェクトを描画し、更に、前記通過点毎の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させることによって、前記航跡の一部又は全部を前記画面上に描画する、
請求項7または8に記載の航跡描画方法。
【請求項10】
前記(a)のステップにおいて、更に、前記設定領域内に設置されている騒音測定局から、騒音の測定値と測定時刻とを特定する騒音情報を取得し、
前記(b)のステップにおいて、前記通過点の位置及びその前記通過時刻と、予め設定されている前記騒音測定局の位置、前記測定値、及び前記測定時刻とを対比し、対比の結果に応じて、前記通過点における前記通過時刻を補正し、
前記(c)のステップにおいて、前記通過点毎の補正後の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させ、更に、前記騒音情報に含まれる前記測定時刻に基づいて、時系列に沿って前記測定値を前記画面上に描画する、
請求項に記載の航跡描画方法。
【請求項11】
前記(b)のステップにおいて、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の直線で結んだ際に、前記仮想の直線によって、いずれかの通過点を頂点とする鋭角が形成された場合に、前記鋭角の頂点となった通過点を除去して、前記航空機の航跡を作成する、
請求項7〜10のいずれかに記載の航跡描画方法。
【請求項12】
前記(a)のステップにおいて、前記航空機位置情報として、前記通過点及び前記時刻に加えて前記航空機の高度を更に特定する情報を取得し、
前記(c)のステップにおいて、前記航空機位置情報に基づいて、前記航跡に加え、前記航空機の高度を時系列に沿って前記画面上に描画し、その際、描画対象となる高度の値が設定条件を満たさない場合に、前記描画対象となる高度の値を補正し、補正後の値を前記画面上に描画する、請求項7〜11のいずれかに記載の航跡描画方法。
【請求項13】
コンピュータによって、設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報、前記設定領域に存在する空港において前記航空機が使用する滑走路を少なくとも特定する運航実績情報、及び、前記航空機の前記空港における離陸日時又は着陸日時を少なくとも特定する航空機フライト情報を取得する、ステップと、
(b)前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、ステップと、
(c)作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、ステップと、
を実行させ
前記(b)のステップにおいて、前記航空機フライト情報に基づいて、前記空港が出発空港及び到着空港のいずれであるかを判定し、判定結果と前記運航実績情報とに基づいて、前記航空機の出発点又は終着点を特定し、更に、前記運航実績情報に基づいて、前記航空機が使用する滑走路を特定し、特定した前記滑走路上に仮想の通過点を設定し、
前記出発点を特定した場合は、前記出発点を始点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成し、
前記終着点を特定した場合は、前記終着点を終点として、設定した前記仮想の通過点を通るように、前記航跡を作成する、
プログラム。
【請求項14】
前記(b)のステップにおいて、特定した前記通過点と前記通過点との間をスプライン曲線で結ぶことによって、前記航跡を作成する、
請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記(c)のステップにおいて、前記航跡上にオブジェクトを描画し、更に、前記通過点毎の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させることによって、前記航跡の一部又は全部を前記画面上に描画する、
請求項13または14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記(a)のステップにおいて、更に、前記設定領域内に設置されている騒音測定局から、騒音の測定値と測定時刻とを特定する騒音情報を取得し、
前記(b)のステップにおいて、前記通過点の位置及びその前記通過時刻と、予め設定されている前記騒音測定局の位置、前記測定値、及び前記測定時刻とを対比し、対比の結果に応じて、前記通過点における前記通過時刻を補正し、
前記(c)のステップにおいて、前記通過点毎の補正後の前記通過時刻に基づいて、前記オブジェクトを時系列に沿って移動させ、更に、前記騒音情報に含まれる前記測定時刻に基づいて、時系列に沿って前記測定値を前記画面上に描画する、
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
前記(b)のステップにおいて、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の直線で結んだ際に、前記仮想の直線によって、いずれかの通過点を頂点とする鋭角が形成された場合に、前記鋭角の頂点となった通過点を除去して、前記航空機の航跡を作成する、
請求項13〜16のいずれかに記載のプログラム。
【請求項18】
前記(a)のステップにおいて、前記航空機位置情報として、前記通過点及び前記時刻に加えて前記航空機の高度を更に特定する情報を取得し、
前記(c)のステップにおいて、前記航空機位置情報に基づいて、前記航跡に加え、前記航空機の高度を時系列に沿って前記画面上に描画し、その際、描画対象となる高度の値が設定条件を満たさない場合に、前記描画対象となる高度の値を補正し、補正後の値を前記画面上に描画する、請求項13〜17のいずれかに記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の航跡を画面上に描画する、航跡描画装置、航跡描画方法、及びこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、航空会社、空港においては、航空機の飛行状態を第三者が確認できるようにするため、離発着する航空機の航跡をWebサイトによって公開する試みがなされている(非特許文献1及び2参照)。また、通常、航跡は、レーダー情報処理システムによって出力される航空機位置情報に基づいて描画される。
【0003】
空港において利用されているレーダー情報処理システムには、ターミナルレーダー情報処理システム(ARTS:Automated Radar Terminal System)と、航空路レーダー情報処理システム(RDP:Radar Data Processing System)とがある。
【0004】
このうち、前者は、4秒毎に航空機の位置を特定し、同じく4秒毎に航空機位置情報を出力するシステムである。一方、後者は、10秒毎に航空機の位置を特定するが、航空機位置情報の出力については1分毎に行なうシステムである。航空管制においては、用途に合わせて、いずれかのシステムが用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
その他に、航空機が搭載するADS−B(Automatic Dependent Surveillance-Broadcast)が出力する信号を傍受し、傍受した信号に基づいて、航跡を描画するシステムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−104057号公報
【特許文献2】特開2014−2538号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】” Web Track 5 ”、[online]、 BRUEL & KJAR、[平成27年11月5日検索]、インターネット<URL:http://webtrak5.bksv.com/>
【非特許文献2】” STEUERZENTRALE FUR MESS- UND FLUGDATEN ”、[online]、フランクフルト空港、[平成27年11月5日検索]、インターネット<URL:http://franom.fraport.de/franom.php>
【非特許文献2】”Flightradar24 ”、[online]、平成27年、 Flightradar24 AB、[平成27年11月5日検索]、インターネット<URL:http://www.flightradar24.com/33.91,135.67/6>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、航跡の作成において、ARTSが出力する航空機位置情報を用いた場合は、精度の高い航跡を描画できるが、出力されてくるデータ量が非常に多くなる。このため、ARTSが出力する航空機位置情報を用いる場合は、航跡を描画するシステムとして処理能力の高いシステムが必要となり、システムの構築にかかるコストが大きく増加するという問題が発生する。
【0009】
一方、RDPが出力する航空機位置情報を用いた場合は、出力されてくるデータ量は多
くないため、システムの構築にかかるコストの増加は抑制できる。しかしながら、航空機が1分間で移動する距離は大きく、現在の航空機位置情報で特定された位置と1分前の航空機位置情報で特定された位置とが大きく離れるので、RDPが出力する航空機位置情報を用いる場合は、航跡の精度が低く、航跡が不自然になりやすいという問題がある。
【0010】
なお、航空機が搭載するADS−Bが出力する信号を用いる場合は、システムにおいて、信号を受信する装置が必要となるので、この場合も、システムの構築にかかるコストが大きく増加してしまう。また、ADS−Bは全ての航空機に搭載されているわけではなく、航跡を作成できない場合が発生してしまう。
【0011】
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、航空機の航跡を描画するシステムの構築にかかるコストを低減しつつ、描画される航跡の精度の向上を図り得る、航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における航跡描画装置は、設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するための装置であって、
前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報を取得する、情報取得部と、
前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、航跡作成部と、
作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、航跡描画部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0013】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における航跡描画方法は、設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するための方法であって、
(a)前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報を取得する、ステップと、
(b)前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、ステップと、
(c)作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0014】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータによって、設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)前記航空機の通過点及び前記通過点を前記航空機が通過する通過時刻を特定する航空機位置情報を取得する、ステップと、
(b)前記航空機位置情報に基づいて、前記航空機毎に、当該航空機の通過点を特定し、特定した前記通過点と前記通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結び、その際、連続する3つ以上の前記通過点が一直線上にない場合は、これらの前記通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにして、前記航空機の航跡を作成する、ステップと、
(c)作成された前記航跡の一部又は全部を画面上に描画する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、航空機の航跡を描画するシステムの構築にかかるコストを低減しつつ、描画される航跡の精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の構成を具体的に示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態で取得される航空機位置情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態で取得される運航実績情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態で取得される航空機フライト情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態における航跡の作成処理の一例を示す図であり、図6(a)はスムージング処理を実施した場合を示し、図6(b)はスムージング処理を実施しなかった場合を示している。
図7図7は、本発明の実施の形態における滑走路上の仮想の通過点の設定処理の一例を示す図であり、図7(a)は仮想の通過点を設定した場合を示し、図7(b)は仮想の通過点を設定しなかった場合を示している。
図8図8は、本発明の実施の形態における通過点の削除処理の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態における航跡描画装置によって描画される航跡の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の動作を示すフロー図である。
図11図11は、本発明の実施の形態における航跡描画装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における、航跡描画装置、航跡描画方法、及びプログラムについて、図1図11を参照しながら説明する。
【0018】
[装置構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態における航跡描画装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す本実施の形態における航跡描画装置100は、設定領域上を飛行する航空機の航跡を描画するための装置である。また、本実施の形態において「設定領域」とは、特定の空港が存在する予め設定された領域であり、航跡描画装置100は、この特定の空港を離陸する航空機と特定の空港に着陸する航空機の航跡を描画する。
【0020】
図1に示すように、航跡描画装置100は、情報取得部10と、航跡作成部20と、航跡描画部30とを備えている。このうち、情報取得部10は、航空機の通過点及び通過点を航空機が通過する時刻を特定する航空機位置情報を取得する。
【0021】
航跡作成部20は、航空機位置情報に基づいて、航空機毎に、各航空機の通過点を特定し、特定した通過点と通過点との間を時系列に沿って仮想の線で結んで、航跡を作成する。また、その際、航跡作成部20は、連続する3つ以上の通過点が一直線上にない場合は
、これらの通過点が連続した仮想の曲線上に位置するようにする。航跡描画部30は、作成された航跡の一部又は全部を画面上に描画する。
【0022】
このように、航跡描画装置100は、通過点が直線上に並んでいない場合は、航跡として曲線を描画する。このため、通過点が1分毎に取得されている場合であっても、航跡は実際の航空機の飛行に沿った自然なものとなる。従って、航跡描画装置100によれば、航空機の航跡を描画するシステムの構築にかかるコストを低減しつつ、描画される航跡の精度の向上を図ることができる。
【0023】
ここで、図2図9を用いて、本実施の形態における航跡描画装置100の構成を更に具体的に説明する。図2は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の構成を具体的に示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態では、情報取得部10は、航空機位置情報に加えて、運航実績情報、及び航空機フライト情報を取得する。このうち、運航実績情報は、設定領域に存在する空港において航空機が使用する滑走路を少なくとも特定する情報である。また、航空機フライト情報は、航空機の空港における離陸日時又は着陸日時を少なくとも特定する情報である。
【0025】
また、本実施の形態では、航空機位置情報、運航実績情報、及び航空機フライト情報は、既存のシステムに蓄積されている過去のデータであり、既存のシステムから取得される。本実施の形態では、航跡描画装置100は、過去の航空機の航跡を描画する。
【0026】
航空機位置情報、運航実績情報、及び航空機フライト情報の具体例を図3図5に示す。図3は、本発明の実施の形態で取得される航空機位置情報の一例を示す図である。図3の例では、航空機位置情報は、1分毎の航空機の通過点を緯度及び経度によって特定すると共に、通過点の高度も特定している。また、図3において、「JSWナンバー」は、航空機を一意に識別する番号である。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態で取得される運航実績情報の一例を示す図である。図4の例では、運航実績情報は、滑走路識別子によって航空機が使用する滑走路を特定している。図5は、本発明の実施の形態で取得される航空機フライト情報の一例を示す図である。図5の例では、航空機フライト情報は、出発空港略号、離陸日時、到着空港略号、及び到着日時によって、航空機の空港における離陸日時及び着陸日時を特定している。また、図4及び図5の例では、運航実績情報と航空機フライト情報とは、便名と、到着日時(ATA)又は離陸日時(ATD)とに基づいて互いに紐付けられる。
【0028】
また、図2に示すように、情報取得部10は、更に、騒音情報も取得する。騒音情報は、設定領域内に設置されている騒音測定局から送信されてくる情報であって、騒音の測定値と測定時刻とを特定する情報である。
【0029】
航跡作成部20は、本実施の形態では、例えば、図6に示すように、航空機位置情報から特定された通過点と通過点との間を時系列に沿ってスプライン曲線で結ぶことによって、航跡を作成する。図6は、本発明の実施の形態における航跡の作成処理の一例を示す図であり、図6(a)はスムージング処理を実施した場合を示し、図6(b)はスムージング処理を実施しなかった場合を示している。
【0030】
図6(a)に示すように、航跡作成部20は、まず、航空機位置情報に基づいて、航空機(便)毎に、通過点50a〜50eの座標(緯度及び経度)を特定する。次に、図6(a)に示すように、航跡作成部20は、通過点の間を結ぶ線に対して、例えば、Catmull-
Rom等によるスムージング処理を実施して、特定した座標間が滑らかな仮想の曲線で結ばれるようにする。これにより、滑らかな曲線で構成された航跡51が作成される。
【0031】
上述したように、本実施の形態では、航空機位置情報は、1分毎の航空機の通過点を表しており、航空路レーダー情報処理システム(RDF)から取得されている。従って、航空機の速度が非常に早く、航空機が1分間に移動する距離が長いことから、図6(b)に示すように、通過点間を仮想の直線で結んでしまうと、航跡に角が形成されてしまい、航跡の形状が、実際の航空機の航跡と大きく離れた形状となってしまう。これに対して、図6(a)に示したように、本実施の形態では、図2下側に示すように、スムージング処理が実施されるので、航跡の形状は、実際の航空機の航跡に近い形状となる。
【0032】
また、本実施の形態では、航跡作成部20は、運航実績情報と、航空機フライト情報とに基づいて、航空機の出発点又は終着点を特定する。具体的には、航跡作成部20は、設定領域内にある特定の空港が、航空機フライト情報に含まれる出発空港(略号)及び到着空港(略号)のいずれかに該当するかどうかを判定する。
【0033】
判定の結果、到着空港に該当すると判定する場合は、航跡作成部20は、航空機は特定の空港に着陸すると判断し、運航実績情報の滑走路識別子で特定される滑走路の終点を終着点として設定する。一方、判定の結果、出発空港に該当すると判定する場合は、航跡作成部20は、航空機は特定の空港を離陸すると判断し、運航実績情報の滑走路識別子で特定される滑走路の始点を出発地点として設定する。
【0034】
そして、航跡作成部20は、出発点を特定した場合は、出発点を始点として航跡を作成し、終着点を特定した場合は、終着点を終点として航跡を作成する。なお、本実施の形態では、滑走路の終点及び始点は、滑走路毎に、予め、経度及び緯度によって設定されている。
【0035】
また、航跡作成部20は、滑走路上に仮想の通過点52を設定することによって、航跡の精度の向上を図ることもできる。この点について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施の形態における滑走路上の仮想の通過点の設定処理の一例を示す図であり、図7(a)は仮想の通過点を設定した場合を示し、図7(b)は仮想の通過点を設定しなかった場合を示している。
【0036】
図7(a)に示すように、航跡作成部20は、運航実績情報に基づいて、航空機が使用する滑走路52を特定すると、特定した滑走路52上に仮想の通過点53を設定する。この場合、航跡作成部20は、航空機位置情報から特定された通過点50に加えて、設定した仮想の通過点53を通るように航空機の航跡51を作成する。
【0037】
一方、図7(b)に示すように、航空機位置情報から特定された通過点50のみで航跡を作成すると、航跡が滑走路の上を通らない可能姓がある。この場合は、「航空機は離陸時及び着陸時において滑走路上を直進するという」原則に反することとなり、航跡の精度が低下してしまう。
【0038】
更に、本実施の形態では、航跡作成部20は、通過点と通過点との間を時系列に沿って仮想の直線で結んだ際に、仮想の直線によって、いずれかの通過点を頂点とする鋭角が形成される場合は、鋭角の頂点となった通過点(以下「突出点」と表記する。)を除去して、航空機の航跡を作成することができる。図8は、本発明の実施の形態における通過点の削除処理の一例を示す図である。
【0039】
図8の例では、通過点と通過点との間を時系列に沿って順に仮想の直線54で結んでい
くと、通過点50bと50cとを結ぶ直線54と、通過点50cと50dと結ぶ直線54とによって、通過点50cを頂点とする鋭角が形成される。この場合、得られる航跡は、実際の航空機では得られることがないものとなる。このため、航跡作成部20は、鋭角の頂点となる通過点50cを除去することで、自然な形状の航跡51を作成する。
【0040】
航跡描画部30は、本実施の形態では、Webサイト上に、作成された航跡の一部又は全部を、設定領域の地図上に重ね合わせて描画する。これにより、航跡描画装置10にネットワーク40を介して接続された端末装置200の画面上に、航跡の一部又は全部が描画される。
【0041】
ここで、描画される航跡の具体例について説明する。図9は、本発明の実施の形態における航跡描画装置によって描画される航跡の一例を示す図である。図9の例では、航空機を表すオブジェクト60によって航跡が表現されている。なお、オブジェクト60の後方には、航跡を分かり易くするために破線61が付けられている。
【0042】
具体的には、航跡描画部30は、航跡作成部20によって作成された航跡上に、オブジェクト60を描画する。また、航跡描画部30は、通過点毎の通過時刻に基づいて、オブジェクト60を時系列に沿って航跡上で移動させる。本実施の形態では、オブジェクト60を移動させることによって、航跡の一部又は全部が画面上に描画されている。更に、航跡描画部30は、航空機フライト情報に基づいて、便名も描画する。なお、62は空港を示し、63は騒音測定局を示している。
【0043】
また、図9に示すように、航跡描画部30は、航跡に加え、航空機位置情報に基づいて、航空機の高度も時系列に沿って画面上に描画する。ところで、航空機は、通常、空港周辺において、徐々に高度を上げたり、下げたりするため、上昇率及び下降率は、それぞれ設定範囲内とされる。このため、航跡描画部30は、描画対象となる高度の値が突発的に高くなりすぎたり、低くなりすぎたりした場合は、航空機位置情報にエラーがあると判断して、高度の値を補正する。
【0044】
具体的には、航跡描画部30は、描画対象となる高度の値が設定条件を満たさない場合に、設定条件が満たされるように、描画対象となる高度の値を補正する。また、設定条件を満たさない場合の具体例としては、例えば、航空機の上昇率及び下降率が設定されている範囲を超えてしまう程、高度の値が、前後の値から大きくずれている場合が挙げられる。そして、描画対象となる高度の値が補正されると、航跡描画部30は、補正後の値を画面上に描画する。
【0045】
加えて、図9の例では、航跡描画部30は、騒音情報に基づいて、騒音測定局63で測定された騒音の測定値も、画面上に描画する。ところで、航空路レーダー情報処理システムが航空機位置情報を送信する際に、伝送遅延が発生する場合がある。このような伝送遅延が発生すると、航空機が、騒音測定局に近づく前に騒音値が上がってしまったり、航空機が騒音測定局を行き過ぎた後に騒音値が上がってしまったりして、不自然な状態が発生する。
【0046】
このため、本実施の形態では、航跡作成部20は、航空機の通過点の位置及びその通過時刻と、予め設定されている騒音測定局63の位置、測定値、及び測定時刻とを対比し、対比の結果に応じて、通過点における通過時刻を補正する。即ち、上述の不自然な状態は発生しないように、航跡作成部20は、伝送遅延の分だけ早まるように通過時刻を補正する。そして、航跡描画部30は、補正後の通過時刻に基づいて、オブジェクトを時系列に沿って移動させ、更に、騒音情報によって特定される測定時刻に基づいて、騒音の測定値を描画する。これにより、上記の不自然な状態の発生が解消される。
【0047】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態における航跡描画装置100の動作について図10を用いて説明する。図10は、本発明の実施の形態における航跡描画装置の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜図1図9を参酌する。また、本実施の形態では、航跡描画装置を動作させることによって、航跡描画方法が実施される。よって、本実施の形態における航跡描画方法の説明は、以下の航跡描画装置100の動作説明に代える。
【0048】
図1に示すように、最初に、航跡描画装置100において、情報取得部10は、航空機位置情報、運航実績情報、航空機フライト情報、騒音情報を取得する(ステップA1)。上述したように、航空機位置情報、運航実績情報、及び航空機フライト情報は、既存のシステムに蓄積されている過去のデータであり、既存のシステムから取得される。
【0049】
次に、航跡作成部20は、運航実績情報と、航空機フライト情報とに基づいて、航空機毎に、各航空機の出発点又は終着点を特定して、航跡の始点又は終点を設定する(ステップA2)。
【0050】
次に、航跡作成部20は、航空機毎に、運航実績情報によって特定される滑走路52上に仮想の通過点53を設定する(ステップA3)。
【0051】
次に、航跡作成部20は、航空機毎に、航空機位置情報から特定された通過点と通過点との間を時系列に沿ってスプライン曲線で結ぶことによって、航跡となる仮想の線を作成する(ステップA4)。また、ステップA4では、航跡作成部20は、必要に応じて、突出点の削除処理も実行する。
【0052】
次に、航跡描画部30は、Webサイトにおいて、航空機毎に、ステップA4で作成された航跡の一部又は全部を描画する(ステップA5)。具体的には、航跡描画部30は、図9に示したように、航空機毎に、航跡上に、オブジェクト60を描画し、更に、描画したオブジェクトを航跡上で時系列に沿って移動させる。
【0053】
以上のように、本実施の形態における航跡描画装置100によれば、1分毎の航空機の座標を特定する位置情報から、精度の高い航跡を作成することができる。このため、システムのコストを低減しつつ、航跡の精度の向上を図ることができる。
【0054】
また、上述した例では、航空機位置情報、運航実績情報、航空機フライト情報、及び騒音情報として、過去のデータが用いられているが、本実施の形態では、これらの情報はリアルタイムの情報であっても良い。航空機位置情報、運航実績情報、航空機フライト情報、及び騒音情報がリアルタイムの情報であっても、航跡描画装置100は、航空機毎に航跡を作成し、それを描画できる。
【0055】
[プログラム]
本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータに、図10に示すステップA1〜A5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態における航跡描画装置100と航跡描画方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、情報取得部10、航跡作成部20、及び航跡描画部30として機能し、処理を行なう。
【0056】
また、本実施の形態におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、コンピュータの一
つが情報取得部10及び航跡作成部20として機能し、別のコンピュータが航跡描画部30として機能する態様であっても良い。
【0057】
ここで、本実施の形態におけるプログラムを実行することによって、航跡描画装置100を実現するコンピュータについて図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態における航跡描画装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0058】
図11に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0059】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0060】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0061】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0062】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明によれば、航空機の航跡を描画するシステムの構築にかかるコストを低減しつつ、描画される航跡の精度の向上を図ることができる。本発明は、航空機の航跡の描画が求められる分野に有用である。
【符号の説明】
【0064】
10 情報取得部
20 航跡作成部
30 航跡描画部
40 ネットワーク
50、50a〜50e 通過点
51 航跡
52 滑走路
53 仮想の通過点
54 仮想の直線
60 航空機を表すオブジェクト
61 オブジェクトに接続される破線
62 空港
63 騒音測定局
100 航跡描画装置
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
200 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11