(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像診断を行う工程では、前記画像処理装置は、前記ディスプレイ装置から返送されてきたRGB画像と前記基準信号として生成されたRGB画像とを1画素ずつ比較することを特徴とする請求項6に記載の自己画像診断方法。
表示画像を生成する画像処理装置と、前記画像処理装置で生成された画像を表示するディスプレイ装置とからなる自己画像診断システムの自己画像診断プログラムであって、
前記画像処理装置が、基準信号の画像を生成し、前記基準信号の画像をエンコードして出力するステップと、
前記ディスプレイ装置が、入力された映像信号をデコードし、前記デコードされた画像の画質補正を行って表示パネルに表示するとともに、前記画質補正を行う前の画像から前記基準信号に対応する位置の画像を切り出して前記画像処理装置に送信するステップと、
前記画像処理装置が、前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と前記基準信号の画像とを比較して画像診断を行うステップと
を含み、
前記画像診断を行うステップでは、前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と生成された基準信号の画像とを比較し、前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と前記生成された基準信号の画像とが異なる場合には、前記画像処理装置の故障である、または、前記画像処理装置に設定ミスがあると判定し、
前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と前記生成された基準信号の画像とが一致する場合であって、前記表示パネルに表示される画像に画質劣化がある場合には、前記デコードされた画像の画質補正を行って表示パネルに表示する映像表示部に設定ミスがあると判定することを特徴とするコンピュータにより実行可能な自己画像診断プログラム。
表示画像を生成する画像処理装置と、前記画像処理装置で生成された画像を表示するディスプレイ装置とからなる自己画像診断システムの自己画像診断プログラムであって、
前記画像処理装置が、基準信号の画像を生成し、前記基準信号の画像をエンコードして出力するステップと、
前記ディスプレイ装置が、入力された映像信号をデコードし、前記デコードされた画像の画質補正を行って表示パネルに表示するとともに、前記画質補正を行う前の画像から前記基準信号に対応する位置の画像を切り出して前記画像処理装置に送信するステップと、
前記画像処理装置が、前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と前記基準信号の画像とを比較して画像診断を行うステップと、
前記ディスプレイ装置から返送されてきた画像と前記生成された基準信号の画像とが異なる場合には、前記ディスプレイ装置の受信設定を変更するステップと
を含むようにしたことを特徴とするコンピュータにより実行可能な自己画像診断プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム1(自己画像診断システム)の概要を示すものである。
【0015】
図1において、画像処理装置10は、表示画像を出力する装置であり、ここでは、例えばパーソナルコンピュータである。画像処理装置10は、CPU(Central ProcessingUnit)、RAM(Random AccessMemory)、ROM(Read OnlyMemory)、HDD(Hard DiskDrive)等の記憶装置、映像出力用のビデオカード等を備えている。また、画像処理装置10には、キーボードやマウス等の入力装置11が接続されている。画像処理装置10は、HDMI(High-Definition MultimediaInterface)等の映像出力端子12と、USB(Universal SerialBus)等の接続端子13を備えている。また、画像処理装置10は、オペレーティング・システムや、アプリケーションプログラムに基いて、動作している。なお、ここでは、画像処理装置10は、パーソナルコンピュータとしているが、画像処理装置10としては、その他、AV機器、放送機器、モバイル機器等であっても良い。
【0016】
ディスプレイ装置20は、画像処理装置10から出力される画像を表示する。ディスプレイ装置20は、例えばLCD(Liquid CrystalDisplay)からなる表示パネル21を備えている。また、ディスプレイ装置20は、HDMI(High-Definition MultimediaInterface)等の映像入力端子22と、USB(Universal SerialBus)等の接続端子23とを有している。
【0017】
図1に示すように、画像処理装置10の映像出力端子12と、ディスプレイ装置20の映像入力端子22とがHDMIケーブル31で接続される。また、画像処理装置10の接続端子13とディスプレイ装置20の接続端子23とがUSBケーブル32で接続される。なお、この例では、画像処理装置10とディスプレイ装置20とをHDMIケーブル31で接続しているが、画像インターフェースはこれに限定されるものではない。画像インターフェースとしては、DVI(Digital VisualInterface)を用いても良い。また、この例では、画像処理装置10とディスプレイ装置20とをUSBケーブル32で接続しているが、データを送受するインターフェースはこれに限定されるものではない。
【0018】
本発明の第1の実施形態に係る表示システム1では、色表示特性を確認するための診断機能を有している。具体的には、指定ソフトウェアが起動されると、画像処理装置10は、基準信号の画像データをHDMIケーブル31を介してディスプレイ装置20に送る。ここで、HDMIの規格に準拠して、画像処理装置10は、RGB(赤、緑、青)の画像データをYCrCb(輝度、青の色差、赤の色差)の画像データにエンコードして送信している。ディスプレイ装置20は、この基準信号のデータを受信する。ここで、ディスプレイ装置20は、HDMIの規格に準拠して、受信したYCrCbの画像データを、RGBの画像データにデコードしている。そして、ディスプレイ装置20は、受信した基準信号の画像データを画質補正して、表示パネル21に表示する。また、ディスプレイ装置20は、画質補正する前の画像データの一部の画素の情報を、USBケーブル32を介して、画像処理装置10に送り返す。
【0019】
画像処理装置10は、指定ソフトウェアにより生成した基準信号のRGB画像の画素の情報と、ディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素の情報とを比較して、色特性を判定する。そして、画像処理装置10は、指定ソフトウェアにより生成した基準信号のRGB画像の画素の情報と、ディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素の情報とが異なる場合に、異常が発生したと判定する。
【0020】
次に、本発明の第1の実施形態に係る表示システム1における色診断機能の詳細について説明する。
【0021】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム1の構成を機能ブロック図で示したものである。
図2に示すように、画像処理装置10は、基準信号描画部51と、映像補正部52と、映像エンコード/出力部53と、入出力比較部54と、一致/不一致判定部55とを備えている。
【0022】
基準信号描画部51は、色診断を行うためのソフトウェアであり、基準信号のRGB画像を生成する。映像補正部52は、描画するRGB画像をディスプレイに表示される画面内に配置する。映像補正部52は、具体的には、オペレーティング・システムやビデオカードにより、映像処理を行う部分である。映像エンコード/出力部53は、描画するRGB画像を伝送系路に対応した映像信号にエンコードして、映像出力端子12から出力する。
【0023】
入出力比較部54は、ディスプレイ装置20からRGB画像を受信し、基準信号描画部51からの基準信号のRGB画像と、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像とを1画素ずつ比較する。また、入出力比較部54は、画像の切り出し情報(xy座標)を、ディスプレイ装置20に送信する。一致/不一致判定部55は、入出力比較部54での比較結果が一致しているか否かを利用者に提示する。
【0024】
ディスプレイ装置20は、映像デコード/入力部61と、RGBフレームバッファ62と、映像表示部63と、画像切り出し部64と、表示パネル21とを備える。
【0025】
映像デコード/入力部61は、映像入力端子22からHDMIに対応した映像信号を入力し、この入力映像信号からRGB画像をデコードする。RGBフレームバッファ62は、映像デコード/入力部61でデコードしたRGB画像を一時保持する。RGBフレームバッファ62は、表示タイミングの調節や画質補正時の参照用として一般的に用いられている。映像表示部63は、RGBにデコード後の映像信号を受信し、画質補正を行って、表示パネル21に画像を表示させる。
【0026】
画像切り出し部64は、画像処理装置10からの画像の切り出し位置情報に基いて、RGBフレームバッファ62内からRGBの画像データを切り出し、この切り出したRGB画像データを画像処理装置10に送信する。なお、RGBフレームバッファ62には、画質補正する前の画像データが保存されている。
【0027】
図2において、基準信号描画部51は、
図3に示すような色票群(カラーチャート)を検査対象の候補として利用者に提示する。色票群は規格などに従った既知の内容でも良いし、利用者の選択した画像群から頻度の高い色を抽出しても良い。
【0028】
基準信号描画部51は、色票群を縦横に整列させたRGB画像を基準信号の画像として映像補正部52に出力する。映像補正部52は、色票群を画面に配置し、映像エンコード/出力部53に出力する。
【0029】
映像エンコード/出力部53は、描画するRGB画像を伝送系路に対応した映像信号にエンコードして、映像出力端子12から出力する。具体的には、映像エンコード/出力部53は、RGB画像をYCbCr(輝度、青色差、赤色差)画像にエンコードして、映像出力端子12に出力する。
【0030】
ディスプレイ装置20の映像デコード/入力部61は、画像処理装置10からの映像信号を受信し、基準信号の色票と同じフォーマットの非圧縮RGB画像にまでデコードする。すなわち、映像デコード/入力部61は、YCbCr画像で入力される映像信号から、非圧縮のRGB画像をデコードする。そして、映像デコード/入力部61は、1画面分のRGB画像データをRGBフレームバッファ62に書き込む。
【0031】
映像表示部63は、RGBフレームバッファ62の画像データに対し、表示パネルの特性依存した画質補正を加えてから、表示パネル21に表示する。ここで、映像表示部63では、表示パネルの特性依存した画質補正(例えば6軸色補正,画面ムラ補正など)を行うことができる。
【0032】
また、画像処理装置10の基準信号描画部51は、色票群を含む画面内の縦横座標を算出する。そして、基準信号描画部51は、色票群を含む画面内の縦横座標と、選択された色票群のRGB画像を入出力比較部54に送信する。
【0033】
入出力比較部54は、色票群を含む画面内の縦横座標を切り出し位置情報として、ディスプレイ装置20に送信する。ここで、色票群の描画は、利用者が主に使用する画像表示ソフトウェアで行っても良い。オペレーティング・システムの画質補正動作はソフトウェアごとに異なる可能性があるためである。この場合、利用者の操作に依存して色票の表示位置や大きさが変化するため、ディスプレイ装置20では切り出し位置情報の検出・推定が難しい。その場合は推奨の表示位置(例えば中央付近)などを示す位置ガイドマーカーなどを画面に表示し,利用者に色票群の表示位置を調節するよう促すことで代替できる。また、基準信号描画部51から入出力比較部54に送る色票群の画像は、簡便にはRGB階調だが、知覚色に変換したXYZ値またはLab値でも良い。知覚色に変換したXYZ値またはLab値を用いれば、より良い検査品質が期待できる。
【0034】
ディスプレイ装置20の画像切り出し部64は、画像切り出し位置情報を受信すると、この画像切り出し位置情報に基づいて、RGBフレームバッファ62内のRGB画像を読み出す。ここで、RGBフレームバッファ62に蓄積されているRGB画像は、映像表示部63での補正特性は含まれていない。画像切り出し部64は、RGBフレームバッファ62から、画像切り出し位置情報に基づいて、色票群に対応する位置のRGB画像を切り出し、この切り出したRGB画像を、画像処理装置10に送信する。例えば、RGBフレームバッファ62内に、
図4に示すように、色票群のRGB画像が蓄積されているとし、切り出し位置がQ1であるとする。この場合には、
図4に示すように、RGBフレームバッファ62から、切り出し位置Q1のRGB画像の画素の階調、例えば(R32,G64,B0)が読み出され、このRGB画像の情報が画像処理装置10に送信される。
【0035】
画像処理装置10の入出力比較部54は、基準信号描画部51の指定ソフトウェアにより生成した基準信号のRGB画像の画素の情報と、ディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素の情報とを1画素ずつ比較する。そして、一致/不一致判定部55は、この比較結果に基いて画像の診断を行い、利用者に提示する。
【0036】
ここで、RGBフレームバッファ62に蓄積されているRGB画像は、映像表示部63での補正特性は含まれていないため、画像処理装置10側の映像補正部52、映像エンコード/出力部53、若しくはディスプレイ装置20側の映像デコード/入力部61等に設定ミスがなければ、基準信号描画部51で生成した基準信号のRGB画像の画素とディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素とが一致するはずである。また、設定ミスが無かったとしても、映像表示部63での画質補正に問題があれば、表示パネル21に表示される画像に色ずれが生じる。
【0037】
基準信号描画部51で生成した基準信号のRGB画像の画素とディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素とが不一致なら、画像処理装置10側の映像補正部52、映像エンコード/出力部53、若しくはディスプレイ装置20側の映像デコード/入力部61等に設定ミスがあると判定できる。また、基準信号描画部51で生成した基準信号のRGB画像の画素とディスプレイ装置20から送り返されたRGB画像の画素とは一致しているが、基準信号として生成した色票群が表示パネル21に正しく表示されない場合、システムは正常に動作しており、表示環境の誤設定(映像表示部63の誤設定)であると判定できる。なお、人間の視認限度などを鑑み,一致の判断には一定の許容値(誤差)を用いても良い。
【0038】
なお、この例では、画像処理装置10からディスプレイ装置20に送信する画像切り出し位置情報や、ディスプレイ装置20から画像処理装置10に返送するRGB画像データをUSBで送受信しているが、USB以外のインターフェースを使用してもよい。なお、この場合、USBのような双方向通信を行えるものが好ましい。また、ディスプレイ装置20から画像処理装置10に返送する画像は、簡便にはRGB階調だが、知覚色に変換したXYZ値またはLab値でも良い。知覚色に変換したXYZ値またはLab値を用いれば、よりよい検査品質が期待できる。
【0039】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る表示システム1における色診断機能の動作を示すフローチャートである。
(ステップS101)画像処理装置10は基準信号を生成し、エンコードしてディスプレイ装置20に送信し、ディスプレイ装置20は、画像処理装置10からの基準信号を受信する。そして、ディスプレイ装置20は、映像デコード/入力部61で基準信号の色票と同じフォーマットの非圧縮RGB画像にまでデコードし、映像表示部63で画質補正を加えてから、表示パネル21に基準信号の画像を表示する。
【0040】
(ステップS102)また、ディスプレイ装置20は、補正前の画像のRGB画像をRGBフレームバッファ62内に保存する。画像切り出し部64は、画像処理装置10から送られてきた画像切り出し位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、RGBフレームバッファ62内のRGB画像を読み出す。
【0041】
(ステップS103)次に画像切り出し部64は、RGBフレームバッファ62から読み出されたRGB画像データを、USBの接続端子23を介して、画像処理装置10に返送する。
【0042】
(ステップS104)入出力比較部54は、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像の階調と、基準信号描画部51からの基準信号のRGB画像の階調とを1画素ずつ比較する。
【0043】
(ステップS105)一致/不一致判定部55は、この比較結果が一致しているかを利用者に提示する。この比較結果から、表示パネル21に表示される画像に画質劣化がある場合、この画質劣化が表示環境の誤設定により生じたものなのか、機器の故障等により生じたものなのかを判定できる。
【0044】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、画像処理装置10がディスプレイ装置20に基準信号を送信し、ディスプレイ装置20が受信した基準信号の画像の一部の画素の情報を切り出し、画像処理装置10に送り返している。そして、画像処理装置10は、ディスプレイ装置20が送り返してきた基準信号の画素の情報と、指定ソフトウェアにより生成した画素の情報とを比較して、色特性を判定している。ディスプレイ装置20から送り返される画像データは、画質補正する前の画像である。このため、表示パネル21に表示される画像の色の不具合があったとしても、ディスプレイ装置20が送り返してきた基準信号の画素と、指定ソフトウェアにより生成した画素とが一致していれば、この色の変化は、ディスプレイ装置20内の画像補正によるものであると判定できる。また、ディスプレイ装置20が送り返してきた基準信号の画素と、指定ソフトウェアにより生成した画素の情報とが不一致であれば、画像処理装置10のビデオカードや、ディスプレイ装置20の画像入力部等に、故障が発生していると判定できる。
【0045】
また、本実施形態では、送信側と受信側の総合的な特性が適切かを判断している。また、表示するディスプレイ装置20で受信された色を取り出して検査するため、表示時と検査時の機器特性差による色ずれが原理的に発生しない。また、本実施形態では、送受信機器の組み合わせによる色ずれが検出できる。また、本実施形態では、既知のテストパターンにより検査ではなく、基準信号の配色を利用者が任意に選択できる。このため、利用用途に近い特性で検査でき、利用者の体感に近い検査結果が得られる。また、本実施形態では、デジタル処理で検査が完結するため、低価格で高精度、高速な検査ができ、また、光学センサを用いた調整検査等が不要である。
【0046】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る自己画像診断システムにおける色診断機能の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、利用者が色票群を選択できる。なお、本発明の第2の実施形態の基本構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0047】
(ステップS201)まず、基準信号描画部51は、色票群(カラーチャート)を検査対象の候補として利用者に提示し、利用者は、色票群を検査対象の候補として、基準信号の選択を行う。
(ステップS202)そして、基準信号描画部51は、色票群を含む画面内の縦横座標を決定する。
(ステップS203)ディスプレイ装置20は、画像処理装置10からの基準信号を受信する。そして、ディスプレイ装置20は、映像デコード/入力部61で基準信号の色票と同じフォーマットの非圧縮RGB画像にまでデコードし、映像表示部63で画質補正を加えてから、表示パネル21に基準信号の画像を表示する。
【0048】
(ステップS204)また、ディスプレイ装置20は、補正前の画像のRGB画像をRGBフレームバッファ62内に保存する。画像切り出し部64は、画像処理装置10から送られてきた画像切り出し位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、RGBフレームバッファ62内のRGB画像を読み出す。
【0049】
(ステップS205)次に画像切り出し部64は、RGBフレームバッファ62から読み出されたRGB画像データを、USBの接続端子23を介して、画像処理装置10に返送する。
【0050】
(ステップS206)入出力比較部54は、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像の階調と、基準信号描画部51からの基準信号のRGB画像の階調とを1画素ずつ比較する。
【0051】
(ステップS207)一致/不一致判定部55は、この比較結果が一致しているかを利用者に提示する。この比較結果から、表示パネル21に表示される画像に画質劣化がある場合、この画質劣化が表示環境の誤設定により生じたものなのか、機器の故障等により生じたものなのかを判定できる。
【0052】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態に係る自己画像診断システムにおける色診断機能の動作を示すフローチャートである。なお、本発明の第3の実施形態の基本構成は、前述の第1及び第2の実施形態と同様である。
【0053】
(ステップS301)まず、基準信号描画部51は、色票群(カラーチャート)を検査対象の候補として利用者に提示し、利用者は、色票群を検査対象の候補として、基準信号の選択を行う。
(ステップS302)そして、基準信号描画部51は、色票群を含む画面内の縦横座標を決定する。
(ステップS303)ディスプレイ装置20は、画像処理装置10からの基準信号を受信する。そして、ディスプレイ装置20は、映像デコード/入力部61で基準信号が描画した色票と同じフォーマットの非圧縮RGB画像にまでデコードし、映像表示部63で画質補正を加えてから、表示パネル21に表示する。
【0054】
(ステップS304)また、ディスプレイ装置20は、補正前の画像のRGB画像をRGBフレームバッファ62内に保存する。画像切り出し部64は、画像処理装置10から送られてきた画像切り出し位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、RGBフレームバッファ62内のRGB画像情報を読み出す。
【0055】
(ステップS305)次に画像切り出し部64は、RGBフレームバッファ62から読み出されたRGB画像データを、USBの接続端子23を介して、画像処理装置10に返送する。
【0056】
(ステップS306)入出力比較部54は、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像と、基準信号描画部51から基準信号のRGB画像を受信する。次に入出力比較部54は、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像の階調と、基準信号のRGB画像の階調とを、1画素ずつ比較する。
【0057】
(ステップS307)ディスプレイ装置20から受信したRGB画像の階調と、基準信号のRGB画像の階調とが一致しない場合(ステップS307:No)、処理をステップS308に進め、一致する場合(ステップS307:Yes)、処理をステップS310に進める。
【0058】
(ステップS308)ディスプレイ装置20は、受信設定(例えばYCrCb−RGB変換行列や信号レベル範囲は複数の規格値が存在する)を切り替えて、処理をステップS309に進める。
(ステップS309)ディスプレイ装置20は、全ての受信設定に変更したかを判定し、全ての受信設定に変更していなければ(ステップS309:No)、ステップS304に処理を戻し、再度、ディスプレイ装置20からRGB画像を受信する。全ての受信設定に変更していれば(ステップS309:Yes)、ステップS310に処理を進める。
【0059】
(ステップS310)一致/不一致判定部55は、判定結果を利用者に提示する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態では、ディスプレイ装置20から受信したRGB画像の階調と、基準信号のRGB画像の階調とが不一致の場合、ディスプレイ装置20の受信設定を切り替えて再度受信を行い、基準信号と一致するようディスプレイ装置20の受信設定を修正することができる。
【0061】
図8は、本発明による自己画像診断システムの基本構成を示す概略ブロック図である。本発明による自己画像診断システムは、表示画像を生成する画像処理装置110と、画像処理装置110で生成された画像を表示するディスプレイ装置120とからなる。
【0062】
画像処理装置110は、基準信号描画部111と、映像エンコード出力部112と、入出力比較部113とを基本構成とする。基準信号描画部111は、基準信号の画像を生成する。映像エンコード出力部112は、基準信号の画像をエンコードして出力する。入出力比較部113は、ディスプレイ装置から返送されてきた画像と基準信号描画部で生成された画像とを比較する。
【0063】
ディスプレイ装置120は、映像デコード入力部121と、映像表示部123と、画像切り出し部124とを基本構成とする。映像デコード入力部121は、入力された映像信号をデコードする。映像表示部123は、デコードされた画像の画質補正を行って表示パネル122に表示する。画像切り出し部124は、画質補正を行う前の画像から基準信号に対応する位置の画像を切り出して画像処理装置110に送信する。
【0064】
本発明では、ディスプレイ装置120から返送されてきた画像と基準信号描画部111で生成された画像とを比較して自己画像診断を行う。これにより、表示環境に誤設定があるか否かが分かる。
【0065】
なお、表示システム1の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0066】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。