(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(B)が、成分(A)および成分(B)の合計の全重量に対して、0より多く4重量パーセント以下の量で存在するか、又は成分(B)が、成分(A)および成分(B)の合計に対して、0より多く2モル%以下で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の調製方法。
ステップv)の塩基触媒が、水酸化カリウムもしくは水酸化セシウム、および/またはその関連するシラノレート、第四級アンモニウムもしくはホスホニウムの水酸化物もしくはその関連するシラノレートである、請求項6〜8のいずれか一項に記載の調製方法。
【背景技術】
【0002】
アミノ官能性ポリシロキサンは広く知られている。一般に、アミノアルキル官能基は、末端位置のケイ素原子に結合されており、一般式(I)の構造を含む。
【0003】
【化1】
【0004】
米国特許第5,026,890号(以下「‘890」ともいう)、米国特許第4,649,208号(以下「‘208」ともいう)、米国特許第5,892,084号(以下「‘084」ともいう)、および米国特許第6,177,583号(以下「‘583」ともいう)に記載されているように、アミノ官能性ポリシロキサンは、一般に、白金触媒による、アリルアミンからヒドリドシロキサンへのヒドロシリル化によって調製される。これらの方法において、アミノプロピルポリシロキサンは、しばしば高度に着色された不純物を伴って得られる。この不純物には、とりわけ、一般式(IV)のイミノアルキル官能基が挙げられる。
【0005】
【化2】
式中、R
aは、一般に水素であり、R
bは、一般に、場合により分枝鎖状および/または不飽和のC2〜C5アルキル基(以下の比較例4および比較例5参照)であり、各R
1基は、一価の、C1〜C20の、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリール、およびアリールの各基からなる群から独立して選択され、そのそれぞれが直鎖状または分枝鎖状であり、各R
2基は、−O−、−NH−によって遮られることがある、3〜7個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状の、二価の、場合により置換された有機ラジカルからなる群から独立して選択される。一般式(IV)の不純物は、一般に、ポリマー中の全てのアミノアルキル基の濃度約2〜約10モル%での、白金を用いたヒドロシリル化反応の無制御な副生成物として観測される。一般式(IV)の不純物は、プロトンNMRの、7.4〜7.7ppmの範囲のシグナルによって、ならびに/またはとりわけ5.7、3.31、2.22、1.8、および1.50ppm付近のシグナルによって同定される。さらに、前述された方法において、他の副生成物も存在する。例えば、望ましくない高度に着色された不純物は、一般にプロトンNMRにおいて、3.1〜3.4ppmの範囲のシグナルによって、とりわけ4.0ppm付近のシグナルによって同定される。
【0006】
このイミノアルキル不純物は、これらの材料の応用において不都合である。特に、式(I)の直鎖状アミノプロピルポリシロキサンは、直鎖状のポリシロキサン−ポリイミドブロックコポリマーおよびポリシロキサン−ポリエーテルイミドブロックコポリマーを製造するのに用いられる。
【0007】
米国特許第3,325,450号には、一般式(I)のアミノプロピル官能性ポリシロキサンと有機二無水物との反応によって、ポリシロキサン−ポリイミドブロックコポリマーを製造する方法を説明している。
【0008】
米国特許第4,586,997号には、一般式(I)のアミノプロピル官能性ポリシロキサンと、有機ビス(エーテル無水物)と、有機ジアミンとの反応によって、ポリシロキサン−ポリエーテルイミドブロックコポリマーを製造する方法が説明されている。
【0009】
これらのアミノプロピル官能性ポリシロキサン中の、一般式(IV)のイミノアルキル不純物は、これらのブロックコポリマー材料の合成において反応を起こしにくく、したがってブロックコポリマー生成を減らし、分子量の制御を難しくすることになる、望ましくない連鎖停止基である。理論に束縛されるものではないが、着色された不純物には、ブロックコポリマー合成において望ましくない連鎖停止基としても機能する第二級アミノ官能性シロキサンが含まれる。同様に、高度に着色された不純物は、生成されたブロックコポリマーに望ましくない着色の増加をもたらす。
【0010】
‘890、‘208、‘084、および‘583に記載された最先端の技術を用いると、必然的に一般式(IV)の不純物(例えば、以下の比較例4および比較例5)がもたらされる。白金触媒作用下でのアリルアミンとヒドリドシロキサンとの直接反応におけるこれらの副生成物を避けるための技術は分かっていない。
【0011】
代替的に、初めに、アリルアミンの第一級アミノ官能基を保護し、次いでヒドリドシロキサンおよび白金でヒドロシリル化を行い、次いでアミノ官能基を脱保護して、最終のアミノ官能性ポリシロキサンを生成することによって、一般式(IV)の不純物の生成を避けることが提案されてきた。
【0012】
米国特許第4,584,393号(以下「‘393」ともいう)には、アリルアミンをトリメチルクロロシランと反応させ、次いで蒸留により精製することによってシラザンが生成され、
【0013】
【化3】
次いで、白金触媒作用下で、このシラザンをヒドリドシロキサンと反応させ、最後にシラザン基を加水分解して、式(I)のアミノプロピル官能性ポリシロキサンを生成することが説明されている。この方法では、概して高度に着色された生成物がもたらされる。
【0014】
英国特許第2,185,984号(以下「‘984」ともいう)には、初めに、メチルエチルケトンまたはシクロヘキサノンなどの単純ケトンを用いて、アリルアミンのケチミンを生成し、次いで、用いられた酸触媒を中和した後、蒸留によってケチミンを精製することが説明されている。次いで、このケチミンを、白金触媒作用下でヒドリドシロキサンと反応させる。最後に、ケチミン基が、酸触媒による加水分解によって除去される。ケチミン基を除去するのに用いられた酸触媒は、好ましくは酸性活性白土である。
【0015】
‘393および‘984に準拠した方法には、毒性の高いアリルアミンの反応を用いて、精製を要する中間体をもたらすという欠点がある。これにより、費用、ならびに毒性の中間体および副生成物の不必要な処理が加えられる。さらにこれらの方法では、ヒドロシリル化および次の工程の間に生成され得る、着色された不純物が除去されない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
したがって、本発明の組成物は、一般式(I)の、実質的に純粋なアミノアルキル官能性ポリシロキサンである。本発明は、制御された構造および高純度の直鎖状アミノ官能性ポリシロキサンを含む組成物を提供し、その組成物は、ポリシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを製造する方法において特に有用である。意外にも、アリルアミンとヒドリドシロキサンとのヒドロシリル化生成物に一般的なイミノアルキル不純物は、化学量論的過剰の強酸による加水分解によって、および高温かつ減圧で、アミノシロキサンの生成された酸性塩をストリップすることによって、効果的に除去できることが明らかになった。英国特許第2,185,984号に記載されている、触媒量の酸の使用は、イミノアルキル不純物の相当の部分を除去できなかった。なお、効果的にストリップすると、加水分解はさらにより成功する。塩基性触媒作用の条件下での、中和された加水分解生成物の蒸留分解(distillative cracking)によって、無着色のアミノアルキル官能性シロキサンを得ることができたことも意外であった。得られた、蒸留されたアミノアルキル官能性シロキサンは、本質的に無着色であり、イミノアルキルを含まず、塩基触媒による転位によって一般式(I)のポリシロキサンを製造するのに用いることができる。本発明の方法を用いる場合、イミノアルキルを含まないアミノ官能性シロキサンが高い収率で回収され、実際に全ての着色された不純物が蒸留液底部に残留していることが明らかになったのは特に意外であった。したがって、本発明のアミノアルキル官能性ポリシロキサンの転位を効果的に制御することができる。これにより、制御された構造のアミノアルキル官能性ポリシロキサンがもたらされる。
【0021】
本明細書で用いられるように、用語「ポリシロキサン」は、少なくとも1個のジシロキサン単位(−Si−O−Si−、式(I)のn=0)を含有する、オリゴマーおよびポリマーを含む。本明細書で用いられる用語、ヒドリドシロキサンは、末端H−Si官能基を有するポリジアルキルシロキサンを示す。
【0022】
本発明の組成物は、1.96以上2.00未満の範囲である、成分(A)および成分(B)の合計のNH
2官能性を有することを特徴とする。好ましくは、このNH
2官能性は、1.9600〜1.9999の範囲であり、より好ましくは1.980〜1.999の範囲である。最も好ましくは、NH
2官能性は、1.9860〜1.9990の範囲である。NH
2官能性は、本発明の組成物の成分(A)および成分(B)に存在する、1分子あたりのNH
2基の数を表す。基本的に、成分(A)のNH
2基が、本発明の分子の、このNH
2官能性に寄与する。しかし、成分(B)は、NH
2官能性を必ずしも含むわけではなく、したがって本発明の組成物の全体のNH
2官能性を低くする。さらに、本発明の組成物において任意である成分(C)は、少しもNH
2官能性を含まず、それ故にNH
2官能性に寄与しない。
【0023】
式(I)の純粋なシロキサンは、NH
2官能性2.0を有する。本発明の組成物の成分Bに対応する不純物(一般にイミノアルキル官能基だけではないが)は、観測されるNH
2官能性を2.0未満の値まで減らす。NH
2官能性を測定する方法は、当分野の技術者に既知である。好ましくは、NH
2官能性は、
1H−NMR分光法、IR分光法、または氷酢酸中で過塩素酸を用いた滴定法を用いて測定される。それらの技術は、例えば、J.Jiang、M.J.MacLachlan、Cationic Guest Inclusion in Widemouthed Schiff Base Macrocycles、Chem.Commun.2009、5695〜5697、G.Wang、G.Jiang、J.Zhang、Preparation,curing kinetic and properties of a novel amine with flexible polyoxypropylene side chain curing agent for epoxy resin、Thermochimic Acta、589(2014)197〜206、Anal.Chim.Acta.31(1964)、294〜296、またはUS3,497,485に説明されている。好ましくは、NH
2官能性は、
1H−NMR分光法を用いて測定される。
【0024】
成分(A)および成分(B)の合計のNH
2官能性は、次式に従って、
1H−NMRによって測定されるモル%不純物−CH官能性から計算される。
[NH
2官能性]=2.0×(1−[モル%不純物−CH]/100)
それによって、モルパーセント不純物−CH官能性は、組成物のCDCl
3溶媒中の
1H−NMRスペクトルの0.4〜0.7ppmの範囲で観測される、nは1または2であってもよい、Si−R
2基のSiC
Hn多重線シグナルの積分に対して、7.4〜7.7ppmの範囲に観測される、イミノアルキル基の不純物(N=C
H)シグナルの対応する面積積分から計算することができる。当分野の技術者は、R
2基の任意のHのそれぞれのシグナルを同定することができ、したがってそれぞれのNH
2官能性を計算することができる。好ましくは、組成物は、C3アルキル基であるR
2を含む。アミノ官能基に隣接するR
2には2種の可能な構造、Si−CH
2CH
2CH
2−NH
2およびSi−CH(CH
3)−CH
2−NH
2があり、それによってSiC
H2シグナルおよびSiC
Hシグナルが、それぞれ0.46ppmおよび0.67ppmで観測される。R
2がC3アルキル基である、モルパーセント不純物−CHを計算するための、対応する式は、したがって
[モル%不純物−CH]=100×[Int(7.4〜7.7ppm)]/{[Int(0.46ppm)]/2+[Int(0.67ppm)]}
である。
【0025】
最も好ましくは、NH
2官能性は、CDCl
3中における、本発明の組成物の500MHz
1H−NMRスペクトルを用いて測定される。ここで、組成物はCH
2CH
2CH
2およびCH(CH
3)−CH
2であるR
2を含む。不純物を示す、7.4〜7.7ppmのシグナルは、7.4〜7.7ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分される。さらに、0.46ppmのピークは、0.3〜0.6ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分され、その積分値を1.0000に定める。最後に、0.67ppmのピークは、0.6〜0.75ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分される。モル%不純物−CHは、上記の式を用いて計算され、次いでその結果を用いて、上記の式によってNH
2官能性を決定する。
【0026】
本発明の組成物は、成分(A)、成分(B)、および場合により成分(C)を含む、または他の実施形態において、成分(A)、成分(B)、および場合により成分(C)から本質的になる、ならびに他の実施形態において、成分(A)、成分(B)、および場合により成分(C)からなる。好ましい一実施形態において、本発明の組成物は、成分(A)、成分(B)、および場合により成分(C)から本質的になる。用語「から本質的になる(essentially consists of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」は、ここで、および出願全体において、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを調製する方法で用いられる、本発明の組成物の機能に影響を及ぼさない限り、または不都合でない限り、組成物が、成分(A)、成分(B)、および成分(C)とは別にさらなる成分を含むことができることを意味しようというものである。
【0027】
一実施形態において、本発明の組成物は、任意の化合物(C)を含まない。他の実施形態において、本発明の組成物は、化合物(C)を含む。後者の実施形態において、成分(C)は、成分(A)および成分(B)の量の合計に対して、好ましくは20重量パーセント未満の量で、より好ましくは15重量パーセント未満の量で、さらにより好ましくは10重量パーセント未満の量で存在する。さらに、成分(C)は、組成物全体の全重量に対して、好ましくは20重量パーセント未満の量で、より好ましくは15重量パーセント未満の量で、さらにより好ましくは10重量パーセント未満の量で存在する。
【0028】
成分(C)は、本発明の組成物に存在する場合、少しもNH
2官能性を含まない。成分(C)は、(A)および(B)とは異なるので、特にヒドロシリル化から得られる、一般式(IV)のイミノアルキル官能基を含有する不純物を含むこともない
【0029】
【化5】
(式中、R
a、R
b、R
1、およびR
2は、上記で定められた通りである)。好ましくは、成分(C)は少しも窒素官能性を含まない。さらに、好ましくは、成分(C)は、化合物(A)および場合により化合物(B)を、有機モノマーと重合反応させてポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを生成する際に用いられる場合に不活性である、任意の化合物、好ましくは有機化合物である。好ましくは、この文脈における表記「不活性」は、化合物が、重合反応の有機モノマーと反応せず、それ故、好ましくは、反応によって形成されるブロックコポリマー自体の主鎖に組み込まれないことを意味する。成分(C)は、好ましくは、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマー生成反応において、ブロックコポリマー生成を減らし、分子量の制御を難しくする、望ましくない連鎖停止をもたらさず、生成されたブロックコポリマーの望ましくない着色の増加をもたらさない。最も好ましくは、成分(C)は、成分(A)および成分(B)と相溶性である。少なくとも1種の非官能性ポリシロキサン、または極性もしくは非極性の有機化合物で構成される成分(C)が特に好ましい。任意の成分(C)の例には、非官能性の、すなわち官能基を含まないポリシロキサン、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘプタシロキサン、もしくはヘキサメチルジシロキサンなどの、環状または直鎖状のポリジアルキルシロキサン、またはヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ジブチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、オレオイルアルコール、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの有機化合物が挙げられる。
【0030】
好ましくは、式(I)の末端Si原子は、少なくとも1個の水素置換基を有するR
2基の炭素原子に独立して結合されている。
【0031】
好ましい一実施形態において、nは0〜200である。より好ましくは、nは0〜100である。さらにより好ましくは、R
1はメチルを表し、および/またはR
2は3個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状の、二価のラジカルを表す。さらにより好ましくは、nは0〜200であり、R
1はメチルを表し、R
2は3個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状の、二価の有機ラジカルを表し、オレフィンアミンはアリルアミンである。
【0032】
好ましくは、R
1基は、独立して一価のメチル基またはフェニル基である。より好ましくは、R
1基は、メチルである。好ましくは、R
2基は、直鎖状または分枝鎖状の、二価の、C3アルキル基またはC4アルキル基である。より好ましくは、R
2基は、直鎖状または分枝鎖状の、二価のC3基である。さらに、R
2は少なくとも1個の水素原子を含むことが好ましい。さらにより好ましくは、R
2は、−CH
2CH
2CH
2−または−CH(CH
3)CH
2−である。
【0033】
一実施形態において、式(I)のnは0〜7であることが好ましい。他の実施形態において、式(I)のnは6〜2000であることが好ましい。
【0034】
成分(B)は、(A)とは異なる、少なくとも1種の化合物であり、白金触媒の存在下での、少なくとも1種のオレフィンアミンと少なくとも1種のヒドリドシロキサンとのヒドロシリル化によって得られる。この成分(B)は、好ましくは、一般に既知である、少なくとも1種のオレフィンアミンと少なくとも1種のヒドリドシロキサンとのヒドロシリル化反応の、少なくとも1種の副生成物を含む。この反応の主な生成物は、成分(A)である。このヒドロシリル化反応で用いられるオレフィンアミンは、遊離したアミノ官能基を含有する。これは、少なくとも1種のオレフィンアミンが、任意の保護基によって保護されていないことを意味する。
【0035】
好ましくは、少なくとも1種のオレフィンアミンは、一般的な構造(II)を有する。
R
3−CH=C(R
3)−CH(R
3)−NH
2 (II)
【0036】
(式中、各R
3が、水素および一価のC1〜C4アルキル基からなる群から独立して選択される)。好ましいオレフィンアミンの例には、アリルアミン、2−メチルアリルアミン、または2−ブテニルアミンが挙げられる。より好ましくは、少なくとも1種のオレフィンアミンはアリルアミンである。
【0037】
好ましくは、米国特許第5,026,890号、米国特許第4、649,208号、米国特許第5,892,084号、および米国特許第6,177,583号に記載されているように、成分(B)は、ヒドロシリル化反応のいずれかから得られる。これらの文献のそれぞれは、成分(B)を得るために用いられるヒドロシリル化反応条件に関して、参照によって本明細書に組み込まれている。また好ましくは、参照によってその全体が本明細書にそれぞれ組み込まれている、米国特許第2,823,218号、米国特許第3,159,662号、米国特許第3,220,972号、米国特許第3,522,327号、米国特許第3,715,334号、米国特許第3,715,452号、米国特許第4,288,345号、および米国特許第7,202,320号に記載されているように、白金ヒドロシリル化触媒のいずれかを用いることができる。好ましくは、成分(B)は、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する。より好ましくは、成分(B)は、式(IV)の少なくとも1種の構造を含有する、少なくとも1種の化合物を含む。さらに好ましくは、成分(B)は、酸化によって、一般式(I)のシロキサン、または少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有するポリシロキサンから生成され得る、少なくとも1種の着色された副生成物を含む。同様に好ましくは、成分(B)は、一般式(I)のシロキサン、または少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有するポリシロキサンを酸と反応させることによって生成される、少なくとも1種の着色された副生成物を含む。本明細書において「不純物」または「不純なアミノアルキル官能性ポリシロキサン」について言及する場合、言及される不純物は成分(B)である。好ましくは、本発明の組成物において、成分(B)は、成分(A)および成分(B)の合計の全重量に対して、0より多く約4重量パーセント以下の量で存在する。さらに好ましくは、本発明の組成物において、成分(B)は、成分(A)および成分(B)の合計に対して、0より多く約2モルパーセント以下の量で、より好ましくは、0より多く約1モルパーセント以下の量で、最も好ましくは、0より多く約0.5モルパーセント以下の量で存在する。本発明の組成物において、成分(B)は、成分(A)および成分(B)の合計の全重量に対して、0.0001重量パーセントより多い量で、または0.001重量パーセントより多い量で、または0.01重量パーセントより多い量で存在することができる。
【0038】
さらに好ましくは、本発明の組成物は、成分(B)が、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する少なくとも1種の化合物を含み、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する、この少なくとも1種の化合物が、成分(A)および成分(B)の合計の全重量に対して、0より多く約4重量パーセント以下の量で存在することを特徴とする。さらに好ましくは、本発明の組成物は、成分(B)が、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する少なくとも1種の化合物を含み、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する、この少なくとも1種の化合物が、成分(A)および成分(B)の合計に対して、0より多く約2モルパーセント以下の量で、より好ましくは、0より多く約1モルパーセント以下の量で、最も好ましくは、0より多く約0.5モルパーセント以下の量で存在することを特徴とする。本発明の組成物において、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する少なくとも1種の化合物は、成分(A)および成分(B)の合計の全重量に対して、0.0001重量パーセントより多い量で、または0.001重量パーセントより多い量で、または0.01重量パーセントより多い量で存在することができる。
【0039】
好ましくは、成分(B)の含量は、IRスペクトルを調べ、イミノアルキル官能基に特徴的な約1671cm
−1の吸収ピークの解析することによって決定される。ここで、この成分(B)は少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する。
【0040】
本発明の好ましい一実施形態において、本発明の組成物は、ハーゼンによる、100未満の範囲の、すなわち0〜100の範囲の着色を有する。好ましくは、この範囲は、本明細書で用いられる表記「無着色」または「本質的に無着色」を言及した場合に用いられる。ハーゼンによる着色の測定は、当分野の技術者に既知であり、好ましくはASTM D1209に準拠して測定される。
【0041】
本発明の他の態様において、本質的に無着色であり、すなわちハーゼン数(Hazen Number)100未満を示し、1.96より高いNH
2官能性を有する、一般式(I)のアミノ官能性ポリシロキサンであって、
【0042】
【化6】
(式中、R
1、R
2は、上記で定められたものであり、nは0〜7の整数である)ポリシロキサンが、
【0043】
i)0より高く(例えば、>1.5もしくは>1.6もしくは>1.7もしくは>1.8など)1.96未満のNH
2官能性を有し、および/または100より大きいハーゼン数の着色を有する、アミノアルキル官能性ポリシロキサンを、NH
2基に対して過剰の、pKa≦5.5を有する酸、および過剰の水(過剰の水は、用いられる酸のモルに対する水のモルに関係する。好ましくは、酸1モルあたり少なくとも水3モルが用いられる。最も好ましくは、酸1モルあたり少なくとも水10モルなどの、大過剰の水が用いられる)と反応させて、プロトン化アミノアルキル官能性ポリシロキサンをもたらすステップと、
【0044】
ii)ステップi)の生成物に存在する揮発性化合物を、不活性キャリアガスを場合により用いて、約40〜約250℃の温度で、約0.1〜約1030mbarで、蒸留することによって除去して、脱揮されたより高沸点の生成物プロトン化アミノアルキル官能性ポリシロキサンをもたらすステップと、
【0045】
iii)ステップii)の、得られた、脱揮されたより高沸点の生成物を、少なくとも1種の塩基で中和して、高沸点アミノアルキル官能性ポリシロキサンをもたらすステップと、
【0046】
iv)少なくとも1種の塩基の存在下で、ステップiii)の高沸点アミノアルキル官能性ポリシロキサン生成物を解重合し、生成物を、約60℃〜約250℃の温度で、約0.1〜約1030mbarで、蒸留することによって単離して、式(I)のアミノ官能性ポリシロキサンをもたらすステップと
を含む方法によって製造される、アミノ官能性ポリシロキサンが提供される。
【0047】
本発明の他の態様において、一般式(I)のアミノアルキル官能性ポリシロキサンを精製する方法であって、
【0049】
(式中、R
1、R
2は、上記で定められたものであり、nは整数0〜7である)、その方法が、
【0050】
i)
(A)一般式(I)の、少なくとも1種のアミノアルキル官能性ポリシロキサンと、
(B)白金触媒の存在下での、少なくとも1種のオレフィンアミンと少なくとも1種のヒドリドシロキサンとのヒドロシリル化によって得られる、(A)とは異なる、少なくとも1種の化合物と
を含み、NH
2官能性が、0より高いものの(例えば、>1.5または>1.6または>1.7または>1.8など)1.96未満である、組成物を、化学量論的過剰の、pKa≦5.5を有する、少なくとも1種の酸および過剰の水(過剰の水は、用いられる酸のモルに対する水のモルに関係する。好ましくは、酸1モルあたり少なくとも水3モルが用いられる。最も好ましくは、酸1モルあたり少なくとも水10モルなどの、大過剰の水が用いられる)と反応させるステップであって、化学量論的過剰の酸が(A)および(B)を含む組成物のNH
2官能性を基準とする、ステップと、
【0051】
ii)ステップi)の生成物に存在する揮発性化合物を、不活性キャリアガスを場合により用いて、約40〜約250℃の温度で、約0.1〜約1030mbarで、蒸留することによって除去するステップと、
【0052】
iii)ステップii)の、得られた、脱揮されたより高沸点の生成物を、少なくとも1種の塩基で中和するステップと、
【0053】
iv)少なくとも1種の塩基の存在下で、ステップiii)の生成物を解重合し、生成物を、約60℃〜約250℃の温度で、約0.1〜約1030mbarで、蒸留することによって単離するステップと
を含む、方法が提供される。
【0054】
好ましくは、本発明のステップi)は、約15〜約45℃の温度範囲で実施される。好ましくは、ステップii)は、約0.2〜約1030mbarで実施される。さらに好ましくは、本発明のステップiv)は、約0.2〜約1030mbarで実施される。
【0055】
本発明によれば、例えば、ステップiii)に関して用いられる用語「中和する」または「中和」は、好ましくは、ステップi)で用いられた酸を中和し、遊離のアミノアルキル基の生成をもたらすことを意味する。
【0056】
本発明によれば、用語「精製する方法」は、好ましくは、少なくとも1種の成分(B)を、(A)および(B)を含む初期の組成物から除去する方法に関連する。それによって、得られた組成物の純度が、成分(A)に関して改良される。好ましくは、この純度は、組成物のNH
2官能性によって示される。組成物の純度、すなわち組成物の成分(A)の濃度がより高いほど、組成物のNH
2官能性はより高くなる。最も好ましくは、精製する方法のステップi)において適用される組成物(A)および組成物(B)は、白金触媒の存在下での、少なくとも1種のオレフィンアミンと少なくとも1種のヒドリドシロキサンとのヒドロシリル化反応の直接生成物である。好ましくは、「直接」は、本発明の精製する方法を実施する前に、さらなる精製、すなわち得られた組成物の成分(A)の増加が実施されていないことを意味する。これは、溶媒の除去、触媒などを除去するための吸着剤および/または濾過による処理などの、一般的な方法ステップを実施することはできるが、生成物は依然としてヒドロシリル化反応の直接生成物であることを意味する。それらのステップを実施することにより、組成物の成分(A)が増加することになるが、この増加は意図的なものではなく、吸着剤またはフィルタ材などへの成分(B)の付着によるものである。
【0057】
より好ましくは、方法ステップi)は、上記の(すなわち、先行技術において既知である)ヒドロシリル化工程のいずれかの直接生成物を用いて実施される。好ましくは、ステップi)で用いられたこの組成物は、ハーゼンによる、100〜500の範囲の着色を有する。
【0058】
好ましくは、成分(A)および成分(B)は、上記の好ましい実施形態において説明されたものである。より好ましくは、ステップi)の組成物は、場合により、上記で定められた、少なくとも1種の化合物(C)をさらに含む。
【0059】
好ましくは、ステップi)で用いられた組成物の、すなわち成分(A)および成分(B)の合計の、NH
2官能性は、1以上1.96未満の範囲であり、より好ましくは1.5〜1.96の範囲であり、最も好ましくは1.80〜1.94の範囲である。
【0060】
他の態様において、本発明は、本質的に無着色であり、イミノアルキル官能性不純物を本質的に含まない、一般式(I)のアミノ官能性ポリジオルガノシロキサンを製造する方法であって、前述されたステップi)〜iv)を含む、方法に関連する。本発明によれば、式(I)が「イミノアルキル官能性不純物を含まない」または「イミノアルキルを含まない」と言及する場合、好ましくは、定められたNH
2官能性を有する、本発明の組成物が説明される。これは、好ましくは、組成物(A)、組成物(B)、および場合により組成物(C)が、少なくとも1種のイミノアルキル官能基を含有する成分(B)を本質的に含まないことを意味する。
【0061】
本発明のさらなる他の態様において、ポリシロキサンが、ハーゼン数100未満を示し、本質的に無着色であり、1.96より高いNH
2官能性を有する、一般式(I)のアミノアルキル官能性ポリシロキサンであって、
【0063】
(式中、R
1、R
2は上記で定められたものであり、nは6〜2000の整数である)ポリシロキサンが、
【0064】
v)本発明のアミノアルキル官能性ポリシロキサン、または本発明の精製する方法の生成物を、少なくとも1種の塩基触媒と、場合により、追加のシクロポリジアルキルシロキサンと、約60〜約200℃の温度で、転位に十分な時間で、反応させるステップと、
【0065】
vi)ステップv)の生成物の、少なくとも1種の塩基触媒を不活性化するステップと、
【0066】
vii)場合により、ステップvi)の生成物に蒸留するステップを施して、0.1〜1030mbarで、約60℃〜約250℃の温度の沸点を有する、少なくとも1種の化合物を除去するステップと
を含む方法によって得られる、アミノアルキル官能性ポリシロキサンが提供される。
【0067】
本発明によれば、ステップv)の「転位に十分な時間」は、当分野の技術者によって決定することができる。ステップv)は、平衡反応、またはシクロポリジアルキルシロキサンの存在下での、開環平衡反応を示す。したがって、好ましくは「転位に十分な時間」は、ステップv)で用いられる遊離体のnの平均を増やし、平衡に到達するために必要とされる時間を示す。好ましくは、反応混合物が、さらに反応時間があってもnの平均値が変化しない定常状態に達する場合、平衡に到達する。最も好ましくは、平衡で、反応混合物のシクロポリジアルキルシロキサンの総量は、全反応混合物の重量に対して、約15重量パーセント未満である。
【0068】
本発明のさらなる他の態様において、nが6〜2000の整数である、本発明の組成物をもたらす方法であって、上記方法が、前述されたステップv)〜vii)を含む、方法が提供される。
【0069】
さらなる他の態様において、本発明は、本質的に無着色であり、イミノアルキル不純物を含まない、一般式(I)のアミノ官能性ポリシロキサンを、塩基触媒により分解するステップiv)から得られた、精製されたアミノアルキル官能性シロキサンの転位によって製造する方法であって、前述されたステップv)〜vii)を含む、方法に関連する。
【0070】
本発明の方法ステップi)には、不純なアミノアルキル官能性ポリシロキサン/(A)および(B)を含む組成物を、好ましくは、化学量論的過剰の、pKa≦5.5を有する過剰の酸100モル%当量および過剰の水で処理することが含まれる。本発明によれば、この方法ステップの化学量論的過剰の酸は、1.0より大きい、用いられたH
+イオンの、組成物中に存在する−NH
2基に対するモル比に関係する。過剰の水は、用いられた酸のモルに対する、水のモルに関係する。好ましくは、酸1モルあたり少なくとも3モルの水が用いられる。最も好ましくは、酸1モルあたり少なくとも10モルの水などの、大過剰の水が用いられる。本発明の酸は、アミノアルキル官能基をプロトン化することができる任意の酸であってもよい。好ましい酸には、酢酸、塩酸、および硫酸が挙げられるが、他の有機酸および無機酸を用いることもできる。好ましくは、一実施形態において、本発明の全ての態様において、反応させるステップi)の少なくとも1種の酸は塩酸である。水溶液として酸を添加することが好ましい。酸処理されたアミノアルキル官能性シロキサンの粘度の制御を容易にするために、追加の水および/または溶媒を添加することができる。好ましい溶媒には、イソプロパノール、イソブタノール、または2−メトキシプロパノールなどのアルコールが挙げられる。酸処理は、発熱を伴い、したがって、反応混合物の温度を0〜約60℃の範囲に制御するために、冷却することが好ましい。反応温度を約10〜約30℃の範囲に制御することが最も好ましい。
【0071】
本発明の方法ステップii)は、ステップi)の酸処理されたシロキサンを、約40〜約250℃の温度でストリップすることを含む。常圧でストリップすることも可能であるが、減圧を用いることがより有効であり、好ましい。少なくとも約50℃で、より好ましくは約55〜約120℃の温度で、約25mbarより低い圧力で、より好ましくは約5mbarより低い圧力で、酸処理されたシロキサンをストリップすることが好ましい。僅かな量の加水分解副生成物の除去を容易にするために、窒素スパージ(nitrogen sparge)を用いることができる。理論に束縛されるものではないが、化学量論量の、少なくとも1種の酸による加水分解によって、遊離の有機カルボニル副生成物の生成がもたらされ、ストリップするステップii)の間に除去されると考えられる。
【0072】
本発明の方法ステップiii)は、得られた、塩基でストリップされたシロキサンを中和することを含む。一実施形態において、水中の、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、およびリン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムなどの、1種または複数の無機塩基の水溶液を用いることが好ましいが、他の塩基を用いることもできる。過剰の、こうした塩基を用いることが好ましい。中和の後、アミノ官能性シロキサンを場合により水で洗浄してもよく、水相はデカントされる。この水洗浄は、必要であれば繰り返すことができる。
【0073】
本発明の方法ステップiv)は、塩基触媒によって分解すること、および精製されたアミノアルキル官能性ポリシロキサン混合物を蒸留することによって単離することを含む。中和するステップiii)で用いられた過剰の塩基を触媒として用いることができる。初めに、中和されたアミノ官能性シロキサンを水で洗浄し、水相をデカントして過剰の塩を除去した後、追加の塩基触媒を添加することが好ましい。好ましくは、一実施形態において、本発明の全態様において、ステップiv)の塩基触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、またはその関連するシラノレートである。他の塩基を用いることもできる。好ましくは、pKa>10の塩基が用いられる。ステップiv)は、約60〜約250℃の温度で実施される。精製されたアミノアルキル官能性シロキサン混合物の蒸留による回収を促すのに、減圧をかけることが好まれる。約70〜約160℃の温度、および約10mbar未満の圧力を用いることが好ましい。約80〜約130℃の温度、および約5mbar未満の圧力がより好ましい。場合により、高沸点アルコールなどの、より高沸点の有機化合物を、反応底部を流動化させるのを促すために添加することができる。C18〜C30第一級アルコールを用いることが好ましい。精製されたアミノアルキル官能性ポリシロキサン混合物は、このステップで蒸留液として回収され、残留不純物、特に着色された化合物が蒸留液底部に残留している。特に初期の不純なアミノ官能性シロキサンが3よりも大きい値(n)を有した場合、この方法で得られた精製されたアミノアルキル官能性ポリシロキサンは、シクロポリジアルキルシロキサンと共に、式(I)のn=0〜7である、成分(A)および成分(B)の混合物として得られる。好ましい一実施形態において、ステップiv)の生成物は、n=0〜3である、成分(A)および成分(B)の混合物、ならびにシクロポリジアルキルシロキサンである。
【0074】
本発明の方法ステップv)は、ステップiv)で得られた、精製されたアミノアルキル官能性ポリシロキサン混合物を、場合により追加のシクロポリジアルキルシロキサンおよび塩基触媒と反応させることを含む。ステップiv)で得られた、精製されたアミノアルキル官能性ポリシロキサン混合物を、純粋な留分として、または任意の追加のシクロポリジアルキルシロキサンと共に、当分野で既知である塩基触媒と反応させて転位を引き起こす。この転位反応は、一般に平衡反応、または開環平衡反応と称される。この平衡反応は、例えば、T.C.Kendrick、B.Parbhoo、J.W.White、in The Chemistry of Organic Silicon Compounds、Wiley、New York、1989、1289〜1361ページに説明されており、参照によって本明細書に組み込まれている。好ましくは、一実施形態において、本発明の全態様において、ステップv)の塩基触媒は、水酸化カリウムもしくは水酸化セシウム、および/またはその関連するシラノレート、または第四級アンモニウムもしくはホスホニウム水酸化物またはその関連するシラノレートである。転位は、一般に約70〜約160℃の温度で実施されるが、触媒の、水酸化テトラアルキルアンモニウムまたは水酸化テトラアルキルホスホニウムは、約70〜約100℃で最も適切に用いられる。好ましくは、転位は、反応物および触媒のニートな混合物中で生じる。しかし、キシレンなどの不活性溶媒、1,2−ジメトキシプロパンまたはジメチルスルホキシドなどのエーテルが添加されるのは任意である。水酸化カリウムを含む触媒作用が好ましい。水酸化テトラメチルアンモニウムまたは水酸化テトラブチルアンモニウム、およびその対応するシラノレートを含む触媒作用もまた好ましい。こうしたシラノレートは、当分野で周知であり、一般に、対応する水酸化物をシクロポリジアルキルシロキサンと反応させることより得られる。これらの触媒は、例えば、A.R GilbertおよびS.W.Kantor、Journal of Polymer Science、XL巻、35〜58(1959)に説明されており、参照によってその全体が明細書に組み込まれている。
【0075】
転位反応するステップv)が完了した後、触媒は、本発明の方法ステップvi)で不活性化される。水酸化カリウムまたは水酸化セシウムは、好ましくは、リン酸および/またはそのエステル、とりわけ対応するシロキサンエステルで中和される。水酸化テトラアルキルアンモニウムまたは水酸化テトラアルキルホスホニウム、およびその関連するシラノレートは、高温、例えば、約120〜約160℃の温度での熱分解によって不活性化される。他の塩基触媒および中和剤を、ステップv)およびステップvi)において用いることもできる。
【0076】
任意の本発明の方法ステップvii)において、約0.1〜約1030mbarで、約60℃〜約250℃の範囲の沸点を有する揮発性シロキサン、とりわけ過剰のシクロポリジアルキルシロキサンは、高温かつ減圧でストリップすることによって、転位アミノアルキル官能性ポリシロキサンから除去される。約5mbarで、約60℃〜約150℃の範囲の沸点を有する揮発性シロキサンを除去することが好ましい。高温、特に約100〜約180℃、および約0.1〜約30mbar、好ましくは0.1〜5mbarを用いることがやはり好ましい。揮発性物質の除去を促すために、不活性ガスによるスパージングを用いることができる。
【0077】
本発明の他の態様において、本発明の組成物、または本発明のアミノアルキル官能性ポリシロキサンは、コポリマーブロックの少なくとも1種が、ポリウレタン、ポリイミド、およびポリエーテルイミドからなる群から選択される、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを製造する方法において用いられる。本発明によれば、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーは、好ましくは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、またはテトラブロックコポリマーを含む。
【0078】
本発明のさらなる他の態様において、本発明の組成物、または本発明のアミノアルキル官能性ポリシロキサンの重合によって得られる、少なくとも1種のブロックを含む、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーが提供される。
【0079】
好ましくは、本発明のポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーは、一般式の構造、
【0082】
【化11】
およびこれら一般的な構造の任意の組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1種のブロックセグメントであって(式中、n=0〜200、好ましくはn=6〜100)、
場合により、一般式の構造、
【0085】
【化14】
およびこれら一般的な構造の任意の組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1種の構造と組み合わされた、少なくとも1種のブロックセグメントを含む
(式中、aは、独立して1より大きい任意の数であるか、または1に等しく、
R
1およびR
2は、上記で定められた通りであり、
R
4は、Ar、あるいは−O−、−S−、−SO
2−、もしくは
【0086】
【化15】
からなる群から選択される、1種または複数の基を含むことができる、直鎖状または分枝鎖状の、二価のC6〜C20脂肪族ラジカルであり、
Yは、単結合、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、SO
2基、二価のC1〜C20脂肪族ラジカル、二価のC5〜C20シクロ脂肪族ラジカル、およびこの群の構成要素の組み合わせからなる群から選択され、
Arは、
【0087】
【化16】
から選択され、
Wは、単結合、酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、SO
2基、二価のC1〜C20脂肪族ラジカル、二価のC5〜C20シクロ脂肪族ラジカル、およびこの群の構成要素の組み合わせからなる群から選択され、
Vは、水素、C1〜C20アルキル、C1〜C20アルコキシ、およびハロゲン原子からなる群から独立して選択される、フェニル部分の少なくとも1種の置換基を示す)。
【0088】
さらなる他の態様において、本発明は、本発明の組成物、または本発明のアミノアルキル官能性ポリシロキサンを、一般的な構造
【0089】
【化17】
からなる群から選択される、1種もしくは複数の有機二無水物と、
【0090】
単独で、または一般的な構造(III)の、1種もしくは複数の非シロキサン有機ジアミンと共に、
【0092】
反応させる、ポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを調製する方法に関連する(式中、Y、Arは、上記で定められた通りであり、R
4は、上記で定められた通りである)。本発明の二無水物の、特に好ましい例は、
【0094】
本発明のジアミンの、特に好ましい例は、
【0095】
【化19】
である。この種のブロックコポリマーを調製する、一般的な方法は、当分野で既知であり、US3,325,450、US4,586,997、US4,395,527、またはUS4,670,497に説明されている。
【0096】
さらなる他の態様において、本発明は、本発明のポリオルガノシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを含む、成形品、形成物、および/または押出成形品に関連する。
【0097】
したがって、本発明は、制御された構造および構成であり、望ましくない着色された不純物および一般式(IV)のイミノアルキル官能性不純物の濃度が特に低い、直鎖状アミノアルキル官能性ポリシロキサンを含む組成物を提供する。本発明のアミノ官能性ポリシロキサンは、低度の着色および制御された分子量などの、改良された性質を有するポリシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマーを製造する方法において特に有用である。ポリシロキサン−ポリオルガノブロックコポリマー中の高濃度のイミノアルキル不純物は、高温および高湿度などの厳しい条件下で、安定性の低下をもたらすこともあり、本発明のブロックコポリマーは、これらの条件下でより安定である。
【0098】
以下の実施例は例示を意図するものであるが、本発明の範囲を制限するものではない。明示的に別段の定めをした場合を除き、全てのパーセント値は組成物の全重量に対する重量によるものであり、全ての温度は摂氏温度である。本明細書に引用された全ての特許出願、特許、および他の文献は、その全体を参照によって組み込まれている。
【実施例】
【0099】
明示的に別段の定めをした場合を除き、所与の全てのパーセント値は、重量パーセント値である。所与のNH
2官能性は、前述したように、
1H−NMRによって測定された。これは、CDCl
3中の生成物の500MHz
1H−NMRスペクトルが用いられたことを意味する。不純物を示す、7.4〜7.7ppmのシグナルは、7.4〜7.7ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分された。さらに、0.46ppmのピークは、0.3〜0.6ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分され、その積分値を1.0000に定めた。最後に、0.67ppmのピークは、0.6〜0.75ppmに正確に設けられた範囲を用いて積分された。モル%不純物−CHは、上記の式を用いて計算され、次いでその結果を用いて、上記の式によってNH
2官能性を決定した。
【0100】
〔実施例1〕
アミン含量2.6mmolNH
2/g(NH
2 650mmol)、ハーゼン色値146、イミノアルキル基2.5モル%、および全アミン含量に対するNH
2官能性1.95を有する直鎖状アミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン250g、ならびに水40gを、滴下漏斗、温度計、蒸留受器を具備した凝縮器を備えた500ml反応器へ装入した。滴下漏斗に、水60gおよび35%塩酸水溶液72g(HCl 681mmol、105モル%)を装入し、装置全体を窒素雰囲気下に置いた。HCl/水溶液を、30℃より低い温度で、25分間かけて反応器へ加えた。次いで、Dowanol PM40gを添加し、反応混合物を1時間撹拌した。100℃および15mbarに到達するまで、加熱し、かつ真空にし、これらの条件を1時間保って、生成物をストリップした。反応器を55°Cまで冷却した。次いで、水100gおよび40%水酸化カリウム溶液95gを添加した。1時間撹拌した後、2相混合物を沈降させ、より低い方の相をデカントした。この中和されたシロキサンは、高度に着色されており、イミノプロピル基を本質的に全く含まない。
【0101】
中和されたシロキサンへ、40%水酸化カリウム溶液4gを添加し、分留のために、反応加熱(reaction heat)および真空を施した。2〜3mbarで、55〜104℃で得られた留分を回収した。この留分は、アミノ含量2.84mmol NH
2/g(81.7モル%収率)およびNH
2官能性1.99を有する、アミノプロピルシロキサンとシクロジメチルシロキサンとの、無着色かつイミノアルキルを本質的に含まない、混合物135gで構成された。
【0102】
〔実施例2〕
実施例1からのアミノプロピルシロキサンとシクロジメチルシロキサンとの混合物118g、および追加のオクタメチルシクロテトラシロキサン52.5gへ、テトラメチルアンモニウム含量約2.8%を有するテトラメチルアンモニウムシロキサノエート(tetramethylammonium siloxanoate)3.4gを添加し、その反応を窒素雰囲気下に置いた。反応混合物を、撹拌しながら80℃まで8時間加熱した。次いで、触媒を、150℃で1時間加熱することによって不活性化した。最後に、反応混合物から、1mbar未満、140℃で、過剰のシクロシロキサンをストリップし、濾過して、1.94mmol NH
2/g、ハーゼン色値23、25℃での粘度14.6mPa・s、
1H−NMRによるイミノアルキル含量0.08モル%、およびNH
2官能性1.9984を有するアミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン148gを得た。
【0103】
〔実施例3〕
実施例1と同様にして、アミン含量2.11mmol NH
2/g、ハーゼン色値413、イミノアルキル基7.5モル%、およびNH
2官能性1.85を有する直鎖状アミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン250gを酸で処理して、実施例2と同様にして、反応後、追加のオクタメチルシクロテトラシロキサンと共に、2.04mmol NH
2/g、ハーゼン色値37、25℃での粘度14.3mPa・s、
1H−NMRによるイミノアルキル含量0.2モル%、およびNH
2官能性1.996を有するアミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン196gの量を生成した。
【0104】
実施例1〜3の結果から明らかであるように、それぞれの遊離体よりも、より高い純度を有するアミノ官能性ポリシロキサンを得ることができる。遊離体のイミノアルキル含量は、本発明の方法ステップを用いて著しく減少した。さらに、生成物は本質的に無着色である。生成物を高い収率で得ることができる。
【0105】
〔実施例4〕(比較例)
含量2.47mmol(SiH)/gを有するヒドリド末端ポリジメチルシロキサン168.7g、およびアリルアミン31.3g(0.55モル)を、温度計、蒸留受器を具備した凝縮器を備えた500ml反応器へ装入し、不活性雰囲気下へ置いた。US6,177,583に記載された、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンのPt(0)錯体1%のキシレン中溶液1.2g(Pt 60ppm)を添加し、その反応を60℃まで3時間加熱した。管理試料により、SiH基が100%転化したことが測定された。次いで、反応生成物を、20mbar未満、150℃でストリップし、1時間保持し、周囲温度まで冷却し、Seitz K300フィルタで濾過して、25℃での粘度11.6mPa・s、ハーゼン色値454、アミン含量2.03mmolNH
2/gを有するアミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン125gを生成した。
1H−NMRによれば、生成物は、イミノアルキル基7.5モル%の含量、およびNH
2官能性1.85を有した。
【0106】
〔実施例5〕(比較例)
含量2.8mmol(SiH)/gを有するヒドリド末端ポリジメチルシロキサン151.4g、およびアリルアミン48.5g(0.85モル)を、温度計、蒸留受器を具備した凝縮器を備えた500ml反応器へ装入し、不活性雰囲気下へ置いた。US6,177,583に記載された、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンのPt(0)錯体1%のキシレン中溶液0.6g(Pt 30ppm)を添加し、その反応を60℃まで加熱し、還流で6時間保持した。反応中に温度を75℃まで上げた。管理試料により、SiH基が100%転化したことが測定された。次いで、反応生成物を、20mbar未満、150℃でストリップし、1時間保持し、周囲温度まで冷却し、Seitz K300フィルタで濾過して、25℃での粘度10.7mPa・s、ハーゼン色値181、アミン含量2.26mmol NH
2/gを有するアミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン163gを生成した。
1H−NMRによれば、生成物は、イミノアルキル基6.3モル%の含量、およびNH
2官能性1.874を有した。
【0107】
トルエンまたは2−メトキシプロパノールなどの極性溶媒、およびUS6,177,583にも記載された、ジビニルテトラメチルジシロキサンのPt(0)錯体、またはヘキサクロロ白金酸、またはUS3,220,972に記載の白金触媒、またはPt(NH
3)
2Cl
2などの他の触媒を用いることを含む、様々な反応条件の下でこれらの実験を繰り返すことによって、イミノアルキル基少なくとも3.0モル%またはNH
2官能性1.94未満を有する生成物が常にもたらされた。
【0108】
〔実施例6〕(比較例)
GB2,185,984に従って、アミン含量2.14mmol NH
2/gおよびイミノアルキル基5.31モル%を有する直鎖状アミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン100gを、トルエン40g、水40g、および酸性活性白土2g(Tonsil CO 614G、Clariant)で処理して、イミノアルキル含量5.15モル%およびNH
2官能性1.897を有する、単離されたアミノシロキサンを得た。
【0109】
〔実施例7〕(比較例)
アミン含量2.14mmol NH
2/g(NH
2 214mmol)およびイミノアルキル基5.31モル%を有する直鎖状アミノプロピル官能性ポリジメチルシロキサン100gを、水60gおよび35%塩酸水溶液10g(HCl 95mmol、44モル%)と反応させたが、実施例1とは異なり、中和の後、イミノアルキル含量4.47モル%およびNH
2官能性1.91を有するアミノシロキサンを生成した。
【0110】
本発明は、本発明の特定の実施形態に関して上記で説明されているが、本明細書に開示された本発明の概念を逸脱することなく、多くの変更、改変、および変動をもたらすことができることは明らかである。したがって、添付された特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内にある、全てのかかる変更、改変、および変動を含むことを意図する。