(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702661
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】プロファイル、プロファイル付きベルト、及び、プロファイル付きベルトの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65G 15/42 20060101AFI20200525BHJP
B29D 29/08 20060101ALI20200525BHJP
F16G 1/28 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
B65G15/42 Z
B29D29/08
F16G1/28 B
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-122541(P2015-122541)
(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公開番号】特開2017-7765(P2017-7765A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年1月4日
【審判番号】不服2019-8958(P2019-8958/J1)
【審判請求日】2019年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大崎 侑
【合議体】
【審判長】
大町 真義
【審判官】
平田 信勝
【審判官】
内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−152628(JP,A)
【文献】
特開2003−182827(JP,A)
【文献】
特開昭58−6803(JP,A)
【文献】
実開平5−64114(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/30-15/58
F16G 1/28
B29D 29/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体の背面側に設けられるプロファイル本体と、
前記プロファイル本体を支持し、前記ベルト本体におけるベルト長手方向の一部に取り付けられる支持部であって、前記ベルト本体の背面を支持する背面支持部と、前記ベルト本体の内面を支持する内面支持部と、前記ベルト本体の一方の側面を支持する第1側面支持部と、前記ベルト本体の他方の側面を支持する第2側面支持部とを有する支持部とを備え、
前記背面支持部、前記内面支持部、前記第1側面支持部及び前記第2側面支持部によって、前記一部が嵌合される空間であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した空間が画定され、
前記内面支持部と前記第1側面支持部との間に、前記空間に前記一部をベルト幅方向に挿入するための挿入口であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した挿入口が設けられており、
ベルト長手方向と直交する断面において、前記内面支持部と前記第1側面支持部との最短離隔距離によって定義される前記挿入口のサイズが、前記ベルト本体の厚みと同等であり、前記挿入口が、前記内面支持部の端面の全体が前記第一側面支持部の内面と平行であることにより、ベルト厚み方向に開口しており、前記内面支持部が、前記ベルト本体の内面におけるベルト幅方向の長さの60〜80%を支持し、
前記プロファイル本体には、アタッチメントを装着するための装着穴が設けられていることを特徴とする、プロファイル。
【請求項2】
前記ベルト本体は、内面に複数の歯が設けられた歯付ベルトであり、
前記内面支持部における前記内面を支持する面に、前記複数の歯の間に嵌合する少なくとも1つの凸部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のプロファイル。
【請求項3】
前記内面支持部における前記内面を支持する面に、複数の前記凸部が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のプロファイル。
【請求項4】
前記第1側面支持部は、前記ベルト本体の一方の側面におけるベルト厚み方向の長さの50%以上を支持することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロファイル。
【請求項5】
ベルト本体と、
前記ベルト本体に取り付けられた、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロファイルとを備えたことを特徴とする、プロファイル付きベルト。
【請求項6】
ベルト本体と、前記ベルト本体に取り付けられたプロファイルとを備えたプロファイル付きベルトの製造方法において、
前記ベルト本体を作製するベルト本体作製工程と、
前記ベルト本体の背面側に設けられるプロファイル本体と、前記プロファイル本体を支持し、前記ベルト本体におけるベルト長手方向の一部に取り付けられる支持部であって、前記ベルト本体の背面を支持する背面支持部と、前記ベルト本体の内面を支持する内面支持部と、前記ベルト本体の一方の側面を支持する第1側面支持部と、前記ベルト本体の他方の側面を支持する第2側面支持部とを有する支持部とを含む、前記プロファイルを作製するプロファイル作製工程と、
前記ベルト本体作製工程及び前記プロファイル作製工程の後、前記ベルト本体に前記プロファイルを取り付ける取付工程とを備え、
前記プロファイル作製工程において、
前記支持部を、前記背面支持部、前記内面支持部、前記第1側面支持部及び前記第2側面支持部によって、前記一部が嵌合される空間であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した空間が画定されるように、且つ、前記内面支持部と前記第1側面支持部との間に、前記空間に前記一部をベルト幅方向に挿入するための挿入口であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した挿入口が設けられ、ベルト長手方向と直交する断面において、前記内面支持部と前記第1側面支持部との最短離隔距離によって定義される前記挿入口のサイズが前記ベルト本体の厚みと同等となり、前記挿入口が、前記内面支持部の端面の全体が前記第1側面支持部の内面と平行であることにより、ベルト厚み方向に開口し、前記内面支持部が前記ベルト本体の内面におけるベルト幅方向の長さの60〜80%を支持するように、形成し、前記プロファイル本体には、アタッチメントを装着するための装着穴が設けられており、
前記取付工程において、
前記一部を前記挿入口からベルト幅方向に挿入して前記空間に嵌合させることで、前記ベルト本体に前記プロファイルを取り付けた後に、前記プロファイル本体に、前記装着穴を使ってアタッチメントを装着することを特徴とする、プロファイル付きベルトの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト本体に取り付けられるプロファイル、ベルト本体とプロファイルとを備えたプロファイル付きベルト、及び、プロファイル付きベルトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯付ベルトや平ベルト等のベルト本体に凸状のプロファイルを取り付け、プロファイルによって物品の搬送、配列、区分け等を行うことが知られている。また、プロファイルをベルト本体に取り付ける方法として、ベルト本体にプロファイルを溶融着させる方法(特許文献1参照)、ベルト本体に削除部(穴)を設け、当該削除部に結合部を充填したり係止ピンを設けたりする方法(特許文献2参照)、ベルト本体とプロファイルとを一体成形する方法(特許文献3参照)、ベルト本体に設けられた支持突部にプロファイルをアウトサート成形する方法(特許文献4参照)、ベルト本体の背面側に配置されるプロファイル本体とベルト本体の内面側に配置される挟持部とでベルト本体の側縁部を挟持する方法(特許文献5参照)等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−64114号公報
【特許文献2】特開2003−63630号公報
【特許文献3】特開2001−122415号公報
【特許文献4】特開2005−114175号公報
【特許文献5】特開2011−57380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、プロファイルの材料の選択に制約が生じ、また、プロファイルの交換が不可能である。特許文献2の方法では、ベルト本体に設けられた穴によってベルト本体の強度が低下し、特に穴の形成時にベルト本体に埋設された心線が切断されるとベルト本体の強度が大幅に低下し得る。特許文献3,4の方法では、ベルト本体及びプロファイルを成形するための金型を用意する必要があるため、製造コストの低減が困難であり、ベルト本体やプロファイルの形状・寸法の変更への対応も困難である。特許文献5の方法では、プロファイルのベルト本体への取り付け及びベルト本体からの取り外し(プロファイルの交換)を比較的容易に行うことができるものの、ベルト本体の側縁部のみを挟持する構成であるため、プロファイル付きベルトの駆動時等に、プロファイルがベルト本体から外れ易い。
【0005】
本発明の目的は、プロファイルの材料の選択に過度な制約が生じず、プロファイルの交換を容易に行うことができ、ベルト本体の強度低下が抑制され、製造コストを低減することができ、ベルト本体やプロファイルの形状・寸法の変更への対応が容易であり、且つ、プロファイルがベルト本体から外れ難い、プロファイル、プロファイル付きベルト、及び、プロファイル付きベルトの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点によると、ベルト本体の背面側に設けられるプロファイル本体と、前記プロファイル本体を支持し、前記ベルト本体におけるベルト長手方向の一部に取り付けられる支持部であって、前記ベルト本体の背面を支持する背面支持部と、前記ベルト本体の内面を支持する内面支持部と、前記ベルト本体の一方の側面を支持する第1側面支持部と、前記ベルト本体の他方の側面を支持する第2側面支持部とを有する支持部とを備え、前記背面支持部、前記内面支持部、前記第1側面支持部及び前記第2側面支持部によって、前記一部が嵌合される空間であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した空間が画定され、前記内面支持部と前記第1側面支持部との間に、前記空間に前記一部をベルト幅方向に挿入するための挿入口であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した挿入口が設けられており、ベルト長手方向と直交する断面において、前記内面支持部と前記第1側面支持部との最短離隔距離によって定義される前記挿入口のサイズが、前記ベルト本体の厚みと同等であり、前記挿入口が、
前記内面支持部の端面の全体が前記第一側面支持部の内面と平行であることにより、ベルト厚み方向に開口しており、前記内面支持部が、前記ベルト本体の内面におけるベルト幅方向の長さの60〜80%を支持
し、前記プロファイル本体には、アタッチメントを装着するための装着穴が設けられていることを特徴とする、プロファイルが提供される。
【0007】
本発明の第2観点によると、ベルト本体と、前記ベルト本体に取り付けられた、上記第1観点に係るプロファイルとを備えたことを特徴とする、プロファイル付きベルトが提供される。
【0008】
本発明の第3観点によると、ベルト本体と、前記ベルト本体に取り付けられたプロファイルとを備えたプロファイル付きベルトの製造方法において、前記ベルト本体を作製するベルト本体作製工程と、前記ベルト本体の背面側に設けられるプロファイル本体と、前記プロファイル本体を支持し、前記ベルト本体におけるベルト長手方向の一部に取り付けられる支持部であって、前記ベルト本体の背面を支持する背面支持部と、前記ベルト本体の内面を支持する内面支持部と、前記ベルト本体の一方の側面を支持する第1側面支持部と、前記ベルト本体の他方の側面を支持する第2側面支持部とを有する支持部とを含む、前記プロファイルを作製するプロファイル作製工程と、前記ベルト本体作製工程及び前記プロファイル作製工程の後、前記ベルト本体に前記プロファイルを取り付ける取付工程とを備え、前記プロファイル作製工程において、前記支持部を、前記背面支持部、前記内面支持部、前記第1側面支持部及び前記第2側面支持部によって、前記一部が嵌合される空間であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した空間が画定されるように、且つ、前記内面支持部と前記第1側面支持部との間に、前記空間に前記一部をベルト幅方向に挿入するための挿入口であって、前記支持部をベルト長手方向に貫通した挿入口が設けられ、ベルト長手方向と直交する断面において、前記内面支持部と前記第1側面支持部との最短離隔距離によって定義される前記挿入口のサイズが前記ベルト本体の厚みと同等となり、前記挿入口が
、前記内面支持部の端面の全体が前記第1側面支持部の内面と平行であることにより、ベルト厚み方向に開口し、前記内面支持部が前記ベルト本体の内面におけるベルト幅方向の長さの60〜80%を支持するように、形成し、
前記プロファイル本体には、アタッチメントを装着するための装着穴が設けられており、前記取付工程において、前記一部を前記挿入口からベルト幅方向に挿入して前記空間に嵌合させることで、前記ベルト本体に前記プロファイルを取り付け
た後に、前記プロファイル本体に、前記装着穴を使ってアタッチメントを装着することを特徴とする、プロファイル付きベルトの製造方法が提供される。
【0009】
上記第1〜第3観点によれば、プロファイルを溶融着させる構成ではなく、ベルト本体の一部を、内面支持部と第1側面支持部との間に設けられた挿入口から、ベルト幅方向に挿入し、空間に嵌合させる構成を採用したことで、プロファイルの材料の選択に過度な制約が生じず、また、プロファイルの交換を容易に行うことができる(例えば、寿命に達したプロファイルを新しいものに容易に交換することができる)。しかも、ベルト本体に穴を設ける必要がないため、ベルト本体の強度低下が抑制される。さらに、高価な金型が不要なため、製造コストを低減することができ、ベルト本体やプロファイルの形状・寸法の変更への対応も容易である。またさらに、背面支持部と内面支持部とによってベルト本体をベルト厚み方向に挟持し、且つ、第1側面支持部と第2側面支持部とによってベルト本体をベルト幅方向に挟持する構成であると共に、挿入口のサイズがベルト本体の厚みと同等であることから、プロファイル付きベルトの駆動時等に、プロファイルがベルト本体から外れ難い。
【0010】
前記ベルト本体は、内面に複数の歯が設けられた歯付ベルトであり、前記内面支持部における前記内面を支持する面に、前記複数の歯の間に嵌合する少なくとも1つの凸部が設けられてよい。
【0011】
上記構成によれば、ベルト長手方向において、プロファイルをベルト本体に対してガタつきなく固定することができる。
【0012】
前記内面支持部における前記内面を支持する面に、複数の前記凸部が設けられてよい。
【0013】
上記構成によれば、ベルト長手方向においてプロファイルをベルト本体に対してガタつきなく固定することができるという効果を、より確実に得ることができる。
【0015】
上記構成によれば、プロファイルがベルト本体から外れ難いという効果を、より確実に得ることができる。
【0016】
前記第1側面支持部は、前記ベルト本体の一方の側面におけるベルト厚み方向の長さの50%以上を支持してよい。
【0017】
上記構成によれば、プロファイルがベルト本体から外れ難いという効果を、より確実に得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プロファイルを溶融着させる構成ではなく、ベルト本体の一部を、内面支持部と第1側面支持部との間に設けられた挿入口から、ベルト幅方向に挿入し、空間に嵌合させる構成を採用したことで、プロファイルの材料の選択に過度な制約が生じず、また、プロファイルの交換を容易に行うことができる(例えば、寿命に達したプロファイルを新しいものに容易に交換することができる)。しかも、ベルト本体に穴を設ける必要がないため、ベルト本体の強度低下が抑制される。さらに、高価な金型が不要なため、製造コストを低減することができ、ベルト本体やプロファイルの形状・寸法の変更への対応も容易である。またさらに、背面支持部と内面支持部とによってベルト本体をベルト厚み方向に挟持し、且つ、第1側面支持部と第2側面支持部とによってベルト本体をベルト幅方向に挟持する構成であると共に、挿入口のサイズがベルト本体の厚みと同等であることから、プロファイル付きベルトの駆動時等に、プロファイルがベルト本体から外れ難い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルトが駆動プーリ及び従動プーリに巻回された状態を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルトにおいて、プロファイルにアタッチメントが装着された状態を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルトにおける、
図1に示す方向IIIから見た平面図である。
【
図4】(a)は、本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルトのベルト本体を示す部分断面斜視図である。(b)は、ベルト本体における
図4(a)に示すIVB−IVB線に沿った部分断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るプロファイルを示す斜視図である。
【
図6】(a)は、本発明の一実施形態に係るプロファイルにおける、
図5に示すVIA−VIA線に沿った断面図である。(b)は、本発明の一実施形態に係るプロファイルにおける、
図5に示すVIB方向から見た側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルトの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態に係るプロファイル付きベルト1は、
図1に示すように、無端状(環状)のベルト本体10と、ベルト本体10に対してベルト幅方向に着脱可能なプロファイル20とを有する。ベルト1は、例えば、駆動プーリ51及び従動プーリ52に巻回され、プーリ51,52の回転に伴い走行する。
【0021】
ベルト本体10は、弾性材料(例えば、ポリウレタン等のエラストマー)からなり、注型成形等で形成されたものである。ベルト本体10は、内面10xに複数の歯11が設けられた歯付ベルトである。複数の歯11は、ベルト幅方向にそれぞれ延在し、且つ、ベルト長手方向に所定の間隔で互いに離隔して配置されている。また、ベルト本体10は、ベルト長手方向に延在する心線15(
図4(a),(b)参照)を有する。
【0022】
プロファイル20は、例えば樹脂(ABS樹脂等)からなり、射出成形等で形成されたものである。プロファイル20は、ベルト本体10の背面10y側に設けられるプロファイル本体21と、プロファイル本体21を支持し、ベルト本体10におけるベルト長手方向の一部に取り付けられる支持部22とを有する。支持部22は、プロファイル本体21とベルト本体10の背面10yとの間に配置される。
【0023】
プロファイル本体21におけるベルト幅方向の両側面(ベルト長手方向に沿って延在する2つの側面)には、アタッチメント装着穴21aが設けられている。
図2に示すように、各アタッチメント装着穴21aにボルト等の固定部材150を挿入して、アタッチメント100をプロファイル20に装着することができる。プロファイル20に装着されたアタッチメント100にワーク200を載置し、ベルト1を走行させることで、ワーク200を搬送することができる。
【0024】
プロファイル本体21は、
図3及び
図5に示すように、略直方体形状であって、ベルト幅方向に関してベルト本体10と同じ長さを有する。一方、支持部22は、ベルト幅方向に関して、ベルト本体10及びプロファイル本体21よりも長く、ベルト本体10の両側面10z1,10z2及びプロファイル本体21の両側面よりも外側に突出している。
【0025】
支持部22は、
図5及び
図6(a),(b)に示すように、ベルト本体10の背面10yを支持する背面支持部22aと、ベルト本体10の内面10xを支持する内面支持部22bと、ベルト本体10の一方の側面10z1を支持する第1側面支持部22cと、ベルト本体10の他方の側面10z2を支持する第2側面支持部22dとを有する。本実施形態において、内面支持部22bは、ベルト本体10の内面10xにおけるベルト幅方向の長さの70〜80%を支持する。また、第1側面支持部22cは、ベルト本体10の一方の側面10z1におけるベルト厚み方向の長さ(=ベルト本体10の厚みD)の50%以上を支持する。
【0026】
背面支持部22a、内面支持部22b、第1側面支持部22c及び第2側面支持部22dによって、ベルト本体10におけるベルト長手方向の一部が嵌合される空間22Vが画定されている。空間22Vは、支持部22をベルト長手方向に貫通している。
【0027】
空間22Vの幅及び高さは、それぞれ、ベルト本体10の幅W及び厚みD(
図4(a),(b)参照)に相応した寸法である(ただし、ある程度の誤差は許容される)。即ち、
図6(a)に示すように、背面支持部22aにおける空間22Vを画定する部分のベルト幅方向の長さLaは、ベルト本体10の幅Wと略同じ(「略同じ」とは、全く同じであることに限定されず、ある程度の誤差が許容されることを意味する。以下同様。)である。また、第2側面支持部22dにおける空間22Vを画定する部分のベルト厚み方向の長さLdは、ベルト本体10の厚みDと略同じである。一方、第1側面支持部22cにおける空間22Vを画定する部分のベルト厚み方向の長さLcは、ベルト本体10の厚みDよりも小さい。また、内面支持部22bにおける空間22Vを画定する部分のベルト幅方向の長さLbは、ベルト本体10の幅Wよりも小さい。
【0028】
内面支持部22bと第1側面支持部22cとの間には、空間22Vにベルト本体10におけるベルト長手方向の一部をベルト幅方向に挿入するための挿入口22zが設けられている。挿入口22zは、支持部22をベルト長手方向に貫通している。
【0029】
図6(a)に示すように、ベルト長手方向と直交する断面において、内面支持部22bと第1側面支持部22cとの最短離隔距離によって定義される挿入口22zのサイズLzは、ベルト本体10の厚みDと同等(即ち、略同じ)である。
【0030】
内面支持部22bにおけるベルト本体10の内面10xを支持する面には、
図6(a),(b)に示すように、複数(好ましくは、5〜10個)の凸部22bpが設けられている。各凸部22bpは、内面10xに形成された歯11の間に嵌合するものであり、歯11の形状に対応した形状を有する。したがって、各凸部22bpの高さは各歯11の高さと略同じであり、各凸部22bpの先端と背面支持部22aにおける空間22Vを画定する部分とのベルト厚み方向の間隔は、ベルト本体10の背厚d(
図4(a),(b)参照。ベルト本体10において歯11が設けられていない部分の厚み)と略同じである。
【0031】
次いで、
図7を参照し、プロファイル付きベルト1の製造方法について説明する。
【0032】
本実施形態に係る製造方法は、ベルト本体10を作製するベルト本体作製工程S1と、プロファイル20を作製するプロファイル作製工程S2と、ベルト本体10にプロファイル20を取り付ける取付工程S3とを有する。
【0033】
ベルト本体10及びプロファイル20の材料や具体的な作製方法は、上述のとおりである。
【0034】
プロファイル作製工程S2においては、プロファイル本体21と空間22V及び挿入口22zが形成された支持部22とを含むプロファイル20を作製する。このとき、プロファイル本体21と支持部22とを、一体的に形成してもよいし、個別に形成した後に互いに固定してもよい。また、空間22V及び挿入口22zを有さないプロファイル前駆体を形成した後、当該プロファイル前駆体に空間22V及び挿入口22zの切削加工を行うことで、プロファイル20を作製してもよい。
【0035】
取付工程S3では、ベルト本体10におけるベルト長手方向の一部を挿入口22zからベルト幅方向に挿入して空間22Vに嵌合させることで、ベルト本体10にプロファイル20を取り付ける。このとき、ベルト本体10におけるベルト長手方向の一部は、ベルト幅方向に若干屈曲されながら、ベルト幅方向の一端(他方の側面10z2を含む部分)から、挿入口22zに挿入される。当該一部が空間22Vに対してベルト幅方向に移動される過程において、背面10y及び内面10xは、それぞれ、第1側面支持部22cにおける挿入口22zを画定する部分及び内面支持部22bにおける挿入口22zを画定する部分と接触し、その後、背面支持部22a及び内面支持部22bに摺接する。取付工程S3の終了時において、当該一部は、背面10yが背面支持部22a、内面10xが内面支持部22b、一方の側面10z1が第1側面支持部22c、他方の側面10z2が第2側面支持部22dにそれぞれ接触した状態であり、プロファイル20の支持部22によって適切に支持される。
【0036】
ベルト本体10からプロファイル20を取り外す際には、ベルト本体10におけるベルト長手方向の一部は、ベルト幅方向の他端(一方の側面10z1を含む部分)から、ベルト幅方向に若干屈曲されながら、挿入口22zから引き出される。当該一部が空間22Vに対してベルト幅方向に移動される過程において、上記と同様、背面10y及び内面10xは、それぞれ、第1側面支持部22cにおける挿入口22zを画定する部分及び内面支持部22bにおける挿入口22zを画定する部分と接触し、その後、背面支持部22a及び内面支持部22bに摺接する。
【0037】
以上に述べたように、本実施形態によれば、プロファイル20を溶融着させる構成ではなく、ベルト本体10の一部を、内面支持部22bと第1側面支持部22cとの間に設けられた挿入口22zから、ベルト幅方向に挿入し、空間22Vに嵌合させる構成を採用したことで、プロファイル20の材料の選択に過度な制約が生じず、また、プロファイル20の交換を容易に行うことができる(例えば、寿命に達したプロファイル20を新しいものに容易に交換することができる)。しかも、ベルト本体10に穴を設ける必要がないため、ベルト本体10の強度低下が抑制される。さらに、高価な金型が不要なため、製造コストを低減することができ、ベルト本体10やプロファイル20の形状・寸法の変更への対応も容易である。またさらに、背面支持部22aと内面支持部22bとによってベルト本体10をベルト厚み方向に挟持し、且つ、第1側面支持部22cと第2側面支持部22dとによってベルト本体10をベルト幅方向に挟持する構成であると共に、挿入口22zのサイズがベルト本体10の厚みDと同等であることから、プロファイル付きベルト1の駆動時等に、プロファイル20がベルト本体10から外れ難い。
【0038】
また、背面支持部22aと内面支持部22bとによってベルト本体10をベルト厚み方向に挟持し、且つ、第1側面支持部22cと第2側面支持部22dとによってベルト本体10をベルト幅方向に挟持する構成であると共に、挿入口22zのサイズがベルト本体10の厚みと同等であることから、ベルト幅方向及びベルト厚み方向の両方向において、プロファイル20をベルト本体10に対してガタつきなく固定することができる。
【0039】
ベルト本体10は、内面10xに複数の歯11が設けられた歯付ベルトであり、内面支持部22bにおける内面10xを支持する面に、複数の歯11の間に嵌合する少なくとも1つの凸部22bpが設けられている。当該構成によれば、ベルト長手方向において、プロファイル20をベルト本体10に対してガタつきなく固定することができる。
【0040】
内面支持部22bにおける内面10xを支持する面に、複数の凸部22bpが設けられている。当該構成によれば、ベルト長手方向においてプロファイル20をベルト本体10に対してガタつきなく固定することができるという効果を、より確実に得ることができる。
【0041】
内面支持部22bは、ベルト本体10の内面10xにおけるベルト幅方向の長さの60%以上(好ましくは、70〜80%)を支持する。当該構成によれば、プロファイル20がベルト本体10から外れ難いという効果を、より確実に得ることができる。
【0042】
第1側面支持部22cは、ベルト本体10の一方の側面10z1におけるベルト厚み方向の長さの50%以上を支持する。当該構成によれば、プロファイル20がベルト本体10から外れ難いという効果を、より確実に得ることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、例えば以下のように、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0044】
・ベルト本体に取り付けられるプロファイルの数は、1以上の任意の数であってよい。
・ベルト本体の形状・寸法・材料等は、任意に変更可能である。例えば、ベルト本体は、歯付ベルトであることに限定されず、平ベルト等であってもよい。
・プロファイル本体の形状・寸法は、任意に変更可能である。例えば、プロファイル本体は、ベルト幅方向に関してベルト本体よりも短くてもよく、ベルト幅方向に沿った側面がベルト厚み方向に対して傾斜してもよく、ベルト幅方向に沿った側面に突出部が設けられてもよい。また、アタッチメント取付穴を有さなくてもよい。
・ベルト本体及びプロファイルの材料は、特に限定されず、任意に変更可能である。
・ベルト本体が歯付ベルトである場合に、内面支持部におけるベルト本体の内面を支持する面に、複数の歯の間に嵌合する凸部が1つだけ設けられてもよく、また、凸部が設けられなくてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 プロファイル付きベルト
10 ベルト本体
10x 内面
10y 背面
10z1 一方の側面
10z2 他方の側面
11 歯
20 プロファイル
21 プロファイル本体
22 支持部
22a 背面支持部
22b 内面支持部
22bp 凸部
22c 第1側面支持部
22d 第2側面支持部
22V 空間
22z 挿入口
Lz 挿入口のサイズ