(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、狭い作業空間であっても、良好な作業性で、掃除をして、
橋梁の堆積物を収集して回収することができる掃除機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本件明細書および特許請求の範囲における序数詞である「第1」〜「第4」は、順序を表わさず、識別のためにのみ使用される。以下に述べる第1吸込み装置50(
図13)、88(
図20)、第2吸込み装置118(
図27)、第3吸込み装置148(
図34)を構成する各部分には、それらの装置50(
図13)、88(
図20)、118(
図27)、148(
図34)に類似する実施の他の形態における対応する各部分の参照符を付して示すことがある。
本発明は、
橋梁の堆積物を掃除する掃除機1であって、
(a)前方に開口し、後部が可撓管2を介して負圧源3に接続される掃除機1の第1吸込み装置50(
図13)、88(
図20)であって、
(a1)前後方向に延びる平板状の第1基板21、61と、
(a2)第1基板21、61の両側部22、23で立ち上がる側板24、25(
図1〜
図6、
図13):64、65(
図14〜
図20)と、
(a3)側板24、25(
図1〜
図6、
図13):64、65(
図14〜
図20)から上方に連なり、第1基板21、61の前後方向の途中位置から後方になるにつれて高くなる板状である第1立上り側板36、37(
図1〜
図6、
図13):76、77(
図14〜
図20)と、
(a4)第1基板21、61の後端部27に配置され、第1基板21、61から立上り、第1基板21、61、側板24、25(
図1〜
図6、
図13):64、65(
図14〜
図20)、および第1立上り側板36、37(
図1〜
図6、
図13):76、77(
図14〜
図20)に固定され、幅方向中央位置付近(
図2、
図15の左右方向中央位置付近)で前方に臨んで開口する第1吸込み孔28、68を有する第1端板29、69と、
(a5)筒状の第1操作部材51、71aであって、
後方になるにつれて上方に傾斜した軸線32、72を有し、
片方の手で掴んで第1基板21、61の前端部39、79で堆積物を掻き取ってすくい取る作業をすることができる寸法を有し(段落[0018]、[0020]、[0025]、
図10、
図11)、
第1端板29、69に固定され、第1吸込み孔28、68に連通する第1一端部54、74aを有し、
接続のための第1他端部55、75を有し、
第1一端部54、74aで膨出し、第1他端部55、75側になるにつれて軸直角断面積が小さく形成される第1操作部材51、71aとを含む第1吸込み装置50(
図13)、88(
図20)と、
(b)第1操作部材51、71aの第1他端部55、75に、着脱可能に気密に接続される第2一端部を有し、
接続のための第2他端部を有する可撓管2と、
(c)負圧源3であって、
(c1)上方に開放した有底筒状容器6と、
(c2)容器6内に取外し可能に、
容器6の底面と内周壁とに沿って、上部が外向きに容器6の上部にかぶさって配置される堆積物収納袋8と、
(c3)堆積物吸引手段であって、
容器6の上部に
堆積物収納袋8の上部を介在して配置される取付けフランジ13と、
通気性を有し、上部が取付けフランジ13に支持され、堆積物収納袋8の内面との間に堆積物回収空間16を形成する外面を有し、
堆積物回収空間16内で容器6の底面よりも上方に間隙をあけて配置される下部を有する有底筒状フイルタ11と、
フイルタ11内に設けられ、フイルタ11を介して空気を吸引し、フランジ13の上方17から排気する吸引機構12と、
フランジ13に設けられ、可撓管2の第2他端部が接続され、堆積物回収空間16に連通する接続端15とを有し、
堆積物収納袋8に取外し可能である堆積物吸引手段と、
(c4)取付けフランジ13と
堆積物収納袋8の上部を介在する容器6の上部とを離脱可能に連結する連結具14とを有する負圧源3とを含むことを特徴とする橋梁の堆積物を掃除する掃除機である。
【0006】
本件明細書中、たとえば前方、後方、上方、下方などの方向は、吸込み装置の構成を説明する便宜のためにのみ使用され、特定の構成、動作および操作を限定することを、意図していない。本発明は、吸込み装置が使用操作される各種の態様に拘らず、請求項において便宜のためにのみ使用された前後方向、上下方向などの方向によって定義された構成自体である。一例を述べると、前方とは、吸込み装置の操作部材を手で掴んだ作業者が、たとえば橋梁の床組、軌道や路面などの上面の堆積物を、掻き取って、基板へすくい取り、基板上に載せる典型的な使用態様において、吸込み装置を移動操作する下流であり、たとえば後述の右側面図である
図6、
図19、
図26の左方であり、後方とは、吸込み装置を移動操作する上流である。上方とは、この使用態様において、基板から見て、堆積物が乗載している方向であり、たとえば右側面図である
図6、
図19、
図26の上方であり、下方とは、
図6、
図19、
図26の下方である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、
図13、図20に示されるように、典型的な使用態様では、作業者は、吸込み装置の操作部材を片方の手で掴んで、たとえば橋梁の床組、軌道や路面などの上面の堆積物を、掻き取って、基板へすくい取り、基板上に載せる作業を良好な作業性で容易に行なうことができる。基板上に載せられた堆積物は、負圧源の吸引力によって、また、作業者が操作部材を手で操作して吸込み装置の後部が下方となるように傾斜することによって、基板の両端部の側板に沿って案内され、吸込み孔から操作部材を経て可撓管から負圧源によって吸引され、収集されて回収される。
操作部材は、後方になるにつれて上方に傾斜した軸線を有し、たとえば橋梁の床組、軌道などの上面から離間する方向に延びるので、作業者は、吸込み装置の操作部材を片方の手で掴みやすい。したがって、たとえば前記上面の堆積物を、掻き取って、基板へすくい取ったり、凸部の延びる軸線方向に吸引する作業を、良好な作業性で容易に行なうことができる。
【0008】
本発明は、
橋梁の堆積物を掃除する掃除機1は、
(a)前方で下方に開放し、後部が可撓管2を介して負圧源3に接続される掃除機1の第2吸込み装置118(
図27)を含み、この第2吸込み装置118は、
(a1)前後方向に延びる平板状の第2基板91(
図21〜
図27)と、
(a2)第2基板91の両側部で立ち上がり(
図27)、第2基板91から前方に延び、後方になるにつれて高くなる板状である第2立上り側板106、107(
図21〜
図27)と、
(a3)第2立上り側板106、107の上端部の全長にわたって取付けられ、第2基板91および第2立上り側板106、107とともに空間112を規定し、第2基板91の前方で下方に臨んで開放する取入れ口116を形成するカバー部111と、
(a4)第2基板91の後端部に配置され、第2基板91から立上り、第2基板91、第2立上り側板106、107(
図1〜
図27)、およびカバー部111に固定され、幅方向中央位置付近(
図22の左右方向中央位置付近)で前方に臨んで開口する第2吸込み孔98を有する第2端板99と、
(a5)筒状の第2操作部材101aであって、
後方になるにつれて上方に傾斜した軸線102を有し、
片方の手で掴んで第2基板91の前端部109で堆積物を掻き取ってすくい取る作業をすることができる寸法を有し(段落[0007]、[0036]、[0041]、[0042]、
図10、
図11)、
第2端板99に固定され、第2吸込み孔98に連通する第3一端部104aを有し、
接続のための第3他端部105を有し、
第3一端部104aで膨出し、第3他端部105側になるにつれて軸直角断面積が小さく形成される第2操作部材101aとを含む第2吸込み装置118(
図27)を備え、
(b)可撓管2の第2一端部は、第3他端部105に着脱可能に気密に接続されることを特徴とする。
本発明は、
橋梁の堆積物を掃除する掃除機1であって、
(a)前方で下方に開放し、後部が可撓管2を介して負圧源3に接続される掃除機1の第2吸込み装置118(
図27)であって、
(a1)前後方向に延びる平板状の第2基板91(
図21〜
図27)と、
(a2)第2基板91の両側部で立ち上がり(
図27)、第2基板91から前方に延び、後方になるにつれて高くなる板状である第2立上り側板106、107(
図21〜
図27)と、
(a3)第2立上り側板106、107の上端部の全長にわたって取付けられ、第2基板91および第2立上り側板106、107とともに空間112を規定し、第2基板91の前方で下方に臨んで開放する取入れ口116を形成するカバー部111と、
(a4)第2基板91の後端部に配置され、第2基板91から立上り、第2基板91、第2立上り側板106、107(
図1〜
図27)、およびカバー部111に固定され、幅方向中央位置付近(
図22の左右方向中央位置付近)で前方に臨んで開口する第2吸込み孔98を有する第2端板99と、
(a5)筒状の第2操作部材101aであって、
後方になるにつれて上方に傾斜した軸線102を有し、
片方の手で掴んで第2基板91の前端部109で堆積物を掻き取ってすくい取る作業をすることができる寸法を有し(段落[0007]、[0036]、[0041]、[0042]、
図10、
図11)、
第2端板99に固定され、第2吸込み孔98に連通する第3一端部104aを有し、
接続のための第3他端部105を有し、
第3一端部104aで膨出し、第3他端部105側になるにつれて軸直角断面積が小さく形成される第2操作部材101aとを含む第2吸込み装置118(
図27)と、
(b)第2操作部材101aの第3他端部105に、着脱可能に気密に接続される第2一端部を有し、
接続のための第2他端部を有する可撓管2と、
(c)負圧源3であって、
(c1)上方に開放した有底筒状容器6と、
(c2)容器6内に取外し可能に配置され、
容器6の底面と内周壁とに沿って配置され、上部が外向きに容器6の上部にかぶさって配置される堆積物収納袋8と、
(c3)堆積物吸引手段であって、
容器6の上部に
堆積物収納袋8の上部を介在して配置される取付けフランジ13と、
通気性を有し、上部が取付けフランジ13に支持され、堆積物収納袋8の内面との間に堆積物回収空間16を形成する外面を有し、
堆積物回収空間16内で容器6の底面よりも上方に間隙をあけて配置される下部を有する有底筒状フイルタ11と、
フイルタ11内に設けられ、フイルタ11を介して空気を吸引し、フランジ13の上方17から排気する吸引機構12と、
フランジ13に設けられ、可撓管2の第2他端部が接続され、堆積物回収空間16に連通する接続端15とを有し、
堆積物収納袋8に取外し可能である堆積物吸引手段と、
(c4)取付けフランジ13と
堆積物収納袋8の上部を介在する容器6の上部とを離脱可能に連結する連結具14とを有する負圧源3とを含むことを特徴とする橋梁の堆積物を掃除する掃除機である。
【0009】
本発明によれば、
図27に示されるように、側板の上端部が後部でカバー部によって覆われるので、吸込み孔付近で、基板と側板とカバー部とで規定される空間における負圧の絶対値を可及的に大きくすることができる。これによって、基板上の堆積物は、吸込み孔に負圧吸引されて吸込まれやすくなり、比較的大量の堆積物を、および比較的比重の大きい小石などの堆積物を、回収することができる。
【0010】
本発明は、
橋梁の堆積物を掃除する掃除機1は、
(a)下方に開口し、上部が可撓管2を介して負圧源3に接続される掃除機1の第3吸込み装置148(
図34)を含み、この第3吸込み装置148は、
(a1)下方に臨む取入れ口126に連なって取入れ空間127が形成され、両側部に、下方に開放した切欠き141が形成され、上部の端壁125に、取入れ空間127に開口する第3吸込み孔128を有する包囲部材121aと、
(a2)筒状の第3操作部材131a(
図34)であって、
片方の手で掴んで取入れ口126から堆積物を吸引させて除去する作業をすることができる寸法を有し(段落[0049]、[0052])、
端壁125に固定され、第3吸込み孔128に連通する第4一端部133aを有し、
接続のための第4他端部134を有し、
第4一端部133aで膨出し、第4他端部134側になるにつれて軸直角断面積が小さく形成される第3操作部材131aとを備え、
(b)可撓管2の第2一端部は、第4他端部134に着脱可能に気密に接続されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、
図34に示されるように、たとえば橋梁の床組、軌道などの上面から突出した植込みボルト、その他のボルト頭、ナットなどの凸部付近を掃除するにあたり、包囲部材の下部を前記上面に当接した状態で、包囲部材の切欠きが凸部を通過するように、幅方向両側に、すなわち左右両側方(
図29の左右方向、
図33、図34の紙面に垂直方向)に、往復移動する。これによって、凸部付近が包囲部材の負圧である取入れ空間内にあり、凸部付近の堆積物を、取入れ口から取入れ空間を経て吸込み孔に、容易に吸引されて、除去することができる。前述の従来では、凸部付近の堆積物を除去しにくく、特に凸部に巻き付いている堆積物は、除去しにくかったが、本発明によれば、凸部の延びる軸線方向(
図29、
図33、図34の上方)に、堆積物を吸引できるので、その掃除の作業性は良好である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の実施の一形態の掃除機1(後述の
図7参照)の吸込み装置20の斜視図であり、
図2は吸込み装置20の正面図であり、
図3は吸込み装置20の背面図であり、
図4は吸込み装置20の平面図であり、
図5は吸込み装置20の底面図であり、
図6は吸込み装置20の右側面図である。吸込み装置20の左側面図は、右側面図と対称にあらわれる。
【0016】
掃除機1の吸込み装置20は、前方(
図6の左方)に開口し、後部(
図6の右方)が可撓管2を介して負圧源3に接続される。吸込み装置20は、
図2〜
図5の左右対称に構成される。吸込み装置20は、前後方向(
図6の左右方向)に延びる平板状の基板21を有する。基板21の両側部22、23には、上方になるにつれて基板21の幅方向外方(
図2の左右方向)に傾斜して立ち上がる側板24、25が取付けられる。側板24、25には、立上り側板36、37が上方に延びて固定される。端板29は、基板21の後端部27に配置され、基板21から垂直に立上り、基板21、側板24、25および立上り側板36、37に固定され、前方に臨んで開口する吸込み孔28を有する。端板29には、筒状、たとえば直円筒状の操作部材31の一端部34が固定されて吸込み孔28に連通する。操作部材31の他端部35は、可撓管2に着脱可能に気密に接続される。吸込み装置20は、たとえば、その全体が、鋼、アルミニウムなどの高強度の金属製である。
【0017】
立上り側板36、37は、基板21の仮想延長面に垂直に、側板24、25から上方に連設される。立上り側板36、37は、基板21の前後方向(
図6の左右方向)の途中位置から、側方から見て、後方(
図6の右方向)になるにつれて高くなる3角形の板状である。
【0018】
吸込み装置20の寸法形状の一例を述べる。
図6のように、基板21の前後方向の長さL21=100mm、基板21の前端部39から立上り側板36までの距離L36a=54mm(したがって、たとえば、L36a≒L21/2)、操作部材31の長さL31=200mm、操作部材31の呼び径φ38mm、端板29の高さH29=61mm、側板24の基板21に垂直な高さH24=15mm、
図2のように、端板29の幅W29=87mm、基板21の幅W21=60mmである。
【0019】
操作部材31は、後方(
図6の右方)になるにつれて上方に角度θだけ傾斜した軸線32を有する。角度θは、たとえば10°〜30°であり、好ましくは15°であってもよい。この角度θによって、作業者の堆積物を吸込む作業性が向上される。
【0020】
作業者は、吸込み装置20の操作部材31を片方の手で掴んで、たとえば橋梁の床組、軌道などの上面の堆積物を、掻き取って、基板21へすくい取り、基板21上に載せる作業を良好な作業性で容易に行なうことができる。基板21上に載せられた堆積物は、負圧源3の吸引力によって、また、作業者が操作部材31を手で操作して吸込み装置20の後部(
図6の右方)が下方となるように傾斜することによって、基板21の両端部の側板24、25および立上り側板36、37に沿って案内され、吸込み孔28から操作部材31を経て可撓管2から負圧源3によって吸引され、収集されて回収される。
【0021】
端板29は、前述のように、基板21に垂直であるので、吸込み孔28の内径よりも大きく、したがって吸込み孔28へ入り込むことができない外形を有する堆積物、たとえば小石などは、吸込み孔28に臨んで吸引されて、吸込み孔28の外方で、基板21上で端板29に当接したままで静止する。したがって、そのような外形が大きい堆積物は、操作部材31の目詰りを生じさせることはない。作業者は、端板29に吸引当接したままで静止している堆積物を、手で掴み出して取り除き、掃除を続行することができる。したがって、掃除の途中で、目詰りに起因して負圧源3を休止せず、連続運転が可能であり、能率がよい。
【0022】
図7は掃除機1の全体の斜視図であり、
図8は掃除機1に備えられる負圧源3の断面図であり、
図9は負圧源3の堆積物を回収する作業状態を示す分解斜視図である。負圧源3は、上方に開放した有底筒状容器6内に、堆積物収納袋8が収納され、容器6の上部から堆積物吸引手段9が着脱可能に設置されて構成される。堆積物収納袋8は、たとえば土嚢用の袋などであってもよい。堆積物吸引手段9は、通気性を有する有底筒状フイルタ11と、そのフイルタ11内に設けられる吸引機構12と、フイルタ11および吸引機構12の上部が支持される取付けフランジ13と、フランジ13と
堆積物収納袋8の上部を介在する容器6の上部とを離脱可能に連結する連結具14とを含む。フランジ13に立設される接続端15には、可撓管2の基端部が接続される。接続端15は、堆積物回収袋8の内面とフイルタ11の外面との間の堆積物回収空間16に連通する。フイルタ11を介して吸引される空気は、堆積物吸引手段9の上部に形成された排気口17から排出される。吸込み装置20から可撓管2および接続端15を経て吸引搬送されてきた堆積物は、堆積物回収空間16に貯留される。堆積物回収袋8は、連結具14の連結を解除して、
図9のように、堆積物吸引手段9を容器6から取外すことによって、交換できる。
図8に示されるとおり、堆積物収納袋8は、容器6内に取外し可能に、容器6の底面と内周壁とに沿って、上部が外向きに容器6の上部にかぶさって配置される。堆積物吸引手段の取付けフランジ13は、容器6の上部に堆積物収納袋8の上部を介在して配置される。有底筒状フイルタ11は、通気性を有し、上部が取付けフランジ13に支持され、堆積物収納袋8の内面との間に堆積物回収空間16を形成する外面を有し、堆積物回収空間16内で容器6の底面よりも上方に間隙をあけて配置される下部を有する。
【0023】
吸引機構12は、電動機によって駆動される吸引ファンを備える。電動機には、掃除現場へ運搬可能な発電装置から電力が供給されてもよい。発電装置は、内燃機関によって駆動される発電機を含む。電動機には、商用交流電力が、可撓性電線を介して供給されてもよい。堆積物を吸引回収するために、サイクロンなどを備える構成が実現されてもよい。負圧源3は、たとえば1.2kWの定格電力で風量3Nm
3/分であってもよい。
【0024】
図10は、吸込み装置20を使用して作業者が堆積物回収作業をしている状態を示す図である。作業者は、片方の手41で操作部材31を掴み、基板21の前端部39で、橋梁の床組、軌道などのコンクリートの上面などに堆積して存在する堆積物を、掻き取って、基板21へすくい取り、基板21上に載せる。基板21上の堆積物は、吸込み孔28から負圧吸引される。
【0025】
図11は、吸込み装置20を使用して作業者が堆積物回収作業をしている他の状態を示す図である。作業者は、たとえば鉄道軌道の道床における水平な面42上にある植物などを、基板21の前端部39で掻き取ってすくい取ることが、容易である。
【0026】
図12は、作業者が堆積物回収作業をしているさらに他の状態を示す図である。この作業では、たとえば鉄道軌道の道床や道路の路面などにおいて、植込みボルトなどの凸部43の付近では、筒状の吸込み装置44を用いて、堆積物の回収作業が行なわれてもよい。吸込み装置44は、軸直角断面が小判形である偏平な筒部本体45を有し、その前端部46の端面は、筒部本体45の軸線に斜めに交差した仮想平面内にある。吸込み装置44のその他の構成は、前述の吸込み装置20に類似する。
【0027】
図13は、本発明の実施の他の形態の吸込み装置50の右側面図である。この吸込み装置50は、前述の吸込み装置20に類似し、対応する部分には、同一の参照符を付す。注目すべきは、端板29に取付けられる操作部材51の一端部54付近は、
図13に明らかに示されるとおり、膨出し、他端部55側に小径となる中空円錐台状に形成される。この実施の形態によれば、吸込み孔28からの堆積物は、円滑に操作部材51内へ導かれて回収される。一例として、中空円錐台の長さL54は、操作部材51の長手方向の長さL51の1/3〜1/2(L54 = L51/3〜L54 = L51/2)であって、たとえば7〜10cmに選ばれてもよい。
【0028】
図14は本発明の実施の他の形態の掃除機1の吸込み装置60の斜視図であり、
図15は吸込み装置60の正面図であり、
図16は吸込み装置60の背面図であり、
図17は吸込み装置60の平面図であり、
図18は吸込み装置60の底面図であり、
図19は吸込み装置60の右側面図である。吸込み装置60の左側面図は、右側面図と対称にあらわれる。この吸込み装置60は、前述の吸込み装置20、44、50に類似し、対応する部分の説明を簡略に、または省略する。
【0029】
掃除機1の吸込み装置60は、前方(
図19の左方)に開口し、後部(
図19の右方)が可撓管2を介して負圧源3に接続される。吸込み装置60は、
図15〜
図18の左右対称に構成される。吸込み装置60は、前後方向(
図19の左右方向)に延びる平板状の基板61を有する。基板61の両側部には、上方になるにつれて基板61の幅方向外方(
図15の左右方向)に傾斜して立上る側板64、65が取付けられる。側板64、65には、立上り側板76、77が上方に延びて固定される。
【0030】
立上り側板76、77は、基板61の仮想延長面に垂直に、側板64、65から上方に連設される。
【0031】
立上り側板76、77の上端部は、側板64、65から後方になるにつれて高く立上った前傾斜部83、84を有する。立上り側板76、77の前傾斜部83、84から後方に連なる上端部には、カバー部81が取付けられる。カバー部81は、基板61の少なくとも後部を覆う。立上り側板76、77は、基板61の前後方向(
図19の左右方向)の途中位置から、側方から見て、後方(
図19の右方向)になるにつれて高くなる3角形に近似した形状を有する板状である。
【0032】
吸込み装置60の寸法形状の一例を述べる。
図19のように、基板61の前後方向の長さL61=100mm、基板61の前端部79から立上り側板76の前傾斜部83までの距離L76a=30mm(したがって、たとえば、L76a≒L61/3)、操作部材71の長さと呼び径とは前述の操作部材31と同一値であり、端板69の高さH69=42mm、側板64の基板61に垂直な高さH64=15mm、前傾斜部83の高さH83=9mm、
図15のように、端板69の幅W69=90mm、基板61の幅W61=60mmである。
【0033】
端板69は、基板61の後端部に配置され、基板61から垂直に立上り、基板61、側板64、65、立上り側板76、77およびカバー部81に固定され、前方に臨んで開口する吸込み孔68を有する。端板69には、筒状、たとえば直円筒状の操作部材71の一端部74が固定されて吸込み孔68に連通する。操作部材71の他端部75は、可撓管2に着脱可能に気密に接続される。操作部材71は、後方(
図19の右方)になるにつれて上方に角度θだけ傾斜した軸線72を有する。
【0034】
カバー部81は、基板61、側板64、65および立上り側板76、77とともに、空間82を規定する。カバー部81は、前方に臨んで開放する取入れ口86に連なる。空間82は、吸込み孔68付近における負圧の絶対値を可及的に大きくする。これによって、基板61の前端部79で、たとえば鉄道軌道の道床に固着している堆積物を剥離して、基板61上へすくい取ることができる。基板61上の堆積物は、取入れ口86から空間82を経て吸込み孔68に負圧吸引されて吸込まれやすくなり、比較的大量の堆積物を、および比較的比重の大きい小石などの堆積物を、回収することができる。吸込み装置60のその他の構成と動作、操作などは、前述の実施の形態に類似する。
【0035】
図20は、本発明の実施の他の形態の吸込み装置88の右側面図である。この吸込み装置88は、前述の吸込み装置60に類似し、対応する部分には、同一の参照符を付す。注目すべきは、端板69に取付けられる操作部材71aの一端部74a付近は、他端部75側になるにつれて軸直角断面の断面積が小さくなる筒状に形成される。この一端部74a付近は、操作部材71の軸線72の下方に膨出した形状を有する。この実施の形態によれば、吸込み孔68からの堆積物は、円滑に操作部材71a内へ導かれて回収される。吸込み装置88のその他の構成と動作、操作などは、前述の実施の形態に類似する。
【0036】
図21は本発明の実施の他の形態の掃除機1の吸込み装置90の斜視図であり、
図22は吸込み装置90の正面図であり、
図23は吸込み装置90の背面図であり、
図24は吸込み装置90の平面図であり、
図25は吸込み装置90の底面図であり、
図26は吸込み装置90の右側面図である。吸込み装置90の左側面図は、右側面図と対称にあらわれる。この吸込み装置90は、前述の吸込み装置に類似し、対応する部分の説明を簡略に、または省略する。
【0037】
掃除機1の吸込み装置90は、前方および下方(
図26の左方および下方)に開口する取入れ口116を有し、後部(
図26の右方)が可撓管2を介して負圧源3に接続される。吸込み装置90は、
図22〜
図25の左右対称に構成される。吸込み装置90は、前後方向(
図26の左右方向)に後方寄りで延びる平板状の基板91を有する。基板91の両側部には、上方になるにつれて基板61の幅方向外方(
図22の左右方向)に傾斜して立ち上がる側板94、95が、前方(
図26の左方)に延びて取付けられる。側板94、95には、立上り側板106、107が上方に延びて固定される。
【0038】
立上り側板106、107は、基板91の仮想延長面に垂直に、側板94、95からその全長にわたって上方に連設される。立上り側板106、107は、側方から見て、後方(
図26の右方向)になるにつれて高くなる直角3角形の形状を有する板状である。
【0039】
立上り側板106、107の上端部には、カバー部111が取付けられる。カバー部111は、基板91を覆う。
【0040】
端板99は、基板91の後端部に配置され、基板91から垂直に立上り、基板91、側板94、95、立上り側板106、107およびカバー部111に固定され、前方に臨んで開口する吸込み孔98を有する。端板99には、筒状、たとえば直円筒状の操作部材101の一端部104が固定されて吸込み孔98に連通する。操作部材101の他端部105は、可撓管2に着脱可能に気密に接続される。操作部材101は、後方(
図26の右方)になるにつれて上方に角度θだけ傾斜した軸線102を有する。
【0041】
吸込み装置90の寸法形状の一例を述べる。
図26のように、側板94の前後方向の長さL94=100mm、基板91の端板99から前端部109までの距離L91=35mm(したがって、たとえば、L91≒L94/3)、操作部材101の長さと呼び径とは前述の操作部材31と同一値であり、端板99の高さH99=61mm、側板94の基板91に垂直な高さH94=15mm、
図22のように、端板99の幅W99=90mm、基板91の幅W91=60mmである。
【0042】
カバー部111は、基板91、側板94、95および立上り側板106、107とともに、空間112を規定する。カバー部111は、前方および下方に臨んで開放する取入れ口116に連なる。空間112は、除去すべき堆積物の全体を収納するので、吸込み孔98付近における負圧の絶対値を可及的に大きくする。これによって、基板91上の堆積物は、取入れ口116から空間112を経て吸込み孔98に負圧吸引されて吸込まれやすくなり、比較的大量の堆積物を、および比較的比重の大きい小石などの堆積物を、回収することができる。吸込み装置90のその他の構成と動作、操作などは、前述の実施の形態に類似する。
【0043】
図27は、本発明の実施の他の形態の吸込み装置118の斜視図である。この吸込み装置118は、前述の吸込み装置90に類似し、対応する部分には、同一の参照符を付す。注目すべきは、端板99に取付けられる操作部材101aの一端部104a付近は、他端部105側になるにつれて軸直角断面の断面積が小さくなる筒状に形成される。この一端部104a付近は、操作部材101aの軸線102の上方に膨出した形状を有する。この実施の形態によれば、吸込み孔98からの堆積物は、円滑に操作部材101a内へ導かれて回収される。
図21〜26における側板94、95は、この実施の形態では、省略される。吸込み装置118のその他の構成と動作、操作などは、前述の実施の形態に類似する。
【0044】
図28は本発明の実施の他の形態の掃除機1の吸込み装置120の斜視図であり、
図29は吸込み装置120の正面図であり、
図30は吸込み装置120の背面図であり、
図31は吸込み装置120の平面図であり、
図32は吸込み装置120の底面図であり、
図33は吸込み装置120の右側面図である。吸込み装置120の左側面図は、右側面図と対称にあらわれる。この吸込み装置120は、前述の吸込み装置に類似し、対応する部分の説明を簡略に、または省略する。
【0045】
掃除機1の吸込み装置120は基本的に、包囲部材121と包囲部材121の上部に連なる筒状、たとえば直円筒状の操作部材131とを含み、操作部材131が可撓管2を介して負圧源3に接続される。吸込み装置120は、
図29〜
図32の左右対称に構成され、包囲部材121は、
図33の左右対称に構成される。
【0046】
包囲部材121は、周壁124と、周壁124の上部を塞ぐ端壁125とを有する。周壁124は、下方に臨む取入れ口126を形成し、この取入れ口126に連なって端壁125とともに取入れ空間127を形成する。端壁125には、取入れ空間127に開口する吸込み孔128が形成される。操作部材131の一端部133は、端壁125に固着され、吸込み孔128に連通する。操作部材131の他端部134は、可撓管2に着脱可能に気密に接続される。操作部材131は、後方(
図33の右方)になるにつれて上方に角度θ1だけ傾斜した軸線132を有する。角度θ1は、たとえば30°〜60°であってもよく、好ましくは45°に選ばれる。
【0047】
周壁124では、前板135aと後板135bとにそれぞれ関連して、参照符に添え字a、bを付し、総括的に数字のみで示す。側板136は、斜め側板137、138を介して、前板135aと後板135bとに連なって固定される。周壁124の側板136は、
図33に明らかに示されるように、下方から上方になるにつれて前後方向(
図33の左右方向)の幅が大きくなるように構成され、したがって、その内部の取入れ空間127は下方から上方になるにつれて拡がって形成される。
【0048】
包囲部材121の周壁124における側板136および斜め側板137、138から成る両側部には、下方に開放した逆U字状の切欠き141が形成される。
【0049】
吸込み装置120を使用して作業者が堆積物回収作業を、
図28を参照して説明する。作業者は、片方の手で操作部材131を掴んだ状態で、たとえば橋梁の床組、軌道などの上面142から突出した植込みボルト、その他のボルト頭、ナットなどの凸部143付近を掃除するにあたり、包囲部材121の下部を上面142に当接した状態で、包囲部材121の切欠き141が凸部143を通過するように、幅方向145の両側に、すなわち左右両側方(
図29の左右方向、
図33の紙面に垂直方向)に、往復移動する。これによって、凸部143およびその付近を、包囲部材121の負圧である取入れ空間127内に存在させる。したがって、凸部143付近の堆積物を、容易に取入れ口126から取入れ空間127を経て吸込み孔128に吸引させて、除去することができる。前述の従来では、凸部143付近の堆積物を除去しにくく、特に凸部143に巻き付いている堆積物は、除去しにくかったが、本発明によれば、凸部143の延びる軸線方向(
図28、
図29、
図33の上方)に、堆積物を吸引できるので、その掃除の作業性は良好である。
【0050】
取入れ空間127は、その下部の取入れ口126および切欠き141から上方になるにつれて拡がって形成されるので、凸部143付近などの堆積物を、比較的狭い取入れ口126および切欠き141から取入れ空間127内へ、大きな吸引力で、取入れて収納することができる。取入れ空間127は、その上部で拡がって形成されるので、取入れ空間127内に、一旦、取入れられた堆積物は、吸込み孔128へ連続して順次的に円滑に吸込まれて導かれ、したがって、堆積物によって吸込み孔128が目詰まりを生じることはない。
【0051】
吸込み装置90の寸法形状の一例を述べる。
図33のように、端壁125の前後方向の長さL125=62mm、切欠き141の下端部の前後方向の長さL141=28mm、前板135a、135bの高さH135=90mm、切欠き141の高さH141=30mm、操作部材131の長さと呼び径とは前述の操作部材31と同一値であり、
図29のように、前板135の幅W135=mm、端壁125の幅W125=62mmである。
【0052】
図34は、本発明の実施の他の形態の吸込み装置148の右側面図である。この吸込み装置148は、前述の吸込み装置120に類似し、対応する部分には、同一の参照符を付す。注目すべきは、包囲部材121aの端壁125に取付けられる操作部材131aの一端部133a付近は、
図34に明らかに示されるとおり、膨出し、他端部134側になるにつれて軸直角断面の断面積が小さくなる筒状に、たとえば他端部134側に小径となる中空円錐台状に形成される。この実施の形態によれば、吸込み孔128からの堆積物は、円滑に操作部材131a内へ導かれて回収される。吸込み装置148のその他の構成と動作、操作などは、前述の実施の形態に類似する。